司法取引制度がスタート 他人の犯罪明かし、求刑軽く

日本版の司法取引制度が 6 月 1 日から始まる。 刑事事件の容疑者や被告に他人の犯罪を明かしてもらう見返りに、検察官が起訴を見送ったり、求刑を軽くしたりする内容。 組織犯罪の解明につながると期待される一方、うその供述が冤罪につながる懸念も指摘されている。 司法取引は、2016 年 5 月に成立した刑事司法改革関連法で、警察や検察が逮捕した容疑者の取り調べを録音・録画(可視化)することなどとともに導入が決まっていた。 対象になるのは主に暴力団などがからむ特殊詐欺、薬物・銃器犯罪のほか、贈収賄や談合、脱税といった経済犯罪も含まれている。

米国などの司法取引では、自分の罪を認めるかわりに量刑を軽くしてもらう方式もあるが、日本の場合は対象が他人の犯罪の情報に限られている。 取引が成立するためには検察官と容疑者・被告、弁護人が協議し、合意することが必要だ。 冤罪を防ぐため、協議の開始から合意の成立まで弁護人が一貫して立ち会うほか、虚偽供述罪が新たに設けられた。 6 月 1 日からは、刑事裁判の公判に出廷した証人に対し、訴追の証拠に使わないことを条件に証言を強いる「刑事免責」制度も始まる。 検察官の求めに応じて、裁判官が適用するかどうかを決める。 証言を拒んだり、虚偽の証言をしたりすると、刑事罰を受けることがある。 (浦野直樹、asahi = 6-1-18)

6 月 1 日から始まる刑事司法制度の骨子

【司法取引】

  • 容疑者・被告は検察官との間で、他人の罪を明かして自身の刑罰を軽減する取引に合意できる
  • 取引の協議・合意には弁護士の関与が必要
  • 取引の対象は経済犯罪や組織犯罪などに限定
  • 取引合意後の虚偽供述を罰する罪を新設

【刑事免責】

  • 刑事裁判の証人に対し、証言を訴追の証拠に使わないことを条件に証言を義務付けられる
  • 証人への適用は、検察官の求めで、裁判所が決定

普通の日本人が知らない「貧困」の深刻な実態

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1L = 150 円 それでもガソリンスタンドが消える

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コンビニで洗濯 ファミマ、ランドリーと一体店

ファミリーマートは 25 日、都内にコンビニエンスストアとコインランドリーを一体にした店舗を開いた。 洗濯の前後にコンビニでの買い物につなげ、伸び悩む客数を底上げする。 2019 年度末までに 300 店展開する計画だ。 「ファミマランドリー 杉並永福四丁目店(東京)」を開業した。 3 月末に千葉県市原市でコンビニの敷地にランドリーを併設した店舗を開いたが、今回は「一体型店舗」の 1 号店。コンビニの売り場とコインランドリーが店内で扉を隔ててつながり、行き来がしやすい。 毛布を洗濯するために来店したという 60 代の女性は「一緒に買い物もできて便利だ」と話した。

同店では洗濯機 2 台、洗濯乾燥機 3 台、乾燥機 4 台などをそろえる。 料金は洗濯乾燥機の大型の場合で 45 分 1,000 円。ランドリーは 24 時間無人で運営する。 ファミマの売り場には洗濯用品を 20 品そろえた。 店内にはイートインも設け、待ち時間の利用を見込む。 3 月に開いた併設店では、ランドリーの利用客が 1 日 40 人前後で、コンビニの客数が落ちやすい雨の日は利用客数が 1.5 倍になったという。 コンビニでは既存店の客数が長期にわたり停滞する。ファミマではコインランドリーと組み合わせた店舗で集客力を高めたい考えだ。 (nikkei = 5-25-18)


外食の値上げ広がる 日経調査、今年度は 45%

日本経済新聞社がまとめた 2017 年度の飲食業調査で、18 年度中に値上げを予定する企業が 45.4% に上ることが分かった。 前年度の調査に比べ 15.1 ポイント上回った。 食材価格や人件費の高騰を吸収できないとみる企業が多い。 低価格競争が続いていた外食で値上げが広がれば、デフレ脱却を後押しする可能性がある。 調査は 3 月中旬から 4 月下旬に飲食業を主な事業とする企業 551 社を対象に実施し、324 社から回答を得た。

18 年度にメニュー価格を「全般的に引き上げる」と回答した企業は 6.1%、「一部引き上げる」は 39.3% で合計 45.4% に達した。 理由(複数回答)の最多は食材価格の上昇で 90.4%、次いで人件費上昇が 69.2% だった。 前年度の調査では「17 年度に値上げを計画する」との回答が 30.3% だった。 これに対し、実際に 17 年度中に値上げをした企業は 56.3% に達した。 背景には食材費と人件費の高騰がある。 牛丼向け牛肉の国内卸価格は中国での需要増を背景に足元で昨年より 2 割高く、2 年前より 4 割高い。 業務用米の供給不足から、企業によっては米の購入価格がこの 1 年で 1 割上昇している。

値上げの動きは広がっている。 松屋フーズは 4 月上旬に牛めしなどの一部メニューを 10 - 50 円値上げした。 ハイデイ日高も 4 月末に中華店「日高屋」で定食類を 10 - 30 円値上げした。 値上げする幅については「3% 未満」が 50.0% で最も多かった。 メニュー価格で数十円の値上げが中心だ。 パート・アルバイトの時給も上昇している。 求人情報大手のリクルートジョブズによると、飲食業の三大都市圏における 4 月の募集時平均時給は 986 円と前年同月比で 2% 上昇した。 上昇はデータを比較できる 12 年 1 月から続く。 松屋フーズの瓦葺一利社長は「企業努力の限界」として、値上げは苦渋の決断だが避けられなかったと指摘する。

ただ値上げは客足の動向に影響する。 「すき家」の 4 月の既存店は、客数が前年同月比 2.7% 減となった。 値上げした 11 月から 4 月では、客数が前年割れとなった月が 3 回あった。 サイゼリヤの堀埜一成社長は「値上げはしない。 市場が縮小する。」と語る。 値上げによる来店客の減少を懸念する経営者はなお多い。

来店客をつなぎ留める対策として、外食各社ははメニューの改良で需要を掘り起こす。 今回の調査ではメニュー政策で「高付加価値メニューを増やす」とした企業は 58.5% だった。 すかいらーくは「ガスト」の「チーズ IN ハンバーグ」でチーズの配合を 4 種から 10 種に増やす。 ロイヤルホールディングスは、ロイヤルホストでステーキのグラム数を 1 割増やした。 (nikkei = 5-22-18)


性犯罪や DV 被害、4 割は誰にも相談せず 警察庁調査

性犯罪や児童虐待など潜在化しやすい犯罪の実態を警察庁が調査したところ、初めて被害に遭った際に誰にも相談していない人が約 4 割に上った。 警察庁が 17 日発表した。 自治体の相談窓口を知らない人は 8 割に上り、同庁はリーフレットやポスターを作って窓口の利用を呼びかける。 調べたのは性的な被害と児童虐待、配偶者からの暴力 (DV)、ストーカー、交通事故、暴力被害(殺人や傷害など)の 6 種類。 今年 1 月にインターネット上で 20 歳以上を対象にアンケートをし、被害を受けた経験がある本人と家族 917 人から回答を得た。

初めて被害に遭った際に誰にも相談していない人の割合が最も多かったのは、児童虐待の 74.3%。 理由を複数回答で聞くと「低年齢だったため、相談を思い至らなかった」が 73.1% を占めた。 性的な被害で、誰にも相談していない人は 52.1%。 「他人に知られたくなかった」などの理由が多かった。 DV は 32.8% が相談をしていなかった。 6 種類の被害全体で相談していない割合は 38.6% だった。

警察に通報・相談しなかったと答えた人に理由を聞くと「警察に相談するほどの被害ではないと思った」が DV 46.0%、ストーカー 39.4%、交通事故 35.3% の順に多かった。 警察庁は「調査結果を分析し、プライバシーに配慮して被害者の支援ニーズに応じた関係機関を紹介できるようにしたい」としている。 (小林太一、asahi = 5-17-18)


「2 週間気温予想」、「降水 15 時間予報」開始へ 気象庁

気象庁は 16 日、気象予測に必要な数値計算を行うスーパーコンピューターを来月更新し、15 時間先の降水量や 2 週間先の気温予報など、より詳しい気象情報を提供すると発表した。 防災や日常生活に役立ててもらいたい考えだ。 新たなスーパーコンピューターは来月 5 日に同庁気象衛星センター(東京都清瀬市)で運用を始め、情報処理能力が約 10 倍に高まる。 運用に伴い、来月から 1 時間あたりの降水量分布の予報を、これまでの 6 時間先までから 15 時間先までに延ばす。 夕方の時点で、翌朝までに大雨になる可能性がある地域を知ることができる。

台風の中心気圧や最大風速といった強度予報は 3 日先まで発表しているが、今年度末までに進路予報と同じ 5 日先までとする。 1 週間先までの予報を発表している気温は来年 6 月ごろをめどに、2 週間先までについてもおおよその最高気温や最低気温を予報できるようにするという。 また、来年度中に集中豪雨の発生予測や黄砂の飛散予測に関し、精度を向上させる方針だ。 (山岸玲、asahi = 5-16-18)


日本郵便、法人の郵便物集荷廃止へ 宅配便増え人手不足

日本郵便は、大企業などの法人向けに無料で行ってきた郵便物の集荷サービスを 6 月末をめどに廃止する方針を固めた。 宅配便「ゆうパック」の取扱量が急増し、人手を割く余裕がなくなったためだ。 すでに集荷を利用する法人に通知済み。 各法人は今後、自ら郵便局やポストに出す必要がある。 ゆうパックの集荷は今後も続ける。 郵便物の集荷は、差し出し数が多い法人向けに 2007 年の郵政民営化以前から行われ、全国の企業などが利用してきた。

一方、ゆうパックの取扱量はここにきて急増し、17 年度は前年度比 25.6% 増の 8 億 7,588 万個と、過去最多を更新した。 最大手のヤマトホールディングスが人手不足などから荷物量を抑制した結果、一部が日本郵便に流入した。 これに伴い日本郵便でも人手不足感が強まり、「配達する荷物が増えているのに無料で郵便物の集荷を続けていては、人手が足りなくなる(同社関係者)」と判断。 お中元の配達で忙しくなる前に、集荷を廃止することにした。 (徳島慎也、asahi = 5-12-18)


空き家倒壊の恐れ、強制撤去へ 孫に費用 800 万円請求

老朽化して倒壊のおそれがある高松市扇町 1 丁目の空き家について、市が空き家対策特別措置法に基づき、解体・撤去する方針を固めたことがわかった。 6 月議会に補正予算案を提出し、強制的に撤去する。 市によると、同法に基づく強制撤去は香川県内初となる見通し。

撤去される見込みの空き家は、香川大学幸町キャンパス近くの住宅密集地にある。 表通りから入った先に立つ木造 2 階建ての 5 軒長屋で、窓が割れたり、屋根や床が崩れたりしている。 市によると、築 40 年以上とみられ、30 年ほど前に所有者の住人が亡くなってから空き家の状態が続く。 近くの女性は「床が崩れたときには地鳴りみたいな音がした」と不安を口にする。 市は 2016 年から、県外に住む所有者の孫 3 人に対し、長屋を取り壊すよう指導、勧告してきた。

17 年 12 月には同法に基づき、今年 1 1月末までに建物を撤去するよう命令を出した。 しかし、命令は履行されなかったため、行政代執行法に基づいて撤去する方針を決めたという。 昨年 12 月時点で 800 万円と見積もった費用については、3 人に請求する方針。 総務省のまとめでは、県内の空き家は 8 万 900 戸(13 年)。 空き家率は 17.2% で、都道府県別では 7 番目の高さだった。 高松市内では、市の 14 年の調査で 5,868 戸の空き家があり、そのうち 935 戸に倒壊のおそれがあった。 (添田樹紀、asahi = 5-11-18)

空き家対策特別措置法〉 適切に管理されず、防災や衛生の面で周辺住民に迷惑がかかる空き家に対して、市町村が「特定空き家」に認定し、撤去や修繕をするよう所有者に指導や勧告、命令ができる。 命令などに従わない場合は行政代執行で強制的に解体し、撤去費用は所有者に請求できる。 2015 年に施行された。


子どもの数、ピーク時のほぼ半分に 50 年以降では最低

15 歳未満の子どもの数は 1,553 万人(4 月 1 日現在)で、前年より 17 万人減り、1950 年以降で過去最低となったと総務省が 4 日発表した。 37 年連続の減少。ピークだった 54 年(2,988 万人)のほぼ半数に減った。 総人口に占める子どもの割合は 12.3% で、世界でも最低水準だった。 「こどもの日」に合わせて国勢調査の結果などから推計した。

男子が 795 万人、女子が 758 万人で、男子の方が 37 万人多い。 年齢別では、▽ 0 - 2 歳 293 万人、▽ 3 - 5 歳 298 万人、▽ 6 - 8 歳 313 万人、▽ 9 - 11 歳 323 万人、▽ 12 - 14 歳 326 万人と、少子化で年齢が低いほど少ない。 都道府県別(昨年 10 月現在)で前年より増えたのは東京都だけで、7 千人増の 154 万 2 千人。 人口に占める割合は、前年と変わらず沖縄県が最も高く、最も低いのが秋田県だった。 同省は「出産する可能性が高い年代の女性の割合が影響している」とみる。

総人口に占める子どもの割合は、44 年連続で低下した。 50 年の 35.4% から下がり続けた後、第 2 次ベビーブームの 71 - 74 年にわずかに上昇したものの、その後は再び減少。 97 年に 15.3% になり初めて 65 歳以上の高齢者の割合を下回った。 今は高齢者 (28.0%) の半分以下になっている。 同省によると、人口 4 千万人以上の 32 カ国の中では、子どもの割合は日本が最低。 米国は 18.9%、中国 16.8%、韓国 13.1% だった。 (平林大輔、asahi = 5-4-18)


消費税 10% で 2 兆円の家計負担増、8% 時の 4 分の 1 に

2019 年 10 月に予定される消費増税で増える一般家計の負担額は 2.2 兆円で、前回 14 年の増税時の 4 分の 1 程度にとどまる、との試算を日本銀行がまとめた。 今回の増税幅は前回より低く、教育無償化などの負担軽減策も計画されているためだとしている。

試算は 4 月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で示した。 消費増税による負担増だけでなく、税制改正や社会保障費などの影響も考慮に入れた。 19 年に消費税が 8% から 10% に上がる際、税率引き上げの直接的な影響は 5.6 兆円。 一方、軽減税率で 1 兆円、教育無償化で 1.4 兆円、年金額改定で 6 千億円といった軽減要素が見込め、負担増は差し引き 2.2 兆円になるとしている。

1997 年に 3% から 5% に増税された時は、所得減税の打ち切りも重なり 8.5 兆円の負担増となった。 5% から 8% に増税された 14 年は、給付金などの軽減措置もあったが 8 兆円だった。 日銀は 19 年度の実質経済成長率を 0.8% (18 年度は 1.6%)と予想するが、「経済状況によって消費者マインドに与える影響が大きく異なりうる」とも指摘している。 (湯地正裕、asahi = 5-3-18)


高齢者がコンビニでアマゾン決済 … もしや? 詐欺防ぐ

架空請求詐欺の被害を未然に防いだとして、セブンイレブン江差愛宕町店(北海道江差町)のパート従業員、蛯名真利子さん (65) が今月、江差署から感謝状を贈られた。 「高齢者がアマゾンで多額の買い物をするのはおかしい。」 高齢の女性客の依頼を不審に思い、警察への相談を勧めたという。 蛯名さんや署によると、70 代の女性が 16 日夕方に来店し、アマゾンのコンビニ代行決済で 10 万円を支払おうとした。 日頃、店でアマゾンの代行決済を利用するのは若い客が多い。 支払いが高額なこともあり、違和感を覚えたという蛯名さん。 「特殊詐欺は日頃から意識し、お客さんに注意を促そうと心がけています」と話す。

女性は蛯名さんの勧めで署に相談。 架空請求のはがきを自宅に送りつけ、身に覚えがない買い物の代金を払わせる詐欺と分かった。 同署管内では、「訴訟通知」や「消費代金未納」など架空請求詐欺とみられるはがきが届いたとの相談が急増している。 道警によると、道内の特殊詐欺の被害額は今年 1 - 3 月で約 8 千万円。 被害者の約 6 割を 65 歳以上が占める。 江差署は「身に覚えがない支払いを求められたら相談してほしい」と呼びかけている。 (阿部浩明、asahi = 4-29-18)


三菱 UFJ 銀行、都市部の 90 拠点程度を統廃合へ

三菱 UFJ フィナンシャルグループ (FG) が、グループ中核の三菱 UFJ 銀行の全国 515 拠点のうち、90 程度を今後 3 年間で統廃合する方向で調整していることが、27 日わかった。 すでに、デジタル技術の活用により 2023 年度までに、70 - 100 拠点を行員がほとんどいない店にする方針を決めており、大規模な店舗網の見直しを本格化させる。 不採算店舗の資産価値を見直すため、18 年 3 月期決算で 400 億円規模の減損処理を行う見通し。

削減するのは店舗同士が近い都市部で、1 県に 1 拠点しかないような地方では維持する。 削減数は状況に応じて柔軟に変える方針。 IT 化による業務見直しも進めて、業務量の 3 割にあたる 9,500 人分の業務を削減する。 三菱 UFJ 銀行では店舗への来客は 10 年で約 4 割減ったという。 人口減や超低金利で銀行の国内事業の採算は厳しく、地域性や顧客の生活スタイルに併せて店舗のあり方を見直す。 (柴田秀並、asahi = 4-27-18)


電源タップ「5 年以上の使用」で危険 思わぬ火災原因に

延長コードやテーブルタップといった配線器具。 コンセントから離れた場所で複数の電気製品を使える便利グッズですが、使い方を誤ると思わぬ事故につながることもあります。 今月 7 日、大阪府茨木市の集合住宅で、親子 3 人が死亡する火事があった。 「たこ足配線」の状態で、過剰な電気が流れて台所のコンセントプラグの一部が焦げ、出火した可能性があると府警はみているという。

家電の事故を調査している独立行政法人・製品評価技術基盤機構 (NITE) によると、2012 年度からの 5 年間で発生した異常発熱などの配線器具の事故は 353 件。 うち 209 件は火災を伴っている。 NITE によると、延長コードや、複数の差し込み口がついているテーブルタップの最大容量は一般的には 1,500 ワット。 正確な数値は本体に表示されている。 その最大容量を、配線器具につないだ電気製品の消費電力の合計が上回る状態で使うと、異常発熱して出火する可能性がある。 近くに燃えやすいものなどがあると火事につながりかねない。

最大容量は配線器具に電気製品を一つだけつないでいても、多くの電気製品をつないだりタップをさらに継ぎ足したりするたこ足の状態でも変わらない。 一つのテーブルタップにパソコンや携帯電話の充電器、プリンターなどをつないで同時に使っても、最大容量を超えていなければ、それだけで危険ということにはならないという。 NITE の柿原敬子さんは「電気代には敏感でも、電気製品の消費電力は意識していない人が多いのでは。 個々の電気製品に表示されている消費電力の目安を必ず確認してほしい。」と呼びかける。

このほかにも、テレビの裏などホコリがたまりやすい場所にテーブルタップを置いている場合は別の注意が必要だ。 コンセントプラグと差し込み口の間に隙間があると、そこにたまったほこりが原因となって出火するおそれがある。 配線器具のコードがソファなどの家具の下敷きになっていると、断線して発火の原因になる可能性がある。 つないでいる電気製品がついたり消えたりしたら断線の兆候だ。 コードを束ねて使うと、伸ばした状態のコードに比べて放熱がしにくいため発火しやすくなる。 コードを巻き取る「コードリール」には、巻いた状態でテーブルタップなどを使うと最大容量が 3 分の 1 になる製品もあるという。

配線器具などを製造する企業が加盟する日本配線システム工業会は「長い間使っていると、コードなどが劣化し、そこから火花が出るなどして火事の原因となるおそれもある。 3 - 5 年に 1 回は交換を。」と勧める。 また、電気用品安全法の安全基準を満たした製品には裏側などに「コ」の文字が表示されており、表示のある製品の使用を呼びかけている。 (有近隆史、asahi = 4-26-18)

配線の危険チェックリスト

  • 電気製品の消費電力の合計がテーブルタップなどの最大容量を上回る
  • コンセントプラグにほこりがたまっている
  • コードを束ねて使っている
  • コードやプラグが熱くなっている
  • コードが家具の下敷きになっている
  • コードを動かすと製品がついたり消えたりする
  • 同じタップを 5 年以上使っている

* NITE、日本配線システム工業会への取材による


今季の花粉、多くて涙目 愛知ではピーク時前年比数倍

花粉症に悩む人にとって今シーズンは例年よりつらかった? 日本気象協会などによると、今季はスギやヒノキの花粉の飛散量が多かったという。 愛知県ではピーク時で前年の数倍の量を記録。 花粉量はここ数年、低調だったといい、急増した理由は専門家も「わからない」と首をひねっている。

日本気象協会によると、今季は全国的に花粉の飛散量が多く、特にヒノキ花粉が目立って多かったという。 愛知県豊明市の藤田保健衛生大学は飛散量の観測データを気象協会に提供している。 大学の観測によると、スギ花粉の飛散数はピーク日(3 月 5 日)で 1 平方センチあたり 365 個。 前年ピーク日は 187 個で、今年は 1.95 倍にあたる。 スギより遅れて飛散するヒノキ花粉もピーク日(4 月 3 日)には 1 平方センチあたり 222 個が観測された。 前年ピーク日(66 個)と比べ 3.36 倍の量だった。

藤田保健衛生大の村嶋智明助教(耳鼻咽喉科)は「最近はスギ、ヒノキの古木化が原因で、2011 年をピークに花粉量は低調だった。 研究者の間では、今季は例年並みと予測していたのだが …。」と話す。 診察した患者の中には「久しぶりに花粉症の症状が出た」と訴える人もいたという。 「今年初めは雪が多く、『雪で花粉が落ちるので飛散量は減るのでは』と言われていた。 予想に反して多かった原因を今後分析したい。」と村嶋助教は話す。

花粉の飛散増は経済的な影響も与えた。 「愛知県内で花粉が飛び始めた 3 月ごろから、対策商品が急激に売れ出した。 売り上げは絶好調です。」 愛知県大府市に本社があるドラッグストアチェーン「スギ薬局」広報室の迫西克行さん (37) は話す。 中部エリア(東海 3 県や静岡、滋賀県の一部)の既存店では、マスクの売上額は前年の 1.12 倍。 特に 60 枚と大量の箱入り商品が売れたという。 鼻炎薬も前年の 1.3 倍売れた。 特に医療機関で処方される薬と同様の成分が入った、効き目の強い薬が人気だった。 シーズン初めは需要に追いつかず、薬が欠品する店舗も相次いだという。

日本気象協会によると、東海地方ではスギ花粉の飛散はすでに終息したという。 ヒノキ花粉も今月いっぱいで飛散が終わると予想している。 (日高奈緒、asahi = 4-26-18)


ホテルに人型ロボット配置 接客実験「威圧感なく安心」

サイバーエージェントと大阪大、東急不動産ホールディングスが、人型ロボットによるホテルでの接客実験に取り組んでいる。 ホテル業界の人手不足や外国人観光客の急増に対応するのが狙いで、2020 年の東京五輪前後に実用化することをめざす。 サイバーは昨春、アンドロイド研究の第一人者である石黒浩・阪大教授と、対話型ロボットの開発などについての共同研究を開始。 今回、東京都港区にあるビジネスホテル「東急ステイ高輪」のエレベーターホールと廊下に 3 - 4 月の計 24 日間、高さ 30 センチほどの人型ロボットを計 3 体配置し、実際に接客させた。

ロボットは、人間が近づくと「こんにちは」、「行ってらっしゃいませ」などと話しかける。 宿泊者へのアンケートでは「廊下に知らない人がいると怖いが、ロボットなら威圧感がなく安心できる」と好評という。 石黒教授は「スタッフの数は減る一方で、外国人観光客は増え続けている。 ロボットなら多言語対応も簡単」と利点を強調。 今後は他の東急ステイにも置き、実験を積み重ねて技術を進化させる。 将来的には、館内設備の案内や周辺飲食店の情報紹介、予約代行といったコンシェルジュサービスを担わせる考えだ。 サイバーも、ロボットを通じた新しい広告ビジネスへの進出を狙う。 (上地兼太郎、asahi = 4-19-18)


イオン、20 年の電子決済比率 80% へ 背景に人手不足

小売り最大手のイオンは 16 日、電子マネーやクレジットカードなど現金以外の手段で会計する電子決済の比率を、2020 年にグループ全体で 80% まで引き上げる方針を発表した。 人手不足を背景に、レジ業務の削減につなげる狙いもある。 VISA カードと共同で 20 年 3 月までに、クレジットカードをかざすと決済できる非接触型端末を、グループのイオンモールやドラッグストアのウエルシア薬局などのレジに 10 万台導入するという。 自社のクレジットカード「イオンカード」のうち、VISA のカードについて、非接触型決済用の IC チップが付いたカードに順次切り替えていく。

イオングループ全体では、イオンの電子マネー WAON (ワオン)や交通系 IC カードなどによる電子決済比率は約 5 割、総合スーパーを運営するイオンリテールでは 7 割に達するという。 同社の岡崎双一社長は「リテール単体では比率をもっと高める。 一瞬で決済が終われば、人件費の削減にもつながる。」と話す。 経済産業省によると、日本の電子決済比率は 18.4%。 先進国の中では遅れており、同省は 25 年までに 40% とする目標を定め、キャッシュレス化を促している。 セブン & アイ・ホールディングスは来春をめどに、スマートフォンを使った決済アプリの導入を見込む。 イオンも決済アプリの導入を検討しているという。 (牛尾梓、asahi = 4-16-18)


人口増え続ける東京、高齢化も 研究者「手遅れになる」

総務省は 13 日、昨年 10 月 1 日現在の人口推計を発表した。 総人口は前年より 22 万 7 千人減の 1 億 2,670 万 6 千人で、7 年連続の減少。 65 歳以上の高齢者は 56 万 1 千人増の 3,515 万 2 千人となり、総人口に占める割合は過去最高の 27.7% だった。 都道府県別では東京への一極集中に歯止めがかかっていない。 都道府県別でみると、東京圏への一極集中が続く。 東京、埼玉、千葉、神奈川の 1 都 3 県は人口増加率がいずれも 6 位以内。東京の増加率は 0.73% で前年の 0.80% より緩やかになったが、人口の増加は止まっていない。

政府は東京への一極集中を是正しようと対策を打ってきたが、効果は出ていない。 地方創生を重要政策に掲げた 14 年と比べ、東京の人口は約 33 万人増えている。 今年度からは東京 23 区の大学の定員抑制に踏み切るが、20 年までに東京圏への転入・転出を均衡させる目標の達成は厳しい。

一方、今後深刻になるのが都市部の高齢化だ。 75 歳以上の人口増加率は埼玉が 6.2% でトップ。 千葉 5.6%、神奈川 5.1%、東京 3.8% で、全国平均 (3.4%) 以上の数値だ。 国立社会保障・人口問題研究所は、45 年には埼玉や千葉などの人口の 2 割が 75 歳以上になると推計しており、医療・介護の施設や担い手が大幅に足りなくなる可能性もある。 加藤久和明治大教授(人口経済学)は「団塊の世代がすべて 75 歳以上になる 25 年までに本格的に手を打っておかないと、手遅れになる」と警鐘をならす。 (平林大輔、asahi = 4-14-18)

◇ ◇ ◇

日本の人口、7 年連続の減少 65 歳以上の割合は最高に

総務省は 13 日、2017 年 10 月 1 日現在の人口推計を発表した。 総人口は前年より 22 万 7 千人 (0.18%) 減の 1 億 2,670 万 6 千人で、7 連続の減少。 65 歳以上の高齢者は 56 万 1 千人増の 3,515 万 2 千人となり、総人口に占める割合は過去最高の 27.7% だった。 総人口は 1 億 2,808 万 4 千人だった 08 年にピークを迎え、11 年以降は減少が続いている。 15 - 64 歳の生産年齢人口は前年に比べて 60 万人減って 7,596 万 2 千人。 総人口の 69.0% で、比較できる 1950 年以降で 51 年と並んで 2 番目に少なかった。 (asahi = 4-13-18)


障害ある人は 936 万人 人口の 7.4% 厚労省推計

厚生労働省は 9 日、体や心などに障害がある人の数が約 936 万 6 千人との推計を公表した。 前回 2013 年の推計(約 787 万 9 千人)より、約 149 万人増えた。 日本の全人口に占める割合も、約 6.2% から約 7.4% に増えた。

14 - 16 年に実施した障害者への生活実態調査からの推計で、身体障害者は約 436 万人(前回より約 42 万3 千人増)、知的障害者が約 108 万 2 千人(同約 34 万 1 千人増)、精神障害者が約 392 万 4 千人(同約 72 万 3 千人増)。 いずれも高齢者が増加傾向にあり、65 歳以上の割合は身体障害者の 74% (前回推計では 69%)、知的障害者が 16% (同 9%)、精神障害者が 38% (同 36%)だった。 厚労省は高齢化の進行に加え、障害への理解が進んで障害認定を受ける人が増えたことも増加要因と分析している。 (佐藤啓介、asahi = 4-9-18)


九州各地に黄砂飛来 大阪や富山でも観測

きょう(7 日)午前 10 時ごろまでで、九州北部、南部地方の各地(下関、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島)と宮古島、石垣島で黄砂を観測。 また、広島や松山、高松、徳島、大阪、富山でも観測されました。 (日本気象協会、tenki.jp = 4-7-18)


教育格差「当然」、「やむをえない」 6 割超 保護者に調査

朝日新聞社とベネッセ教育総合研究所が共同で実施する「学校教育に対する保護者の意識調査」の結果が 4 日、まとまった。 全国の公立小中学校の保護者 7,400 人に聞いたところ、教育格差について「当然だ」、「やむをえない」と答えた人は 62.3% となり、4 回の調査で初めて 6 割を超えた。 また、子どもの通う学校への満足度は 83.8% で、過去最高となった。

調査では「所得の多い家庭の子どものほうが、よりよい教育を受けられる傾向」について「当然だ」、「やむをえない」、「問題だ」の 3 択で尋ねた。 「当然だ」と答えた人は 9.7% で、2013 年の前回調査の 6.3% から 3 ポイント以上増えた。 1 回目の 04 年、2 回目の 08 年(ともに 3.9%)からは 6 ポイント近い増加だった。 また、「やむをえない」は 52.6% で、初めて半数を超えた前回の 52.8% とほぼ同じ。 格差を容認する保護者は計 62.3% となった。 一方、「問題だ」は 34.3% で前回の 39.1% から 5 ポイント近く減少。 08 年調査の 53.3% と比べると、19.0 ポイントも減ったことになる。

調査では今後の日本社会で「貧富の差が拡大する」かどうかも聞いた。 「とてもそう思う」、「まあそう思う」の合計は 85.0% で、多くの保護者は格差が拡大すると見ていた。 子どもが通っている学校については「とても満足している」、「まあ満足している」、「あまり満足していない」、「まったく満足していない」の 4 択で尋ねた。 「とても」は 13.5%、「まあ」は 70.3% で、合計した「満足度」は 83.8% だった。

この質問への回答を初回調査からみると、満足度は 73.1% (04 年)、77.9% (08 年)、80.7% (13 年)と毎回高くなっており、今回も過去最高だった。 特に、「とても」の保護者は 04 年の 4.9% と比べて、8.6 ポイント増えた。 小学生の保護者だけをみると満足度は 86.8% で、中学生の保護者の 77.8% より 9.0 ポイント高かった。 (土居新平、編集委員・氏岡真弓、 (asahi = 4-5-18)

調査は昨年 12 月 - 今年 1 月に実施された。 28 都県、公立小中 54 校の小学 2、5 年生、中学 2 年生の保護者計 9,079 人に調査票を配り、7,400 人から回答を得た。 お茶の水女子大の耳塚寛明教授、一橋大の山田哲也教授(いずれも教育社会学)も調査に加わり、質問の設定や回答の分析を行った。 保護者の意識調査は、文部科学省や内閣府なども実施している。 だが、教育への意見や学歴、経済的ゆとりとの関係などを数千人規模で継続的に調べている調査は国内で他にない。


セブン & アイ、イズミと業務提携 「ゆめタウン」を展開

セブン & アイ・ホールディングス (HD) は 5 日、中国・九州地方でショッピングセンター「ゆめタウン」を展開するイズミ(広島市)と業務提携すると発表した。 共同での商品調達や西日本の店舗の共同運営、セブン & アイグループの自主企画商品 (PB) をイズミに提供することなどを検討していく。

セブン & アイ HD は「イズミはイトーヨーカ堂と同一業態だが、地理的に補完関係にある」として、店舗網が手薄な西日本で、イズミの地盤を生かして販売力を強化する。 セブン & アイ HD が 5 日発表した 2018 年 2 月期決算は、売上高が前年比 3.5% 増の 6 兆 378 億円、営業利益は同 7.4% 増の 3,916 億円で、7 年連続で最高益を更新した。 主力のコンビニ事業が好調だった。 総菜や弁当の販売を伸ばし、働く女性や単身世帯の増加で高まる「中食(なかしょく)」ニーズを取り込んだ。 (asahi = 4-5-18)


広がる「子ども食堂」、全国 2,286 カ所 2 年で 7 倍超

地域の子どもに無料か安価で食事を提供する「子ども食堂」が、全国に 2,286 カ所あることがわかった。 地域交流の場として認知度が上がったことに加え、「子どもの見守りの場」として期待する自治体からの補助金が開設を後押ししていることが背景にある。 学者や各地の子ども食堂の運営者で構成し、食堂の支援と普及に取り組む「こども食堂安心・安全向上委員会(代表・湯浅誠法政大教授)」が 3 日、東京都内で発表した。 1 - 3 月に全国の社会福祉協議会から聞き取り、さらに子ども食堂の運営者らによる調査を集計した。 最多は東京都の 335 カ所。 最少は徳島、長崎県の 7 カ所だった。

2016 年 5 月に朝日新聞が各地の子ども食堂のネットワークや団体に聞き取って集計した時は 319 カ所。 手法は異なるが、単純比較で 2 年弱で 7 倍超となった。 子ども食堂は、貧困家庭や孤食の子どもに食事を提供する場として、12 年ごろから注目され始めた。 運営は NPO 法人や民間団体、個人など多様だ。 食堂の利用者を限定しない所も多い。 誰でも利用できるようにすることで、「貧困の子どもが行く食堂」という印象が薄まり、地域交流や子どもを見守る環境が生まれやすくなる。

こうしたことから、自治体が活動を支援する動きも出てきた。 京都府は 17 年度に初めて約 1 千万円の予算を使って、開設(上限 20 万円)や運営費(1 回上限 1 万円、年 150 日まで)として 43 団体を支援した。 東京都では今年度から関係者の情報共有のため、市区町村が連絡会を本格的に設置する。 連絡会への加入を条件に、活動 1 回につき上限 1 万円(年間上限 24 万円)の補助を始めた。 (浜田知宏、asahi = 4-4-18)

各都道府県の子ども食堂の数

北海道 113 / 青森県 8 / 岩手県 17 / 宮城県 44 / 秋田県 11 / 山形県 8 / 福島県 13 / 茨城県 19 / 栃木県 23 / 群馬県 26 / 埼玉県 83 / 千葉県 62 / 東京都 335 / 神奈川県 169 / 新潟県 28 / 富山県 8 / 石川県 20 / 福井県 15 / 山梨県 12 / 長野県 68 / 岐阜県 22 / 静岡県 40 / 愛知県 66 / 三重県 26 / 滋賀県 95 / 京都府 94 / 大阪府 219 / 兵庫県 53 / 奈良県 34 / 和歌山県 20 / 鳥取県 27 / 島根県 19 / 岡山県 25 / 広島県 26 / 山口県 14 / 徳島県 7 / 香川県 15 / 愛媛県 13 / 高知県 51 / 福岡県 90 / 佐賀県 11 / 長崎県 7 / 熊本県 31 / 大分県 30 / 宮崎県 18 / 鹿児島県 24 / 沖縄県 127 / 合計 2,286


外来カマキリ、中国産竹ぼうきから侵入? 在来種駆逐か

外来種の「ムネアカハラビロカマキリ」というカマキリが国内で急速に広がっている。 在来種のカマキリを駆逐するおそれが心配されるが、研究者が調べたところ、中国産の竹ぼうきについた卵が海を越え侵入してきた可能性が高いとわかった。 卵から幼生が大量にかえる時期を前に、専門家は「自宅や学校、公園で使われる竹ぼうきに卵がないか注意してほしい」と呼びかけている。 ムネアカハラビロカマキリは中国などにすみ、日本では 2000 年代に初めて発見された。 日本にいる在来種のハラビロカマキリに似ているが、腹側が赤っぽいほか、体長が最大 8 センチほどと大きく、卵の孵化時期が早いなどの違いがある。

神奈川県立生命の星・地球博物館などの研究チームによれば、東京都や新潟県、愛知県、京都府、鹿児島県など少なくとも 20 都府県で見つかった。 生態系への影響はまだよくわかっておらず、法律によって飼育などが禁止される「特定外来生物」ではないが、侵入した地域で在来種がほぼ見られなくなったケースが、愛知県豊田市や神奈川県秦野市などの複数の地区で確認されている。 新潟県では在来種が「準絶滅危惧種」に分類されている。 環境省の曽宮和夫・外来生物対策室長は「生態系への侵略性に注目している。 情報収集を進めなくてはいけない。」という。

外来種は通常、侵入地点から時間をかけて同心円状に広がるが、ムネアカハラビロカマキリは近年各地で同時多発的に発見され、在来種説も出たほどの「謎のカマキリ」。 人間がペットとして持ち込み、故意に放した可能性もあるが、侵入経路は不明だった。

研究チームは、「竹ぼうきが原因」とするネット上の「うわさ」をきっかけに調査を開始。 東京都の多摩動物公園では 17 年 5 月 - 12 月に仕入れた中国・浙江省産の竹ぼうき 420 本の約 3% で、大きさ約 2 センチの卵のかたまり(卵鞘〈らんしょう〉)が見つかり、卵から生まれたムネアカハラビロカマキリの幼生も確認した。 16 年には神奈川県内のホームセンターで売られていた竹ぼうきでも卵が見つかった。 (小堀龍之、asahi = 3-31-18)


1 年生の学童保育、注意点は? 「道順、鍵、電話」練習を

新入学のシーズン。入学式を前に、週明けの 2 日から学童保育に通う子どもたちがいます。 厚生労働省の調査(2017 年 5 月 1 日現在)によると、放課後児童クラブ(学童保育)に登録している 1 年生は約 37 万 4 千人。 この時期、多くの子どもたちが、保育園から学童保育への環境の変化を経験します。 保護者は、どんなことに気をつければいいでしょうか。 専門家にアドバイスをもらいました。

「学童保育に通う前に練習しておきたいのが、『道順、鍵、電話』の三つです」と、全国学童保育連絡協議会の事務局次長、佐藤愛子さんは助言します。 保育園は保護者の送迎が原則ですが、多くの学童保育は、子どもが自分の足で通うことになります。 「この週末、ぜひ道順を親子で確認しておいてください」と佐藤さん。

記者の長男のときも、学童保育がある児童館までの道を一緒に歩いて練習していました。 が、初日に帰り方が分からなくなり、近くの警察署に駆け込んだ子どもから電話があったのです。 「帰り道で見える風景は、行く道と違って見えます。 帰り道も含めて、スーパーなどへの寄り道もせず、まっすぐな道順を練習しておいてください。」 また、保護者が自宅に帰る前に帰ってくる子どもは、自力で鍵を開けなければなりません。 (杉原里美、asahi = 3-30-18)

〈編者注〉 筆者の経験でも、低学年の学童クラブの子の口から、ママのみならずパパの 11 桁の電話番号もスラスラと出てきたのに驚かされました。