中国の 9 月 PPI、6 カ月ぶりの高い伸び CPI は 1.6% 上昇

[北京] 中国国家統計局が 16 日発表した 9 月の生産者物価指数 (PPI) は前年比 6.9% 上昇と、今年 3 月以来 6 カ月ぶりの高い伸びを記録した。 建設ブームが建築材価格を押し上げているほか、政府の大気汚染対策で原材料が冬季にかけて不足するとの懸念からコモディティ価格が急騰していることが PPI の伸び加速につながった。 予想は前月の伸びと同じ 6.3% 上昇だった。 強い建築材需要を背景とするコモディティ価格の上昇は 1 年に及んでおり、世界の製造業の活性化とインフレ率の底上げにつながっている。

PPI の伸び加速は、中国景気と工業部門企業利益が引き続き底堅く推移する兆候でもあるため、共産党指導部にとって歓迎すべきニュースになるとみられる。 PPI は前月比で 1.0% 上昇した。 アナリストらは、PPI の伸びが第 4・四半期に鈍化するとの予想を維持。 前年が高水準だったことによるベース効果や需要の減速見通しが理由。 一方、消費者物価指数 (CPI) は前年比 1.6% 上昇し、予想と一致。 前月(1.8% 上昇)からは鈍化した。 CPI の最大の項目である食品価格は前年比 1.4% 低下。 食品を除く CPI は 2.4% 上昇と、8 月の 2.3% から伸びが加速した。 (Reuters = 10-16-17)

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中国、8 月の PPI、CPI ともに加速 - 市場予想上振れも

中国の 8 月の生産者物価指数 (PPI) は 12 カ月連続で上昇。 国内需要が引き続き堅調な一方、政府は工業の過剰生産能力の削減を続けている。 消費者物価指数 (CPI) も伸び率が加速した。 国家統計局が 9 日発表した 8 月の PPI は前年同月比 6.3% 上昇。 ブルームバーグが調査した市場予想は 5.7% 上昇、7 月は 5.5% 上昇だった。 8 月の消費者物価指数 (CPI) は前年同月比 1.8% 上昇。 7 月は 1.4% 上昇。

世界の金属相場は 8 月に急伸。 中国政府の改革で供給に支障が出る恐れがある中で、力強い投資と建設で同国の需要が支えられている。 コメルツ銀行のエコノミスト、周浩氏(シンガポール在勤)は「インフレ率が予見可能な将来に大幅上昇する可能性は少ないが、市場は中国経済が直面するインフレ圧力を過少評価している」と指摘した。 国家統計局は声明で、消費者物価上昇率の先月からの加速について、暑さと降雨で卵が 16.2%、野菜が 8.5% 値上がりしたことが主な要因だと述べた。 (Bloomberg = 9-9-17)

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中国 PPI、7 月は +5.5% で横ばい CPI は前年比 +1.4% に鈍化

[北京] 中国国家統計局が 9 日発表した 7 月の生産者物価指数 (PPI) は前年同月比 5.5% 上昇と、伸び率は 5 月、6 月と同じだった。 市場予想にも一致した。 大気汚染が悪化する冬季に向けて生産能力削減が加速するとの見方を背景に、主要な原材料価格は小幅に上昇。 PPI は前月比では 0.2% 上昇と、4 カ月ぶりに上昇した。 統計局によると、鉄鋼や非鉄金属などコモディティ価格の値上がりが要因。

消費者物価指数 (CPI) は前年比 1.4% 上昇と小幅に鈍化した。 ロイターがまとめた予想(1.5% 上昇)を下回った。 CPI 上昇率は 5 月と 6 月は 1.5% だった。 CPI の最大の項目である食品価格は前年比 1.1% 低下。 中国経済は今年に入って、コモディティ価格の回復などから堅調に推移してきた。 また、消費者物価は緩やかな伸びにとどまっているため、景気が減速した場合の政策対応の余地が残されている。 中国は今年の CPI 上昇率目標を 3% としている。 国内の大手企業は過去 1 年程度のコモディティ高の恩恵を受けてきたが、PPI の伸びが鈍れば、収益に悪影響が及ぶ可能性がある。

一方、政策当局はマネーサプライの伸びを抑制しており、与信の伸びが鈍化しているため、企業収益のさらなる回復を阻害する可能性がある。 ING のエコノミスト、アイリス・パン氏は「消費者物価の現在の伸び率は非常に緩やかであるため、中国人民銀行(中央銀行)は金融部門のデレバレッジのプロセスを再開することを厭わないだろう」と指摘。 そのうえで、中銀は銀行やノンバンクなどによるレバレッジを抑制するため、流動性の引き締め度合いを 7 月から変えないか若干強め、短期中心に銀行間金利を押し上げると予想した。 (Reuters = 8-9-17)


中国新築住宅価格、8 月は前月比 +0.2% に小幅鈍化 「転換点」か

[北京/香港] 中国国家統計局が発表したデータによると、8 月の中国主要 70 都市の新築住宅価格は前月比で平均 0.2% 上昇し、7 月の 0.4% から伸びが小幅に鈍化した。 投機的な需要を抑制すべく当局が規制を強化する中、価格が下落あるいは安定化する都市が増えた一方、大幅な調整や経済に打撃を与える兆候は見られておらず、住宅価格の底堅さが浮き彫りになった。 アナリストによると、統計局が住宅市場の過熱を指摘している 15 都市すべてで 3 年ぶりに月間ベースの価格上昇がとまった。

不動産会社センタラインのシニアアナリストは、リサーチノートで「1 級都市(ティア 1)と 2 級都市(ティア 2)の転換点が現れた」と指摘した。 Gransing Securities の投資戦略ディレクターは「今回のデータを受けて投資家の安心感がやや高まった」と指摘。 「市場は住宅価格の上昇が続いた場合、中国が抑制策を強化するのではと懸念していた。 現行の政策の効果が見られ、その懸念が後退した。」と述べた。

主要 70 都市の過半数では依然として新築住宅価格が前月比で上昇したものの、その数は 7 月の 61 都市から 52 都市に減少した。 深センの新築住宅価格は前年比1.9% 下落し、2015 年 3 月以来のマイナス。 前月比では 0.4% の下落で、マイナス幅が前月の 0.2% から拡大した。 一方、上海と北京の新築住宅価格は、前年比でそれぞれ 2.8% 上昇、5.2% 上昇となった。 前月比では、両都市とも変わらずだった。

ただ、データでは投機的な動きが小規模都市に引き続き広がっていることが示された。 統計局のデータによると、南部・広西チワン族自治区にある 3 級都市(ティア 3)の桂林が、8 月新築住宅価格の上昇率トップ(1.1% 上昇)となった。 3 級都市の新築住宅価格は 8 月に平均よりも大幅な 0.4% の上昇となった。 ただ 7 月の 0.6% 上昇からは伸びが鈍化した。

中国では都市ごとに住宅政策を導入しているため、購入規制のない小規模都市の多くで住宅価格が大幅に上昇する半面、大都市の多くでは住宅価格が前月比で横ばいか、小幅に下落するという傾向が見られる。 統計局のデータを基にロイターが算出したところでは、8 月の新築住宅価格は前年比では 8.3% 上昇した。 7 月は 9.7% 上昇だった。 (Reuters = 9-18-17)

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中国全国の新築住宅価格、6 月は前年比で伸び鈍化 大都市で顕著

[北京] 6 月の中国主要 70 都市の新築住宅価格は、平均で前年比 10.2% 上昇し、上昇率は 5 月の 10.4% からやや鈍化した。 前月比では 0.7% 上昇。 上昇率は 5 月の 0.7% と変わらずだった。 全国の上昇率は中国国家統計局が 18 日発表したデータに基づきロイターが算出した。 6 月は、中小規模の都市で新築住宅価格の伸びが続いた一方、大都市では政府の抑制策で価格の伸びが抑えられた。

北京の新築住宅価格は前年比 10.7% 上昇。 上昇率は 5 月の 13.5% 上昇から鈍化した。 上海は前年比 8.6% 上昇で、5 月の 11.0% 上昇から鈍化。 深センも前年比 2.7% 上昇で、5 月の 5.4% 上昇から鈍化した。 前月比では、北京の新築住宅価格が 2015 年 2 月以来で初めて下落。 上海でも下落し、深センでは横ばいだった。 統計局は、過熱が最も著しい 15 都市の住宅市場について、都市ごとの規制措置が引き続き奏功し、落ち着いていると指摘した。

主要 70 都市のうち、人口の多い 1 級都市を中心とする 45 都市以上が昨年 10 月以降、あらゆるレベルの不動産急騰抑制策を導入している。 それでも 6 月の不動産投資と販売の双方が前年比で加速した背景には、中堅の都市では不動産需要が堅調なことと大都市のような厳しい規制の対象でないことがある。 河南省の 3 級都市、洛陽は 6 月の新築住宅価格が前月比 2.3% 上昇し、5 月の 1.3% 上昇から伸びが加速。 前年比上昇率は 10.2% となった。 (Reuters = 7-18-17)


中国 : 8 月の粗鋼生産、月間ベースで再び過去最高 - 鉄鋼値上がりで

中国の 8 月の粗鋼生産は月間ベースで過去最高を更新した。 鉄鋼価格が 6 年ぶりの高値を付ける中、当局主導の環境汚染対策が実施される前に国内の鉄鋼メーカーが生産を増やした。 国家統計局が 14 日発表したところによると、8 月の粗鋼生産は 7,459 万トン。 ピークだった前月の 7,402 万トンをさらに上回った。 1 - 8 月の生産は 5 億 6,640 万トンと前年同期から 5.6% 増え、これまでで最高。 ただ、日量ベースでは過去最高を記録した 6 月の水準を下回った。

アルゴノート・セキュリティーズ(アジア)のアナリスト、ヘレン・ラウ氏(香港在勤)は「鉄鋼各社は利益率が良好な中で生産を伸ばしている」と分析。 「減産は 9 月、あるいは 10 月まで始まることはないだろう。 このため、メーカー各社はその間にできるだけ生産しておこうとしている。」と述べた。 建設で使われる代表的な製品、鉄筋のスポット価格は今月、1 トン = 4,396 元と 2011 年 10 月以来の高値を付けた。 価格は年初来で 30% 上げている。 (Jasmine Ng、Bloomberg = 9-14-17)

前 報 (4-17-17)


中国、8 月の景況感は安定成長織り込む 企業間で明暗も - 民間指標

中国の景況感は 8 月に企業間で明暗が分かれたものの、先行きについては景気がおおむね安定的に推移するとの期待が支援材料になっている。 いち早く発表される民間経済指標が示した。 英銀スタンダードチャータードが公表した 8 月の中小企業景況感指数は 54.7 と、4 カ月ぶりの高水準。 投資意欲が強まる一方、現況と 3 カ月先の期待、信用環境の 3 つの主要項目別指数が軒並み高かった。 同調査は 500 社を超える中小企業が対象。

同行の申嵐、丁爽両エコノミストはリポートで、「需要の見通し改善は生産にとって良い兆候だ」と指摘。 「金融市場のレバレッジ削減を受けて貸出金利が上昇しているが、中国当局は実体経済に資金を回し、成長率を安定維持できるよう取り組んでおり、最終的には中小企業が恩恵を受ける公算が大きいとわれわれは見込んでいる」と記した。 商業衛星の画像を使って数千に上る産業施設の動向を観察している米スペースノウによれば、8 月の中国サテライト製造業指数は 51.2。 7 月の 50.4 から上昇した。

一方、ロンドンを拠点とする調査会社ワールド・エコノミクスがまとめたセールス担当者景況感指数は 8 月に 52.4 と、前月の 52.8 から低下。 項目別では、物価指数が 3 年 4 カ月ぶりの高水準で、生産者物価の底堅さが浮き彫りになった。 同社のエド・ジョーンズ最高経営責任者 (CEO) はリポートで、「中国経済は最近のモメンタム水準を維持している」と指摘しながらも、セールス担当者は今後数カ月で企業活動が改善すると楽観しておらず、雇用水準に伸びは見られないと説明した。

8 月の S & P グローバル・プラッツ・チャイナ・スチール・センチメント指数は 50.75 に低下。 7 月は 55.32 だった。 同指数は中国が拠点の製鋼所など 75 - 90 の市場参加者を対象とする調査が基になっている。 S & P グローバルのシニアマネジングエディター、ポール・バーソロミュー氏(メルボルン在勤)はリポートで、「最近の鉄鋼価格があまりにも大きく上昇したため、購買意欲が抑えられる可能性があると参加者は感じている」と分析。 ただ、高めの価格とマージンの恩恵があり、市況を巡っては全般的に楽観的だと述べた。 (Bloomberg = 8-28-17)

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中国の 7 月鉱工業生産と小売売上高、前年比で予想下回る伸び

[北京] 中国国家統計局が 14 日発表した 7 月の鉱工業生産と小売売上高、1 - 7 月の固定資産投資は、いずれも前年比の伸びがエコノミスト予想を下回った。 借り入れコストが上昇し、不動産市場が沈静化する中、同国経済が勢いを失いつつあるとの見方が強まっている。 鉱工業生産は前年比 6.4% 増と、伸びは 6 月の 7.6% から鈍化。 ロイターがまとめた市場予想は 7.2% 増だった。 7 月の小売売上高は 10.4% 増と、市場予想の 10.8% を下回る増加率だった。 1 - 7 月の固定資産投資は 8.3% 増。 市場予想の 8.6% を下回る伸びとなった。

同期間の民間投資は 6.9% 増と、1 - 6 月の 7.2% 増から伸びが鈍化。 中小規模の民間企業が引き続き、資金調達に苦慮していることが示唆された。 民間投資は中国全体の投資の約 60% を占めている。 政府は 2017 年の固定資産投資について 9% 前後の増加を目標としており、専門家は小売売上高が約 10% 増加すると予想している。 政府の今年の成長目標は 6.5%。 前年は 6.7% だった。

鉱工業生産は予想を下回る内容となったものの、生産活動は引き続き、1 年に及ぶ建設ブームに支えられた。 政府は建設機器からセメントや鉄鋼などの資材にいたる製品需要を満たすため、多額の資金をインフラプロジェクトに投入した。 秋に政府人事の大規模刷新を控える習近平国家主席にとって、経済が相対的に底堅い成長をみせていることは歓迎すべきニュースとなっている。 経済全体に影響するリスクがある中、現時点でリスクが低いとみられる鉱工業生産が急激に縮小すれば、指導部にとっては懸念材料となる。

ただ、年初からの驚くべき成長が継続するとは見込みづらい。 リスクの高い種類の融資に対する規制で信用残高の伸びは鈍化し、資金調達コストは増加。今後数カ月にわたり経済の下方圧力になり始める見込みだ。 中国人民銀行(中央銀行)は 11 日、第 2・四半期の金融政策執行報告を発表。 6 月の融資の加重平均金利は 5.67% と、3 月時点での 5.53% から上昇した。 人民銀は金融システムへのリスク回避に向けて対応を続けるとした。

内需に対する懸念も出ている。 税関総署が 8 日発表した 7 月の貿易統計(ドル建て)は、輸出が前年同月比 7.2% 増、輸入が同 11.0% 増となり、伸び率はともにアナリスト予想を大きく下回った。 輸入の減少は悪天候など一時的要因によるものだとの見方もあるが、同国の貿易が第 2 ・四半期にピークに達し、下降線をたどっている兆候である可能性もある。 (Reuters = 8-14-17)


中国不動産投資、第 2 四半期は前年比 +8.2% に鈍化

[北京] 中国国家統計局が発表したデータを基にロイターが算出したところによると、中国の第 2 ・四半期の不動産投資は前年同期比 8.2% 増となり、伸び率は第 1・四半期の 9.1% から縮小した。 政府の不動産市場抑制策が功を奏し始めた可能性を示唆している。 第 2・四半期の不動産販売(床面積ベース)は前年同期比 14.1% 増と、伸びは第 1・四半期の 19.5% から鈍化した。

不動産投資は中国国内の 40 以上のセクターに影響を及ぼし、同国経済にとって重要な推進力とされる。 ANZ のエコノミスト、ベティ―・ワン氏は「不動産市場は若干減速したものの、大きな調整はないだろう。 システミックリスクがあるとは考えていない。」と述べた。 実際、不動産投資の伸び率は 6 月単月では加速。 在庫の削減が奨励され、大都市ほど厳しい抑制策が取られていない比較的小規模な都市で需要が一段と堅調のようだ。

国家統計局が発表したデータを基にロイターが算出したところによると、6 月の不動産投資は前年同月比 7.9% 増で、伸び率は 5 月の 7.3% から拡大した。 不動産販売(床面積ベース)は 21.4% 増となり、5 月の 10.2% 増から大幅に加速した。 新築着工(床面積ベース)は 6 月に 14.0% 増と、2016 年 10 月以来の大幅な伸びとなった。 床面積ベースの在庫は 1 - 6 月に前年比 9.6% 減少。 8.5% 減となった 1 - 5 月を上回るペースで在庫調整が進んだ。 (Reuters = 7-17-17)

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中国全国の新築住宅価格、5 月は前月比 0.7% 上昇

[北京] 5 月の中国主要 70 都市の新築住宅価格は、平均で前月比 0.7% 上昇した。 上昇率は 4 月の 0.7% と変わらずだった。 中国国家統計局が発表したデータに基づきロイターが算出した。 不動産市場の過熱抑制に向けた当局の規制の強化にもかかわらず、需要は引き続き旺盛なことが示された。 不動産市場は成長の主要なけん引役であり、価格の上昇継続は、景気を冷え込ませることなく市場の過熱を抑えるという当局の難しい課題を浮き彫りにしている。

全国の新築住宅価格は前年比では 10.4% 上昇し、4 月の 10.7% から伸びがやや鈍化した。 政策担当者らは、秋に最高指導部が大幅に入れ替わる 5 年に一度の中国共産党大会を控え、市場の過熱抑制を優先課題に挙げている。 国家統計局は過熱が著しい 15 都市(主として省都)の価格上昇率について、都市ベースの規制措置が引き続き奏功し、前月比では依然として「基本的に安定している」と指摘した。 北京市や上海市など大都市の新築住宅価格は前月比変わらず、深セン市は同 0.6% 低下した。

中国人民銀行(中央銀行)が先週 14 日発表した 5 月の新規人民元建て融資は、住宅融資の拡大を背景に 1 兆 1,100 億元(1,634 億ドル)となり、予想(9,000 億元)を上回った。 住宅ローンが大部分を占める家計融資は 6,106 億元で、4 月の 5,710 億元から増加した。 過熱した市場への参加を禁じられた投資家らは内陸に目を転じており、相対的に規制の緩い地方都市や中小都市で価格が上昇し、5 月には販売件数も予想外に増加した。 不動産サービスの CBRE 中国の調査責任者、Sam Xie 氏は、中小都市の住宅販売額が今年これまでに前年同期比 30% 増加したと述べた。

ただエコノミストらは、3 月半ば以降に導入された新たな引き締め措置の効果が表れ始めているとも指摘した。 14 日に発表された 1 - 5 月の不動産投資は前年比 8.8% 増となり、伸び率は 1 - 4 月の 9.3% から鈍化した。 鈍化は 3 カ月ぶりだった。 ロイターの算出によると、5 月単月の新築着工は 5.2% 増で、増加率は 4 月の 10.1% からほぼ半減した。 (Reuters = 6-19-17)

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中国不動産投資、1 - 5 月は前年比 +8.8% に鈍化 新築着工も伸び縮小

[北京] 中国国家統計局が 14 日に発表した 1 - 5 月の不動産投資は前年比 8.8% 増となり、伸び率は 1 - 4 月の 9.3% から鈍化した。 統計局のデータを基にロイターが算出した 5 月単月の不動産投資は前年比 7.2% 増加。 4 月の 9.6% よりも伸び率が縮小した。 鈍化は 3 カ月ぶり。 新築着工(床面積ベース)は 1 - 5 月に 9.5% 増となり、1 - 4 月の 11.1% を下回る伸びとなった。 ロイターの算出によると、5 月単月の新築着工は 5.2% 増で、増加率は 4 月の 10.1% からほぼ半減した。

不動産投資は 40 以上のセクターに影響を及ぼし、中国経済にとって重要な推進力。 しかし、大都市におけるバブルの懸念から政府はここのところ抑制策を打ち出している。 1 - 5 月の不動産販売(床面積ベース)は前年比 14.3% 増と、伸びは 1 - 4 月の 15.7% から鈍化した。 一方、不動産販売をロイターが算出した 5 月単月でみると、10.2% 増となり、4 月の 7.7% 増から伸びが加速。 中古住宅の在庫調整が進んでいる。 床面積ベースの在庫は 1 - 5 月に 8.5% 減少。 7.2% 減となった 1 - 4 月を上回るペースで在庫調整が進んだ。

中小都市の不動産ブーム、近く終了か

不動産サービスのジョーンズ・ラング・ラサールの中国リサーチ担当、Joe Zhou 氏は「過去 2 カ月で 3 級都市・4 級都市に購入需要が広がったことは明らかだ」と指摘。 ただ、大都市の不動産需要は急激に冷え込んでおり、3 級都市・4 級都市の購入需要では、長期的に相殺できない可能性が高いとみられている。 規制当局は投機的な不動産取引に対する取り締まりを続けており、不動産アナリストによると、1 級都市・2 級都市の販売は前年同期から約 50% 減少している。

不動産デベロッパーは、依然として中小都市に慎重で、引き続き大都市を収入の柱と考えているという。 Zhou 氏は「(中小都市の不動産ブームは)ピークに達している。 おそらく、あと 1 - 2 四半期しか、もたないだろう。」と述べた。 (Reuters = 6-14-17)

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中国の開封市が不動産上昇に異例の制限、近隣省都の需要が飛び火

[北京] 中国の中小都市である河南省開封市が 15 日、不動産価格の上昇率に上限を設ける異例の措置を発表した。 半年間で 5%、1 年間で 10% を上限とする。 省都である鄭州から東へ約 80 キロメートル離れた開封は人口 500 万人。同市の政府は、新築不動産価格の上限設定や事前販売への規制強化などを明らかにした。 新築物件については 3 年以内の売却を禁止するという。

不動産情報会社の易居中国でアナリストを務める Yan Yujin 氏は「開封の政策変更は、鄭州で不動産規制が導入されたことで、開封へ購入需要が飛び火したことを示唆している」と分析した。 統計局によると、購入規制を設けていない多くの中小都市では 3 月に住宅価格の上昇が顕著だったという。 (Reuters = 5-15-17)

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中国新築住宅価格、3 月は前月比 +0.6% に加速 前年比では鈍化

[北京] 中国国家統計局が発表したデータに基づくロイターの推計によると、3 月の中国主要 70 都市の新築住宅価格は平均で前月比 0.6% 上昇した。 2 月の 0.3% から伸びが加速した。 統計局によれば、前年同月比では 11.3% の上昇となり、伸び率は 2 月の 11.8% を下回った。 3 月の中古住宅価格は前月比 0.8% 上昇した。 2 月は 0.4% 上昇だった。

都市別で見ると、北京の新築住宅価格は前月比で、2016 年 10 月以降で初めて上昇に転じた。 前年同月比では 19% の上昇となった。 ただ 3 月の北京の 1 日当たり新築住宅取引量は減少した。 深センと上海は前年比でそれぞれ 9.1%、16.8% 上昇したが、規制強化を背景に前月比ではマイナスだった。 中小都市の新築住宅価格は前月から伸び率が加速した。 (Reuters = 4-18-17)


中国 不正な資金の流れ監視する体制強化へ

中国は金融に関する重要会議を開き、現在、縦割りになっている銀行や証券会社などを監督する官庁の機能を横断的につなぐ新たな組織を設け、不正な資金の流れを監視する体制を強める方針を決めました。 中国国営の中国中央テレビによりますと、習近平指導部は 15 日までの 2 日間、北京で 5 年ぶりとなる金融に関する重要会議、「全国金融工作会議」を開きました。

この中で習主席は、政府内に「金融安定発展委員会」を設け、現在、縦割りになっている銀行や証券会社などを監督する複数の官庁の機能を横断的につなぐ方針を示しました。 中国では、規制を逃れるため業界をまたぐような複雑な金融商品を作る「シャドーバンキング」から得た資金を、地方政府などが不動産事業や投機的な取り引きなどに充てることが問題となっていて、指導部としては不正な資金の流れを監視する体制を強め、こうした問題に適切に対処する狙いがあると見られます。

このほか会議では、国有企業が抱えるばく大な負債を減らすことや、赤字続きでありながら地元当局が支援して経営を続けるいわゆる「ゾンビ企業」の処理を進めること、それに金融リスクを見逃した担当者を厳しく処分する方針も決め、金融システムの安定を一層重視するとしています。 (NHK = 7-16-17)


中国の大連万達、観光事業プロジェクトとホテルを融創中国に売却

[香港] 中国の不動産開発大手、大連万達グループは 10 日、13 の観光事業プロジェクトへの出資分の 91% と中国内のホテル 76 棟を、不動産開発会社の融創中国に売却すると発表した。 売却金額は合計で 631 億 8,000 万元(93 億ドル)。 発表を受け、10 日の香港市場で大連万達傘下の万達酒店発展(ワンダ・ホテル・デベロップメント)の株価は一時 2.5 倍超に上昇。 ただ、今回売却されるホテルはいずれも万達酒店発展の傘下にはない。

中国の政府系シンクタンク、国家情報センターの研究員は「今回の売却は、大連万達がこれまで推進してきた文化観光事業から撤退し、資産を抱えこまない戦略へと軸足を移したことを意味する」と分析した。 大連万達は売却の理由を開示していない。 ただ、王健林会長は中国の経済誌「財新」に対し、資産売却によって不動産事業の債務比率が大幅に低下する見込みで、売却益はすべて借入金の返済に充てるとの考えを示した。

また、アナリストは、債務負担の軽減により、大連万達の不動産子会社の上海上場が成功する可能性があると指摘する。 大連万達による観光事業プロジェクト出資分の売却額は 295 億 8,000 万元となる見通し。 融創中国は同計画における融資額も全て引き受けるという。 ただブランド名や計画案の変更は行わず、引き続き大連万達によって管理・運営されるとした。 ホテル 76 棟の売却額は 336 億元となる見込み。 融創中国は「非常に大規模な買収」になると発表し、それ以上のコメントを控えた。 財新によると、融創中国の孫宏斌会長は今回の買収について、現金で支払うと語った。 (Reuters = 7-11-17)


中国首相 気候変動や世界経済で主導的な姿勢強調

中国の李克強首相が世界経済に関する国際会議で演説し、気候変動や世界経済の成長といった課題に中国が主導的な役割を果たしていく姿勢を強調しました。 李克強首相は、中国東北部の大連で開かれている世界経済に関する国際会議、いわゆる「夏のダボス会議」で各国の政財界のリーダーを前に演説しました。

この中で、李首相は気候変動をめぐる問題について、「中国は途上国として、大きな努力を行う必要がある。 気候変動への対応は国際社会の共通の責任であり、中国は約束を守るし、言ったことは実行する。」と述べ、中国としては、引き続き地球温暖化対策の国際的な枠組みパリ協定を順守していく姿勢を示すとともに、名指しは避けたものの、協定からの脱退を決めたアメリカのトランプ政権を暗に批判しました。

また李首相は中国経済の現状について、個人消費の伸びに加えてインフラ投資などの財政出動で内需は堅調で、鉄鋼の過剰な生産能力の削減も着実に進めていると説明しました。 そのうえで、「中国経済は構造と質が改善し、安定を持続できる状況で、世界により多くのチャンスをもたらしている」と述べ、中国政府の経済運営が世界経済にも大きく貢献しているという見方を示しました。 李首相の発言は、気候変動や世界経済の成長などの国際的な課題に中国が主導的な役割を果たしていく姿勢を強調したものと受け止められています。 (NHK = 6-27-17)


中国の 5 月鉱工業生産・小売り売上高、予想上回り堅調維持

[北京] 中国国家統計局が 14 日発表した 5 月の鉱工業生産と小売売上高は、予想を上回り、底堅い数字となった。 一方、固定資産投資は伸びが鈍化した。 5 月の鉱工業生産は前年比 6.5% の増加となり、伸び率はアナリスト予想の 6.3% をやや上回った。 4 月の鉱工業生産は 5 月と同じ前年比 6.5% 増、1 - 4 月の固定資産投資は前年比 8.9% 増だった。

5 月の小売売上高は前年比 10.7% 増で、4 月の 10.7% 増と変わらず。予想の 10.6% 増は上回った。 一方、1 - 5 月の固定資産投資は前年比 8.6% 増に伸びが減速し、予想の 8.8% 増を下回った。 1 - 5 月の民間投資は 6.8% 増と、1 - 4 月の 6.9% 増から若干鈍化。 中小企業の資金調達が依然として困難な中、民間セクターの投資意欲がやや後退していることを示唆した。 民間投資は中国全体の投資の約 60% を占めている。 中国当局は 2017 年の固定資産投資の伸びを 9% 前後、小売売上高は 10% 程度の伸びを目標としている。

ムーディーズが先月、中国の信用格付けを引き下げたことから、中国経済の先行き懸念が高まっている。 ただ、大半のアナリストは、今後数カ月の景気減速のペースは緩やかになると予想。 特に、指導部の大幅な交代が見込まれる 5 年に 1 度の共産党大会が秋に予定されているため、政府は経済や金融市場の安定に注力する見通し。 この日発表された 5 月の各種経済指標は、そうした大方の見方を再確認するような数字となった。 鉱工業生産と小売売上高は引き続き堅調を維持しており、固定資産投資の減速も小幅にとどまった。 (Reuters = 6-14-17)

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中国の鉱工業生産・固定資産投資、1 - 2 月は予想上回る

[北京] 中国国家統計局 (NBS) が 14 日発表した 1 - 2 月の経済指標は鉱工業生産が前年比 6.3% 増、固定資産投資が 8.9% 増となり、ともに市場予想を上回った。 一方、小売売上高は小型車減税の縮小を受けて予想を下回った。 全体としては、若干の信用引き締めのリスクや米国の保護主義的貿易政策といった懸念が漂う中でも、中国経済は安定した成長軌道にあるとの見方を裏付ける内容と受けとめられる公算だ。 ロイターがまとめたアナリスト予想は鉱工業生産が 6.2% 増、固定資産投資が 8.2% 増だった。

鉱工業生産は、国内外の需要改善を背景に昨年 12 月の 6.0% 増から伸びが加速した。 固定資産投資の伸びも2016年1─12月(8.1%増)から加速した。 民間投資は 6.7% 増で、こちらも昨年の 3.2% 増から伸びが加速。 民間企業の投資意欲が改善していることを示した。 民間投資は中国の投資全体の約 60% を占める。 一方、1 - 2 月の小売売上高は前年比 9.5% 増とアナリスト予想(10.5% 増)を大幅に下回った。

1 - 2 月の中国自動車販売は、業界団体のまとめでは前年比 8.8% 増加したが、政府統計では 1% 減少した。 中国の自動車メーカーは、小型車減税の縮小に伴い今年は自動車販売の伸びが減速すると予想している。 1 月と 2 月の中国の経済指標は春節(旧正月)休暇の影響で統計上のゆがみが生じることが多く、季節要因を平準化するために 1、2 月の統計はまとめて発表される。 (Reuters = 3-14-17)


中国の 4 月卸売物価、前年同月比 6.4% 上昇 消費者物価 1.2% 上昇

【香港 = 林千夏】 中国国家統計局が 10 日発表した 4 月の卸売物価指数 (PPI) は前年同月比 6.4% 上昇した。 上昇率は前月の 7.6% から縮小し、4 カ月ぶりの低水準だった。 ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想の中心(6.8% 上昇)も下回った。 同時に発表した 4 月の消費者物価指数 (CPI) は前年同月比 1.2% 上昇した。 上昇率は前月の 0.9% から拡大し、市場予想(1.1% 上昇)をやや上回った。 (nikkei = 5-10-17)

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中国消費者物価指数 2 か月連続で上昇率 1% 割れ

先月の中国の消費者物価指数は、2 か月連続で上昇率が 1% を割り込み、中国の個人消費の弱さが続いているという見方が出ています。 中国の国家統計局によりますと、先月の中国の消費者物価指数は前の年の同じ月と比べて 0.9% のプラスで、前の月より 0.1 ポイント伸びたものの、2 か月連続で上昇率が 1% を割り込みました。

主な項目別では、医療費が上昇した一方、スマートフォンや自動車などの耐久消費財が一段と値下がりしました。 中国政府は、ことしの消費者物価指数の上昇率の目標を 3% 前後としていますが、今のところこの目標を大きく下回っています。 中国経済の専門家は「企業がリストラを進める中、雇用や所得の先行きに対する不透明感が強まっていて、消費者が支出を抑える傾向が物価にも表れている」として、中国の個人消費の弱さが続いているという見方を示しました。

一方、企業が工場などから製品を出荷する際の値動きを示す生産者物価指数は、インフラ投資の拡大で石炭や鉄鋼製品の需要が旺盛なことなどから、先月は前の年の同じ月と比べて 7.6% のプラスと、2 か月連続で上昇率が 7% を超える高い水準が続いています。 中国政府は、経済成長のけん引役を投資から個人消費へと転換することを目指していますが、このところの物価の状況は景気が減速する中で、投資に依存する経済運営から依然として抜け出せていない現状を映し出した形です。 (NHK = 4-12-17)


中国 : 4 月末の外貨準備高、3 カ月連続で増加 - 資本規制強化が寄与

中国の 4 月末の外貨準備高は 3 カ月連続で増加し、市場予想も上回った。 当局による資本規制強化で本土外への資金流出が抑制されたことや、人民元相場の安定が寄与した。 中国人民銀行(中央銀行)が 7 日発表した 4 月末の外貨準備高は 3 兆 300 億ドル(約 342 兆円)。 3 月末に比べて 204 億 5,000 万ドル増えた。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は 3 兆 200 億ドルだった。

ブルームバーグ・インテリジェンスのアジア担当チーフエコノミスト、トム・オーリック氏(北京在勤)はリポートで、「年初には中国がさらなる大規模な資本流出に見舞われるとの懸念が真剣に語られていた。 そうした事態は明らかに起きていない。」と指摘した。 国家外為管理局 (SAFE) は 4 月末の外貨準備増加の理由として、資本の流れがより均衡の取れたものになったことや対ドルでの他通貨の上昇をウェブサイト上で挙げた。 (Bloomberg = 5-8-17)


中国金融界「党の指導」で大揺れ 先行き不透明感高まる

中国の金融界が共産党の指導強化に大揺れだ。 習近平(シーチンピン)国家主席(党総書記)が党中央政治局の会議で「党の金融に対する指導を強化する」と表明。 大物を規律違反の疑いで取り調べ、監督当局も取り締まりを強化している。 こうした動きを受けて 4 月 30 日に発表された金融業の景況感を示す指数は、3 月より大幅に下がった。 国営新華社通信によると、党の政策を決める中央政治局は 4 月 25 日、金融を学ぶ集団学習を開き、習氏が「党が金融を指導する体制・仕組みを整える」と強調した。 専門家によると、金融への「党の指導」を掲げるのは珍しい。

指導部が入れ替わる秋の党大会や、近く交代があるとうわさされる中国人民銀行(中央銀行)総裁の人事を前に、李克強(リーコーチアン)首相率いる政府の影響が強かった金融界を掌握したい習氏の意向が透けてみえる。 実際、人民銀総裁の有力候補とされる中国銀行業監督管理委員会(銀監会)の郭樹清主席は、習氏が強調する「リスク防止」に沿って、高利回り商品の規制を強めている。

集団学習で習氏は、「市場の法律・規定違反行為の取り締まりを強化する」とも述べ、肝いりの「反腐敗」を金融界にも広げる意向を示した。 保険業を監督する中国保険監督管理委員会トップ(閣僚級)の項俊波主席が規律違反の疑いで 4 月に失脚。 人民銀の潘功勝副総裁、銀監会の楊家才・主席補佐らが調査されたとも報じられた。 摘発は当局側にとどまらず、ファンドマネジャーも次々と拘束されている模様だ。

だが、政治が金融を押さえ込む動きが先行きの不透明感を高めている。 中国国家統計局が 4 月 30 日に発表した金融業の景況感を示す指数 (PMI) は 3 月より 7.1 ポイント下がり、56.6 となった。 好不況の判断基準になる 50 は上回ったが、大幅な下落は政治の影響に反応したものとみられる。 (北京 = 福田直之、asahi = 5-2-17)


景気減速だった中国・遼寧省、1 - 3 月期はプラス成長

中国の省レベルで唯一、昨年の域内総生産 (GDP) の成長率がマイナスだった遼寧省は、1 - 3 月期でプラス成長を記録したと明らかにした。 同省では過去の経済データの水増しが発覚しており、共産党機関紙・人民日報は 2 日、「マイナス成長は水増し分を是正したためだった」と伝えた。 遼寧省統計局によると、同省の 1 - 3 月期の GDP は約 4,574 億元(約 7 兆 3,961 億円)で、前年比 2.4% 増。 中国メディアによると自動車製造業やロボット産業などが好調だった。 同省で産出される石炭や鉄鉱石などの原材料価格が上昇したこともプラス成長の要因とされる。

ただ、中国の 2017 年 1 - 3 月期の国内総生産 (GDP) は前年同期比で 6.9% 増。 遼寧省の成長率は全国を大きく下回っており、政府は重工業主体だった経済構造の転換や景気振興策を続ける方針だ。 同省は中国内でも景気減速が最も深刻とされ、昨年の GDP が前年比 2.5% 減と全国 31 の省・直轄市・自治区で唯一マイナス成長を記録していた。 2011 - 14 年の地方政府の財政収入などのデータが水増しされていたことも明らかになり、同時期以降の GDP にも影響した可能性が指摘されていた。 (瀋陽 = 平賀拓哉、asahi = 5-2-17)

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中国遼寧省、全国の省で唯一のマイナス成長 昨年 GDP

中国・遼寧省の 2016 年の域内総生産 (GDP) の成長率が前年比マイナス 2.5% だったと、中国国家統計局が 22 日、インターネット上で公開した。 同省は中国でも景気減速が最も深刻とされ、全国 31 の省・直轄市・自治区で唯一、マイナス成長を記録した。

遼寧省は鉄鋼などの重工業が盛んで、計画経済時代から中国の経済発展をリードしてきた。 しかし近年は、非効率性が指摘されている国営企業の整理が進まない一方、民間の投資は伸び悩み、景気は急減速。 14 年まで 6 年連続で全国 7 位だった GDP が、15 年に 10 位、16 年に 14 位と急落した。 遼寧省では今年 1 月、11 - 14 年の地方政府の財政収入などのデータが水増しされていたことが明らかになり、同時期以降の GDP にも影響した可能性も指摘されている。 (瀋陽 = 平賀拓哉、asahi = 2-22-17)

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中国・遼寧省、統計数字水増し認める 11 - 14 年の税収

【大連 = 原島大介】 中国で最も景気が悪い遼寧省で、2011 - 14 年に経済統計を水増ししていたことが 17 日、明らかになった。 同日開かれた同省の人民代表大会(省人代、地方議会に相当)で、陳求発省長が認めた。 地域経済の成長が鈍化するなか、複数の地域で税収を実際よりも多く見せかけていたという。 陳氏は言及しなかったが、域内総生産 (GDP) など他の統計についても捏造があったもようだ。 中国で地方政府による統計の水増しが明らかになるのは初めてとみられる。

遼寧省は主力産業は鉄鋼などの重工業だが、中国経済の減速によるインフラ需要の低迷を受けて景気が低迷。 16 年 1 - 9 月は GDP がマイナス成長に陥った。 地方官僚にとって、省経済の成長は自身の出世に直結する。 こうした構造問題がでっち上げが常態化した背景にあるようだ。 中国ではかねて統計の水増し疑惑が指摘されており、今後は他の省でもこうした問題が明らかになる可能性がある。 (nikkei = 1-17-17)