中国進出の日本企業、ブランド戦略に見る成功の鍵
[上海] 尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐり日本と中国の間で緊張が高まった 2012 年、中国の大学院生 Wei Hanyu さん (23) は日本製品のボイコット運動に加わり、資生堂の化粧品を捨てた。 しかし、Wei さんは現在、「オプレ」のフェイスクリームを使っている。 このブランドは資生堂が中国だけで展開しているもので、Wei さんは中国か韓国のブランドだと思ったという。 資生堂の文字は、パッケージに小さくプリントされているだけだ。
Wei さんは「(オプレの)広告が韓国ブランドに似ており、若者向けのブランドだという印象を持った」と振り返る。 資生堂は意図的に社名を隠すようなことはしていないとしながらも、中国限定の化粧品を慎重にブランディングしていくことが、中国人消費者の獲得を目指す日本企業には有効だと思われるとしている。 ブランドコンサルティング会社インターブランドの古谷公氏は、「消費者の目から見て重要なのはブランドが高品質であるか、信頼できるかだ」と指摘する。
<高品質>
ユニクロを展開するファーストリテイリングも中国人消費者の取り込みに成功している日本企業の一つだ。 同社は伝統的に愛国心の強い中国内陸部にも進出しているが、ここはユニクロが日本ブランドとすぐには認識されない場所でもある。 北京や上海などの大都市の消費者と異なり、開発が遅れている都市では、グローバルブランドに触れる機会も少なく、どこの国のブランドかを認識している人も少ない。
ファーストリテイリングはロイターに対し、中国事業の成功の理由の 1 つについて「ユニクロが高品質ブランドだという認識が広がっていることだ」と説明。 「中国では中間所得層をターゲットにしており、日本と同じ製品を販売している」とした。 同社は、地域ごとの売り上げを公表していないものの、日中の対立による影響は「ほとんど見られない」という。
自動車メーカーなど他の日本企業は、2012 年の反日デモで大きな打撃を受けた。 中国販売の占める割合が最も大きい日産自動車は、2013 年 3 月期の業績見通しを 20% 下方修正した。 多くの中国人にとって、日本製品の魅力はその質だ。 中国製品は汚染ミルクなど安全をめぐる問題が多発しており、日本の製造基準の方が優れていると見られている。
それでも、日中対立は中国人消費者の選択に影響を与えているようだ。 東部杭州出身のエンジニア Chen Huizhe さん (51) は、「わざわざ日本製品をボイコットしたりはしない。 日本製品は質が良く、それは否定できない。」とコメント。 その上で「もし二つの製品が同じくらい良ければ、日本製でないものを選ぶ。」と付け加えた。 (Kazunori Takada、Reuters = 5-22-14)
日中閣僚会談 「政経分離」の思惑 中国、投資減で危機感
日本と中国が閣僚交流の "復活" へ一歩を踏み出した。 中国の巨大な消費市場に食い込みたい日本と、日本からの投資と技術を呼び込みたい中国 - -。 両国はまず、安倍晋三首相の靖国神社参拝など政治問題と経済協力を切り離す「政経分離」で、関係改善を探る方向だ。
日本側は従来「対話のドアはいつでもオープンだ(茂木敏充経済産業相)」との姿勢を示してきた。 いったんは大きく落ち込んだ自動車などの日本製品の販売もいまは回復基調にある。 13 億人超の巨大市場を巡って欧米勢との競争も激しくなっており、企業の間には早期の関係修復を求める声が多かった。
中国側にとっても「渡りに船」だった。 日中関係の悪化が長引き、日本企業が対中投資を手控える動きが拡大。 1 - 4 月の日本からの対中直接投資は 46.8% 減と大きく落ち込んだ。 多くの日本企業が中国から東南アジアへ事業シフトを進めていることもあり、中国側も「危機感を強めていた。(中国外交筋)」
深刻になる大気汚染も関係改善を後押しした。 中国にとってはエコカーやクリーンな石炭発電など、環境分野で世界最先端の技術を持つ日本の協力が欠かせない。 茂木経産相も「環境面で協力を進めていくことで認識を一致した」と強調する。
一方、課題も残る。 茂木経産相は中国当局が商船三井の船舶を一時差し押さえたことや、戦時中の強制連行を巡って日本企業に損害賠償を求める訴えが相次いでいることに懸念を表明。 中国の高虎城商務相は「中国は法治国家であり、海外企業の合法的な権益を守る」としたが、日本企業の間では「政治リスクがある限り投資には慎重になる(大手商社)」と不安は尽きない。
日本側は今回の閣僚交流を受け、11 月に北京で開く APEC 首脳会議で安倍首相と習近平国家主席のトップ会談につなげたい考えだ。 だが中国側は「関係悪化の責任は中国にはない(高商務相)」との姿勢を崩していない。 ベトナムなど周辺国との領有権問題が先鋭化しているだけに「せめて日本との関係は改善しておきたい」との思惑が働いた面もあるようだ。 (青島 = 阿部哲也、nikkei = 5-17-14)
日系企業が中国人ら 6 人救出 中国ネットで "賛否"
【上海 = 河崎真澄】 南シナ海での中国の石油掘削作業をめぐり反中デモが起きたベトナムで、暴徒に包囲されて工場内に逃げ込んだ中国人ら 6 人を、近隣の日系企業が貨物輸送を装ったトラックで救出したとする香港での報道に対し、中国のネット上では、「良い日本人もいる」などと評価する声と、「日本人は利益のためなら何でもする」といった "屈折" した否定論が交錯して広がっている。
ベトナムでの救出劇は香港紙、明報(電子版)が 15 日に報じた。 ホーチミン市に近いビンズオン省の工業団地で、12 日から 13 日にかけ中国人や台湾、香港、マレーシア出身者ら、計 6 人を同じ工業団地に進出している日系企業が脱出させたという。 救出された香港人が語ったが、企業名などは明らかにされていない。
報道を伝えた中国のニュースサイトには日系企業への称賛の声もあるが、「小日本(日本人への蔑称)に救われるとは何事か。 中国軍は何をしてる」といった声が渦巻いている。 ベトナムでの反中デモではこれまでに中国人 2 人が死亡、100 人以上が負傷した。 中国外務省は 17 日にベトナム渡航自粛を呼びかけた。 18 日も首都ハノイなどでデモが呼びかけられている。 (sankei = 5-17-14)
中国当局、日経新聞助手を連行 人権派弁護士と接触か
中国の治安当局が 13 日、日本経済新聞社の中国国内の支局で働く中国人助手を連行したことが分かった。 香港メディアなどは、すでに刑事拘留されている人権派弁護士の浦志強氏との接触を巡る嫌疑ではないかとの見方を伝えているが、具体的な容疑は不明だ。 中国の弁護士などが明らかにした。 海外メディア関係者に対する当局の圧力との警戒が強まっている。 同社広報グループは 14 日、「現在、事実関係を調べています」とコメントした。 (北京、asahi = 5-14-14)
TOTO 上海工場でストライキ 賃金めぐり 6 日夕から
衛生陶器大手 TOTO (北九州市)は 8 日、中国・上海で現地向けに便器などの衛生陶器を生産している工場の「東陶華東」で、現地時間の 6 日夕方からストライキが発生していることを明らかにした。 同社広報部によると、4 月末に始まった賃金水準をめぐる労使間の交渉で会社側は増額を提示したが、従業員側が増額されないと誤解してストに入り、生産が止まっているという。
中国版ツイッター・微博には、1 千人超がストライキに参加していたとの情報のほか、監視カメラが壊され、日本人の総経理(社長)が殴られたという書き込みもある。 ただ、同社によれば、従業員による集会は 6 日にあったものの、収束に向けた交渉が始まっているという。 8 日夜現在、暴動やけが人の情報はなく、生産設備にも被害はないとしている。 (asahi = 5-8-14)
日中に若き架け橋を 香港の実業家、留学奨学金 1 億ドル
日本に留学経験のある香港の実業家、曹其縺iツァオチーヨン)さん (75) が私財 1 億ドル(約 102 億円)を投じ、日中の学生を対象にした奨学金を設立した。 留学を通じて相互理解を深め、未来の日中関係を担う人材を育成するのが狙いだ。 曹さんは「日中の壁を乗り越え、難題に取り組めるリーダーを育てたい」と意気込んでいる。
曹さんは、約 102 億円を投じて設立した「百賢教育基金会」を母体に、奨学金を出す。 この奨学金をもとに、日本の京都大、早稲田大、一橋大の 3 大学が、中国からの留学生を募集する。 一方、中国の北京大、浙江大、香港科技大の 3 大学は日本からの留学生を募る。 日中で計年 100 人の留学生を選ぶ。 日中の対象大学は今後拡大する見通しだ。 (北京 = 倉重奈苗、asahi = 5-8-14)
日中民間「ピンポン外交」 … 金メダリストら来日
【上海 = 鈴木隆弘】 中国の元卓球王者や著名アナウンサーらが、東京で開催中の世界卓球団体選手権に合わせて 5 日に来日し、卓球を通じた交流を行う。 民間交流により、冷え込む日中関係の修復につなげたい考えで、現代版「ピンポン外交」を目指す。
来日するのは、五輪金メダリストのトウ亜萍さん (41、トウは「登」におおざと) や、文化人や芸能人ら 20 人。 6 日に東京富士大で、卓球を通じて海外との交流に力を入れるアートディレクター浅葉克己さん (74) の率いるチームと交流試合を行う。 卓球を巡っては、1971 年に名古屋で開かれた世界卓球選手権で、米中の卓球チームが友好を深め、米中、さらに日中の関係改善につながり、「ピンポン外交」と呼ばれた経緯がある。 (yomiuri = 5-5-14)
マツダの中国販売、4 月は 19% 増
マツダは 5 日、4 月の中国での新車販売台数が前年同月比 19.0% 増の 1 万 4,694 台だったと発表した。 主力セダン「マツダ 6」と独自の環境技術「スカイアクティブ」を使った多目的スポーツ車 (SUV) 「CX-5」が好調だった。 今月はスカイアクティブを搭載した現地生産の2車種を新たに発売し、販売拡大に弾みをつける。 (nikkei = 5-5-14)
中国バイドゥ「顔文字」会社に 30 万回アクセス
中国検索最大手「百度(バイドゥ)」が、日本国内のソフト開発会社のサーバーに 1 時間当たり 30 万回の大量アクセスを行い、この会社のサーバーに一時、接続しにくくなったことが分かった。 バイドゥは「問題のある行為だった」と謝罪している。 バイドゥを巡っては、昨年 12 月、同社の提供する日本語入力ソフトの「バイドゥ IME」やスマートフォン向けの「Simeji」が、利用者に無断で入力内容を外部送信していたことが発覚している。
バイドゥなどによると、同社の開発担当者が先月 10 日、文字や記号を並べて表情のように見せる「顔文字」を作成するソフト開発会社「IO (東京)」のサーバーに対し、自動プログラムを使って 30 分間に 15 万回のアクセスを 2 回にわたり実施した。 サーバーには 100 万種類の顔文字データが保存されており、同社はこのデータを使った顔文字辞典のアプリを一般向けに提供していた。 大量アクセスでサーバーがつながりにくくなった結果、アプリの動きが異常に遅くなるといった不具合が生じたという。 (yomiuri = 5-4-14)
日中、金融は急接近 中国 4 大銀が日本で預金 1 兆円調達
領土や歴史問題を巡って冷え込む日中関係。 この数年、ヒトやモノの往来は増減を繰り返すが、お金の流れから見た日中関係は伸びが目立つ。 中国本土系の四大銀行が日本国内で調達した預金残高はこの 3 年弱で 3 倍以上になり、昨年 9 月末時点で 1 兆円規模に膨らんだ。 日中の金融の現場で何が起きているのか。
まずはデータから見てみよう。 日本経済新聞が日本に支店を置く中国、建設、工商、交通の 4 つの大手銀の財務諸表などを集計。 日中金融関係を表す指標として、四大銀が日本国内で調達した預金の推移を調べてみた。
■ 尖閣後でも増加
1,000 億円未満だった四大銀の預金は、2011 年 3 月期以降に増加基調が強まった。 12 年 9 月には沖縄県・尖閣諸島の国有化で日中関係が悪化したが、13 年 3 月期の預金は 1 年前と比べ 6 割増えた。 13 年 9 月末時点での預金は 9,925 億円に膨らんでいる。 日本の銀行が集めている 600 兆円強の預金と比べると小規模だが、日本に進出する外国銀行の日本支店が集めた国内預金は約 6 兆 5 千億円。 四大銀預金は 15% を占める。
モノやヒトの流れと比べると日中金融関係の拡大がはっきりする。 日本から中国への輸出額は伸び悩んでおり 10 年の水準まで回復していない。 日本を訪れる中国人の旅行客も 12 年 10 月から 13 年 8 月までほぼ一貫して前年を下回り、最近ようやく回復し始めた段階だ。 お金を預けているのは誰か。 経営状況を聞こうと四大銀日本支店に取材を申し込んだが「難しい」との回答。 わずかに工商銀行が公表資料で「金融機関から短期資金を調達している」とする。
「中国を含む外国銀行への預金は運用多様化の方策として意識し始めている」と語るのは大手生保の関係者。 国内大手銀に 1,000 万円以上のお金を預けた場合の標準金利は年 0.025%。 金利低下に伴い生命保険各社は契約者に約束する運用利回りを稼ぎにくくなっている。 別の生保も「四大銀なら、邦銀より金利が高い」と証言する。 ある大手銀行は数百億円を四大銀に預けた。 運用の多様化の一環だが、中国四大銀と関係をつくっておけばアジアでの金融事業拡大の布石になるとの計算もある。
■ 金融庁も調査
危うさもある。 中国の金融システムは盤石ではない。 足元では、銀行以外の金融機関が不動産開発などの融資を膨らませたシャドーバンキング(影の銀行)問題がくすぶる。 個人や企業が中国の銀行で預金をした場合、現地法人が日本の預金保険に加入しない限り、預金保護の対象外だ。
四大銀の一つは日本支店の 13 年 4 - 9 月の利払い費用が前年同期比で 7 倍弱になった。 一方、この銀行の 13 年 9 月末と 12 年 9 月末の預金残高の伸び率は 3 倍強にとどまっている。 高金利で預金を集めた可能性がある。
加藤隆俊元財務官(国際金融情報センター理事長)は「世界で経済規模が第 2 位の国と第 3 位の国同士の金融取引が安定的に拡大するのは双方にとって好ましい」とする一方、「足元で日本からの資金調達が急増しているのは、中国当局が金融を引き締めている影響も大きい」と指摘する。 有利な運用先を探す日本のマネーと、危うさをはらみながら 7% 成長を維持する中国経済。 金融面での日中急接近はどこまで本物か。 関係筋によると、金融庁も実態調査に動き始めたという。 (玉木淳、森本学、nikkei = 4-28-14)
イオン、中国・蘇州に新店舗 華東地区への出店加速へ
【蘇州】 イオンは 25 日、中国江蘇省蘇州市で郊外型の大型ショッピングモールとして中国で 13 店目の「イオンモール蘇州呉中」を開店した。 経済発展が著しい上海市や江蘇省、浙江省からなる華東地区で同社として初めてのモール型店舗。
中国最大の同社店舗で、駐車場を充実させマイカー保有層を狙う。 今後、華東地区への出店を加速させる。 イオンモール(千葉市)の岡崎双一社長は、江蘇省の無錫や揚州にも出店する考えを示した上で「(江蘇省や浙江省などを)戦略的地域と位置付けている」と述べた。 蘇州で、さらに 2 店舗の建設が進んでいる。 (kyodo = 4-25-14)
トヨタ、純中国産 HV を 15 年発売 燃費規制の切り札に
トヨタ自動車は 2015 年に、電池など基幹部品も中国でつくる初めてのハイブリッド車 (HV) を現地で発売する。江蘇省常熟市の研究開発センターでは、現地生産に向けた開発が急ピッチで進んでいる。
上海から車で約 2 時間。 日本の報道陣に 22 日初公開された研究開発センターは、一面緑の田畑に囲まれた真新しい 3 階建ての建物だ。 敷地面積は 234 万平方メートル。 舗装のひびやでこぼこなど中国に多い道路の特徴を再現したテストコースも備える。 研究設備は日本と同等だ。 金属の組成を分析する実験室では、中国で調達しやすい材料で日本と同じ性能の部品をつくる研究が進められている。
HV を手頃な値段にするには、電池やモーターといった基幹部品の価格の引き下げが必要。 そのためには現地で調達できる材料や部品を使うことが不可欠だ。 センターの松本真一副社長は「ねじ一本に至るまで 100% に近い形で中国の材料を使いたい」と話す。 (常熟 = 南日慶子、北京 = 斎藤徳彦、asahi = 4-24-14)
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トヨタ、中国で生産能力の大幅増強を検討
[北京] トヨタ自動車の大西弘致中国本部長は、中国で生産能力の大幅増強を検討していると明らかにした。 トヨタは中国販売台数を 200 万台に倍増させることを目指しており、大西氏は市場をリードする独自動車大手フォルクスワーゲン (VW) と米自動車大手ゼネラル・モーターズ (GM) に後れを取らないようにするために必要な「最低水準」だと指摘した。
大西氏は北京自動車ショーで記者団に対し、「欧米の自動車各社が積極展開しており、われわれの販売量は増えたが、市場シェアはこれまでの半分近くに低下した」と述べた。 トヨタの中国での年産能力は現在約 100 万台。 トヨタは中国の第一汽車集団(FAW グループ)、広州汽車集団と合弁事業を展開している。 大西氏は長春市や成都市といった中国内陸部にある既存施設で生産能力を拡大する可能性があるとの見方を示したが、コストは明らかにしなかった。 (Reuters = 4-21-14)
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トヨタ、中国と HV システム共同開発へ 技術情報も提供
【広州 = 斎藤徳彦】 トヨタ自動車は 21 日、中国の合弁相手とハイブリッド自動車 (HV) の基幹システムの共同開発に乗り出すことを明らかにした。 現地大手の第一汽車、広州汽車に技術についての情報も提供し、2015 年をめどに中国市場へ投入する予定の「中国国産ハイブリッド車」に積み込む。
21 日開幕した広州モーターショーで、大西弘致中国本部長は「最も先進的で成熟し、普及が見込まれるハイブリッド車を、中国で開発・生産する決断をした」と述べた。 トヨタはこれまで、HV については基幹部品を日本から輸出し、現地では組み立てにとどめることで技術の流出を防ぐ方針をとってきた。 このやり方は関税でコストが高くなり、中国での販売価格が上がってしまう。 日米など先進市場に比べて普及が遅れることにもつながっていた。 (asahi = 11-21-13)
丸紅子会社の代理店社員 3 人、中国当局が拘束か
大手商社の丸紅は 24 日、米国の穀物販売子会社「コロンビア・グレイン・トレーディング・インク (CGTI)」の中国代理店の中国人社員 3 人が、中国当局に拘束されているとの情報があると明らかにした。 丸紅広報部によると、3 人が拘束された理由は不明で、拘束された場所なども分かっていない。 CGTI は大豆などの穀物を米国から中国などに輸出している。 CGTI と中国の代理店との間に資本関係はないとみられるという。
日中関係筋によると、CGTI の中国代理店が商品の輸出入を行った際、税関で過少申告があったとして中国の税関当局の指摘を受け、取り調べを受けた模様だ。 拘束が確認されているのは、代理店の中国人社員 1 人という。 CGTI 関連会社の従業員によると、10 日ほど前から代理店の女性幹部らが取り調べを受けているとの情報があった。 (asahi = 4-24-14)
商船三井、中国側に 40 億円払う 輸送船、差し押さえ解除へ
日中戦争が始まる前後の船舶賃貸契約をめぐる賠償請求訴訟に絡み、中国の裁判所に輸送船を差し押さえられた商船三井が、裁判所の決定に基づいて 40 億円強の供託金を中国側に支払ったことが 24 日、分かった。
商船三井は、差し押さえが続けば業務上の悪影響が大きくなると判断、裁判所が決めた賠償金に金利分を加えた額の支払いに応じたとみられる。 輸送船の差し押さえは 24 日中にも解除され、中国浙江省舟山市の港を出ることができる見通しだ。 中国・上海の裁判所は 2007 年、商船三井側に約 29 億円の支払いを命じる判決を言い渡した。 (kyodo = 4-24-14)
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上海の裁判所、商船三井の船舶を差し押さえ
中国の上海海事法院(裁判所)は 19 日夜、商船三井の船を浙江省の港で差し押さえた、と発表した。 1930 年代の船の賃借を巡る裁判で商船三井側の敗訴が確定したのに、賠償金を支払っていないためとしている。 日中対立が深まるなかで、強制措置に踏み切った中国側の意図を巡り波紋が広がっている。 同法院は 19 日、上海沖合の浙江省沖に停泊していた商船三井の鉄鉱石運搬船「BAOSTEEL EMOTION」を差し押さえた。
商船三井が損害賠償の支払いに応じなければ、「法に従い船舶を処理する」として競売などの措置に出る可能性を示した。 中国側の報道などによると、中国の船会社「中威輪船公司」は 36 年、日本の「大同海運」に船 2 隻を 1 年間賃貸する契約を締結。 2 隻は日本で軍に徴用され、賃料が支払われないまま契約終了後も使われ、44 年までに沈没したという。 (北京 = 林望、asahi = 4-20-14)
日本の対中投資、47% 減 1 - 3 月、関係悪化長引き
中国商務省は 17 日、日本から中国への直接投資額が今年 1 - 3 月期は 12.1 億ドル(約 1.230 億円)となり、前年同期から 47.2% 減ったと発表した。 日中関係の悪化が長引き、日本企業にとって第一の海外進出先だった中国への投資が急減している。
直接投資は企業が海外で子会社や工場などをつくるために使ったお金の額。 日本の対中投資が減るのは 3 四半期連続だが、今回の減り幅は東日本大震災のあった 2011 年 1 - 3 月期以来、3 年ぶりの大きさだ。 12 年秋の尖閣問題の際は、中国各地で日本企業などを標的にしたデモが起きた。 しかし、大企業を中心に事前の計画通りの投資を続け、当初は直接投資額もプラス基調が続いた。 (北京 = 斎藤徳彦、asahi = 4-18-14)
PM2.5 が心配、中国への子連れ赴任敬遠
中国の深刻な大気汚染などの影響で、新年度を迎えた北京や上海の日本人学校の児童・生徒が大幅に減った。 子供の健康を考え、単身赴任を選ぶ駐在員が増えたのが主な原因だ。 手当の増額など対策を検討し始める企業も増えている。 11 日に始業式を迎えた北京日本人学校。 首都圏を含む各地から来た子供らが通う。 微小粒子状物質 PM2.5 は珍しく日本の環境基準値に近づいたが、マスク姿の児童も目立つ。 親や学校の指導で着用が習慣づいているからだ。
小学部・中学部を合わせた人数は、昨年 4 月末より 101 人少ない 491 人。 1976 年度開校の同校は、天安門事件の翌 90 年に前年比で 65 人減ったが、それを上回る激減ぶり。 500 人を割るのも 2004 年度以来で、ピークの 08 年度から 200 人近く減った。 緊張が続く日中関係の影響も考えられるが、それ以上に響いているのが日本でも盛んに報道されている大気汚染だ。 多田賢一校長は「帰国する子が増えたというより、日本から入学・編入してくる子が大幅に減っている」と話す。
4 年生の長男を迎えに来た東京都板橋区出身の翻訳業、笠井賢さん (45) も、「この時期、増えるはずの新しい友だちが増えない」と気の毒がる。 幼いころ、東京も光化学スモッグで空がかすみ目が痛んだ記憶がある。 「神経質になり過ぎず、家族が一緒にいることを大切にしたい」と話すが、自宅の窓の開け閉めにも大気汚染指数を確認するなど気遣いは欠かせない。
東京都あきる野市から来た北京在住 5 年目の主婦 (33) も「子供の体は心配だけど、お友達もできて、こっちの環境に慣れているので」と、悩ましい思いを抱える。
中国で長期滞在する日本人は約 14 万 8 千人。 国別では、米国の約 25 万人に次いで 2 番目に多い。 都市別で世界最多の約 5 万 7 千人が暮らす上海。首都圏出身の児童・生徒が過半数を占めるという上海日本人学校浦東校(小学部、中学部)は、11 年度から 3 年連続で人数が増えたが、今年度は 1,379 人と 133 人減。 虹橋校(小学部)も昨年度より 100 人以上減った。
上海周辺では鳥インフルエンザ (H7N9) の流行も影響しているとみられ、浦東校の浅木賢介校長は「年度初めは様子を見て、家族を呼ぶか考える駐在員が多いようだ」と話す。 (北京 = 林望、上海 = 金順姫 香取啓介、asahi = 4-14-14)
通行人とギュッ! 日中交流訴え 北京で日本人留学生
【北京 = 佐藤大】 日中関係が冷え込む中、北京大学に留学している日本人学生 3 人が 10 日、北京の繁華街・王府井で、見知らぬ人と抱擁を交わす「フリーハグ」を行い、草の根交流の大切さを訴えた。 日中の学生の交流活動に取り組む早稲田大の渡辺航平さん (20) らが計画。 「中日友好、抱抱団」などと書かれた紙を掲げて通行人に「ハグ」を呼び掛けると、「釣魚島(尖閣諸島の中国名)は中国のものだ」と主張する人も含め、多くの人が笑顔で応じた。
約 30 分後に「活動自体は素晴らしいが、事前の申請が必要だ」と警察官に止められたが、参加した槙原慧史(さとし)さん (20) は「日中関係は悪いが、大事なのは個人間の関係だと思う」と手応えを感じていた。 渡辺さんらは 12 日に北京で、日中の学生約 150 人による合唱も計画している。 (東京新聞 = 4-11-14)
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日中友好願い合同成人式 上海で学生手作り
中国上海市で 6 日、日本人留学生と中国人大学生らが合同で「日中友好成人式」を開催した。 尖閣諸島(沖縄県石垣市)や歴史問題で日中関係が冷え込む中、両国の学生同士が交流し、将来に向けて友好を深めるのが狙い。 日中の学生でつくる実行委員会が企画した手作りのイベントで、今年で 3 回目。 約 190 人が華やかな振り袖や浴衣などで参加した。
新成人を代表してあいさつした渡辺航平さん (20) = 川崎市 = は「両国の新成人は違いを恐れず、一歩を踏み出していかなければならない。 こうした姿勢で互いに向き合うことができれば、両国間の問題も解決できる。」と訴えた。 成人式では、和太鼓や中国の伝統楽器「古箏」の演奏が披露されたほか、東日本大震災で被害を受けた福島県の被災者を励ますメッセージを書いた。 (kyodo = 4-6-14)
日中の医療者向け研修便覧製作 県精神科センターなど
岡山県精神科医療センター(岡山市北区鹿田本町)は医療者同士の相互交流を続ける中国・洛陽市の河南科技大第五付属医院と共同で医療者向けの研修便覧を作った。 日中双方の医療制度の違いを事前に把握し、より深い研修に役立ててもらう狙い。 同センターによると、全国でこうした便覧は初めて。 歴史認識などをめぐって日中関係が冷え込む中、医療者同士の活発な交流に向けた一助とする。
同センターで昨年 7 月から 3 カ月間、河南科技大第五付属医院など 2 病院で研修した関英一医師 (54) らが執筆。 便覧は白衣のポケットに入る新書サイズで 373 ページ。 見開きで左に日本語、右は中国語で解説した。
日本では健康保険証 1 枚で同じ自己負担で医療を受けれるのに対し、中国では公務員や都市労働者、農民などで保険が分かれ、自己負担が変わることなどを紹介。 病院や医師が細かくランク分けされ、提供できる治療や薬が異なるなど複雑な制度の仕組みを説明している。 日本の漢方医学の概説もある。 便覧は 1,500 部作り、同医院など関係者に配布する。 便覧の内容は岡山市日中友好協会のホームページにも掲載。 問い合わせは同協会 (086-225-5068)。 (山陽新聞 = 3-31-14)
中国、日米欧に全面敗訴 … レアアース輸出規制
中国によるレアアース(希土類)の輸出規制が世界貿易機関 (WTO) の協定違反に当たるなどとして日本と米国、欧州連合 (EU) が共同で提訴していた問題で、WTO の紛争処理小委員会は 26 日、日米欧の主張を全面的に認める報告書を発表した。 中国は 60 日以内に 2 審に相当する上級委員会に上訴できる。
中国は 2010 年ごろからレアアースの輸出量を大幅に削減したほか、レアメタル(希少金属)のタングステン、モリブデンとともに輸出税を導入。 日米欧はこの措置が中国の国内産業を優遇しているとして 12 年に WTO に提訴していた。 報告書は、輸出規制は天然資源の保全のためとする中国の主張を認めず、WTO 協定で禁止する数量制限にあたるとして是正を求めた。 輸出税についても環境保護に必要な措置とは言えないと認定した。 茂木経済産業相は、この判断を歓迎するとの談話を出した。 (yomiuri = 3-27-14)
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レアアースは今年さらに下落の見通し、増産や中国の WTO 敗訴で
[ロンドン] レアアース(希土類)の価格が今年一段と下落するとの見方が浮上している。 新たな鉱床の発見で生産が増えているほか、中国の輸出規制をめぐる通商紛争で、世界貿易機関 (WTO) の紛争処理小委員会(パネル)が、中国敗訴の判断を下したことが背景。 レアアースの価格は、2010 年から 11 年にかけて急騰後に急落。 その後は総じて狭いレンジで推移している。
アダマス・インテリジェンスのディレクター、ライアン・キャスティルー氏は「(WTO 敗訴で)中国がレアアース政策を修正すれば、中国には価格面で競争する道しか残されていない」と述べた。 米モリコープや豪ライナスはすでに新鉱床での生産を拡大しており、投資家の間には過剰供給に対する懸念が広がっている。 JP モルガンのアナリスト、マイケル・ガンバーデラ氏は「モリコープが今年第 4・四半期までに生産目標を達成すれば、レアアースに下落圧力がかかる公算が大きい」と指摘。
キャスティルー氏によると、一部の自動車メーカーは、コスト削減と供給不足のリスクに対応するため、レアアースの代替材料の利用を進めている。 RJH トレーディングのマネジングディレクター、チャールズ・スウィンドン氏は「需要はかなり抑制されている」と述べた。 (Reuters = 3-27-14)
ヤマト、中国全土に宅配 中国郵政と提携
日本のネット通販、最短 3 日で
ヤマトホールディングスは中国最大の物流会社、中国郵政集団(チャイナポスト)と提携し、日本企業の商品を中国全土に宅配するサービスを始める。 中国の消費者がインターネット通販で購入した商品を最短 3 日で届ける。 煩雑な税関手続きもヤマトが引き受けて配達の遅れを防ぎ、安定したサービスを提供する。 中国から商品を購入しやすくなり、日本企業はネット通販の商機が広がる。 (nikkei = 3-24-14)
サントリー、中国開拓を独力から転換 現地社と合弁
全土 500 超の拠点活用
サントリーホールディングスは中国で清涼飲料の販売を拡大する。 20 日、現地の果汁飲料大手、中国匯源果汁集団(北京市)と年内にも合弁会社を設立し、匯源本体に一部出資すると発表した。 独力で市場開拓を進める戦略を改め、現地の有力企業と組む。 提携先の清涼飲料の販路を生かし、中国全土でブランド定着をめざす。
現地の清涼飲料販売会社、サントリー(上海)食品貿易の株式の 50% を匯源に売却した後、販売会社を母体として折半出資の合弁会社を設立する。 サントリー側が取締役にあたる董事の過半数を派遣して経営の主導権を握る。
上海の製造子会社も併せて匯源に売却する。 売却総額は約 20 億円。 サントリー HD は売却資金を匯源本体の株式取得に充て、1 - 2% を出資する。 中国全土に 500 を超える営業拠点をもつ同社の販路を活用し、合弁会社設立から 2 年後に清涼飲料の販売を現在の倍の 2 万ケースに伸ばす計画だ。
匯源は 1992 年設立。 果汁飲料に強みを持ち、2013 年の売上高は約 717 億円。 08 年に米コカ・コーラが総額 196 億香港ドル(約 2,500 億円)で買収を試みたが、中国当局が独占禁止法に抵触するとして不認可とした初のケースとなった。 サントリーは 95 年から中国でウーロン茶やコーヒーを販売。 沿岸部を中心に自力で販売店を開拓してきたが、商圏は北京と上海周辺に限られており、清涼飲料事業は営業赤字が続いていた。
一方、ビール事業は青島ビールとの合弁により 13 年の売上高が前年の 2 倍以上に増加。 独力の清涼飲料事業も前年比 23% 増と伸びてはいるが、勢いに大きな開きがある。 清涼飲料でも独力のままで内陸部を含めた中国市場全体を開拓するには限界があると判断した。 自前のブランド展開を見直し、事業拡大を急ぐ。 業界推計では、中国の 13 年の清涼飲料市場は 90 億ケース程度とみられる。 日本市場の約 5 倍の規模で、内陸部の需要拡大により年率約 10% の成長が続いている。
日本企業ではキリンホールディングスが 11 年に小売りや飲料などの華潤創業と合弁会社を設立。 アサヒグループホールディングスは中国食品最大手など設立した合弁会社を通じて 12 年に米ペプシ社の中国ボトリング事業を買収するなど、現地の有力企業と組んで巨大市場の開拓をめざす動きが広がっている。 (nikkei = 3-20-14)
PM2.5 対策で日中接近 日本側、技術協力をアピール
微小粒子状物質 PM2.5 による大気汚染に苦しむ中国と、日本の経済界が協力関係を強めている。 中国で大気汚染に対する規制が強まるなか、日本側が、技術協力を積極的にアピール。 中国企業からの関心も高まっている。 日本の経済界は、冷え込んだ日中関係を、「環境」を通じた連携で改善したい考えだ。
11 日、東京・霞が関のオフィスビルを訪れたのは、中国・天津市の鋳造メーカーの社長や工場長ら 11 人だった。 「排出削減、大気汚染の分野で日本の先進的な知見を採り入れたい。」 「環境保護の意識を学ばせてほしい。」 「PM2.5 の濃度をオンラインでモニターできる最新機器が欲しい。」
中国の企業は代わる代わる日本側に協力を求めた。 団長を務める天津市鋳造業協会の王継英事務局長は「日中両国には(歴史認識や尖閣諸島など)複雑な問題があるが、いま中国で国民の関心が高いのは大気汚染だ。 ぜひ協力をお願いしたい」と訴えた。 招いたのは日本の経済界だが、中国企業の積極姿勢が目立った。 (asahi = 3-15-14)
輸入偽ブランド品差し止め 2 万 8,000 件、過去最多 9 割が中国
財務省は 13 日、偽ブランド品など知的財産権を侵害する物品の輸入を全国の税関で差し止めた件数が、平成 25 年は 2 万 8,135 件に上ったと発表した。 最多だった 24 年を 5.7% 上回り 2 年連続で過去最多を更新した。 中国からの持ち込み件数が全体の 91.9% に上った。 品目別で最も多かったのはバッグ類で全体の 44.5%。 衣類の 15.6%、靴類 10.4% が続いた。
普及が進むスマートフォン向けのケースや、健康志向を反映した運動用の DVD の差し止め増加が目立つのも 13 年の特徴だ。 財務省は差し止め品がすべて本物なら約 130 億円分に相当すると推計している。 輸送方法別では郵便物が 93.9% を占め、一般貨物の割合は 6.1% にとどまった。 中国以外で差し止め品の持ち込みが多かったのは香港 (3.7%) とシンガポール (1.2%)。
差し止めは一つの郵便物や貨物に複数の物品が入っているのが大半で、全体の物品数は 62 万 8,187 点だった。 (sankei = 3-13-14)
危険な中国産スズメバチ、国内侵入 長崎県対馬で初確認 被害の懸念
韓国や欧州で人間の被害や生態系への影響が大きな問題になっている中国原産のスズメバチ「ツマアカスズメバチ」が長崎県の離島、対馬に侵入、定着していることが、地元の自然愛好家や対馬市、九州大の上野高敏准教授らの調査で確認された。 攻撃的で、健康被害とともに、餌になるニホンミツバチなど在来の昆虫の生息や生態系への悪影響が懸念される。 環境省も対馬での生息状況や生態の調査を始め、防除対策の検討に乗り出した。
上野准教授は「繁殖力が強く、本土に侵入したら分布が急拡大し被害が深刻化する可能性が高い。 早めの駆除対策が必要だ」と警告した。 ツマアカスズメバチは最大で体長が 3 センチ程度になるスズメバチの一種。 昆虫などを捕食し、巣を刺激すると執拗に人間を追尾することが知られている。 対馬北部では多数の巣が見つかり、養蜂に使うニホンミツバチを捕食していることも分かった。 対馬との間に定期航路がある韓国から、船に乗って侵入した可能性が高いという。 (sankei = 3-10-14)
上海日本人高校で 1 期生卒業式、日中関係悪化の 3 年間乗り越え、「地元校との交流忘れられない」
【上海 = 河崎真澄】 海外に約 90 校ある日本人学校で初めての高校として、中国上海市に 2011 年 4 月に設置された高等部(水野俊夫校長)の 1 期生 35 人の卒業式が 1 日、上海日本人学校浦東校で行われた。 日中関係が悪化した中での 3 年間だったが、水野校長は「1 期生として苦難を乗り越えてきた」とたたえた。
上海市は日本企業が派遣した駐在員の家族など約 6 万人が暮らしている。 高等部はグローバルな人材育成の強化策として、英語や中国語の授業に力を入れ、地元高校生との文化交流なども進めてきた。 卒業生の金子祐誠君 (18) は「12 年秋に何度も頓挫しかけた地元校との日中合同イベントを、みんなで力を合わせてやり遂げたことが忘れられない」と高校生活を振り返った。
高等部は芝浦工業大や法政大、中央大、関西学院大など 11 大学が、指定校推薦入学枠や教授陣を派遣した特別講座の実施などで協力しており、35 人の卒業生のうち 19 人が協力大学に合格している。 (sankei = 3-1-14)
日中関係「若い世代の反感増幅」 駐米大使、SNS 懸念
悪化する日中関係について、佐々江賢一郎駐米大使が 26 日の記者会見で「歴史を体験として承知していない日中双方の若い世代の間で、不必要な感情のやりとりがソーシャルメディアなどで見られることを懸念している」と述べ、若い世代で互いに反感が高まっていることに懸念を示した。
佐々江氏は「ネット上で中国から憎悪をかき立てるようなものが出てくることに、当然いろんな感情を持つ人たちがいる。 これが急速に増幅してきている。 放置して若い世代がお互い悪い感情を持つことは健全ではない。 古い世代が指導していく責任がある。」と話し、若者以外の「古い世代」にも責任があると指摘した。
米国内には、尖閣諸島を巡る対立や歴史認識問題で日中の緊張が高まることを心配する見方がある。 佐々江氏は「日本のせいではないが、主要国同士がギスギスした関係を続けることはよくない。 緊張の高まりは米国のみならず多くの国が望んでいない。」と話した。(ワシントン = 大島隆、asahi = 2-27-14)
浅田に中国版ツイッターでも絶賛の嵐「すべての人の尊敬を得た」
ソチ五輪のフィギュアスケート女子フリーでの浅田真央の演技は、中国版ツイッター「新浪微博」でも多くの称賛を集めた。
競技が終わった直後の 21 日未明から、「人の息を止めさせるほどの素晴らしい演技。 金メダルは獲得できなかったが、すべての人の尊敬を得た。」 「失敗しても立ち上がった。 あなたは氷上の女王だ。」 「浅田真央の演技で涙が止まらなかった。 努力する人は永遠に美しい。」などと続々と書き込まれた。
中国でもキム・ヨナとのライバル関係は知られており、「キム・ヨナも優雅だと思ったが、浅田真央の今日の演技はもっとも完璧で美しかった」などと、両選手を比較するコメントも相次いだ。 (sankei = 2-21-14)
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