ボーイング 787 型機、248 日継続通電で電力停止の恐れ = 米当局 米連邦航空局 (FAA) は、航空機大手ボーイングの 787 型機を運航する航空会社に対し電力系統のスイッチを定期的に切るよう指示すると明らかにした。 787 型機は 248 日間継続して通電されると、出力調整装置が発電機を停止する可能性があるという。 FAA は、急に電力が停止した場合、航空機が制御不能になる危険があると説明した。 ボーイングは現在、問題に対処するため航空機システムのソフトウエアの更新プログラムを開発中。 FAA によると、今回の指示の対象となるのは米国内の 28 機。 (Reuters = 5-1-15) ボーイング 787 の 2013 年出火事件、設計の欠陥原因 = 米当局 [ワシントン] 米運輸安全委員会 (NTSB) は 1 日、2013 年にボーイング 787 型ドリームライナーのリチウムイオン電池から出火した問題で、原因は設計の欠陥にあったとの見方を示し、認証されるべきではなかったとして連邦航空局 (FAA) を批判した。 NTSB の報告によると、GS ユアサが製造した同電池が内部でショートし、セルが熱暴走。 これによって可燃物がバッテリーケースの外部に排出され、出火につながったとしている。 また調査では、異物の存在や、欠陥を確実に検出することができない検査プロセスなど、ショートを引き起こしたとみられる設計・製造上の問題が複数見つかったとしている。 問題の出火は昨年 1 月、米ボストン・ローガン国際空港で駐機していた日本航空のボーイング 787 型機で起きた。 乗客・乗員は降りた後で、けが人はなかった。 その後、同月に再び全日本空輸 (ANA) 機でもバッテリーの異常が発生。 同機が緊急着陸する事態となった。 NTSB は、ボーイングがバッテリーの安全評価で熱暴走の可能性を排除したことを批判した。 さらに FAA に対しても、危険性について十分調査せずバッテリーを認証したとして批判。 航空業界と FAA のエンジニアに示している、新技術を含む安全評価ガイダンスについて改善を求める意向を示した。 (Reuters = 12-2-14) B787 バッテリー発煙、原因特定至らず 安全委報告書 全日空のボーイング 787 型機が昨年 1 月、山口宇部から羽田への途上でバッテリーから発煙し、高松空港に緊急着陸したトラブルで、国の運輸安全委員会は 25 日、冬の寒さによるバッテリーの劣化や瞬間的な高電圧が重なり、内部がショートした可能性があるとする調査報告書を公表した。 ただ、発端と考えられる現象の痕跡は見つからず、原因特定には至らなかった。 p class="script">787 型機には、旅客機では初めてリチウムイオンバッテリーが本格採用され、GS ユアサ(京都市)が製造。 バッテリー内部を満たす電解液は、低温で粘り気を持ち、電気を伝えるリチウムイオンがスムーズに動けなくなって、金属リチウムとして、電極の表面にとげ状に付着する「析出(せきしゅつ)」が起きやすい特性があった。 充電時などに瞬間的な高電圧がかかったことなども加わり、プラスとマイナスの電極が金属リチウムでつながり、ショートして過熱したと推定した。 p class="script">今回、電池内部が熱で溶け、析出の痕跡は確認できなかった。 だが米国家運輸安全委員会は検証試験で析出に似た現象を確認。 787 型機の同種トラブルは日米でほかに 2 件あり、ともに 1 月に発生していることから、日本の運輸安全委は全日空機でも「低温で『析出』が発生した可能性がある」と判断した。 (工藤隆治、asahi = 9-25-14)B787 機の出火バッテリー「安全審査が不十分」 ボーイング 787 型機で起きたバッテリートラブルで、米国家運輸安全委員会 (NTSB) は 22 日、米連邦航空局 (FAA) がバッテリーの安全性を認可した時の審査が不十分だったという報告書をまとめた。 今後、航空機に新しいテクノロジーを導入する場合は、航空業界外の専門家の知識を活用することなどを求めている。 NTSB は、昨年 1 月にボストンで日本航空の 787 型機のバッテリーから出火した事故について調査を続けている。 報告書は、最終的な出火原因の調査がまだ続いているとしたうえで、8 個のリチウムイオンバッテリーのうちの 1 個でショートを起因に、電池内で発熱が制御できなくなる「熱暴走」が起き、この結果周辺のバッテリーでも熱暴走が発生し、煙が上がったとみられると分析。 バッテリーを製造した GS ユアサ(京都)の実験データなどを元に、ボーイング社が「起きない」と想定していたタイプのトラブルだったと指摘した。 (ニューヨーク = 中井大助、asahi = 5-23-14) 日航機、ホノルルに緊急着陸 B787 型エンジン故障か 羽田発サンフランシスコ行き日本航空 002 便(ボーイング 787 型)が飛行中、右エンジンの潤滑油の圧力と油量が低下したと表示され、日本時間の 9 日午前 8 時 43 分(現地時間の 8 日午後 1 時 43 分)、ハワイ・ホノルル空港に緊急着陸した。 乗客・乗員計 171 人にけがはなかった。 日本航空によると、同便は 8 日午前 0 時 3 分に羽田を出発。 B787 で同種のトラブルは初めてという。 (asahi = 3-9-14) B787 「主翼にひびの恐れ」 引き渡し前の機体 三菱重工が通知 【ニューヨーク = 杉本貴司】 米ボーイングは 7 日、新鋭中型機の「787」の主翼に小さなひびが生じる恐れがあるとして、調査を始めたことを明らかにした。 主翼の製造元である三菱重工業が製造過程を一部変更したことが原因とみられ、同社がボーイングに通知した。 製造中の 787 は納入が遅れる可能性もある。 すでに航空会社が運航している機体についてはひびが生じる可能性はないとしている。 787 の主翼は炭素繊維の複合材を素材に、三菱重工が大江工場(名古屋市)で製造。 米ワシントン州とサウスカロライナ州にあるボーイングの工場に供給している。 ネジを締める際に、主翼の骨組みにあたる「リブ」にごく微細なひびが入る可能性があるという。 三菱重工は「不適合が生じる可能性がある部品はすべて航空会社への引き渡し前のものである」とした。 ボーイングも「運航中の機体についてはこのような問題は生じないと自信を持っている」と説明している。 ボーイングは 7 日発表した声明で「問題は把握しており、対応は 1 - 2 週間で済む」としたうえで「(当面は)納入遅れが発生するかもしれないが、2014 年の納入計画に変更はない」と影響が軽微であることを強調した。 同社は 787 の生産能力を引き上げ、月間 10 機を生産している。 787 を巡っては昨年 1 月に日米で電池から煙が出るトラブルが続発。 米連邦航空局 (FAA) や日本の国土交通省が運航の一時停止を命じた経緯がある。 現在もその原因は分かっていない。 その後も燃料漏れなど不具合が相次ぎ発覚し、利用客の不信を招いた。 (nikkei = 3-8-14) 日航 B787 型機、また発煙 バッテリーから 改修後初 14 日午後 4 時 15 分ごろ、成田空港で出発準備中の日本航空のボーイング 787 型機の胴体下から煙が出ているのを整備士が見つけた。 機体前方下部にあるメーンバッテリーが過熱し、液体が飛び散っていた。 昨年 1 月に全日空機で発煙したのと同じバッテリーを全面改修したもので、国土交通省が原因調査を始めた。 改修後の発煙は初めて。 日航によると、トラブルがあったのはバンコク行き 707 便。 整備士が白煙を見つけ、コックピットにはバッテリーと充電器の不具合の表示が出ていた。 バッテリーを覆う金属製の格納容器が過熱しており、容器内では八つある電池(セル)の一つの安全弁が作動して、電解液とみられる液体が飛び散っていたという。 乗客の搭乗前でけが人はなかった。 国交省は同日、機体の製造国である米連邦航空局 (FAA) に連絡。 日本の運輸安全委員会やボーイング社も交え、バッテリーを分解して原因を調べる。 電圧の低下が電池 1 個分だったことなどから、国交省は「運航の安全に影響を及ぼす事態ではなかったのでは」とみており、日航と全日空は 15 日初便から通常通り運航を続けている。 (asahi = 1-15-14) 日航 B787 でエンジン不具合の恐れ … 4 路線で機体変更 日本航空は、ボーイング 787 型機について飛行中にエンジンに不具合が生じる可能性があるとして、シンガポールなどの 4 路線で機体を変更すると発表しました。 日本航空によりますと、ボーイング 787 型機で積乱雲が活発なエリアを飛行すると、エンジンの機能が低下して減速する可能性があるということです。 エンジン内部に入った大気中の小さな氷は、通常、熱によって溶けるように設計されていますが、日本航空の 787 型機では、一度、溶けた後で、再び氷になる可能性があり、エンジンに影響が出る恐れがあるということです。 このため、日本航空は、赤道付近の積乱雲を避けるためにシンガポールやシドニーなどの 4 路線で機体を変えて運航すると発表しました。 同じく 787 型機を保有している全日空は、ほかのメーカーのエンジンを使っているため、問題ないということです。 (ANN = 11-23-13) 787 バッテリートラブル = 不具合表示、飛行影響なし - 日航 日本時間 9 日午前 3 時ごろ、ヘルシンキ発成田行きの日本航空 414 便ボーイング 787 型機がロシア上空を飛行中、補助動力装置のバッテリーの不具合表示が出た。 操縦に影響がなかったため同機は飛行を続け、午前 9 時 20 分ごろ成田空港に着陸した。 乗客乗員 191 人にけがはなかった。 日航によると、このバッテリーは補助動力装置を始動する電気をためるもので、機体後部の貨物室近くにある。 到着後にバッテリーを交換したところ、表示は消えたという。 (jiji = 11-9-13) B787 出火事故、救命無線機めぐり改善命令 米航空局 【ワシントン = 山川一基】 ロンドンの空港でエチオピア航空のボーイング 787 型機が出火した事故を受け、米連邦航空局 (FAA) は 25 日、火元だと指摘された据え付け式の救命無線機 (ELT) を、取り外すか点検することを航空各社に求める改善命令を出すことを明らかにした。 命令は 26 日付。 米国で登録されている 6 機が対象で、保有する航空各社は 10 日以内に対応しなければならない。 ELT は、墜落時に位置を知らせる信号を発信する装置で、787 型機に搭載されているのは米ハネウェル製。 英航空事故調査委員会 (AAIB) はこの ELT を使用停止にするよう FAA に勧告していた。 世界各国の航空当局も FAA に続いて同様の措置を出すとみられる。 787 型機を保有する全日本空輸と日本航空は、FAA の判断などに従う方針をすでに表明している。 (asahi = 7-26-13) JAL、ボストン発の B787 に不具合表示 空港に戻る 【ニューヨーク = 中井大助】 18 日午後、米ボストン発成田行きの日本航空 007 便(ボーイング 787 型機)が整備のため、離陸後に再びボストンへ引き返すトラブルがあった。 ボストンのローガン空港によると、不具合を示す表示があったための予防的な措置で、問題なく着陸したという。 AP 通信によると、燃料ポンプに問題が起きている可能性があることを示す表示が出たという。 007 便は 18 日午後 1 時ごろに離陸。 着陸のために燃料を使った後、午後 6 時ごろに着陸した。 (asahi = 7-19-13) B787 出火、無線機のバッテリーが原因か 英航空当局 【ロンドン = 伊東和貴】 ロンドンのヒースロー空港で起きたエチオピア航空のボーイング 787 型機の出火事故について、英航空事故調査委員会 (AAIB) は 18 日に発表した中間報告書で、墜落時などに位置を知らせる信号を発信する航空機用救命無線機 (ELT) のバッテリーが原因になった可能性を指摘した。 B787 に搭載された米ハネウェル社製の ELT の使用を停止し、ELT を使っている他の航空機でも安全検査を行うよう勧告した。 AAIB は、ELT のマンガンリチウムバッテリーが発火の原因になった可能性を指摘している。 発火がバッテリー内部からの放電か、電気ショートによるものかは不明としている。 報告書によると、ELT は B787 の機体後方の客室天井の裏側に設置されていた。 ハネウェルはこの ELT を約 6 千個製造しており、様々なタイプの航空機に搭載されているという。 B787 は日航機と全日空機でバッテリーを巡るトラブルが相次いだため、1 月から約 3 カ月間運航を停止。 バッテリーを改修し、4 月に運航を再開していた。 (asahi = 7-19-13) B787 型機、出火は全電源オフ後 英航空当局 【伊東和貴 = ロンドン、工藤隆治】 ロンドンのヒースロー空港で 12 日に起きたエチオピア航空のボーイング 787 型機の出火事故で、英航空当局などは 13 日、バッテリーが火元になった可能性も含め、出火原因の解明を続けた。 787 型機はバッテリーを巡るトラブルで 1 月に全世界で運航停止に追い込まれ、4 月に運航を再開したばかりだった。 エチオピア航空によると、この航空機は 12 日朝にヒースロー空港に到着。 機内の清掃をすませ、機体の内部と外部にある全電源をオフにし、駐機して 8 時間以上たってから煙が感知されたという。 同航空は「飛行の安全性とは関係ない」としており、今後も 787 型機の運航を続ける。 テレビ映像でみると、機体後部が焼け焦げているのが分かるが、日米で発火・発煙した 787 型機のバッテリーは、機体前部と中央の機体下にある電気室に一つずつ収納されている。 (asahi = 7-14-13) B787 型機、英ヒースロー空港で出火 トラブル相次ぐ 英国ロンドンのヒースロー空港で 12 日、駐機していたエチオピア航空のボーイング 787 型旅客機「ドリームライナー」の機内で火災が発生した。 同空港によると、この火災による負傷者は出ていないが、約 1 時間に渡って滑走路が閉鎖されたという。 今のところ火災原因や出火場所などの詳細は不明で、米国の航空専門家らが調査を行っている。 また同日、イングランド・マンチェスターから米国フロリダに向かっていた英トムソン航空のドリームライナーにも「技術的問題」が発生し、同機は「予防措置」としてマンチェスターに引き返した。 トムソンは現在機体を調査中としているが、詳細は明らかにしていない。 2011 年に運航を開始したドリームライナーは、今年 1 月、新たに導入された軽量リチウム・イオンバッテリーのトラブルが発覚し、世界各国で運航中の 50 機すべてが運航停止となったが、ボーイングが解決策を講じた結果、今年 4 月に運航が再開された。 このバッテリーがエチオピア航空機の火災原因であるか否かは不明だが、エチオピア航空によると、同機は火災発生前に 8 時間以上、ヒースロー空港に駐機していたという。 米連邦航空局 (FAA) は、事故原因の調査のためヒースロー空港に「局員」を派遣するとしている。 また米国家運輸安全委員会 (NTSB) も調査を支援するため、同空港に代表を派遣すると発表した。 (CNN = 7-13-13) B787 機、トラブルで緊急着陸 米国発成田行き便 【ニューヨーク = 中井大助】 18 日午後(日本時間 19 日朝)、米デンバーから成田空港に向かっていたユナイテッド航空のボーイング 787 型機が機体トラブルを起こし、午後 4 時(日本時間 19 日午前 8 時)すぎ、米シアトルに緊急着陸した。 ユナイテッド航空によると、オイルフィルターに問題があるという表示があったが、着陸は問題なかったという。 問題が起きたのは、ユナイテッド航空 139 便。 米メディアなどによると、一度太平洋上空まで出た後に、シアトルに引き返したとみられる。 デンバー - 成田の直行便は、バッテリートラブルを受けて運航が止まっていた 787 型機を使った最初の国際線として、ユナイテッド航空が 10 日に就航したばかりだ。 (asahi =6-19-13) B787、トラブルで欠航 ANA 便、山口宇部空港で 12 日午前 8 時ごろ、山口宇部発羽田行き全日空 692 便(ボーイング 787 型機、乗客 141 人)の補助動力装置が起動せず、コックピットに複数のエラーメッセージが出た。 午前 9 時ごろには、右側エンジンがかからなかった。 同便は欠航し、乗客を別の便に振り替えた。 全日空によると、いずれもトラブルの原因はわかっておらず、状況を詳しく調べている。 (asahi = 6-12-13) B787、羽田離陸後にエンジン不具合 空港に戻る 11 日午前 1 時半ごろ、羽田空港を離陸直後の日本航空のシンガポール行きボーイング 787 型機で、左エンジンの不具合を示す計器表示が出たため、同機は羽田に引き返した。 日航によると、エンジンの着氷を防ぐ装置に不具合があり、部品を交換した。 一連のトラブルで改修したバッテリーとは関連がなく、運航上の安全に問題はなかったという。 155 人いた乗客は別の 787 型機に乗り換え、約 6 時間遅れで再出発した。 (asahi = 6-11-13) B787 欠航、エンジン関連不具合 ANA 福岡 - 羽田便 10 日午後 3 時 5 分ごろ、福岡発羽田行き全日空 (ANA) 258 便(ボーイング 787 型、乗客・乗員計 242 人)が駐機場から滑走路に向かう途中、不具合が発生し、欠航した。 ANA は「エンジン関連の不具合が判明した」と説明し、状況を詳しく調べている。 バッテリートラブルで運航停止となり、今月から定期便の運航を 4 カ月半ぶりに再開した 787 型機だが、ANA は「原因はバッテリー関連ではない」としている。 部品交換に時間がかかると判断して欠航したといい、乗客 233 人は全員、別の便に振り替えたという。 福岡空港では、機体の左側エンジンを整備士が点検する様子がみられた。 (asahi = 6-10-13) B787、日本での運航再開 ANA 便 4 カ月ぶり バッテリートラブルで運航を停止していたボーイング 787 型機が 26 日、4 カ月ぶりに日本での営業運航を再開した。 全日空の臨時便が午後 5 時過ぎ、北海道・新千歳空港から出発、約 1 時間半後に東京・羽田空港に到着した。 トラブルの原因は特定されていないが、航空会社がバッテリーを改修し、国土交通省が安全と判断して運航再開を認めていた。 第 1 便の出発前、新千歳空港の出発ゲートでは、全日空の伊藤博行副社長が「万全の準備を整えた。 空の旅を楽しんでいただきたい。」とあいさつ。 乗客 218 人が搭乗した。 全日空によると、飛行中にトラブルはなかったという。 (asahi = 5-26-13) 全日空、B787 を試験飛行 「6 月 1 日の再開めざす」 【木村聡史、工藤隆治】 全日空 (ANA) は 28 日、ボーイング 787 型機の運航再開に向け、国内で初めてとなる試験飛行をおこなった。 改修を終えたバッテリーの確認のためで、2 時間飛行したところ、問題はなかったという。 同乗した伊東信一郎会長は「6 月 1 日から定期便に投入したい」と表明した。 1 月、バッテリーから発煙した全日空機が緊急着陸した。 これが直接のきっかけになって、同型機は世界で運航が止まった。 まだ、原因は特定できていない。 ただ、米国の当局は、バッテリーは改修されて多層的な安全装置を施されており、大事故は起きないとして、運航再開を許可した。 国土交通省も 26 日、これを追認した。 ボーイングはバッテリーの耐熱性を高めて排煙機能付きの容器に収め、もし煙が出ても機内に充満しない改良をしたと説明している。 日本航空も 6 月の再開をめざし、近く試験飛行に入る予定だ。 (asahi = 4-28-13) 米、B787 運航停止解除 国交省も予定 6 月にも再開 【ワシントン = 山川一基、稲田清英】 米連邦航空局 (FAA) は 25 日、バッテリーのトラブルが相次いで運航を停止した米ボーイング 787 型機について、運航停止措置の解除を公表した。 日本の国土交通省も続いて停止措置を解除する予定で、全日本空輸や日本航空は 6 月にも 787 の運航を再開する見通しになった。 FAA によると、解除するのは 26 日。 事故を防ぐための新たなバッテリーの「手引」も公表した。 航空各社はこれに従ってバッテリーを改善し、FAA が確認後、運航を再開できる。 (asahi = 4-26-13) B787 の運航再開へ 新バッテリーを米当局が承認 【ワシントン = 山川一基】 米連邦航空局 (FAA) は 19 日、米ボーイング 787 型機のバッテリーについて、出火トラブルを防止する新たな設計を承認したと発表した。 787 型機の運航再開を実質的に認めたことになる。 FAA は来週、正式な認可手続きをする。 新バッテリー搭載の指導書を公表し、各航空会社はそれに従ってバッテリーを交換する。 新バッテリーが適切に搭載されたことを FAA が確認した後、787 の運航が再開される。 新設計について FAA は「バッテリー、バッテリーのセル、航空機、いずれをとってもリスクに対応できるものだ」としている。 (asahi = 4-20-13) ボーイング 787、運航再開へ 米当局、来週にも認可 米連邦航空局 (FAA) が来週中にも、米ボーイング 787 型機の運航再開を認める見通しであることが 18 日わかった。 FAA の意向はすでに国土交通省に伝えられており、同省も全日空と日本航空に運航の再開を認める方針だ。 国交省の認可が出れば、全日空と日航は 6 月から順次、運航を再開する方向で準備を進めている。 FAA と国交省は、運航停止のきっかけになったバッテリーの不具合について、原因はまだはっきりしていないが、重大事故につながらないようにする措置にめどが立ったと判断しているものとみられる。 787 型機はバッテリーの出火トラブルにより、1 月中旬から全世界で約 50 機が一斉に運航を停止していた。 ボーイングはバッテリーの設計を見直し、新しいバッテリーを積んだ 787 型機の試験運航を今月 5 日に終えた。 FAA はボーイングが提出した試験結果のデータなどを詳しく調べている。 (asahi = 4-18-13) 改良 787、最後の試験飛行 米航空局、運航再開判断へ 【ニューヨーク = 畑中徹】 米航空機大手ボーイング社は 5 日、バッテリーからの出火トラブルで運航が止まっている 787 型機の試験飛行を実施した、と発表した。 設計を変更し、改善を進めている新しいバッテリーをのせた機体で、問題がないかどうかを調べたという。 改善した機体はこの日、米西部ワシントン州内を中心に 2 時間ほど飛行した。 同社は 3 月下旬から、改善機体での試験飛行をしてきたが、「今回が最後の試験飛行」としており、集めたデータを米連邦航空局 (FAA) に提出し、FAA が運航を再開するかどうかを決める。 今回の飛行には、FAA の担当者も同乗したという。 (asahi = 4-6-13) バッテリー内部に火花の跡 787 型機調査 運輸安全委 【工藤隆治】 ボーイング 787 型機が 1 月、高松空港に緊急着陸したトラブルで、運輸安全委員会は 27 日、炭化したバッテリー内部に火花が飛び、大電流が流れた可能性が高いと発表した。 バッテリーにつながる複数の外部機器には異常が見つからず、バッテリー本体を中心に原因究明を続ける。 787 型機のリチウムイオンバッテリーは GS ユアサが製造した。 運輸安全委によると、バッテリー内に 8 個ある電池(セル)のステンレス製のケースで、12 カ所に電気火花が飛んだ跡が見つかった。 この付近では、ケースに大小 10 個程度の穴が開いていた。 火花で溶けたとみられ、ケースの一部はバッテリーの外箱の部品と溶けてくっついていた。 一方、バッテリーにつながる電流の逆流防止装置や充電器など四つの外部機器を、製造元の米国とフランスのメーカーで調べたが、異常はみつからなかった。 ただ、充電器とバッテリーの相性が悪かった可能性もあるという。 トラブルの根本的な原因はわからず、調査を続ける。 (asahi = 3-28-13) 米 FAA、787 の試験飛行許可 改善バッテリー搭載 【ニューヨーク】 米連邦航空局 (FAA) は 12 日、バッテリーの重大トラブルで運航停止となっているボーイングの最新鋭旅客機「787」について、改善を施したバッテリーを搭載した試験飛行を許可した。 米メディアによると、ボーイングによる試験飛行が順調に進めば、4 月後半にも旅客を乗せた商業運航が再開できる見通し。 その場合、全日本空輸や日本航空も現在運休や機体変更を余儀なくされている路線の再開を速やかに進めるとみられる。 787 については 1 月中旬に日米当局などが運航停止を指示してから約 2 カ月が経過。現在 50 機が運航停止となっている。 (kyodo = 3-13-13) 米 NTSB が B787 の調査中間報告、発火原因なお特定できず 米運輸安全委員会 (NTSB) は 7 日、ボストン・ローガン国際空港で 1 月に起きたボーイング 787 型機のバッテリー発火事故をめぐる調査の中間報告を発表した。 ただ、発火原因の特定には至らず、運航再開への足掛かりとなる情報も提示されなかった。 NTSB は、787 型機のバッテリーシステムの設計および認証をめぐる公聴会とリチウムイオン電池技術全般に関するフォーラムを 4 月に開く方針を示した。 デボラ・ハースマン委員長は声明で「フォーラムや公聴会を通じて明らかになる情報は、リチウムイオン電池が持つリスクと利点への理解を NTSB および運輸セクター全体が深め、メーカーや規制当局が新技術の安全性をどう評価すべきかを明らかにする一助になる」と指摘した。 NTSB は、ボストン・ローガン国際空港で駐機していた 787 型機で発火したバッテリーの検証だけでなく、電池システムの認証および検査も含め、包括的な調査を実施している。 数百ページに及ぶ調査関連文書の一部として公表された「中間事実報告書」では、バッテリーに対し実施された検査の詳しい情報が提示されている。 一方で、発火の根本原因の特定には程遠いことも明らかになった。 NTSB はまた、システムの安全性と認証に焦点を当てているグループが、ボーイングとジーエス・ユアサ コーポレーション(GS ユアサ)、仏タレスによる検査・分析記録を検証していることを明らかにし、調査をめぐり依然として多くの作業が必要であることを示唆した。 報告書では、発火が報告される直前にバッテリーの機能に異常が生じていたことも示された。 フライト・レコーダーのデータから、バッテリーの電圧・電流が急激に変動していたことが分かったという。 ただ、設計上の 32 ボルトを超えた形跡はないとした。 着陸の約 21 分後に、3 秒間で 3 度にわたり電圧がゼロに下がった後 28 ボルトに上昇する現象が見られたとし、およそ 3 分後に地上整備員が操縦室に入り、客室内の煙を報告したとしている。 (Reuters = 3-8-13) B787、バッテリーの設計変更 長期間の運航停止も 【工藤隆治】 ボーイング 787 型機のトラブルで、国土交通省は 28 日、ボーイング社がバッテリーシステムの設計変更を含む改善策を示したと明らかにした。 リチウムイオン電池を使ったバッテリー本体と、充電器などの設計を見直す内容。 設計変更には米連邦航空局 (FAA) の承認が必要で、運航停止が長期化する可能性が出てきた。 ボーイングの民間航空機部門のレイモンド・コナー社長が同日、太田昭宏国交相を訪ねて説明した。 コナー社長は会見で「示した改善策は暫定的ではなく、恒久的な措置だ」と述べた。 国交省によると、ボーイングの改善策は FAA に示した内容と同じで、(1) バッテリー内に 8 個ある電池一つ一つの発熱を防ぐ、(2) 発熱しても隣の電池に熱が伝わるのを防ぐ、(3) 複数の電池が発熱しても機体の火災や煙の充満につながらないようにする - - というもの。 (asahi = 2-28-13) ボーイング、787 の改善案提示 電池の耐久性高める 【ニューヨーク = 杉本貴司】 米ボーイングは 22 日、運航停止となっている新型機「787」の改善案を米連邦航空局 (FAA) に提示した。 電池の耐久性を高めて異常な高熱の発生を防ぐ対策が柱となる。 発煙事故の原因究明を待たずに運航再開を目指す考えだが、FAA は電池のリスクを解消するまで再開を認めない方針を示した。 ボーイングのコナー民間機部門社長が 22 日、ワシントンで FAA のウエルタ長官に改善案を提示した。 同社は案の詳細を明らかにしていないが、(1) 8 つある「セル」と呼ぶリチウムイオン電池の間隔を広げ隔壁も耐熱材を使って強化し、高熱が伝わる「熱暴走」を防止、(2) )煙を機外に排出する構造を強化、(3) パイロットが各セルの状態を常時監視できるシステムを導入 - - などが柱となるもよう。 ボーイングは引き続きリチウムイオン電池を使用する考えを示している。 FAA は「航空の安全性が最優先。 提案が電池故障のリスクに対処できるという確信が持てない限り、787 の営業飛行を認めない」とする声明を発表した。 米運輸安全委員会 (NTSB) による事故原因の究明作業は難航しており、FAA がボーイングの改善案を取り入れて運航再開を許可するかは不透明だ。 (nikkei = 2-23-13) 成田の 787 型機燃料漏れ、塗装ミスが原因 国交省 ボーイング 787 型機で燃料漏れが2件続いたトラブルで、燃料タンクのバルブにコーティングのミスが見つかり、別のバルブでも異物が付着した可能性があったことが、国土交通省への取材でわかった。 これらのバルブが閉じなかったことが原因とみられ、国交省は 22 日にも、目視点検などの再発防止策を公表する。 燃料漏れは、米ボストンの空港と成田空港で 1 月に発生。 日本航空の同じ機体で、左の主翼から突然燃料が漏れた。 国交省は原因とみられるバルブを 3 カ所に絞り、周辺の装置を英国のメーカーに送って分解調査や動作試験をしていた。 成田の件では、バルブを動かす駆動装置で、本来コーティングするべきではない部分を塗っており、この装置が引っかかって動かない状態だった。 ボストンの件では、小さな異物がバルブに挟まり、バルブが閉じなかった可能性があると結論づけた。 (asahi = 2-22-13) 米ボーイング、週内にも臨時対策を提案 787 のトラブルで ワシントン : 米ボーイングは、発火などのトラブルが相次いだ最新鋭機 787 型機の運航再開に向け、週内にも米連邦航空局 (FAA) に一時的な対策を提示する。 米議会関係者が CNN に明らかにした。 ボーイングの対策は、787 型機のリチウムイオンバッテリーに関連して、トラブルの原因になった可能性がある複数の問題に対処する内容だという。 787 型機は、バッテリーからの発火や発煙のトラブルが続発したことを受け、FAA が 1 月に運航停止を命じた。 現在、米国と日本の当局がバッテリーを中心に調査を進めている。 FAA、ボーイングとも、対策の提案についてはコメントを避けた。 ボーイング広報は「誰もができるだけ早く答えを出そうと努めており、順調な進展がある」と話している。 同機のリチウムイオンバッテリーは、機体のエンジン始動とシステムへの補助電源用に使われており、ボーイングが当局の特別な許可を得て採用した経緯がある。 (CNN = 2-21-13) B787 配線に設計ミス 運輸安全委、調査対象拡大へ 【工藤隆治】 ボーイング 787 型機のトラブルで、運輸安全委員会は 20 日、高松空港に緊急着陸した全日空機から配線上の設計ミスが見つかったと発表した。 バッテリーの炭化との関連は否定したが、ほかに全日空機 2 機で同様のミスがある可能性があるという。 787 型機は機体前方にメーンバッテリー、機体後方に補助動力装置 (APU) 用バッテリーが積まれており、全日空機ではメーンバッテリーが炭化していた。 運輸安全委によると、二つのバッテリーは通常、回路が別になるよう設計されている。 だが全日空機を調べたところ、二つのバッテリーの間が接続されており、ボーイング社の設計図上でもつながっていた。 (asahi = 2-20-13) 別のバッテリーも膨張、分解調査へ 787 型機トラブル ボーイング 787 型機のトラブルで、運輸安全委員会は 19 日、高松空港に緊急着陸した全日空機のバッテリーのうち、これまで正常とされていたバッテリーの内部でも膨らみが確認されたと発表した。 充電の異常などトラブルを示す痕跡がないか、バッテリーを分解して調べる。 787 型機は、炭化したメーンバッテリーのほか、補助動力装置 (APU) 用にもバッテリーを積んでいる。 膨張していたのは、APU バッテリー内にある 8 個のリチウムイオン電池のうち 2 個。 幅 13 センチ、厚さ 5 センチ、高さ 20 センチのステンレス製の電池ケースがわずかに膨らんでいた。 1 月末に CT スキャンで撮影した断面画像を精査してわかった。 画像では、内部の配線などに目立った異常は見つからず、飛行データの記録上も電圧は正常値の範囲内だった。 運輸安全委は米国の調査団とともに、バッテリー製造元の GS ユアサ(京都市)で膨らみの原因を調べる。 (asahi = 2-19-13) 最新鋭機にリチウム電池搭載せず = ボーイングの発火事故で - エアバス 【パリ】 欧州航空機大手エアバスは 15 日までに、開発中の最新鋭中型機 A350 にリチウムイオン電池を搭載しないことを決めた。 エアバス関係者の話として、AFP 通信などが報じた。 リチウム電池を搭載したボーイングの最新鋭機 787 のバッテリー発火事故を受けた措置。 エアバス関係者は AFP 通信に対し、A350 の引き渡し 1 号機は「リチウム電池ではなくニッケルカドミウム電池を搭載する」と述べた。 ただ、第 1 回飛行試験はリチウム電池を用いた機体で行うという。 (jiji = 2-15-13) B787、運航停止後初の試験飛行 【ニューヨーク = 越前谷知子】 米航空機大手ボーイングは 9 日、トラブルが相次いでいる 787 型機について、運航停止になってから初の試験飛行を行った。 同社によると、試験飛行では 13 人が搭乗し、米ワシントン州を離陸、2 時間超の飛行を終えた。 バッテリーの状況などをチェックしたとみられ、飛行中に問題はおきなかったという。 (yomiuri = 2-11-13) 787 復帰、大幅遅れか 米安全委、バッテリー調査継続 【ワシントン = 山川一基】 日本航空のボーイング 787 型機の発火トラブルをめぐり、調査を進めている米国家運輸安全委員会 (NTSB) のハースマン委員長は 7 日、中間報告を 30 日以内でまとめると述べた。 ただ、最終的な結論を出すには、さらに時間が必要との見通しも示した。 世界中で運航が止まっている 787 の復帰は、まだ時間がかかりそうだ。 ハースマン氏はこの日の会見で、トラブルの元になったバッテリーが過熱した経緯を説明。 バッテリーを構成する八つの「セル」のうち、回線ショートと異常過熱を起こした最初のセルを突き止めたという。 そこから密接する他のセルに熱が広がり、バッテリー内部の温度は一時 260 度を超えたと説明した。 ただ、最初のセルのショートの原因はまだ確定せず、充電方法や設計、製造過程について引き続き調べる。 同氏は「中間報告で結論にたどり着くとは思っていない」と述べ、原因の究明までさらに調査を重ねる考えを示した。 (asahi = 2-8-13) ボーイング、航空当局から試験飛行の認可を獲得へ = 関係筋 米国の航空当局が数日以内にボーイングの 787 ドリームライナーの飛行試験を承認する模様だ。 ボーイングと調査当局はリチウムイオン電池が発火した原因を突き止めようとしており、そのための手段を探っている。 現在は世界中のドリームライナーが地上待機を余儀なくされている。 事情を知る人物が明らかにした。 ボーイングは「飛行試験実施の認可を米連邦航空局 (FAA) に申請した。 FAA の審査結果を待っているところだ。」と述べ、FAA も現在審査中だと確認した。 今年に入って日本の航空会社が保有するドリームライナー 2 機の電池システムが故障し、1 月半ばにはすべてのドリームライナーが運航禁止となった。 航空安全の専門家や政府関係者が数百人結集して 5 週間にわたって不具合の原因を探ってきたが、地上試験だけでは調査は進展しなかった。 次段階の飛行試験の目的は、電池システムに何が起きたのかを把握するために特定の状況を再現することだ。 FAA は特殊な実験の基準を定めており、今回はボーイングの従業員がこの基準に基づいて実験する。 特殊な実験には航空機の故障を修理したり、新モデルを研究開発 (R & D) したりする場合が含まれる。 しかし FAA から旅客機としての最終認可が下り、しかも商業運航が開始した後に飛行実験が実施されることは極めて異例。 787 型機は 2011 年後半に就航した。 (The Wall Street Journal = 2-5-13) バッテリーに過剰電流か B787 トラブルで安全委調査 【工藤隆治】 ボーイング 787 型機のトラブルで、運輸安全委員会は 5 日、バッテリーに過剰な電流が流れた可能性が高いことを明らかにした。 内部の配線やアース線が溶けて切れていた。 電池が発熱して制御できなくなる熱暴走も確認した。 しかし、これらの原因は判明せず、電池を分解してさらに調べる。 後藤昇弘委員長が会見で明らかにした。 高松空港で緊急着陸した全日空機について、バッテリー内部の断面を CT スキャンで撮影した結果、8 個つながれたリチウムイオン電池のうち、6 個でプラス電極側のアルミ製の内部配線が溶けていた。 この 6 個はいずれもステンレス製の箱が膨らんでおり、連鎖的に化学反応が進んで熱暴走した形跡を示していた。 バッテリーの外箱の静電気を逃がすためのアース線も溶けて切れた先端が丸まっており、過剰な電流で溶けた特徴を示していた。 ケースの側面に数ミリの穴が開いていた電池もあり、真鍮製のプラス電極が焦げて壊れた電池もあった。 ただ、これらの結果について、後藤委員長は「これから調査してつかみたい」と述べるにとどめた。 (asahi = 2-5-13) 787、バッテリー見直さず = 生産目標変更なし - ボーイング CEO 【シカゴ】 米航空機大手ボーイングのマクナーニ最高経営責任者 (CEO) は 30 日、決算発表後に電話会見し、最新鋭中型旅客機 787 型機のバッテリー問題をめぐり、現時点でリチウムイオン電池搭載を見直す考えがないことを明らかにした。 CEO は「どのような情報を踏まえても(リチウムイオン)バッテリー技術について、われわれが選択を誤っているとは考えていない。 787 型機にふさわしいこの技術に満足している。」と強調した。 また CEO は、787 型機の生産見通しについて、「今年年央に月 7 機、年末までに月 10 機の達成に向け順調だ」と述べ、生産目標に変更がないと指摘した。 (jiji = 1-31-13) 787 バッテリー、GS ユアサの検査終了 国交省 ボーイング 787 型機のトラブルで、国土交通省は 28 日、炭化したバッテリーを製造した GS ユアサ(京都市)への立ち入り検査を終えた。 組み立てや検査工程などの品質管理態勢を確認したが、バッテリーの損傷に直接つながる問題は見つからなかったという。 国交省は 28 日午後、ユアサの下請けの関東航空計器(神奈川県藤沢市)に航空法に基づき立ち入り検査する。 同社はバッテリー内の電流や電圧の異常を検知して保護する基板を製造しており、米連邦航空局 (FAA) と合同で調べる。 (asahi = 1-28-13) 蓄電池に「熱暴走」の跡 B787 発火で米安全委確認 【ニューヨーク = 中井大助】 日本航空のボーイング 787 型機が米マサチューセッツ州ボストンの空港で起こした発火トラブルで、米国家運輸安全委員会 (NTSB) のハースマン委員長は 24 日会見し、炭化したバッテリーは回線ショートと、「熱暴走」と呼ばれる異常な過熱が発生していた形跡があると明らかにした。 ただ、火災の発生原因はまだ特定できておらず、調査終了の見通しも立っていないという。 ハースマン委員長はバッテリー関連の発火トラブルが米国と日本で相次いで起きたことについて、「あってはならないことで、航空の安全に関する極めて深刻な事態だ」と述べた。 ショートと熱暴走の相関関係や、どちらが先に起きたかは、まだ不明という。 AP 通信などによると、バッテリーの充電器も検査し、細かい問題が見つかっているが、焼損による影響の可能性もあるという。 NTSB は引き続き、バッテリーの内部を調査し、原因解明を試みている。 (asahi = 1-25-13) 787 異常原因、バッテリー以外の可能性も 運輸安全委 【工藤隆治】 ボーイング 787 型機のトラブルで、日本航空機と全日空機の炭化したバッテリーは、トラブル直前まで正常に動いていたことが 23 日、わかった。 全日空機では機内で異臭がしたのとほぼ同時に電圧が急落していた。 運輸安全委員会は、バッテリー以外に問題があった可能性もあるとみて充電器などの調査に乗り出す。 運輸安全委によると、787 型機のバッテリーは八つのリチウムイオン電池を直列につないだ構造で、正常ならフル充電で 32 ボルトの電圧を示し、残量に応じて電圧が下がる。 高松空港に緊急着陸した全日空機のデジタル飛行データ記録装置 (DFDR) を解析したところ、離陸後から電圧は約 31 ボルトで推移していた。 工藤正博・首席航空事故調査官は「バッテリー全体としては正常で、過充電を示す状況はなかった」と述べた。 だが、離陸の約 15 分後に操縦室内で異臭がし、バッテリー不具合の計器表示が出たのとほぼ同時に電圧が急激に落ち、さらに上下に変動した。 この間、電圧は 31 ボルト以下だったという。 (asahi = 1-23-13) B787 型機バッテリー、JAXA で CT スキャン調査へ ボーイング 787 型機のトラブルで、運輸安全委員会は 22 日午後、東京都三鷹市の宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の CT スキャンを使い、炭化したバッテリーの損傷状況の調査を始めた。 23 日まで調べた後、メーカーの GS ユアサ(本社・京都市)に持ち込み、分解調査する。 JAXA 調布航空宇宙センター飛行場分室の大型 CT スキャンを使い、高松空港に緊急着陸した全日空機から取り外したバッテリーを、運輸安全委の調査官 2 人と米国家運輸安全委員会 (NTSB) の 4 人が調べる。 GS ユアサの技術者も加わり、破損の激しい部位や、高温になった経緯を把握する。 また国土交通省は、ボーイング社から一連のトラブルについて改善措置の提案があったと明らかにした。 トラブルの原因究明ができていないため、米連邦航空局 (FAA) と連絡を取り妥当性を検討しているという。 (asahi = 1-22-13) B787 トラブルで立ち入り バッテリーの GS ユアサを 【工藤隆治】 ボーイング 787 型機のトラブルで、国土交通省は 21 日、バッテリーを製造した GS ユアサの京都市の本社に、航空法に基づき立ち入り検査した。 米連邦航空局 (FAA) と合同で検査し、炭化した全日空機のバッテリーの設計や製造が適切だったかを調べる。 国交省によると、検査は同省航空局 1 人と FAA 2 人の態勢で、FAA は米国内の法令に基づいて検査に入った。 工場で実際の製造工程も確認する。 ユアサは 787 型機用のリチウムイオン電池を製造し、フランスのタレス社に納入している。 高松空港に緊急着陸した全日空機のバッテリーは内部が炭化しており、国交省航空局の高野滋参事官は「我が国の航空機の安全を確保するのに検査が必要だ」と述べた。 GS ユアサの広報担当者は「立ち入り検査を受けているかも含めてコメントできない」と話した。 (asahi = 1-21-13) B787、充電器なども調査へ 過電圧による火災は否定 【ワシントン = 中井大助】 米マサチューセッツ州ボストンの空港で起きた日本航空のボーイング 787 型機のバッテリー火災で、米国家運輸安全委員会 (NTSB) は 20 日、「規定を超える電圧はかかっていなかった」と、過電圧が原因であることを否定した。 NTSB はバッテリーと併せて、充電器なども引き続き調査する予定。 火災が 7 日に起きて以降、NTSB はバッテリーを分解し、X 線や CT スキャンなどの検査を続けてきた。 20 日には途中経過として「フライトレコーダーのデータを調査したところ、補助動力用のバッテリーは規定の 32 ボルトを超えていないことが示された」と発表した。 バッテリー自体に問題があった可能性はまだ残っており、引き続き内部を詳しく調べるという。 バッテリーはリチウムイオン電池式で、日本の GS ユアサが製造した。 日本でも 16 日に全日空のボーイング 787 型機が飛行中に、同じ種類のバッテリーが火災を起こし、世界中で同型機の飛行が見合わされる原因となった。 全日空機の火災について、日本の運輸安全委員会の小杉英世・次席航空事故調査官は「過電圧か過電流、過充電だったのは確かで、安全装置が働かなかった可能性がある」と話している。 (asahi = 1-21-13) B787 型機の納入停止 バッテリー安全確認できるまで 【ニューヨーク = 畑中徹】 米ボーイングは、トラブルが多発している「787 型機」について、リチウムイオン電池を使ったバッテリーの問題が解決されるまで、航空会社への引き渡しを停止する。 ロイター通信などが 18 日伝えた。 ボーイング社によると、787 型機は現在、世界の八つの航空会社に約 50 機納入されており、50 以上の航空会社などから 800 機以上を受注しているという。 787 型機には、民間航空機として初めてバッテリーにリチウムイオン電池が使われている。 米国家運輸安全委員会 (NTSB) などが、バッテリー部分を中心にトラブルの原因調査を進めている。 (asahi = 1-19-13) ANA 欠航、計 70 便に B787、全 7 カ国で運航停止 米連邦航空局 (FAA) がボーイング 787 型機に運航停止命令を出したのを受け、世界で同型機を運航する航空会社 8 社は18日までに、運航を全て取りやめた。 787 型機は世界 7 カ国で 8 社が 49 機を運航しているが、カタール航空、エチオピア航空、ポーランド航空が新たに運航中止を発表した。 5 機を保有するカタール航空は 18 日、「FAA の通達を受け、すべての安全性が確認されるまで、17 日から当面の間の運航を中止する」とのコメントを出した。 全日空、日本航空、米ユナイテッド航空などは、17 日までに運航を取りやめていた。 また全日空は、787 型機で予定していた 19 - 22 日の計 70 便を欠航すると発表した。 19 日は羽田 - 大阪、羽田 - 広島、羽田 - 鹿児島など国内 28 便と成田 - 米サンノゼの国際線 2 便。 20 日は羽田 - 札幌、高松 - 羽田、羽田 - 福岡など国内線 16 便と成田 - 北京など国際線 6 便。 21 日は羽田 - 札幌、羽田 - 大阪、羽田 - 福岡など国内線 14 便とサンノゼとの国際線 2 便。 22 日は成田 - 米シアトルの国際線 2 便で国内線は決まっていない。 (asahi = 1-18-13) 787 型機の運航停止、国交省も命令 「安全立証まで」 米連邦航空局 (FAA) が米国の航空会社にボーイング 787 型機の運航停止を命令したことを受け、国土交通省は 17 日、日本航空と全日空に対して運航停止を命じる耐空性改善通報を出すと発表した。 梶山弘志副大臣は同日の会見で、「FAA と連携を取り、安全をしっかり証明した上で 2 社に運航してもらいたい」と述べた。 国交省によると、16 日の全日空のトラブルでは、電気室の通気口にすすのようなものがついていた。 バッテリーに不具合が見つかっており、安全性が立証されるまで運航を停止させる。 運航再開のめどについては「できる限り早くと思っているが、時間については言えない」と述べた。 全日空は 17 機、日航が 7 機のボーイング 787 型機を国内・国際線に投入している。 すでに 16 日から両社とも 787 型機での運航は全路線で取りやめている。 原因の調査を終えて早期再開をめざす考えだったが、再開の見通しは当面立たなくなった。 (asahi = 1-17-13) 787 型機の運航、16 日は取りやめ 全日空と日航 高松空港での緊急着陸を受けて、全日空は、16 日に予定している他のボーイング 787 型機 16 機の運航を取りやめることを決めた。 安全性を確認するとしている。 また、国交省によると、日本航空も 16 日の同型機 5 機の運航を取りやめるという。 (asahi = 1-16-13) 全日空 787 型機、機内に煙 高松空港に緊急着陸 16 日午前 8 時 47 分ごろ、全日空 (ANA) 692 便の山口宇部発羽田行きボーイング 787 型機が、高松空港に緊急着陸した。 香川県警などによると、愛媛県四国中央市の上空を飛行中、機内で煙が出ているのを感知したという。 乗客 129 人は緊急脱出して全員避難したが、68 歳男性が腰の痛みを訴えて高松市内の病院に救急搬送された。 国土交通省高松空港事務所によると、緊急着陸後、空港は滑走路を閉鎖した。 全日空によると、高度 1 万メートル付近を飛行中の午前 8 時半ごろ、操縦席の計器に「機体前方の電気室で煙が感知された」との不具合のメッセージが表示され、異臭がしたため、緊急着陸を決めた。 電気室は操縦室の床下にあり、離陸の際、エンジンに電気を供給する「メーンバッテリー」がある。 米ボストンの空港で同型機から出火したトラブルでも、同型バッテリーから出火したと見られている。 (asahi = 1-16-13) 日航 B787 型機、左主翼からまた燃料漏れ 日本航空は 13 日、燃料漏れを起こして成田空港で点検をしていたボーイング 787 型機の左主翼から、燃料が再び漏れたと発表した。 火災などはなく、けが人はなかった。 同機は、米ボストン・ローガン国際空港で燃料漏れを起こした後、安全を確認して出発し、9 日に成田に到着。 日航によると、燃料タンクから燃料を抜く作業をしていたところ、13 日午後 1 時半頃、作業と関係のない左主翼先端付近にある燃料放出用ノズルから約 100 リットル漏れたという。 計器の表示ではノズルは閉まった状態だったが、実際には開いていたという。 同社は原因を調べている。 (yomiuri = 1-13-13) ボーイング 787 を包括調査へ 米当局、日本とも連携 【ワシントン = 山川一基】 米連邦航空局 (FAA) は 11 日、電気系統などでトラブルが相次いでいるボーイング 787 型機について、設計や製造工程などの包括的な再調査に乗り出すと発表した。 787 には日本製の部品や素材が多く使われているため、日本の国土交通省とも協力していく。 FAA は目的について「就航前の当局の検証内容を精査し、FAA の定める高い安全水準に合致していることを確認するため」としている。 ラフード運輸長官は会見で「機体の安全性は確信している」と強調したが、就航後にこうした調査をするのは異例だ。 ボーイングは同日、調査に協力する姿勢を示したうえで「設計と生産システムには全面的に自信がある」との声明を出した。 機体には日本製の複合素材などが多く使われている。 FAA は会見で、調査内容によっては日本に技術者を派遣する可能性も否定しなかった。 (asahi = 1-12-13) 787 型機トラブル、日航機以外でも 米紙報道 【ニューヨーク = 中井大助】 日本航空のボーイング 787 機が米マサチューセッツ州ボストンのローガン空港に着陸後、火災を起こした問題で、米国家運輸安全委員会 (NTSB) は 8 日、ボストンに追加の調査官を派遣し、本格的な調査を始めた。 同型機ではトラブルが相次いでいる。 NTSB のこれまでの調査では、機体後方の電気室内にある補助動力用のバッテリーが激しく焼損しており、バッテリーの周囲約 50 センチの機器類などが熱による損傷を受けた。 また、煙が探知される直前には、整備員や清掃員が機内におり、バッテリーが稼働中だったという。 NTSB は米連邦航空局 (FAA) やボーイング社と共同で安全性や火災原因についての調査を進める方針。 米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、2010 年にボーイング社のテスト機が電気系統の火災により緊急着陸。 また、昨年 12 月、米ユナイテッド航空の同型機が電気系のトラブルで緊急着陸したほか、カタール航空でも似たトラブルがあったという。 同紙は、ボーイングが 787 の生産を増やそうとしている時期なだけに、火災が影響する可能性を指摘。 「(火災は) 787 の革新性の本質にもつながる」という航空コンサルタント会社関係者の話を伝えた。 また米国の航空評論家のヘンリー・ハートベクレトさんは 8 日、米ブルームバーグの取材に「細かい不具合がある新型機と、問題のある新型機の間には細い境界線があるが、787 は問題の方に向かって線を渡っていると懸念する」と答えた。 別の専門家も「残念なことに、機体はそのパフォーマンスや安全面ではなく、問題で知られるようになっている」と語った。 ◇ 〈ボーイング 787〉 米航空大手のボーイング社が製造する最新鋭の飛行機。 200 - 300 人の旅客を運ぶ中型機で、1 回の給油で飛べる距離が、ほぼ同じ大きさの「767」に比べて約 4 割延びた。 全日空が世界に先駆け、2011 年 10 月に営業運航を始めた。 東京 - ニューヨークといった長距離路線も飛べるため日本航空、全日空とも、大型機では席が埋まりにくかったボストンなど欧米の中規模都市路線に投入を進めている。 現在、日航が 7 機、全日空が 17 機飛ばしており、海外の大手航空会社も導入している。 ボーイングによると、現在全世界で 799 機の受注残がある。 機体の材料の約 5 割に東レの炭素繊維の複合材を使う。 機体がさびる心配が少なく、客室内の湿度を高め乾燥を防ぐ効果もある。 主翼は三菱重工業が担い、川崎重工業や富士重工業も機材を納めるなど日本メーカーの貢献が大きい。 (asahi = 1-9-13) |