中国の習近平国家主席、健全な経済成長達成に自信

[北京] 中国の習近平国家主席は 2 日、中国が健全な経済成長を達成し、中所得経済の仲間入りを果たした後に成長が停滞する「中所得経済の罠(middle-income trap)」に陥ることはない、との見解を示した。 北京で開催された会合での発言として、国営メディアが伝えた。

習国家主席は会合で内外財界要人に対し「われわれは現在、発展の方法を変えており、経済構造を調整し、新方式の産業化を加速させ、技術革新や都市化や農業の近代化を促進している」と説明し、「国内の要因は、中国経済成長が十分であることを裏付けている」と述べた。 中国の今年の成長率は、輸出の不振で過去 23 年間で最も低い 7.5% が予想されている。 (Reuters = 11-4-13)

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中国、経済構造調整と成長の絶妙なバランス必要 = 首相

[北京] 中国の李克強首相は 3 日、成長の減速は雇用創出の大きな障害となるるため、中国は構造調整と成長との間で絶妙なバランスをとることが必要、との認識を示した。 2013 年の経済成長率は、輸出の不振を背景に 23 年ぶりの低水準となる 7.5% にとどまると予想されている。

指導部は、大幅な経済改革を行い、輸出主導型から国内消費により依存する経済モデルへの転換を図る方針を示し、転換期に成長が鈍化することを容認する姿勢を示している。 しかし、国営メディアによると、李首相は最近、財界要人との会議で、その道筋には試練が伴うとの認識を示した。

李首相は「中国はすでに新たな発展段階に入った。 これまでのような高い成長率を維持することは現実的ではないが、発展は多くの問題を解決する基礎である。」と述べた。 「13 億人の民を抱える大国として、多くの困難や問題に対処できる、具体的な発展の速度というものはない」と述べたうえで、経済の改革と、一段の雇用創出を確実にするために妥当な成長率を維持することの間で絶妙な均衡点を見出す必要がある、と指摘した。 (Reuters = 11-4-13)

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中国銀行監督当局、不良債権増加リスクへの取り組み強化へ

[北京] 中国銀行業監督管理委員会(銀監会、CBRC)の尚福林委員長は、過剰設備を抱える産業を中心に、不良債権増加のリスク阻止に向け取り組みを強化する姿勢を示した。 福建省での銀行幹部との会合で語った。 CBRC のウェブサイトによると、尚委員長は、銀行は著しい過剰設備に直面する産業の不良債権を円滑に処理するため「市場に基づいた選択肢を模索すべき」と述べた。

中国政府は今年、より持続可能な成長モデルの確立と経済構造の再構成を目指し、一部産業の過剰設備是正の動きを強化している。 CBRC は、新たに不良債権が問題化する可能性のある産業として、鉄鋼、太陽光発電、造船を挙げている。 公式データによると、6 月末の中国の商業銀行の不良債権比率は 0.96% で、3 月末から変わっていない。 ただ第 3・四半期のデータでは、一部の商業銀行の不良債権比率がやや上昇している。

尚委員長は会合で、過剰設備が著しい分野のプロジェクトに対する新規融資枠縮小の方針を強調した。 銀行は、理財商品を通じた新規融資の提供も禁じられている。 (Reuters = 11-4-13)


外貨準備高が最高更新 中国、米国債に懸念

中国人民銀行(中央銀行)が 14 日に発表した 9 月末の外貨準備高は 3 兆 6,600 億ドル(約 360 兆円)と過去最高を更新した。 世界最大で、日本の 9 月末の外貨準備高(1 兆 2,734 億ドル)の約 2.9 倍の規模に拡大した。 米財務省によると、7 月末時点で中国が保有する米国債は 1 兆 2,773 億ドルと世界最大で、中国の外貨準備高の約 3 分の 1 に当たる。 中国当局者らは米債務上限問題で米国債の債務不履行(デフォルト)の恐れが指摘されていることに懸念を深めている。

中国の外貨準備高は 6 月末時点から 1,100 億ドル増加。 米国の量的緩和によるドル安で元の上昇圧力が高まったことを受け、元高抑制のための市場介入が増えたとみられる。 中国の外貨準備高は 2011 年 3 月末に 3 兆ドルを突破した。 人民銀行の周小川総裁は「合理的な水準を超えている」と述べていた。 (kyodo = 10-15-13)


中国の輸出、3 カ月ぶり減 景気回復息切れに懸念も

【北京 = 斎藤徳彦】 中国の税関総署が 12 日発表した 9 月の貿易統計は、輸出が前年同月比 0.3% 減となり、3 カ月ぶりに前年水準を下回った。 中国では夏以降、経済指標の好転が続いてきたが、景気を引っ張る輸出が不安定な状態が続くと、回復が息切れする懸念もつきまとう。 輸出額は 1,856 億ドル(約 18 兆円)で、前年同月から 6% 前後伸びるとの市場の予想を大きく下回った。 これについて、税関総署の鄭躍声報道官は「昨年の実績が大きかった」と説明する。 (asahi = 10-12-13)

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8 月の中国貿易統計、輸出が前年比 +7.2% で予想上回る

[北京] 中国税関当局が 8 日発表した 8 月の貿易統計は、輸出が予想を上回る伸びとなった。 主要市場で中国製品への需要が増加したためで、中国経済が急激な減速を回避した可能性を示す新たな材料となった。 輸出は前年同月比 7.2% 増、輸入が 7% 増、貿易収支は 286 億ドルの黒字だった。 ロイターがまとめた市場予想は、輸出が 6% 増、輸入が 11.3% 増、貿易収支が 200 億ドルの黒字だった。

主要相手国・地域別でみると、日本向けの輸出が 7 カ月連続で減少した。 対東南アジア諸国連合 (ASEAN) 向けの輸出は 30.8% 増で、7 月を上回る伸びとなった。 対米国は 6.1% 増で、7 月の 5.3% 増を上回った。 対欧州連合 (EU) は 2.5% 増で、前月とほぼ変わらずだった。

オーストラリア・アンド・ニュージーランド銀行 (ANZ) のエコノミスト、Liu Li Gang 氏と Zhou Hao 氏は統計発表後に顧客向けノートの中で「7 月以降の改善傾向が維持された。 成長の勢いが加速し、市場のセンチメントが好転している状況と一致しており、第 3・四半期の国内総生産 (GDP) が上向く可能性が示されている。」と指摘した。 ただ、輸入の伸びが予想を下回ったことは今後の需要に対する製造業者の慎重な見方を反映しており、回復が継続するかどうかは依然として不透明という見方もある。

興業銀行(上海)の首席エコノミスト、Lu Zhengwei 氏は「特に先進国で需要が改善していることは疑う余地がない」とした一方、「下期の見通しについてまだ楽観はしていない」と述べた。 先進国が好転していても新興国は苦戦している状況で、輸出面で鉄鋼会社など多くの中国企業が影響を受けていると指摘した。 中国は他の新興国と比べて米国の量的緩和縮小の影響を軽微にとどめることができるとみられているが、6 月に起きた金融市場でのクレジット・クランチ(信用ひっ迫)など他のリスク要因も残っている。 (Reuters = 9-9-13)

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中国 7 月輸出は予想上回る上昇、対日貿易総額は 6.1% 減

[北京] 中国税関当局が 8 日発表した 7 月の貿易統計は、輸出が前年同月比 5.1% 増、輸入が同 10.9% 増、貿易収支は 178 億ドルの黒字となった。 ロイターがまとめた市場予想は、輸出が 3.0% 増、輸入が 2.1% 増、貿易収支が 272 億ドルの黒字だった。

貿易総額を主要相手国・地域別でみると、7 月は対日貿易のみ減少した。 対日貿易総額は 270 億 8,000 万ドルで、前年比 6.1% 減。 対欧州貿易総額は同 5% 増の 503 億 3,000 万ドル、対米貿易総額は同 10% 増の 443 億 1,000 万ドル、対東南アジア諸国連合 (ASEAN) 貿易総額は同 13.1% 増の 371 億 7,000 万ドルだった。 (Reuters = 8-8-13)

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中国輸出 3.1% 減、減速鮮明に 6 月貿易統計

【ワシントン = 斎藤徳彦】 中国の税関総署が 10 日発表した 6 月の貿易統計によると、輸出が前年同月比 3.1% 減の 1,743 億ドル(約 17.6 兆円)となった。 旧正月による連休の影響で落ち込みやすい 1、2 月を除くと、リーマン・ショックの影響が残っていた 09 年 11 月以来、3 年 7 カ月ぶりの減少だ。 中国経済を引っ張ってきた輸出の減速が鮮明になってきた。

輸出の減少について、税関総署は「世界的な需要の減少に加え、人民元高の影響を受けた」と分析する。 各国と貿易摩擦が頻発し、制裁の関税を課される商品があることも一因という。 中国の輸出は、今年 1 - 4 月には前年比 10% 以上の伸びを示していた。 ただ、この数字は、規制をかいくぐって中国に投機資金を持ち込むため、架空の輸出をつくり上げて輸出代金を装う「架空貿易」で水増しされていた疑いが強い。

当局がこうした手口への取り締まりを厳しくした途端、5 月は輸出の伸びが 1% に急減速し、その実態は力強さに欠けることが明らかになっている。 一方、6 月の輸入は前年比 0.7% 減の 1,472 億ドル(約 14.9 兆円)となり、2 カ月連続で減少した。 (asahi = 7-10-13)


中国が世界最大の純石油輸入国に、米国抜く = EIA

[シンガポール/北京] 米エネルギー省エネルギー情報局 (EIA) が今週発表した報告書によると、中国が 9 月、米国を抜いて世界最大の純石油輸入国となった。 数十年来の経済成長でエネルギー需要が急拡大し、中国は来年にかけて世界トップの地位を維持し続けるほか、海外の石油・ガス企業の買収を加速させるとみられる。

EIA によると、9 月の中国の石油消費量は、国内生産量を日量 630 万バレル上回った。 両者の差が輸入需要とみられる。 米国では両者の差が同 613 万バレルだった。 9 月は米国の石油精製品輸出が急増しており、今後は米国が一時的に世界首位に返り咲く可能性もある。 ただこれまでの傾向から、中国が米国に大差をつけ始めると分析されている。

中国は過去 30 年間、2 桁の経済成長を遂げ、自動車保有台数の急増などで燃料需要が増大した。 エネルギーを国内で自給できたのも 1993 年までだった。 コンサルタント会社ウッド・マッケンジーによると、石油を輸入に依存する割合は昨年 58% となり、2020 年には 70% に達する見込み。 ロンドンに拠点を置き、中国に販売する石油トレーダーは「中国の商社が各地に事務所を構え、地域のプレーヤーでなく世界で存在感を示そうとしている。 大きな野望があり、とても積極的だ。」と話した。 (Reuters = 10-12-13)


中国、上海自由貿易区で金融・サービス規制緩和 外資を誘致

【上海 = 菅原透】 中国国務院(政府)は 27 日、上海に設ける自由貿易区計画の詳細を発表した。 規制緩和の第 1 弾の対象として金融や海運など 18 業種を指定。 中国の民間資本と外資系金融機関との合弁銀の設立や、外資による中国でのネットサービスへの部分参入に道を開いた。 ただ、経済の対外開放には慎重論も根強く、中国政府は自由貿易区設置に伴う変化を入念に見極めながら他都市にも広げていく構えだ。

中国は 7 月、上海の「中国(上海)自由貿易試験区」で金融や貿易に関する規制を実験的に緩和する方針を決定。 27 日にその詳細を発表した。 国務院が示した全体計画では、試験区の意義を「改革開放を深めるため」と強調。 現行法では様々な規制がある金融取引や貨幣交換を自由化するほか、通関業務も簡素化。 カネやモノのやり取りを円滑にすることを最終目標に掲げた。

規制緩和の具体策では、金融、海運、文化など 6 領域 18 業界を対象に指定。 金融分野では、中国が育成を目指す民間資本銀行と外資系金融機関の合弁を認めるほか、中国の銀行が試験区内で国内規制に縛られずに取引する「オフショア業務」を解禁。 外資系企業によるネットサービスや教育、医療分野への部分参入も進める。 政府は、試験区内で外資系企業にかかわる一部法律の執行を 10 月 1 日から 3 年間、停止することを決めている。

1980 年代に広東省に経済特区を設け、外資誘致による経済成長モデルを中国全土に広げた手法にならい、今回も上海での成果を踏まえ、徐々に他の都市にも広げる構えだ。

企業の注目度は高い。 香港の銀行業界でつくる香港銀行公会の洪丕正主席(スタンダードチャータード香港法人の最高経営責任者)は 27 日、香港で記者会見し「中国が金融改革への決意と積極性を示しており、歓迎したい」と述べた。 ただ 27 日に発表した開放策をめぐっては「驚きが少ない(外資系金融関係者)」との声もある。 銀行のオフショア業務の対象も中国の銀行だけ。 まずは大手行が中心になるもようだ。

政府が慎重にことを進める姿勢なのは、中国経済への影響が大きいからだ。 貨幣交換を自由化すれば、海外から資金が大量流入し、景気が過熱しかねない。

金融以外の分野も同様だ。 上海市政府関係者は「試験区内では政府の許認可権を大幅に縮小し、企業が自由に事業を展開する土台をつくる」と話すが、今回の開放策ではほとんどが「条件付き」。 政府は試験区でリスクを検証し、市場化を進める道筋を探るが、共産党・政府内部で「慎重論」が台頭すれば改革が足踏みする可能性もある。 政府は今後も「細則」という形で、具体策を打ち出す方針。 それらの「開放度合い」が中国の経済改革の行方を左右することになる。 (nikkei = 9-27-13)


中国の再生可能エネ産業、「バブル」崩壊で正念場

中国の太陽光発電パネル大手の尚徳太陽能電力(サンテック・パワー)が今年 3 月に経営破綻してから半年、中国メーカー同士の設備投資競争による過剰生産と米欧のアンチダンピング提訴など輸入制限によって、中国の太陽光発電パネルメーカーの苦難は続いている。 中国では風力発電設備業界も輸出の落ち込みなど厳しい経営環境が続いており、世界最大となった中国の再生可能エネルギー関連産業は転機にさしかかっている。

道路の「アクセサリー」延々と

中国は 2006 年に「再生可能エネルギー法」を施行し、「20 年までに再生可能エネルギー(水力除く)の比率を一次エネルギー全体の 16% にする」との目標を掲げた。 世界最大の二酸化炭素 (CO2) 排出国として国際社会の圧力で地球温暖化対策に取り組まざるを得なくなったからだ。 それに向け、再生可能エネルギーの両雄である太陽光発電と風力発電の設備メーカーの育成に取り組むのは理にかなっているが、中国特有の現象として CO2 の排出削減よりも再生可能エネルギー関連産業の育成に目が向いてしまった。

中国の再生可能エネルギーはめざましいスピードで普及した。 風力発電は設備能力の合計が 06 年には 258 万キロワットにすぎず、先行した米、独はもちろんインドにも遅れをとっていたが、12 年には 7,537 万キロワットと米国を抜いて世界トップに立った。 ドイツの 2.5倍という規模だ。 太陽光発電は現状ではドイツ、イタリアに次ぐ 3 位だが、12 年の設備規模は 830 万キロワットと 06 年の 10 倍強に達した。

中国政府の推進策が実ったわけだが、どうやら中心となったのは省や市など地方政府で、国の補助金をうまく使いながら地元の太陽光発電パネルメーカーや風力発電設備メーカーの製品を買い上げ、公共施設、道路などインフラがらみで設置させ、利益が企業に落ちるようにした。 結果的に中国メーカーは競争力を高め、米欧市場を席巻した。 Q セルズやソロンなどドイツの有力太陽光発電パネルメーカーが破綻に追い込まれるほどの勢いだった。

中国の地方政府は地元企業が成長すれば、雇用や税収が増えるだけでなく、設備投資などで地域の国内総生産 (GDP) も伸び、地元政府のトップの評価が上がる。 地域の成長競争が実は再生可能エネルギー産業の追い風になったわけだ。

それをうかがわせる現場に出くわした。 河北省曹妃甸(そうひでん)。 第 11 次 5 カ年計画(06 年 - 10 年)で国家重点プロジェクトとして 9 兆円以上をつぎ込んで進められた開発事業だ。 まだ工場もほとんど建っていない開発区内のエリアでいや応なく目に付くのは道の両脇の街路灯に取り付けられた太陽光発電パネルと小型風車。

夜になっても照明は点灯せず、パネルも風車も発電している様子はない。 道路のアクセサリーにすぎない再生可能エネルギー設備が延々と数キロメートルにわたって、10 メートルおきに並ぶ姿は、中国の再生可能エネルギー産業が無駄なインフラ投資に支えられてきた実態を示しているようだった。

「環境よりも成長」が実態

今、中国全土にゴーストタウンが点在している。 地方政府が金に糸目をつけず広大な工場用地を造成、巨大なビルや高層住宅群、商業施設や港湾、高速道路も建設したが、利用する企業や入居者はわずかしかない廃虚のような開発区だ。 その多くがこれみよがしに太陽光発電パネルなどを建物に取り付け、環境対応をアピールしている。 環境対応も地方政府トップの評価につながるからだ。 中国は依然として「環境よりも成長」が実態であり、太陽光発電パネルや風力発電機はそれを隠すための装いにすぎなかった。

中国の開発ブームが終焉し、バブルが崩壊するなかで、再生可能エネルギー産業は生き残り、世界に存在感を示し続けるのか、正念場を迎えている。 (編集委員 後藤康浩、nikkei = 9-23-13)


バンカメが中国建設銀への投資から撤退へ、最大 15 億ドルで株式売却

[香港/ニューヨーク] 米銀大手バンク・オブ・アメリカが中国建設銀行の株式 20 億株の売却に乗り出した。 ここ数年進めてきた中国建設銀への投資縮小の最終段階となり、同行への出資を完全に引き揚げる。 売却額は最大 15 億ドルになる見通し。 ロイターが入手したタームシートで明らかになった。

バンカメは今回、中国建設銀の香港上場株 20 億株を 1 株当たり 5.63 - 5.81 香港ドルで売却する。 3 日終値(5.93 3香港ドル)に対して最大 5.1% のディスカウントとなる。 中国建設銀の香港上場株は年明け以降 4.7% 値下がりしている。 バンカメは 2005 年、中国建設銀の 9.9% を 30 億ドルで取得。 その後、保有株数を 256 億株まで増やしたものの、資本基盤の強化に向け、方針を転換。 2009 年以降、売却を進めてきた。 今回の売却は持ち株のロックアップ期間が前月で終了したことなどに伴う。

発表を受け、バンカメの株価は午前の取引で一時 1.6% 上昇した。 終値は 0.9% 高。 バンカメは金融危機以降、バランスシートの改善に取り組んでおり、国外の富裕層向け事業をスイスのジュリアス・ベアに売却したほか、カナダやスペイン、英国のクレジットカード資産を銀行やプライベートエクイティに売却するなど、近年は海外部門の合理化をとりわけ積極的に進めてきた。

中国の金融セクターへの投資をめぐっては、期待した戦略上の恩恵が得られなかったとの理由などから欧米金融機関の間で撤退する動きが出ており、米ゴールドマン・サックス・グループは今年、中国工商銀行 (ICBC) の株式を全て売却している。 一方、中国交通銀行の株式 19.9% を保有する英 HSBC ホールディングスや、中信銀行(CITIC 銀行)の株式 15% を保有するスペインの BBVA などは出資を維持している。 (Reuters = 9-4-13)


「眠れる通貨」じわり国際化 人民元の貿易決済、急増

【編集委員・吉岡桂子】 中国の通貨、人民元を貿易の支払いに使う動きが急増している。 中国人民銀行によると、2013 年 1 - 6 月で前年同時期より 64% 増の 2 兆 500 億元(約 33 兆円)と半年ベースで過去最高に達した。 米ドルへの依存度を減らそうと、中国政府が 20 カ国・地域と通貨スワップ(交換)協定を結ぶなど、人民元を流通しやすくしているためだ。

中国の貿易総額に占める人民元を使った貿易決済の割合も、1 - 6 月は 16.4% と過去最高で、通年では 4 兆元を上回る勢いだ。 中国政府は 08 年のリーマン・ショック以降、米国経済の影響を受けにくくするため、貿易決済で米ドルに依存する割合を減らそうと、人民元の利用を推進してきた。 (asahi = 9-3-13)


TPP 交渉本格化にあせる中国、「上海自由貿易区」で起死回生狙い

中国の対外貿易や直接投資の受け入れが低迷する中で、日本・米国を中心とした環太平洋戦略的経済連携協定 (TPP) 交渉が本格的に動き出し、あせりを強める中国。 局面打開のために李克強首相が打ち出したのが、上海自由貿易区の設置である。 同地域にはこれまでも保税区などはあったが、上海自由貿易区では対外開放を一段と加速させ、人民元の自由兌換なども試験的に行おうという意欲的な構想だ。 果たして起死回生の策となるかどうか。

上海自由貿易区構想が浮上したのは今年 3 月、李克強首相が上海を訪問した際、対外開放を拡大するための試験的な措置を研究するよう現地に指示したのがきっかけだった。 5 月に国務院が発表した今年の経済体制改革の重点項目にも明記され、7 月 3 日の国務院常務会議で全体計画案が原則承認された。

中国メディアの報道では、関連法案の整備を進め、今年 9 月末には正式発表になるのではないかという。 中国としては異例の急ピッチな動きであり、現政権の強い危機感の表れとも言えよう。 上海自由貿易区は新たに設置されるわけではない。 既存の上海総合保税区(外高橋保税区、外高橋保税物流パーク、洋山保税港区、浦東空港総合保税区を含む)が自由貿易区に変更される。 総面積は 28.78 平方キロである。

それでは従来の保税区とどこが違うのか。 中国商務省および上海市の発表によると、「改革のさらなる深化、政府職能転換の加速化、投資管理方式の革新、サービス業の開放拡大、貿易の発展モデル転換の加速化、金融分野の開放とイノベーションの強化、試験区建設にふさわしい管理制度の確立を含む管理体制の整備など」と幅広い。

もう少し具体的に言えば、第一に貿易手続きの簡素化である。 輸出入貨物の手続きは 1 回の通関・検疫・検査で済むようになるという。 投資の面でも、進出企業に対して企業所得税の優遇が適用されるものとみられる。 さらに注目されるのは金融・外国為替取引の自由化。 特定企業を対象としながらも、人民元の自由兌換が試験的に行われる可能性が強い。 上海自由貿易区を突破口とし、いずれは全国に自由兌換を拡大し、資本自由化を実現していくのであろう。

これらの諸改革を進める中で、中国自身の TPP 加入の体制をも整えていこうという思惑がうかがわれる。 (拓殖大学国際学部教授・藤村幸義、sankei = 8-28-13)


中国 コメ輸入量世界一へ 来年は原油も

【北京】 中国のコメの年間輸入量が今年は世界最大となる見通しとなったことが 24 日、分かった。 小麦と原油の輸入量も 2014 年には世界一となる見込みだ。 人口増加と経済成長で需要が拡大し、食料やエネルギーの海外調達が加速している。 中国は、大豆、綿花や鉄鉱石については既に世界最大の輸入国となっており、中国の需要動向が食料や資源の国際価格を一段と左右することになりそうだ。

コメ輸入量は 12 年に前年の 4 倍に当たる 240 万トンに拡大。 13 年は 320 万トンと、ナイジェリアを抜き世界最大となり、来年も首位を維持すると米農務省は予測する。 習近平指導部は食料自給に努めており、コメの生産量は世界最大の 2 億トン以上(12 年)だが、ベトナムやミャンマーなどから安価なコメの流入が続く。 農林水産省によると、日本から中国への 12 年のコメ輸出量は 34 トンだった。

小麦の 12 年の輸入量は前年の 3 倍に当たる 370 万トンに急増。 中国紙によると、13 年から 14 年にかけての収穫年度に、推定輸入量 900 万トンのエジプトを抜いて、世界最大の 1 千万トンとなる見通しだ。 今年は猛暑による干ばつで長江流域の穀倉地帯の生産が打撃を受けたことに加え、カドミウムなど重金属による農地やコメの汚染が問題になったことも影響した。

中国の原油輸入量は月間ベースで今年 10 月に米国を上回り、14 年には通年で米国を超えて世界一となると米エネルギー情報局 (EIA) は予測する。 中国は 1993 年に原油の純輸入国に転じ、09 年に米国を抜いて世界最大のエネルギー消費国となった。 原油の対外依存度はこの 10 年ほどで 2 割から 6 割近くに上昇した。 (kyodo = 8-25-13)

中国の食料政策> 中国政府は「国家食料安全保障中長期計画」(2008 - 20 年)で食料自給率を 95% 以上に維持し、穀物は完全自給とする目標を掲げた。 指導部は毎年初めに発表する 1 年間の最重要政策を示した「中央 1 号文件」で 04 年以降、農村対策や水問題など一貫して農業関連の課題を取り上げ、増収に向けた農業の現代化に取り組んだ。 だが、大豆やトウモロコシを中心に輸入が拡大し、食料自給率は 90% を下回っていると中国の専門家は指摘している。


中国準大手の招商銀、不良債権 28% 増 2,400 億円に

【香港 = 川瀬憲司】 中国の準大手銀行、招商銀行の不良債権額が急増している。 同行が 16 日発表した 2013 年 1 - 6 月期決算によると、6 月末の残高は 149 億 2,500 万元(約 2,400 億円)と昨年末から 28% 増えた。 同行は香港に上場する中国の主要銀行の先頭を切って中間決算を発表したが、中国の景気減速で懸念されていた銀行の不良債権が大幅に増えていることを示した。

同行によると、不良債権の増加が顕著なのが、民営企業の多い浙江省を含む「揚子江デルタ」と、輸出型の製造業が盛んな広東・福建の両省を中心とする「珠江デルタと台湾海峡西側」。 両地域ともに不良債権残高が 3 割強伸び、全体に占める比率も 5 割を超えた。 不良債権比率も 0.71% と 0.10 ポイント上昇した。

中国の金融システムの不透明さを示す「影の銀行(シャドーバンキング)」問題の中心である高利回りの「理財商品」の販売総額は 6,496 億元と前年同期比 13.9% 増えた。 これによる同行の実入りを示す販売収入は 6 億 3,700 万元と 2.8 倍に膨らんだ。 1 - 6 月期決算の業務粗利益は 641 億 8,600 万元、純利益は 262 億 7,100 万元といずれも前年同期比 12% 増だった。 (nikkei = 8-17-13)


中国鉱工業生産 7 月は予想上回る、景気拡大が安定化

[北京] 中国国家統計局が 9 日発表した 7 月の鉱工業生産は前年同月比 9.7% 増となり、エコノミスト予想の同 9.0% 増を上回った。 増加率は 1 - 2 月の 9.9% 増以来の高水準で、中国の景気拡大が安定しつつあることを示した。 フォーキャスト(シンガポール)のエコノミスト、チェスター・リョー氏は「中国がトンネルから抜け出たとは言えないが、最近のセンチメントの上昇は注目される。 今年の経済成長率が 7% を下回るとの見方は、飛躍しすぎのようだ。」と述べた。

ただ鉱工業生産の内訳をみると注意すべき点がみられる。 品目別では電力が前年比 8.1% 増で前月から増加、一方で原油(精製分)は 7.1% 増で前月から減速した。 電力は送電時の喪失分も含まれており、電力消費は 7 月分はまだ公表されていないが、これまでは着実に減少してきている。 またディーゼル油の消費データを公表していない中国では、精製される原油は最終需要とみなされている。

同時に発表した 7 月の小売売上高は同 13.2% 増で、予想の同 13.5% 増を下回った。 1 - 7 月の固定資産投資は前年同期比 20.1% 増。 予想は同 20.0% 増だった。 (Reuters = 8-9-13)


7 月中国 CPI は前年比 +2.7% で前月と変わらず、予想やや下回る

[北京] 中国国家統計局が発表した 7 月の消費者物価指数 (CPI) は前年比 2.7% 上昇した。 上昇率は前月と変わらずで、市場予想の 2.8% をやや下回った。 生産者物価指数 (PPI) は 17 カ月連続で低下した。 前日には貿易統計が予想以上に強い内容となっていた。 アナリストは中国経済に安定化の兆しが見えつつあるかもしれないとしながら、景気が上向き始めたと結論付けるのは時期尚早だと指摘した。

先週に発表された政策報告の中で、中国人民銀行(中央銀行)はインフレに対してタカ派的なスタンスを取っていた。 このため、今回のデータが政策金利変更につながることはなさそうだが、一部のエコノミストは企業の下支えとして利下げが行われることを期待している。 7 月の PPI は前年比 2.3% 低下した。 低下幅は 6 月の 2.7% から縮小した。 予想は 2.2% の低下だった。 前月比では 0.3% 低下した。

みずほ証券アジア(香港)の中国担当チーフエコノミスト、Jianguang Shen 氏は「中銀はインフレについて引き続きタカ派的であり、利下げが刺激策のサインと市場に受け取られる懸念があることから、さらなる材料を必要とするだろう」とコメントした。 CPI は前月比では 0.1% の上昇で予想と一致した。 7 月の食品価格 CPI は前年比 5.0% 上昇、食品以外は同 1.6% 上昇した。

安定化の兆し

PPI の低下幅が縮小したことは、景気安定化の兆しとして受け止められており、アナリストらは経済活動が底入れしたことのさらなる手掛かりとして、この日に発表される固定資産投資や鉱工業生産のデータを待っている。

銀河証券(北京)のエコノミスト、Xu Dongshi 氏は「PPI の下落幅縮小は、鉱工業セクター安定化の兆しを示唆する」と指摘。 そのうえで「中国経済が回復軌道に乗ったと判断するのは時期尚早。 経済構造問題を解決するには時間を要するためだ。」とも述べている。 また、みずほ証券アジアの Shen 氏は、これから発表されるデータが安定化のさらなる兆しになるとしつつ、回復を確かめるためには 8 月の指標を待つ必要があると述べた。 (Reuters = 8-9-13)


乳業 6 社に 110 億円の罰金 中国、価格操作の疑いで

【北京 = 奥寺淳】 中国の国家発展改革委員会は 7 日、国内外の乳業大手 6 社が独占禁止法で禁止されている価格操作などをしたとして、計 6 億 7 千万元(約 110 億円)の罰金を科すことを決めた。 日本の明治など 3 社も調査の対象となり、重要な証拠を提出したという。 国営の新華社通信が報じた。

中国の独禁法に絡む違反では、過去最大の罰金額になるという。 罰金を科されるのは、中国国内の「合生元」や米国、ニュージーランドの乳業大手。 最大で前年売上高の 6% の罰金を科された。 具体的な違反行為は明らかになっていない。 明治など 3 社は、重要な証拠を提出したため、罰金は免れたという。 明治ホールディングス IR 広報部は「中国政府の調査を受けたことは事実。 調査に積極的に協力したため罰金は科されなかった。」としている。 (asahi = 8-7-13)


中国中銀 : 貸出金利の下限を撤廃、成長減速に対応 - 自由化推進

中国人民銀行(中央銀行)は 19 日、国内銀行が設定できる貸出金利の下限を撤廃すると発表した。 成長減速に対応するほか、金利設定で銀行側の自由度を高める政策を推進する。 中銀の発表によると、新規則は 20 日から適用される。 これまでは政策金利である基準金利を 30% 下回る水準を下限としていた。 1 年物貸出基準金利 は現在 6%。 預金金利 の上限は据え置かれた。

BNP パリバのシニアエコノミスト、彭程氏(北京在勤)は「預金金利の自由化は依然として可能だが、貸出金利の下限のみを撤廃する決定が今回なされたことは、より積極的な自由化案が退けられたか少なくとも先送りされたことを示唆する」とし、「今回の決定は、幾らかの改革がなされていることを示すが、その一方で預金金利の自由化が実現する可能性は目先、後退したかもしれない」と語った。

中銀は、貸出金利の下限撤廃によって企業の資金調達コストが下がると指摘。 同時に金融機関の金利設定能力が高まると説明した。 中国の 4 - 6 月(第 2 四半期)成長率は 7.5% に低下し、通年では 23 年ぶりの低成長となる可能性もあると懸念されている。 金融システム改革における最優先事項と世界銀行および国際通貨基金 (IMF) が位置づける金利自由化は、李克強首相が推進を約束しており、この日の発表はその実践を意味する。

政策金利である 1 年物貸出基準金利は 2012 年 7 月の引き下げ以来、据え置かれている。 中銀は昨年、預金金利については基準金利に最大 10% の上乗せ、貸出金利については最大 30% の割引を認めていた。 ブルームバーグ・ニュースが 3 月に実施したアナリスト調査では過半数が、中国は今年、預金金利の上限ないし貸出金利の下限を撤廃あるいは緩和すると予想していた。 (bloomberg = 7-20-13)


中国に「新たな構造改革を」 G20 前に米財務次官

ブレイナード米財務次官(国際問題担当)は 15 日、ワシントン市内での講演で「中国は新たな構造改革に着手する必要がある」と述べ、中国に対し金融や為替制度をめぐる改革の継続を要請した。 中国など新興国経済の成長回帰に向けた改革の促進は、モスクワで 19 日から開かれる 20 カ国・地域 (G20) 財務相・中央銀行総裁会議で主要議題となる見通し。

財務次官は、中国経済について「過剰投資に頼った成長はもはや持続可能でない」と指摘。 内需喚起による新たな成長モデルに移行するには、金利自由化やより市場原理に基づいた為替相場が求められるとした。 日本が 23 日にも交渉に合流する環太平洋連携協定 (TPP) に関し、円安進行を念頭に為替操作を防ぐ条項が必要との主張が米議会から出ていることには、「G20 は財政や金融政策は国内目的に限ることで一致している」と説明。 「こうした合意は効果的だ」と述べ、新たな条項は不要との考えを示唆した。 (kyodo = 7-16-13)

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中国、民間活力重視へ 公共投資主導の景気対策から転換急ぐ

【北京 = 山本勲】 中国国務院(政府)が従来の公共投資主導の景気対策から、民間活力重視の安定成長への転換を急いでいる。 成長率かさ上げを狙った地方政府の公共事業が、不良債務激増や重化学工業などの生産過剰を深刻化させているためだ。 今年の国内総生産 (GDP) は「政府目標(7.5% 増)に届かない(内外エコノミスト)」との観測も出る中、異例の転換といえる。

国務院は 2008 年秋のリーマン・ショック後に 4 兆元(66 兆円)の景気対策を打ち出し、高成長を実現した。 しかし、27 日付の中国共産党機関紙、人民日報(海外版)は 2 面トップ記事に「中国は二度と新版 "4 兆元" (投資)を繰り返さない。 刺激策は根本治療にならない。」との見出しをつけた。

記事は「(景気先行指標である) 4 月の工業生産者物価指数は 14 カ月連続で下がり、(英金融機関 HSBC が発表した) 5 月の製造業購買担当者景気指数が(好不況の判断となる境目の) 50 を 7 カ月ぶりに下回った」と景気の低迷ぶりを指摘した。

その上で「4 兆元投資を再現すべきか否かの議論が起きているが、大方の専門家は反対している。 旧来の刺激策では経済の構造矛盾は解決できず、工業の過剰生産や地方債務累積などの問題を深刻化させるだけだ」とし、「低迷脱却には改革を通じて企業の技術革新や資源の効率使用を促すべきだ」と提言している。

これに先立つ 24 日、国務院は今年の経済改革方針を発表し、(1) 政府機構の簡素化や投資・生産活動への審査・許認可業務の削減、撤廃、(2) 民間資本の金融・エネルギー・鉄道・電信など(従来の国有事業分野)への参入を推進 - などの政策を打ち出した。 国務院は 4 兆元の景気対策で 09 年に 9.2%、10 年に 10.4% の高成長を実現。 しかし昨年は 7.8% と 13 年ぶりに 8% を割り込み、逆に過剰投資の弊害が深刻化している。

地方政府が採算の疑わしい公共事業を乱発したため、地方債務の合計は「20 兆元に達した。(項懐誠・元財政相)」 昨年の GDP の約 4 割の規模で、"中国発金融危機" に警戒が強まっており、成長方式の転換が急務となっている。 (sankei = 5-30-13)


2013 年上半期 GDP 成長率 7.6% 内需が中国経済を下支え

中国国家統計局が 15 日発表したデータによると、上半期の中国の国内総生産 (GDP) は 24 兆 8,009 億元で、物価変動要因を除いた実質ベースで前年同期比 7.6% 増となった。 四半期別の成長率を見ると、第 1 四半期と第 2 四半期の前年同期比 GDP 成長率はそれぞれ 7.7%、7.5% だった。 16 日付中国証券報が伝えた。

上半期の最終消費の GDP への寄与度は 45.2% で、GDP を 3.4 ポイント押し上げた。 また、資本形成(投資)の寄与度は 53.9% で GDP を 4.1 ポイント押し上げ、貨物・サービス純輸出の GDP への寄与度は 0.9% で GDP を 0.1 ポイント押し上げた。 これらデータでは、上半期、中国経済が主に内需によってけん引されていたことが分かる。

上半期の中国の経済運営状況について、国家統計局の盛来運報道官は同日の記者会見で、「上半期、経済運営がおおむね安定を維持し、構造調整が着実に進み、経済発展モデルの転換とグレードアップの面においても前進が見られた」と説明した。 (サーチナ = 7-16-13)

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中国景気減速、4 - 6 月 GDP 成長率 7.5% に鈍化

【北京 = 大越匡洋】 中国国家統計局は 15 日、2013 年 4 - 6 月期の国内総生産 (GDP) が物価変動を除く実質で前年同期に比べ 7.5% 増えたと発表した。 成長率は 2 四半期連続で鈍化。 国内外の需要の伸び悩みで輸出や企業の生産活動が勢いを欠き、中国景気の減速が鮮明になった。 中国国内の金融リスクの高まりも懸念されており、中国経済の先行きは不透明感が増している。

4 - 6 月期の GDP 成長率は、日本経済新聞社と日経 QUICK ニュース (NQN) が共同で実施した市場調査の平均 (7.6%) を下回った。 中国景気はインフラ投資の増加などで昨年後半から持ち直したものの、今年に入って成長率の伸びが再び鈍り、4 - 6 月期の成長率は前の期に比べ 0.2 ポイント鈍化した。 4 - 6 月期の成長率を前期比でみると、1.7% となった。 1 - 3 月期の 1.6% と比べ伸びは小幅拡大したが、年率換算では 7% 弱の水準だ。

世界経済の回復の足どりの遅れで輸出の伸びが 6 月に前年割れとなるなど、外需の不振が響いている。 中国の製造業は輸出の鈍化に加え、生産能力の過剰から在庫の山を抱えており、生産の回復が遅れている。 1 - 6 月期の工業生産は前年同期比 9.3% 増と、1 - 3 月期(9.5% 増)よりも伸びが落ち込んだ。 企業の生産活動を映し出す発電量の伸びをみると、1 - 6 月期は前年同期比 4.4% 増と、12 年通年の水準(4.7% 増)を下回っている。

鉄道建設などインフラ投資や不動産投資はなお堅調だが、陰りもみえる。 企業の設備投資や建設投資の傾向を示す固定資産投資(農村部を除く)は、1 - 6 月期に前年同期比 20.1% 増。 1 - 3 月期(20.9% 増)の水準を下回った。 内需の柱である個人消費も勢いが乏しい。 消費動向を示す社会消費品小売総額(小売売上高)の 1 - 6 月期の伸びは 12.7%。 自動車販売などが底堅く、足元で回復の兆しも出ているが、習近平指導部の「倹約令」が長期化し、景気全体をけん引する力を欠いている。

中国では、高利回りの金融商品など銀行融資以外の資金調達手段である「影の銀行(シャドーバンキング)」を通じ、地方の不動産投資などに資金を流し込む仕組みがまん延。 金融リスク拡大への懸念から、中国政府は景気が減速してもすぐには金融緩和に動けない。 今年の成長率の目標である 7.5% の実現には課題が多い。 (nikkei = 7-15-13)