地球温暖化、これまでの予測を 13% 上回るペースで進行 米メディア

世界的な温暖化に、新たな証拠が加わった。  米オープンアクセスジャーナル「Science Advances」が掲載した、中国と米国の科学者が行った共同研究の成果によると、世界的な温暖化のペースはこれまでの予測を 13% 上回るという。 科技日報が伝えた。 論文の筆頭著者、中国科学院大気物理研究所副研究員の成里京氏は、記者の取材に応じた際に「温室効果ガスの排出により、地球には多くの熱が留められることになり、その温暖化を直接促す作用を及ぼしている。 これらのエネルギーの 9 割以上が海の中に留められている。 そのため海洋の熱含量の変化は、気候変動の重要な指標だ。」と指摘した。

海洋の温度はどれほど上がったのだろうか。 各国際機関が海洋観測により導き出すデータには、大きな開きがある。 成氏は「海洋の熱量の変化に関する過去の推計は、正確ではなかった。 最大の原因は、海洋観測の不足、不均等な分布だ。 これまで海洋観測は主に船舶で行われていた。 得られるデータは非常に少なく、しかも北半球中緯度の人類活動の多いエリアに集中していた。 今世紀初頭になり、世界の主要海域を網羅する海洋観測ネットワークの『アルゴ』が構築されたが、分解能はそれほど高くない。」と話した。

いかに限りある観測された情報を利用し、観測されていないエリアの気候変動の情報を導き出すべきか。 研究チームは最も正確な平均値を取る方法を打ち出した。 気候模型の過去の海洋気候変動に対する一連のシミュレーション結果を用い、海洋気候変動の空間的な関連性の情報を導き出し、かつすべての観測の空間的影響範囲を追加した。 さらに重要なのは、同研究が最近の豊富な海洋観測データを用い、歴史的な熱含量変化率の各海盆および異なる時間軸の正確性を評価し、過去の観測の不足による推計の誤差を初めて量化した点だ。

同チームはこれらを踏まえた上で、1960 年から 2015 年までの海洋熱含量の変化を推測した。特に 1971 年から 2010 年の世界海洋温暖化のペースは、気候変動に関する政府間パネル第 5 回気候変動評価報告書の推計を約 13% 上回っているということがわかった。 (中国・人民網、RecordChina = 3-22-17)


東邦ガス、名古屋市に「スマートタウン」中核施設完成 省エネ促進

東邦ガスは 13 日、名古屋市港区の再開発地区「みなとアクルス」のエネルギー供給を担う「エネルギーセンター」の完成式典を開いた。 蓄電池や太陽光、コージェネレーションシステムなど複数の熱源や発電施設を中部圏初の「CEMS (地域エネルギーマネジメントシステム)」で自動管理し、効率的なエネルギー供給を行う。 4 月から本格運転を始める。

式典には伊藤忠彦環境副大臣なども参加。 エネルギーセンターにある複数のエネルギー源を需要や供給、温度や発電量などを基に自動的に管理し、需要が供給を上回る場合などは利用者に省エネを求める仕組みなどを取り入れる。 1990 年比で 40% の省エネと 60% の二酸化炭素 (CO2) 削減ができるという。 「みなとアクルス」では 2018 年秋に商業施設「ららぽーと」が開業するほか、三井不動産系の集合住宅も建設予定。 東邦ガスはエネルギー管理のノウハウを蓄積し、他地域へのシステム展開も進める。 (nikkei = 3-14-17)


持ち家の方でも知って得する省エネ住宅への大きな流れ

省エネ住宅で補助金や税優遇制度が受けられる?

最近「エコリフォームはお得で快適」、「ZEH (ゼッチ)でエネルギー収支改善」など省エネ性能をうたった住宅広告を見る機会が増えました。 耳慣れないタイトルですが「長期優良化リフォーム推進事業」、「住宅ストック循環支援事業」、「ZEH 普及加速事業費補助金」など、省エネ住宅化への政策が進められ、住宅取得を考えている方にとって興味をそそる補助金、税優遇制度が盛り込まれています。 それら政策の背景、方向性をひも解いてみましょう。

省エネ住宅を推進する背景

まず背景として、「空き家 820 万戸問題(空き家率 13.5%)」、「低調の既存住宅流通問題(既存住宅割合 15%)」などがあります。 住宅ストックの有効利用が進んでおらず、平成 28 年 3 月閣議決定の新住生活基本計画においても「新たな住宅循環システムの構築」、「質の高い住宅ストックへの更新」「コンパクトシティ化」などが目標として掲げられました。

さらに平成 28 年 11 月に批准しましたパリ協定約束草案では、2030 年に家庭部門 CO2 削減 39% (2013 年比)を目標とし、住宅の省エネ化が新築・既存も含め、今後の課題となりました。 この 39% 削減は、オイルショック後に産業界が達成した省エネ化と同じような削減量に等しく、かなりドラスティックな転換が必要となります。

建築においては省エネ後進国の日本

低い既存住宅流通量の原因の一つとして、基本性能の低さがあると思われます。 特に断熱省エネ性能は低く、次世代省エネ基準(平成 11 年基準)を満たした住宅ストックは 6%、新築住宅の現行省エネ基準達成率も 50% 程です。 自動車、家電の省エネ性能は世界をリードする日本ですが、建築物省エネ基準は、冬季に暖房が必要な先進国のなかで唯一義務化されていません。 建築においては省エネ後進国です。

ヒートショック対策を備えた省エネ住宅

徒然草第五十五段「住まいは夏を旨にすべし」のように、日本の住まいは夏の蒸し暑さ対策として、風通しの良さを大切にし、冬の寒さ対策は二の次でした。 しかし、低い室温は健康面に問題がでます。 厚労省研究班による「住宅内での年間ヒートショック関連死は 19,000 人」という報告もあり、室温管理は身近な社会問題となりうる状況です。 平成 28 年、29 年と 2 年連続して、消費者庁から冬季の高齢者入浴事故に対する注意喚起も出されています。

イギリス保健省では冬季室内推奨温度は 21℃ とされ、16℃ 未満は健康障害リスクを抱えるという指針があり、性能の劣る住宅には改善命令が出されます。 日本では、オフィスなどの室温規制は 17 - 28℃ ですが、住宅は何ら規制が無く、部分間欠暖房という習慣が身についています。 「我慢で省エネ」ではヒートショック対策にはなりません。 皆さんは冬場の廊下や洗面室の室温を把握されているでしょうか?

省エネ住宅の重要性は今後高まることが予測される

省エネ性能改善策の一つとして、欧米で先行しています「性能の見える化」が日本でも進められ、平成 28 年 4 月より住宅も BELS (建築物省エネラベリング制度)が任意制度として始まりました。 家電製品と同じように住まいの燃費性能が、★ の数で表示されます。 燃費性能の良い住宅は、さほど料金を気にせず室温管理ができ、「新たな住まいの評価軸」となる可能性を秘めています。 さらに、平成 29 年 4 月から 2,000m2 上の非住宅建築物から省エネ適判義務化がスタートし、平成 32 年には住宅も義務化予定です。

国交省では既存住宅のイメージを向上させるため、平成29年夏を目安に、新耐震基準・インスペクション・瑕疵保険加入などの条件を満たした物件を「安心R住宅」(通称)とし、一定の性能を「見える化」する一歩前進した認定制度を計画中です。 しかし、既存住宅において新耐震基準・省エネ基準・バリアフリー基準の 3 条件を満たした物件割合はマンションで 6%、戸建で 3% しかありません。 長期優良住宅のように、メンテナンスを前提とし、長期利用を目標にした設計となっていない物件が大半です。

日本の建築基準は建築時の基準順守を定めており、基準改正後の性能適合を求めていません。 既存住宅を選択する場合、リフレッシュ工事の他に基本性能向上が必要となるケースも多くあります。 性能向上を後押しする補助金、税優遇だけでなく、「住まい方のマッチング」、「ライフサイクルコスト」で新築と既存を比較することも重要です。

さらに、省エネ性能を満たす住宅にするには、業者選定が重要となります。 性能表示取得以外に気密、結露に対する設計配慮・部材標準化・施工品質管理など、目に見えにくい技術蓄積の見極めもポイントなり、専門家のアドバイスが必要となるかもしれません。 将来的に省エネ基準は高度化する可能性があります。 設備機器に比べ更新機会が少ない断熱性能は、基準より半歩先のスペックを求めていくことも賢い選択ではないでしょうか。 (屋形武史、jiji = 3-7-17)


米温暖化対策の後退が心配だ 米環境保護局長官就任

米環境保護局 (EPA) 長官に、地球温暖化対策などに反対するスコット・プルイット氏が就任した。 温暖化に懐疑的なトランプ大統領の意を受けた人事で、米国の対策が後退するのは確実だ。 プルイット氏はエネルギー産業が集まるオクラホマ州の司法長官を長く務め、環境規制が行き過ぎであるとして環境保護局を相手取り訴訟を繰り返してきた。 エネルギー関連企業との過去の緊密な交流も明らかになっている。

長官への就任挨拶では職員に「エネルギー開発を進め雇用を生みつつ、環境を大切にすることは可能だ」と語った。 経済成長と雇用創出を最優先するトランプ政権の方針に沿った考えだ。 今後、火力発電所の温暖化ガス排出規制の撤廃に加え、石炭開発規制や水質汚濁防止策の緩和などに動くとみられる。 政策転換の影響は米国内にとどまらない。

世界 2 位の温暖化ガス排出国である米国は、1 位の中国とともに新しい温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」の早期発効を主導した。 米国が削減目標をないがしろにすれば、ただでさえ難しい世界全体の目標達成はさらに遠のく。 そうした事態を避けるため、日本や欧州連合 (EU) の役割は一層大きくなる。 これから本格化するパリ協定の細則づくりでは、米国に代わって影響力を増す中国との連携も重要になる。

環境保護局は長期にわたる気象観測データなどを蓄積し、広く公開してきた。 プルイット氏の下で、データ利用が制限されるのではないかとの懸念も出ている。 すでに米大統領府のホームページからは、温暖化に関する多くの情報が消えた。 19 日には、トランプ大統領が科学的な事実を軽視しているとして数百人の科学者がボストンで抗議集会を開いた。 大統領の主張と合わない科学研究やデータの公開を拒む姿勢は、温暖化対策だけでなく科学技術全体の進展を妨げかねない。 世界の不利益になることを、米政府は常に認識してほしい。 (nikkei = 2-27-17)

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米環境関連当局、非公式のツイッターアカウント開設相次ぐ

トランプ大統領が気候変動に関する情報発信や研究などを制限したことに抗議し、環境保護庁 (EPA) や米航空宇宙局 (NASA) など多くの当局がツイッターに非公式アカウントを開設した。 ツイッターでは、気候変動に懐疑的なトランプ氏への懸念を表明。 新たに開設された国立公園局の非公式アカウント「@AltNatParkService」は、「トランプ大統領が私たちをフェイク(嘘の)ニュースと呼ぶのを待ちきれない」とした上で、公式のツイッターアカウントを奪うことはできても、「自由時間を取り上げることはできない」と投稿した。

「@RogueNASA」は「NASA の非公式『抵抗』チーム。 NASA の公式アカウントではありません。」と自己紹介。 「科学や気候に関するニュースや事実、REAL NEWS、REAL FACTS」を発信するとしてフォローを呼び掛けた。 当局の名前やロゴを使用しているアカウントの全てが、所属する職員によって運営されているのかどうかは不明。 国立公園局の非公式アカウントは職員の保護を理由に局外の個人にアカウントの管理を委ね、ロッキーマウンテン国立公園は支持者らが非公式アカウントを登録したという。 (Reuters = 1-27-17)

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「米国第一」保護主義へ転換 = 温暖化対策、計画を撤廃 - トランプ米新政権

【ワシントン】 トランプ米新政権は 20 日、環太平洋連携協定 (TPP) から離脱すると正式に表明した。 北米自由貿易協定 (NAFTA) も再交渉を求め、参加国のカナダ、メキシコが応じなければ離脱する意向を示した。 オバマ前政権が策定した地球温暖化対策の行動計画は撤廃する。 「米国第一」を貫き、保護主義的な政策を辞さない構えだ。

基本政策としてホワイトハウスのホームページで公表した。 通商戦略実行の「手始めとして TPP から離脱する」と表明。 既存協定についても米国の利益にかなわなければ再交渉する方針を示した。 米国の戦略転換は、世界経済の成長を支える自由貿易体制に影響する恐れがある。 日米など 12 カ国が署名した TPP は、米国が批准しなければ発効しない仕組み。 トランプ新政権の離脱表明により、現状の協定は発効のめどが立たなくなった。 日本政府関係者は「引き続き米国に批准を働き掛ける」と語った。

トランプ氏は就任演説で通商、税、移民政策などを通じ、米国の利益を追求すると宣言。 「(自国産業や雇用の)保護こそが素晴らしい繁栄と強さをもたらす」と訴えた。 「米国製品の購入と米国人の雇用」を求めていく考えを強調した。 新政権は基本政策で「不公正貿易」に厳格な措置を講じる方針を発表した。 雇用を今後 10 年間に 2,500 万人増やし、4% の経済成長を取り戻す目標も掲げた。 環境・エネルギー分野では温暖化対策計画撤廃のほか、外国の石油に依存せず国内生産を拡大する方針を言明。 シェールオイル・ガスの増産により、二酸化炭素 (CO2) 排出削減が大きく遅れそうだ。 (jiji = 1-21-17)


環境守る「認証パーム油」日本でも 課題はコスト

揚げ物の油や菓子、せっけんなど身近に使われるパーム油の調達で、日本のスーパーや食品メーカーが環境配慮の取り組みを始めている。 原料となるアブラヤシの急速な生産拡大が自然環境に悪影響をもたらすとされ、非営利組織による認証制度の活用を進めるが、欧米企業と比べると遅れも目立つ。

東京都西東京市にある西友ひばりケ丘店では、パーム油を使って従業員がパンを揚げている。 スーパーの西友は、総菜やプライベートブランド(自主企画)商品に使うパーム油の量を把握。 使用量に応じて、世界自然保護基金 (WWF) などでつくる非営利組織「持続可能なパーム油のための円卓会議 (RSPO)」の関連団体が発行する証書を購入している。 証書の代金は、環境負荷を軽減しながらアブラヤシを栽培している RSPO の認証農園に分配される仕組み。 西友は 2011 年から準備を進め、ここ数年で本格化させている。

アブラヤシはマレーシアとインドネシアで 8 割が栽培されている。 急激な農園開発で、熱帯雨林の減少や焼き畑による火災、先住民が住まいを失うといった問題が発生。 04 年、持続的な生産ができるようにと WWF や欧米企業などが RSPO を設けた。 RSPO は「森林破壊をしていないか」、「先住民の居住権を侵していないか」など、43 の基準を満たした農園に認証を出す。 食品メーカーなどにこれらの農園が生産する油の使用を促し、農園の経営を後押しする狙いだ。

品大手の味の素は現在、国内の家庭用食品の約 5 割に RSPO の認証農園がつくった油を使う。 同社は今月発表した中期経営計画に、自社の冷凍食品や総菜などに使うパーム油を「100% 持続可能なものにする」との目標を盛り込んだ。 花王やユニリーバ・ジャパンも、シャンプーやせっけんなどに使うパーム油について認証油や証書の購入を今後拡大する方針だ。

RSPO には欧米を中心に今年 1 月末時点で 3,193 の企業や団体が参加。 欧米企業は環境意識の高い投資家らの要請で、認証制度を使った取引を拡大している。 環境配慮をアピールし、イメージアップにつなげる狙いもある。 一方、日本の加盟企業は西友や味の素など 54 社にとどまり、認証制度を使った取引の広がりもまだ限定的だ。

最大の理由はコストだ。 認証油は普通の油に比べ数 % - 20% ほど高い。 パーム油を扱う三井物産の担当者は「認証油を使えばその社だけ損する状態」と話す。 日本の RSPO 加盟企業などは昨秋、シンポジウム「RSPO ジャパンデー」を開催。 認証制度を使った取引の拡大を目指すことなどを確認した。 製油メーカーの担当者は「グローバルな取引が広がれば、環境に配慮したパーム油の利用は避けられない。 早期の対策が必要になる」と話す。 (栗林史子、asahi = 2-21-17)

パーム油〉 アブラヤシの実から採れる油で、食品やせっけんなど日用品に使われている。 精製後はにおいがなく扱いやすく、大豆油や菜種油よりも安い。 世界の年間生産量は約 6 千万トンを超える。 アブラヤシの栽培が盛んなインドネシアやマレーシアでは、生産の急拡大が森林の減少などを招いているとされる。


深海 1 万メートルにも汚染物質 甲殻類から高濃度検出

マリアナ海溝など太平洋の水深 1 万メートルに達する深海で採取した甲殻類から、ポリ塩化ビフェニール (PCB) やポリ臭素化ジフェニルエーテル (PBDE) といった有害物質が高濃度で検出されたと、英研究チームが 13 日付のオンライン科学誌に発表した。 これらの物質は電気部品の絶縁油や難燃剤などに広く使われ、分解されにくく生物に蓄積しやすい。 チームは「人間活動による汚染が世界中の海に広がっていると考えられる」と警告している。

チームは太平洋北西部のマリアナ海溝と、南太平洋のケルマデック海溝の水深 7 千 - 1 万メートルで調査。 エビに似た甲殻類の仲間ヨコエビを採取して分析すると、いずれの海溝で採取した個体からも PCB や PBDE が検出された。 中国で最も汚れた河川域にすむカニの 50 倍と非常に高い濃度のものもあった。 都市部の汚染が大気や潮の流れで広がり、食物連鎖を通じて濃度が高まる生物濃縮が起きた可能性があるとチームはみている。 (kyodo = 2-14-17)


省エネ目標、ホテルや百貨店も対象に 17 年度から

経済産業省は 2017 年度からホテルや百貨店に新たな省エネ目標の達成を求める方針を決めた。 これまでは製造業が中心だったが事業者向けの告示を改定し、サービス業にも本格的に省エネを促す。 産業構造の変化でサービス業のエネルギー消費が増えていることに対応する。

10 日の総合資源エネルギー調査会の専門委員会で決めた。 延べ床面積や従業員数などから標準の使用量を算出し、それに対して実際に使ったエネルギー量が 2 - 3 割ほど低くなることを目標とする。 目標を達成した企業は優良企業として経産省のウェブサイトなどに掲載する。 これまでは鉄鋼や製紙、石油化学といった重厚長大の製造業のみが対象で、今年度からコンビニエンスストアが対象になった。 経産省は 18 年度以降、スーパーマーケットや貸事務所、ショッピングセンター (SC) などにも順次対象を広げていく方針だ。 (nikkei = 2-10-17)


省エネルギー生活のヒント教えます 宮崎

省エネルギー生活のヒント教えます。 宮崎市の県立図書館に、段ボールなどで手作りしたこたつや冷蔵庫などを並べた "住居スペース" が登場し、ひときわ目を引いている。 5 日まで。 2 月の省エネ月間に合わせて県環境情報センターが企画。 「こたつの温度を低めに設定 = 年間 48.95 キロワット時」、「温水洗浄便座のふたを閉める = 同 34.90 キロワット時」など、省エネ効果の数値も掲載した。 煮立った鍋にドーム状の布をかぶせる「鍋帽子」は、余熱で調理と保温ができるエコグッズ。 「煮物やおでんはよく味が染み込む。 省エネもできて 2 度おいしい。」と担当者。 (宮崎日日新聞 = 2-3-17)


「電子ごみ」アジアで急増 トップ中国は 5 年で 2 倍

古いパソコンや携帯電話などの「電子機器ごみ」の発生量が東アジアや東南アジアで急増し、中国では 5 年で 2 倍になったとする報告書を国連大と環境省が 15 日発表した。 水銀や鉛などの有害物質も含まれるため人体や環境への影響が懸念される。 調査した 12 カ国のうち 2015 年の発生量トップは中国で 668 万トン。 2 位は日本で 223 万トン、3 位は韓国で 83 万トンだった。 次々に登場する新製品への買い替えペースが速まり、まだ使える機器が大量に捨てられた結果と言えそうだ。

東アジアと東南アジア全体では 1,230 万トン発生。国連大は「製品が短期間しか使われず、どんどんごみが増えている。 適切に回収してリサイクルすべきだ。」と指摘している。 経済成長を続ける中国は 11 年に米国を抜いて世界最大のパソコン市場になった。 電子ごみの規制に乗り出したが回収の仕組みが確立されておらず、個人消費の伸びを背景に 10 - 15 年に発生量が倍増した。

日本は法律による家電機器の回収が進んで 13% の増加にとどまった。 ただ日本は国民 1 人当たりの電子ごみの量が多いのが特徴。 使わなくなった携帯電話が自宅などに放置されて回収できていないなど課題もある。 有害物質を含む電子ごみを巡っては、日本などの先進国からリサイクル目的のスクラップに混入して発展途上国に輸出されるトラブルも起きている。 途上国での環境汚染や健康被害が懸念され、日本は法改正で電子ごみの輸出防止を進める方針だ。 (kyodo = 1-15-17)


エコキャップ推進協、事業費の 5 割超を「身内」に還流

ペットボトルキャップのリサイクルを呼びかけている NPO 法人「エコキャップ推進協会(エコ推、横浜市)」が 2014 年度(14 年 9 月 - 15 年 8 月)、キャップの売却益を主な原資とする事業費の 5 割超を、子会社を通じて理事長や一部理事らの給与に充てていたことが分かった。 事業費の過半が「身内」に還流していたことになる。

横浜市に提出された事業報告書によると、エコ推は 14 年度の事業費 6,139 万円のうち、約 7 割に当たる 4,157 万円を運営事務費などの「業務委託費」として計上し、大半を子会社「スタッフルーム」に支払っていた。 同社の社長はエコ推の事務局長。 社員には、エコ推の矢部信司理事長や矢部氏の家族、一部理事のほか、エコ推事務局のスタッフらが名を連ねる。

業務委託費のうち 3,200 万円が人件費。 矢部理事長は、エコ推の役員報酬(月額 20 万円)に加え、スタッフルームの社員として毎月 35 万円の給与を受け取っていた。 エコ推は、子どもへのワクチン寄贈や途上国の貧困救済支援、障害者の自立支援を定款に掲げるが、14 年度は寄付金などの合計は事業費の約 2 割、1,349 万円だった。 (嶋田圭一郎、増田勇介、asahi = 1-11-17)


南極の棚氷に亀裂 巨大な氷山が海に?

マット・マグラス環境問題編集委員

巨大な氷山が南極から分離し漂流し始める可能性があることが、研究者らの調査で明らかになった。 氷山の大きさは過去に観測されたもので十指に入るという。 南極半島の東側にある「ラーセン C 棚氷」にできた割れ目が先月、急激に拡大し、接触部は 20 キロまで減少したという。 分離すれば 5,000 平方キロメートルの氷が漂流し始めることになる。

ラーセン C は、南極の主要な棚氷で最も北に位置する。 英南西部にあるスウォンジー大学の研究者らは、分離が起きれば棚氷全体でさらなる分離の可能性が高まると指摘している。 ラーセン C は厚さ約 350 メートルで、西南極の先端に位置し、氷河の終着点になっている。 1995 年にはラーセン A 棚氷が崩壊、2002 年にはラーセン B 棚氷が突然崩れており、研究者らの懸念を呼んでいた。 英国に本拠を置く研究グループ「MIDAS」は昨年、ラーセン C 棚氷の亀裂が急速に広がっていると報告していた。 先月には、亀裂の拡大ペースが急激なものとなり、数週間で割れ目が 18 キロ伸びた。

スウォンジー大学のエイドリアン・ラックマン教授は BBC ニュースに対し、「あと数カ月で分離しなければ、驚きだ」と語った。 同教授は、「雲がかかっていない(地球観測衛星)ランドサットの写真が十分ないが、欧州宇宙機関のセンチネル 1 のレーダー画像数枚から、亀裂拡大が分かった。 あまりにも分離目前なので、避けられないことだと思う。」と話した。 ラックマン教授は、分離しかけている氷は 5,000 平方キロメートルあり、大きさは過去に観測されたものの 10 位以内に入ると指摘した。

研究者らは、棚氷の分離は気候変動に関連した現象ではなく、地理学的なものだとしている。 亀裂は数十年にわたって存在しており、最終的な分離に近づいた状態にあるのだという。 地球温暖化が棚氷の分離を加速させていると考えられてはいるが、直接的な根拠は示されていない。 しかし、研究者らは分離が棚氷全体に与える影響を懸念している。 ラーセン B が 2002 年に崩れた直前には、同様の亀裂が起きていた。

ラックマン教授は、「異論もあるが、残った棚氷が現在よりも不安定になるのは確実だと我々は考えている」と語った。 「今後何カ月か、何年かにわたって(棚氷の)分離が続くだろう。 最終的には崩壊するかもしれない。しかし、予測は非常に難しく、すぐに崩壊するといったことは起きないにしろ、安定性が低下すると、我々のモデルは示している。」 分離でできた氷山が海に浮かぶことが海面上昇につながるわけではない。 しかし、棚氷がさらに崩壊すれば、背後にある氷河が海に流れ込む速度が増す。 これは海に浮かばないため、海面の高さに影響をもたらす。

ラーセン C 棚氷が現在せき止めている氷のすべてが海に入れば、海面は 10 センチ上昇すると推計されている。 すべてはまだ先の話だ。 現在はっきりしているのは、南極大陸の氷の海岸線が変化するだろうということだ。 ラックマン教授は、「最終的な結果としては、棚氷が今後何年か、もしくは数十年かで崩壊する可能性がある」と語った。 「この地域が海面に与える影響でさえ、近いうちに起きると思っている人はいない。 単に土地形状を変える地理学的な現象だ。」 (BBC = 1-6-17)


米シェールガス、日本初上陸 LNG の運搬船が到着

中部電力の上越火力発電所(新潟県上越市)に 6 日午前、米国で産出されたシェールガス由来の液化天然ガス (LNG) を積んだ運搬船が到着した。 シェールガスが日本に届くのは初めて。 東京電力ホールディングスの子会社と中部電の合弁会社である「JERA」が購入した。 昨年 12 月 7 日に米南部ルイジアナ州の LNG 基地を出発し、1 カ月かけて上越火力に着いた。 運搬した 7 万トンは、2 週間ほどで燃やし終わる予定だ。 シェールガスは、地下深くにある頁岩(けつがん)層に含まれる天然ガス。 1990 年代末、低コストで採掘できる技術が確立し、北米を中心に採掘が本格化している。 (大日向寛文、asahi = 1-6-17)

シェール革命、変わる米国経済 コスト減、製造業に恵み (7-16-13)


北極海の食物連鎖を不気味に変える温暖化

北極海と言えば、遠くて人を寄せ付けないところのように聞こえるかもしれない。 しかし、鳥や鯨などにとっては、最高の餌場なのだ。 「夏場にはとても多くの餌がある。 だから、何千マイルも飛んだり、泳いだりして動物がここを目指してくる。」 スタンフォード大学の生物海洋学者ケビン・R・アリゴは、その重要性をこう説明する。 ところが、この餌場のメニューが、大幅に書き換えられている。 地球の温暖化によって、北極海の生態系が激変しているとの研究結果が、2016 年 11 月に公表された。 これまでの研究の流れを新たな形で確認したものだ。 (The New York Times = 12-30-16)

詳細は


ホテルの省エネ対策、経産省がランク付けへ

サービス業で事業者の省エネ対策をランク付けする制度が、来年度から本格的にスタートする。 優れた事業者には「星マーク」が与えられる一方で、省エネの取り組みが不十分な事業者には企業名の公表といった罰則が設けられる。 事業者間の省エネ競争を促し、温暖化対策につなげるとともに、関連の投資を盛り上げる狙いがある。

経済産業省は来年度から、ホテル事業者の省エネ対策を 4 段階で評価する。 空調や調理、照明などで消費するエネルギーが一定以上になる 200 社程度を対象に、毎年の電力やガスの消費量などを報告させる。 1 年間の取り組み実績を踏まえ、省エネ対策が進んでいる上位 1 - 2 割の事業者を「S クラス(優良)」と認定する。 連続で S クラスの事業者には、最高で「五つ星」がつく。 (yomiuri = 12-24-16)


生物多様性 COP 閉幕 日本などに名古屋議定書締結促す

メキシコのカンクンで開かれていた、地球環境に関する国際条約「生物多様性条約」の締約国会議 (COP13) が 18 日、日本を含めた名古屋議定書を締結していない国に早期の締結を求めることなどを決議して閉幕した。

名古屋議定書は、生物多様性がもたらす遺伝資源の恩恵の配分について取り決めた国際ルール。 2010 年、名古屋市で開かれた COP10 で採択され、14 年に発効した。 18 日現在、93 の国や地域が締結している。 日本は早期締結と、15 年までに議定書で定められた、実施に必要な法整備などの国内措置をとることを生物多様性国家戦略に盛り込んだが、今も未締結だ。 (小坪遊、asahi = 12-19-16)


地球温暖化防止「萌えキャラ」投票始まる 2017 年 2 月ごろ結果公表

地球温暖化防止のイメージ萌えキャラクターを決めるための投票が始まった。 環境省では、省エネ家電を買うなど、地球温暖化防止のために、賢い選択をしていく「COOL CHOICE」を呼びかけていて、認知度を上げるために、萌えキャラクターを作ることを決めていた。 キャラクターは、ぐうたらな「君野イマ」と、しっかりものの「君野ミライ」の 2 人で、8 日から、10 の候補をウェブサイト上で公開し、12 月 18 日まで投票ができる。 決定したキャラクターは、2017 年 2 月ごろに公表され、普及啓発活動などで使われる予定。 (FNN = 12-8-16)

映像は、Cool Choice ⇒ https://www.houdoukyoku.jp/clips/CONN00344019


ソニー・トヨタなど水管理で最高評価 英 NPO が報告書

国際的な環境評価 NPO の英 CDP は 5 日、企業の水管理への評価をまとめた 2016 年の報告書を発表した。 ソニーやトヨタ自動車など 6 社が最高評価を受けた。 世界で最高評価を受けた企業のうち 25% が日本企業となった。 回答率でも日本企業は 64% となり、世界平均の 48% を上回った。 原料調達や製造拠点で海外に依存する日本企業では、水リスクが経営課題との認識が広がっている。

CDP は運用総額が 67 兆ドルを超える世界の機関投資家の支援で、企業の水管理を調べている。 16 年の調査は世界 1,252 社の企業に質問書を送った。 日本企業には時価総額の多い企業を中心に 150 社を対象にした。 最高評価の A ランクは世界で 24 社。 米フォード・モーターや仏ロレアル、韓国 LG ディスプレーなどが評価された。 このうち日本企業ではソニー、トヨタ自動車、花王、キリンホールディングス、サントリー食品インターナショナル、三菱電機の 6 社が選ばれた。 15 年は 3 社だった。

ソニーは 20 年までに自社製造拠点で水の総使用量を 15 年比で 5% 削減する目標を掲げ、半導体工場などで水の再利用装置の投資を進めている。 今村昌志執行役 EVP は「水リスクへの対応は長期的な経営には不可欠だ。 グローバルなサプライチェーン全体で取り組んでいく。」と述べた。 主な質問内容は、水に関する目標の有無や、サプライヤーに水リスクや水の使用量の報告を求めているかどうかなど。 サプライヤーに水リスクに関する報告を要請している日本企業は 41% となり、15 年の 23% から上回った。 自社拠点やサプライチェーンのなかで水リスクがあると答えた日本企業は 66% に及んだ。

国際連合も水資源の保全は地球環境問題の最重要テーマの一つとしている。 世界の機関投資家が「環境・社会・ガバナンス (ESG)」情報を投資に組み込む活動を加速している。 原料調達や製品販売、資金調達まで一段のグローバル化が不可欠な日本企業。 水リスク管理は日本国内で考える以上に企業の持続的成長を示す物差しになってきている。 (大平祐嗣、nikkei = 12-5-16)


熱帯林の違法伐採、人工衛星で監視 JICA と JAXA

国際協力機構 (JICA) と宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は人工衛星を使って世界各地の熱帯林の状態を常時監視するシステムをウェブ上に公開した。 13 日公開した南米を手始めに、アフリカ、アジアなど世界 61 カ国のデータを順次公開していく。 違法伐採の取り締まりや乱伐の把握に利用して欲しいとしている。 JAXA の地球観測衛星「だいち 2」のレーダー観測のデータを利用している。 森林がなくなっている場所を特定し、減少した時期と、緯度経度、面積を表示する。 今回公開された、6 月下旬以降の南米の状況をみると、ここ数カ月間だけでも多くの熱帯林が減り続けていることがわかる。

森林は二酸化炭素 (CO2) の吸収、貯蔵の役割をしており、世界の CO2 排出量の 1 割余りは森林減少が原因とされる。 JICA と JAXA は、モロッコのマラケシュで開かれた国連気候変動枠組み条約締約国会議 (COP22) の会場で、熱帯地域の国々の政府関係者にシステムを紹介。利用を呼びかけた。 状況は専用のホームページ (http://www.eorc.jaxa.jp/jjfast/) で、パソコンやスマートフォンを使って無料で確認することができる。 (神田明美、asahi = 11-28-16)


温暖化対策は「緊急の責務」 COP22 宣言

モロッコで開かれている、気候変動枠組み条約締約国会議 (COP22) の参加国は 17 日、共同で「地球温暖化対策はすべての国の緊急の責務だ」とする「マラケシュ行動宣言」を発表した。 温暖化対策のルール「パリ協定」からの離脱の意向を示すトランプ次期米大統領に対し、国際社会が一丸になって取り組む決意を示した。

言では、パリ協定を受けて、各国政府や産業界などあらゆる分野で温暖化の取り組みがなされ、その流れは押し戻せないとし、「地球温暖化と闘うために、各国は最大限の政治的な努力をすべきだ」とした。 さらに、温暖化対策のために途上国に対し、年間 1 千億ドルの資金を拠出することを改めて明言した。 4 日に発効し、日本も締結したパリ協定は、すべての国が参加し、産業革命前の気温と比べて気温上昇を 2 度より低く抑えることを目指している。 (マラケシュ = 小堀龍之、編集委員・石井徹、asahi = 11-18-16)

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COP22 が開幕 「パリ協定」目標の具体化目指す

第 22 回国連気候変動枠組み条約締約国会議 (COP22) が 7 日、モロッコのマラケシュで始まった。 地球温暖化対策の新たな国際ルール「パリ協定」が 4 日に発効したのを受け、今回の会議では協定で定めた目標の具体化を目指す。 協定は、すべての国が自主的な温室効果ガス排出削減目標を掲げて実行することを求めている。 会議では、目標の達成状況の評価のあり方などを検討。 こうしたルール作りをいつまでに終えるかなどスケジュールについても話し合う。

また、20 年までに先進国が途上国に年間 1 千億ドルの資金を支援する目標が掲げられており、日本も昨年、年間 1.3 兆円の支援を約束している。 資金支援のあり方についても議論する。 会期は 7 - 18 日の予定。 政府代表団など約 1 万 5 千人、報道関係者約 1 千人が集まる。 国連によると 6 日時点で 100 カ国・地域がパリ協定を締結した。 日本はまだ締結しておらず、8 日に衆院で承認案を可決する見通し。 だが、条件を満たしておらず、15 日に開かれるパリ協定の第 1 回締約国会議 (CMA1) に正式参加できない。

議長国のモロッコは今回の会議を、脱炭素社会に向けて動きを具体化させる「行動の COP」と呼ぶ。 条約事務局のパトリシア・エスピノーザ事務局長は「パリ協定の早期発効は祝うべきだ。 しかし温室効果ガスの排出を早く減少に転じさせなくてはいけない。」などと話した。 (マラケシュ = 小堀龍之、asahi = 11-7-16)

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温暖化防止パリ協定、4 日発効 米中も締結、日本出遅れ

地球温暖化対策の新たな国際ルール「パリ協定」が 4 日、発効する。 産業革命からの気温上昇を 2 度より低く抑えるため、二酸化炭素 (CO2) などの温室効果ガス排出を今世紀後半に実質ゼロにすることを目指す。 すべての国が化石燃料に頼らない「脱炭素社会」を目指す仕組みが始まる。

パリ協定は、昨年 12 月、国連気候変動枠組み条約締約国会議 (COP21) で採択された。 2 大排出国の中国と米国が 9 月に締結、インドや欧州連合 (EU) 加盟国などが続き、10 月に発効の条件となる総排出量の 55% 以上、55 カ国以上の締結を満たした。 30 日後の 11 月 4 日に発効する。 国連によると、2 日時点で 94 の国と地域が協定を締結。 出遅れた日本は 4 日にも国会で協定締結を承認の見通しで、その後閣議決定して国連に提出する。

世界の温室効果ガス排出量は CO2 換算で年間約 370 億トンに上る。 日本はこのうち約 14 億トン(2013 年度)で世界 5 位。 各国は削減計画をたてることになっており、日本も 30 年度に 13 年度に比べて 26% 減らす目標を提出している。 7 日からは、モロッコのマラケシュで第 22 回締約国会議 (COP22) が開かれ、パリ協定を実行するための詳しいルールを決める交渉を始める。

パリ協定採択後、国際的な温暖化対策の仕組み作りが進んでいる。 10 月に航空機国際線の CO2 排出規制や、高い温室効果がある代替フロンの生産規制で合意。 国際海運でも 18 年までに、排出削減戦略を作ることを決めた。 (小堀龍之、香取啓介、asahi = 11-3-16)

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パリ協定、11 月発効へ 欧州議会が 4 日批准承認の見通し

[オスロ] 欧州議会は 4 日の本会議で、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の欧州連合 (EU) 加盟国による批准を承認する見通し。 これにより、批准国の排出量が協定発効に必要な世界の総排出量の 55% を超えることになり、11 月の発効が確実になる。 これまでのところ 62 カ国が批准し、世界の総排出量に占める割合は 52% に上っている。 55% の要件が満たされてから 30 日後に協定は正式発効する。 (Reuters = 10-4-16)

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中国、温暖化対策「パリ協定」批准 発効ほぼ確実

中国の全国人民代表大会(全人代、国会にあたる)常務委員会は 3 日、2020 年以降の地球温暖化対策の国際ルール「パリ協定」の批准を決めた。 米政府も近く批准する可能性が高く、世界の温室効果ガス排出量の約 4 割を占める米中が足並みをそろえれば、パリ協定の発効はほぼ確実になる。 全人代常務委はこの日、出席者全員の賛成で批准を決めた。 中国側は、杭州で 4 日から主要 20 カ国・地域 (G20) 首脳会議が始まるのを前に、米国にも協定への批准で共同歩調をとるよう、はたらきかけていた。

パリ協定は、1997 年に採択された京都議定書に代わる新たな国際ルールとして、昨年末にパリで開かれた国連気候変動会議 (COP21) で採択された。 京都議定書では、いったん署名した米国が批准を取りやめ、中国は温室効果ガス削減の義務を負わなかった。 これに対しパリ協定は、世界 1、2 位の排出国である中・米をはじめ、新興国などすべての国が参加する史上初めての枠組みとなる点で大きく異なる。 (斎藤徳彦 = 杭州、香取啓介、asahi = 9-3-16)