NHK、カメラ用新撮像素子を開発 - めがねなし立体映像実現目指す

NHK は 12 月 16 日、カメラの撮像デバイスとして、超多画素化と高フレームレート化を両立できる3次元構造撮像デバイスを開発したと発表した。 めがねなしの立体映像用カメラの実現を目指す。 カメラの撮像デバイスは、画素数とフレームレートなどで表されるが、立体映像を撮影する場合、2 次元の映像をはるかに超える画素数が必要になる。 しかし現在ある一般的な撮像デバイスでは、多数の画素から信号を順次読みだす構造になっており画素数を増やすと信号出力に時間がかかり、フレームレートが低くなるという問題があった。

今回開発されたのは、半導体回路を接着層なしで積層し、画素の直下に各画素専用の信号読み出し回路を配置した 3 次元構造のもの。 これにより、画素数にかかわらず 1 画面を 1 回の信号読み出しで出力できるため、超多画素化と高フレームレート化を両立できるようになったという。 NHK では、今回の開発を将来の立体映像を活用した新放送サービスの可能性を開くものとし、実用化を目指し研究を進めていくとしている。 (加納恵、Cnet = 12-16-14)


撮影だけでコンクリート内の亀裂発見 NEC が開発

道路や橋を撮影するだけで、コンクリート内部の亀裂などを見つけることができる技術を、NEC が開発した。 検査にかかる費用を 10 分の 1 ほどにできるという。 来年度の実用化をめざし、老朽化対策に取り組む自治体や建設会社向けに売り込む。 道路や橋の上を自動車が走る際に起きる細かな振動をとらえ、内部に亀裂や空洞があると揺れ方が微妙に変わるのを利用して診断する。 肉眼では確認できないほどのわずかな違いを、「顔認証」のしくみなどで培った画像分析の技術を応用して見抜くという。

これまでの診断では、近くで人が目視したりたたいたりして確かめなければならなかった。 この技術を使えば、検査の人手を確保したり、足場をつくったりする必要がなくなるという。 高度経済成長期にたくさんつくられた道路や橋の老朽化が問題になっている。 江村克己執行役員は、「どの道路や橋が危なそうかを簡単に見分けられるため、コスト削減や人手不足対策にもなる」と話す。(高木真也、asahi = 12-10-14)


「指認証」立ち止まらず OK 日立「五輪入場ゲートに」

日立製作所は 8 日、銀行の ATM などで使われている「指認証」のスピードを上げる技術を開発した、と発表した。 短時間で大人数の個人認証が可能になり、2020 年の東京五輪などで、競技場への入場管理に役立てたいという。 指認証は、人によって異なる指の静脈の形を、特殊な光を通して調べ、あらかじめ登録したデータと照合して本人かどうかを確認する技術だ。 精度は高いが、認証に時間がかかるのが課題だった。

日立は、端末に手をかざすだけで、立ち止まらずに認証できる技術を開発した。 ゲート型の試作機で性能を調べたところ、1 分間で 70 人が通過できたという。 駅の自動改札に匹敵するスピードだ。 従来のしくみでは、最大でも 20 人までだった。 日立は、東京五輪などでの活用をにらんでいる。 チケット購入時などに指の静脈を登録すれば、大規模施設でも、入場ゲートが混雑することなく、本人以外や不審者の侵入を防ぐことができるからだ。 まずはオフィス内や小規模なイベントなどで効果を調べ、大規模なイベントに対応できるように性能を高めていきたいという。(南日慶子、asahi = 12-9-14)


アップル、横浜に開発拠点 = 来年設置 - 安倍首相「アジア最大級」

米アップルは 9 日、横浜に研究開発拠点「テクニカル・デベロップメント・センター」を新設することを明らかにした。 これに関連し、安倍晋三首相はさいたま市での街頭演説で「アップルが最先端の研究開発を日本ですると決めた。 アジアで最大級の研究開発拠点を日本に置く。」と語った。 菅義偉官房長官も横浜市内の会合で、拠点がみなとみらい地区に「来年早々」設置されるとの見通しを示した。

アップルは、センター設立で「日本での事業がさらに拡大されることをうれしく思う。 数多くの雇用創出にもつながる。」とのコメントを出した。 ただ、センターの開設時期や具体的な研究内容などについては、現時点で明らかにできないとしている。 (jiji = 12-9-14)


レンジでチンしてご飯ふっくら 耐熱陶器のおひつ

耐熱ガラスメーカーの HARIO は、耐熱陶器でつくった「ご飯釜のおひつ」を発売した。 炊きたてのごはんから出る余分な水分を陶器がたくわえ、電子レンジで温め直すときにその水分がごはんに戻ってふっくら仕上がるという。 ごはんを入れたまま冷蔵・冷凍保存できる。 2 合用で税抜き 4,500 円。 公式販売サイト (http://www.hario.co.jp/) などで買える。 (asahi = 12-7-14)


放送コンテンツの輸出 3 割増加 ネット配信や円安効果で

総務省のまとめによると、テレビ番組の放送権など放送コンテンツの輸出額が 2013 年度に約 138 億円になり、前年度より 3 割増えた。 番組をインターネット上で配信する権利の輸出が増えたり、円安が進んだりしたことが輸出額を押し上げたという。

総務省が地上波や衛星波のテレビ局、制作会社など 179 社に聞いてまとめた。 輸出額には番組の放送権のほか、DVD にする権利、出演者などを入れかえてつくり直す権利、キャラクターを商品化する権利などが含まれる。 番組のジャンルではアニメが 86 億円で最も多く、全体の 6 割強を占めた。ドラマが 21 億円、バラエティーが 18 億円で続いた。 (志村亮、asahi = 12-6-14)



東芝、スマホで作れる電子看板「サイネージ」を開発

東芝ライフスタイルは 4 日、スマートフォン(スマホ)でつくった画像を表示できる、小売店向けの電子看板「スマホでサイネージ」を発売した。 スマホやタブレット端末にダウンロードした専用アプリで、販売促進の広告を簡単に作ることができ、無線 LAN 機能を使って電子看板に表示する。 直販サイトの税込み価格は、42 型で 21 万 8 千円、47 型で 24 万 8 千円。 (asahi = 12-4-14)


小惑星探査機「はやぶさ 2」打ち上げ 鹿児島・種子島

小惑星探査機「はやぶさ 2」を載せた H2A ロケット 26 号機が 3 日午後、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。 6 年、50 億キロの旅に挑むはやぶさ 2 は、午後 3 時ごろに太平洋の約 900 キロ上空で分離される。 めざす小惑星には 2018 年に到着。 着陸して石を採取し、東京五輪が開かれる 20 年に地球へ帰ってくる計画だ。

種子島はこの日朝、ぱらついていた雨もあがり、雲間から日が差す穏やかな天気になった。 午後 1 時 22 分 4 秒。 秒読みがゼロになると、H2A は爆音と鋭い光を放ちながら発射場を離れた。 機体を傾けながら方向を変え、白い煙をなびかせながら東の空へと上昇した。 (東山正宜、asahi = 12-3-14)

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はやぶさ 2、職人の技が支える世界初のミッション

小惑星からの試料持ち帰りを目指す小惑星探査機「はやぶさ 2」。 機体や搭載装置は、日本のものづくり技術の粋が結集する。 大手メーカーから数人の町工場まで 100 社以上が携わった。 職人たちの思いも乗せ、30 日に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられる。 はやぶさ 2 は、宇宙航空研究開発機構 (JAXA) から NEC が設計や組み立てを請け負った。 2018 年夏に小惑星「199JU3」に到着する。 ミッションの目玉は表面に人工クレーターをつくり、太陽の熱や太陽風の影響を受けていない地下物質も持ち帰ること。 世界初の挑戦だ。

その成否の鍵を握る装置が、クレーターをつくる「衝突装置」。 衝突装置の心臓部にあたる円錐(えんすい)形の「爆薬部分」は、福島県西郷村にある破砕薬メーカー日本工機白河製造所など福島県の工場が作った。 日本工機の松崎伸一さん (43) は「期限に間に合うよう夢中で作った。 使われる 4 年後になったら、きちんと作動するかプレッシャーを感じるでしょうね。」 円錐形のステンレス製の本体と銅製の底板でできた容器に爆薬が詰められた装置。 爆発で底の直径約 25 センチの銅板が秒速 2 キロで発射され、勢いで丸く変形しながら小惑星に衝突、クレーターをつくる。

容器と銅板の製造を受け持ったのは、同県鏡石町の精密部品メーカー石川製作所。 11 年初めに開発を始めた。 子会社タマテックとともに作り、同県郡山市の東成イービー東北がステンレスと銅を溶接した。 着手して間もなく東日本大震災が発生。 日本工機の敷地内は道路が割れ電柱も傾き、職人の自宅も半壊、1 カ月以上、工場が停止した。 だが、7 カ月後の 10 月に予定される最初の試験の延期はできない。 車のガソリン確保に苦労し物流も止まる中、再開後は休日返上が続いた。

初めての装置で試行錯誤の連続。 最初は円錐形容器をアルミニウム製にし、銅板をネジで取り付ける計画だったが、中の爆薬がもれる可能性があるとわかった。 溶接でつなぎ合わせることになり、銅との溶接が難しいアルミニウムからステンレスに変更した。 これが大きな転換だった。 重量を抑えるため、塊から削り出す容器の側面の厚さは 3 ミリが 1 ミリに変更された。 タマテック副社長の吉田武さん (51) は「1 ミリは常識を超えている。 加工は 3 倍難しくなった。」 石井勇寿さん (36) らが、刃物を慎重に選んで削った。

溶接も簡単にはいかなかった。 職人がステンレスと銅が溶け込み一体化する深さを何度も試行した。 容器にとろろ芋状の爆薬を詰める作業は、日本工機の川堀正幸さん (48) らが担当した。 2 センチの口から気泡ができないように慎重にすみずみに詰めた。 詰めた爆薬は取り出せず、失敗したら、その容器は使えない。 JAXA で衝突装置を担当する佐伯孝尚さん (38) は「工場に行って無理も言ったが、よい装置ができた。 すごく仕事も速かった。」と話している。

100 分の 1 ミリの闘い

クレーターができた小惑星から試料を採取するのが「サンプラホーン」と呼ばれる長さ 1 メートルの筒型の装置だ。 先端が着地した瞬間に小弾丸を撃ち、舞い上がった石や砂などを集める。 縮められて搭載したサンプラホーンを打ち上げ後に展開する網状のバネをつなぎ合わせる小さな部品は、横浜市金沢区にある下平製作所の 20 代から 70 代の 5 人の職人が作った。 織田良和さん (43) は「宇宙モノは精度が 1 ケタ違い、神経を使う。 でもそれが日常の仕事です。」と話す。

部品はアルミニウム製とステンレス製で、数ミリから 1 センチほどの大きさ。 求められる精度は 100 分の 1 ミリ単位だ。 7 種類計 800 個弱を旋盤で削った。 日ごろ、人工衛星や航空機の部品を作る職人は、はやぶさ 2 の部品とは、ほとんど意識していなかった。 ベテランの鈴木勝広さん (72) は「どの部品も特別ではなく、同じようにシビアな寸法で作るだけ。」 社長の川口伸児さん (42) は「職人は与えられた図面の部品を黙々と突き詰めて作るだけです」と淡々と話した。 (神田明美、asahi = 11-25-14)

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はやぶさ 2 世界初の地下物質採取へ 1 号機改良、夢継ぐ

宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は 30 日、小惑星探査機「はやぶさ 2」を、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げる。 時刻は午後 1 時 24 分 48 秒の予定。 小惑星イトカワの微粒子を地球に持ち帰った「はやぶさ」の後継機で、地球と火星の近くを回る別の小惑星に向かう。 地下物質の採取を初めて試み、2020 年に地球に持ち帰る計画だ。

初号機はやぶさは、小惑星で物質を採取し地球に持ち帰るという世界で初めてのミッションに取り組む「試験機」だった。 はやぶさ 2 は、経験を踏まえて、技術的な問題点や課題を洗い出して行われる本格的な探査が使命だ。 設計の大枠は初号機を踏襲しつつ、さまざまな改良を加えた。 はやぶさで 3 台中 2 台が故障した姿勢制御装置を 4 台搭載。 トラブルがあったイオンエンジンは、耐久性を向上させ、推力を増強した。 化学推進系の機器は、配管凍結が起きた系統で、配管ルートを変えた。

小惑星に到着するのは、打ち上げから 3 年半以上先となる 2018 年夏の予定だ。 約 1 年半の滞在中、小型着陸機「ミネルバ 2」などを着陸させて調べるほか、弾丸を発射して物質の採取を行う。 はやぶさは表面の物質の採取にとどまったが、はやぶさ 2 は、表面の物質を 2 回採取するのに加えて、地下物質も 1 回採取する。 (神田明美、小池竜太、asahi = 11-19-14)

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30 日打ち上げはやぶさ 2 オリジナル CG で解説

小惑星探査機「はやぶさ 2」が、11 月 30 日にいよいよ打ち上げられます。 朝日新聞デジタルでは「3D で見る『はやぶさ 2』」を作製、公開しました。 最新版スマホにも対応。 マウス操作やスワイプで上下左右にぐるぐる動き、好きなパーツを拡大できます。 あなただけのお気に入りのアングルを見つけてください。

はやぶさ 2 の CG

はやぶさ 2 が目指すのは、地球のやや内側から火星にかけての軌道をまわる小惑星「1999JU3」。 小惑星から小石などのサンプルを採取し、2020 年に地球に帰還予定です。 その成果は、太陽系の誕生や生命の起源の解明につながると期待されています。 CG では、サンプル採取を担う「衝突装置」や「サンプラホーン」などの各機器を精細に再現。 動画や写真を交えて役割や仕組みを解説します。 例えば、宇宙での長旅を支える「イオンエンジン」。 その推力は、実は息をフーッと吐いたときと同じくらいなんだとか。 このほか、サンプル採取の方法なども紹介しています。

■ 打ち上げをライブ中継

朝日新聞デジタルでは、11 月 30 日の種子島での打ち上げの模様をライブ中継予定です。 H2A ロケットのすさまじい推力で、はやぶさ 2 は一気に宇宙へ駆け出します。 その長い航海の最初の一歩を、ライブで見届けてください。 (asahi = 11-9-14)

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東大・JAXA、超小型探査機プロキオン公開

東京大と宇宙航空研究開発機構 (JAXA) は 5 日、小惑星探査機「はやぶさ 2」を打ち上げる H2A ロケットに相乗りして、30 日に宇宙に向かう超小型探査機「プロキオン」を公開した。 地球と通信しながら小惑星などを調べる。 他に 2 機の超小型衛星も一緒に打ち上げられる。 プロキオンは東京大と JAXA などのチームが開発した。 重さは、はやぶさ 2 の約 9 分の 1 の 65 キロ。 2016 年 1 月に地球と火星の間を公転する小惑星に接近して通り過ぎながら、小惑星の表面などを探る。 地球から遠く離れた深宇宙を自力で探査する超小型探査機は世界初の試み。

衛星や探査機を打ち上げる際、ロケットの積載重量の余裕分を使って超小型機を一緒に打ち上げる「相乗り」は、大学や企業の技術開発の後押しや若手人材の育成が目的。 巨額の費用がかかる宇宙開発に低コストで挑戦でき、将来の多様な利用に向けた実証実験にもなる。 09 年に始まり、「まいど 1 号」など 22 機が無償で打ち上げられた。 (神田明美、北林晃治、asahi = 11-5-14)


今年のヒット商品 横綱は「青色 LED」、「羽生・錦織」

三井住友銀行系の SMBC コンサルティングは 28 日、2014 年の「ヒット商品番付」を発表した。 日本が世界で躍進することへの期待をこめ、東の横綱に「青色 LED ノーベル物理学賞受賞」、西の横綱に「羽生結弦、錦織圭」の両選手を選んだ。

大関には、子どもに人気のゲーム「妖怪ウォッチ」と、ディズニー映画「アナと雪の女王」が選ばれた。 世界文化遺産や無形文化遺産に選ばれた「富岡製糸場、和紙」、入場者が増えた大阪の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」が関脇に入った。 小結は「消費税」と「プチ贅沢(ぜいたく)商品」だった。 4 月に消費税率が 5% から 8% に上がって消費は低迷しているが、お菓子やビールではささやかなぜいたく志向があったという。 (asahi = 11-29-14)

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水中解説・内視鏡・サンマ漁 … LED の活用広がる

「21 世紀を照らす光」を生み出した技術として、今年のノーベル物理学賞に選ばれた青色 LED。 その登場によって様々な色彩が作り出せるようになり、今では幅広い分野での応用につながっている。 一方、省エネ効果をさらに高め、より自然な光に近づける取り組みも続いている。 高さ 634 メートルを誇る東京スカイツリー(東京都墨田区)。 夜になると、隅田川の水をイメージした淡い青や江戸紫など、多彩なライティングで浮かび上がる。 光を演出するのは、すべて LED。 幅広い色彩を再現できるのは、作るのが難しかった青色 LED が実用化されたからだ。 従来と比べて、約 4 割の省エネも達成した。

大阪市港区の水族館「海遊館」では、水槽中のダイバーによる「水中解説」に LED を活用している。 水中の音声を LED 光の点滅に変換する装置を使い、水槽の外で受光してスピーカーから声が聞こえる。 目に見えないほどの高速で点滅できる LED だからできるようになった。 (asahi = 10-10-14)

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ノーベル物理学賞に赤崎勇・天野浩・中村修二の 3 氏

スウェーデン王立科学アカデミーは 7 日、今年のノーベル物理学賞を、赤崎勇・名城大教授 (85) と天野浩・名古屋大教授 (54)、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授 (59) の日本人 3 人に贈ると発表した。 赤崎さんと天野さんは青色の発光ダイオード (LED) を初めて作り、中村さんが青色 LED の製品化に成功した。

日本のノーベル賞受賞は、2012 年の山中伸弥・京都大教授に続いて 20、21、22 人目となる。 物理学賞は 08 年の小林誠・高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授と益川敏英・名古屋大素粒子宇宙起源研究機構長、南部陽一郎・米シカゴ大名誉教授(米国籍)の 3 人以来 8、9、10 人目。 授賞式は 12 月 10 日にストックホルムである。 賞金の 800 万クローナ(約 1 億 2 千万円)は受賞者 3 人で分ける。 (asahi = 10-7-14)


洗濯機に洗濯板・鍵つき冷蔵庫 … アジア家電、現地仕様に

アジアで売れ筋の家電は、日本とは一味も二味も違う。 いまも現役の 2 槽式洗濯機にはなぜか洗濯板がついていて、冷蔵庫は鍵つきが標準の国も。 おいしい成長市場では最近、韓国メーカーが幅をきかせているが、日本勢も国柄や生活習慣に合わせた商品で巻き返しを図る。 人口約 2.5 億人を抱えて成長が続くインドネシアでは、多くの家庭が 2 槽式洗濯機を使う。 年中暑く、時折見舞うスコール。 晴天なら脱水なしでも服が乾くし、突然の雨でぬれたら脱水だけして干せば事足りるためだ。

中でも風変わりなのが、パナソニックが約 3 年前に売り出した洗濯板つき洗濯機だ。 現地メーカーよりやや高い約 130 万ルピア(約 1 万 3 千円)だが、ヒットしている。 洗濯物を入れる天板に凸凹があって、こすり洗いできる。 「地元の人たちは、洗濯機があるのに洗濯板でも念入りにこする習慣がある(広報)」のをヒントにした。 (近藤郷平、asahi = 11-22-14)


スパコン「京」、世界 2 位になる 1 秒に 461 兆回計算

理化学研究所のスーパーコンピューター「京(けい)」が 20 日、実用性を評価する新たな計算速度ランキング「HPCG」で、世界 2 位になった。米ニューオーリンズで開かれているスパコンの国際会議「SC14」で発表された。 1 位は中国の「天河 2 号」、3 位は米オークリッジ国立研究所の「タイタン」だった。 理化学研究所によると、HPCG は産業利用などでの実際の計算に近い評価手法で、計算だけでなく、データの転送や保存なども含めた総合的な速度を競う。 「京」は今回、1 秒間に 461 兆回の計算をした。 トップの天河 2 号は 632 兆回、3 位のタイタンは 322 兆回だった。

スパコンの性能評価では、単純計算の速度を測る「TOP500」が有名。 テネシー大のジャック・ドンガラ博士が開発した、連立 1 次方程式を解く「LINPAC」という手法で競うものだが、スパコンの性能の多様化により、近年、これに代わる評価手法の開発が求められていた。 今年の「TOP500」の成績は、「京」は 4 位、天河 2 号は 1 位、タイタンは 2 位だった。 (嘉幡久敬、asahi = 11-21-14)


プリントシール機、米国へ デカ目・小顔加工は控えめ

日本の最新技術が詰まったプリントシール機(写真シール作製機)が、12 月から米国で使われ始める。 日本で「かわいい」と人気のデカ目や小顔の加工は控えめにし、現地ニーズにあった米国専用機だ。 シール機大手のフリュー(東京都渋谷区)が開発した。 米フロリダ州の展示会で 19 日、専用機をお披露目した。 12 月からハリウッドの大型遊戯施設に置き、来年 2 月以降、全米に設置することを目指す。 当面は試験的なサービスという。 国内で使われている機械を使って海外展開した他社の事例はあるが、今回は米国専用に機械を開発した。

米国で約 2 年間、国内用機械を使い利用者の意見を聞いた。 肌をなめらかにし、そばかすやしわを目立たなくする加工は好評だった。 一方、日本では好評の目を大きくする加工は、「滑稽だ」、「なぜ個性を変えるんだ」という想定外の反応だったため、加工の程度を半分以下にした。 多人種に対応できるよう、様々な色の肌や髪を美しく見せられる工夫もしている。 (高重治香、asahi = 11-20-14)


シャープ「おもろい家電」再び 失敗も評価する新制度

シャープの高橋興三社長は、「おもろい家電」を増やす考えを示した。 「そろばん付き電卓」や「ひげそり付きドライヤー」など、ユニークな商品を生み出した往年の社風を取り戻し、経営を立て直すのがねらいだ。 社員が挑みやすいように、失敗しても評価する制度に変えた。 高橋社長が 12 日、朝日新聞の取材に答えた。 家電はもうけ重視で、種類を絞り込んできたが、方針を変える。

社員が「おもろい家電」に挑んだ例として、限定販売の掃除ロボット「プレミアムなココロボ」を挙げた。 アニメの声優の声で「べ、べつに、あなたにほめてほしくて掃除したんじゃないんだからね」などと話すおしゃべり機能付きの少し変わった掃除機だ。 高橋社長は「全然売れへん」と苦笑いするが、「社長がどう思おうが関係なく、こういう商品を出していくのはいいことだ」と話した。 「昔のシャープにはおもろい製品がいっぱいあった」と振り返る。 ゼンマイ式シェーバーやしゃべる電卓などだ。 いつしか、社長のリーダーシップが強くなって「指示待ち」社員が増え、経営を傾かせたと考えている。 (福山亜希、asahi = 11-13-14)


現代の名工に 149 人 = 伝統技能や工業、料理など

厚生労働省は 9 日、伝統工芸や工業、料理など多様な分野で卓越した技能を持つ 149 人を、今年度の「現代の名工」に選出したと発表した。 10 日に東京都内のホテルで表彰式を行う。

選ばれたのは、絹糸のように細い手延べ麺を作る北海道の中華料理人、鈴木裕一郎さん (65) や、神社や寺で使われる特殊な畳を得意とする広島県の畳職人、米花俊明さん (66)、機械式時計の精度を日差 5 秒以内に調整できる長野県の時計職人、小松郁清さん (49) ら。 最年長は和歌山県の広告美術家、村田守さん (85)、最年少は三重県の石材加工業、谷本雅一さん (38)。 平均年齢は 62.7 歳で、女性は 7 人が選ばれた。 (jiji = 11-9-14)


タッチパネルで学ぼう 未就学児向け教育ツール

カシオ計算機は、タッチパネルを使った未就学児向けの教育ツール「キッズワード KW-A1」を、13 日に売り出す。 動物のアイコンにタッチすると、英語や国語が学べるしくみだ。 出版社と共同開発した教材や絵本など、約 300 の作品を収録。 勉強を進めると、お絵かきソフトで使える色やスタンプなどの「ごほうび」がもらえる。 親の声を録音して、絵本を読み聞かせすることもできる。 単 3 アルカリ電池 2 本で約 12 時間動く。 店頭予想価格は税込み 3 万円前後。 (asahi = 11-6-14)


ブラザー工業、中間決算で過去最高益 円安が追い風

ブラザー工業が 4 日発表した 2014 年 9 月中間決算は、売上高が前年同期比 12.6% 増の 3,246 億円、営業利益は同 54.7% 増の 299 億円、純利益は同約 5.8 倍の 371 億円だった。 いずれも中間決算では過去最高。 円安の追い風に加え、中国でスマートフォンのボディーを作る工作機械などの販売が好調だった。

15 年 3 月期の業績予想も上方修正した。 売上高の見込みを今年 8 月時点の 6,800 億円から 7 千億円に、営業利益を 500 億円から 530 億円に、純利益も 490 億円から 510 億円に、それぞれ引き上げた。 上方修正は 8 月に続いて今年度で 2 度目。 売上高と純利益は過去最高になる見通しだ。 最近の急速な円安について、小池利和社長は記者会会見で「できれば円安のままいってくれると助かる」と話した。 (asahi = 11-4-14)


人工知能「東ロボくん」、偏差値 47.3 センター模試

東大合格をめざす人工知能「東(とう)ロボくん」が今秋受験した「全国センター模試」の成績が 2 日、発表された。 東大合格にははるかに及ばないが、偏差値は昨年を上回り、私大なら全国 581 大学の 8 割にあたる 472 大学で、合格可能性が 80% 以上の「A 判定」だった。 英語、国語で得点が伸び、文系向きという。

東ロボくんは国立情報学研究所などが 2011 年に始めた人工知能の開発プロジェクトで、2021 年度までに東大合格をめざす。 模試の受験は昨年に続き 2 回目。 模試を実施した代々木ゼミナールによると、英語、国語、数学 2 2科目、世界史、日本史、物理の計 7 教科の合計得点は、900 点満点(英語、国語は 200 点満点、他は 100 点満点)で 386 点だった。 偏差値は 47.3。 昨年は 45.1 だった。 (嘉幡久敬、asahi = 11-2-14)


インフラの点検、ロボットが台頭 人手不足で脚光

橋やトンネルにできたひびを探したり、トントンとたたいて内部の様子を調べたり。 人に代わってインフラ(社会資本)の点検をしてくれるロボットが次々に生まれている。 深刻な人手不足に加え、高度成長期に造られたインフラの老朽化が進んで点検が追いつかなくなる恐れがあるため、国が開発支援に本腰を入れ始めた。 橋の上のトラックから、首長竜が橋の裏側をのぞき込むように 20 メートルのアームが伸びていく。 「顔」にあたる先端部には高画質のカメラが付いており、運転席のモニターに鮮明な映像が映し出される。 札幌市の業者が開発した「橋竜(きょうりゅう)」だ。

今月 14 日、国土交通省が茨城県つくば市で開いた実証実験で、橋の裏側を点検するためのロボット 5 種類が公開された。 人が点検する際は橋の下に足場を組まなければならず、費用も時間もかかってしまう。 実験では、気球やヘリコプターを使って鳥のように空を飛び、橋の裏側を点検するロボットも登場した。 国交省が 4 月、インフラ点検などに使えるロボット技術を公募したところ、企業や大学などから 143 件の応募があり、101 件が実証実験の対象に選ばれた。 トカゲのように壁に張り付いたり、高速で走りながら瞬時に壁の傷を見つけたりとタイプは様々だ。

10 月から各ロボットを「招待」して実験を進め、大学教授ら専門家が改善点をアドバイスしている。 実験結果を各企業で共有して開発に役立てるほか、来年度には評価が高い技術に国交省の「お墨付き」を与え、普及を後押しする計画だ。 (山下龍一、asahi = 10-30-14)


秋田県、パナ炊飯器購入であきたこまち 2 キロ提供

あきたこまちデビュー 30 周年を記念し、秋田県はパナソニックと協力し、同社の最新炊飯器の購入者に、良食味のあきたこまち新米 2 キロをプレゼントする共同企画を 9 月から始めた。 商品本体につく景品として試食してもらい、全国のこまちファンを増やす試みだ。

対象炊飯器は同社の最新機種で、コメの銘柄に合わせて炊き方を変える機能を搭載する。 あきたこまち、キヌヒカリ、コシヒカリ、つや姫、ゆめぴりかなど約 20 の銘柄を選べる。 県によると、今年 6 月の発売以来、当初の販売目標だった月 1 万台を超えてヒットしているという。 炊飯器は新米が出回る秋に販売が増える傾向があり、今秋の販売促進策を検討していた同社と、誕生 30 周年を迎えたあきたこまちの魅力を全国に発信したい県の意向が合致。 昨年県内であった食味コンテストで上位入賞した農家 5 人の新米を、炊飯器購入者にプレゼントすることにした。 (曽田幹東、asahi = 10-27-14)


有機 EL、照明器具で再挑戦 「光の質」に美術館も注目

薄型テレビの画面としては液晶に敗れた「有機EL」が、照明器具として再起を図っている。 自然光に近いなど、「光の質」が認められ、美術館などで使われ始めた。 価格が下がれば、LED のように広がるかもしれないと、各メーカーが力を入れる。

東京・銀座の資生堂直営店「ザ ギンザ」。 化粧の技術を学ぶ個人講座の小さな部屋で、有機 EL が活躍している。 鏡の両脇から 14 センチ角の 4 枚の照明パネルとして、受講者を優しく照らす。 器具はパイオニアがつくった。 自然光に近い光で、本来の肌の色がよく分かる。 講座を担当する資生堂の関谷佳代さんは、「蛍光灯や LED では肌がやや暗めに見え、化粧が厚塗りになってしまう。 だが有機 EL なら避けられる。」

有機 EL は美術館でも使われ始めた。 発熱が少なく、紫外線や赤外線がほとんどないので、美術品が傷みにくい。 京都国立博物館は、今月 7 日に始まった特別展で展示する国宝の「鳥獣人物戯画」に、九州国立博物館も開催中の特別展で、台湾の台北故宮博物院から借りた掛け軸 4 点を照らすのに有機 EL を使った。 九博の畑靖紀・主任研究員は「点や線で照らす LED や蛍光灯と違い、有機 EL は面で光る。 明暗の差が抑えられる。」

照明のかたちを変える可能性も持つ。発光部をのせる基板をプラスチックにすれば、有機 EL は「曲がる照明」にもできる。 コニカミノルタは近く、曲げられるパネルを山梨県にたてた工場で量産し始める。 建物の柱に照明を巻く、丸い天井に貼るなど「新しい発想の照明ができる」と話す。 ただ有機 EL は LED に比べて、価格の高さと寿命の短さが課題となってきた。 価格は一般的に、同じような明るさの LED の 4 - 5 倍高いと言われる。 このため、現状では一般には普及していない。

そうした弱点を乗り越えようと事務所や家庭で使いやすい照明の開発も進む。 化学メーカーのカネカは 9 月、一般的な LED 照明の寿命とされる 4 万時間を上回る、5 万時間以上の寿命を持つ小型の白色パネルを 1 万円弱で売り出した。 化学大手の住友化学も 15 年度に、寿命や価格などが LED と同等の白色パネルを売り出そうと開発を急ぐ。 海外勢でも、照明世界最大手のフィリップスが 40 センチ角のパネル製造を視野に入れ始めた。 開発競争が進むことで価格も下がっていくとみられ、同社は、17 年ごろには一般家庭にも有機 EL 照明は普及し始めるとみている。 (伊沢友之、asahi = 10-25-14)

有機 EL〉 有機物に電圧をかけて発光させる技術。 発光部をのせる基板をプラスチックにすれば、曲げることもできる。 2000 年代にソニーやパナソニックなどがテレビの画面に使う開発を進めた。 液晶のようにパネルの後ろからLEDなどで照らす必要がないため、より薄いテレビができると期待されていた。 だが製造コストが高く、両社は 7 月までに大型テレビ向けからの撤退を決めた。


石英ガラスにデータ記録、3 億年保存可 日立と京大開発

日立製作所は、熱や放射線に強い石英ガラスに、ブルーレイディスクなみの密度でデータを書き込む技術を京都大と共同で開発し、20 日発表した。 「約 1 千年」とされるブルーレイディスクを大幅に上回る 3 億年もデータを保存できるといい、公文書や文化遺産などの長期保存に向く。 メッセージを書き込んだ試作チップを乗せた人工衛星が、11 月に打ち上げられる。

レーザーを細く絞って石英ガラスにごく短時間照射すると、内部に 1 千分の 1 ミリほどの小さな泡ができる。 これをデジタルデータの単位とし、泡を 1 千分の 3 ミリほどのピッチで平面に並べ、0.06 ミリ間隔で 100 層分、重ねた。 約 2.5 センチ角で厚さ 8 ミリの石英ガラスに約 1.5 ギガバイトを記録できた。 1 千度の熱を 2 時間加えてもデータは保持できた。 読み出しには光学顕微鏡を使う。 焦点を合わせ、一層ずつ読み取ることができる。 文字や写真をイメージとしても記録できるので、動画などのデジタルデータを、再生方法を説明する文字とともに保存できる。 (嘉幡久敬、asahi = 10-21-14)


羽根なし扇風機 → 除菌加湿器に ダイソン、日本先行発売

英家電メーカーのダイソンは 20 日、加湿に使う水の中のバクテリアをほぼ完全に除菌してから、部屋をまんべんなく潤すことができる加湿器を、世界に先駆けて 11 月 6 日から日本で売り出すと発表した。 店頭参考価格は、税込み 6 万 3,504 円。

加湿器内部で菌が増える恐れがあるとして構造から見直し、よくあるフィルターやスポンジをなくした。 紫外光のライトをタンクの水の一滴一滴に2度あてて、中のバクテリアを除菌するという。「ループ」と呼ばれる輪に開けられた幅 1 ミリほどの溝を通り、前面から水が霧状になって吹き出す。 外形は、同社の羽根のない扇風機と似ていて、タンクに水を入れないと扇風機としても使え、霧状の水の代わりに風が出てくる。 8 畳用で色はシルバーとサテンブルーの 2 色。

ダイソンにとって加湿器は、掃除機、扇風機、ハンドドライヤー(手洗い乾燥機)に続く新分野で、ロボット掃除機も来春、日本で先行投入する方針だ。 「新しい技術に関心を示してくれる(同社)」と、日本を重視する姿勢を強めている。(伊沢友之、asahi = 10-21-14)


「ものづくり」の浜松、またノーベル賞絡む朗報

光学機器メーカー「浜松ホトニクス(浜松市中区)」は 15 日、1981 年に開発した商品「光電子増倍管(直径約 50 センチ)」が、社会や産業の発展に貢献した技術革新をたたえる「マイルストーン」に認定されたと発表した。 光電子増倍管はセンサーの一種で、2002 年にノーベル物理学賞に輝いた小柴昌俊氏のニュートリノ観測に用いられた。 折しも、浜松市出身の天野浩・名古屋大学教授がノーベル物理学賞の受賞を決めたばかり。 「ものづくり力」を誇る浜松市に、ノーベル賞絡みで朗報が相次いでいる。

マイルストーンは、米国に拠点を置く世界最大の電気電子学会「IEEE (アイ・トリプル・イー)」が創設した制度。開発から 25 年以上経過した技術が対象で、今回の増倍管を含めて世界で 148 件、国内で 23 件を顕彰している。 国内では東海道新幹線や富士山頂のレーダーなどが選ばれている。 認定式は 11 月 5 日、IEEE 本部の会長が来日し、静岡県磐田市の浜松ホトニクス豊岡製作所で行われる。

光電子増倍管は、医療、計測、半導体など多くの分野で使われている光検出器。 管の直径が大きいほど、性能が上がる。 1959 年に第 1 弾を発売した浜松ホトニクスは、現在、世界の市場占有率で約 9 割を占める。 認定対象となった直径約 50 センチの増倍管は 1979 年、ホトニクスが小柴氏から依頼されて開発し始めた。

当時は、直径約 13 センチと約 20 センチの試作品に着手したばかり。 小柴氏の要求は前例のないサイズだった。 「開発には数億円かかるが、とにかくやってみよう」と、社を挙げて取り組み、約 2 年後に開発成功。 微弱な光でも検出する高性能を実現した。 これを用いた観測施設「カミオカンデ」で、小柴氏は 87 年、超新星の爆発に伴うニュートリノの観測を成し遂げた。

ホトニクスは 15 日、マイルストーン認定の記者会見を開いた。 当時の開発責任者だった鈴木賢次常務取締役は「開発は難しく、いったん断ったが、未知未踏に挑むのが我々の仕事。 なんとかなると思い直した。」と振り返った。 昼馬明社長は「挑戦しなかったら、その後の当社の宇宙関連製品はなく、日本の素粒子研究は進まなかった」と語った。 (yomiuri = 10-16-14)

浜松ホトニクス 1953 年創業。 光関連の電子部品や電子機器を製造するメーカー。 医療や工業用に使われ、高い技術力で世界的に知られる。 2013 年 9 月期連結決算の売上高は 1,021 億円と最高だった。


パナソニックの乾電池エボルタ、今年は 1 トンの電車走行に挑戦

パナソニックは 14 日、アルカリ乾電池「エボルタ」を動力源にして、重さ約 1 トンの電車の車両を約 8.5 キロ走行させる実証実験を行うと発表した。 11 月 2 日に秋田県で行う本番に先立ち、都内で車両を公開した。 この実験のために、長さ約 4 メートル、高さ約 2.5 メートルの車両を製作。 単 1 形のエボルタ 99 本で動かす。 11 月 2 日は秋田県大館市で、現在は廃線になっている旧小坂鉄道の線路を走行させる。 定員は 10 人で、駅で数回、地元の子供たちに乗り換えてもらいながら走る。

同社の担当者が「構造、材料、工法で独自の技術を使って、長持ち性能とハイパワーを実現した」と強調するアルカリ乾電池のエボルタは 2008 年の発売以来、世界約 80 カ国で 14 億本を販売。 国内では携帯電話やデジタルカメラなどで充電式の機器が増えているが、世界的にみると、電力供給が不安定な地域もあり、通常の乾電池の重要性は依然として大きい。このため、パナソニックは実証実験などでブランド力の強化を続けていく方針だ。

同社は 2008 年の米グランドキャニオン挑戦以降、乾電池や充電池のエボルタを動力源とした実験「エボルタチャレンジ」を続けている。 昨年はタカラトミーと共同で玩具「プラレール」を 5 キロ超走らせた。 (sankei = 10-14-14)