「天空の駅」、地元が JR 西に譲渡申し入れへ 旧三江線

昨年 3 月で廃線となった JR の旧三江線の宇都井駅と口羽駅(ともに邑南町)の駅舎施設の活用策を検討してきた同町は 4 日、JR 西日本に無償譲渡を申し入れることを決めた。 保存を求めて活動する地元の NPO 法人「江の川鉄道」と連携して具体的な活用法を探り、地域活性化につなげる方針。 同日開会の町議会で石橋良治町長が明らかにした。

本会議の施政方針で石橋町長は「(江の川鉄道が)鉄道公園化構想を掲げて実証実験を実施し、得られた成果などを町として総合的に判断した結果、これらの鉄道資産を取得することにした」などと表明した。近く、JR に資産譲渡を依頼する手続きに入る。 両駅の活用をめぐっては、住民有志でつくる江の川鉄道が昨夏から今年 1 月まで様々なイベントを実施。 両駅周辺の線路を使ったユニークなトロッコ列車の運行が鉄道ファンの人気を集めた。 また、ホームが高所にあり、「天空の駅」として知られる宇都井駅でのライトアップ行事にも多くの見学者や観光客らが訪れた。

江の川鉄道は 2 月、こうした活動実績をもとに「鉄道資産の活用で高い集客力が見込める」と町に報告。 JR から借りている駅一帯を鉄道公園として整備することを町に要望した。 取得方針が決まったことに、江の川鉄道の日高弘之理事長は「町長が重い決断をしてくれて感謝したい。 社会実験で細かいデータを示せたのがよかったのかなと思う。 これを地域活性化への第一歩にしたい」と話した。 (杉山高志、asahi = 3-5-19)


「つい間違えてしまう都道府県ランキング」発表! 1 位はやっぱり「島根と鳥取」!! 2 位は「群馬と栃木」、3 位「栃木と茨城」

日本人なら、誰もが学校で勉強する日本地図。 北海道・東北・関東・中部・近畿・中国・四国・九州と、それぞれどの都道府県があるかは分かるけれど、「つい間違えてしまう都道府県がある」という人も少なくないようです。 NTT レゾナントが運営するランキングサイト「goo ランキング」は、"つい間違えてしまう都道府県" についてアンケート調査を実施。 3,107 票の回答をもとにランキングを発表しました。

1 位は、島根県と鳥取県!

中国地方の日本海側に並んで位置している島根県と鳥取県。 島根県といえば、縁結びの神様として知られる大国主大神をまつる出雲大社や、国宝・松江城などが有名。 一方の鳥取県は、国内最大級の規模を誇る砂丘・鳥取砂丘が広く知られています。 この 2 県は字面が似ていることや隣同士であることから、「出雲大社はどこの県?」と聞かれるとつい「鳥取県」と間違えて答えてしまうという人も多いようです。 また、島根県と鳥取県のどちらが右か左かが分からず、場所を間違えてしまう人も多数。 正しくは左に位置するのが島根県、右に位置するのが鳥取県です。

2 位は、群馬県と栃木県!

北関東に位置する群馬県と栃木県が 2 位となりました。 草津温泉や伊香保温泉といった温泉や、こんにゃくが有名な群馬県。 日光東照宮や鬼怒川温泉、宇都宮餃子が有名な栃木県。 どちらも北関東に位置し、隣り合わせであることから「草津温泉はどこの県?」と聞かれるとつい栃木県と答えてしまう人も多数。 また、この 2 県が「関東の一番上にある」ということを知っている人は多いようですが、詳しい位置が分からず場所を間違えてしまう人も少なくないようです。

3 位は、栃木県と茨城県!

3 位は、栃木県と茨城県が選ばれました。 群馬県と間違えやすいことで 2 位になった栃木県は、茨城県とも間違われやすいようです。 どちらも北関東で、日本列島の右側に隣り合っていることで、ごっちゃになる人が多数。 お笑い芸人の U 字工事や、タレントの鈴木奈々さんの出身地を聞かれたときに「栃木? 茨城?」と分からなくなる人も多いもよう。 関東の人間なら、海があるのが茨城県、海がないのが栃木県と区別しやすいですが、関東以外の人にとって、群馬県、栃木県、茨城県はごっちゃになりやすいようです。

TOP10 を見ると、やはり字面が似ている県が間違われやすいことがわかります。 「福」の字が共通している福島県、福井県、福岡県の組み合わせが 3 つもランクイン。 さらに福島県は「島」つながりで、徳島県とも間違われやすいようです。 ランキング下位には、「神奈川県と香川県」なども。 読むと音が似ていることから、テレビをながら観していると、聞き間違えてしまうこともありそうです。 (ねたとぴ = 3-1-19)


1891 年の日本検定地理教科書、独島は韓国領土

1890 年に初版を発行した日本の地理教科書では独島(ドクト、日本名・竹島)が日本の領土と明示されず、韓国の領土と見るしかないという研究結果が出てきた。 韓哲昊(ハン・チョルホ)東国大歴史教育科教授は「日本内務省地理局の職員だった秦政治郎が作成した『中等教育大日本地誌』を分析し、日本政府が主張する独島固有領土論に反論する論拠を見つけた」と 24 日、明らかにした。 『中等教育大日本地誌』は 1890 年に初版が発行され、翌年に日本政府の検定を受けた日本の地理教科書。

韓教授は、この本の著者の秦政治郎は公務員として勤務した経験があり、地理実務に博学で、『中等教育大日本地誌』は当時の学校で教科書として広く使用されたという点に注目した。 この教科書の内容と地図で島根県が属する山陰道の位置と境域を記述した部分を確認した。 島根県は「竹島の日」を制定した地域。 韓教授によると、教科書には「隠岐は北緯 35 度 58 分から 36 度 21 分までで、4 つの島嶼と 79 の小島からなる一国」と記述されている。 韓教授は「独島の緯度は北緯 37 度 14 分」とし「独島は隠岐の領域に含まれず、日本の領土でないという事実を明白にした」と強調した。

これは教科書に掲載された地図「大日本国全図」にさらに明確に表れていると、韓教授は強調した。 この地図には日本と周辺国の「朝鮮」、ロシアの「樺太(サハリン)」の一部を描いている。 また、挿し絵の形態で今日の沖縄の琉球諸島、東京から南に約 1,000 キロ離れた小笠原島、北海道北東のクリル列島を意味する千島列島が表示されている。 韓国の島では済州島(チェジュド)、巨文島(コムンド)、牛島(ウド)、巨済島(コジェド)があり、このほか韓半島(朝鮮半島)の東側に竹島と松島が描かれている。

韓教授は「地図に国境線がなく、竹島と松島がどこの国の所属なのかは正確に分からないが、樺太が描かれた点を考慮すると、海洋境界を表すために描いたと判断される」とし「竹島と松島は鬱陵島(ウルルンド)と独島を表示したものだ」と説明した。 このほか、秦政治郎が 1891 年に出した「尋常小学校地理歴史教科書生徒用」に掲載された同名の地図を見ると、日本領土と付属の島は色が塗られているが、竹島と松島をはじめとする外国領土には色がないと、韓教授は強調した。

韓教授は「教科書の本文と地図を総合すると、秦政治郎は竹島と松島の存在を知っていたが、2 島を日本領土から除外して朝鮮領土と見なしたという事実が確認される」とし「この教科書が多くの学校で使用されたとすれば、独島は日本領土でないという認識は教育を通じて広まったはず」と主張した。 (韓国・中央日報 = 2-25-19)

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竹島関連の古文書、島根に寄贈 江戸時代の日本人のアシカ猟など記述

島根県は 15 日、同県竹島(韓国名・独島)で江戸時代から日本人が漁をしていたとされる古文書を含む「大谷家文書」 553 点を昨年 7 月、大谷家の関係者から寄贈されたと明らかにした。 松江市で会見した県竹島問題研究会の下條正男座長(拓殖大教授)は「資料を読み解いていくことで、あらためて日本海での漁業活動や当時の生活が明らかにできる」と話した。

県などによると、大谷家は現在の鳥取県米子市にあった商家。 文書は江戸 - 明治時代のもので 1950 年代に外務省が調査し、研究者の間では存在が知られていた。 県公文書センター収蔵庫で保管し、竹島問題研究会で活用する。 文書には竹島でアワビが採れたことを示す「竹島松島産干鮑」との記述や、竹島でアシカ猟をして油を取ったとの記述があった。 竹島を目印や停泊地としていたことを裏付ける鬱陵島への往来手形や、旗本が幕府に竹島まで行けるようお願いしたとする書状なども含まれている。 (sankei = 1-15-19)


島食の寺子屋 離島まるごと日本料理の学び場 海士

記事コピー (2-24-19)


島根県 高齢者の冬期移住支援 流出歯止めへ空き家活用

島根県が 2019 年度、地域で暮らし続けられるよう中山間地域・離島の高齢者などが冬の間に中心部に移り住む「冬期移住」への支援を始める。 除雪や外出が困難になる不安を解消し、市町村外への人口流出を防ぐとともに、空き家の活用を進めるのが狙い。 空き家を改修する市町村に費用の一部を助成し、新築も対象にする。 人口減少が進む中山間地域・離島では、死亡者数が出生数を上回る「自然減」が避けられない中、転出者数が転入者数を上回る「社会減」をいかに食い止めるかが課題になっている。 (山陰中央新報 = 2-20-19)


島根の「自然美」PR 4K カメラ映像公開

より鮮明な映像を撮影できる 4K カメラを使い、国立公園などの自然美を紹介した島根県の PR 映像が完成し、特設ウェブサイト "The Colors" で公開されている。 平成 28 年、国立公園のブランド化を目指した「国立公園満喫プロジェクト」のモデル地区に、大山隠岐国立公園が選定された。 これをきっかけに、県は「しまねの自然公園満喫プロジェクト」の取り組みを進めており、今回の PR 映像はその一環。

PR 映像は、ドローンを駆使し、隠岐や島根半島地域をはじめ、宍道湖や三瓶山などまで空撮による自然美をふんだんに盛り込んだ。 水中の撮影もあり、県民も普段見ることのない角度から郷土の美しさを堪能できる内容となっている。 「色」と「音」をテーマにした映像があり、「音」の映像では川のせせらぎや風、雪を踏みしめる音なども収録されている。

映像は日本語だけでなく英語や韓国語、中国語、フランス語にも対応。 海外の観光客らにもアピールするため、JAL 国際線の機内誌「SKYWARD」 12 月号に、PR 映像を紹介したページを掲載している。 同県自然環境課は「国内外の多くの人に見ていただき、島根県を訪れるきっかけにしてほしい」と話している。 (sankei = 2-14-19)


女性学級・講座数 人口当たり島根首位、職住近く余裕

女性の社会進出に伴い、自主的な学びを通してキャリアアップや自己啓発を目指す女性が増えている。 総務省統計局の「統計でみる都道府県のすがた 2018(データは文部科学省の 14 年度調査より)」によると、公民館や教育委員会などが主催する女性対象の学級・講座数を人口比でみた場合、都道府県によって大きな差がある。 一般教養や健康、趣味などの女性学級・講座数が女性の人口 100 万人あたりで最も多かったのは島根県の 4,824.2 で、福井県が 4,100.5 で続く。 最少は東京都の 9.6 で、人口が多い首都圏や関西圏の都府県は下位を占める。

島根で女性学級・講座が盛んな一因として、就業する女性の多さが挙げられる。 総務省の 17 年「就業構造基本調査」によると、島根県の就業女性の比率(有業率)は働き盛りの 35 - 39 歳で全国トップだ。 「自宅と職場が近く通勤時間が短い上、母親と同居する人が多く、女性が勤務時間外に学びやすい環境がそろっている。(県男女共同参画室の原圭子室長)」 福井も女性有業率が 2 位。 「三世代同居や共働きが多く、地域・家庭・学校の相互のつながりが強い(県教育庁教育政策課)」という。

島根では女性学級・講座の会場となる公民館の数も 300 を超え、活発に活動している。 人口減や少子高齢化で地域の活力が徐々に失われているとの危機感を背景に、県は 07 年度から全国でも珍しい公民館支援事業を展開。 地域の課題解決につながる活動をする公民館に補助金を出す。 (nikkei = 2-11-19)


出雲・石見・隠岐の島根 3 空港スケジュール、7 月から出雲に ATR

島根県は 2019 年 3 月 31 日(日)から 10 月 26 日(土)までの、県内 3 空港の運航スケジュールをまとめました。 出雲空港発着では、日本航空 (JAL) の羽田、伊丹線は 2018 年度下期と概ね同じ便数、機材、スケジュールで運航されます。 福岡と隠岐線では 7 月 1 日(月)から、48 席の ATR-42-600 が投入されます。 隠岐線の便数、スケジュールは 2018 年下期と概ね同じですが、福岡線は、福岡発の第 2 便が 3 時間、出雲縁結び発の第 2 便が 3 時間 10 分、現在のスケジュールより遅い出発となります。

このほか、6 年連続となる夏の季節便として出雲/新千歳線が 8 月 2 日(金)から 8 月 30 日(金)まで、週 4 往復便で運航します。 機材は 165 席の 737-800 を使用します。 フジドリームエアラインズ (FDA) は、出雲/名古屋小牧を 1 日 2 便、出雲/静岡線と出雲/仙台線を各 1 便運航します。 仙台線は現行の便数、機材、スケジュールと概ね同じですが、名古屋小牧線は名古屋発と出雲発の第 1 便が繰り上げ、名古屋発の第 2 便が繰り下げ、静岡線は静岡発便が繰り上げで運航されます。

石見空港発着では、全日空 (ANA) が 2018 年下期と概ね同じスケジュールで、羽田線を 1 日 2 往復便で運航します。 機材は便により、737-800、737-700、A321の使用を予定しています。 季節便の伊丹線は 8 月 3 日(土)から 8 月 20 日(火)まで、デイリーで運航されます。 隠岐空港発着では、JAL が 14 年連続となる夏の季節便で、出雲/隠岐線を 8 月 1 日(木)から 8 月 31 日(土)までデイリーで運航します。 (FlyTeam = 2-10-19)


冷たい雨や雪にも負けず 出雲でチューリップ見頃

島根県出雲市の「しまね花の郷」で、チューリップが早くも見ごろを迎えている。 厳しい寒さが続く中で開花を迎える「異端のチューリップ」は、開花植物が少なく寂しい冬場に花を楽しんでもらおうと十数年前に考案されたものだ。

花の郷によると、通常は秋に植え、冬に土中で過ごし春先の気温上昇で開花させる。 このため、4 月上 - 中旬が見ごろとなるが、早々に開花した今回のチューリップは、真夏の 8 月に球根を冷蔵庫で冷やし人工的に冬を演出。 その後に植え、この時期に春が訪れたと「錯覚」させるという。 今冬は約 7 千本が咲いた。 冷たい雨や雪にも見舞われながら、赤や白、黄色、ピンクの花弁を冬の風にそよがせている。 雪をかぶる姿を撮影に訪れる写真愛好家も多いという。 「(季節を)だまされた花を見て『がんばってるね』と声をかける人もいます」と花の郷の樋野加奈さん。 2 月中旬まで楽しめるという。 (杉山高志、asahi = 2-8-19)


- プレスリリース -

島根フィルムコミッションネットワークがロケ支援ウェブサイトなどを開設しました!

島根県では、映画やテレビドラマなどのロケ地となったスポットを観光素材の一つとして捉え、ロケを誘致し、ロケ地の情報を発信することにより、島根県への観光誘客につなげることを目指す「ロケ地ツーリズム推進事業」に取り組んでいます。 この度、取り組みの一環として、ロケ誘致の推進を図ることを目的としたウェブサイトの開設等を行いましたので、お知らせいたします。 (PR Times = 2-5-19)

  1. 島根フィルムコミッションネットワーク ウェブサイトの開設

    1. 内容
      • ロケーション情報の検索機能
      • 過去のロケ実績の紹介
      • ロケ支援依頼申込 など
    2. URL : https://www.kankou-shimane.com/loca
  2. 島根ロケーションガイド

    1. 内 容 : 県内の特に特徴的なロケーションについて、「自然」・「道・町並み」などのカテゴリー別に掲載した写真集
    2. 活用方法 : 主に映像制作者とのマッチングイベントなどで、島根県のロケーション情報を紹介し、ロケ誘致につなげます。
  3. 島根県ロケ地 MAP

    1. 内 容 : 島根県で撮影された映画などのロケ地やグルメ情報などを紹介したリーフレットです。
    2. 活用方法 : 主に県外の観光イベントなどで配布し、誘客につなげます。

官房長官「早期帰港を働きかけ」 ロシアの島根漁船連行で

菅義偉官房長官は 4 日午前の記者会見で、日本海で操業していた島根県のカニ漁船「第 68 西野丸」がロシアの警備艇に連行された問題について「人道的観点から乗組員と船体が早期に帰港できるようロシア側に働きかけていきたい」と述べた。 「現時点で乗組員全員の健康状況、食料・水、燃料などの補給状況について特段、問題はないと報告を受けている」と語った。 (nikkei = 2-4-19)

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島根の漁船、ロシアに拿捕 排他的経済水域に侵入か

水産庁境港漁業調整事務所(鳥取県境港市)と島根県かにかご漁業組合は、同組合所属のかにかご漁船が先月 30 日に日本海でロシアの警備当局に拿捕されたと明らかにした。 乗組員の健康状態に問題はないとしている。

拿捕されたのは、「第 68 西野丸(利見秀治船長、乗組員 10 人)」。 同組合などによると、漁船は 1 月 26 日に境港からベニズワイガニ漁のため日本海に出漁。 2 月 1 日に帰港する予定だったが、30 日朝に拿捕され、ロシア東部のナホトカに連行されたという。 同組合には同日夜、外務省を経由して水産庁から連絡があった。 理由は不明だが、島根県によると、許可なくロシア側の排他的経済水域に漁船が入った可能性があるという。 同組合の古木均事務局長は「外務省や水産庁に働きかけ、一刻も早い解放を目指す」と話している。 (asahi = 2-2-19)


恵方巻き販売、ローソン 9 連覇の店は鳥取 廃棄抑える道

人口約 55 万人と都道府県で最少人数の鳥取県に、コンビニ大手・ローソンの全店舗の中で「恵方巻きを日本一多く売るオーナー」がいるという。 過大なノルマ? 自ら買い取る「自爆営業」? 節分を前にその謎を解こうと、店を訪ねた。 「日本一の恵方巻 予約承り中」、「今年も日本一の福をお届けいたします。」 米子市夜見(よみ)町にある「ローソン米子弓ケ浜店」には、こんな貼り紙や看板がいっぱいだ。

ローソンによると、昨年の販売本数は 3,211 本で全国約 1 万 3 千店舗中トップ。 2010 年以降、9 連覇中という。 過去最高は 15 年の 4,210 本で、立地する夜見町の人口 4,745 人(15 年 2 月 1 日当時)に迫るほど。 しかし、なぜこれほどまでに …。 直接聞くしかないと、オーナーの田内睦彦さん (53) に声をかけた。 しかし発せられたのは、「お客さんがどんな接客をしてほしいかを、常に考えている」という至って普通の言葉。 仕方ないので、接客の様子を観察することにした。

田内さんは自らお客さんに話しかけ、世間話で盛り上がっている。 確かに都会のコンビニでは、ちょっと見られない光景だ。 「コミュニケーションを大切にしている。 田舎のいいところで、お客さんも会話を楽しみにしている。」という。 田内さんは 1997 年にコンビニ経営を始める前、牛乳配達や酒販売の店を営んでおり、もともと顧客がいた。 さらに高校で非常勤の体育教師として勤務したほか、小学生対象のミニバスケットボールクラブの監督を務めるなど「地元密着」という強みがある。

そんな田内さんが恵方巻きに力を入れ始めたのは、中国地方で売り上げ上位となった 03 年以降。 「『選ばれる店』になるのは人と人とのつながりが大切」と、企業や保育園など 100 カ所以上を回り、時には鬼のコスプレ姿を披露するなど、体も張る。 その結果、「ここで買う」という人が増えた。 店舗販売は 200 本程度で、大半は予約注文だ。 予約だと、売れ残りを廃棄するというリスクも抑えられる。

10 年以上注文している主婦 (61) は、「この店は地域と一体。 『1 位になりたい』という気持ちを感じるので応援している。」 主婦の山本理恵さん (42) は「ミニバスケのクラブに入っている子どもも楽しみにしている。 せっかくなので 10 連覇を。」と期待する。 遠方の客の中には自ら職場で注文をとりまとめたり、知り合いに配達をしてくれたりする人もいるという。 「1 位になれなかった時に、涙を流して悔しがってくれる人もいました。 本当にお客さんあってのことです。」と田内さん。 何のことはない。 「日本一」の秘訣は、お客さんを大事にするという、商売の鉄則にあったのだった。 (横山翼、asahi = 2-2-19)

農水省「食品ロスを減らす意識を」

コンビニやスーパーで販売される恵方巻きをめぐっては、売れ残りの大量廃棄やノルマ達成のための自爆営業が問題視された。 経済効果の研究で知られる宮本勝浩・関西大名誉教授の推計によると、廃棄される恵方巻きの金額は年約 10 億 2,816 万円に上るという。

オーナーらでつくる「コンビニ加盟店ユニオン(岡山市)」の酒井孝典執行委員長によると、こうした問題が注目されてから、ノルマの強要は少なくなってきているという。 ただ目標となるような数字を示される報告を受けることはあり、「従わないと不利に扱われると不安に感じるオーナーもいる。」 アルバイトから労働問題の相談を受ける「ブラックバイトユニオン(東京都)」の渡辺寛人代表によると、恵方巻きなど「季節もの」の買い取りについては、年に十数件は相談があるという。

田内さんがフランチャイズ店のオーナーを務めるローソンの広報室は、「目標を決めて取り組んでいる店舗もあるが、ノルマは課していない」とした上で、「食品ロス防止の観点から、予約中心の販売とし、過度な発注はしないよう指導している」という。 農林水産省は 1 月、こうした予約販売を一部の小売業で徹底している事例を紹介するなどし、需要に見合った販売を業界団体に要請。 同省食品産業環境対策室は「食品ロスを減らす意識を持ち、適正量を販売してほしい」と話した。

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恵方巻 "需要に見合う販売を" 農水省が初の文書

節分の日の風物詩「恵方巻」の販売が本格的に始まるのを前に、農水省はコンビニなどの業界団体に対し、需要に見合った販売をするよう、初めて文書を出す。 「恵方巻」は、節分の日に、その年、縁起のよい方角を向いて食べると、福がやってくるとされている。 毎年この時期に、スーパーやコンビニなどで販売される一方、売れ残った分が、大量に廃棄されていることなどが問題となっていた。 これを受け、農水省は、7 つの業界団体に対し、需要に見合った量を生産して販売することなどを求める文書を初めて出し、廃棄物を少しでも減らすよう呼びかける方針。 (FNN = 1-11-19)


- プレスリリース -

スマホリテラシー No.1 都道府県は "島根県"!? ワイモバイル発!

親子でスマホのリテラシーを学べる「全国統一スマホデビュー検定」

2 月 1 日より全国一斉「春のあんしんネット・新学期一斉行動」がスタート 受検生が 33,000 人を突破し、85% が「勉強になった」と回答 〜 受検可能期間 : 2018 年 12 月 4 日 - 2019 年 5 月 31 日 〜

ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社および株式会社ウィルコム沖縄は、スマートフォン(スマホ)に関する正しい知識をクイズ形式で学べる「全国統一スマホデビュー検定 (https://www.ymobile.jp/sp/sumaken/)」を昨年 12 月から 2019 年 5 月 31 日まで実施しています。 この度、公開から約 2 ヵ月時点で受検者数が 33,000 人を突破し、現時点でのスマホリテラシー No.1 都道府県は、正答率約 71% の "島根県" であることがわかりました。

「全国統一スマホデビュー検定」は、子どもが正しい知識をもってスマホデビューすることの支援を目的としたソフトバンクの独自コンテンツです。 保護者用・子ども用にそれぞれ全 14 問がクイズ形式で出題され、WEB 上で簡単に実施できる検定となっており、昨年 12 月の公開より約 2 カ月で、受検者数が約 33,000 人(保護者 : 約 15,000 名 / 子ども : 約 18,000 名)を突破しました。

その結果、現時点での受検者の都道府県別の正答率は、島根県が 1 位、2 位が長野県、3 位が鳥取県ということがわかりました。(* 2019 年 1 月 23 日時点) 1 位の島根県からは、「県として事業者の方のご協力のもと関係機関と連携してインターネットリテラシーへの啓発活動に取組んでおり、このような結果を聞いて大変喜んでいます。 引き続きフィルタリングの利用促進などリテラシー向上への取組みを推進します。(島根県健康福祉部青少年家庭課)」とのコメントをいただきました。

そのほかにも、"スマホ使用におけるマナー" に関する設問に関しては、親子ともに正答率が 75% を超えるなど実際にスマホを使用する際におけるリテラシーの高さが伺える一方で、若年層の使用も増えている "SNS" のフェイクニュースに関する設問の正答率が保護者は 41.1%、子どもは 38.7% と親子ともに低く、インターネット上の情報の選別における課題が浮き彫りとなりました。

また、"プライバシー保護" をテーマにした親子同一の設問では、保護者の正答率が 58.7% だったのに対し、子どもが 69.7% と 10 ポイント上回り、意外にも子どものリテラシーが高いことがわかるなど、設問テーマによって親子で正答率の差が見られる結果となり、終了後のアンケートでは受検者の約 85% が「勉強になった」と回答しました。

2019 年 2 月から、内閣府・総務省などによる「春のあんしんネット・新学期一斉行動」の取り組みも始まり、携帯電話事業者共通のフィルタリングサービスのロゴマーク刷新をはじめ、各社からインターネット利用における青少年保護の必要性に関する啓発活動が展開されます。 実際に、2018 年 10 月に実施した当社調査においても、子どもにスマホを持たせている親の約 8 割が「持たせることへ不安を感じる」と回答しているなか、今後ますます "スマホリテラシーの重要性" に注目が集まることが予想されます。

近年スマホを持ち始める年齢が早まる傾向にある中で、「全国統一スマホデビュー検定」をはじめ、情報モラル学習教材「みんなで考えよう、スマートフォン」の学校関係者や自治体への無償提供など、ソフトバンクグループとしてスマホを持つ前の親子の話し合いや、子どもが正しい知識を持ってスマホデビューするための様々なきっかけを今後も提供していきます。 (PR Times = 2-1-19)


(島根)県内外国人労働者、4,297 人 過去最多更新

島根労働局は、県内の外国人雇用の届け出状況(昨年10月末現在)を発表した。外国人労働者数は4297人で前年同期比13・8%増となり、5年連続で過去最多を更新した。労働局は「雇用情勢の改善に伴う人手不足が背景にある」と分析している。 産業別では製造業が最多で、外国人労働者の 40.5% を占める。 次いで、労働者派遣・請負などが 30.1% を占めたが、多くは、製造業に派遣されたり、請け負ったりしているという。 国籍別ではブラジルが 1,299 人で全体の 3 割。次いで中国 954 人、ベトナム 885 人、フィリピン 363 人、インドネシア 126 人と続く。

在留資格別に見ると、ブラジルは「身分に基づく在留資格(永住者、定住者、日本人の配偶者など)」が大半で 99.1% を占める。 一方、ベトナムは「技能実習」が多く 89.6% となっている。 ハローワークの管内別では、出雲(出雲市)が 46.7% を占めている。 次いで松江(松江市、安来市、隠岐郡)が 20.4%、浜田(浜田市、江津市、邑智郡)が 15.8%。

届け出は 2007 年に義務化された。 県外の本社などが採用したうえで、県内の出張所で働いている労働者は含まれないという。 外国人労働者を雇用する事業所は県内 636 カ所あり、前年同期比 13.6% 増で過去最多だった。 労働局の担当者は「人手不足の傾向が外国人労働者増につながっている。 技能実習制度を活用する事業所も多い。 出雲が多いのは、出雲地区に製造業が集積しているためだろう。」と話している。 (奥平真也、asahi = 1-28-19)


伝統の流しびな 用瀬小でさん俵づくり 鳥取

わらで編んださん俵に、ひな人形をのせ、無病息災の願いを込めて千代川に流す鳥取市用瀬町の流しびな行事。 毎年旧暦 3 月 3 日に催され、今年は 4 月 7 日だ。 市立用瀬小学校(150 人)は毎年、流しびなを手作りして全校児童で行事に参加する。 今月 25 日に 4、5 年生(39 人)が学校でさん俵を編んだ。

束ねたわらを放射状に広げたら、その上に円い木の板をセット。 足でしっかり押さえながら、板に沿ってまるく、さん俵を編んでいく。 4、5 年生が全校のみんなのために編むのが恒例。

先生役は、地元の「ときわ流しびなの会(11 人)」のメンバーらだ。 前身の老人クラブだった 1980 年ごろから毎年、指導してくれている。 近くに住む小谷重之教頭 (58) の子どもたち 3 人も用瀬小で 15 - 20 年ほど前に教わり、当時は子どもたちが育てた稲のわらで編んだという。 (斉藤智子、asahi = 1-27-19)


島根の技術集めバッグ 益田の呉服店が新ブランド

益田市駅前町の呉服店「むらたや」が今春、島根県西部の伝統工芸「石州和紙」のブランドタグを付けたオリジナルバッグを発売する。 生地は出雲市の紡績工場で作られた軽量繊維を使用。 ブランド名「Kiwami (きわみ)」で売り出す。 着物離れで呉服市場が縮小する中、洋装にも合う商品として事業の柱に育てたい考えだ。

オリジナルバッグはハンドバッグ、ショルダーバッグ、トートバッグ、ショルダーポーチ、化粧ポーチの 5 種類。 石州和紙製タグのほか、ハンドバッグなどは地場産業の石州瓦の製造を手掛ける亀谷窯業(浜田市長沢町)が瓦と同じ原料で作った飾りを付けた。 (山陰中央新報 = 1-25-19)

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島根の教育制度をブータンへ 生徒呼び込む連携策

島根県内の離島や中山間地域の高校で取り組まれ、地域と連携した特色ある教育で知られる「高校魅力化プロジェクト」のノウハウが、ヒマラヤの王国ブータンの教育制度に採り入れられることになった。 同プロジェクトは他県から生徒を呼び込んだ実績があり、地方から都市部への人口流出に悩む同国の課題解決に役立つとの期待がかかる。 今夏の本格始動を目指し、2 月に現地で対象校の選定や事業計画の調整を行う。

高校魅力化プロジェクトは、2008 年から生徒不足にあえいでいた隠岐島前高校のために、海士(あま)、西ノ島、知夫の 3 町村が始めた「隠岐島前教育魅力化プロジェクト」が前身。 生徒が自ら考える力を養うことを狙い、地域が抱える課題を学び、解決策を模索する授業を導入した。 寄宿費用の補助や公営塾の設置もあり、県外から生徒を呼び込んだ。 08 年に 89 人だった全校生徒数が、17 年には 184 人と倍以上になった。 (市野塊、asahi = 1-23-19)


和紙ベッドでごろにゃん 島根の工房が商品化

島根県江津市桜江町の和紙職人が作った「猫ハウス」、「猫ベッド」が人気を集めている。 室町時代から続く手すき和紙の伝統を受け継ぐ工房「石州勝地半紙(せきしゅうかちじばんし)」を営む佐々木誠さん (60) ・さとみさん (52) 夫妻が商品化した。 自家栽培のコウゾを原料に分厚くすいた和紙を使い、8 層、約 1 センチの厚さに重ねて土台を形作る。 色付きの和紙をこんにゃくのりで貼って飾り付け、汚れても表面の和紙だけ貼り替えることで修復が可能だ。

高さ約 40 センチのハウス型(税込み 3 万 4,800 円)、長さ約 60 センチの落花生型(同 1 万 8,600 円)など 5 種類がある。 受注から完成までは 2 カ月ほどで、色や形など、要望に応じた注文も受け付けているという。

誠さんは「上から大人が座ってもつぶれない。同じ体積の木材より強度が高い」と話す。 昨年 1 月に売り出したところ、女性を中心に全国から注文が相次いでいるという。 さとみさんは「和紙の奥深さを知るきっかけにしてもらえれば」と話している。 注文は ホームページ から。問い合わせは同工房 (0855・92・8118) へ。(細川卓、asahi = 1-20-19)


浜田・普源田砦跡、厳重な防御施設の跡など発見 島根

県埋蔵文化財調査センターは 16 日、浜田市三隅町岡見にある戦国時代の山城跡「普源田砦跡(ふげんだとりであと)」の発掘調査の結果を発表した。 厳重な防御施設の跡や、計画的な建物の配置などが確認され、担当者は「簡素な造りだと思われていた石見地域の山城の認識を改める発見」と話す。 19 日に現地説明会がある。

砦は、建造当時に現在の浜田市西部を支配していた豪族の三隅氏側の山城とされ、益田市を支配した益田氏などの脅威に備えた拠点とみられる。 今回は、山の尾根の長さ 100 メートル、幅約 40 メートルの範囲で建物の柱の跡約 400 個や、城を守るための空堀「竪堀」 12 カ所などを確認。 柱同士の間隔や建物の向きが統一されていることや、広範囲に竪堀が設置されていることから、これまでの想定よりも計画的な建物の配置や厳重な防御構造があったことがうかがえるという。

また、新たに陶磁器や茶臼、硯(すずり)など約 500 点が出土。 この砦での文化的な活動をうかがわせる初めての資料だという。 19 日の現地説明会は、午後 1 - 2 時。 事前の申し込みは不要。 問い合わせは担当の東森さん (080・2889・9602) まで。 周辺の調査は、国道 9 号三隅益田道路の改修工事に伴い昨年 5 月から進められていた。 同 9 月には山城跡では県内初となる竪穴建物の痕跡が確認されたと発表している。 (市野塊、asahi = 1-18-19)


「給食の安全性確認」 出雲市が安全宣言 島根

島根県出雲市内の学校給食で異物(金属片)混入が相次いでいる問題で、市は、全 6 カ所の給食センターの設備や機器の総点検を実施した結果、異常はなく安全性を確認したと公表した。 これを受け、3 学期の通常授業が始まる 9 日から給食を全面再開した。 また、今後、金属探知機や業務内容の確認をするカメラの導入を進める再発防止策もまとめた。 市学校給食課によると、2018 年 7 月以降、市が管轄する給食のご飯やおかずから金属片が 6 件見つかった。 一部の学校で約 2 週間、米飯を持参する措置が取られるなどしていた。

ご飯を炊く機器の一部と異物の成分が一致するなどほぼ原因が特定できたものもあるが、4 件は原因不明。 このため、同市は冬休み中にすべての給食センターに市職員が立ち入り、調理機器の金属やプラスチック類の摩耗度や変形具合などを調べ、はがれているような部分は研磨した。 その後、出雲保健所にも目視してもらい安全性を確認したという。 ただ、異物が混入していた外部業者による冷凍野菜は調査が続いており、原因が判明するまで給食に使用しないという。

今後の対応として、給食数の 9 割以上を提供する出雲、平田、斐川の 3 給食センターに金属探知機や業務確認用カメラを設置するほか、すべての給食センターに小型の金属探知機を置く。 また、外部から選んだ異物混入防止対策チームをつくり監視体制を強化し、職員や給食作業従業員に対し安全衛生管理の意識徹底を図るという。 金属探知機の設置費用は約 2,500 万円になる見込みで春休み中に導入するという。 カメラ設置は夏休みにずれこむ見通し。

同課は「保護者に不安やご心配をかけて申し訳ない。 二度とないように安全対策を忠実に実施していきたい。」と話している。 (杉山高志、asahi = 1-12-19)


北朝鮮から 4 人漂着か 島根県・隠岐の島町

島根県隠岐の島町によると、同町西部の海岸に 8 日午前、北朝鮮から来たとみられる 4 人を乗せた船が漂着した。 島根県警が 4 人を保護し、経緯を調べている。 (サンスポ = 1-8-19)


昨年の交通事故死者、最少は島根・鳥取の 20 人

昨年の全国の交通事故死者数は過去最少を更新し、1948 年の統計開始以来、初めて 3,500 人台になった。 31 都道府県で前年を下回ったが、千葉や神奈川、新潟など 14 県で死者数が増加。 愛知が 189 人(前年比 11 人減)で 16 年連続のワースト1になった。

都道府県別死者数は、愛知に次いで、千葉 186 人(同 32 人増)、埼玉 175 人(同 2 人減)、神奈川 162 人(同 13 人増)、兵庫 152 人(同 9 人減)が多かった。 最も少なかったのは島根、鳥取の 20 人で、石川の 28 人が続いた。 前年比では、岡山 29 人減、山口 27 人減など 31 都道府県で死者数が減少。 一方、千葉は 32 人増加し、新潟、富山も 17 人増えた。人口 10 万人あたりの死者数は、福井が 5.26 人で最も多く、最少は東京の 1.04 人だった。 (asahi = 1-4-19)


早まるひな人形商戦 移り変わる出雲のひな祭り 島根

年も押し詰まったこの時期に、人形店は早くも春のひな人形を求める人でにぎわいを見せている。 4 月 3 日にひな祭りを行う風習がある出雲地方では、かつては 2 月が購買のピークだったというが - -。 松江市学園 2 丁目にある「ながさこ人形店」には大小さまざまなひな人形がずらりと並ぶ。 「売約済み」の札がついたものもちらほら。 1877 年創業の同店の 7 代目社長長廻(ながさこ)和助さん (73) は「昔は 1 月に入らないと売れなかったのにね」と話す。

販売時期の前倒しは、旧暦の風習が薄れてきたことが原因のようだ。 全国的には 3 月 3 日に行われるひな祭りを、出雲地方では旧暦に合わせ 1 カ月遅れの 4 月 3 日に行ってきた。 しかし、長廻さんによると、ここ 10 年ほどで 3 月 3 日にひな祭りをする家庭が多くなってきているという。 県立古代出雲歴史博物館の品川知彦学芸員 (55) は「テレビで 3 月 3 日にやるものという認識が広がったことや、祖父母などと同居しない世帯が増えたことなどが原因では」と話す。

とは言え、出雲地方ではどうして旧暦の風習が根強く残ってきたのか? 品川さんは「新暦の 3 月では出雲の季節感に合わなくなる」と指摘する。 長廻さんも「山陰では冬が長くて、4 月にならないと春めかないからね。」

長廻さんによると、ひな祭りの時期だけでなく、ひな飾りも時代によって変化してきた。 昭和 30 年ごろまでは上方の影響を受け、御殿の中に人形を飾る「御殿飾り」が多く売れた。 その後は、江戸で発展してきた段飾りが取って代わった。 昭和から平成へと時代が移るにつれて、七段から三段に売れ筋が変わり、最近は収納箱を台としても使うタイプのものが増えている。 様々な変遷を経るひな祭り。 長廻さんは「子どものすこやかな成長を祈るひな祭りの気持ちさえ持っていただけたらいいのでは」と話す。 (内田快、asahi = 12-30-18)