駅ナカ拡充、表示板に広告 … 公営地下鉄、めざせ黒字

全国に 9 つある公営の地下鉄事業。 人口減社会の到来で将来的に運賃収入の大幅増が見込めないうえに、ほとんどの事業体が累積赤字の解消に頭を悩ませている。 そんななか、広告や商業スペースの展開といったビジネスを強化し始める自治体も出てきた。 今月初めの朝、福岡市営地下鉄天神駅(同市中央区)の構内。 弁当店「博多いもっ子屋(同市南区)」の女性店員がおにぎりや弁当を買った通勤客らに声をかけていた。 「この時間に売らないと商売にならないよ。」 店員はそう言うと、慌ただしく商品の補充を始めた。

同店は、福岡市が昨年 5 月に始めた月替わり店舗「f space」に入居している。 広さ約 8 平方メートルで、1 カ月のテナント料約 20 万円。 1 カ月から最大 3 カ月まで出店できる。 市の担当者は「九州の中心地の天神駅にアンテナショップを出したい企業ニーズに応えるのが狙い」と話す。 7 月までに 6 社が出店する見込みで、市はこの方式を天神駅以外に広げることも検討している。

札幌市は、南北線などの 3 路線を運行する。 だが、人口減に伴い、2018 年度までの 3 年間で地下鉄の利用客は毎年 3 千 - 4 千人程度減少すると試算。 本業が縮小する中、駅構内のスペースを使ってテナント収入を増やそうと取り組む。 12 年 6 月に東西線などが乗り入れる大通駅(同市中央区)に出店したコンビニエンスストアは、駅構内の壁際に商品を並べるスタイルだ。 店舗の規模は幅約 15 メートル、奥行き 2 メートルほどで、狭いスペースを有効活用しようと工夫する。 昨年 9 月にも同様のコンビニが出店し、あわせて年間 1 千数百万のテナント料が入る。

駅構内を活用した「副業」としては、商業エリアをつくって賃料収入や運賃収入の増加を図る「駅ナカ」が定着しつつある。 05 年に JR 東日本や東京メトロが始め、公営地下鉄でも大阪市(3 駅 44 店舗)などが積極的だ。 (小田健司、磯部佳孝、asahi = 5-10-15)


母への感謝、車内彩る 熊本の市電にカーネーション

10 日の「母の日」を前に熊本市の市電に 8 日、カーネーションなどの花々が飾られた。 市電 45 両のうち計 10 両の入り口と出口を、花束を入れた鉢が彩る。 生花は熊本県花き協会が提供。 カスミソウやスターチスを含め計 1,360 本。 今年が 24 回目で、「父の日」にはバラ、「敬老の日」には菊を飾ってきた。 花は 10 日午後 4 時以降は自由に持ち帰ることができる。 無くなるまで例年 1 - 2 時間で、「母の日が一番早い」と市交通局の担当者。 母は、ここでも強し。 (asahi = 5-9-15)


埼玉県三芳町の広報紙が全国一に 内閣総理大臣賞

自治体の優れた広報紙を表彰する「全国広報コンクール」で、埼玉県三芳町の広報紙が最優秀賞に当たる内閣総理大臣賞に選ばれ、8 日朝、町長や職員が号外を配り町の人たちに喜びを伝えました。 「全国広報コンクール」の内閣総理大臣賞を受賞したのは、三芳町が毎月発行している「広報みよし」の 11 月号です。 地元特産のさつまいもを笑顔で掲げる女の子の写真と、町の子育て情報をまとめた特集記事などが高い評価を受け、都道府県のコンクールを通過した全国 468 点の応募作品の中から選ばれました。

8 日朝の発表を受けて、林伊佐雄町長や職員が最寄りの駅で手作りの「号外」を配り、町の人たちに喜びを伝えていました。 三芳町の広報紙は、町民の写真をふんだんに掲載したり、スマートフォンを使うと映像が見られる最新の機能を取り入れるなど、幅広い世代に読んでもらう工夫をこらしてきました。 号外を受け取った 30 代の男性は「広報紙は住民目線の記事が多く、読んでいておもしろいので、受賞し、町民としてとてもうれしいです」と話していました。 林町長は「町を愛する職員が真心を込めて作ったため日本一を取れたと思います。 これからもすばらしい広報を発信していきたい。」と話していました。 (NHK = 5-8-15)


アカウミガメ産卵の季節到来 ルール設け観察会 屋久島

国内最大のアカウミガメの産卵地である鹿児島県・屋久島の永田浜で、今年の産卵が本格的に始まった。 2 日夜には、NPO 法人「屋久島うみがめ館」のスタッフの指導のもと、観光客約 40 人が親ガメにストレスを与えないよう気遣いながら産卵を見守った。

屋久島での産卵シーズンは 4 月下旬 - 7 月下旬ごろ。 島ではフラッシュ撮影などを禁じる観察ルールを設け、例年ならば 5 月中旬以降、指導員同行の観察会を開いている。 過去には、大型連休で島を訪れた観光客がルールを知らぬまま、親ガメを警戒させてしまうことがあった。 そこで今年は、うみがめ館が大型連休中から指導・案内をすることにした。(屋久島通信員・武田剛、asahi = 5-5-15)


「明治日本の産業革命遺産」世界遺産へ 今夏に正式決定

ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に、福岡など九州の 5 県と山口、岩手、静岡の計 8 県に広がる「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」が、名称を一部変更した上で、登録される見通しとなった。 ユネスコの諮問機関が「登録」を勧告した。 6 月 28 日からドイツのボンで開かれる世界遺産委員会で最終的に決まる。

フランス・パリの世界遺産センターが 4 日、文化遺産の候補を事前審査する諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告内容を日本政府に伝えた。 イコモスは遺産候補を「登録」、「情報照会」、「登録延期」、「不登録」の 4 段階で評価する。

「産業革命遺産」は、19 世紀末 - 20 世紀初頭に、造船や製鉄、石炭産業の重工業分野に西洋の技術を移転し、日本がどのように近代産業国家になったかを示しているとして、日本政府がユネスコに推薦した。 「軍艦島」として知られる端島(はしま)炭坑(長崎市)や吉田松陰の松下村塾(山口県萩市)、韮山反射炉(静岡県伊豆の国市)など 23 資産で構成する。 三菱長崎造船所(長崎市)のジャイアント・カンチレバークレーンなど現在も現役で使われている施設もある。 稼働中の遺産が国内から世界文化遺産に登録されれば初めてとなる。 (藤井裕介、asahi = 5-4-15)


わが灰はくまモンである 阿蘇の火山灰でフィギュア

阿蘇・中岳の噴火活動で運休中の阿蘇山ロープウェーを運営する九州産交ツーリズム(本社・熊本市)が、火山灰を固めて作ったくまモンのフィギュアなどの限定発売を駅舎で始めた。 迷惑な火山灰と人気者のコラボ商品で、観光客の注目を集めようとの発想だ。

4 月 27 日から売り出されたのは、立ち姿(高さ 6.8 センチ、900 円)、座った姿(高さ 4 センチ、500 円)のフィギュア 2 種類とキーホルダー(500 円)。 ロープウェーの阿蘇山西駅の屋根に積もった火山灰を材料に、鳥取砂丘の砂を利用した商品を製作している鳥取市の業者に依頼した。 くまモンの黒色は、火山灰の色そのままという。 まず 300 個から 500 個をロープウェー駅で販売し、売り上げの一部は阿蘇の地域振興に寄付するという。

同社では、今年 1 月に中岳の火山灰と噴石の瓶詰(200 円)を阿蘇に縁が深い夏目漱石にちなみ、「わが灰(吾輩)」と名付けて発売、これまでに 400 個以上が売れた。 そこで、新たなシリーズとして「わが灰(くまモン版)」を売り出すことになった。

同ロープウェーは、噴火警戒レベル 2 になった昨年 8 月から運休中だが、西駅は規制外で観光映像施設などは営業を続けている。 同社は「ロープウェーが動いていないので、ここまで行くことができないと思っている人も多い。 火山灰シリーズは売り上げ額はささやかだが、少しでも注目を浴びてお客さんを呼ぶきっかけになれば。」と話している。(野中正治、asahi = 5-3-15)


鎮魂の鯉のぼり 600 匹 復旧工事で今年が最後に 宮城

宮城県東松島市の空を、600 匹以上の青いこいのぼりが泳いでいる。 大曲浜(おおまがりはま)地区。 伊藤健人さん (22) が、東日本大震災の津波で亡くなった弟の律君(当時 5)のため、自宅跡地に揚げたのが始まりだ。 地盤のかさ上げ工事のため、地区での追悼は今年が最後になる。

律君と母、祖父母を亡くした。 律君の好きだった青いこいのぼりを、震災の 2011 年から毎年揚げて追悼してきた。 全国から寄せられたこいのぼりは 11 年の 3 倍以上に増えた。 かさ上げ工事で変わる周囲の風景。 「自宅の場所さえ思い出せなくなってきている。 寂しさもあるけど、活動は続けたい。」 (長嶋晶子、asahi = 5-2-15)


有毒ガスで通行止め = 磐梯吾妻スカイライン - 福島

福島県は 30 日、福島、山形両県にまたがる吾妻山を通る観光有料道路「磐梯吾妻スカイライン」を全面通行止めにしたと発表した。 基準値の 2.5 倍に当たる有毒な硫化水素ガスが発生した。 吾妻山は火山活動に伴う入山規制が 17 日に解除され、スカイラインも同日開通したばかりだった。

ガス発生による通行止めは 1959 年の開通以来初めて。 県は計測回数を 1 日 3 回から 5 回に増やした。 解除の見通しは立っていない。 スカイラインは福島市の高湯温泉と土湯峠の 27.8 キロを結び、昨年の大型連休は 1 万 6,839 台が利用した。 県によると、硫化水素ガスは高湯温泉から 12.8 キロの地点で確認された。 現場は火山性ガスがたまりやすい地形という。 30 日午前 6 時ごろ、巡回中の委託企業の社員 2 人が、通行止めを実施する基準の 2.5 倍にあたる 25ppm のガスを検出した。 (jiji = 4-30-15)

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磐梯吾妻スカイラインは 17 日に再開通 DC 盛り上げに期待

冬季閉鎖中の観光道路「磐梯吾妻スカイライン(福島市、猪苗代町、延長 28.7 キロ)」は 17 日に再開通する。 吾妻山(一切経山)の噴火警戒レベルの引き上げに伴う安全対策のため例年より開通が遅れていたが、対策のめどが立った。 大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン」も始まり、東京電力福島第 1 原発事故で落ち込んだ本県観光の盛り上げに期待がかかる。

道路を管理する県が 6 日、明らかにした。 17 日は午前 10 時に開通。 夜間通行止めは 24 日までは午後 5 時 - 翌日午前 8 時 30 分、25 日からは午後 5 時 - 翌日午前 7 時まで。 開通日までは、入山規制が続く火口周辺から半径 500 メートル以内にバリケードなどを設けて登山客が火口に近づけないようにするほか、火山活動への注意を呼び掛ける看板を同道路の 4 カ所に設置する。 (福島民友 = 4-6-15)


北陸新幹線、GW の客足好調 金沢の観光地にぎわう

大型連休がスタート。 今春に北陸新幹線が開業した金沢市は 29 日、多くの観光客が訪れてにぎわった。 石畳に面して出格子が並び、江戸時代の風情を残す同市の「ひがし茶屋街」では、通りいっぱいに人があふれ、飲食店などには長い列ができた。 東京から友達と新幹線で来たという女性は「美しい町並みが魅力的。 でも、この人出には驚いた。」と、土産店などをまわっていた。 JR 西日本によると、北陸新幹線は 5 月 2、3 日午前の下りと、5、6 日午後の上りがほぼ満席という。 (森井英二郎、asahi = 4-30-15)

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北陸新幹線 経済効果は石川 124 億円 富山 88 億円

航空業界は危機感

北陸新幹線の金沢 - 長野間が 14 日、延伸開業する。 東京 - 金沢間は最速 2 時間 28 分で結ばれ「日帰り圏内」となるため、北陸地方では観光客の増加のほか、開発ラッシュ、企業の進出などさまざまな経済効果を誘発している。 一方で客を奪われる航空会社や他の観光地は開業後の動向に気をもむ。 開業に伴う "泣き笑い" をまとめた。

「北陸新幹線の金沢開業は長年の悲願。 100 年に 1 度の節目だ。」 石川県の谷本正憲知事は力を込める。 富山、福井も含めた北陸 3 県に、首都圏からの観光客が大量に流入すると見込んでいるからだ。 日本政策投資銀行北陸支店(金沢市)などの試算では、開業後の 1 都 3 県からの観光・ビジネス目的の旅行客は石川で年約 32 万人、富山で約 21 万人増える見通しだ。 宿泊費や飲食費などを含めた経済波及効果は石川で約 124 億円、富山で約 88 億円に上り、条件次第ではさらに拡大する可能性もあるという。

直接的な恩恵を受けるのはやはり観光業だが、東京方面からの移動時間が大幅短縮することで加速しているのが企業の進出だ。 ファスナーなどの製造で知られる YKK グループは東京の本社機能の一部を創業者ゆかりの地で主力工場を置く富山県黒部市に移転し、管理部門などの社員 230 人が異動する。 ハンドクリームなどを製造するユースキン製薬(川崎市)も富山市の工業団地に新工場を建設中で、来春には横浜市の生産機能をすべて移す計画だ。

精密機器製造の日機装も昨年、静岡県牧之原市の工場にある生産機能の大部分を金沢市の新工場に移した。 こうした動きについて太田昭宏国土交通相は「企業や工場の移転が進み、観光とともに大きなインパクトがある」と話す。

また、金沢駅周辺はここ数年で急速に再開発が進んだ。 特に繁華街がなく「駅裏」のイメージが強い駅西口には地元の北国銀行本店が昨秋に移転し、ホテルやマンションの建設も相次ぐ。 昨年 9 月発表の基準地価では、駅西口の商業地が全国 1 位の上昇率(前年比 15.8% 増)を記録した。 同様に富山駅前でも複合施設などの建設が進む。 一方で、同じ沿線の新潟県は最速列車「かがやき」が県内の上越妙高、糸魚川の両駅を通過することに不満を募らせる。

航空業界も客を奪われそうだ。 全日本空輸と日本航空は羽田 - 小松線を 6 往復運航するが、客の減少を見込んで機材を小型化し、大幅な対抗値下げも行う。 また、JR 東海も東海道新幹線を利用する観光客を奪われることを危惧する。 「今のところ(影響は)出ていない(柘植康英社長)」と強気だが、東海 - 北陸を結ぶ周遊きっぷの販売などを強化し、利用者を維持する考えだ。

さらに、京都や奈良といった関西の観光地には、「客が北陸へ流れる」との警戒感が広がる。 特に大学が多い京都では北陸の学生が関東方面の大学に流れる懸念が強まっており、「北陸新幹線の影響が出ることは避けられない(大学関係者)」との声も上がる。 (SankeiBiz = 3-13-15)

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新幹線効果、金沢心待ち 駅前にマンション・居酒屋 …

3 月 14 日の北陸新幹線開業まで1カ月を切り、終着駅の JR 金沢駅周辺で、ビルやマンションが次々と建っている。 昨年の地価上昇率は商業地で全国一。 観光面でも、東京と 2 時間半で結ばれる「新幹線効果」を最大限に生かそうと、首都圏への PR が盛んだ。 金沢駅西口広場にある小松空港行きのバス停。 列をなす乗客の後ろに、9 階建てビルが姿を現しつつある。 人の流れのいままでとこれからが、混在している場所だ。

現在、バスで小松空港まで約 1 時間、そこから羽田空港まで約 1 時間 10 分。 一方、鉄道は東京 - 金沢が 4 時間近くかかるが、北陸新幹線で 2 時間半になる。 空港での乗り換えを考えると、時間的には互角だ。 それに期待して建つのがバス停横のビル。 首都圏からのビジネス客を見込み、上階では今春にビジネスホテルが開業を予定する。 国土交通省が昨年 9 月に発表した基準地価では、西口前の商業地が前年より 15.8% 高くなり、商業地で全国一の上昇率だった。 同様に新幹線沿線となる JR 富山駅前も 6.5% 上がったが、金沢が突出する。

特に注目されたのが、かつて田畑が広がり「駅裏」と呼ばれた西口周辺。 昨年 11 月、駅前広場につながる並木道との交差点に、地元の北国(ほっこく)銀行がビルを新築して本店を移転させた。 昨年 6 月に建った JR 西日本系のオフィスビルは全 7 階に十数社が入り満室だ。 西口から徒歩 5 分ほどにある大和ハウス工業の 14 階建てマンション 2 棟は、頭一つ超える高さで目立つ。 3LDK 中心で最高 5 千万円ほど。 30 - 50 代のファミリー層が買って完売した。 (結城繁久、西山明宏、asahi = 2-18-15)

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レディー・カガ、北陸新幹線開業へ地元 PR

北陸新幹線の開業を来月 14 日に控え、石川、富山両県の観光業者や自治体が、より多くの観光客を呼び込もうと、あの手この手で PR している。 地元で、首都圏で、グッズで、人の魅力で、北陸の売り込みが熱を帯びている。

埼玉県の JR 大宮駅構内。 17 日、行き交う人々に、和服姿の 2 人の女性が、観光パンフレットを配った。 石川県加賀市と小松市にまたがる加賀温泉郷の旅館や飲食店の女性たち約 100 人でつくるグループ「レディー・カガ(加賀)」のメンバーだ。 普段は、イベントやネット動画などで観光 PR をしており、この日は首都圏まで遠征してきた。 メンバーの甘池英子さん (45) は「関西の奥座敷と言われた温泉街が、首都圏にぐっと近づこうとしている。」 (筋野健太、asahi = 2-17-15)


山口の駅弁会社なくなる 創業 1 世紀、時代の波に勝てず

明治後期から 1 世紀にわたる歴史がある駅弁会社「小郡駅弁当(山口市小郡下郷)」が、今月末で弁当事業から退くことを決断した。 県内で唯一、駅弁を製造販売し、「山口の味」を届けてきたが、需要低迷の波に抗しきれず、やむなく撤退することになった。 同社は小郡駅(現在の新山口駅)開業から 10 年後の 1910 (明治 43)年に創業。 これまでに県産鶏肉を使った「かしわめし」や「ふく寿司」などを販売してきた。

55 年には駅構内でうどん店を始め、65 年には仕出し弁当事業にも乗り出した。 山陽新幹線が開業した 75 年当初から、新幹線の車内販売を開始。 90 年ごろの「駅弁ブーム」に最盛期を迎え、年間約 8 億円の売り上げを記録した。 だが、鉄道の高速化による所要時間の短縮やコンビニ弁当の台頭、目的地に着いてから食事する観光客が増えたことなどの影響を受け、売り上げは下降線をたどる。 93 年には防府市にあった支店を畳んだ。 (吉沢英将、asahi = 4-27-15)


イケメン容姿、歴女の反応は? 高知に長宗我部元親像

大坂夏の陣から 400 年を記念し、戦国大名、長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)の銅像が、居城跡にある高知県南国市の県立歴史民俗資料館前に設置された。 全国から約 1,500 万円の募金が集まり、像のデザインをカードゲームなどで武将を描くイラストレーターに依頼したところ、イケメン風の容姿に。 鎧兜(よろいかぶと)姿で、約 3.7 メートルの長槍(やり)を持つ。 呼びかけ人で資料館の前館長、宅間一之さん (80) は「歴史ファンのハートを貫きたい」。 除幕式は 5 月 3 日。 (asahi = 4-27-15)


「日本一危ない国宝鑑賞」も認定 日本遺産、初回 18 件

文化庁は 24 日、「日本遺産」として 18 件(24 府県の 112 市町村が申請)を認定したと発表した。 地域の歴史や文化を国内外にアピールし、地元の活性化も狙う今年度からの新事業で、今回が初めての認定。 同庁は 2020 年度までに計 100 件ほどを認定する。

40 都府県の 238 市町村から計 83 件の申請があった。 有識者の審査委員会が、遺跡や祭りなど有形・無形の文化財を組み合わせて地域の歴史・文化を伝える「ストーリー」や、文化財を生かした地域振興の仕組みが整っているかどうかを基準に 18 件を選んだ。 認定されると、文化財の修理が優先されたり、解説員の育成に補助が出たりする。

水戸市などが申請し、認定された「近世日本の教育遺産群」は、江戸時代の藩校などで構成し、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産を目指している。 水戸市の担当者は「世界文化遺産登録に向けた機運が盛り上がればいい」と期待する。 一方、滋賀県彦根市は、世界文化遺産への推薦候補を集めた「暫定リスト」に載る彦根城も含めて申請したが、認定は見送られた。

ただ、世界文化遺産への推薦に日本遺産認定が必要になるわけではない。 人類の宝として「顕著で普遍的な価値」の証明が求められる世界文化遺産とは違い、日本遺産は地域の文化財を生かす工夫がカギになる。 審査委員長の稲葉信子筑波大大学院教授(建築学・文化遺産学)は「『ストーリー』に魅力があり、地域振興のモデルに近いものを選んだ。 認定で終わりではなく、今後の地域づくりの取り組みが重要。」と話している。 (藤井裕介、asahi = 4-24-15)


大分駅ビル開業、3 千人が行列 JR 九州、不動産が柱

JR 大分駅の新たな駅ビル「JR おおいたシティ」が 16 日開業した。 商業施設やホテル、温泉施設が入る 21 階建ての高層ビルだ。 駅周辺では再開発も急ピッチで進み、大分の県都の「玄関口」は様変わりしつつある。 16 日は午前 4 時過ぎから人が並び始めた。 午前 10 時の開店時には約 3 千人の行列になり、開店と同時に人の波が店内に吸い込まれていった。 母親とともに一番乗りを果たした大分市の会社員、高木友美さん (26) は「昨日からテンションを上げてきました。 ワクワクします。」と話した。

JR おおいたシティは、地上 21 階、地下 1 階。 1 - 4 階は 184 店が入る商業施設「アミュプラザおおいた」、8 階には敷地面積約 4,500 平方メートルの展望庭園がある。 23 日にホテルとともにオープンする温泉施設は 19 - 21 階にあり、最上階の露天風呂から由布岳や高崎山、別府湾の眺望が楽しめる。 JR 九州の青柳俊彦社長は開業式典で「これまでの経験を生かして最高のものができた。 一緒に大分を元気にしていきたい。」と述べた。 (稲垣千駿、土屋亮、asahi = 4-16-15)


蔵王山で小規模な噴火の可能性 気象庁が火口周辺警報

気象庁は 13 日、宮城・山形県境の蔵王山(1,841 メートル)で小規模な噴火が起きる恐れがあるとして、火口周辺警報を出した。 火口となり得る場所から約 1.2 キロの範囲で大きな噴石が飛んでくる可能性があるといい、地元 5 市町は立ち入りを控えるよう呼びかけた。 仙台管区気象台によると、火口湖の「御釜(おかま)」付近が震源とみられる火山性地震が 7 日以降に増加。 13 日も午後 8 時までに 30 回起きるなど 4 月だけで 184 回に達し、2010 年 9 月に観測を始めて以来、月別で最多となった。

蔵王山は昨年 8 月から活発な状態が続き、マグマや熱水の移動に伴うとされる火山性微動が 18 回観測された。今月 9 日にも 1 回あった。 御釜周辺に噴気などの異常はみられないという。 水蒸気噴火が起きれば、50 センチを上回る大きさの噴石が飛ぶ恐れがある。 火口が想定される範囲は広がりがあるため、警戒範囲は御釜から 2 キロ程度で、東側では最大約 3 キロに及ぶ。

5 月の大型連休を前に、地元は観光への影響を懸念する。 山頂付近を通る道路「蔵王エコーライン」は 24 日に冬季閉鎖を解除する予定だった。 宮城県観光課の担当者は「出ばなをくじかれた」と話す。 山頂付近のレストハウス開業も警報解除まで難しいという。

山形市は火口から約 1.2 キロに避難勧告を出した。 蔵王温泉で飲食店を営む 40 代男性は「冬はスキー客が来たが、これからのシーズンは厳しいと思う」と危機感を募らせる。 蔵王温泉観光協会の伊藤八右衛門会長 (66) は「御嶽山の噴火以降、蔵王温泉も風評被害を受けている。 蔵王温泉は火口から 5 - 6 キロと規制区域内ではないので、お客様に正しい情報を提供したい。」と話した。 (asahi = 4-13-15)


地銀、やまぬ再編 四国のトモニ、関西の大正と統合交渉

地方銀行の新しい再編計画が 6 日、明らかになった。 香川銀行と徳島銀行の持ち株会社トモニホールディングス(高松市)と、三菱 UFJ フィナンシャル・グループ系の大正銀行(大阪市)の統合構想だ。 人口減少に伴うジリ貧を避けようと、地銀もメガバンクも、地域金融の将来像を模索している。 トモニと大正銀は 6 日、「現時点で決定している事実はない」としつつ、「経営統合についての検討を行っていることは事実」とのコメントを出した。

トモニは 2010 年に香川銀と徳島銀が県境を越えて統合した地銀グループ。 大正銀は、三菱 UFJ が発行済み株式の約 25% を持つグループ会社だ。 三菱 UFJ が持つ大正株をトモニ株と交換し、16 年春にもトモニが大正銀を傘下に置く案が有力になるとみられる。 統合が実現すれば、単純合算で総資産は約 3 兆 3 千億円(14 年 9 月末)、店舗数は約 200 と、第二地方銀行の上位に迫る。 (内山修、神沢和敬、asahi = 4-7-15)


はや新茶の出番です 屋久島で摘み取り開始

全国の茶どころに先駆けて、「走り新茶」の摘み取りが鹿児島県の屋久島で始まった。 県内の新茶は、静岡や京都などの産地に比べて半月から 1 カ月ほど早く生産が始まる。 温暖で、(鹿児島)県内でも最も早い屋久島と種子島の新茶は、全国的に人気が高い。 島東部の小瀬田地区にある「屋久島八万寿茶園」では、直射日光よけの黒いシートが早朝に外され、畑の新茶の葉がまぶしく輝いた。 福岡ドームほどの広大な畑で摘まれた茶葉はすぐに工場へ運ばれ、次々と加工された。 (屋久島通信員・武田剛、asahi = 4-3-15)


ベンチャー、地方をめざす 安いコスト・会社は間近

会社をおこし、育てるのなら地方で。 そう考えるベンチャー企業が目立ってきた。 コストが安く、豊かな自然に囲まれて社員は仕事も暮らしも充実できる。 働く場が広がれば地域全体が活気づくと、自治体も起業支援に力を入れる。 人口 7,500 人の徳島県美波町。 社内文書の流出防止サービスを手がけるサイファー・テックは、ここに本社を置く。 目の前は太平洋へとつながる漁港、周りは山々が連なる。

エンジニアの住吉二郎さん (38) は、東京の IT 企業からの転職組で、家から職場までは車で 5 分だ。 夏は趣味のサーフィンを楽しんでから出勤する。 「集中してしっかり働き、阿波踊りの練習や消防団の仕事もある。 東京より忙しい。」と、通勤に往復 2 - 3 時間かかった 3 年前と一変した生活に満足そうだ。 社長の地元でもある美波町に創業 10 年を過ぎた 2013 年に本社を移し、いま社員は 20 人を超える。 3 年前の約 3 倍で、平均年齢は 35 歳。 東京では知名度がなく、技術者が集まらなかった。

吉田基晴社長 (43) は「地方志向の若者に魅力的な会社に、という逆の発想に至った」と話す。 客の 9 割は首都圏にいるが、東京オフィスを営業拠点に本社の社員も商談に「同席」するなどしてカバーする。 業績も増収増益が続く。

ネットでの買い物サイトの開設を支援するアラタナの本社は、宮崎市だ。 首都圏と比べて家賃などが低い。 その分はシステム開発費などに充てられる。 「宮崎に 1 千人の雇用をつくる」が目標で、東京の営業所は閉じた。 100 人を超える従業員の 3 割は県外出身者だ。 ベンチャーの多くはネットなど IT を駆使し、以前ほど拠点を置く場所にしばられにくくなった。 地方は都会よりも物価が安く抑えられ、職住近接だから、仕事と生活の両立を重視する若者たちもひきつける。(篠健一郎、稲田清英)

自治体、「未来の担い手」支援

事業を成長させるのは簡単ではない。 自治体はベンチャー企業を「地方創生」の担い手と期待し、支える体制づくりを急いでいる。 体調管理用のスマホアプリを開発して近く起業する西村彰人さん (30) は、福岡市の繁華街にある大型書店「ツタヤブックストア天神」に週 2 回ほど通う。 3 階にある「スタートアップカフェ」で、事業計画のつくり方や資金集めについて、中小企業診断士らに無料で相談を受ける。 カフェは、起業家支援を目的に福岡市が昨秋につくった。

3 年前、東京で化粧品のネット通販を始めたが客は増えず、資金繰りに行き詰まった西村さん。 「福岡は行政の支援が手厚く、起業家のつながりも強い。」 移り住んで再起をめざす。 福岡市では、起業の割合を示す開業率が、03 年度の 5.7% から 13 年度は 7.1% に伸びた。 起業家が中学生らに体験を語る学校訪問も始めた。 さらなる呼び込みに期待は大きい。

知事自らが起業経験を持つ広島県では、販路の広げ方や会計の知識などを専門家が集中指導するセミナーなどを開いている。 11 年の震災後に起業を志す人が増えたという仙台市は 19 日に国から「地方創生特区」に指定され、起業手続きを簡単にする計画だ。 日本総研の藤波匠主任研究員は「ベンチャーの可能性は大きい。 支援がすぐ成果に結びつくわけではないが、支援の効果を検証しながら粘り強く続けることが必要だ。」と指摘する。(磯部佳孝、長崎潤一郎、asahi = 3-24-15)


「ケツバットガール!」 ドカベンのフルスイングを受ける女性たち

「ケツバットガール」と呼ばれるウェブサイトが今、注目を集めている。 新潟市の古町 5 番町にある、漫画「ドカベン」の銅像の前で、女性がポージングして撮った写真が面白いと評判なのだ。 仕掛けたのは新潟市在住の写真家・西原伸也さんだ。 企画について聞いた。

- - この企画が始まった経緯は?

もともと、Tumblr などに上がっている、少し酔った女の子や友達同士でテンションの上がった女の子が悪ふざけをしている画像が妙に平和的に思えて好きでした。 僕は去年の 9 月に新潟に引っ越しをしてきたのですが、たまたま会社近くの古町通りを歩いていた時にこの銅像を見つけて、この銅像を使えば僕が好きなシュチュエーションが女の子にも伝わりやすいので、僕が好きな写真が撮れるんじゃないかと思いました。

今の仕事で素人のモデルさんなどを撮影する機会があるのですが、僕の勝手なイメージで冷たい感じに思ったりしてたのですが、実際は無邪気であったり気さくな子がたくさんいて、その無邪気であったり気さくであったりする部分を僕が見たかったし、見せたかったことがきっかけです。 それで撮影を始めると、思った以上に参加してくれた人も見てくれた人も喜んでくれたので、これはやり方によっては、みんなが遊べるコンテンツになるのではないかと考えました。

撮影している新潟の古町は以前は活気のある町だったそうですが、今はあまり人通りもなく、少し寂しい町です。 でも、もしかしたら小さいことですが、楽しみを作ってあげられれば、ちょっとくらいは古町にも足を運ぶきっかけにもなるんじゃないかと思い、少しわかりやすくコンテンツ化することにしました。 古町にはこの銅像の他にも、沢山の銅像があるので、それは遊びに来た人がまた面白いことを考えてスマホで撮って楽しんでくれたらいいなって思ってます。

- - モデルとなっている女性は、どのような方ですか?

美容院とコラボした作品をフリーペーパーにする仕事をしているので、基本的には、そのモデルさんやサロンのスタッフに協力してもらっています。 あとは知り合いに紹介して頂いたり、参加してくれた女性からまた紹介してもらう形を取っています。

- - どの写真も表情や動きが素敵なのですが、いい写真を撮るためにこだわっている点は?

撮影をするときに心がけているのは、表情とポージングです。 基本は「待っている、撃たれてる、吹っ飛んでいる」に分けて、初めは自由にやってもらった後に、僕の方で指示を出させてもらっています。 指示としては表情もポーズもやりきって欲しいということを伝えて、実際に僕が手本を見せたりしています。 あとはスマートフォンで見ることを意識しているので、一枚一枚に強弱をつけるというか、落とし所や抜きどころを考えて撮影しています。

あとはケツバットガールのイメージ付けをしたいと思っているので基本的に決めたレンズでフラッシュは直当てで撮影しています。 これを見た人が「私も撮ってみたい」と思えるようにイメージを作っているつもりで、実際にスマホで撮影すると多分ブレた面白い写真がたくさん撮れると思うので、そこの部分は遊びに来た人が楽しめるように残しておこうと思っています。 (The Huffington Post = 3-23-15)


「ロマンシング佐賀 2」、今度はラッピング列車が登場

大手ゲーム製作会社スクウェア・エニックスの人気ゲーム「サガ」シリーズと県のコラボレーション企画「ロマンシング佐賀 2」のイベントとして、ゲームのキャラクターを描いたラッピング列車が 21 日、JR 佐賀駅を出発した。 ゲームのキャラクターデザインを担当した小林智美さんのイラストが 2 両編成のディーゼルカーに描かれており、唐津線と筑肥線の佐賀 - 西唐津と西唐津 - 伊万里間を随時運行する。

出発式には小林さんと、シリーズの生みの親である同社の河津秋敏エグゼクティブプロデューサーが出席。 出発進行を告げた河津さんは「佐賀とサガのダジャレで持ちかけたコラボを、まじめに受けていただいたから列車にまでなった。 バカなことほど大まじめにやるから面白い。」 6 月 28 日まで運行する。(大野宏、asahi = 3-22-15)


ブドウ・甲州「全量契約栽培」に ワイナリー 77 社が農家支援

県ワイン酒造組合は 20 日、所属する県内のワイナリー 77 社で、山梨を代表するブドウ品種の「甲州」をワイナリーが全て買い取る「全量契約栽培」にすると発表した。 近年の国産ワインの需要拡大に伴い、生産の拡大が期待できる一方で、農家の後継者不足などによって 1992 年には約 920 ヘクタールあった県内のワイン用ブドウの栽培面積は半分近くまで減っている。

これまでは、ブドウはワインの売れ行きによって大幅に価格変動し、余っていればワイナリーは買い取らないこともあった。 組合では、「全量契約栽培」により、農家は価格変動の影響を受けにくくなり、安心してブドウを増産してワイナリーに安定供給することができ、収入も安定する仕組みになるとしている。 組合では、ワイナリー側から農家に定期的に指導をするなどして品質を担保したり、ブドウが余れば組合が別のワイナリーを紹介したりするなどとしている。 (yomiuri = 3-21-15)


USJ、沖縄に第 2 パーク建設へ 映画以外をテーマに

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市此花区)は 18 日、2 カ所目のテーマパークを沖縄県内につくる方針を明らかにした。 オープンの時期や具体的な場所については決まっていないが、規模は USJ より小さく、映画以外をテーマにする。 USJ 運営会社のグレン・ガンペル社長はこの日の記者会見で「まだ初期段階で、固まっているわけではない」としたうえで「沖縄の消費者やゲストの皆様をより理解して、沖縄の場所に合ったものを展開したい」と話した。

大阪市内にある USJ は大規模な増築が難しいため、成長に向けて第 2 パークを建設しようと、沖縄やアジアで候補地を探していた。 中でも沖縄は県や、候補地の一つとされる名護市などが猛アピール。 沖縄の振興策の目玉がほしい政府も積極的で、USJ 幹部に直接会ったという菅義偉官房長官はこの日「政府もバックアップ体制をとりたい」と話した。

USJ は昨年 7 月にできた映画「ハリー・ポッター」の新エリアが好調で、2014 年度の来園者数は過去最高を更新中。 ガンペル社長は、USJ 内にある恐竜映画をテーマにした「ジュラシック・パーク」エリアに 16 年春、新しいジェットコースターを約 100 億円かけてつくることも明らかにした。 (西山明宏、asahi = 3-18-15)


上熊本駅高架開業で式典

JR 上熊本駅(熊本市西区)を含む鹿児島線上下 10 キロ区間の高架が 14 日開業し、同駅で記念式典が開かれた。 熊本県や市、JR 九州の関係者約 250 人が出席した。 同区間は平成 13 年度から進められた高架化事業の一環で、13 カ所の踏切がなくなり、周辺の交通渋滞の解消が期待される。

同時に建設された上熊本駅は工業デザイナー、水戸岡鋭治氏が駅舎デザインを手掛けた。 2 階建てで、駅正面の風よけに県産ヒノキを使用し、「森の都」を表現した。 改札がある 1 階の壁はレンガ、天井に松材を用い、2 階ホーム(長さ 153 メートル)の床はウッドデッキを採用、天井にも県産杉を使っている。

ホームでは、出発式が行なわれ、一日駅長に任命された小学 6 年の 2 人の合図で列車が発車し、駅舎前でくす玉を割るなどして開業を祝った。 (sankei = 3-15-15)


侍屋敷が歴史館に 日光金谷ホテル創業時の建物

現存する日本最古のリゾートホテルとされる日光金谷ホテルの創業時の建物で、国登録有形文化財の「金谷侍屋敷」を改装した「金谷ホテル歴史館」が 29 日、日光市本町にオープンする。 13 日、関係者向けに内覧会があった。

同ホテルは 1873 年創業。 その 2 年前、ヘボン式ローマ字の創設者、ヘボン博士 (1815 - 1911) が、日光東照宮の楽人で笙(しょう)の奏者だった創業者の金谷善一郎 (1852 - 1923) の自宅に泊まったのがきっかけだった。 博士の進言で武家屋敷を改築し、外国人専用民宿としてホテルの前身「カナヤ カッテージイン」が開業。 侍屋敷の愛称で呼ばれた建物は、創業から 20 年使われた。

侍屋敷は、少なくとも 17 世紀後半には建築されたとされる。 刃傷沙汰を防ぐため天井が低く、緊急時に階下に降りる脱出口もある。 開業 5 年後の侍屋敷の様子を、英国の旅行家イザベラ・バード (1851 - 1904) は日本奥地紀行で「家の内にあるもののすべてが目を楽しませてくれる」と絶賛した。 (服部肇、asahi = 3-14-15)


道内寒冷地技術、モンゴルへ ハウス栽培や省エネ住宅

道と中央政府、12 日に覚書

道は 12 日、モンゴル政府と実務者間で経済協力の覚書を交わす。 同国では気候が似ている北海道の企業の寒冷地技術に関心が高く、道は建設、農業分野での技術協力を通じ、将来的な企業進出の下地をつくる狙い。 道によると、海外の中央政府と協力関係の覚書を結ぶのは珍しいという。 道経済部や道内企業などでつくる訪問団が首都ウランバートルを訪れ、同国のエネルギー省、食糧・農牧業省の幹部職員と覚書に署名する。 モンゴルは昨年、静岡県とも経済協力の覚書を交わし、主に農業分野の人材交流を行っている。

道側は当面、国際貢献との位置付けで、モンゴルの研修生受け入れや道内研究者の同国派遣を通じた技術協力を行う考え。 訪問団代表の小玉俊宏・道経済部国際経済室長は「道内企業が強みを持つ寒冷地技術を将来的にビジネス展開するきっかけにしたい」とする。 主な協力の対象は、寒冷地農業と建設・エネルギーの 2 分野。 農業分野では、冬季に野菜栽培が難しいモンゴル側の需要を踏まえ、地中熱を利用したビニールハウス栽培や、野菜貯蔵に関する技術協力を想定している。

建設・エネルギー分野では、高断熱の省エネ型住宅や、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーの普及を支援する方向。モンゴルでは暖房用の燃料に石炭が多く使われ、大気汚染が深刻化しており、こうした課題の解決につながることも期待されている。 (北海道新聞 = 3-7-15)


英国で日本酒を販売側に PR 和食店以外にも広める必要

【ロンドン】 人気の高まる日本酒への理解を深めてもらおうと、ロンドンの日本大使館で 5 日、英国の飲食店関係者や販売業者らを招いた PR イベントが開かれた。 消費者ではなく「販売側」を対象にしたイベントは珍しいという。

前半にシンポジウムが開かれ、在英の日本酒専門家らが日本酒の陳列の仕方や客への勧め方など実践的知識を紹介。 試飲会では、数十人の参加者がさまざまな日本酒と洋風創作料理との "ペアリング" を楽しんだ。 日本貿易振興機構(ジェトロ)と日本酒造組合中央会、日本大使館が共催。 ジェトロ担当者は「消費は伸びているが、和食以外の飲食店にも広めることが必要」と指摘。 (kyodo = 3-6-15)