中国で高校生千人が騒動 食堂利用強制に抗議、教師殴り備品壊す

中国河南省商丘市柘城県の高校で 14 日、校内食堂の利用を強制する学校側の措置に抗議する千人余りの生徒が教師を殴ったり、校内の備品を壊したりする騒ぎがあった。 米政府系放送局ラジオ自由アジアが 17 日までに伝えた。

学校側は最近、校内の食堂や売店の利用を生徒に強制する措置をとったが、価格が校外の飲食店などより高く、生徒らは「(学校側が)私腹を肥やしている」と不満を募らせていたという。 警察が学校に駆け付けたが、生徒らを排除する措置は取らず、学校側が校内食堂の価格見直しなどを提示、騒ぎは収まったという。 (kyodo = 9-17-13)


中国の豪華客船足止め 韓国裁判所が差し押さえ

中国の豪華客船「海娜号」が 13 日、韓国・済州島で裁判所に差し押さえられたため航行できず、乗客乗員ら 2,300 人余りが丸 1 日以上、停泊中の客船内に足止めされた。 15 日付の中国各紙が伝えた。

客船を運航するのは中国の海南航空系の旅行会社。 香港に登記する中国の鉄鋼メーカー系企業と海南航空系の企業との間で債務返済をめぐるトラブルがあり、香港の企業側が客船の差し押さえを求める訴えを韓国の裁判所に提起。 裁判所は 13 日、済州島の港を出港しようとした客船を差し押さえた。 海南航空は、足止めされた乗客らを中国に運ぶための旅客機を準備している。 (kyodo = 9-15-13)


偽のルーブル美術館入場券、中国犯罪組織の関与捜査

フランスの地元メディアは 14 日までに、パリの観光名所ルーブル美術館で大規模な入場券偽造が発覚し、仏捜査当局が中国の犯罪組織が介在している疑いがあるとして調べていると報じた。 被害は数千枚で、金額にして数十万ユーロに達するとみられている。 1 ユーロは 14 日の為替相場で約 132 円。

テレビ局フランス 24 によると、偽造の疑惑は今年 8 月初旬、中国人ツアー客のガイドが差し出した入場券に同美術館職員が不審を抱いたのがきっかけ。 美術館の広報担当者は地元紙に、券の手触りが通常と異なり、材料の紙の質が良くなかったことに気付いたと説明した。 これ以降、美術館の全職員に注意を喚起したという。

しかし、この数日後、本物と思われていた偽の入場券を複数枚、発見。 同月下旬にはベルギーの税関当局が中国からの荷物の中で偽造された入場券 4,000 枚以上を押収し、仏の刑事捜査開始につながっていた。 にせの入場券 1 枚は少なくとも 36 ユーロで、総額では少なくとも 14 万 4,000 ユーロに達していた。

仏の捜査は、中国の犯罪組織とパリの中国人ツアー事業者らとの結託の有無などに焦点が当てられているが、中国との外交摩擦を懸念し公の場でのコメントなどには注意を払っている。 ルーブル美術館の入場券は 1 年間有効。 同美術館は、出回っている偽造入場券の枚数や被害額などについては見当が付かないと指摘。 ただ、中国紙に対し、今回の事件発覚を受け偽造対策を改善させると述べた。

一方、中国のソーシャルメディアには、ルーブル美術館での入場券偽造事件が中国のイメージ悪化につながることを懸念する意見が投稿されている。 中国版ツイッターには「入場券の持ち主が偽物と知らないかもしれない。 しかし、恥をかくのは中国人だ。」などの書き込みが見られた。 パリでは、多額の現金を持ち歩く中国人の特性を狙う専門のスリ集団がいるとの報道も流れていた。 (CNN = 9-14-13)


中国で「月餅」贈答禁止令 賄賂の手口封じ、派手な宴会もダメ

中国で中秋節の伝統的な贈答品である「月餅」を公費で購入することを禁じた異例の通達が出された。 習近平指導部が昨年 11 月の発足から進めてきた倹約令の一環だが、月餅を詰めた化粧箱に高価な貴金属や現金、プリペイドカードなどを忍ばせる賄賂の手口を封じ、綱紀粛正を図る狙いもある。

通達は共産党中央規律検査委員会や関係当局が 12 日までに行った。 中国では今月 19 日から 3 連休の中秋節、10 月 1 日から 7 連休の国慶節(建国記念日)を控え、例年は贈答品のやりとりが増える。 新華社電によると、通達では、公費での豪華な宴席や団体旅行、娯楽活動などの浪費、官官接待にも目を光らせ、厳しく責任を追及する方針だ。

こうした中で民間企業にも "自粛" が広がるとみた一部の月餅業者が、工場の操業中止や販売店舗の縮小を決めた。 月餅以外にも「上海ガニ」の高価な贈答品が値崩れするなど、影響が広がっている。 だが、中国では伝統的な習慣だけに、地元紙によると、高価な月餅の領収書を別の名目に偽装したり、月餅をかたどった貴金属をこっそり贈ったりする関係者もいるという。 (上海 河崎真澄、sankei = 9-12-13)


中国・広州市街地で爆発 4 人死亡、14 人負傷

【広州 = 小山謙太郎】 中国広東省の広州市白雲区で 10 日正午ごろ、大きな爆発があり、4 人が死亡、14 人が負傷した。 現場は広州駅から約 3 キロ離れた市街地にある靴倉庫で、爆発後に全焼した。 省政府によると、トラックから荷下ろし中の可燃物が爆発したらしく、運転手らが死亡したとみられる。

現地に進出している日系企業は多いが、在広州日本総領事館によると、日本人が被害にあったという情報はない。 現場前を通りかかった路線バスの乗客によると、大きな爆発音の直後に飛んできた大小の石が、バスの片側の窓ガラスを全て突き破ったという。 爆発と火災による煙が周辺に充満し、夜まで焦げた臭いが漂っていた。 (asahi = 9-10-13)


景勝地・中国桂林で爆発 2 人死亡

中国メディアによると、外国人観光客が多く訪れる広西チワン族自治区桂林市の小学校付近で 9 日朝、爆発があり少なくとも 2 人が死亡、23 人が負傷した。 負傷者に小学生も含まれているという。 公安当局は爆発の原因や被害状況を調べている。 目撃者によると、付近を通り掛かった三輪車が爆発した。

インターネット上には遺体とみられるものやバイク、ガラスの破片が路上に散乱した様子を撮影した写真が「爆発現場」として投稿されている。 桂林は川沿いに山水画のような山々が連なる観光地で知られ、毎年日本などから多くの旅行客が訪れる。 北京の日本大使館によると、日本人が巻き込まれたとの情報は入っていない。 (kyodo = 9-9-13)


中国国営テレビと新華社 「1 回目で東京敗退」と誤報

中国国営の中央テレビは 8 日、国際オリンピック委員会 (IOC) の総会を生中継した際、番組に出演した解説者が「(五輪開催都市を選ぶ 1 回目の投票で)東京は敗退した」と誤った情報を伝えた。 中国メディアが報じた。 また国営通信、新華社も同日午前 3 時(日本時間同 4 時)すぎに「イスタンブール、2020 年五輪開催獲得」と英語と中国語で速報。 約 20 分後に「イスタンブールと東京、決選投票」と訂正した。

中国の国営メディアが相次いで誤報を流すのは珍しく、国内で大きな話題となっている。 香港系メディアは「中央テレビがこれほどの重要な局面で無責任な解説をすべきではない」と苦言を呈した。 中国の国営メディアは連日、安倍晋三首相の歴史認識などを批判的に報じており、短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」上では、一連の誤報について「東京に落選してほしいという主観がにじみ出たのではないか」などと皮肉る書き込みが見られた。 (kyodo = 9-8-13)


中国で 6 歳男児、両目くりぬかれる 容疑者は伯母

【上海 = 金順姫】中国山西省臨汾市で先月下旬、6 歳の男児が何者かに連れ去られ、両目がくりぬかれる残酷な事件があり、中国国内で注目を集めている。 国営新華社通信によると、警察当局は、事件後に自殺した男児の伯母 (41) を容疑者と断定し、動機などを調べている。 事件は先月 24 日、家の前で遊んでいた男児が行方不明となり、同日夜、近くの野原で顔中血まみれの状態で倒れているのが見つかった。 男児は一命を取りとめたが、両目の眼球は近くに捨てられていたという。 (asahi = 9-4-13)


中国・上海で冷凍倉庫から液体アンモニア、15 人が死亡

31 日、中国・上海で冷凍倉庫から液体アンモニアが漏れ出し、15 人が死亡しました。 現地メディアによりますと、日本時間の 31 日正午ごろ、上海市内にある、水産物の輸出入や加工業を営む会社の冷凍倉庫から液体アンモニアが漏れ出し、15 人が死亡しました。 また、26 人が病院で治療を受けていて、うち 6 人が重体だということです。 現場は、上海の中心部からは 20 キロほど離れた工場が立ち並ぶ地域で、当局は、何らかの事情で液体アンモニアが漏れ出したとみて事故の原因を調べています。 (TBS = 8-31-13)


洪水で「ワニ数千匹が脱走」、「死者 3 千人」 … 虚実入り乱れた情報が錯綜

8 月中旬から続く豪雨で中国各地に洪水被害が広がるなか、ネット上では虚実入り乱れた情報が拡散し、混乱を招いている。 「死者・行方不明者が 3 千人を超えた。」 「養殖場からワニが数千匹逃げ出した。」 まことしやかな情報に振り回されるネットユーザーたち。 背景には、情報統制が行われている官製メディアや行政当局への根深い不信感がある。

犠牲者 3 千人

中国では 8 月 14 日ごろから続く豪雨で洪水被害が相次ぎ、死者・行方不明者が少なくとも 230 人を超えた。 そんな中、中国版ツイッター「微博(ウエイボー)」で 18 日、あるユーザーが「遼寧省撫順市では死者・行方不明者が 3 千人を超えた」として救援を呼び掛け、被災地の写真を掲載。 ネット上では瞬く間にこの情報が広まった。 共産党機関紙の人民日報系サイト「人民網」は 22 日、この情報を打ち消すかのように、市政府担当者の話として「確認されている死者は 63 人、行方不明者 101 人」と報じ、ウエイボーの情報がデマであることを示唆した。

「ウエイボーで発信したアホはどうやって犠牲者が 3 千人と分かったんだ? 他人の言うことを何でも信じるな。」 ネット上では人民網の記事を支持する意見が出る一方、反発の声もわき起こった。 「ネットがデマを飛ばしたと言ってるが、ならばお前たちは事実を公表しているのか? 朝から晩まで耳障りのいい話だけ報じてもダメだ。 お天道さまは怒っているぞ。」

「私は現地住民だ。 3 千人という数字は信じないが、少なくとも犠牲者は 600 人はいるだろう。 本当に大災害だ。」 果ては「政府の情報は民間人より不正確だ」との意見まで出る始末で、ネット民たちの不信感は尽きない。

中国のテレビ局が外国の災害を詳報するワケ

今月 17、18 日には別のウエイボーの利用者が、広東省普寧市の浸水の様子をとらえた写真を次々とアップ。 女性の水死体が放置されたまま水中を漂っているショッキングな画像も含まれ、大きな反響を呼んだ。 これに対し、北京紙・新京報は現地の市当局者の話として、「女性の遺体の情報はまだ把握していない」とのコメントを紹介。 「政府が救援に力を尽くしていない」とのネットユーザーの批判に対しては、「現地では多くの人員が救助活動にあたっている」とする目撃者の話を伝えた。

ネット情報の "火消し" に躍起な既存メディアに対し、国内の被災状況を伝える報道の少なさにも批判が集まった。 特にやり玉に挙げられたのが、国内の代表的な映像メディアである中国中央テレビ。 「実は『アメリカ中央テレビ』だったのではないか。」 同局は普段、米国など海外の災害や事件事故の報道には力を入れていることから、こう皮肉られた。

「なぜ中国中央テレビの記者は、わざわざ海を渡って危険を冒し、(中国の災害は無視して)アメリカのハリケーン被害を追うのか。」 ネットユーザーの推測によれば、考えられるいくつかの理由は以下の通り。 (1) 高尚な国際主義、(2) 崇高なジャーナリズム、(3) 今年の予算をまだ使い切っていない、(4) アメリカの荒探しに絶好の機会だから −。 最後に挙げられた理由は痛烈だ。 (5) 中国の指導者たちに見せるため。 なぜなら彼らの子弟はみな、アメリカに住んでいるから −。

ワニの脱走騒ぎ

一方、広東省スワトー市のネットユーザーたちが今月 18 日以降に発信した情報は、現地にパニックを引き起こした。 ダム下流にあるワニ養殖場を洪水が襲って数千匹のワニが逃げ出し、人を襲っているとの情報が拡散したのだ。 市当局はすぐにネット上で「そうした事実はない」と打ち消したが、人民網は 20 日、「少なくともワニ 20 数匹が逃げ出し、うち 19 匹が捕獲された」との養殖業者の話を伝えた。

人民網によると、現地では 18 日未明からダムの急激な放流などにより、養殖池の外壁などが崩壊。 池で飼っていたシャムワニ(最大で体長約 4 メートル)の一部が逃げ出した。 ワニは食材用などとして養殖されていたという。 ただ養殖池には全体で 1 万 4 千匹余りいたとの報道もあり、ネット上では「逃げたワニは本当に 20 数匹だけか」と疑念が広がっている。 人民網は人的被害を否定しているが、「人が襲われた」との発信も後を絶たない。

デマ流すと逮捕も

ネット上にウソと真実が錯綜するなか、意図的にデマを流した人間を摘発する動きも出ている。 21 日の人民日報(電子版)によると、北京の公安当局は騒乱挑発罪で、ネット関連企業に勤務する男 (30) ら 4 人を逮捕した。 報道によると、男らは 2011 年 7 月に浙江省温州市で起きた高速鉄道事故に関して、ウエイボーに「外国人の犠牲者には補償金として破格の 2 億元(約 32 億円)が支払われた」と書き込むなど、数々のデマをネットで発信し続けた。 男らは動機について「フォロワーを増やしたかった」と説明しているという。

こうした故意のデマを取り締まる当局の動きに対してはネットユーザーの間で支持する声が多い半面、警戒感も広がっている。 さきの豪雨被害に関しては、こうした書き込みも見られた。 「政府が発表するあらゆるデータを疑うことは許されない。 さもなければ "デマを飛ばした" とレッテルを貼られてしまう。」 (西見由章、sankei = 8-25-13)


中国要人子女採用で JP モルガンを調査 米当局

米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は 17 日、米金融大手 JP モルガン・チェースが、中国でのビジネスを有利に進めるために中国政府要人の子女を採用した可能性があるとして、米証券取引委員会 (SEC) の贈収賄対策部門が調査に乗り出したと報じた。 米政府当局の内部文書に基づく情報としている。 SEC は JP モルガンに対し、中国鉄道省(ことし 3 月に事実上解体)などとの間で交わされた契約や合意のほか、「採用に関わった全関係者」が特定できる資料などの提出を求めている。

調査対象となっているのは、中国鉄道省元幹部の娘や、元金融規制当局者で現在は大型国有企業「中国光大集団」会長の息子の採用。 鉄道省元幹部の娘の採用は、鉄道建設大手「中国中鉄」が上場する際のアドバイザー役として、JP モルガンを選ぶかどうかの指名手続きが行われていた時期とほぼ符合するという。 (kyodo = 8-19-13)


犬を「ライオン」として展示 … 「ワン!」バレた

中国中部の河南省にある「人民公園動物園」で、長毛犬種のチベタン・マスティフを「アフリカライオン(中国語で非洲獅)」として展示していたことが分かった。 中国メディアによると、12 日に息子と動物園を訪れた男性が、「吠え声がライオンのものではない」と見破った。 この男性は「田舎者で知らないと思って、動物園は客を完全にだましていた。 入園料 15 元(約 240 円)を返すべきだ」と憤慨。 「オオカミ」として別のイヌが展示されていたことも判明したという。 (sankei = 8-18-13)


中国「がんの村」原因は川汚染 … 当局が初の認定

中国を代表する大河・淮河流域でがん患者が続出している問題で、中国政府が、水質汚染と発がんの因果関係を認める調査結果を初めて発表し、深刻な河川公害の実態を公に認めた。 原因追及を求める市民やメディアの圧力に屈した形だが、政府の汚染対策が今後進展するのか不透明だ。 また、流域住民のがん発症は当面多発するとみられ、「がんの村」の住民の苦しみは続いている。

「汚染の深刻な地域と消化器がん多発地域はほぼ一致する。」 今年 6 月末、中国・衛生省の中国疾病予防コントロールセンターなどが公表した調査報告書の内容だ。 淮河流域の水質汚染ががん発症の原因になったとの内容で、政府が初めて、河川汚染が人的被害をもたらしたことを認め、メディアの話題を集めた。

淮河流域では 1980 年代以降、化学工場や製紙工場からの排水垂れ流しで、汚染が深刻化。 90 年代には、川から流れた地下水を飲用に使う集落で、がん患者が目立ち始めた。 淮河支流が流れる沈丘県では、住民が胃がんで死亡する割合は 2006 年、73 年の 3 倍近くとなり、「がんの村」と呼ばれる集落が増えた。 同県の東孫楼村もその一つだ。

「がんの家系ではなかったのに、兄と弟が続けざまに食道がんで死んでしまった。」 村民の王子清さん (72) は 10 年前の悪夢を振り返った。 上流域では以前、複数の工場が川に排水を流した。 王さんは、汚染が特に深刻だった 03 年までの十数年間に近所で 9 人ががんで死亡したと言い、工場排水が原因と断じた。

だが、中国当局は因果関係を認めなかった。 工場撤退による地元経済への悪影響を恐れたためとみられるが、中国の新聞などは 04 年以降、流域でのがん多発を報じ、政府の環境対策の遅れを批判し始めた。 同センターは、こうした声を受け、05 年以降、淮河の汚染物質や流域住民の死因などを調べ、今回の発表となった。

当局は同時に、工場主に水質浄化施設を整備させる対策を取り始めた。 同県で環境保護に取り組む霍岱珊さん (60) は「『死の川』と言われた淮河の水質は改善した」と語る。 だが、問題が解決したわけではない。 河川や地下水の汚染は長期に及ぶことなどから、楊功煥・同センター元副主任は「流域のがん多発は 10 年は続く」と見る。

東孫楼村では最近も、無職男性 (73) ががんと診断され、王さんは「地下水汚染は簡単に除去されない」と不安げに話した。 また、流域では、対策が手つかずの集落も多いようだ。 安徽省鳳陽県の村落の場合、今でも魚の死骸が川に浮かんだり、井戸水が黄色く変色して飲めなかったりしている。 因果関係は不明だが、近くには化学工場が立つ。 村民の彭孟東さん (25) は、最近もがんで死亡する住民が相次いでいることを挙げ、「我々はがんにおびえる日々を送っている」と語った。 (河南省沈丘県 吉田健一、yomiuri =8-14-13)

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「がんの村」があぶりだす中国の環境破壊の実態 経済成長のしわ寄せ

中国・塢里村 : 中国東部・浙江省にある塢里村。 かつては緑あふれる丘と肥沃な大地で知られた村だが、今では村人は自分たちのふるさとをこう呼ぶ。 「がんの村」と。 村人の 1 人、フェン・シャオフェンさんは家にあった夫と息子の遺影を取材班に示しながら、「ここには住みたくないし、ここで夜、眠りたくない」と訴える。 「夫は一家の大黒柱でした。 夫が死んだとき、家の柱が折れたようでした。 そして、息子も死にました。」

1990 年代、政府の役人がやってきて、裕福になれると約束したという。 しかし、年配の女性は「地元の役人が懐を潤しただけだ」と憤る。 その後、村にはいくつもの繊維会社がやってきて町中に工場を建設した。 村人たちは、工場ががんの原因だと考えている。 「がんの村」と言われ始めたのは数年前だ。 当時、中国人のジャーナリストや活動家が中国各地に、がんの発症率が不自然に高い場所があることを発見した。 その多くは工業化された農村地帯だった。

当時香港の雑誌を中心に動いていた活動家のデン・フェイ氏は農村地帯の水質汚染の影響に注目した。 デン氏は「水は人々にとって非常に重要であるため、汚染は健康により多くの影響を及ぼす」と指摘。 「中国は適切ではない経済成長パターンの負の影響をこうむっている。 中国は将来も重い環境汚染による高い代償を支払うことになるだろう。」と危惧する。

世論の突き上げもあり、中国政府は今年に入って、「がんの村」の存在を認めた。 当局は声明で「中国では毒性のある化学製品が製造され、利用されている。 飲み水に対する深刻な状況を経験している場所も多く、汚染が、がんの村の発生といった深刻な社会問題の発生を引き起こしている。」と述べた。 デン氏は「非常に重要な一歩だ」と政府ががんの村の存在を認めたことを評価する。 「実際にこの問題に対処するには、問題の存在を認めるしかない」と付け加えた。

しかし、塢里村で活動するウェイ・ドンインさんにとっては、存在を認められただけでは不十分だ。 ウェイさんは居間の床に地図を広げ、写真を指し示しながら、「ここには死んだ魚が打ち上げられた」、「ここの運河が赤く染まった」と説明する。 ウェイさんは 10 年以上にわたり、水質汚染が広がる様子を地図に記してきた。 ウェイさんは 2002 年にがんの発症が疑われた。 その後、腫瘍は除去されたが、このことがきっかけで活動を始めたという。

申し立てや請願を行ったことで、ウェイさんは地元政府の頭痛の種となった。 ウェイさんによれば、いやがらせや脅迫を受けているという。 CNN が取材を行った日も、保安員とみられる人物が取材の様子をこっそりと写真に収めていた。 ウェイさんは一部の染物工場や繊維工場によって、がんが引き起こされていると確信している。 しかし、水を処理しているかいないかにかかわらず全ての工場が同じ河川に排水しているため、汚染している工場としていない工場を区別することはほとんど不可能にちかい。

国際環境団体グリーンピースは、説明責任の欠如が「完璧な煙幕」になっていると指摘する。 同団体がさきごろ発表した報告書によれば、この地域の水を調査した結果、少なくとも 10 種類以上の毒性のある化学物質が発見されたという。 匿名を条件に語った地元当局者は「状況については認識しているし、問題に対処すべく最大限の取り組みを続けている」としたものの、詳細については言及しなかった。

ウェイさんは「私が望むのは、きれいな空気を吸い、安全な水を飲み、汚染されていない土を使うことだけ。 私が望むのはそれだけだけど、高望みをしすぎているのかも。」と語った。 (CNN = 7-7-13)


屋上「岩山」に撤去命令 違法建築、ようやく認定 北京

【北京】 中国北京市の高層マンション屋上に、ある男性が岩山風の住宅を建造し、近隣住民とトラブルになっている問題で、地元当局は 12 日、問題の建物を違法建築と認定、男性に 15 日以内の撤去を命じた。 岩や木の装飾で覆われたこの住宅については、安全性にも懸念の声が続出していた。

中国メディアによると、北京市海淀区にある住宅の所有者は中国医学のクリニックを営む男性。 男性は当初 26 階建てのマンションの最上階の部屋に住んでいたが、2007 年から、自宅の屋上部分に無許可で増築を重ね、どんどん拡大。 床面積は今や約 800 平方メートルに達した。 住民からは工事の騒音のほか、壁のひびなどの苦情が出ており、トラブルで引っ越しを余儀なくされた世帯もある。 専門家は「リスク評価を経ない増築はきわめて危険だ」と警告している。

海淀区当局は住宅への立ち入り調査ができなかったことなどを理由に対応を先延ばしにしてきたが、ようやく重い腰を上げた。 男性が撤去に応じなければ、強制執行する可能性もあるという。 (jiji = 8-13-13)


中国の百貨店、過当競争 店舗増えすぎ、家賃上昇追い打ち

消費が伸び盛りのはずの中国で、百貨店の閉店が相次いでいる。 経済の急成長とともに一気に増えた店が過当競争を招き、コスト増が重くのしかかる。 上質なサービスなど百貨店の特長が広く定着する前に、急成長するネット通販やショッピングモールに「買い物の主役」の座を早くも譲りかねない。

次々閉店、日系大手も

中国東北地方最大の都市・瀋陽。 今月 1 日に大手百貨店「新瑪特」が店を閉じた。 地元では「わずか 2 カ月で隣り合った 2 店がなくなった」と驚きが広がる。 隣接するビルから、日本の伊勢丹が撤退したばかりだったからだ。 5 月 31 日、閉店の日を迎えた伊勢丹瀋陽店は、半額となった商品を目当てにした買い物客で最後のにぎわいを見せていた。

「雰囲気が好きで、よく来たよ。 残念だけど、代わりに買い物をする店はいくらでもあるよ。」 恋人と訪れていた 20 代の男性は話した。 周りには地元資本などの百貨店約 10 店も立ち並ぶ。 女性店員は「サービスには自信があったが、競争が激しくなってから、セールの値引き率で見劣りした」という。

人口約 800 万人を抱える瀋陽だが、百貨店などの売り場面積は建築中を含めて計約 400万平方メートルに達する。 東京都内にある主要百貨店の店舗面積の 4 倍以上だ。 店が多すぎると言われ、伊勢丹も毎年、赤字を出していた。 上海、北京、成都 ・・・。 主要都市で軒並み、庶民のあこがれだったはずの百貨店の閉店が相次ぐ。 経済誌「新世紀」は 7 月、「百貨店は冬を迎えた」と季節違いの見出しを掲げた。

高島屋は昨年 12 月、上海に初進出したが、地下の食品売り場を除けば、客の姿がまばらなフロアが多い。 鈴木弘治社長は、開店時に高まっていた反日感情の影響を指摘。 「慌てずにじっくりやるしかない」と語る。 ただ、市中心部から離れており、客足を集める策を打てなければ、当初から約 4 割も引き下げて 80 億円にした初年度の売り上げ目標も達成がおぼつかない。

競争に加え、各社を悩ますのは家賃などのコスト増だ。 中国商務省によると、2012 年に大型店の家賃は平均で約 21% 上昇した。 成都では今年 7 月、大手百貨店がそれまでの家賃の約 5 倍への契約変更を求められたことをきっかけに、営業停止に追い込まれた。

中国工商大学の洪涛教授は「中国の百貨店は、同質化と、コスト増とに直面している」と話す。 都市部の開発業者は物件の価値を上げるため、こぞって百貨店を呼び寄せる。 きらびやかなブランド品をそろえても、隣の店もやることは同じ。 やがては安売り競争に陥り、うなぎ登りの家賃との挟み撃ちに遭う。 中国の百貨商業協会のまとめでは、12 年の業界全体の売上高は前年比 8.9% 増だったが、伸び率は過去 5 年の約半分に減速。 利益は 6.1% 下がった。 売り上げの伸びが鈍った途端に利益が減り、増えすぎた店舗が退場を迫られている。

ネット通販、客奪う

中国の消費全体は、12 年は前年比で 14.3% も増えた。 その成長の主役で「百貨店から客を奪っている」とされるのが、ネット通販だ。 中国でネット通販が広がるきっかけになったのが、03 年の新型肺炎 SARS の流行だ。 人々が外出を控え、自宅で買い物するようになった。 13 年には早くも、世界最大のネット通販市場になると見込まれる。 店舗を構えていないだけに、上がり続ける土地代や人件費の影響は少なく、価格を低く抑えられる。 家庭へ商品を届ける宅配便も急成長し、安さと便利さが消費者の心をつかんでいる。

ネット通販の利用が特に多いとされるのが、百貨店が柱としてきた衣料品だ。 現地のアパレル大手首脳は「百貨店は高いという感覚が広まり、ネットで買う商品を確認するだけの場になった」とまで言う。 小売り大手の間では、衣料品売り場を減らし、映画館やレストラン街、幼児教室といった施設を増やす動きが広がる。 モノを買うことが中心の百貨店から、訪れて楽しめるショッピングモールにすることで、ネット通販に対抗する考えだ。

中国の百貨店が、人々の消費の場として「黄金期」を迎えたのは、改革開放政策が軌道に乗った 90 年代以降とされる。 上品な接客やサービスの良さといった百貨店の長所に価値を認める客層が育つ前に「安さと便利さ」を売り物にする業態が急に登場した。 三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長は、こう表現する。 「19 世紀から(急に) 21 世紀に変わったようだ。」 (斎藤徳彦 = 北京、平井恵美、asahi = 8-11-13)


中国人を欧米に密入国、犯罪組織の 75 人を逮捕

マドリード : スペインとフランスの当局は 10 日、中国人を欧米諸国に密入国させて売春などを強制していたとして、両国で人身売買組織のメンバーら計 75 人を逮捕したと明らかにした。 スペイン警察の発表によれば、人身売買組織の本部は中国にあるが、今年 6 月に欧州でのリーダーとみられる 2 人がスペインのバルセロナで逮捕された。 同国では同時に、バルセロナやマドリードなど 8 都市の空港で偽造パスポートを所持していたとして 49 人を逮捕。

フランスでも 24 人の逮捕者が出たという。 これらの情報はすべて、現在まで非公開とされていた。 同組織は中国人から 4 万 - 5 万ユーロ(約 510 万 - 640 万円)の料金を取って米国やスペイン、フランス、イタリア、英国などに密入国させていた疑い。 いったんスペインを経由して、最終的に米国か英国へ送られるケースが多かったとみられる。

容疑者は全員、中国人またはアジア出身者で、すでに初出廷を済ませ、一部は条件付きで保釈されている。 捜査では、中国で偽造された日本やマレーシアなどのパスポートが押収された。 バルセロナ市内の複数の民家から、偽造に使われたとみられるパソコンやプリンター、ゴム印などが見つかった。 警察は 2 年間に及んだ捜査で、同組織の巧妙な分業体制を突き止めた。

中国やマレーシアを拠点とする案内人が各地の空港の状況に合わせ、中国人観光客に紛れ込ませるなどさまざまな手口で密入国を指揮していたとされる。 密入国者はその後、現地で違法工場での労働や売春などを強いられていたという。 (CNN = 8-11-13)


政府系企業トップを告発、香港で中国紙元記者

中国山西省の元中国紙記者、李建軍氏が 5 日、中国政府系の巨大複合企業「華潤集団」の宋林会長(次官級)が汚職に関わった疑いがあるとして、香港の汚職取締機関に告発した。 李氏が 7 日、明らかにした。 宋氏をめぐっては李氏を含む複数の中国メディアの記者が短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」などを通じ、中国当局に調査を要請。 李氏は華潤集団が香港でも登記されているため、香港を訪れて告発した。

一部の香港メディアは、宋氏が温家宝前首相の夫人や賀国強・前共産党中央規律検査委員会書記と近かったと指摘。 宋氏に対する汚職告発の動きは温氏や賀氏に対立する勢力が仕掛けたとの見方を示唆している。 告発によると、華潤集団の関連企業は、山西省の炭鉱所有企業を不当に高い価格で買収。 国有資産を流失させ、宋氏は汚職の疑いがあるとしている。 (kyodo = 8-7-13)


親だまし新生児売り飛ばした疑い 中国で産科医ら摘発

【北京 = 林望】 中国陝西省富平県で公営の産婦人科医院で生まれた赤ちゃんが売り飛ばされる事件があった。 地元当局は 4 日までに病院に勤める産科医らを拘束した。 子どもの売り飛ばし事件が相次ぐ中国だが、医師の摘発は珍しい。

国営新華社通信が伝えた。 同県政府によると、事件は 7 月 16 日に起きた。 地元の女性が出産した新生児について、産科医が「先天的な伝染病や障害がある」と偽り、治療を放棄して処置を任せるよう両親を説き伏せた。 産科医は山西省のブローカーを呼び、2 万元(約 32 万円)余りで売った。 ブローカーは 3 万元(約 49 万円)で別のブローカーに売ったという。

不審に思った両親が地元警察に届けて事件が発覚した。 警察当局は今月 4 日、富平県から約 630 キロ離れた河南省安陽市の農村部で赤ちゃんを救出し、産科医 1 人と山西省と河南省のブローカー 5 人を拘束した。 医師は他にも 5 つの事件に関与した疑いがあるという。 同県政府は病院の幹部を免職処分にした。

中国では農村部の貧困や嫁不足などを背景にした子どもの売り飛ばし事件が社会問題になっている。 当局が対応に力を入れているが、昨年も 5,320 件の事件が起きた。 専門家は「売り手と買い手、ブローカーによる市場が成立していることが問題だ」と指摘していたが、売買に医師まで関与していた疑いが強まったことで、波紋を呼びそうだ。 (asahi = 8-5-13)


上海の裁判官、集団買春か ネットで映像暴露され停職に

【広州 = 小山謙太郎】 中国の上海市高級人民法院(高裁)の裁判官らが高級ナイトクラブのホステスをホテルの自室に連れ込んだとされる映像が、中国の投稿サイトで暴露された。 同法院は 4 日、名指しされた民事第一法廷のトップら 4 人を停職処分にしたと発表した。 映像は 6 月 9 日のものとされる。 ナイトクラブで最も大きい「ダイヤモンド 1 号」という名前の部屋で、男たちが女性を選んでいる場面や、先にホテルに戻った男たちの部屋に女性が入って 30 分 - 1 時間後に出てくる様子が映っていた。

中国メディアは法の番人による集団買春疑惑として報道。 同法院と上海市共産党委員会の規律委員会が調査を始めた。 映像を暴露した男性に接触した中国紙「京華時報」によると、男性は同法院による「不公正な裁判」で自宅が昨年売却され、不満に思っていた。 映像はナイトクラブが入るホテルの監視カメラによるものだという。 (asahi = 8-5-13)


地上 580 メートルの現場公開 上海の工事中超高層ビル

中国上海市浦東新区の金融地区で 2015 年の完成を目指し建設中の超高層ビル「上海センタービル」の開発会社は 2 日、地上約 580 メートルの工事現場を報道陣に公開した。

地上 580 メートルは、同じ金融地区に日本の森ビルが建設した中国最高層の「上海環球金融センター(101 階建て、492 メートル)」をしのぐ高さ。 工事現場からは、金融地区の高層ビルや上海中心部を流れる黄浦江沿いの観光名所「東方明珠タワー」が眼下に広がり、租界時代の西洋風建築物が並ぶ外灘(バンド)も一望できた。

上海センタービルは、最終的に高さ 632 メートル、125 階建てになる計画で、完成すれば上海市で最高層となる。 中国では、広東省深●(= 土へんに川)市で 14 年に高さ約 660 メートルのビルが完成する計画。 (kyodo = 8-2-13)


中国大気汚染 PM2.5 国基準の 2 倍超

中国政府は、大気汚染の原因となっている PM2.5 と呼ばれる有害な粒子の平均濃度が、都市部で国の環境基準の 2 倍以上になっていることを公表し、急速な経済発展に伴って、大気汚染が深刻になっていることが改めて浮き彫りとなりました。 中国では、車の排気ガスなどに含まれる PM2.5 と呼ばれる有害な粒子の濃度が、都市部を中心に高くなっていて、健康不安が広がるなど大きな問題となっています。

中国の環境保護省は 31 日、全国 74 の主要都市のことし上半期の大気汚染の状況を発表しました。 それによりますと、PM2.5 の濃度は 74 都市の平均で、1 立方メートル当たり 76 マイクログラムと、中国が定める年間の環境基準である 35 マイクログラムの 2.2 倍、WHO の指針の 7 倍以上に上っていることが明らかになりました。

このうち最もひどいのは河北省石家荘で、国の基準の 5 倍近くの 172 マイクログラムに上り、基準を満たしたのは、チベット自治区のラサや海南島の海口など 4 都市しかありませんでした。 また今年上半期で、大気汚染の度合いを示す指数が基準を上回った日数は 45% に上り、急速な経済発展に伴う深刻な大気汚染の実態が、改めて浮き彫りとなりました。

中国政府は、健康への悪影響を懸念する国内世論の高まりから対策を迫られていて、先月には、鉄鋼業などの主要産業で、大気汚染物質の排出量を 2017 年末までに 30% 以上削減するという目標を打ち出したほか、近く、大気汚染の悪化を防ぐための行動計画を発表することにしています。

日本国内の状況

中国の PM2.5 による大気汚染で、日本への影響が懸念されていたことを受けて、環境省はことし 2 月、1 日の平均濃度が 1 立方メートル当たり 70 マイクログラムを超えると健康に影響を与えるおそれがあるとして、この値を超えると予測された場合は、各都道府県などが、外出や外での長時間の激しい運動それに部屋の換気を控えるよう注意を呼びかけるという指針を決めました。

環境省が、3 月から先月末までの全国の計測状況をまとめたところ、指針の数値を超えたのは、▽ 3 月では 9 日に大阪と鳥取、19 日に島根と長崎、▽ 5 月では 11 日に愛媛、22 日と 23 日に熊本、宮崎、鹿児島、24 日に鹿児島、25 日に長崎の合わせて 7 日間で 8 府県に上り、西日本で濃度が上昇しやすい傾向がみられました。 このうち 3 月は、黄砂の影響があるとみられるということです。

一方、4 月と 6 月には、指針の数値を超えた日は無かったということです。 環境省によりますと、夏の間は太平洋高気圧が日本列島を覆うと大陸側から気流が流れ込みにくくなるため、PM2.5 の濃度は上がりにくいとみられるということです。 しかし、秋から冬にかけては、黄砂が飛来するようになると再び濃度が上昇するおそれがあるということで、環境省は、各都道府県が出している PM2.5 に関する情報などに注意するよう呼びかけています。

今回の中国政府の発表について、井上環境副大臣は 31 日の定例の会見で、「国内では、PM2.5 が騒ぎになったことし 2 月から 3 月に比べると沈静化していると聞いているが、引き続き状況を注視していきたい」と述べました。 また井上副大臣は、ことし 5 月、日本、中国、韓国の環境行政のトップによる会合で PM2.5 などの大気汚染問題の解決に向けた 3 か国の政策対話の場を設けることで合意したことに触れ、「早くそういった機会を作りたいと思っている」と述べ、対話を早く始めるよう中国側に要請していることを明らかにしました。 (NHK = 7-31-13)

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中国の大気汚染、南北差くっきり 淮河を境に寿命にも差

【香取啓介】 中国を東西に流れる淮河(わいが)より北の地域では、PM2.5 を含む全浮遊粒子状物質 (TSP) の大気中の濃度が南側より格段に高く、住民の平均余命は南側より 5.5 年短いことが米中などの共同研究で分かった。 淮河の北で暖房整備を重点的に進めた政策により、大気汚染が進んだ影響とみられるという。

北京大や米マサチューセッツ工科大などの研究チームは、1981 - 2000 年の中国 90 都市の TSP のデータと、1991 - 2000 年の全国 125 都市約 50 万人の死亡統計を分析した。 すると、TSP の濃度は淮河を境に激変。 北側は南側より 1 立方メートルあたり 184 マイクログラム、55% 高かった。 北側の住民の死因は南側に比べて心臓病や脳卒中、肺がんなどが多かった。 TSP 濃度が 1 立方メートルあたり 100 マイクログラム高くなると、平均余命は 3 年減る計算という。 (asahi = 7-10-13)