中国人民銀行、農村銀行の預金準備率引き下げへ

【北京】 中国人民銀行(中央銀行)は 22 日、農村地域で事業を行う一部銀行の預金準備率を 25 日付で引き下げると発表した。 経済成長の下支えに向けた方策。 預金準備率の引き下げ幅は、県レベルで展開する農村商業銀行で 2 ポイント、農村合作銀行で 0.5 ポイントとなる。 変更後の具体的な預金準備率は明らかにしていない。 主要銀行に適用される預金準備率は現在 20%。 (The Wall Street Journal = 4-22-14)


中国のポリエステル繊維メーカーが破産申請、債務不履行の可能性

[上海] 中国浙江省を拠点とするポリエステル繊維メーカーが破産手続きの開始を申請したことが明らかとなり、7 月に予定される私募債の利払いが危ぶまれる状況となった。 同省安吉県人民法院(裁判所)のウェブサイトによると、浙江華特斯聚合物科技は 3 月初めに地裁に破産手続きの開始を申請。

同社は 2013 年 1 月に総額 6,000 万元(970 万ドル)の私募債を発行。 利回りは 11% に設定された。 次の利払いは 7 月 23 日に予定されており、償還は来年 1 月となっている。 中国ではここ数週間のうちに複数の債務不履行(デフォルト)が発生しており、信用リスク拡大に対する懸念が広がっている。

3 月初旬には、上海超日太陽能科技が社債の利払いを履行できず、国内社債市場で初めてのデフォルトとなった。 また、先月下旬には小規模な建材会社、徐州中森通浩新型板材が高利回り債に対して予定していた利払いを履行できず、高利回り私募債で初のデフォルトとなった。 (Reuters = 4-8-14)


中国、大型景気刺激策回避へ = 新華社解説記事

[北京] 新華社は 7 日の解説記事の中で、中国政府は大規模な刺激策を再び打ち出すことは回避するという見通しを示すとともに、金融及び財政政策に転換の兆しはないとした。 中国景気の鈍化を受け、投資家の間では、控えめな規模の刺激策が講じられるという観測が広がっている。

新華社は英語の解説記事で、「国務院(内閣に相当)が一連の政策を水曜日(2 日)に発表して以来、『小型刺激策』説が広まっている」と指摘。 「今後の刺激策に関するうわさはどれも誤解を招きやすく、2008 年の世界金融危機後に中国が打ち出した刺激策のようなものを期待している人は失望することになるだろう」とした。 政府は 2 日、鉄道プロジェクトの建設促進と小規模企業向けの減税を発表した。

新華社の解説記事は公式な声明ではないが、政府の公式見解を反映しているとみられている。 新華社は中国経済が「少しの刺激」を必要としているが、本格的なものは必要ではないとの見方を示し、「最近の西側諸国の弱々しい基準に比べれば中国の経済成長率は高水準であるため、慌てる必要はない」と付け加えた。 また、「利口な人たちは察しがついているが、金融および財政政策の転換の兆しはない」との見解を示した。 (Reuters = 4-7-14)

◇ ◇ ◇

中国 : 景気下支え策の概要発表 - 李首相の成長率目標に黄信号

中国政府は景気を下支えし雇用を創出するために、鉄道建設や税優遇措置などを盛り込んだ包括策の概要を明らかにした。 このところの景気減速を受けて、李克強首相が掲げる 7.5% という今年の成長率目標の達成は厳しさが増していた。

李首相は 2 日に国務院常務会議を主宰。 国務院がその後に発表した声明によると、政府は開発余地が大きい中西部を中心に鉄道を建設するため、年内に債券を 1,500 億元(約 2 兆 5,000 億円)発行する。 鉄道関連の資金を手当てするため年 2,000 億 - 3,000 億元の開発基金を創設するほか、建設プロジェクトを加速する。

中国では製造業活動が振るわないほか、小売売上高や投資の伸びが鈍り、経済成長の予想外の弱さが示されている。 ブルームバーグ・ニュースが 3 月にまとめた市場関係者の予想によれば、1 - 3 月(第 1 四半期)の成長率は 7.4% となる見通し。 従来予想(中央値)は 7.6% だった。

光大証券のチーフエコノミスト、徐高氏は「成長安定のためのミニ刺激策だ」と指摘。 「成長率が妥当なレンジの下限に向けて低下しつつあることで、李首相は成長を軌道に戻すための措置を講じようとしている」と述べた。 同氏はまた、一連の政策と 7.5% 成長達成に向けた政府の「明確なコミットメント」により、4 - 6 月(第 2 四半期)の成長は加速する可能性があるとの見方を示した。 国務院の声明によれば、政府は税優遇策の適用範囲を拡大するほか、低所得者向け住宅建設への財政支援も増やす。 (Bloomberg = 4-3-14)

◇ ◇ ◇

中国経済、1 - 3 月に成長ペース減速 - 中国版ベージュブック

中国の経済成長ペースが今年 1 - 3 月(第 1 四半期)に減速したことが、米連邦準備制度理事会 (FRB) が発表する地区連銀経済報告(ベージュブック)をモデルとした調査で明らかになった。 中国では非伝統的な手段を通じた借り入れコストが上昇し、小売りや鉱業などの業界では売上高の伸びが鈍化している。

米調査会社チャイナ・ベージュブック (CBB) インターナショナルが発表した中国版ベージュブックによると、景気鈍化にもかかわらず、労働市場と賃金の伸びは前四半期からほぼ変わらずだった。 同調査では、刺激策が実施されなければ李克強首相が掲げる今年の成長目標 7.5% の達成が困難となる可能性があらためて示された。 工業生産や投資の伸び鈍化を受けて、国務院は今週、経済を下支えするため、建設プロジェクトやその他の対策を加速すると表明した。

CBB のリーランド・ミラー社長と世論調査・研究ディレクターのクレイグ・チャーニー氏は発表資料で「中国の景気拡大ペースは明らかに鈍化している」と指摘。 そうしたトレンドの中心は小売部門の鈍さだと説明した。 同調査は 2 月 10 日から 3 月 3 日までの期間に企業幹部約 2,300 人とバンカー 160 人を対象に実施された。 今月 10 - 14 日には 27 人への詳細な聞き取り調査も行われた。 (Bloomberg =3-21-14)


中国の 1 - 2 月工業部門企業利益は前年比 +9.4%、伸び加速

[北京] 中国国家統計局が 27 日発表した 1 - 2 月の中国の工業部門企業利益は、前年同期比 9.4% 増の 7,793 億元(1,255 億ドル)だった。 昨年 12 月の前年同月比 6% 増から増益ペースが加速した。 統計局は毎年、旧正月(春節)要因を調整するため、単月ではなく、1 月と 2 月を合わせたデータを公表している。 (Reuters = 3-27-14)


人民元が対ドルで一段安、13 年 4 月以来初めて 6.20 元台に

19 日の上海外国為替市場で、人民元が対ドルで一段と下落し、2013 年 4 月以来初めて 6.20 元台に乗せた。 (Reuters = 3-19-14)

◇ ◇ ◇

人民元、1 日の変動幅 2 倍に 為替自由化へ前進

中国の中央銀行、中国人民銀行は 15 日、人民元と米ドルを交換する為替レートの 1 日の変動幅を、これまでの上下それぞれ 1% から 2 倍に広げると発表した。 拡大は 2012 年 4 月以来、約 2 年ぶり。 人民元の自由化を一歩進め、市場の役割を重視する政権の姿勢をアピールする。

人民元と他通貨との交換は、米ドルがほとんどを占める。 これまで市場での交換レートは、人民銀が毎日決める「基準値」の上下 1% 以内に収まるように規制されていた。 17 日の取引からは上下 2% までの変動が許され、より人民元の実際の価値に見合った価格で取引しやすくなる。

人民元の為替レート規制には、巨額の対中貿易赤字を抱える米国などが緩和を求めていた。 しかし、変動幅を広げると急速な人民元高が進み、輸出企業に打撃を与えるため、中国政府はこれまで慎重な態度をとってきた。 1 月以降は人民元レートが元安ドル高で推移していることから、変動幅を広げても、すぐに急な元高は進まないと判断した。

周小川総裁ら現在の人民銀指導部は、人民元を使いやすくして、国際的な地位を高める改革に前向きだ。 今後も、国内企業への影響を見極めながら、企業に国境を越えた人民元のやり取りを認めるといった改革を進めると見られる。 (杭州 = 斎藤徳彦、asahi = 3-15-14)


中国が都市化計画発表、輸送網を大幅拡充

[上海] 中国政府は 16 日、2014 - 20 年の都市化計画を発表した。 農村から都市部への人口移動を促すため、輸送網や都市部のインフラを大幅に拡充する。 計画では、全人口に占める都市人口の比率を現在の 53.7% から 2020 年までに 60% に増やし、内需を喚起する。 政府は都市部への人口流入促進を目指しており、大規模なインフラ開発や戸籍制度の改革が課題となっている。

新華社によると、同計画は「内需拡大の最大の可能性を秘めているのが都市化だ」と指摘。 公共インフラ投資の「巨大な」需要を創出する方針を示した。 具体的には、2020 年までに都市部の地下鉄網を拡充するほか、公共住宅の建設も大幅に増やす。 人口 20 万人を超えるすべての都市で、2020 年までに普通鉄道を敷設する。 人口 50 万人を超える都市は、高速鉄道で結ぶ。 民間航空網は人口の約 90% をカバーする見通しという。

水質・空気汚染対策を進める計画も盛り込んだ。 また、開発の遅れている内陸部の発展を促すため、中・小規模都市の数を増やし、農村からの人口流入に対応する方針も示した。 (Reuters = 3-17-14)


中国「神話が崩れ、悪夢が残った」 希望の光を求めて

中国経済の先行きに大きな不安が広がっている。 中国が発表する経済指標は信頼できないものが多く、中国経済の実態は PM2.5 さながらの濃霧の中にある。 おぼろげながら見えているのは、屋台骨の製造業が力を落とし、カンフル剤だったインフラ建設も馬脚を現し、地方政府や民営企業の投資も資金源だった理財商品のデフォルトの始まりで行き詰まった、といった光景だろう。

中国の高度成長神話は崩れ去り、償還困難な金融商品の巨大な山がそびえ立っている。 それだけではない。 PM2.5 が代表するような環境破壊は止めどもなく、土壌汚染、禁止農薬や添加剤の使用で食品は危険性を増している。 中国経済に希望はあるのか?

「地上に吸うべき空気なく、地面に食べるべき野菜なし」

河北省石家荘の駅前は中国の大都市と変わらず高層ビルが林立しているが、そのビル群がどこまで続くかは旅行者にはわからない。 PM2.5 の灰色の濃霧が視界を 200 メートル以下に狭めているからだ。 中国でトップクラスの大気汚染の町だけのことはある。 駅前広場で地元の人に大気汚染について聞いた。 年々ひどくなるという話は当たり前として、四川省から来た一人の建設労働者の言葉が意外であり、やがて背筋が寒くなった。

「雇ってくれている会社が作業員に PM2.5 対策の漢方薬をたくさんくれているので毎日欠かさず飲んでいる。」 これを聞けば中国にしては珍しい親切な企業と思ったが、続いて出た言葉は「毎週、作業員が倒れているからね。」 屋外の建設現場は PM2.5 から逃れようもない。 そこで重労働をする作業員は PM2.5 の最大の被害者なのだ。

石家荘から上海に戻り、空港に降り立った途端、空気がおいしいと感じた。 石家荘の PM2.5 濃度は 1 立方メートル当たり 600 マイクログラム前後、上海はその日 100 マイクログラム前後だった。 日本から上海に着いた時に感じた空気の汚れはもはや感じなくなっていた。

昔、北京に駐在していたころ、レストランで出てきた皿やグラスを持参のティッシュなどでふくのは日本人の常識だった。 当時は出される食事よりも調理や出し方の方に不安があったからだ。 今は皿をふかなければならないケースは減ったが、出された料理をしっかりと見なければならなくなった。

あやしげな野菜や肉をより分けて食べるわけだ。 異常に青々とした野菜、妙に白っぽい野菜、口に入れて化学品の臭みがないか、確かめつつ口にする。 中でも今、中国人が警戒するのは、もやしだ。 根がない、茎が太い、白すぎるもやしはほぼ確実に禁止薬剤を添加してつくられているからだ。

「地上に吸うべき空気なく、地面に食べるべき野菜なし」という中国人に流行っている嘆き言葉こそ今の中国の現実だ。 だが、嘆きにもうひとつ加わるフレーズがある。 「大学を出て就くべき仕事なし」である。 中国の大学(短大、高等専門学校も含む)の卒業生は今年約 700 万人に達する。 そのうち大卒にふさわしい職業に就いたのは 300 万人程度とされる。 かつては売り手市場だった海外留学帰りも仕事にあぶれる時代となった。

まともに就職できない半分以上の人たちは工場や建設現場に仕事を見つけたり、大都市でバイトをしたりしながら就職活動を続ける。 2013 年の中国の成長率は 7.7% と中国政府は発表するが、7.7% 成長で大卒就職の超氷河期なのである。 高成長がウソなのか、大卒が就くような仕事のない低付加価値の産業構造が続いているのか? どちらも真実だろう。

小米が切り開く中国製造業の新モデル

工場の進出しない工業団地や車の走らない高速道路、人の住まないマンション群、企業の入居しない高層オフィスビルを造り続けても大卒の就職難は解決しない。 中国経済には未来はないのか? 北京のシリコンバレーと呼ばれた中関村からさらに郊外に車を走らせ、第 4 環状線道路の外側に出て、ようやくたどり着いた。 中国の新興スマートフォンメーカー、北京小米科技の本社だ。 「小米(シャオミ)」は急成長し、今や中国のアップルと呼ばれ、世界の通信機器業界の耳目を集めている。

新本社が完成し、引っ越ししてまだ 1 週間しかたっていなかったが、巨大なカスタマーサポートセンターや営業、企画、デザイン、イベントなどの部門は本格稼働していた。 印象は元気で動いている会社。 坂道を勢いよく上っていく様子が肌で感じられた。 オフィスの机の回りには縫いぐるみやプラモデルなど思い思いのモノが置かれ、生きた亀を机の上で飼っている社員もいる。

フロアの隅にはトランポリンやエクササイズ機器が置かれている。 社内でみかけた数百人のなかでネクタイをしていた人はゼロ。 だが、それ以上に驚くべきは顧客から贈られたプレゼントの山だった。

小米の雷軍・最高経営責任者 (CEO) の口癖は「顧客と友達になろう。」 顧客の要望に徹底的に答えることで、商品の水準を上げ、魅力を高めてきた。 創立 3 年目の昨年、1,870 万台のスマホを販売、今年は 4,000 万台の販売を目標に掲げる背景には熱狂的な小米ファンが急増していることがある。

中国の製造業ではこれまで性能、品質をごまかし、売ってしまえば後は知らないという会社が多かった。 顧客の要望に真剣に向き合い成長してきたのは家電メーカーの海爾集団(ハイアール)くらいかもしれない。 だが、今、小米の成功が中国の製造業に新しいモデルを示しつつある。 顧客と向き合う、ごまかさない、既存の販売チャネルを無視し、ネット販売に集中する、といったコンセプトだ。 小米に中国経済を新しいステージに導くヒントがあるのではないか、そんな予感を持ち始めている。(編集委員 後藤康浩、nikkei = 3-16-14)


「1、2 年内に預金金利自由化」 中国人民銀総裁が意欲

中国の中央銀行にあたる中国人民銀行の周小川総裁は 11 日に記者会見し、「1、2 年内に預金金利の自由化が実現できるだろう」と話した。 中国は昨年 7 月に銀行の貸出金利を自由化しており、周総裁は「預金金利は金利自由化の総仕上げとなる」と述べて、中国の金融システムの懸案となってきた銀行金利の改革に意欲を示した。

中国では預金金利が政府によって低く抑えられている。 このため、より高い利回りを求めて金融商品に投資する人が多いことが、「影の銀行」と呼ばれる不透明な貸し出しにお金が流れこむ原因と指摘されてきた。 (asahi = 3-11-14)


IBM 中国工場のスト、「強気の労働者」浮き彫り

[上海] 中国・深セン市の米 IBM 工場で発生したストライキは、中国の労働市場で起こっている構造変化を背景に、労働者が強気になっている現状をあらためて浮き彫りにした。 安価な労働力に惹かれて中国に進出してきた多国籍企業にとっては、リスクになりかねない。

中国のパソコン大手、レノボ・グループ(聯想集団) は今年 1 月、IBM の低価格サーバー事業をおよそ 23 億ドルで買収することで合意。 深セン市の IBM 工場では 3 月 3 日に、レノボの傘下に入るに際しての条件などが経営陣から発表された。 この条件に不満を持つ 1,000 人超の従業員が先週ストを決行、ストライキは 9 日になっても続いた。

中国では、深刻な人手不足を背景に、労使関係における労働者側の力が増している。 また、スマートフォンやソーシャルメディアの普及を受けて、労働者の情報交換やストの組織が容易になっている面もある。 労働問題に詳しい弁護士のデュアン・イ氏は「これまで長年にわたって搾取されてきた中国の労働者は、今や権利意識を高め、団結するようになっている。 彼らは、集団行動という手段も持っている。」と話す。

中国労工通報が先月公表したリポートによると、2011 年 6 月から 13 年 12 月末までに発生したストや抗議行動は 1,171 件だった。 現在ストに見舞われている IBM 工場を抱える製造業の中心地・広東省では、ストの原因の多くは工場閉鎖や合併、移転への不満だという。

ノキア の東莞工場では昨年 11 月、米マイクロソフト への携帯電話端末事業売却に伴う労働条件変更を不満とするストが発生。 8 月には山東省で、アポロ・タイヤ のクーパー・タイヤ & ラバー 買収に反対して、5,000 人がストを行った。 人手不足を受け、賃金は上昇傾向が鮮明。 労働者確保に苦慮する経営側は、人員をつなぎとめるため労働条件改善を余儀なくされている。

中国労工通報の中国労働問題専門家、ジェフリー・クロソール氏は「労働者も自分たちの力が強まっていることを知っている」と述べた。 IBM は先週、深セン市の当該工場の労働者に提示した条件について「全体的に見て、現行の労働条件に匹敵する」ものであり、退職条件に関しても「公平」だと強調した。 レノボはコメントを拒否している。

スマホも一役

ハイテク技術も、中国の労働者の団結に一役買っている。 ノキア工場のストのケースでは、労働者らはオンラインチャットシステム QQ や、その他のソーシャルメディアを駆使して、ストを組織したという。 ある労働者の話によると、IBM 深セン工場の場合には、ノキアなど過去のストの事例について研究するなど、事前に準備を進めていた。

専門家は、公的な労働組合の形骸化が、スト頻発の背景にあると指摘する。 中国では独立系の労働組合は禁止されており、公的な労組である中華全国総工会は無力で、経営者側につくことも多いとされている。 中国労工通報のクロソール氏は「職場に意思伝達経路がないため、労働者がとりうる唯一の手段はスト、ということになる」と指摘。 「労組は役には立たず、マイナスの影響を及ぼすことすらある」と述べた。 (Reuters = 3-10-14)


中国の輸出額、18% 減 成長率達成に影響か

中国の税関総署は 8 日、2 月の輸出が前年同月比 18.1% 減の 1,141 億ドル(約 11.8 兆円)だったと発表した。 5 カ月ぶりの減少で、減り幅は 4 年半ぶりの大きさだった。 特殊要因の影響が大きいと見られるが、経済成長率目標の達成にも響く可能性がある。 輸入は同 10.1% 増の 1,370 億ドル(約 14.1 兆円)で、11 カ月ぶりの貿易赤字も記録した。

2 月は年によって時期のずれる旧正月連休があったため、変動が大きくなりがちだ。 ただし、1 - 2 月合計の輸出でも、前年から 1.6% 減った。 中国では昨年初め、輸出の代金に見せかけて国内市場に投機資金を持ち込む「水増し貿易」が横行していた。 前年の輸出額が統計上、実体より多かったことが、減少につながったとみられる。

中国は 5 日、今年の国内総生産 (GDP) の成長目標を 7.5% と発表したばかり。 内需の伸びが不透明な中、成長は輸出に頼る部分が大きく、不振が続けば達成にも影響しそうだ。 (北京 = 斎藤徳彦、asahi = 3-8-14)

◇ ◇ ◇

中国、今年の貿易は前年並みの伸び維持へ = 商務省

[北京] 中国の商務省は 24 日、ウェブサイトに掲載した声明で、今年の対外貿易について前年並みの伸びを維持することに自信を示した。 第 1・四半期の輸出は季節要因で一定の変動があるとの見方も示した。 2013 年の中国の輸出は前年比 7.9% 増、輸入は 7.3% 増で、政府の目標である 8% 増には届かなかった。 (Reuters = 2-24-14)

◇ ◇ ◇

中国の貿易額、米国抜いて世界一に 昨年、4 兆ドル突破

中国税関総署が 10 日発表した 2013 年の貿易統計によると、輸出入の総額は前年比 7.6% 増の 4.16 兆ドル(約 437 兆円)となり、初めて 4 兆ドルを突破した。 中国政府が目標としていた年率 8% 前後の成長には届かなかったが、モノのやり取りに限った貿易額で初めて、米国を抜いて世界首位に立ったと見られる。

中国の貿易の伸びは 12 年、欧州危機による世界経済の減速を受けて前年比 6.2% と 3 年ぶりの低水準だったが、13 年は回復を見せた。 輸出は前年から 7.9% 増えて 2.21 兆ドル(約 232 兆円)、輸入は同 7.3% 増の 1.95 兆ドル(約 205 兆円)。 貿易黒字は同 12.8% 多い 2,597.5 億ドル(約 27 兆円)だった。

貿易相手別では、前年は減少した最大の貿易相手・欧州連合 (EU) 向けの伸びが 2.1% 増と回復。 米国向けも 7.5% 増と安定した伸びを見せた。 一方、日本向けは 5.1% 減と前年に続いてマイナスとなった。 12 年秋から続く尖閣問題による日中関係の悪化の影響は依然、深刻だ。

経済成長を支える輸出の内訳を見ると、「お家芸」とする繊維製品などの労働集約型産業が 10.3% と高い伸びを示した。 機械も 7.3% 増えた。 中国当局の貿易統計は、サービスを除いたモノのやり取りの金額が発表される。 この総額は 12 年に米国と約 156 億ドル差で世界 2 位だった。 13 年も米国を大きく上回る伸びを見せたことで、首位に立ったことが確実視される。 (北京 = 斎藤徳彦、asahi = 1-10-14)

◇ ◇ ◇

中国、13 年貿易総額は前年比 7% 増の見通し

[北京] 中国の高虎城・商務相は 27 日、商務省の関連会合で、2013 年の輸出と輸入の合計である貿易総額が 4 兆 1,400 億ドルに達する見通しだと明らかにした。 前年比増加率は 7% となり、政府目標の 8% 増をやや下回る。 同省がウェブサイト上に掲載した声明で明らかになった。

商務相は、2014 年も貿易総額の安定的な増加を維持し、原材料とエネルギー製品の輸入拡大を通してさらにバランスの取れた貿易構造を実現するよう努力を重ねると表明した。 「2014 年には、われわれは輸入および輸出構造の調整を加速化し、輸出業者が安定的な成長を維持できるように新たな競争力支援を行う」と述べた。

商務相はまた、国外から中国への海外直接投資 ((FDI) が今年、前年比約 5% 増の 1,170 億ドルに達する公算が大きいと述べた。 中国から海外への FDI (金融会社を除く)は約 15% 増の 880 億ドルとなる見通し。 小売売上高は約 13% 増の 23 兆 8,000 億元とみられている。 声明によると、2014 年には商務省は輸出促進のため輸出関連税の還付手続きを加速し、貿易相手国との自由貿易協定締結に向けた交渉を推進するとともに、サービス業をさらに外資系企業に開放する。

中国の工業情報省はこの日、2013 年の鉱工業生産が前年比約 9.8% 増になるとの見通しを示した。 鉱工業分野の企業利益の伸びは 13% となる見込み。 工業情報省はまた、老朽化設備を廃棄する取り組みを強化し、鉄鋼、セメント、輸送、ソーラーパネルおよび乳製品分野の M & A (合併・買収)を促進する方針だと表明した。 (Reuters = 12-27-13)


中国 : 今年の成長率目標、7.5% に維持 - 社会問題抑制に限界も

中国は 2014 年の成長率目標を 7.5% に据え置いた。 環境汚染と与信拡大を抑制しようとする指導部の取り組みに限界があることが示唆された。 李克強首相が 5 日開幕の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で示す政府活動報告の内容が明らかになった。 同首相は報告書で、雇用確保のため安定成長が必要と訴えた。 インフレ目標は 3.5% に設定された。

昨年の 7.7% 成長に近い数字に目標が設定されたことで、原油や鉄鉱石などの需要は下支えされ、世界経済に寄与する。 一方で UBS やソシエテ・ジェネラルなどは、目標を引き下げた方が成長至上主義から脱却するという政府方針に一層沿うことになると指摘していた。

ソシエテ・ジェネラルの中国担当エコノミスト、姚イ氏(香港在勤)は発表前、「成長減速を防ぐために政府がいかなる手段も講じるとのメッセージを市場に伝えるものだ」と指摘。 「いかなる手段も取るということは、中国当局が債務問題をそれほど懸念していないことを意味する。 成長実現のためには改革の進展さえ犠牲にするということだ。」と述べていた。

李首相による活動報告は昨年の就任以降初めて。 首相は報告で、7.5% 目標は「小康社会の建設をあらゆる面で完成させるというわれわれの目標に合致し、市場の信頼を高め、経済構造調整を促進する」と説明。 「より重要なのは、安定成長が雇用を確保するという点だ」との認識を示した。

李首相は報告で「中国は依然として社会主義の初期段階にある途上国であり、国家が抱える全ての問題解決のために経済発展は重要であり続ける」と言明。 「われわれは引き続き経済発展を主な任務とし、適切な経済成長率を維持しなければならない」と主張した。 (Bloomberg = 3-5-14)

◇ ◇ ◇

中国成長率、下げ止まり 13 年、GDP は日本の 2 倍に

中国の国家統計局が 20 日発表した 2013 年の国内総生産 (GDP) は、前年と比べた伸び率(成長率)が物価上昇分を除いた実質で 7.7% だった。 昨年前半の減速を受けて景気対策を相次ぎ打ち出したことにより、12 年の成長率(確定値)と同率で下げ止まり、減速に歯止めがかかりつつある。

GDP は名目で 56 兆 8,845 億元(約 980 兆円)となり、現在の為替レート換算で日本の GDP (480 兆 - 490 兆円)の約 2 倍に達する見通しだ。 中国は 10 年に初めて日本の GDP を抜き、米国に次ぎ世界 2 位となった。 その後も日本を上回る成長率が続いたことに加え、13 年は人民元に対して約 25% も円安が進み、為替換算した場合の差が一気に開いた。 (asahi = 1-20-14)

◇ ◇ ◇

中国 : 10 - 12 月の経済成長、勢い失う - 生産や投資の伸び鈍化

中国の 2013 年 10 - 12 月(第 4 四半期)の経済成長は減速した。 昨年 12 月の工業生産や固定資産投資などの伸びが鈍化し、景気の勢いが弱まった。 中国当局が信用の伸びを抑制していることで、14 年の成長見通しも圧迫されている。

国家統計局が 20 日発表した 10 - 12 月期の国内総生産 (GDP) は前年同期比 7.7% 増と、7 - 9 月(第 3 四半期)の 7.8% 増から鈍化した。 ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想中央値の 7.6% 増は上回った。 中国指導部は広範な政策シフトを進め、借り入れで増やした投資の抑制に取り組んでいるが、景気減速を受けてその方針が試されることになる。 習近平国家主席は就任 1 年目に「比較的速いペース」の成長という目標を掲げなかった。

クレディ・アグリコル CIB のシニアエコノミスト、ダリウス・コワルツィク氏(香港在勤)は「経済成長の勢いは明らかに弱まりつつある。 10 - 12 月期は後半になるにつれて景気減速がはっきりとしてきた。」と指摘。 今年は景気拡大ペースが鈍化するとの見通しを示した。 10 - 12 月期は前期比では 1.8% 増。 エコノミスト予想中央値は 2% 増、7 - 9 月期は 2.2% 増だった。

13 年の成長率

13 年通年の成長率 は 7.7% で、12 年と同じペース。 ブルームバーグが市場関係者を対象に先月実施した調査によると、14 年の成長率は 7.4% と、1990 年以来の低水準にとどまる見通しだ。 統計局の馬建堂局長は 20 日の会見で、14 年の中国の経済成長は安定的なものになるとの見方を示した。 サービス業を含む第 3 次産業が GDP に占める割合は、主に製造業から成る第 2 次産業を 13 年に初めて上回ったと同局長は説明した。

国営の新華社通信が 17 日報じたところでは、李克強首相は先週、エコノミストや企業幹部らを前に、政府の今年の政策と計画では経済成長を「合理的な範囲内」に維持することに重点を置くとの方針を示した。 同首相は昨年 7 月時点で、自身にとっての経済成長の「最低水準」は 7% だと述べていた。

20 日の発表では、昨年 12 月の工業生産 は前年同月比 9.7% 増。 市場予想中央値は 9.8% 増、11 月は 10% 増だった。 12 月の小売売上高 は同 13.6% 増で予想中央値と一致した。 13 年通年の都市部固定資産投資 は前年比 19.6% 増。 ブルームバーグがまとめた予想中央値は 19.8% 増、12 年は 20.6% 増だった。

金融リスク

中国人民銀行(中央銀行)は先週、市中銀行に対して貸し出しペースを抑制するよう警告。 また地方政府の資金調達機関を「整理」する方針を示した。 審計署(会計検査院に相当)は偶発債務を含む地方政府の債務が昨年 6 月末で過去最大の 17 兆 9,000 億元(約 308 兆円)に膨らんだと発表している。

みずほセキュリティーズアジアのアジア担当チーフエコノミスト、沈建光氏(香港在勤)は「シャドーバンク(影の銀行)のリスクが露呈している。 この問題を制御できるかどうかが今年の主要課題だ。」と指摘。 「今年は輸出が改善するだろう。 消費は堅調だ。 しかし投資は一段と落ち込むと思われる。」と述べた。

中国は人口動態上の問題にも直面している。 統計局によると、生産年齢人口は昨年 244 万人減少と、2 年連続で減った。 所得格差を示すジニ係数は 13 年に 0.473 で、12 年の 0.474 とほぼ同水準だった。 国連は 0.4 を超えると社会不安が高まる恐れがあると規定している。 (Bloomberg = 1-20-14)


中国国有企業の利益、2013 年は 5.9% 増にやや加速

[北京] 中国財政省の発表によると、2013 年の国有企業(金融除く)の利益は前年比 5.9% 増の 2 兆 4,000 億元(3,965 億ドル)となった。 増加率は 12 年、5.8% に減速していたが、再び加速した。 ただ、13 年 12 月に利益拡大モメンタムが一段と減速。 1 - 11 月の前年同期比 8.2% 増、1 - 10 月の同 10.1% 増、1 - 9 月の同 10.5% 増と比べ、徐々に伸びが縮小している。

2013 年通年の利益伸び率をみると、中央政府が保有する企業は 7.4%、地方政府が保有する企業は 2.7%。 業界別では、運送、電子機器、自動車、不動産開発で利益が増えたが、非鉄金属、石炭、石油化学、機械は利益が比較的大きく減少した。 国有企業の総資産は 13 年に 12.9% 増加し、91 兆 1,000 億元となった。 債務も 14% 増加し、59 兆 3,000 億元となった。

政府は国有企業が独占している分野を民間に開放し、成長押し上げにつなげる方針を示してきたが、国有企業は依然として主要産業で支配的地位を占めている。 (Reuters = 1-21-14)


中国、世界的なハイテクブランドを持たない大国 - 有望株はレノボ

中国企業はテクノロジーの多くの分野で世界的なプレゼンスを拡大している。 しかし、消費者向け製品の分野では、依然として大きな難題に直面している。 それは、高い価格を正当化できるような、かっこよくて望ましいブランドイメージをどのようにして作り出すのかという課題だ。

世界的なブランドの構築には時間や資金のほか、多くのものを要する。 ブランドコンサルティング会社の英インターブランドが発表した「ベスト・グローバル・ブランド 2013」の上位 100 社に、中国企業は一社もランクインしなかった。 トップはアップルで、これにグーグル、コカ・コーラ、IBM、マイクロソフトと続いた。

テクノロジーアナリストは、中国企業の中で最もグローバルブランドになる可能性が高いのは、パソコンメーカーのレノボ・グループだと述べている。 サンフォード・バーンスタインのアナリスト、アルベルト・モエル氏は、「中国の消費者向けブランドで、レノボほど世界的に成功している企業はほかに思いつかない」と話す。

歴史が参考になるとすると、レノボの課題は日本のソニーや韓国のサムスン電子が過去数十年の間に直面、克服したものと似ている。 ソニーとサムスン電子はともにインターブランドのリストの上位 100 社に入っている。

レノボの世界進出は、2005 年に赤字だった IBM のパソコン事業を買収したことで始まった。 当時はこの決断を疑問視する向きが少なくなかった。 昨年 9 月までの 10 年間、レノボのブランドコンサルタントを務めていた広告代理店フロンテッジの岡崎茂生執行役員は、2005 年当時レノボの負けいくさのように見えたと指摘。 岡崎氏によれば、中国製品 = 低品質と考えていた消費者は少なくなく、レノボが IBM の「Think Pad」ブランドの価値を崩壊させかねないとの懸念があった。

岡崎氏によれば、レノボの成功は、楊元慶最高経営責任者 (CEO) の IBM から学ぼうとする姿勢によるところが大きいという。 楊氏は IBM の元幹部や元マネジャーを中国式のやり方に適応させるのではなく、買収後、英語をレノボの公用語にして、家族とノースカロライナ州に移り、IBM のチームと緊密に連携する道を選んだ。

楊氏はインタビューで、「われわれが買収を発表したとき、ヘビがゾウを飲み込むようなものだと指摘する向きがあった。 われわれが純粋な中国企業だったからだ。」と述べた。 同氏は現在では、レノボが中国企業だと考えていないという。 レノボはドイツ、日本、それにブラジルでの買収を経て、昨年出荷台数で米ヒューレット・パッカード (HP) を抜き、世界一のパソコンメーカーになった。 レノボの上級幹部 12 人のうち 5 人は欧米出身だ。

レノボは最近著名人を起用した国際的なマーケティング活動を行っているものの、同社の前には依然として、グローバルブランドとしての認知という点で長い道のりがあるのは確かだ。 前出の岡崎氏は、ソニーやトヨタといった日本企業がグローバルブランドになるまでに数十年かかったが、レノボが 10 年もかからないうちにここまで上り詰めたことはとても印象的だと話している。 (The Wall Street Journal = 1-20-14)


中国企業 5 社が IPO を延期、当局の監督強化で

[上海] 新規株式公開 (IPO) が再開されたばかりの中国で 13 日、5 社が IPO の延期を発表した。 中国証券監督管理委員会 (CSRC) が前日示した IPO 手続きの監督強化が理由としている。 CSRC が 12 日公表した声明によると、IPO 価格をその業界の平均的な株価収益率 (PER) を上回る水準に設定した企業は、個人投資家からの応募を 3 週間延期し、その間投資家にリスクの可能性を警告する特別声明を出すことが義務付けられる。

CSRC はまた、IPO のブックビルディング(需要調査)と投資家向け説明会がどのようにおこなわれているか無作為に調査する方針も示した。 13 日 IPO 延期を発表したのは、東方網力科技、河北匯金機電、緑盟信息安全科技、北京恒華科技と慈銘体検の 5 社。 先週には製薬会社の江蘇奥賽康薬業 が、IPO 再開後初めて IPO 計画の延期を発表している。 関係筋がロイターに語ったところによると、CSRC が奥賽康に対し、IPO を延期するよう圧力をかけたもよう。 CSRC はこれを否定している。

CSRC は先月、1 年以上停止していた IPO の再開を認めると明らかにした。 これに伴い、過度に高い IPO 価格の抑制措置など一連の改革を実施していた。 中国では 750 社近くが当局の IPO 承認を待っているとされている。 海通証券(上海)の上級株式アナリスト、Zhang Qi 氏は、「IPO 改革は失敗したと言える状況が、今回の CSRC の声明で大きく変わるわけではない」と指摘する。

「たとえば、改革によって、これまでのような株式売却禁止期間がなくなり、既存の株主は IPO 時の株式売却が可能になったが、これは、企業や引き受け幹事に IPO 価格を可能な限り高く設定するよう促すだけだ」という。 アナリストによると、江蘇奥賽康薬業の場合、売り出される予定だった株式の大半は、経営陣が保有する株式。 加えて、公募価格が同業他社の株価を大幅に上回る価格に決まったことは、同社関係者が高いプレミアムがついた価格で売却しようと試みていたことを示す。

海通証券の Zhang 氏は、ブックビルディングで、IPO 価格の最も高い価格が最低の 4 - 5 倍となったケースもあり、誰かが価格操作しようとした可能性があると指摘。 中国の IPO では、上場時に高値を付けてもその後長期にわたり低迷するパターンが多いが、Zhang 氏の話は、こうした状況が解決されていないことをうかがわせる。 中国株式市場では、IPO 再開が決まった 4 週間前から、大型株中心で深セン上場銘柄を含む滬深 300 指数 が 11% 近く下落している。 (Reuters = 1-13-14)

◇ ◇ ◇

中国で IPO が再開へ 紐威閥門など 5 社に上場承認

[上海] 中国が本土の証券取引所への 5 社の新規株式公開 (IPO) を承認し、IPO 凍結を解除した。 当局は 2014 年、改革後の市場の再始動を目指す。

上場承認が下りたのはバルブ製造の紐威閥門、薬品・食品包装機械の楚天科技、製薬の浙江我武生物科技、Guangdong Qtong Education と広東新宝電器の 5 社。 規模の大きい紐威閥門は上海、残りの 4 社は深センに上場するもよう。 ほかに 750 社以上が当局の承認を待っているとみられる。

株式市場から汚職を追放し国内市場の信用を回復するため、当局は 2012 年 10 月以来、新規上場承認を凍結していた。 同国の指導部によると今後の IPO は、上場を開かれたものにする幅広い経済改革の一環として、より投資家を重視していくという。 中国は 11 月、2014 年に国内市場の上場を再開させる方針を表明。 来年 1 月までに上場申請の過程を効率化し、来年初頭に 50 社程度が IPO の登録手続きを終了するとの見通しを示していた。

IPO 再開を控えて投資家の間では、既上場銘柄の需要に影響が出るとの懸念もある。 航天証券の主席アナリスト、Yu Kai 氏は「それは想定の範囲内であり、早晩起こるだろう。 ただ当局は、相場への悪影響を最小限に食い止める努力をしているようだ。」と述べた。 会計事務所のアーンスト・アンド・ヤングは、来年の中国企業による資金調達は 2,000 億元に上ると試算。 このうち来年初頭に IPO の登録手続きを終了する企業による調達額は 400 億元(66 億ドル)前後になるとみている。 (asahi = 12-31-13)