富士通、台湾 UMC と三重工場の共同運営会社を設立へ = 関係筋 ![]() [東京] 富士通が、半導体の主力拠点、三重工場(三重県桑名市)の一部を台湾の UMC に売却する方針を固めたことがわかった。 複数の関係筋によると、富士通は UMC と共同出資で、三重工場を運営する半導体受託生産(ファウンドリー)会社を設立する。 当初は、富士通が 70%、UMC が 30% 程度の出資比率になる見込み。 富士通は出資比率を徐々に落としていきたい考え。 富士通と UMC は月内にも最終合意する方向で調整している。 (Reuters = 7-18-14) ピアニカ、30 年ぶりモデルチェンジ ヤマハ 小学校の音楽の授業などで使われる、ヤマハの鍵盤ハーモニカ「ピアニカ」が 30 年ぶりにモデルチェンジする。 プラスチック部品を薄くして 50g 軽い 600g にしたほか、演奏用パイプの長さを調整できるようにした。 本体の丸みを改良し、子どもが持ちやすくしたという。 ケースの背面と側面にも、名前シールが貼れる場所をつくった。 10 月 1 日から全国の楽器店などで売り出す。 ブルーとピンクがあり、小売り希望価格は税込み 7,128 円。 ヤマハの鍵盤ハーモニカのシェアは 5 割前後。 少子化で市場が縮小しており、今回の改良でシェアアップを狙うという。 (asahi = 7-15-14) 丸い液晶! シャープ「フリーフォームディスプレイ」はどうして実現できたのか? ![]() シャープは中小型ディスプレーの取り組みについての説明会を開催し、「フリーフォームディスプレイ (FFD)」などについての説明を行なった。 FFD は同社が 6 月 18 日に発表したディスプレー技術で、従来の四角形ではなく自由な形の液晶ディスプレーを実現できるもの。 現在車載向け(インパネおよびインフォメーションディスプレー)として開発を進めており、2017 年頃に実用化する予定。 このほかにもウェアラブル端末やスマートフォン、タブレット、マルチディスプレーなどへの展開を検討している。 同社のディスプレイデバイス開発本部表示モード開発センター所長の伊藤康尚氏によれば、開発の発端となったのは 2 年前に "ディスプレーの価値" について、社内で議論したことだったという。 将来的に画質面での技術競争は飽和するということを見越して、そのほかの価値を検討した結果、"デザイン性" という部分に注目。 徹底的な狭額縁化を目指して開発を行なってきた。 従来の液晶は画面の周囲(上下左右)に駆動回路を搭載していたが、FFD は画素内に駆動回路(ゲートドライバー)を分散配置。 この結果、三辺(上と左右)を超狭額縁化することに成功。 「フレームレス」ディスプレーとして CEATEC で技術参考展示していた。 そして、このフレームレスディスプレーを応用したのが FFD。 ゲート信号線を内側(画素内)から外側(額縁方向)に向けて駆動させることで、額縁の形状を自由に設計することを可能とした。 また、穴の開いたディスプレーの製作やフレキシブルディスプレーとの組み合わせも可能とのことで、「ディスプレー搭載機器の形状を自由に設計でき、用途拡大を促せる」と、デザインの革新性を特徴に挙げた。 なお、FFD には IGZO パネルを採用する。 アモルファスシリコンでも実現は可能だが、構造上開口率が低くなる。 IGZO は薄膜トランジスタ (TFT) の小型化により開口率を高くでき、FFD の開口率の低さを相殺できるという。 このほか、同社は「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)」と呼ばれるマイクロマシン技術を採用したディスプレーを Pixtronix と共同開発中。 画素ごとにシャッターを設け、その開閉で RGB の光量を調節。 偏光フィルムなどを使わない仕組みにより、低温環境でも応答速度が落ちない点や NTSC 比で 120% という色純度、既存の液晶ディスプレーと比較して約半分という低消費電力などが特徴だ。 2017 年における中小型ディスプレーは、スマホ、タブレット市場で 1.7 倍、車載、インフォメーションディスプレー用途で約 1.4 倍に伸長すると予測(いずれも 2013 年度比)。 さらにスマホ、タブレット向けは高解像化が進むとしており、2017 年においてはスマホの 44%、タブレットの 56% がフル HD 以上の高精細タイプになっているという。 これを踏まえ、500ppi クラスの WQHD(2,560 x 1,440 ドット)パネルは三重第 3 工場(多気町)で、400ppi クラスのフル HD (1,920 x 1,080 ドット)パネルは亀山第 2 工場で生産を行なう体制を整えている。 現在の生産拠点は三重県にある三重工場と亀山工場、奈良県の天理工場、鳥取県の米子工場の 4 ヵ所で、米子工場以外は亀山工場から約1時間で行ける距離にあり、緻密な連携が可能であることを強調した。 また、同社の強みとして、「IGZO」、「低温ポリシリコン」、「アモルファスシリコン」という 3 つのプロセス技術を採用している点を挙げ、中小型デバイスの多様なニーズに対応できることを強調した。 (ASCII = 7-7-14) 通信・住宅大手 … 新電力に異業種 自由化にらみ次々参入 ![]() 家庭向け電力販売が自由化される 2016 年をにらみ、異業種の電力関連事業への参入が広がってきた。 自前で発電所をつくる大規模なものだけでなく、最近は企業向けに様々なやり方で電力を売るケースが目立つ。 制度の「変わり目」を商機とみて政府に登録した新電力は、すでに 300 社に迫る勢いだ。 16 年は家庭向けに電気を売る「小売り」が解禁となるため電力市場が大きく変わる節目とみられている。 このため、経済産業省に新電力を登録する企業や団体は急増しており、6 月末時点で 274 社。 ホンダや新日鉄住金、ワタミなどの大企業の名前も目立つ。 (藤崎麻里、asahi = 7-6-14) ◇ ◇ ◇ 大手電力と新電力、組み合わせ購入倍増 料金節約が狙い 企業や自治体が大手電力と、新規参入した電力会社(新電力)から、電気を組み合わせて買う事例が倍増する見込みだ。 経済産業省によると、全国で 3 月末の実績は約 700 件。 だが 4 月以降の開始予定が約 600 件あり、全部で約 1,300 件になる。 複数から電気を調達して、料金を安く抑えるのが狙いだ。 経産省は、この数字を 23 日の電力システム改革の作業部会に示す。 「部分供給」と呼ばれる契約の仕組みで、料金は安いが供給力が不安定な新電力と、安定供給できる大手電力との契約を組み合わせる。 小売りが自由化された企業などの大口顧客だけが契約でき、大手電力とのみ契約するより安く電気を買える。 背景には電気料金の値上がりがある。 企業が自社の複数の事業所で部分供給に契約を切り替えるケースもあり、急速に広がったとみられる。 楽天はホテルや旅館などに対し、水力発電を扱っている新電力などの電気を価格を抑えて売っている。 部分供給の仕組みを使った電力サービスだ。 6 月からウェブページ「エコ旅 2014」を立ち上げ、サービスを利用するホテルや旅館を並べた。 一定の期間は、ホテルを使った利用客に楽天ポイントが加算されるなどの特典があり、ホテルは宿泊者の増加が期待できる。 (藤崎麻里、asahi = 6-22-14) ◇ ◇ ◇ 都道府県庁舎、半数が新電力に 大手値上げで安さ際立つ 都道府県が、本庁舎で使う電気を次々と新規参入の電力会社(新電力)に切り替えている。 朝日新聞が調べたところ、5 月末現在でほぼ半数の 23 都道府県に達し、前年の 15 から 1.5 倍に増えていた。 地域独占の大手電力会社で値上げが相次ぎ、新電力の安さが際立ってきたためだ。 この 1 年で新電力に切り替えたのは、群馬、愛知、滋賀、熊本など 8 県。 いずれも原発停止の影響で電気料金を値上げした東京、中部、関西、九州電力の管内だった。 兵庫県は今年度から、庁舎や学校など大半の施設で使う電気を、東京ガスなどが出資するエネット(東京都)をはじめ、新電力から買っている。 関電との契約より電気代が年 1.2 億円ほど減るという。 神奈川県も新電力から買う量を増やし、東電との契約より年 2.7 億円減ると見込む。 (高木真也、中川透、asahi = 6-2-14) 新型 LED で野菜すくすく、収穫 5 割増 宮城に新工場 ![]() 新型の LED 照明をつかった野菜工場(宮城県多賀城市)が報道陣に公開された。 蛍光灯よりも野菜の生育を促す効果があり、「収穫量が 5 割増える」という。 レタスを 1 日 1 万個出荷でき、全面的に LED を使った野菜工場としては世界最大規模になる。 新型の LED を開発した「GE」の日本法人や、建設を担った大手ゼネコン「鹿島」などが公開した。 東日本大震災で被災して事業を縮小したソニーの建物を使っている。 従来の LED は直線的な光を放つ特性があり、多くの野菜にくまなく光をあてるには膨大なLEDが必要で、採算が合わなかった。 だが、GE が開発した LED は広い範囲に光を拡散できる。 光合成や生育を促す数種類の波長があり、苗や収穫前など成長段階によって使い分ける。 消費電力も蛍光灯より 4 割少なくて済むという。 LED を使った野菜工場は各地にあるが、蛍光灯と組み合わせたものが大半という。 全国で植物工場を手がける「みらい(東京都)」が工場を運営し、1 個 200 円前後で県内のスーパーに出荷している。 年間 3 億円の売り上げを見込む。 天候に左右されず高い収量が期待できるため、国内外から引き合いがあり、香港とロシアで建設計画が進んでいる。 国内でも数カ所で交渉中という。(木村聡史、asahi = 7-4-14) 新型掃除ロボは「ぞうきん掛け」 米アイロボット発売へ ![]() 掃除ロボット「ルンバ」で知られる米アイロボットは、床を水拭きできる新型の掃除ロボ「ブラーバ 380j」を 4 日から売り出す。 タンクに水を入れてスイッチを入れると、専用のふき布を自動でぬらしながら「ぞうきん掛け」のように前後に動く。 赤外線を使って部屋の構造を調べ、隅々まで掃除する。 市販の掃除用シートに取りかえて「から拭き」もできる。 水拭きは約 20 畳まで対応し、4 時間の充電で 2 時間半動く。 販売はインターネット上の公式ストア (https://store.irobot-jp.com/)で、価格は税抜き 3 万 3 千円。 (asahi = 7-1-14) ニコン、3,635 万画素の最高画質機発売へ ニコンは自社製品で最高画質となるデジタル一眼レフ「D810」を 7 月中旬に発売する。 有効画素数をこれまでより 5 万増やして 3,635 万画素とし、より高精細な画質を実現した。 本体内部のミラーやシャッターなどの機構を一新して振動を減らしたことで、画像を引き伸ばした際のブレも抑えられたという。 想定価格は本体のみで約 35 万円(税込み)。 (asahi = 6-30-14) 日本企業の「善意」、震災復旧早めた 英研究者が論文 2011 年の東日本大震災で、サプライチェーン(部品供給網)を寸断された複数の日本企業が、限られた資源を時には競合企業との間で調整し、進んで共有したことが、迅速な生産復旧につながり、企業の災害対応にとっての良い教訓となっている - -。 英エディンバラ大などの研究者がこんな論文をまとめた。 ![]() エディンバラ大経営大学院のニック・オリバー教授と、東大のジョージ・オルコット前特任教授(現・慶応大特別招聘教授)が、日立、日立化学、三菱電機、ルネサス、デンソーの 5 社で、幹部 16 人を対象に震災直後の 11 年 5 月から 8 月にかけて実施した聞き取り調査をもとに執筆した。 米カリフォルニア大バークリー校が発行する「カリフォルニア・マネジメント・レビュー」誌に掲載された。 論文は、大きな被害を受けた企業の多くが、単なる契約上の義務の範囲やグループ企業の系列を超えて協力しあったことに着目。 企業間コミュニティーを通じて、相互信頼の精神に基づき支援を提供する「社会資本」が働いたと指摘した。 (ロンドン = 梅原季哉、asahi = 6-13-14) レンズ一体型で 4K 動画撮影 パナが世界初のデジカメ パナソニックは、これまでより高画質な「4K」の動画が撮れるデジタルカメラ「LUMIX (ルミックス) FZ1000」を 7 月 17 日に発売する。 レンズ一体型で 4K 動画が撮れるデジカメは世界初という。 撮影した 4K 動画から静止画(写真)を取り出せる。 4K 動画は 1 秒間に 30 コマの静止画からなる。 動画で撮れば、その中から自然な表情や決定的瞬間を写真として選べる。 レンズ(25 - 400 ミリ)は交換できないが、近づいての撮影も、遠くを写すこともできる。 市場想定価格は税抜き 10 万円前後。 (asahi = 6-13-14) エアコン切り忘れ、車にお知らせ トヨタとパナが開発 トヨタ自動車とパナソニックは 9 日、自宅のエアコンの電源切り忘れを車のカーナビが教えてくれるシステムを開発した、と発表した。 両社は昨年 6 月から、車と家電をネットワークでつなぐことで可能になる新サービスの共同開発を始めており、その実用化の第 1 弾となる。 カーナビの GPS (全地球測位システム)で、トヨタ側のコンピューターが車の位置を把握し、自宅を離れたことを検知。 パナソニック側のコンピューターが自宅のエアコンの状態を検知し、切り忘れがあった場合にはカーナビを通じて運転者に注意を促す。 逆に帰宅時に車が家に近づくと、自宅エアコンの電源を入れておくよう勧める。 自宅エアコンの電源はカーナビで操作できる。 トヨタは今年後半にも、自社の車にこうした機能がついたカーナビを搭載できるようにする。 両社は今後、対象をほかの家電製品にも広げていく方針だ。 (asahi = 6-10-14) 13 歳少年、実はロシアの人工知能 3 割の人だまされる ロシアで開発された人工知能が、知性を試す「チューリング・テスト」に合格した。 テストが提唱された 1950 年以来初めてという。 この実験を手がけた英レディング大が発表した。 13 歳の少年を装って「会話」した人工知能が、実験に参加した 33% に人間だと思わせることに成功。 合格ラインとしている 30% を超えた。 実験は、テストの考案者で、コンピューターの概念をつくったアラン・チューリングの没後 60 周年にあたる 7 日、ロンドンの英王立協会で行われた。 ビジネスマン、人工知能研究者、女優といった様々な職業の計 30 人が「審判」として参加した。 審判は 5 分間、別の場所にいる「相手」と文字で会話(チャット)をする。 その後、相手が人間か、人間のふりをする人工知能かを判定するという仕組み。 同大のケビン・ウォリック客員教授は朝日新聞の取材に「厳密を期すため、全員一斉に行い、話す内容の制限もしなかった」と話した。 (冨岡史穂、asahi = 6-10-14) ◇ ◇ ◇ ロボット活用で輸出力回復を … ものづくり白書 政府は 6 日、2013 年度の「ものづくり基盤技術の振興施策(ものづくり白書)」を閣議決定した。 製造業の輸出力が落ちているため、国内の生産拠点を強くする必要があると指摘。 ロボットを導入して生産を自動化するなど、工場の機能を高めることが必須だと提言した。 白書は、中国など新興国の人件費が上昇していることを受けて、「国内での生産が再評価されている」と分析。 そのうえで、輸出力を高めるには、複雑な工程でも使える人型ロボットなどを活用し、付加価値の高い製品を安く生産できるようにする必要があると指摘した。 さらに、特定分野で高い世界シェア(占有率)を持つ中小企業を新しい輸出の担い手として育てる取り組みも提言している。 (yomiuri = 6-6-14) シャープの 14 インチ液晶、歴史的一歩でした 国際学会 シャープは 10 日、1988 年に世界で初めて開発した「14 型 TFT 液晶ディスプレー」が、世界最大の技術者団体 IEEE (電気電子学会)から歴史的に重要な一歩「マイルストーン」として認定されたと発表した。 それまで 3 型程度だったものを一気に大きくし、テレビがブラウン管から液晶に置き換わる礎になったと評価された。 認定は、開発から 25 年以上たっていて、社会に貢献した技術が受ける。 シャープでは電卓、太陽電池に続き、日本企業では最多の 3 例目。 この日、式典に出席した高橋興三社長は「常に挑戦を続けてきた結果だ」と語った。 シャープは現在、経営再建のために社員の挑戦を促す制度改革の最中だ。 高橋社長は「技術だけでなく、ビジネス面でも挑戦している。 手応えを感じている。」とした。 (asahi = 6-10-14) パスタもそばも手軽に フィリップスがヌードルメーカー ![]() パスタ、ラーメン、うどん、そばなどあらゆる麺が手軽につくれる「ヌードルメーカー」を、オランダの電機大手フィリップスが 6 月下旬に発売する。 小麦粉、そば粉や水などを機械に入れると、約 10 分で麺ができあがる。 ジュースやハーブなどを加えて好みの麺もつくれる。 想定価格は、税込み 3 万 5 千円前後。 (asahi = 6-7-14) ソフトバンク、会話するヒト型ロボット発売へ 来年 2 月 ソフトバンクは 5 日、人の感情を認識し、会話できるヒト型ロボットを開発し、来年 2 月から一般向けに販売すると発表した。 ロボット事業への本格的な参入となる。 本体の価格は 19 万 8 千円の予定。 6 日から東京・銀座と表参道にある旗艦店に一台ずつ置き、訪れた顧客とふれ合う。 ロボットの愛称は「Pepper」。 高さ約 1 メートル 20 センチで、稼働時間は連続で 12 時間以上という。 車輪で走行する。 ソフトバンクが約 78% を出資するフランスのロボットベンチャー「アルデバラン・ロボティクス」と共同で開発した。 孫正義社長は千葉・浦安であった発表会で、「世界初の感情を持ったパーソナルロボット。 人の感情を理解できる点に意味を見いだしている。」と紹介した。 店頭では、訪れた客に「お客さんが多くてテンションが上がります」、「今日はどこから来たんですか」などと話しかけるという。 自ら歌いながら、簡単なダンスも披露できるという。 (永島学、asahi = 6-5-14) ◇ ◇ ◇ 孫社長「次はロボット」 アルデバラン・ロボティクス ![]() 米グーグルがロボット技術の覇権を握ろうとするなか、日本企業にもロボットに次の時代を託そうとする動きがある。 話しかけると、こちらを向いて「コンニチハ」とあいさつした。 全長 57 センチのかわいらしいヒト型ロボット「ナオ」は、フランス生まれ。 胸にある漢字の「六」のような印は、エッフェル塔をデザインしたという。 開発したのはフランスのロボットベンチャー、アルデバラン・ロボティクス。 大株主は実は、日本のソフトバンクだ。 アルデバランは、大学や研究機関むけにナオを累計 5 千体販売した。 パソコンで指示を打ち込めば、その通りに動く。 19 カ国語を話し、25 の関節を使ってダンスもすればヨガもする。 歌も歌うし、ちょっとしたクイズも出せる。 今年中に価格を 100 万円以下にし、近い将来、一般むけの販売を目指している。 創業者で最高経営責任者のブルーノ・メゾニエは「親切な友達のようなロボットを創造するのが目標」と語る。 ソフトバンク社長の孫正義が「次はロボット」と思い定めたのは 2010 年。 次の 30 年の構想を明かす発表会でこう語った。 「脳型コンピューターがモーターという筋肉と合体するとロボットになります。 やがて知的ロボットと共存する社会になる。」 そのときロボットビジネスの覇権を握るのは、モーターや部品をつくる自動車や電機メーカーではなく、「脳をつくるところになる。」 グーグルの動きを先取りするような時代観だった。 孫はロボットビジネスを担う新会社を 13 年に設立。 企業買収を積極的に進める同社だけに M & A 案件は数多く持ち込まれ、アルデバランへの出資も「そんな一つだった」と孫。 孫はロボットビジネスについて「いまはまだとてもコメントする状況にない」と多くを語らないが、幹部の一人は「孫さんは『やがてコンピューターが人間を超える』って言うんですよ。」 社内で検討されている一つがマスコットロボだ。 一家に一台。 遊び相手になるだけでなく、質問すれば調べて答えてくれる。 ナオの外形は 00 年代初頭、ソニーが開発中だったヒト型ロボット「キュリオ」に似ている。 世界に先駆けてイヌ型ロボット「アイボ」を発売したソニー。 開発を指揮した元上席常務の土井利忠はいずれロボットの時代が来ると予感していた。 だが、当時会長の出井伸之は商品展開に慎重だった。 「アイボの後継機の企画が相次いで持ち込まれたが、代わり映えがしなかった」と出井。 二足歩行の「キュリオ」は開発中止に。 土井は「なぜやめるんですか」とメールで出井に論争を挑んだものの、ソニーは 06 年ロボットから撤退した。 土井は「ソニーの将来がつぶされた」と無念がる。 入れ替わるように孫はロボットにのめりこんだが、具体的な検討が進んでいない実態もある。 ある幹部は周囲にこう漏らした。 「アルデバランを買っても、実はどう使っていいのか分からない。 社内では、全国の携帯ショップにナオを置いてみようかと考えている程度なんです。」 (大鹿靖明、asahi = 5-1-14) 三井物産、マレーシアに世界最大級の石炭火力発電所 三井物産は 4 日、マレーシアで石炭火力としては世界最大級の能力 2 千メガワットを持つ発電所をつくり、運営すると発表した。 マレーシア政府出資の投資会社との共同事業で、総事業費は約 3,300 億円を見込む。 東芝や IHI など日本企業による熱効率の高い最先端設備を使い、2018 年の稼働をめざす。 発電規模はマレーシアで使う全電力の 1 割を占め、すべて同国営電力会社へ売る計画だ。 (asahi = 6-4-14) 10 センチ四方だけ、音が鳴る スピーカーシステム開発 握り拳ほどの空間にピンポイントで音声を生じさせるスピーカーシステムを、立命館大のグループが世界で初めて開発した。 音声を人に聞こえない超音波に変えて複数のスピーカーから流し、波が重なり合う一点だけ元の音声に戻す仕組み。 ヘッドホンに代わる美術館での作品説明や街頭広告などへの応用が期待される。 音は空気が振動する波として伝わるが、超音波は振動が速過ぎて人には聞こえない。 このため、今回のシステムは「うなり」という現象を利用している。 うなりは、振動の速さがわずかに違う波同士が重なると生じる振動が遅い波。 うなりの波なら、人でも聞こえるため、超音波を空間の一点でうまく重ね合わせ、うなりで音声を再現させた。 超音波は真っすぐ進む性質があり、特定の方向に音が出る特殊なスピーカーとして実用化されている。 重ね合わせる超音波を同一スピーカーから流すため、スピーカー正面ならどこでも音が聞こえる。 グループは重ね合わせる超音波を別々のスピーカーから流すことで音が聞こえる領域を正面全体から空間の一点に絞り込んだ。 これまで 10 センチ四方くらいの空間で音声の再現に成功。 グループの西浦敬信教授は「超音波が重なる範囲を工夫すれば、音が聞こえる範囲をさらに狭めたり、広げたりできる」と話す。 成果は国内の電子情報通信学会論文誌に 4 月発表した。 (阿部彰芳、asahi = 6-3-14) 4K、2 日から試験放送 投資多額、民放は及び腰 きめ細かな高画質の映像が見られる「4K 放送」の試験放送が、6 月 2 日から始まる。 政府は IT 戦略に盛り込んで後押しし、家電業界もテレビの買い替えが進むと歓迎する。 ただ、番組をつくるテレビ局は多額の費用を嫌って及び腰だ。 「2020 年の東京五輪では、迫真迫力の映像を楽しんでいただけるよう実現を期したい。」 新藤義孝総務相は 5 月 20 日の記者会見で、4K 放送を推進していくことを強調した。 総務省の狙いは、テレビや受信機などの家電製品だけでなく、番組も含めたオールジャパンの国際競争力を強めることにある。 16 年には本放送に加え、より高画質の「8K 放送」の試験放送も計画する。 (竹山栄太郎、中島耕太郎、asahi = 6-1-14) ◇ ◇ ◇ 光回線で 4K 放送、実証実験成功 スカパーと NTT 東西 高精細な 4K 放送が、光ファイバー回線をつないだ家庭のテレビでも視聴できるようになりそうだ。 有料放送「スカパー!」を運営する「スカパー JSAT」と NTT 東日本、西日本は 21 日、一般向けに提供する光回線「フレッツ光」を使い、4K 映像を送る実証実験に成功したと発表した。 スカパーは、2015 年春に 4K 放送のサービスを始めることを目指している。 衛星放送の CS 番組を使う試験放送は 6 月 2 日に始まる。 スカパーはこれとは別に、光回線での試験放送も検討する。 今回の実証実験では、「フレッツ光」 1 回線を使用。 地上デジタル放送など既存の放送サービスと同時に、データが大容量となる 4K の映像も送った。 (永島学、asahi = 5-21-14) どこでもドアカメラ パナソニック アイデア勝負の商品 モニターつきドアホンに、オートロックを備えたマンション。 転勤の度に妻との相談で真っ先にあがる新居の条件だ。 防犯を考えると設備を重視したいが、家賃は割高になる。 でも、モニターなしの物件は、呼び鈴が鳴る度に「しつこい勧誘かも」と気をもむ。 こうした悩みを解決してくれそうなのが、パナソニックの「ドアモニ」だ。 2011 年 12 月から販売するワイヤレスドアモニター。 音声インターホンや呼び鈴だけの住まいの玄関ドアに「ドアカメラ」を取り付け、室内には映像を映し出す「親機(モニター)」を設置する仕組み。 映像は無線で親機に飛ばす。 配線工事はいらない。 電器店などでの店頭想定価格は 2 万 - 3 万円ほどだ。 「アイデア勝負の商品です」と企画担当の梶恵理華さんは言う。 想定を上回って、累計販売は 20 万個を超えた。 「簡単に設置できてお値頃な商品」なのがヒットの理由と分析する。 競合品も、今のところ出てきていないそうだ。 (近藤郷平、asahi = 5-29-14) ソニーとパナ、有機 EL 事業売却へ コスト減難航 次世代テレビの「本命」として有機 EL ディスプレーの開発をしていたソニーとパナソニックが、ともに有機 EL 事業から撤退する方針を固めた。 大型化に伴う製造コストの引き下げなどが難航したためだ。 有機 EL の大型テレビ開発から日本勢が事実上、姿を消す。 韓国メーカーが開発してはいるが、割高で市場は伸びていない。 ソニー、パナソニックとも、官民ファンド「産業革新機構」が出資するジャパンディスプレイ (JDI) にそれぞれの有機 EL 事業を売却する方向で調整している。 ともに6 月中にも基本合意する見通しだ。 JDI はタブレットやスマートフォンなどに使う中小型画面に絞って開発を進める。 両社とも、不振のテレビ事業を立て直すには、課題の多い有機 EL に投資を続けるよりも、高精細の「4K テレビ」など液晶テレビの開発に集中する方がよいとの結論に達した。 (asahi = 5-25-14) H2A ロケット打ち上げ成功 観測衛星だいち 2 号搭載 H2A ロケット 24 号機は 24 日正午過ぎ、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。 約 15 分後、搭載していた陸域観測技術衛星「だいち 2 号」を予定軌道に投入し、打ち上げは成功した。 東北大と和歌山大、日本大、民間企業が開発した小型衛星 4 基も運んだ。 H2A は、23 日深夜に組み立て棟から発射場へ移動し、姿勢制御装置や地上設備などの最終チェックがあった。 24 日未明にはロケットから半径 3 キロの範囲が立ち入り禁止となり、警備の職員らが見学に訪れた人たちに外に出るよう声をかけて回った。 液体水素と液体酸素の燃料注入も始まり、午前 11 時ごろにはカウントダウンが始まった。 搭載するだいち 2 号は、災害時の状況把握や地図作成、資源探査などに使われる観測衛星。 特殊なレーダーを使い、噴煙の下にある火山の火口などを見られる。 H2A は 2001 年に初飛行した日本の主力ロケット。 03 年に 6 号機が失敗して以降は 18 回連続で成功しており、成功率は約 96%。 製造元の三菱重工業は、高い信頼性と延期の少なさを売りに、衛星打ち上げ市場でのシェア拡大を狙っている。 今月には 2 基目となる商業衛星の受注に成功したと発表した。 (東山正宜、asahi = 5-24-14) 形状、やわらかさ - 触りごこちを仮想再現できるシステム、NHK と東大が開発 NHK と東京大学は 5 月 22 日、物体を触った感覚を仮想的に再現できるシステムを共同開発したと発表した。 将来的には、食物や生物などの、視覚だけでは伝えられない "触感覚" を伝達できる情報サービスの実現が期待できるという。 説明を付け足すと、このシステムでは、離れたところから物体に接触せずに形状と硬さを測定し、その測定データから作成した "形状と硬さの分布を表すモデル" をもとに、指先に点の刺激を複数与えることで、その物体に触った感覚を再現できる。 NHK が放送技術の研究の一環として開発した "形状を再現するシステム" に、東京大学が新たに開発した "物体の形状と硬さの分布を測定できる装置" を組み合わせることで、このシステムが実現したという。 なお、作成したモデルを仮想的な映像として映し出せば、物体に直接触った感覚をより向上させられるという。 (Cnet = 5-23-14) 目の前の 3D 画像、指先で自在 東大など、装置開発 ![]() 目の前に浮かんだ 3 次元 (3D) の画像を手で思い通りに動かせる装置を、東京大学の石川正俊教授(創造情報学)と米ベンチャー企業が共同で開発した。 3D 映画に使われる偏光フィルター付きメガネでディスプレーの画面を眺めると、目の前に立体画像が現れる。 差し出した手や指の動きを高速処理のできる特殊カメラで撮影、画像に反映させる。 手の動きから最速で 0.027 秒後に画像が動く。 石川教授は「人間の目は 30 分の 1 秒(0.033 秒)程度の時間差しか認識できないので、同時に動いているように見えます」と話す。 21 日に公開された実験では、3D 画像の心臓やサイコロを指で回したり、細かく振ったりすることができた。 手術のシミュレーションや訓練などへの応用が考えられるという。 今回の特殊カメラを使って、石川教授はこれまでに、目で識別できないわずかな「後出し」で、じゃんけんに必ず勝つロボットを開発している。 (行方史郎、asahi = 5-22-14) ソニー:赤字 500 億円 … 電機大手で「独り負け」 ソニーは 14 日、2015 年 3 月期の連結最終(当期)損益が 500 億円の赤字になる見通しだと発表した。 14 年 3 月期(1,283 億円の赤字)に続き、赤字は 2 年連続となる。 ほかの電機大手が黒字を確保する中、ソニーの「独り負け」が鮮明になっている。 「他社に比べて改革が遅れている。 まずはコスト構造を立て直し、新規事業にチャレンジできるようにしたい。」 吉田憲一郎最高財務責任者 (CFO) は 14 日、東京都内で開いた決算記者会見で反省を口にした。 14 年 3 月期は売上高が 14.3% 増の 7 兆 7,672 億円だったが、本業のもうけを示す営業利益は 88.3% 減の 264 億円だった。 パソコン「VAIO (バイオ)」撤退に絡む構造改革費用が積み上がった。 同事業は今年 7 月までに、投資ファンドに売却することが決まっている。 売上高の約 7割を占める本業のエレクトロニクス(電機)事業は 3 年連続の営業赤字だった。 最大の懸案は 10 年連続で赤字となっているテレビ事業。 前期(696 億円の赤字)からは改善したものの、257 億円の赤字だった。 一方、映画、音楽、金融という「電機以外」が稼ぐ構図は変わっていない。 パナソニックやシャープが 2 年連続の最終赤字から一転し、黒字を確保する中、ソニーは大きく出遅れている。 電機各社が「家電メーカー」からの脱却を図り、部品やインフラなど企業向けのビジネスを拡大させる中、AV (音響・映像機器)を主力としてきたソニーは、スマートフォンやゲームなど一般消費者向けの製品を中核事業に据えている。 スマホやテレビは韓国・中国勢などとの競争が激しく、価格下落も進みやすい。 吉田 CFO は「スマホでは携帯電話会社、ゲームではソフト会社との関係をしっかりすることで、経営の安定度を増したい」と強調。 医療事業などにも今後力を入れる方針だが、収益構造を改善させるのは容易ではない。 課題だったテレビ事業は今年 7 月をめどに分社化してコスト管理を徹底する方針。 利幅が大きく高精細の「4K テレビ」に注力することで黒字転換を目指す。 またスマホも世界的に台数が拡大するとみている。 (高橋直純、mainichi = 5-14-14) ◇ ◇ ◇ ソニー、パソコン事業売却を締結 新会社は「VAIO 株式会社」 ソニーと日本産業パートナーズは 2014 年 5 月 2 日、ソニーのパソコン「VAIO」事業を特別目的会社に譲渡する正式契約を結んだと発表した。 7 月 1 日をめどに取引を終える。 ソニーのパソコン事業は終了するが、販売済み商品のサポートは続ける。 特別目的会社の名称は「VAIO 株式会社」で、取引完了時の出資比率は日本産業パートナーズが 95%、ソニーが 5% となる。 本社はこれまでソニーのパソコン生産拠点だった長野テクノロジーサイト(長野・安曇野市)に置く。 (Jcast = 5-3-14) ◇ ◇ ◇ ソニー最終赤字 1,300 億円に拡大、PC 分離で 14 年 3 月期 ソニーは 1 日、2014 年 3 月期の連結最終損益が 1,300 億円の赤字(前の期は 430 億円の黒字)になったもようだと発表した。 従来予想は 1,100 億円の赤字だった。 パソコン事業分離に関する約 300 億円の追加費用の計上などが響く。 パソコン事業を巡って 2014 年 3 月期と 2015 年 3 月期のパソコン販売が想定を下回ることが判明し、余剰となった春モデルの手元部品の評価減や部品の仕入れ先への補償が必要になった。 加えて、2015 年 3 月期に計上する予定だった構造改革費用の一部を前倒しで計上する。 一方で、春モデルの販促費用が現時点では不要になったこともあり、同社は「13 年度と 14 年度に発生する費用の総額は 2 月時点の想定から大きくは変更しない」と説明している。 さらに海外のディスク製造事業で約 250 億円の減損損失を計上する。 欧州地域の需要が想定以上に縮小していることを反映した。 売上高は前の期比 14% 増の 7 兆 7,700 億円の見通し。 営業利益は 89% 減の 260 億円、税引き前利益は 89% 減の 260 億円になったもよう。(nikkei = 5-1-14) やまびこ、北米向け草刈り機が好調 売上高 16.6% 増 ![]() 「米国では、大きな庭付き戸建てに住む人が再び増えてきている。 庭の手入れ機材の需要は、今後も伸びる。」 草刈り機やチェーンソーなど屋外作業用機材で大手の「やまびこ」の伊藤真・上席執行役員は、こう期待を込める。 2014 年 3 月期の売上高は、前年より 16.6% 増の 1,038 億円だった。 北米での売上高が、全体のほぼ半分を占める。 庭付き戸建てが多い北米向けで、家庭向け草刈り機や落ち葉を風圧でかき集める機械などが伸びた。 農作業向けが主力の国内でも、消費増税前の駆け込み需要がふくらんだ。 15 年 3 月期も米国の住宅着工件数の増加を見込み、売上高は前年比 4% 増と予想する。 (asahi = 5-13-14) シャープ、3 年ぶりの黒字 14 年 3 月期 シャープが 12 日に発表した 2014 年 3 月期決算は、最終的なもうけにあたる純利益が 115 億円となり、3 年ぶりの黒字になった。 前年は 5,453 億円の赤字だった。 売上高は前年から 18.1% 増の 2 兆 9,271 億円、本業のもうけにあたる営業利益は 1,085 億円(前年は 1,462 億円の赤字)だった。 薄型テレビや白物家電が消費増税前の駆け込み需要で好調だったほか、国内のメガソーラー向けの太陽電池販売が好調で、業績の改善につながった。 財務の健全性を示す自己資本比率は、前年の 6% から 8.9% に改善した。 (asahi = 5-12-14) |