フィリピン人家事代行、4 時間 1 万円 パソナが入社式

神奈川県などの国家戦略特区で解禁された外国人の家事代行サービスで、事業開始に向け準備が着々と進んでいる。 パソナは 21 日、来日したフィリピン人 25 人の入社式を都内で開いた。 今後は職場内訓練 (OJT) などを実施したのち、3 月末にも事業を始める予定だ。 特区を活用した外国人家事代行による初のサービス提供となる見通しだ。 掃除や洗濯、食事の準備といった家事代行サービスを月 2 回(1 回当たり 2 時間)利用する場合で、利用料金は 1 万円(税別)と想定する。

パソナグループの南部靖之代表は「仕事をしつつ日本を学び、3 年間有意義な生活を送って欲しい」と祝辞を送った。 フィリピン人職員代表のカラスコ・キャサリン・アントリアオさん (42) は「日本でたくさんの経験をして、自分のスキルを高めたい。 一生懸命頑張るので、どうぞよろしくお願いいたします。」と日本語であいさつした。 新入社員ら全員で日本語の歌も披露した。 パソナは比人材派遣大手マグサイサイグローバルサービスと組み、職員らに 450 時間の研修を実施した。 職員は今月 9 日に来日した。

他社でもサービス開始に向け準備が進む。 ベアーズ(東京・中央)やポピンズ(東京・渋谷)などでは職員はまだ来日していないものの、早くて 4 - 5 月中には開始する予定だ。 (寺井浩介、nikkei = 3-21-17)


東北被災地、外国人頼り 人手不足、介護や水産加工で

東日本大震災の被災地で、人手不足を外国人で補う事業所が増えている。 宮城県の高齢者施設は、専用アパートを用意してインドネシア人を雇う。 岩手県の水産加工会社は従業員の 1 割超が中国人だ。 お年寄りの介護、地場産業の復興の現場で頼りになる外国人労働者だが、人材の奪い合いも起きている。 宮城県名取市などで高齢者施設を経営する社会福祉法人宮城福祉会。 「震災後、いい人材が目に見えて集まらなくなった。 定着率も悪い。」 総務部次長の伊藤崇さん (39) は頭を抱える。

「日曜勤務、夜勤はできません」、「未経験です」。 そんな求職者が増えた。 短期間で辞める人も少なくない。 約 700 人の職員のうち、100 人前後は 1 年で入れ替わる。 こうした中で魅力を増しているのは、経済連携協定 (EPA) で来日するインドネシア人。 「常に笑顔で年上を敬い、お年寄りの話をちゃんと聞く。」 約 3 千万円をかけて専用アパートを整備し、2010 年から男女 8 人を受け入れた。 仕事の傍らで日本語を 1 日 2 時間学び、介護福祉士試験の合格者も誕生した。

被災地は復興需要で仕事が増え、人手不足が続く。 宮城県、岩手県の 16 年の有効求人倍率は平均で 1.28 倍から 1.46 倍。 震災があった 11 年の 2 倍の水準だ。 宮城県の施設介護は 3.12 倍、岩手県の水産加工は 3.59 倍に跳ね上がった。 サンマやイカの加工品を全国に出荷する岩手県大船渡市の森下水産は、従業員 125 人のうち 20 人が中国人の技能実習生。 森下幹生社長 (67) は「外国人に頼らないと、水産加工は成り立たない」と言い切る。

大船渡市の人口は約 3 万 8 千人で、震災前より約 3 千人減った。 周辺地域も労働力は細るばかり。 県内外の水産加工業界は 1 月、多くの実習生が長く働けるように、規制緩和を政府に求める交渉団体を結成した。 外国人労働者の確保も困難が多い。 宮城福祉会の施設で働いていたインドネシア人は、資格試験で不合格になったことや家族の事情などで、7 人が帰国してしまった。 さらに−。

「すみません。 別の施設に行きます。」 14 年春、伊藤さんは耳を疑った。 苦労して介護福祉士の資格を取ったインドネシア人男性が、給与の高い横浜市の施設に転職すると告げた。 「外国人は給与以外の経費がかさむ。 それでも、優秀な人材は奪い合いだ。」 宮城福祉会は今年秋、新たに 2 人のインドネシア人を受け入れる。 (西日本新聞 = 3-16-17)


中国人留学生を積極採用する日本の地方企業

留学生からは「注意が必要」の声も - 華字紙

3 月 9 日、華字紙・日本新華僑報は、地方の大学を卒業する中国人留学生に対し、地元企業への就職を促す動きがあると伝えた。 記事によると、日本の大学の卒業シーズンにあたる 3 月は、毎年日本での就職を希望する中国人留学生も、最後の就職活動に励む。 東京と地方都市では経済レベルが大きく異なるため、地方の大学や大学院で学ぶ中国人留学生は、多様な就職機会や生活の豊かさを求め、東京等の大都市で働くことを希望しがちだという。

地元の大学が育成した外国人人材が、大都市へ流出し、地元の発展に貢献しないという現状について、地方自治体と企業が手を組み、中国人留学生の引き留め策を講じているようだ。 記事はその中から群馬県を例に挙げている。 地元企業は求人の際に「弊社には大学を卒業した外国人がいます」、「外国語を使う機会が多くあります」等の宣伝文句を並べ、外国人留学生に呼びかけているという。

取材に応じた地元企業は、「この会社には中国とベトナム出身の技能実習生がいるが、彼らは 3 - 5 年しか働けない。 より長期的に安定して働いてくれる中国人留学生が必要だ。 単純労働力として扱うのではなく、将来の管理職として育成することを考えている。」と話す。 さらに別の企業は、「世界経済の一体化が広がるにつれ、海外との取引が増加した。 言語能力に優れ、多言語を話せる外国人従業員を採用したい。」と言う。

ある中国人留学生は、「この地方で 4 年間学び、愛着が芽生えてきた。 仕事も地元で探すことを考えている。」と話す。 一方で、「ただ、聞こえのいい言葉ばかり並べて、私たちを労働力としか見ていない企業もあるので、気を付けなければならない。 4 年間の努力し、高い言語能力も身に付けたので、単純に外国人技能実習生のような労働力を補う一員にはなりたくない。 仕事を見極める努力が必要だ。」とも話しているという。 (RecordChina = 3-13-17)


「思わぬ親切に胸が熱くなった …」 = 中国人実習生と日本のおばあさんの出会い - 華字メディア

3 月 6 日、日本新華僑報網はコラム「ある中国人研修生とある日本人おばあさんとの "一期一会"」を掲載した。 以下は、その内容で、中国人留学生と日本人との心温まる交流について回想している。

中国人研修生が所属する企業の近くで毎週土曜日朝市が開かれていました。 スーパーの半額で新鮮な野菜が買えるということで、いつも始まる前には行列ができ、わずか数分で売り切れる人気ぶりです。 私たちも毎週通いましたが、争奪戦に負けて何も買えずに買えることが続きました。 そんなある日のことです。 私がいつものように朝市に並ぼうとすると、一人のおばあさんに声を掛けられました。 手招きに応じてそちらに向かうと、箱いっぱいの白菜と大根。 てっきり運ぶのを手伝うように言われるのかと思ったら、おばあさんは笑いながら「中国からきたんでしょ。 私はね、遼寧省で生まれたのよ。」と話しました。 10 歳まで中国にいたんだそうです。

もっと多くを話したいようにも見えましたが、それ以上は何もおっしゃいませんでした。 おばあさんは野菜を指し、「あげるよ。いつも買いそびれている姿をみてね。 いいものをさっと見つけるのができないんだね。 これからは買わなくていいよ。 ここにおいで。」と言ったのでした。 思いも寄らぬ親切を受けて胸が熱くなる思いでした。  それからというもの、まるでデートのように土曜日の朝におばあさんと会いました。 お菓子や餃子、肉まんを持って行くこともありました。 日本語が不慣れだったのであまり多くは話せませんでした。 おばあさんはもっとたくさん話をしたいように見えたのですが。

そしてある週からおばあさんは姿を見せなくなりました。 次の週も、その次の週も。 帰国の日を迎えてもおばあさんに会うことはありませんでした。 日本には一期一会という言葉があります。 生涯で一度しかない出会いもあるのだから大事にするべきだという意味です。 まさに私とおばあちゃんを表すための言葉ではないでしょうか。 彼女が元気で暮らしていることを祈っています。 同じ場所で生まれた中国人はずっとおばあちゃんのことを思っていますよ。 (RecordChina = 3-9-17)


話が違う! 技能実習生が失踪し、「不法就労」に手を染める理由 = 中国

厚生労働省によれば、技能実習制度は「技能、技術または知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う人づくりに協力することを目的」としている。 しかし、中国ではこの制度の主旨は建前に過ぎないと報じるメディアも少なくない。 中国メディアの今日頭条はこのほど、日本企業は人手不足を補う労働力として実習生を利用しているとし、技能実習生としての経験がある中国人の感想を紹介している。

記事はまず最初に 2009 年から技能実習生として日本で働いた経験がある中国人の声として、時給 840 円で 1 日 8 時間労働、土日は休みで恋愛を楽しむ余裕さえあったと説明。 日本の 3 年間は「とても楽しかった」と感じていることを紹介した。 このように、本来の趣旨のもとで働く技能実習生もいるが、すべてがそうではないとし、別のある中国人実習生は 3 年間で 30 万元(約 495 万円)も稼げると聞いて日本にやって来たとする一方、この話が嘘だったことが分かり、失踪し、他の企業で不法就労を始めたと説明した。

また、この実習生の経験によれば、この種の不法就労は建設業界に多く、企業側は合法ではないと知っていても働き手を必要としているため偽の在留カードでも黙認すると説明した。 さらに別の中国人から住居を又借りすることにより、合法的な在留資格がなくても日本で生活できるという点も紹介したが、いつ退去強制させられるか分からないという不安を常に感じると感想を紹介している。

記事が紹介した中国人の経験のように、外国人技能実習制度には実習生の失踪という問題も指摘されている。 「3 年間で 30 万元も稼げる」という誤解のもとで訪日すれば、当然「話が違う」として逃げ出したくなるだろう。 不正確な情報と誤解が失踪をもたらす要因の 1 つとなっていることが見て取れる。 (SearChina = 3-7-17)

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訪日前は天国だと思っていた技能実習生、今は監獄のような生活 = 中国報道

「外国人技能実習制度」の問題点について指摘する声が日本内外に存在しているが、中国メディアの華声新聞が 1 日付で掲載した記事は、中国人技能実習生たちの日本での生活について、「訪日前は天国だと思っていた日本だが、いざ訪日してみると監獄のような生活を強いられている」と伝えている。 記事は、広島県のある企業で技能実習生として働く中国人たちを取材し、彼らが建築現場に簡易事務所として設置されるコンテナを住居としていると説明。 そのため室内は夏は蒸し器のような状態であり、また、冬は氷室のように寒いうえにペットボトルにお湯を入れた湯たんぽ以外に暖房器具はないと伝えた。

また、約 10 平方メートルの室内に 12 人の実習生が一緒に住むという環境にもかかわらず、毎月の家賃は 1 人当たり 2 万円と非常に高額であると説明。 彼らはこうした住居環境のもとで仕事をしているわけだが、3 年働いて稼ぐことができたのは 15 - 16 万元(約 248 - 264 万円)であり、中国国内と比べてそれほど多く稼げているわけではないと指摘。 むしろ生活水準を考えれば失ったものの方が大きいとの見方を示した。

また、中国にいた時に月に約 8,000 元(約 13 万 2,450 円)の稼ぎがあった実習生もいると紹介。 中国の給与水準を考えれば、かなり高給だと言えるが、日本で技能実習生として働く今となっては、監獄のような生活水準なうえに収入が減少したという現実のなか、「しょっちゅう中国に帰る夢を見る」という生活を送っていると紹介した。 中国では近ごろ、日本の外国人技能実習制度の問題点を批判する報道が相次いでいる。 このような報道に触れた中国人が今後、日本で技能実習生として働くことに興味や関心を抱くとは考えにくく、技能実習生として来日する中国人は減少する可能性も否めない。 (SearChina = 3-4-17)

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中国人実習生の日本での生活は「凄惨」、まるで「現代の奴隷」 = 中国

日本の技能実習制度の問題点が国内外から指摘されているが、中国メディアの今日頭条が 18 日付で掲載した記事は、中国人実習生の日本での生活状況は「凄惨」であり、また「現代の奴隷」と呼ばれていると主張した。 記事は複数の中国人実習生の現状について、もともと彼女たちは日本で技能を身に着けることや良い生活を送ることを願っていたにも関わらず、技能実習生としての日本での生活は「すぐに悪夢だと気が付いた」と紹介した。

この「悪夢」の内容について、彼女たちの給料は「かわいそうなほどに少なく」、また給料の大部分は家賃として雇用者に納めていると説明。 さらに、宿舎も不潔で狭いだけでなく、冬季の暖房は 2 時間の使用しか許可されていないうえに、彼女たちの雇用者は給料さえも支払わなくなったと主張した。

これらの中国人実習生たちは友人や親戚から大金を借りて日本に実習生として来ることができたようだが、彼女たちは日本でお金を稼ぐことができないうえに、いつもサービス残業をさせられており、なかには雇用者からのセクシャルハラスメントに遭っている実習生もいると伝え、こうした状況ゆえに一部の実習生は日本に来たことを「死ぬほど後悔している」と感想を漏らしたと説明した。

記事は、実習生の中には逃げ出すのが唯一の解決策だと感じる人もいると説明し、2015 年に 3,116 人もの中国人実習生が失踪したというデータを紹介した。 また技能実習生として日本に来たにも関わらず、技能を学ぶ機会がなく、ただ廉価な労働力として働かされているという状況も存在すると説明した。

厚生労働省によれば、2016 年 11 月 28 日に「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」が公布され、今後公布日から 1 年以内の施行に向けて順次新たな技能実習制度に移行していくことになる。 日本が世界各国からの敬意をさらに勝ち得る国家となるためにも、この問題の解決は急を要していると言えよう。 (SearChina = 2-21-17)


群馬県の外国人住民数、8% 増 技能実習生が押し上げ

群馬県内の外国人住民数(2016 年 12 月末時点)は 4 万 8,521 人で、前年比 8.3% 増加したことが分かった。 県人口の 2.4% を占める。 4 年連続で増え、記録が残る 1985 年以降では過去最多。 ベトナムなどの伸びが顕著で、外国人技能実習生の増加が押し上げているとみられる。 県内市町村のデータを群馬県がまとめた。 国別では大泉町で多いブラジル人が 1 万 1,636 人で最多。 中国(7,348 人)、フィリピン(6,679 人)が続く。

一方、増加数をみるとベトナムが前年比 1,431 人増の 5,464 人で最も増えた。 ネパールが 619 人増の 2,145 人と続く。 県人権男女・多文化共生課によるとベトナム人は技能実習生や留学、ネパール人は家族を母国から呼んで住むケースが多いという。 市町村別では伊勢崎市、太田市、大泉町など製造業が集積する県東部で多い。 前橋市、高崎市を合わせた上位 5 市町で全体の 77.5% を占める。 外国人住民は全市町村におり、全体の国数は 109 カ国で前年より 5 カ国増えた。

群馬以外の北関東でも、外国人住民の増加傾向は明らかだ。 茨城県には、16 年 6 月末時点で前年同月より 6.1% 多い 5 万 6,153 人が住み、県人口の 1.9% を占める。 栃木県は 3 万 3,547 人(15 年 12 月末、前年同月比 7.3% 増)で、県人口の 1.7% だ。 国籍別ではいずれも中国人が約 2 割と最も多く、次いでフィリピン人、ブラジル人と続く。 (nikkei = 2-28-17)


外国人労働者 最多 4,689 人 大分労働局発表

大分労働局は、県内で働く外国人労働者が昨年 10 月末時点で前年同月比 835 人増の 4,689 人となり、統計を開始した 2008 年以降で最多になったと発表した。 国内の企業で働きながら技能や知識を身に付ける外国人技能実習生の増加が主な要因で、外国人労働者全体の約半数を占めた。 同労働局によると、調査は在留資格を持ち、企業などに雇用されている労働者(特別永住者や自営業者を除く)を対象に調査。 うち、外国人技能実習生は 2,326 人で 5 年連続で増加した。 技能実習生が外国人労働者全体に占める割合は 2014 年 41.32%、15 年 48.57% と年々高まっており、全体を押し上げた格好だ。

技能実習生を出身国・地域別にみると、中国、フィリピン、ベトナムの 3 か国に集中しており、中国が 909 人(前年同月比 28 人増)でトップ。 ベトナムの 575 人(同 217 人増)、フィリピンの 437 人(同 88 人増)と続き、ベトナムの伸びが目立っている。 産業別では「製造業」が最も多く、59.8% を占めた。 水産加工や自動車関係で働く人が多いという。 「農業・林業 (25.2%)」、「建設業 (7.0%)」が続いた。 同労働局は「今後、介護分野にも実習生が拡大されることになっており、県内でもさらなる増加が予想される」と分析している。

昨年 12 月の県内の有効求人倍率は 1.34 倍(季節調整値)。 働き手の確保に頭を悩ます企業も出てくる中、実習生の増加は人手不足の解消にも一定の効果を上げているという。 一方、同労働局の担当者は「本来の目的は途上国への技術指導。 『低賃金で人材を確保できる』との誤った認識が広がらないよう、事業所へは指導をしていきたい」と警鐘を鳴らしている。 (大河翔、yomiuri = 2-26-17)

【外国人技能実習生】 農漁業、建設、食品製造、繊維・衣服、機械・金属などの分野の国内事業所で、一定期間働きながら技術を学ぶ外国人。 発展途上国に技能や知識を移転し、国際貢献の一翼を担うため、1993 年に受け入れ制度が創設された。 昨年 6 月末現在、国内で約 21 万人を受け入れている。


熱心な仏教徒が集う、埼玉・越谷のベトナム寺院

「明日来れば、獅子舞や爆竹を楽しめたのに。」 日本唯一のベトナム寺院、南和寺で、ベトナム人男性のグエン・ディン・ホアさんは残念がった。 テト(旧正月)の元日に当たる 1 月 28 日の土曜日に訪れたのだが、イベントは日曜日に行うのだという。 法務省の統計によると、技能実習生のベトナム人の数は 5 万 8,000 人で増加傾向にある。 永住者を除く在留外国人でベトナム人は中国人・韓国人に続き 3 番目に多い。

そんなベトナム人の心の支えになっているのが、この南和寺だ。 埼玉県越谷市の田園地帯にあり、向かい側には小さな工場、隣には巨大な公営プールと駐車場。 お寺があるとは思えない不思議な空間だった。 「ここに来ると仕事のストレスから解放されるんだ」と話すホアさんは、15 年前に来日し、現在は食品販売会社を経営している。 ベトナム人の奥さんや子供たちと東京の青梅市から毎週通っている。 参詣するのは 20 代の若者が多い。 語学留学生や技能実習生で、みな熱心にお祈りしている。 「日本での生活は大変。 でも家族のために働かなければ。」と話す人もいた。

尼僧から招かれて精進料理をいただく。 揚げ豆腐、春雨サラダ、野菜炒め。 どれもシンプルだが、肉のような歯ごたえがあり、おいしかった。 一緒に食事をした尼僧のレ・ティ・チャ・ミーさんは 24 才で、ベトナム中南部ニャチャン市の寺から 1 年前に派遣された。 結婚もせず、菜食主義を貫くストイックな生活をしている彼女はとてもにこやかで、突然の来訪者である記者にも親切に対応してくれた。 そんな笑顔も、異郷で頑張るベトナム人の心のオアシスとなっているのだろう。 (NNA Asia = 2-14-17)


日本への難民申請 1 万人超す 昨年、認定は 28 人

日本で昨年 1 年間に難民認定の申請をしたのは 1 万 901 人(前年比 3,315 人増)で、初めて 1 万人を超えた。 法務省が 10 日付の速報値を発表した。 一方、難民と認められたのは 28 人(同 1 人増)。 ほかに 97 人(同 18 人増)の在留を「人道的な配慮」から許可した。 政府は難民認定に厳しい姿勢を続けている。 申請者数は 6 年連続で過去最多を更新した。 国別で多かったのはインドネシア 1,829 人、ネパール 1,451 人、フィリピン 1,412 人など。 申請中は強制送還されないことに加え、制度の運用見直しで、短期滞在などの在留資格があれば難民申請の半年後から働くことができるため、増加していると同省はみる。

一方、国別で認定者が多かったのはアフガニスタン 7 人、エチオピア 4 人、エリトリア 3 人など。 「人種や宗教などを理由に迫害され、母国から逃げた人」を難民と定める難民条約に従って判断していると同省は説明する。 一方で条約を厳格に解釈し、「武力紛争から逃げてきた」という理由だけでは難民と認めていない。 同省は「認定するだけの根拠が足りない人が多い」としている。 (金子元希、asahi = 2-10-17)

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シリア難民、300 人規模で受け入れへ 政府、定住に道

日本政府が今年から 5 年間で、シリア難民の留学生とその家族を計 300 人規模で受け入れる見通しになった。 留学生は配偶者と子供を帯同でき、家族にも生活手当が支給される。 留学終了後は必ずしも帰国する必要がなく、事実上家族とともに定住する道を開くことになる。 特定国のまとまった難民受け入れ策としては、1970 年代後半から 2005 年までに 1 万人を超えたインドシナ難民、10 年から計 123 人が来日しているミャンマー難民以来となる。

国際協力機構 (JICA) の技術協力制度を活用し、年 20 人の留学生を受け入れる。対象はレバノンとヨルダンに逃れたシリア人難民。 JICA はシリアの一般家庭の家族構成を踏まえ、5 年の受け入れ数は 300 人規模になると試算。 今年夏、最初の 20 人と家族が来日する予定だ。 日本政府は昨年 5 月、JICA 枠と文部科学省の国費外国人留学制度枠(年 10 人)を使い、5 年間で 150 人のシリア難民を受け入れると表明。 主要 7 カ国 (G7) 首脳会議(伊勢志摩サミット)の議長国として難民問題に前向きに取り組む姿勢をアピールする狙いで、留学生の募集や留学先の選定を進めてきた。 (機動特派員・織田一、asahi = 2-3-17)


教育サービスの京進 中国・中軽グループと業務提携

技能実習生 介護人材の日本語教育支援を開始

株式会社京進

株式会社京進(本社京都市、代表取締役社長白川寛治)は、北京に本部を置く中国国営企業「中国中軽国際控股公司(中軽グループ)」と業務提携し、日本に派遣される介護分野の技能実習生を対象として、中国における日本語教育支援を 2017 年中に開始いたします。 当社は、これまでの中国での日本語教育のノウハウを活かし、技能実習候補生に対して実践的でレベルの高い日本語教育を行います。 初年度の 2017 年は 500 名程度、将来的には 1 万人規模での日本語教育実施を目指します。 (ValuePress = 2-8-17)


外国人労働者 15.6% 増 技能実習生 23.6% 大幅増

茨城労働局(水戸市)は、2016 年度(16 年 10 月末現在)の県内の外国人の雇用状況をまとめた。 外国人労働者は計 2 万 7,624 人で、前年同期比 15.6% 増。 このうち、日本の技術習得を目的とする技能実習生は 9,924 人で、同 23.6% 増と大きく伸びた。 技能実習生は、農業分野の従事者が過半を占めているのが県内の特徴になっている。 外国人労働者数は、統計を始めた 08 年以降、増え続けており、16 年度も過去最高を更新した。 全国では前年に続き 9 位だった。

国籍別では、中国が 26.6% (7,353 人)、フィリピンが 16.8% (4,633 人)、ブラジルが 14.1% (3,887 人)、ベトナムが 10.4% (2,868 人)の順になっている。 技能実習生は、外国人労働者全体の 35.9% を占めている。 受け入れ人数は愛知県、広島県、大阪府に次いで、三年連続で全国 4 位。 国籍別では中国が 43.3% (4,305 人)、ベトナムが 21.4% (2,131 人)、フィリピンが 8.6% (856 人)となっている。

技能実習生を受け入れている業種は、農林業が 51.2% (5,086 人)で最多。 次いで製造業の 37.1% (3,684 人)。 農林業の内訳は農業がほとんどといい、県 JA 中央会とベトナム政府が 2014 年に結んだ協定などを機に「農業分野で技能実習生の受け入れが進んでいる」と労働局担当者は指摘する。 外国人全体では、製造業で働く労働者が 44% (1 万 2,160 人)で最も多い。 次いで農林業が 20.6% (5,682 人)、サービス業が 8.1% (2,229 人)と続く。

公共職業安定所の管轄地域別では、土浦(土浦市、つくば市など)が 24.6% (6,800 人)と最も多く、常総(常総市など)が 17.5% (4,840 人)、常陸鹿嶋(鹿嶋市、鉾田市など)の 14.5% (4,009 人)となっている。 (酒井健、東京新聞 = 2-6-17)


四国 4 県の外国人労働者 23% 増 昨年 10 月末、小規模製造業多く

四国 4 県で外国人労働者への依存度が増している。 各労働局がまとめた 2016 年 10 月末時点の雇用届け出状況によると、4 県合計で 1 万 9,665 人と前年同期に比べ 3,697 人、23% 増えた。 製造業を中心に従業員 30 人未満の事業者の雇用が目立ち、人口減などで不足する労働力を支えている。 4 県で最も増えたのは香川県で 29% 増の 6,687 人だった。 雇用する事業所数も 1,243 カ所と 15% 増えた。 人数で産業別では製造業が 60%、30 人未満の事業所が 41% を占めた。 中国が全体の 40% と最も高く、次いで前年度から倍増したベトナムが 18%、フィリピンが 15% だった。

愛媛県は 22% 増の 7,248 人。 やはり製造業が 71%、30 人未満の事業所が 53% と高い。 高知県は 18% 増の 2,100 人。 産業別では製造業に次ぎ、農林漁業の比率が高くなった。 徳島県も 18% 増の 3,630 人と 4 県とも 2 桁増だった。 国籍別の割合は香川県とほぼ同様だ。 在留資格別では働きながら技術などを学ぶ名目の技能実習生が愛媛県で 67%、香川県で 59% など多いが、香川県では永住者や日本人の配偶者などを含む「身分に基づく在留資格」が 21% と高かった。 留学生のアルバイトを含む「資格外活動」も増加している。 (nikkei = 2-2-17)


NHK が「歪曲報道」する「外国人実習生失踪」の実態

外国人労働者受け入れ拡大

記事コピー (1-27-17)


外国人労働者、初の 100 万人超 受け入れ政策の立て直し急務

日本で働く外国人労働者の数が 2016 年に初めて 100 万人を超えた。 不足する労働力の一部を外国人が補う構図が鮮明となっている。 留学生や技能実習制度といった「サイドドア」から事実上の単純労働力が流入しており、早急に外国人労働者の受け入れ政策を立て直す必要がある。 政府は働き方改革実現会議で外国人材の受け入れについて議論する方針だ。

厚生労働省が 27 日に発表した 16 年 10 月末時点の外国人雇用状況によると、外国人労働者数は 108 万 3,769 人で、前年同期と比べて 19% 増えた。 増加は 4 年連続で、伸び幅も過去最高となった。 外国人を雇用する事業所数は 14% 増の 17 万 2,798 カ所だった。 国別に見ると、中国が 34 万 4,658 人で全体の 3 割を占める。 ベトナムがそれに次ぐ 16%、フィリピンの 12% が続いた。 分類別では高度人材などの「専門的・技術的分野」が 20 万 994 人で、前年同期と比べて 20% 増えた。 技能実習や留学も 2 割を超す伸びだった。

政府は高度人材に関してはポイント制を設けるなど受け入れに積極的だが、いわゆる単純労働者の受け入れは認めていない。 しかし現実には技能実習制度や留学生を通じて事実上の単純労働者の流入が急増している。 政府は働き方改革実現会議で外国人労働者の受け入れ政策について議論する。 受け入れが必要となる分野を特定した上で、2 国間で協定を結ぶ方法などを検討する。 「高度人材以外の労働者を正面から受け入れるためのルールを打ち出す必要がある(日本総合研究所の山田久チーフエコノミスト)」との指摘も出ている。 (nikkei = 1-27-17)


岩手・雫石の縫製工場に 3 か国から実習生

岩手山の麓にある小さな縫製工場が、「国際色豊かに」操業中です。 アジアの 3 つの国から実習生が来ていて、日本の細やかなものづくりを、働きながら学んでいます。 雫石町長山にある縫製工場「花永」では、15 年前から外国人技能実習制度を取り入れ、アジア各国から年間 3 人ずつの実習生を受け入れています。 現在は中国、インドネシア、カンボジアの 20 代から 40 代の女性 8 人が、寮で暮らしながら働いています。

「襟」や「袖」、「右左」など使う言葉が日本語のため、仕事中は日本語で話すように決められています。 日本語は週に一度、町の国際交流センターで勉強し、地域のイベントに参加することで覚えます。 食文化が違うため昼食は、自分たちで作った弁当を持ち寄ります。 「寒いですね。 カンボジアはあたたかい。(カンボジア出身のポウ・スレイラーさん 32 歳)」 気候や食文化が異なる日本で、彼女たちが働く理由は技術の習得に加え、高い賃金を得ることにあります。

中国から来た 2 人は 3 年間の実習を終え来月帰国します。 「給料はお父さんとお母さんにいっぱいあげる。 自分はいらない。 日本が大好きです。 もう一回来たいです。(中国出身・27 歳女性)」 「みんなとても一生懸命やるので楽しい。 15 年も続けてこられたのは幸せです。(古前田廣和社長)」 雫石町の小さな縫製工場は、技術を教えるだけでなく、国境を超えた友情を育む拠点となっています。 (岩手放送 = 1-19-17)


あすへの指針 多文化が共生する社会に この国を開く

日本を訪れる外国人は観光客ばかりではない。 さまざまな職場に仕事を求める人も増え続ける。 2015 年 10 月末現在の外国人労働者数は約 90 万 8 千人と過去最高を更新した。 16 年は 100 万人を突破した可能性がある。 少子高齢化が進み、中小企業を中心とした現場の労働力不足が背景にあるが、大企業も人材を求めて積極的な採用を進めている。 人口減少の中でも持続可能な経済や社会の姿を考えるとき、避けて通れないのが外国人の存在だ。

企業はすでに先取り

首都圏などのコンビニではアルバイトで働く外国人留学生の店員が目につくようになったが、ローソンはこれと別に 08 年から本部社員の採用を積極的に進めている。 中国人、韓国人など採用数は計 200 人を超えた。 店舗を回り相談や指導に当たるスーパーバイザーもいる。 コンビニ経営においての重要な役回りだ。 同社は「外国人観光客に対応した店のプランを練る時など、さまざまな場面で外国人社員の発想が生かされている」と説明する。

経済のグローバル化に伴い、ホワイトカラーや IT などの専門知識・技術を持つ外国人に対する企業のニーズは高まり、国際的な人材争奪戦にもなっているという。 政府は成長戦略でこうした「高度外国人材」と呼ばれる層の受け入れを掲げ、永住許可申請の要件緩和などの支援策を盛り込んだ。 多様な人材を取り込むことが組織を活性化させる。 日本人社員の意識が変わり、働き方改革にもつながる可能性がある。 企業が開かれていくことは歓迎したい。

いびつな実習生制度

しかし、外国人労働者には陰の部分もある。 例えば外国人技能実習制度だ。 (北海)道内各地の水産加工場ではこの年末も、贈答や正月向け商品の出荷が活況を呈した。 その中に中国などから来た実習生の働く姿もあった。 15 年に道内で受け入れた実習生約 6,200 人のうち、半数を水産加工業が占める。 次いで多いのは農業の 1,800 人だ。 実習生は北海道の基幹産業を支える戦力となっている。

だが、本来は途上国への技術移転という国際貢献を目的とする技能実習が、労働力の穴埋めに使われていると批判されて久しい。 実習生を低賃金で劣悪な環境にさらし、法令違反を指摘される事業所が全国で後を絶たない。 こうした中、昨年の臨時国会で成立した外国人技能実習適正化法は制度を拡充するとともに、実習生を保護する仕組みを導入した。

対象職種に介護を加え全職種で最長 3 年の期間を 5 年に延長。 受け入れ団体や企業の不正を監視する機構を新設し、人権侵害行為への罰則も設けるという内容だ。 同じ時の法改正で介護は外国人の在留資格としても認められた。 しかし、深刻な労働力不足の多くを依然「実習生」という身分で担わせるのは、やはり正常な労働現場とは言えないだろう。 外国人を単に労働力や成長の手段と捉えるのではなく、社会に迎え入れる発想が必要ではないか。 永住や国籍取得を前提にした移民政策が検討されてもいい。

分け隔てなく門戸を

ところが、安倍晋三首相は「移民政策は毛頭考えていない」ときっぱり否定する。 政府は難民の受け入れにも消極的だ。 欧米では移民や難民の受け入れが失業者を増加させたとの排外主義的主張が社会を分断している。 日本の世論も現時点では慎重意見が少なくないかもしれない。 だが、外国人に分け隔てなく門戸を開くことは社会全体に活力をもたらす。 米国の歴史もそうだった。 今後、日本が目を向けるべきは、こうしたプラスの可能性ではないか。

異なる国籍、民族の人たちが違いを認め、肩を寄せ、刺激し合う社会でありたい。 それが「多文化共生」だ。 その理念の実現のためには、政治や社会に努力が求められる。 移住した外国人を孤立させてはならず、語学や医療、教育などの生活支援を充実させ、地域に溶け込んでいくことを後押しする取り組みが欠かせない。 近隣諸国との歴史問題を克服し、在日韓国・朝鮮人などに向けたヘイトスピーチのような差別と偏見を根絶しない限り、多文化共生は絵に描いた餅となる。

永住外国人の地方参政権や、日本に移住しても生まれた国の国籍を失いたくないという人への二重国籍を認めてもいい。 どちらも欧米では導入している国が主流だ。 日本が経験したことのない少子高齢化による人口減少社会に入ったいま、この国を開いてゆくことが、すなわち「あす」を開いてゆくことになるのではないか。 (北海道新聞 〈社説〉 = 1-11-17)


災害時の外国人の避難生活議論交わす 熊本市

災害時の外国人の避難所生活について考えるトークイベントが 7 日、熊本市中央区の市国際交流会館であった。 同市国際交流振興事業団と、神戸市の市民団体「多文化と共生社会を育むワークショップ」の主催。 熊本地震や阪神大震災で避難生活を体験した外国人や支援者ら 6 人が登壇。 熊本地震で、中国人実習生とともに同会館に避難した熊本繊維工業協同組合の西村美芳事務局長は「実習生たちは一時パニックになったが、避難所のサポートで落ち着きを取り戻し、日本人の対応に感謝していた」と振り返った。

阪神大震災の際、外国人向けの番組を放送した「FM わぃわぃ(神戸市)」の金千秋代表理事は「避難所の多言語化なども重要だが、まずは地元にさまざまな文化を持つ人が住むことを市民に理解してもらう必要がある」と指摘。 同事業団の八木浩光事務局長は「日本語教室に地域の人たちを招くなど交流する機会を増やしたい」と話した。 (園田琢磨、熊本日日新聞 = 1-8-17)


殺人容疑で中国籍の男逮捕 愛知、ホテルに遺体

愛知県警豊川署は 2 日、同県豊川市のホテルで中国籍の技能実習生、王雅男さん (18) = 同市二葉町中西浦 = を殺害したとして、中国籍の男 (20) を殺人の疑いで逮捕した。 同署によると「間違いない」と容疑を認めている。 逮捕容疑は、昨年 12 月 31 日から 1 月 2 日までの間に、豊川市内のビジネスホテルの客室で、王さんを殺した疑い。

同署によると、王さんはベッドの上に倒れていた。 退室時間を過ぎてもチェックアウトしなかったため、従業員が部屋を訪れ発見した。 客室は昨年 12 月 31 日午前のチェックイン後、1 月 2 日午前まで予約されていた。 ホテルは日本三大稲荷の一つとされる豊川稲荷から約 500 メートルに立地している。 (kyodo = 1-2-17)


留学・実習生失踪 480 人 昨年の九州 7 県、生活苦など背景 ベトナム、ネパール人が増加

人手不足を背景に留学生や技能実習生を含む外国人労働者が増える中、2015 年に九州 7 県で少なくとも 480 人を超す留学生や実習生が学校や職場から行方不明になっていたことが、九州の各県警への取材で分かった。 16 年も 11 月末現在で 450 人以上が失踪。 ネパール人とベトナム人が増えている。 生活苦で日本語学校の学費が払えなくなったり、賃金の安さや人間関係のトラブルから実習先を逃げ出したりして難民申請をする事例が多いとみられ、原因の解明や対策が急務となっている。

警察庁は留学生や実習生の行方不明者数を公表しておらず、九州 7 県別の実態が明らかになるのは初めて。 警察署に行方不明の届けが出たものにとどまるため、実際の失踪者はもっと多い可能性がある。 福岡入国管理局によると、7 県の在留外国人(15 年 12 月現在)のうち、留学生は 2 万 4,464 人、実習生は 1 万 7,897 人に上る。 九州 7 県警が把握している留学生と実習生の失踪者数(熊本、宮崎、鹿児島は実習生のみ)は、15 年の 1 年間で、▽ 福岡 157 人、▽ 佐賀 14 人、▽ 長崎 65 人、▽ 熊本 89 人、▽ 大分 61 人、▽ 宮崎 34 人、▽ 鹿児島 63 人の計 483 人。 このうち 80 人程度が留学生とみられる。

16 年 1 月から 11 月末までの失踪者数は、▽ 福岡 160 人、▽ 佐賀 29 人、▽ 長崎 42 人、▽ 熊本 90 人、▽ 大分 49 人、▽ 宮崎 30 人、▽ 鹿児島 59 人の計 459 人。 国籍別は多い順に、▽ ベトナム約 200 人、▽ 中国約 150 人、▽ ネパール約 50 人となっており、前年と比べると中国人は約 60 人少ない一方、ネパール人は留学生を中心に約 10 人、ベトナム人は実習生を中心に約 20 人失踪が増えている。 その他の国籍はミャンマー、カンボジア、インドネシア、フィリピン、タイなどが挙がっている。

福岡入国管理局によると、留学生の失踪者数についての統計はないが、実習生の失踪者数は九州 7 県で 2010 年が 41 人、2015 年が 409 人で、5 年間で 10 倍に増えた。 法務省入国在留課や厚生労働省外国人研修推進室は共に「なぜ失踪者が増えているのか、政府として分析していない」としている。 (西日本新聞 = 12-30-16)


技能実習生に割増賃金不払い 「内職だから」と供述も 土浦労基署

茨城・土浦労働基準監督署は、技能実習生に対して残業代の一部を支払わなかったとして、自動制御機器などの組立加工業を営む「YSK (茨城県かすみがうら市)」と YSK 社の構内下請である「伶美(= れみ、茨城県石岡市)」、および両社で労務管理の責任者を担当している男性取締役の計 2 法人 1 人を労働基準法第 37 条(割増賃金の支払)違反の容疑で水戸地検土浦支部に書類送検した。

同取締役は、平成 27 年 10 月 21 - 11 月 20 日、それぞれの会社で雇用する技能実習生 1 人づつに対して割増賃金の一部を支払わなかった疑い。 不払い金額の合計は 5 万 8,703 円に上る。 さらに、技能実習生の時間外および休日労働に関する賃金支払の明細書、作業日報を、保存が義務付けられている 3 年間、保存しなかった疑い。同労基署によれば、明細書などは月ごとに、その都度廃棄していたという。 情報提供により調査を開始し、28 年 2 月に強制捜査を行って証拠を固めた。 同社は調べのなかで、「"内職" だから残業代を支払わなくていい」などと主張したという。 (労働新聞 = 12-19-16)