日米欧で株上昇 日経平均は一時 200 円超高
欧州中央銀行 (ECB) が国債などを買って市場に大量のお金を流す「量的金融緩和」の導入を決めたことを受け、日米欧の株式市場で株価が大幅に上がっている。 23 日の日経平均株価は一時 200 円超値上がりし、1 万 7,500 円台を回復した。 前日の米ニューヨーク市場も、大企業で構成するダウ工業株平均が約 2 週間ぶりの高値をつけた。
ECB は 22 日、物価が下がり続けるデフレに陥るのを防ぐため、3 月からユーロ圏各国の国債などを月 600 億ユーロ(約 8 兆円)買い入れることを決めた。 金融緩和で欧州の景気が上向き、世界経済の後退懸念も和らぐとの見方が広がった。 米ニューヨーク市場ではダウ工業株平均の終値が、前日より 259.70 ドル (1.48%) 高い 1 万 7,813.98 ドルとなった。 欧州市場でも、ドイツやフランスなどの主な株価指数が軒並み大きく上昇した。
東京市場も取引開始から買いが優勢で、金融関連企業の値上がりがめだつ。 「景気回復への期待感が世界的に高まり、国内の輸出関連企業も買われている(大手証券)」という。 (畑中徹 = ニューヨーク、真海喬生、藤崎麻里、asahi = 1-23-15)
携帯電話店で送金 三井住友 FG、東南アジアで展開へ
三井住友フィナンシャルグループ (FG) はインドネシアなど東南アジアで、携帯電話の販売店を通じた送金サービスの開発に乗り出す。 銀行に口座を持っていない人が多い国もあるため、口座を持っていない人どうしのお金のやりとりを円滑にすることで個人取引を広げていく考えだ。
このサービスでは、たとえば、サービスの利用者がお金をほかの人などに送る場合、あらかじめ携帯電話の販売店にお金を預けておく。 利用者は携帯電話の販売店に送金を依頼し、そのうえでお金を受け取る人に送金の連絡を入れる。 販売店は銀行を通じて受け取る人の最寄りの販売店にお金を送り、受け取る人は最寄りの販売店でお金を受け取る。
三井住友 FG はまず、40% を出資しているインドネシア大手銀行 BTPN とともに今年からサービスの開発を本格的に進める。 販売店からの送金の仕組みや本人確認の技術などを検討していく。 三井住友 FG は、成長著しいアジアでの個人取引の拡大を今後の成長の柱に掲げる。 新しいサービスで銀行口座をもたない人たちとの接点も広げる考えだ。 宮田孝一社長は朝日新聞の取材に「ミャンマーやカンボジアなどでも同様のサービスを展開したい。 日本への逆輸入もあり得る。」と話している。 (藤崎麻里、asahi = 1-13-15)
米シェール企業を原油安が直撃 昨年来、初の経営破綻
原油価格の急落を受け、米国のシェールオイル関連企業が経営破綻(はたん)した。 昨年来の原油安以降、初めての破綻ケースとされる。 このまま原油の値下がりが続けば、今後も同業の破綻が増える可能性がある。 破綻したのは、米南部テキサス州でシェールオイル・ガス開発を手がけていた「WBH エナジー」。 米メディアによると、4 日付で同州の連邦破産裁判所に、米連邦破産法 11 条(日本の民事再生法に相当)を申請した。
負債の総額は最大で 5 千万ドル(約 60 億円)。 急激な原油価格の値下がりで、採算がとれず、資金繰りが悪化したとみられる。 原油価格の国際指標となる「米国産 WTI 原油」の先物価格は、昨年 7 月までは 1 バレル = 100 ドル台で推移。 だが、その後下落に転じ、今年に入って 1 バレル = 50 ドルの節目を約 5 年 8 カ月ぶりに割り込んだ。
原油安の主な要因は、世界経済の減速による需要減と、「シェール革命」を背景にした米国での急激な生産の増加だ。 2008 年以降、米国の原油生産量は昨年までで 8 割も増えた。 ただ、地下数千メートルの硬い岩盤から原油の一種であるシェールオイルを取り出すには、コストがかかる。 原油安が広がるなか、米国では石油大手のコノコフィリップスが今年の設備投資額を 2 割減らすなど、計画の見直しが広がっている。 (ワシントン = 五十嵐大介、ニューヨーク = 畑中徹、asahi = 1-11-15)
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NY 原油、一時 5 年 8 カ月ぶり安値 半年で 5 割値下がり
29 日のニューヨーク商業取引所では、原油価格が大幅に値下がりした。 国際的な指標となる「米国産 WTI 原油」の先物価格は、一時 1 バレル = 52 ドル台後半まで下落し、2009 年 5 月以来約 5 年 8 カ月ぶりの安値をつけた。 終値は前週末より 1.12 ドル安い 1 バレル = 53.61 ドルだった。
外国為替市場では幅広い通貨に対し、ドルが値上がりしている。 ドル建てで取引される原油に割高感が出たことを受け、原油先物の売り注文が広がった。 欧州など世界の景気減速で石油の需要が伸び悩むとの見方がある一方、米国でのシェールオイル生産拡大で供給がだぶつくとの観測は根強い。 市場では、しばらくは原油の供給が過剰になるとの見方が多く、売りが続いている。
WTI 原油先物は今年 6 月の時点では、1 バレル = 107 ドル台に上昇。 その後は下落が続き、11 月に開かれた石油輸出国機構 (OPEC) 総会で減産が見送られると、売りが加速し、今月 11 日に 60 ドルの節目を割り込んだ。 6 月時点と比べると約半年間で 5 割ほど値下がりが進んだ。 (ニューヨーク = 畑中徹、asahi = 12-30-14)
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NY 原油、下落止まらず 5 年 7 カ月ぶりの安値に
12 日のニューヨーク商業取引所では、原油価格が一段と値下がりした。 国際的な指標となる「米国産 WTI 原油」の先物価格は、前日より 2.14 ドル安い 1 バレル = 57.81 ドルに急落し、2009 年 5 月中旬以来、約 5 年 7 カ月ぶりの安値で取引を終えた。
国際エネルギー機関 (IEA) は 12 日、来年の世界原油需要の見通しを前月の予想より引き下げた。 石油輸出国機構 (OPEC) が IEA に先立って 10 日に発表した需要見通しでも下方修正されており、世界的に原油の供給がだぶつくとの観測が強まった。 原油の価格はさらに安くなるという見方が広がり、原油先物に売り注文が集まった。 (ニューヨーク = 畑中徹、asahi = 12-13-14)
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OPEC、減産見送り 決定を受け原油価格が急落
中東などの産油国 12 カ国でつくる石油輸出国機構 (OPEC) は 27 日、ウィーンの本部で総会を開き、12 カ国の生産目標をいまの日量 3 千万バレルで据え置くことを決めた。 原油価格の下落を受け、ベネズエラなど一部の加盟国は減産を主張したが、影響力の大きいサウジアラビアが静観の構えを崩さず、減産は見送られた。 決定を受けて、原油価格は急落した。
国際的な指標となる北海ブレント原油の先物価格は 27 日、1 バレル = 76 ドル前後で推移していたが、「減産見送り」が伝わった後、一時 71 ドル台に急落。 2010 年 7 月以来、約 4 年 5 カ月ぶりの安値水準となった。 ニューヨーク商業取引所でも原油価格の値下がりが止まらず、「米国産 WTI 原油」の先物価格は時間外の取引で一時 1 バレル = 67 ドル台と 10 年 5 月以来約 4 年半ぶりの安値をつけた。 (ウィーン = 星野真三雄、ニューヨーク = 畑中徹、asahi = 11-28-14)
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OPEC : 国際的な原油下落 27 日総会の焦点は「減産」
【ロンドン 坂井隆之】 国際的な原油価格の下落が続く中、27 日にウィーンで開かれる石油輸出国機構 (OPEC) の総会に注目が集まっている。 世界の原油生産量の約 3 分の 1 を占める OPEC 加盟国が、価格下支えのため減産に踏み切るとの観測が増しているためだ。 ただし、経済力の違いなどから加盟国の足並みはそろっておらず、関係者の言動に市場関係者は神経をとがらせている。
「現在の価格は低すぎる。 不安定な市場は誰の利益にもならない。」 南米ベネズエラのラミレス外相は 11 月中旬、イランの通信社の取材に対し、OPEC が結束して価格安定を図るよう呼びかけた。 原油の国際的価格指標である北海ブレントは、6 月の 1 バレル = 115 ドルから 80 ドルまで 3 割も急低下し、米国産原油の指標である WTI も 70 ドル台に低迷している。 日中欧の景気減速で、年初の予測に比べ需要が伸び悩んでいる上、「シェール革命」で大量の原油採掘が可能となった米国で生産が増え続けているのが原因だ。
国内経済が不安定で財政も脆弱(ぜいじゃく)なベネズエラ、ナイジェリア、イランなどは、原油が 100 ドルを大きく下回る水準が続けば財政危機に陥る恐れもあり、水面下で減産を各国に働きかけている模様だ。 市場では当初、生産目標を現状(日量 3,000 万バレル)に据え置くとの見方が優勢だったが、「何らかの価格支持策が取られる」との観測がじわじわと高まりつつある状況だ。
ただ、富裕な湾岸諸国のグループからは、減産に消極的な発言も出ている。 特に世界最大の産油国として OPEC の生産調整役を長年担ってきたサウジアラビアは、12 日にヌアイミ石油鉱物資源相が「価格を決めるのは市場だ」と発言するなど、静観姿勢を崩していない。 背景には、現在の価格が続けば、湾岸諸国に比べ生産コストが高い米国のシェールオイル業者が音を上げるとの計算がある。 OPEC のバドリ事務局長は 6 日の会見で、「高コストの開発事業が停止されて生産が減り、来年後半までには価格は反発する」との見方を示した。
また、サウジ側には、過去にたびたび減産の約束をほごにしてきたイランやベネズエラへの不信感も強い。 BNP パリバ商品市場戦略担当のチリングリアン氏は「サウジは自分たちだけが減産を負わされるのを警戒し、(減産に協力せずに価格上昇の恩恵を受けようとする)他国のただ乗りを防ぐための我慢比べをやっている」と指摘する。
米ブルームバーグが先週行ったアナリストへの調査は減産と据え置きがちょうど同数で、市場の見方はかつてないほど真っ二つに分かれている。 チリングリアン氏は「価格の下落懸念の払拭には日量 100 万 - 150 万バレルの減産が必要」と指摘。 いずれの結果にしても会議後、大きく価格が動くと予想している。 (mainichi = 11-24-14)
ユーロ相場、来年末に 1 ユーロ = 1 ドルに下落と予想 ゴールドマン
[ロンドン] ゴールドマン・サックスは、ユーロ相場の見通しを引き下げ、2016 年末時点で 1 ユーロ = 1 ドルとなり、その後も下落するとの予想を示した。 9 日公表の調査リポートによると、ユーロ相場の見通しは 3 カ月内に 1.14 ドル、6 カ月内に 1.11 ドル、1 年内に 1.08 ドルとした。 当初予想はそれぞれ 1.23 ドル、1.20 ドル、1.15 ドル。 さらに 2016 年末の予想を従来の 1.05 ドルから 1.00 ドルとし、2017 年末の予想を従来の 1.00 から 0.90 ドルに、それぞれ引き下げた。 (Reuters = 1-10-15)
世界経済見通し上方修正も 15 年、楽観論裏付ける複数の証拠
ウォール街のエコノミストにクリスマスプレゼントを届けたいと思う。 2015 年は 5 年ぶりにエコノミストが世界の経済成長見通しを引き下げるのではなく、上方修正する年になりそうだ。 ロシアが危機に陥り、市場でボラティリティ(変動性)が上昇し、中央銀行の一部が再び資金供給に動きつつある年末の状況を考えると、現実味が薄いと思われるかもしれない。
地政学的情勢のさらなる悪化に加えて、ギリシャや英国で予定される選挙、中国経済のハードランディング、米連邦準備制度理事会 (FRB) による時期尚早の金融引き締め、欧州などのデフレといった潜在的リスクもある。 最近の傾向を見る限り、悲観論者の方が分がある。 ブルームバーグ・ニュースが 1 年前に実施したエコノミスト調査では、14 年の世界経済の成長率予想は 3.5% (中央値)だったが、その後 3.2% に引き下げられた。 成長見通しは 11 年と 12 年、13 年も下方修正された。
JP モルガン・チェースのエコノミストは、新興市場の予想以上の減速とユーロ圏経済が勢いを失ったことを今年の予測が外れた理由として挙げている。 だがブルームバーグ・ニュースの調査によれば、15 年の世界経済の成長率は 3.5% と見通されているが、この見通しが低すぎる可能性があるという楽観論を裏付ける若干の根拠が今回ばかりは存在する。 折しも 23 日の米株式市場では、ダウ工業株 30 種平均が初めて 1 万 8,000 ドル台に上昇した。
根拠の一つは原油価格が今年 40% 下落したことで、消費者と企業の購買力が高まることだ。 国際通貨基金 (IMF) は原油安について、来年の世界の国内総生産 (GDP) の合計を最大 0.7 ポイント押し上げる可能性があるとの報告を 22 日発表した。 他にも、一部の中央銀行がさらなる金融緩和を実施する見通しがある。
また堅調な労働市場と燃料コストの下落を受けて米経済成長率が過去 10 年で最高となる見通しもあり、ユーロ圏経済の減速がそれほど深刻ではないかもしれない。 加えて、金融状況が引き続き景気を下支えし、銀行の貸し出し意欲が高まっている。 米国、日本、英国、ドイツでは賃金上昇ペースが加速し始めており、これらの要因が楽観論の根拠となっている。
ドイツ銀行のチーフエコノミスト、トルステン・スロク氏は主要 7 カ国 (G7) 全体の来年の成長率が結果的に 3% を上回ると予測し、市場が「成長上振れのリスクを過小評価している」と指摘した。 PNC ファイナンシャルサービシーズ・グループのシニアエコノミスト、ビル・アダムス氏は「雇用拡大によって所得が上昇している。 企業の収益が増えれば、雇用が増加し賃金上昇ペースが速まる。 回りまわって企業の支出も増える。」と述べた。 (Simon Kennedy、Ye Xie、Bloomberg = 12-25-14)
ロシアで働く中国人、米ドル両替に行列、中国への送金が不調
ルーブル暴落により、ロシアにいる中国系商人は痛手を受けている。 背景に為替差損と商売の不況がある。 ロシアで衣料品貿易をする中国人商人によると、中国人商人は、ルーブルの大幅安による被害を避ける目的で慌ててルーブルを米ドルに両替しようとするが、中国への送金が不調になっている。
陶氏はロシアで数年前から衣料品輸出入事業を始め、今年、ルーブル安の不意打ちを食らった。 「1 日で数 10% 下がるなんて、全く予想外だった。」 12 月 16 日、陶氏は朋友圏(モーメンツ)で、米ドル対ルーブルの為替相場に関する写真を数枚掲載し、1 ドルは 57 ルーブルから 63 ルーブルまでになった。 人々は慌てて米ドル、ユーロの両替をしている。 陶氏はロシア人の買いだめする姿を見た中国人も買いだめを始めているという。
ロシアでの中国系貿易企業の一部は事業縮小に乗り出し、衣料品・靴・帽子の販売をする一部の自営業者はビジネスをあきらめて帰国した。 ロシア人向けの商店をしていても、ルーブル暴落が原因で、ロシア人の支出はコメや食用油、肉類などの生活必須品に絞られ、これらの生活必須品の価格は 20% 以上高くなった。 そして、中国人の在露生計支出も増えている。 ロシアのウリュカエフ経済発展相は 16 日に、通貨統制の予定はないと表明したが、UBS、シティバンクなどの国際投資銀行は、ロシアの通貨統制が繰り上げられる可能性を示唆している。 (中国・新華社 = 12-18-14)
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ロシア:制御不能か、プーチン大統領 ルーブル最安値更新
【モスクワ 田中洋之】 ロシアが債務不履行に陥った 1998 年の金融危機以来という通貨ルーブルの大幅下落を受け、プーチン大統領は経済のかじ取りに苦慮している。 ウクライナ情勢に伴う欧米の制裁や原油安、インフレなど懸案が山積しており、苦境が続けば大統領の支持率に陰りが出る可能性もある。
ルーブル相場は 16 日、一時 1 ドル = 66 ルーブル台をつけ、前日に続いて史上最安値を更新。 15 日には対ドルで約 10% 下落。 1 日の下落率としては金融危機(98 年 9 月 1 日に 18% 下落)以来最大だ。 年初来の下落率も 5 割に達し、世界の通貨でワーストとなった。 当局は政策金利の引き上げやルーブル買い支えのための介入を繰り返しているが、「制御不能(地元エコノミスト)」の様相を強めている。
またルーブル安に加え、報復措置として打ち出した欧米からの食料品禁輸の影響でインフレ率は 10% 近くに上昇した。 市民は生活防衛で商品を買いだめするなど社会に影響が広がっている。 ロシア中央銀行は 15 日、原油安が続けば 2015 年と 16 年は連続でマイナス成長になるとの予測を示した。 一方、ロシアがウクライナから編入したクリミアを返還するつもりはなく、制裁解除の見通しは立っていない。
プーチン大統領は「(制裁の)圧力に屈しない」と国内を引き締め、クリミア編入で跳ね上がった支持率は、直近の世論調査で 85% と最高水準を維持している。 だが、先行きの不透明感が強まる中、国民の不満が政権批判に転じる可能性は否定できない。 (mainichi = 12-16-14)
WTO、デジタル製品関税撤廃の合意先送り 中韓が対立
世界貿易機関 (WTO) の情報技術協定 (ITA) の交渉会合は 12 日、ゲーム機やビデオカメラなど約 200 品目を関税撤廃の対象に加えることをめざしたが、合意は来年の会合以降に持ち越しとなった。 スイスのジュネーブで 4 - 9 日だった交渉予定を延長したものの、韓国などが得意とする品目を対象に加えるよう主張し、中国などと対立した。
WTO のアゼベド事務局長は交渉会合終了後、「各国が溝を埋めるために活発で建設的な交渉を続けるよう促す」などとする声明を発表した。 今回の交渉には、日本や米国、中国、韓国、欧州連合 (EU) など 55 カ国・地域が参加した。
合意できなかった主な要因は、対象品目をめぐる韓国と中国の対立だ。 韓国や台湾は主力の液晶パネルなどを対象に加えるよう主張し、自国産業への影響を懸念する中国は反発した。 中国と韓国は先月、自由貿易協定 (FTA) で実質合意に達したが、「液晶パネルの関税撤廃は 10 年後で、最長 7 年の ITA に入れたい韓国と含めたくない中国が最後まで折れなかった(交渉関係者)」という。 (星野真三雄 = ロンドン、小林豪、asahi = 12-13-14)
日経平均終値、400 円安 一時 500 円超値下がり
10 日の東京株式市場は、世界的な株安や為替の円高傾向を受けて値下がりし、日経平均株価は前日終値より 400 円 80 銭 (2.25%) 安い 1 万 7,412 円 58 銭で取引を終えた。 一時、500 円超値下がりする場面もあった。 東京証券取引所第 1 部全体の値動きを示す TOPIX (東証株価指数)は 29.26 ポイント (2.04%) 低い 1,406.83。 出来高は 25 億 4 千万株。
前日、中国で金融規制が強化されることへの懸念から中国景気の減速不安が強まり、株価が大幅に値下がりした。 欧州でも、ギリシャの政治が混乱する懸念から株価が下落。 投資家がリスクを避けようという動きが世界的に高まり、ドルを売り、比較的安全な資産とされる円が買われた。 東京市場では、10 月末から日経平均が 2,000 円超値上がりしていたこともあり、利益を確定させようといったん株を売る動きも出た。 為替が円高に傾いたため、自動車など輸出関連株の値下がりが、めだった。 (asahi = 12-10-14)
来年の「逆張り」予想、中国バブル崩壊と輝くユーロ圏経済
[ロンドン] 来年の経済を見通す上で、「逆張り」派の予想にも目を向けて見よう。 コンセンサス予想が必ずしも当たるとは限らないからだ。 2015 年のコンセンサス予想は、1 年前に示された 14 年の予想とあまり変わらない。 すなわちドル高、米国債とその他の国債利回りの上昇、米国経済のアウトパフォーム、世界的な株価一段高、そしてデフレ阻止のために「何でもやる」中央銀行、という組み合わせだ。
このうち一部は確かに今年実現したが、米国債利回りと世界的な債券利回りが急低下したり、原油価格が 40% 近くも下落すると予想した専門家はほとんどいなかった。 2015 年の逆張り予想を以下にいくつか集めてみた。
中国の経済危機
中国の信用バブルが崩壊し、不良債権が増大して全面的な金融危機を巻き起こす。 政府が 7.5% を目標とする成長率は 2% に鈍化する。 ファソム・コンサルティングはこのシナリオの確率を 35% としている。
輝くユーロ圏
ユーロ圏がついに休眠状態から抜け出す。 原油価格の下落、ユーロ安、欧州中央銀行 (ECB) による追加金融緩和と金融システムの健全化が支えとなり、成長率は 2% に大きく躍進する。 JP モルガン・チェースは基本シナリオで成長率を 1.6% に置きながらも、2% 成長は可能だと予想している。 1.6% 成長であっても、エコノミスト 50 人超を対象とするロイター調査の予想平均 1.1% より楽観的だ。
ドイツ国債利回りが上昇
モルガン・スタンレーは 10 年物ドイツ国債利回りが来年 1.35% と、先月付けた過去最低の 0.69% から急上昇する可能性を予想する。 ECB の物価押し上げ能力を投資家が信頼し、市場金利を押し上げるという理屈だ。 1 年前に示された 14 年末のドイツ 10 年債利回りのコンセンサス予想は 2.3% と大間違いになった。
英国の政治リスク
英国では 5 月に総選挙が予定されており、キャメロン首相は保守党が勝利すれば欧州連合 (EU) 離脱の是非を問う国民投票を行う計画だ。 スコットランド民族党が躍進すればスコットランドの独立問題が蒸し返され、英国の政治リスクは一気に高まりかねない。 スコットランド独立を問う今年 9 月の住民投票の直前にポンドが下落した経験を踏まえれば、来年の総選挙前に投資家は再び怖気づくかもしれない。 ソシエテ・ジェネラルは「選挙に向けて、英国資産から抜け出せ」と警告を発している。
ドル安
金融市場は、2015 年はドル高が進むとの見方でほぼ一致しており、意見が分かれるのはその「程度」だけ、といった具合だ。 しかし「クラウデッド・トレード(取引の偏り)」と呼べるものがあるとすれば、現在のドル相場が正にそれだろう。 ドルはことし既に 11% 上昇し、過去 30 年間で 3 番目にドル高が進んだ年となった。 しかもほとんどが 6 月以降の上昇分だ。 一息付く時ではないだろうか。 (Jamie McGeever、Reuters = 12-5-14)
日本のアジア資産投資が過去最高 - 円キャリー取引で高リターン
日本の投資家はかつてないほどのアジア資産を購入している。 アジア投資の資金調達では、安倍晋三首相が進める政策の影響で円が有利な手段となっている。 財務省のデータによると、2014 年 1 - 9 月の日本からアジアの株式・債券への資金純流入が 1 兆 8,200 億円に達した。 円を借り入れて、ブルームバーグ・JP モルガン・アジア・ドル指数を構成する 10 通貨に投資するキャリー取引のリターンは年初から今月 26 日までの期間に年率 13% に達した。 ユーロとドルを調達通貨とする場合ではそれぞれ 11%、0.2% だった。
物価上昇を目指す安倍首相の前例のない政策はアジアの相場を押し上げており、米国が来年の利上げに備える中で予想される資金流出の緩衝材となっている。 中国人民銀行(中央銀行)が 21 日、2012 年以来の利下げを発表したことに加え、欧州中央銀行 (ECB) が追加金融緩和を検討していることもアジアへの資金流入の追い風だ。
ING グループのアジア調査責任者、ティム・コンドン氏(シンガポール在勤)は 24 日のインタビューで「日本の投資家は他地域の投資家と同じように利回り追求の動きを強めている。 日本銀行に続いて人民銀が追加緩和を実施し、ECB もそれに加わる見通しだ。 利回りを求める動きは 15 年も続きそうだ。」と語った。 (Bloomberg = 11-27-14)
中国、豪州産牛肉の関税全廃へ … 「歴史的協定」
【シドニー = 池田慶太】 中国とオーストラリアの両首脳は 17 日、自由貿易協定 (FTA) の交渉妥結で合意した。 中国が豪州産牛肉にかけている輸入関税を 9 年後に全廃することなどを柱としており、豪州産農産物の対中輸出の拡大に弾みがつく内容となった。 アボット豪首相は会談後の声明で、「歴史的協定だ」と強調。 習近平(シージンピン)国家主席も連邦議会で演説し、「両国関係を強化できた」と成果を誇示した。
中国は、豪州が高い生産力を持つ牛肉に 12 - 25% の輸入関税をかけているが、FTA の発効で段階的に撤廃する。 ワイン、羊肉、石炭のほか、サービス分野でも撤廃を進め、最終的には豪州から中国向け輸出品の 95% で関税を撤廃することになる。 また、豪州は、中国の民間企業による投資の審査基準を大幅に緩和する。 不動産や農業分野などで中国企業の投資が増加し、「チャイナマネー」の流入が一層進む見通しだ。 (yomiuri = 11-18-14)
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中韓 FTA が実質妥結 = 交渉 2 年半、首脳会談で合意
【北京】 中国の習近平国家主席と、アジア太平洋経済協力会議 (APEC) 首脳会議のため訪中している韓国の朴槿恵大統領は 10 日、首脳会談を行い、中韓自由貿易協定 (FTA) 交渉が「実質的に妥結した」と宣言した。 韓国大統領府が明らかにし、新華社も伝えた。 米国、欧州連合 (EU) との FTA が既に発効している韓国は、さらなる巨大市場への進出拡大の足掛かりをつかんだ形で、自動車や IT 関連製品などの輸出拡大に大きな弾みになる。 年内に細部の詰めを行った上で、来年初めの正式署名、来年中の発効を目指す。
中韓 FTA は 2012 年 5 月に交渉を開始。 工業品分野の早期市場開放を求める韓国側に対し、中国は韓国の農水産物市場の開放を要求していた。 韓国大統領府によると、両国は最終的に、工業品分野では品目数で互いに 90% 以上について、20 年以内に関税を撤廃することで合意。 農水産分野では、品目数で 70% と低い水準の開放率で一致し、コメは除外することになった。 FTA 妥結を急ぐ中国がより譲歩したとみられる。 両首脳は 7 月の首脳会談で、年内妥結を目指すことを確認しており、APEC の機会を逃せば、こうした機運を失いかねないと判断したもようだ。 (jiji = 11-10-14)
G20 サミット、豪州で開幕 経済成長率底上げで合意へ
主要 20 カ国・地域 (G20) 首脳会議(サミット)が 15 日、オーストラリア東部ブリスベンで開幕した。 世界経済の不透明感が強まる中、2018 年までに G20 全体の経済成長率を 2% 幅以上底上げする目標を打ち出す見通しだ。 地球温暖化対策をめぐる国際協調についても話し合う。 成長率を想定よりも 2% 幅引き上げる目標は、議長国オーストラリアが今年 2 月の G20 財務相・中央銀行総裁会議で提案した。 各国が実現のための成長戦略を持ち寄った結果、「上乗せ幅は 2.1% に達した(豪紙)」とみられている。
ただ、足元の世界経済は年初の見通しを下回って推移している。 米国を除く主要国は軒並み景気の失速に見舞われ、国際通貨基金 (IMF) は日欧や世界全体の成長見通しを引き下げた。 中長期の成長戦略とともに、短期的な景気刺激策も議題となりそうだ。 会議では、来年末にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約締約国会議 (COP21) に向けた地球温暖化対策の新しい国際枠組みについても協議する。 西アフリカで猛威を振るうエボラ出血熱の対策をめぐる協調も話し合う。
過激派組織「イスラム国」やウクライナ問題への対応など、政治課題についての議論も注目される。 日本の安倍晋三首相は日本の成長戦略や、世界的にも注目される日本銀行の追加緩和策について説明する。 オバマ米大統領、アボット豪首相との 3 カ国首脳会談にも臨む。(ブリスベン = 斎藤徳彦、星野真三雄、asahi = 11-15-14)
APEC 首脳会議、いよいよ開幕 TPP 年内合意断念へ
太平洋を取り囲む 21 の国・地域が参加するアジア太平洋経済協力会議 (APEC) の首脳会議が 10 日午後、北京で始まる。 域内の貿易自由化に向けた段取りなどを話し合う。 環太平洋経済連携協定 (TPP) の首脳会合も同日、北京で開かれる。 目標だった年内合意を断念し、新たな合意までの道筋などを議論する見通しだ。
APEC の首脳会議は 11 日までの 2 日間で、安倍晋三首相やオバマ米大統領らが出席する。 域内の関税や貿易の規制を取り除く「アジア太平洋自由貿易圏 (FTAAP)」の実現やインフラ開発の促進といった課題について話し合う。 最終日には、FTAAP 実現に向けた「北京ロードマップ」などを盛り込んだ首脳宣言を採択する。 参加国のうち日米など 12 カ国が交渉する TPP の首脳会合では、交渉の加速を目指す声明を出す見通し。 合意までの新たな道筋をどこまで具体的に示せるかが焦点になる。(北京=小林豪、asahi = 11-10-14)
中国、地域経済一体化に意欲 二つのシルクロード圏構想
中国の習近平(シーチンピン)国家主席は 9 日、アジア太平洋経済協力会議 (APEC) の関連会議で基調講演し、「各国と協力して二つのシルクロード経済圏の建設を進める」と述べた。 アジアインフラ投資銀行 (AIIB) などを通じ、中国自らの資金で地域経済の一体化を主導する意欲を示した。
中国で「一帯一路」と呼ばれる二つのシルクロード構想は、中国から中央アジアへと延びる「陸」と、東南アジアや中東を経由する「海」との双方で、アジアと欧州を結ぶ経済圏をつくる考えだ。 中国が国際経済の中心だった古代の再現が意識されている。 習氏は、この構想を実現する手段として、先月設立に合意した AIIB に加え、中国がつくる「シルクロード基金」を活用する考えを表明。 基金には、中国が 400 億ドル(約 4.6 兆円)を拠出することも明らかにした。 各国が不足するインフラ建設の資金を提供することで指導力を固めたい考えだ。 (北京 = 斎藤徳彦、asahi = 11-9-14)
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中国のインフラ投資銀行設立計画、もくろみ外れる
中国は 24 日、500 億ドル(約 5.4 兆円)規模の「アジアインフラ投資銀行 (AIIB)」の設立に着手する。 アジアの貧困国に資金を導く機関として、米国が支援する世界銀行やアジア開発銀行に対抗する狙いだ。 しかし、中国政府が参加を期待していた国の多くは、同日に北京で行われる覚書の調印式に出席しない。 米政府当局者は公の場で、中国が AIIB でガバナンスの国際基準を守れるかどうか懸念を表明し、各国に参加を思いとどまらせようとしている。 インド政府当局者によると、調印式には先進国はどこも出席しない予定。
インドはアジアの約 20 カ国と共に覚書に調印する予定という。 中国政府はオーストラリアの参加を期待していた。 オーストラリアは中国の天然資源需要に依存する主要貿易相手国で、現在、中国と貿易協定交渉を進めている。 オーストラリア政府当局者は、同国は参加するかどうか決めておらず、調印式のことは知らないと述べた。 韓国政府当局者は、同国は参加するかどうか決めておらず、「ガバナンスと意思決定プロセス」のほか、「経済的利益」についてまだ調べているところだと語った。 (Bob Davis & Prasanta Sahu、The Wall Street Journal = 10-23-14)
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中国主導のインフラ投資銀の問題点指摘 岸田外相
ミャンマーで 9 日開かれた日中韓と東南アジア諸国連合 (ASEAN) の外相会議で、岸田文雄外相は中国が主導して創設するアジアインフラ投資銀行 (AIIB) について、「アジア開発銀行 (ADB) などの既存機関に加え設立することにどのような付加価値があるのか」などと問題点を指摘した。
AIIB は、日本が主導してきた ADB に対抗し、中国が創設準備を進めている。 日本外務省によると、岸田外相は出席者から AIIB への言及があったことを受け、「既存の国際開発金融機関が確立してきた高い水準のガバナンスと整合的に運用されるのか」、「借り入れ国に配慮した貸し付けが行われる必要がある」などと指摘した。(ネピドー = 松井望美、林望、asahi = 8-10-14)
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世界銀行総裁、中国主導のインフラ銀を「歓迎」
世界銀行のキム総裁は 27 日、朝日新聞などの取材に応じ、中国が主導して来年設立する「アジアインフラ投資銀行 (AIIB)」について、「(インフラ整備にかかわる)参加国すべてを歓迎する」と述べ、途上国のインフラ整備で協力していく意向を示した。
キム氏は「AIIB を競争相手と考えるのはおかしい」と指摘。 東アジアだけでも毎年 6 千億ドル(約 61 兆円)のインフラ投資が必要なことなどを挙げ、「我々だけで貧困撲滅のための資金は到底まかなえない」と話した。 AIIB は、アジアや中東の 20 カ国以上が参加する予定。 日本やインドは加わらず、日本が主導するアジア開発銀行に対抗する動きとみられている。
安倍政権が決めた新成長戦略については、「労働、農業、医療分野での規制緩和の取り組みは心強い」と評価。 「高い期待が実際の成長につながることを望む」とも話し、改革の着実な実行を求めた。 (ワシントン = 五十嵐大介、asahi = 6-28-14)
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中国、「日本外し」のインフラ銀行 アジア 16 カ国と
中国が主導するアジアインフラ投資銀行 (AIIB) が来年設立され、東南アジア諸国連合 (ASEAN) 加盟国や韓国など 16 カ国が参加することがわかった。 各国は中国との間で具体的な交渉に入ったが、日本やインドは外されている。 アジアの主要国である両国を加えないことで、経済分野で中国が影響力を強めるねらいがある。
アジア各国のインフラ整備を支援する AIIB 設立構想は昨年 10 月、中国の習近平(シーチンピン)国家主席が東南アジアを歴訪した際に表明した。 同じくインフラ整備に融資する日本主導のアジア開発銀行 (ADB) に対抗するためとみられている。 交渉関係者によると、参加国は ASEAN 10 カ国のほか、韓国などの計 16 カ国。 南シナ海の領有権をめぐり中国と対立するフィリピンも参加する。 中国と各国は、今年末をメドに覚書を交わす方向で調整している。 (アスタナ = 都留悦史、asahi = 5-3-14)
今年の世界経済成長率を 3.3% と予想、2015 年は 3.7% = OECD
[パリ] 経済協力開発機構 (OECD) は 6 日、世界経済成長率について、2014 年が 3.3%、15 年が 3.7%、16 年が 3.9% と予想し、5 月時点の予想から若干下方修正した。 米国主導の回復をユーロ圏の低迷と一部主要新興国の減速が、米国主導の回復の足を引っ張っており、回復のペースは緩やかとの見方を示した。 新たに就任した OECD のチーフエコノミスト、キャサリン・マン氏はロイターとのインタビューで「世界経済は低成長が続く」と指摘。 「世界の成長率は 2016 年末までに 3.9% に拡大すると見込んでいるものの、過去の実績を依然として 0.5% ポイントほど下回っている」と述べた。
米国については、今年が 2.2% 成長、来年へ 3.1% 成長と予想。 雇用市場の改善が民間支出を押し上げるとみている。 米利上げについては、成長の加速を踏まえ、来年半ばからの緩やかな利上げが正当化されるとする一方、新興国市場で混乱を引き起こす可能性も指摘した。 ユーロ圏の成長率は、14 年が 0.8%、15 年が 1.1% と予想。 「停滞の長期化」リスクがあるとし、欧州中央銀行 (ECB) に景気底上げのため、国債の購入を開始するよう求めた。
日本については、物価が持続的に上昇するまで日銀は異例の緩和措置を進めるべきとした。 超緩和的な金融政策で円安が進み、輸出を押し上げるとみて、14 年が 0.9% 成長、15 年は 1.1% 成長と予想した。 消費税率の 10% への引き上げについて、一部で延期などの観測が出ているが、マン氏は予定通り実施すべきとの見解を示した。 中国の経済成長率見通しは今年が 7.3%、来年は 7.1% に減速すると予想した。 OECD は詳細な予想と分析を 11 月 25 日に公表する予定。 (Reuters = 11-6-14)
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世界経済の回復「想定より弱い」 IMF 諮問機関が声明
国際通貨基金 (IMF) の諮問機関としての役割を持つ国際通貨金融委員会が 11 日、ワシントンで開かれ、声明を採択した。 世界経済について「回復にはばらつきがあり、想定よりも弱く、下方リスクは増加している」と指摘した。 また、エボラ出血熱が流行しているギニア、リベリア、シエラレオネの 3 国に対して IMF が緊急融資を決めたことについて「支援の継続を求める」と勧告した。
11 日には、途上国などの開発に関わる問題を話し合う世界銀行・IMF 合同開発委員会も開かれた。 声明を発表し、エボラ出血熱について「破壊的な経済的損失をもたらしており、迅速な対応と金融支援が不可欠」との認識を示した。 (青山直篤、asahi = 10-12-14)
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東アジア 14 年に 6.9% 成長 世銀見通し 中国は 14年 7.4%
【ハノイ = 富山篤】 世界銀行は 6 日、日本などを除く東アジア地域の途上国の経済見通しを発表した。 2014 年の実質国内総生産 (GDP) 伸び率は 6.9% と 13 年比 0.3 ポイント低下する。 中国経済の減速が響く。 東南アジアなど中国以外の国は輸出と個人消費の拡大を受けて成長をけん引すると指摘した。 世銀が発表した「東アジア・大洋州地域半期経済報告」によると、15 年の東アジア地域の成長率は 14 年と同じ 6.9%。 中国の成長率は 14 年が 7.4%、15 年は 7.2%。 中国政府が持続可能な成長に向けた構造改革を進めていると評価しながらも、徐々に低下していくと予測した。
東南アジアなど中国以外の国の成長率は 14 年が 4.8% で底打ちし、15 年には 5.3% に上昇するとした。 マレーシア、ベトナム、カンボジアの輸出拡大、インドネシアやフィリピンでの個人消費拡大、ミャンマーの経済改革などを挙げ、「(東アジア・大洋州地域は)世界中のどの途上地域よりも高い成長の可能性を持っている(世銀のアクセル・バン・トロッツェンバーグ副総裁)」と話した。
世銀の報告はアジア経済のリスクも指摘した。 モンゴル、ラオスの成長には財政赤字の削減が不可欠とした。 東南アジア各国は歳入を増やす取り組みと不透明な補助金を減らす努力をしなければ、持続可能な成長軌道に乗れないと警告した。 アジア開発銀行の予測では、アジアの 14 年の成長率が 6.2%、15 年は 6.4%。 米国経済の減速を受け、7 月に主要先進国の成長率を下方修正したときも、アジアは堅調な輸出の伸びを理由に据え置いた。 (nikkei = 10-6-14)
日銀緩和で世界同時株高 … 「サプライズだ」
日本銀行が 10 月 31 日に決めた追加の金融緩和策は、世界中に驚きを持って受け止められた。 ニューヨーク株式市場ではダウ平均株価(30 種)が約 1 か月半ぶりにこれまでの最高値を更新したほか、主要な株式相場が値上がりする世界同時株高の様相となった。 「ハロウィーン・サプライズだ」、「日本の刺激策が世界市場を席巻した。」 米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は日銀の追加緩和をこう報じた。
ニューヨーク株式市場では 31 日、ダウ平均株価(30 種)が前日終値比 195.10 ドル高の 1 万 7,390.52 ドルで取引を終えた。 外国為替市場でも、円相場は一時、1 ドル = 112 円 47 銭まで下落し、約 6 年 10 か月ぶりに 1 ドル = 112 円台に値下がりした。 日銀が追加の金融緩和を発表したのは 31 日午後 1 時 44 分。 日経平均株価(225 種)は、一時、前日の終値より 875 円高い水準に達し、755 円 56 銭高の 1 万 6,413 円 76 銭で取引を終えた。 (yomiuri = 11-2-14)
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