アスベスト飛散恐れの煙突、227 校に 文科省全国調査

文部科学省は 11 日、全国の公立小中学校や高校などで、アスベスト(石綿)が周りに飛散する恐れのある煙突が昨年 10 月に計 275 本あった、と発表した。 石綿を吸い込むと肺がんや中皮腫の恐れがあるため、文科省は煙突の使用停止や飛散防止のための取り組みを求めている。

全国の公立学校のうち、問題のある煙突は 227 校にあった。 都道府県別では北海道 133 本、東京都 42 本、石川県 40 本と続く。 暖房や給食設備用のボイラーの煙突で断熱材として使われていた例が多く、煙突が老朽化すると石綿が飛散する可能性があるという。 私立学校では、大学を含めて 81 本に飛散の恐れがあった。 調査では学校や教育施設の部屋や廊下で、配管を保護するための保温材の劣化状況も調べた。 石綿を含んでいた場合、子どもらが近づいて吸い込む恐れがあるためで、約 13 万の対象施設の 0.2% にあたる約 220 施設で対策が必要だとされた。 (根岸拓朗、asahi = 7-11-17)


公立小中学校の建物、1,399 棟は耐震不足 文科省調査

全国の公立小中学校の建物のうち、4 月 1 日現在で 98.8% が耐震化されている一方、1,399 棟は耐震性が足りないことがわかった。 文部科学省が 7 日、発表した。 文科省は、耐震化を終えていない学校を抱える自治体に対し、対策を急ぐよう呼びかけている。 文科省の調査によると、全国の公立小中学校にある約 11 万 6 千棟の建物のうち、98.8% は震度 6 強の地震にも耐えられ、倒壊の危険性が低いと判断された。 耐震化率は前年より 0.7 ポイント上がった。

一方、1,399 棟は対策が終わっておらず、危険性が残ったままだ。 都道府県別では、耐震化率が低いのは沖縄県 (90.0%)、福島県 (94.1%)、富山県 (94.3%) など。 遅れている理由は、学校の統廃合の調整に時間がかかることや、耐震化への意識の低さとされる。 文科省の担当者は「どこで地震が起きるかわからない。 自治体には安全確保のため取り組みを急いでほしい。」と話した。

体育館や講堂などにある「つり天井」の落下防止対策は、97.1% の建物で済んでおり、940 棟で終わっていない。 小中学校以外の耐震化率は、幼稚園が 92.9% (未実施は 314 棟)、高校が 97.9% (同 619 棟)、特別支援学校が 99.4% (同 35 棟)だった。 (根岸拓朗、asahi = 7-7-17)


夏はロコモコ、マック・ガスト・ローソンが同時展開

日本マクドナルド、すかいらーく、ローソンの 3 社は 4 日、ハワイの人気料理「ロコモコ」で協業すると発表した。 米ハワイ州が公認する新商品を 11 日から発売。 日ごろはライバル関係の外食とコンビニの 3 社が、この夏は手を携えて消費喚起に取り組む。 ハワイへの旅行客増に取り組むハワイ州観光局の呼びかけに 3 社が応じた。 日本マクドナルドは、肉厚のビーフと野菜、たまごをはさみ、カレーソースを合わせたハンバーガー「夏カレーロコモコ」など 4 種類を発売する。

すかいらーくはファミリーレストランの「ガスト」で、「チーズ in ロコモコボウル」を投入。 看板メニューのチーズ入りハンバーグに野菜や目玉焼きを合わせてロコモコ風にアレンジした。 ローソンは、デミグラスソース味の「からあげクン ロコモコ味」を発売。 ロコモコ風のパスタやサラダ、パンも出す。 4 日には、3 社のトップが都内でそろって会見した。 すかいらーくの谷真社長は「業態が違う大手 3 社がそろい、画期的。 マーケット全体が活気づけばうれしい。」と話した。 (和気真也、asahi = 7-5-17)


理研、30 秒間隔で更新し 10 分後までリアルタイム予測する降水予報サイト

理化学研究所(理研)、首都大学東京らの国際共同研究グループが 4 日、最新の気象レーダーを使い、30 秒ごとに更新する 10 分後までの降水予報のリアルタイム実証を開始した。 この予報は、気象庁の許可を得て、理研がサイト上で公開している。 既存の降水予測手法としては、気象レーダーが捉える降水パターンの動きを追跡し、将来もそのまま動き続けると仮定して予測する「降水ナウキャスト手法」が用いられている。 この手法は、シミュレーションに比べ、計算量が大幅に少ないが、予測精度が急速に低下する欠点がある。 また、平面上の降水パターンを追跡するもので、雨粒の鉛直方向の動きを考慮していない。

そこで同研究グループは、30 秒ごとに 60km 遠方までの雨粒を隙間なくスキャンする「フェーズドアレイ気象レーダー」のビッグデータを降水予報に活かすため、観測された雨粒の立体的な動きを捉え、将来もそのまま動き続けるという仮定のもとで予測する「3D 降水ナウキャスト手法」を開発した。 また、大阪大学に設置されたフェーズドアレイ気象レーダーのデータを用い、リアルタイムに予測を実行するシステムを構築し、サイト上で公開した。 10 分後という短時間の予測であっても、適切に利用することで、生活や防災に役立てられると期待している。

なお、現在 30 秒更新の 10 分予報を行なっているのは関西地域に限定され、世界各国を含むその他の地域は 1 時間更新の 12 時間予報となっている。 (若杉紀彦、PC Watch = 7-5-17)


所在不明の子、全国に 28 人 虐待が疑われる児童も

居住実態が分からない 18 歳未満の「所在不明の子」は、今月 1 日時点で全国に 28 人いた。 厚生労働省が 29 日、発表した。 うち 6 人は初めて調査した 3 年前から所在がわからないままだ。 調査の過程で居場所がつかめた子どもを含め、虐待が疑われるケースも多い。 昨年 6 月 1 日時点で、住民票があるのに乳幼児健診を受けていないなど、市区町村が所在確認が必要と判断した 18 歳未満の 1,630 人を調査した。 その結果、男性 15 人、女性 13 人の居住実態がつかめなかった。

調査開始時点でみると就学前の子どもが 17 人、小学生 3 人、中学生 5 人、義務教育修了後が 3 人。 住民票がある都道府県別では兵庫が最も多い 7 人。 ほかは熊本 5 人、東京 4 人、栃木・埼玉・長野・和歌山が各 2 人、茨城・愛知・岡山・山口が各 1 人だった。 虐待の可能性がある児童は 3 人。 過去に虐待が疑われる情報があったり、学校に通っていなかったりした。 家族の居住実態も含めて把握できない子どもは 23 人。 海外にいる可能性がある子どもは 10 人いた。 出国記録は確認できていないが、出生時から海外にいたり、他国のパスポートで出国した可能性があるという。 (西村圭史、asahi = 6-29-17)


立ち入りの 8 割で違反指摘 = 都内の高層マンション - 東京消防庁

東京都内にある高層マンションのうち、昨年東京消防庁の立ち入り検査を受けたマンションの 8 割が、消防法違反を指摘されていたことが 17 日、同庁への取材で分かった。 ロンドンでは高層アパートで大規模な火災が起きている。 放置すれば出火の際に逃げ遅れるなどの恐れがあることから、同庁は早急な改善を求めている。

同庁によると、31 メートルを超す共同住宅が高層マンションとされ、都内には 9,288 棟ある。 同庁が昨年 1 年間に立ち入り検査したのは 576 棟で、うち 463 棟で同法違反があった。 指摘内容は防火管理者の未選任や消防計画の不備、消防用設備の点検の未実施、未報告などだった。 消防法では共同住宅などで収容人数が 50 人を超える場合、防火管理者を選任し消防計画を立て、避難訓練をするよう定められている。 16 日現在で、302 棟が依然改善されないままだという。 (jiji = 6-17-17)


L と R、装置で聞き分け改善 日本の研究チームが開発

日本人が苦手とされる英語の「L」と「R」の聞き分け能力を、装置を使って向上させる手法を開発したと 15 日、情報通信研究機構や大阪大などの研究チームが発表した。 この装置を使ったトレーニングを 5 日間続けると、それまで苦手だった人もリスニング力がアップするという。 研究チームは、海外での居住経験がない 20 - 30 代の日本人男女 8 人について、効果を調べる実験を行った。 被験者は、頭部に脳波計を装着し、イヤホンから繰り返しランダムに流れる「light (光)」と「right (右)」の音を聞く。 そして、目の前のモニター画面を眺める。

モニター画面には、緑色の円が映し出される。 被験者が L と R の違いを感じたときに脳の特定の部位で活動が高まり、それに連動して緑色の円も大きく表示される仕組みだ。 しかし、被験者にはこの仕組みは伝えず、単に緑色の円を大きくするようにイメージをしてもらった。 1 日 1 時間の訓練を 5 日間続けたところ、平均で 6 割だった正答率が、5 日後には 9 割近くまで上がった。

脳の活動パターンを検出し、その情報を本人にフィードバックすることで、音の違いに対する脳活動が強化されたと考えられるという。 本人は音を聞き分ける学習をしているつもりがなくても、無意識のうちにリスニング力が高まるのが特徴だ。 今後、学習効果がどのくらいの期間続くのか調べたいという。 研究チームは「将来は日本人の苦手な様々な発音を効率よく学習できるシステムとして実用化したい」としている。 (後藤一也、asahi = 6-15-17)


昨年の出生率 1.44、前年下回る 下落は 2 年ぶり

2016 年の合計特殊出生率は 1.44 で、前年を 0.01 ポイント下回ったことが 2 日、厚生労働省が発表した人口動態統計でわかった。 下落は 2 年ぶり。 人口維持に必要とされる 2.07 には依然として遠く及ばず、今後も人口の減少が続いていく見通しだ。

合計特殊出生率は 1 人の女性が生涯に産むと見込まれる子どもの数。 その年の 15 - 49 歳の女性が産んだ子どもの数を元に計算される。 過去最低だった 05 年の 1.26 を底に 13 年まで緩やかな回復が続いたが、14 年以降は一進一退の足踏みの状態になっている。 16 年に生まれた子どもは 97 万 6,979 人。 前年より 2 万 8,698 人減り、統計を取り始めた 1899 (明治 32)年以降、初めて 100 万人を割り込んだ。 死亡数は 130 万 7,765 人で戦後最多だった。 (asahi = 6-2-17)


タイヤ、ビール … 6 月から値上げ 店ではセールも

バターやはがき、タイヤなどの生活関連商品が 6 月 1 日から値上げされる。 原材料費や人件費の高騰が主な理由。 酒類の安売り規制強化で、ビールや発泡酒などを値上げする店も出てくる見込みだ。 「タイヤ交換ご検討の方はお早めに。」 「緊急告知 タイヤが値上げになります!」 5 月 31 日、福岡市東区にあるカー用品販売店には貼り紙が並んでいた。 ブリヂストンと住友ゴム工業、日本ミシュランタイヤがタイヤの出荷価格を 6 月から上げるためだ。 夏用の乗用車の場合、値上げ幅は平均で 5 - 6%。 天然ゴムなど原材料価格が上がったためだという。

普通乗用車のタイヤは 1 本 1 万 4 千円前後。 この日まで最大 15% オフのセールをした店の担当者は「5 月は通常の月に比べて、タイヤ購入の客が約 2 割増えた。 4 本購入する人も多かった。」と振り返る。 店を訪れた福岡県須恵町の会社員男性 (40) は「これまでも安い海外メーカーのタイヤを使ってきた。 値上がりすれば、国内メーカーの物はますます買わなくなる。」と話した。

6 月 1 日施行の改正酒税法では、過度な安売りの規制が強化される。 特売の目玉として採算割れの価格で販売することが原則認められなくなるため、スーパーや大型酒販店などでビールや発泡酒の価格が上がる可能性がある。 (山下知子、岩田智博、江崎憲一、asahi = 5-31-17)


プレミアムフライデー満喫、1 割以下 店に客なしの現実

月末の金曜日に仕事を早く切り上げる「プレミアムフライデー」。 消費拡大と労働時間短縮を狙って始まった取り組みは、どれくらい浸透しているのか。 主導した団体の調査では、厳しい数字が並ぶ。 4 回目となる 26 日、街を歩いた。

午後 3 時、東京都新宿区。 普段より 2 時間早くディナー営業を始めた居酒屋に、客の姿はなかった。 店員らが待機するなか、午後 4 時半ごろになって IT 企業のグループ 5 人が来店。 プレミアムフライデーに早帰りできる会社の制度を利用したという。 ビールを注文した男性 (56) は「他社で導入しているところはあまり聞かない。 有給をとりやすくする方がいいのでは。」 店長の男性 (32) は「初回の 2 月からやっているが、来るのは近隣の住民ぐらい。 アルバイトも確保しなければならないし、正直、早く開けるメリットはない。」と嘆く。 「この状態が続くようなら考えなきゃいけない。」

東京都中央区の居酒屋も午後 3 時からディナーを開始したが、1 時間近くたっても客はゼロ。 これまでの 3 回も同様だといい、30 代の男性店長は「来月はやめちゃおうか、と考えている」と話した。 プレミアムフライデーは経済産業省や経団連などでつくる協議会の主導で、消費拡大を目的に「働き方改革」の趣旨も踏まえて 2 月から始まった。 協議会が各回ごとに約 2 千人を対象に行ったネット調査で、会社の推奨で通常より早く帰ったのは 2 月が 153 人 (7.6%)、3 月は 99 人 (4.9%)、4 月は 86 人 (4.3%) だった。 経産省の担当者は「今後取り組み企業が増える見通しで、粘り強く普及させていく。」

立教大大学院の田中道昭教授(マーケティング)は「月末の金曜日は一般的に業務が多く、早く帰れる人は限られる。 担い手となる小売りや飲食、サービス業などの中小企業は人手不足が深刻で、逆に忙しくなる。 このままでは定着しないだろう。」と話す。 (高浜行人、asahi = 5-26-17)

前 報 (2-22-17)


改正民法が成立 契約ルール、生活に直結する変更も

お金のやりとりを伴う契約のルールを定めた民法の規定(債権法)を抜本的に見直す改正法が 26 日、参院本会議で賛成多数で可決、成立した。 お金の貸し借りの請求期間や欠陥商品の補償の方法など、人々の生活に直結する変更もある。 3 年程度の周知期間を経て、施行される見通しだ。 現行法は 1896 (明治 29)年の制定後、約 120 年間ほとんど変更されず、裁判の判例を積み重ねて対応してきた。 インターネット取引の拡大など人々の社会生活が大きく変化したことをうけ、新たなルールを設けるとともに、判例で処理されてきた部分も新たに法律の条文に書き込んだ。 消費者保護にも重点を置いた。

新たにできるルールとして、お金の支払いを請求できる期間を 5 年に統一。 これまでは飲食代のツケ払いは 1 年、弁護士の報酬は 2 年、医師の診療報酬は 3 年、個人同士のお金の貸し借りは 10 年と、業種などでバラバラだった。 また、中小企業がお金を借りる際に連帯保証人となる人に、公証人による意思確認を義務付けた。 事情を知らずに連帯保証人になり、借金を背負って生活が破綻してしまうのを防ぐためだ。

購入した商品に欠陥が見つかった場合の補償制度も新たに拡大される。 これまでは売り手に対して契約解除か、その商品がもたらした損害の賠償を求めるしか策がなかった。 今後、修理や交換の負担を求める選択肢が追加される。 このほか、ネット取引や保険などの契約ルール「約款」を明文化し、▽ 消費者保護の規定を織り込む、▽ 当事者同士で利息について取り決めをしていないときに使われる「法定利率」を、現行の年 5% から年 3% に引き下げ、変動制にする - - などが主な改正点だ。

一方で、これまであったルールを条文で明文化したのは、▽ 認知症など意思能力がない状態で結んだ契約は無効、▽ マンションなどの敷金は部屋の明け渡し後、原則として借り手に返還、▽ 賃貸物件で年月の経過で生じた自然な劣化は貸主側が負担して修繕、といった内容だ。 (小松隆次郎、asahi = 5-26-17)

主な改正ポイント

《新たにできたルール》

・飲食代などお金を請求できる期間を 5 年に統一
・連帯保証人に公証人による意思確認を義務づけ
・約款の有効性と内容を変更できるルールを明文化
・法定利率を年 5% から年 3% に変更し、変動制を導入
・商品の欠陥に対し、修理や交換の負担請求も可能に 《判例で運用してきた内容を法律に明記》
・意思能力がない状態での契約は無効になる
・賃貸マンションなどの敷金や原状回復の規定


裁判員の辞退者増「審理長期化が影響」 制度開始 8 年

裁判員の辞退者が増えたのは、裁判が長いことが影響している - -。 最高裁が初めて民間企業に調査を依頼した結果、こんな傾向がみえてきた。 21 日で開始から 8 年を迎えた裁判員制度。 「参加しやすさ」と「審理の充実」のバランスをどうとるかが課題だ。 裁判員は「70 歳以上」、「重要な仕事」などの理由で辞退できる。 その割合は制度が始まった 2009 年には 53.1% だったが、昨年は 64.7% に上昇。 辞退はせず、初公判前の選任手続きを欠席した人も 09 年の 16.1% から昨年は 35.2% に達した。

危機感を強めた最高裁は昨年、NTT データ経営研究所に原因の分析を依頼。 同社が 20 - 70 歳の 5 千人へのアンケートなどをもとに、分析した。 調査では、審理が 3 日なら 74.9% が参加可能としたが、5 日で 20.8%、7 日では 11.1% だった。 一方、実際の裁判員裁判の平均審理予定日数は 10 年に 4 日程度だったが、15 年は 6 日程度にのびた。 この相違が、辞退や欠席の増加に影響していると指摘された。 (千葉雄高、asahi = 5-21-17)


2 分の 1 成人式、広がる 「感謝の言葉」苦にする子も

10 歳になったことを祝う「2 分の 1 成人式」が、小学校の行事として定着しつつあります。 親への「感謝の言葉」の発表などが「感動する」と評価されているようです。 一方で、場合によっては子どもにとってつらい体験になることもあり、配慮を求める声も出ています。 2 分の 1 成人式は小学 4 年生が対象で、成人式と同じ 1 月などの 3 学期に開かれることが多い。 子どもが親への感謝をつづった手紙や将来の夢を発表するのが主流で、親から子どもにメッセージを贈ることもある。

学習指導要領に明記された活動ではなく、あくまでも学校の自主的なイベントだが、実施する学校が全国的に急速に広がっている。 浜松市は「自分を支えてくれる家族や先生に感謝しながらこれまでの自分を振り返り、将来に対して希望を持つため」として、2011 年度から開催を推進。 15 年度には市内にある 100 校全てで開かれた。 (田中聡子、asahi = 5-18-17)


「ニュース女子」、BPO 放送人権委でも審理へ

放送倫理・番組向上機構 (BPO) の放送人権委員会は 17 日、沖縄県の米軍基地反対運動を取り上げた東京メトロポリタンテレビジョン(MX テレビ)の番組「ニュース女子(1 月 2、9 日放送)」について、審理に入ると発表した。 同番組を巡っては、BPO 放送倫理検証委員会でも 2 月に審議入りを決めた。

番組では、沖縄県東村高江の米軍ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設への抗議活動などを「テロリストみたい」と表現。 人権団体「のりこえねっと」が反対運動に資金を供与しているように放送したとして、同団体の共同代表が「建設に反対する人たちへの中傷。 虚偽を事実であるかのように放送した。」などと申し立てていた。 BPO によると、検証委が発足した 2007 年以降、両委員会で審議・審理されるのは、佐村河内守氏を取り上げた番組、過剰演出が問題になった NHK 「クローズアップ現代」に続き 3 件目。 (野村杏実、asahi = 5-17-17)


受動喫煙対策、自民「妥協案」で合意 厚労省案骨抜き

自民党は 8 日、受動喫煙対策を強化する法案をめぐり、屋内禁煙を原則としつつ、小規模飲食店は「喫煙」や「分煙」の表示があれば喫煙を認める妥協案をまとめた。 茂木敏充政調会長が党内の規制強化派と慎重派双方の議員連盟トップとの間で合意した。 全面禁煙を掲げる厚生労働省案を骨抜きにする内容で、塩崎恭久厚労相の対応が焦点となる。

都内のホテルで 2 時間近く開かれた会合には、茂木氏と規制強化派の議連会長を務める山東昭子氏、規制慎重派議連の会長である野田毅氏、歴代厚労相経験者らが出席。 同席した田村憲久政調会長代理によると、「望まない受動喫煙」を防止することで一致した。 そのうえで、飲食店の取り扱いについて、大規模店は原則禁煙としたうえで喫煙ブースなどを設置すれば喫煙を認める。 小規模店は店ごとに対応を選べる形とし、「喫煙」や「分煙」といった区分の表示を義務づけることを確認した。 店舗の大きさは床面積を基準にすることを想定しており、今後、田村氏らが厚労省と詳細を詰める方針。

厚労省は床面積 30 平方メートル以下のバーやスナック以外は、屋内禁煙とする案を検討してきた。 塩崎厚労相は近く飲食店の関係団体に対し、厚労省案を自ら説明する予定で、「妥協はしない(周辺)」姿勢を示している。 しかし、この日の会合出席者は「これでまとまらなければ法案は通らない」と牽制しており、塩崎氏が党の妥協案に応じるかが当面の焦点となる。 (asahi = 5-8-17)

前 報 (3-2-17)


子どもの数、過去最低に ピークから半減の 1,571 万人

15 歳未満の子どもの数は 1,571 万人(4 月 1 日時点)で、前年より 17 万人減り、比較できる 1950 年以降で最低になった。 36 年連続の減少で、ピークだった 54 年(2,988 万人)のほぼ半数まで減ったことになる。 5 日の「こどもの日」にあわせ、総務省が国勢調査のデータをもとに推計して発表した。 人口に占める子どもの割合は 12.4% で、これも 43 年連続で低下。 最も高かった 50 年 (35.4%) の 3 分の 1 近くにまで下がった。

性別では、男子が 805 万人、女子が 767 万人。 年齢別では、▽ 0 - 2 歳 294 万人、▽ 3 - 4 歳 304 万人、▽ 6 - 8 歳 317 万人、▽ 9 - 11 歳 321 万人、▽ 12 - 14 歳 335 万人。 都道府県別(昨年 10 月時点)にみると、前年と比べて増えたのは東京都だけで、1 万 2 千人増の 153 万 5 千人。 人口に占める割合は、沖縄県が 17.2% で最も高く、秋田県の 10.3% が最も低い。 子どもの割合を国別でみると、人口 4 千万人以上の 31 カ国では、▽ 米国 19.0%、▽ 中国 16.6%、▽ 韓国 13.4% などとなっており、日本の 12.4% は最も低かった。 (久永隆一、asahi = 5-4-17)

◇ ◇ ◇

日本の総人口、1 億 2,693 万人 6 年連続減 総務省

総務省は 14 日、2016 年 10 月 1 日現在の人口推計を発表した。 総人口は前年より 16 万 2 千人 (0.13%) 減の 1 億 2,693 万 3 千人で 6 年連続の減少。 65 歳以上の割合は 27.3% と過去最高で、15 歳未満は 12.4% と過去最低だった。 都道府県別にみると、40 道府県で人口が減った。 昨年 4 月の熊本地震で大きな被害が出た熊本県の減少率は 0.67% で、前年の 0.47% から 0.20 ポイント拡大し、全国で最も悪化した。 担当者は「地震後に転出者が増えたことが要因の一つと考えられる」と話す。 減少率が最も大きいのは秋田 (1.30%) で、青森 (1.13%)、高知 (1.00%) と続いた。

一方、人口が増えたのは 7 都県。 増加率が大きかったのは東京 (0.80%)、沖縄 (0.40%)、埼玉 (0.32%)、愛知(同)の順だった。 地方から大都市圏への人口流出が続いている。 日本人のみの人口は前年より 29 万 9 千人 (0.24%) 減り、1 億 2,502 万人。 外国人は 13 万 7 千人 (7.71%) 増の 191 万 3 千人で、入国者数から出国者数を引いた「社会増加」は 4 年連続増加の 13 万 6 千人だった。 (久永隆一、asahi = 4-14-17)

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50 年後の日本、8,808 万人 2053 年に 1 億人割れ

国立社会保障・人口問題研究所は 10 日、2065 年の日本の人口が 8,808 万人になるとした 50 年後までの将来推計人口を公表した。 女性が生涯に産む子どもの数(合計特殊出生率)の 50 年後の見通しは、12 年の前回推計 (1.35) より回復して 1.44。 人口が減るペースは前回推計より緩やかになった。 それでも人口は今より 3 割減ることになり、少子高齢化が続く傾向に変わりはない。

出生率は 2.07 が人口維持の目安とされる。 最近は回復傾向にあり、15 年実績は 1.45 となった。 今回の推計ではこの傾向を反映させた結果、20 年代半ばにかけて 1.42 ほどに下がるものの、その後は 1.43 - 44 で安定するとした。 そして、15 年に 1 億 2,709 万人だった人口が 1 億人を切る時期は、前回推計より 5 年遅い 53 年になると見込んだ。 前回推計では 50 年後の 60 年に 8,674 万人になるとしたが、65 年時点でもこれより多い 8,808 万人になると見通した。 (asahi = 4-10-17)


JR 東は運行、西は見合わせ ミサイル対応なぜ違った?

北朝鮮のミサイル発射情報を受け、東京メトロなど一部の鉄道会社が 29 日早朝、運転を見合わせた。 一方、そのまま運行を続けた社もあり、鉄道各社で判断が分かれた。 米太平洋軍などによると、北朝鮮がミサイルを発射したのは 29 日午前 5 時半ごろ。 報道各社は同 6 時すぎから、次々に速報で伝えた。

東京メトロは各社の速報を受け、午前 6 時 7 分から約 10 分間、全路線の運転を見合わせた。 北朝鮮情勢をめぐる緊張が高まるなか、4 月中旬に社内で対応策を協議。 全国瞬時警報システム「J アラート」からの情報やニュース速報があれば、安全確認のため、10 分ほど運転を見合わせることを決めた。 この対応に、ネット上では「過剰反応だ」といった批判もあったが、担当者は「今回が初めての対応。 今後も検討は続ける。」と話す。

JR 西日本も午前 6 時 8 分ごろから、日本海側を走る北陸新幹線の運転を一時見合わせた。 4 月から、J アラートや緊急情報ネットワークシステム「エムネット」の情報を受信した場合、運行を見合わせるようルールを変えた。 今回は両システムからの情報はなかったが、ミサイル発射で運転見合わせを決めた。 JR 西日本金沢支社は「安全を最優先して点検し、影響がないと確認できたため運転を再開した」としている。

一方、JR 東日本、JR 東海は新幹線、在来線とも運行を続けた。 各社とも、運転を見合わせるのは、J アラートやエムネットなど行政機関から情報があった場合だけ。 報道機関の情報だけで運転を見合わせることはないという。 JR 東日本は今月下旬、情報があれば、駅に停車中の列車はそのまま待機させたり、走行中の列車はすぐに停車させたりするよう社内に周知。 ミサイル着弾が予想される地域を走る列車や駅には、特に注意を払うよう求めた。

JR 東海はこの日、運行について安全上の問題はないと判断したという。 担当者は「今後も国からの情報に基づいて適切に判断する」と話している。 西鉄、福岡市営地下鉄も通常通り運行を続けた。 いずれも J アラートが作動した場合に電車の運転を止める規定があり、報道だけでは停止しないという。 (asahi = 4-29-17)


任意なのに … 「強制加入」の PTA、熊本では裁判も

PTA に入ることが「親の義務」だと思っていませんか。 実際には入退会の自由な任意の団体で、強制加入にあたるかどうかをめぐって裁判となった例もあります。 PTA は、保護者と教員でつくる任意の社会教育関係団体の一つです。 社会教育法で「国や自治体が不当に統制的支配をしたり、事業に干渉したりしてはならない」と定められています。

任意ということは、入退会が自由であることを意味します。 ですが、会則に取り決めがなく、事実上の強制加入になっている PTA が多いようです。 そうした慣行が各地でみられるため、任意の団体だということがそれほど知られていません。 大津市教育委員会が 2016 年 2 月、55 の小中学校の PTA に対して、任意団体であることを説明しているかどうかを尋ねたところ、「特に説明していない」が 80% でした。 PTA の入会については、「反対の意思表示がなければ自動的に会員としている」が約 96% にのぼりました。 (杉原里美、小原智恵、asahi = 4-24-17)


地面に伏せ、窓から離れて … 政府 HP にミサイル避難方法

政府は 21 日、弾道ミサイル攻撃を受けた際の避難方法を国民に周知するため、内閣官房のホームページに掲載した。 同日には都道府県の危機管理担当者を集めて説明会も開催。 北朝鮮情勢をめぐる不安の高まりを背景に、政府・自民党が力を入れる弾道ミサイル防衛 (BMD) の強化も加速しそうだ。 菅義偉官房長官は 21 日の記者会見冒頭、ミサイル落下時の対応策を「国民保護ポータルサイト」に掲載したと発表。 菅氏は「国民が高い関心を持っていることを踏まえ、身を守るためとるべき行動をまとめた」と説明した。 サイトへのアクセス数急増を受けた対応だという。

今回掲載された「弾道ミサイル落下時の行動について」では、着弾の可能性がある場合、頑丈な建物や地下街に避難し、建物がない場所では物陰に隠れて地面に伏せるよう要請。 屋内にいる時は、窓から離れることを求めている。 政府は最近、緊迫度の高い情報発信を続けている。 外務省は在韓邦人向けに注意を促す海外安全情報を発表。 安倍晋三首相は国会で、北朝鮮がサリンを弾頭に装着して攻撃できる可能性に言及した。 (四倉幹木、平林大輔、相原亮、asahi = 4-21-17)


「セルフレジ」がコンビニ全店に カゴに入れたままの商品、瞬時に会計

商品の入ったカゴを置くだけで、瞬時に会計ができる。 そんな最先端なサービスが、コンビニ業界で導入される見通しとなった。 共同ニュースによると、セブンイレブン・ジャパン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、ニューデイズの大手 5 社は、消費者が自分で会計する「セルフレジ」の普及を目指す。 経済産業省と一体となり、2025 年までに国内全店舗に導入するという。 この「セルフレジ」は、既に一部のスーパーなどで導入されている、消費者が商品 1 つ 1 つをバーコードで読み取るものよりも、さらに一歩進んだ方式だ。

最大の特徴は、商品の情報を一括して読み取る IC タグの技術を活用した点だ。 各社が展開する全店舗で取り扱う全商品(計約 1,000 億個)に、IC タグを取り付けることで、商品をカゴや袋に入れたままでも、専用機械を組み込んだ台に置くだけで会計ができる優れものだ。 このニュースが報道されると、Twitter 上で大きな反響が寄せられた。 肯定的な意見としては、「無人レジの方が嬉しい」、「楽しみすぎる」、「品出しとか清掃途中にレジを気にしなくていい」といったものがあった。 (M田理央、The Huffington Post = 4-18-17)


小売り 8 割、今期増益 価値重視 消費に変化 衣料など節約でメリハリ

小売企業の業績が好調だ。 2018 年 2 月期は主要 57 社の 8 割弱で純利益が増加し、セブン & アイ・ホールディングスなど 3 社に 1 社が最高益になる見通しだ。 消費者の節約志向は根強いが、「健康」、「安全」といった価値が受け入れられた商品は価格が高めでも販売を伸ばしている。 格安一辺倒からの変化を商機ととらえ、単価を引き上げようと懸命だ。

12 日までに 17 年 2 月期の決算を発表した企業を集計した。 17 年 2 月期は純利益が 3% の減益となったが、18 年 2 月期は一転して 26% の増益となる見通しだ。 43 社が増益を見込んでいる。 イオンは 12 日、18 年 2 月期に売上高にあたる営業収益が前期比 1% 増の 8 兆 3,000 億円、純利益は 33% 増の 150 億円になる見通しだと発表した。 総合スーパーを運営するイオンリテールの岡崎双一社長は「顧客は価格だけでなく価値を評価している」と話す。

「高め消費」を取り込もうと旧ダイエーの店舗を総菜やワインを取りそろえた「イオンスタイル」などに転換する。 プライベートブランド (PB) 商品は低価格品だけでなく、安全認証を受けた魚や自然肥料で育てた肉など高価格品が好調だ。 総務省の調査では家計支出に占める食費の割合を示す「エンゲル係数(2 人以上の世帯)」は 16 年に 25.8% と 29 年ぶりの高い水準になった。 この数字が示すのは衣料品などを買い控える節約志向と、共働き世帯の増加に伴う総菜や冷凍食品などの需要増加だ。

こうした需要を取り込むのがコンビニエンスストアやスーパーになる。 セブン & アイはコンビニで冷凍食品や総菜の販売が好調で、純利益は 4 期ぶりに最高を見込む。 ローソンは糖質を抑えたパンや野菜を豊富に使った飲料「グリーンスムージー」が人気だ。 店舗設備への投資が増えて減益となるが売上高は 7% 増を見込む。 一方で高島屋と J・フロントリテイリングは衣料品の売上高が 5% 程度減る見通しだ。

節約志向をとらえて業績を伸ばす企業も多い。 最高益を見込むしまむらは機能性を高めた商品を増やしつつ価格の安さも追求する。 前期は人気商品の効果的な値引きを集客につなげた。 野中正人社長は「低単価商品は提供し続ける」と話す。 外食を含めた消費企業全体では個人消費の見通しは厳しい。 日本経済新聞が実施した小売り・外食 50 社のアンケートによると個人消費が「強含む」と答えたのはわずか 5 社だ。 7 割の企業が横ばいが続くと見ている。 (nikkei = 4-13-17)

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イオン、4 月に NB 商品 239 品目を値下げ 3 月実施と合せて 380 品目

[東京] イオンは 11 日、イオンリテールの約 400 店舗において、4 月中にナショナルブランド (NB) の食品や日用品 239 品目の値下げを実施することを明らかにした。 3 月の 141 品目に続く値下げとなる。 広報担当者によると、値下げ幅は平均で 10% 前後。 牛乳や菓子パン、ドレッシングや日用品など、購買頻度が高く、消費者のニーズの高い商品が対象。 イオンリテールの岡崎双一社長は 1 月の決算発表の席上「コモディティ商品は、いかに安くするかが大切」との認識を示していた。

同社は、昨年 11 月からグループのプライベート商品 (PB) 「トップバリュ」についても順次、値下げを実施している。 これまで 134 品目の値下げを行っており、4 月中に 15 品目を行う。 これは、グループ約 2,700 店舗が対象。 昨年 11 月にトップバリュ 30 品目を 5% 程度値下げした際、対象商品の売上数量は 1.2 倍に拡大したことなどから、消費者の価格に対するニーズが強いと判断した。 広報担当者は「電気代など様々なものが値上がりし、生活環境が変化する中、消費者のニーズに応えたい」としている。

消費者の節約志向に対応し、消費者の来店を促すため、他の小売りでも値下げの動きが出ている。 セブン & アイ・ホールディングス傘下のセブン-イレブン・ジャパンは、今月 19 日から、洗濯用洗剤やシャンプーなどナショナルブランド (NB) の日用品 61 品目の値下げを実施する。 また、米ウォルマート傘下の西友も、2 月から生鮮食品を中心に 201 品目の値下げを実施。 6 カ月以上値上げしない「プライスロック」の対象としている。 (Reuters = 4-11-17)


自由化 1 年、新電力切り替え 5.4% 都市部に偏り

電気を買う会社を自由に選べる電力小売り全面自由化が始まって 1 年が過ぎた。 この間、契約を大手電力から新電力に切り替えた家庭や商店は全体の 5.4% にのぼった。 首都圏や関西で切り替えが進むのに対し、新電力の営業拠点がない地方は低調だ。 自由化の対象になった家庭や商店の契約は全国で約 6,250 万件。 このうち 342 万件がこの 1 年で契約を新電力などに替えた。 電気の契約変更業務を支援する「電力広域的運営推進機関」が 7 日、発表した。

首都圏では東京ガスが 70 万件、JXTG エネルギーが 23 万件、関西では大阪ガスが 30 万件の契約を獲得した。 首都圏は東京電力(自由化対象の契約 2,300 万件)から、関西は関西電力(同 1 千万件)からの切り替えが大半とみられる。 東電福島第一原発事故後、2 度の値上げをした北海道電力の管内でも変更が進む。 切り替えが都市部に偏るのは、人口の多さを当て込んで新規参入した企業が多いからだ。 経済産業省によると、1 月末までに全国で 364 社が新規参入を登録したが、うち 191 社は本社を首都圏に置き、関西本社の企業が 53 社で続く。

一方、沖縄や北陸、中国など、人口の少ない地域は新電力の参入が少なく、大手電力以外の選択肢は限られる。 (米谷陽一、asahi = 4-9-17)


ストーカー被害 2.2 万件、DV は 6.9 万件 16 年

警察が昨年 1 年間に把握したストーカー被害は 2 万 2,737 件で、前年より 769 件 (3.5%) 増え、4 年連続で 2 万件を超えた。 警察庁が 6 日発表した。 被害者の 9 割近くが女性。 年代別では、20 代 36.0%、30 代 25.5%、40 代 18.8%、10 代 9.3% の順に多い。 加害者は交際相手や元交際相手が 46.9% を占め、知人・友人 13.2%、同僚・職場関係 11.8%、配偶者や元配偶者 7.5%。 面識がなかったり相手が分からなかったりするケースも 13.3% あった。

加害者を摘発したのは 2,605 件(前年比 190 件増)で、2000 年にストーカー規制法が施行されて以降最多となった。 容疑別では、つきまといなどの同法違反 769 件、脅迫 363 件、住居侵入 345 件、傷害 180 件など。 一方、今年 1 月に施行された改正ストーカー規制法で新たに規制対象となった SNS によるメッセージの連続送信などで 10 件、みだりに周囲をうろつく行為で 7 件が 2 月末までに摘発された。

また警察庁は、配偶者などパートナーに対する暴力 (DV) の状況も発表した。 昨年の被害は前年より約 1 割多い 6 万 9,908 件で 13 年続けて増え、01 年の配偶者暴力防止法施行以降で最多。 被害者のうち男性の割合は年々増えており、昨年は 15.0% だった。 摘発は前年より 381 件多い 8,387 件だった。 ストーカーと DV 被害の増加について、警察庁は「社会の意識の高まりに加え、警察や関係機関の相談態勢の強化が要因ではないか」とみている。 (編集委員・吉田伸八、asahi = 4-6-17)


生涯未婚率、男性 23%・女性 14% 過去最高

50 歳まで一度も結婚したことがない人が 2015 年に男性で 4 人に 1 人、女性で 7 人に 1 人いたことが、国立社会保障・人口問題研究所の調査で分かった。 こうした人の割合を示す「生涯未婚率」は、10 年の前回調査から男女とも 3 ポイント以上増えて過去最高を更新した。 研究所は 5 年に 1 回、国勢調査を分析して生涯未婚率を割り出している。 今回は男性が前回調査比 3.23 ポイント増の 23.37%、女性は同 3.45 ポイント増の 14.06% だった。 男性は 1970 年まで、女性は 60 年まで 1% 台が長い間続いたが、その後、増加傾向に拍車がかかっている。

都道府県別でみると、男性では沖縄の 26.20% がトップで、岩手 26.16%、東京 26.06% が続いた。 女性は東京の 19.20% が最も高く、次いで北海道 17.22%、大阪 16.50% だった。 低いのは男性では奈良 18.24%、滋賀 18.25%、福井の 19.19% で、女性は福井の 8.66%、滋賀の 9.21%、岐阜の 10.00% だった。

同研究所が昨年 9 月に公表した出生動向基本調査によると、「いずれは結婚したい」と考える 18 - 34 歳の未婚者の割合は男性 85.7%、女性 89.3% だった。 高水準だが、「結婚資金」や「結婚のための住居」の確保が障害と考えている人が多く、研究所の担当者は「非正規労働者の増加も生涯未婚率の上昇に影響している」とみている。 (井上充昌、asahi = 4-5-17)