12 月機械受注は予測上回る、1 - 3 月見通しは 2 期連続増加へ [東京] 内閣府が 7 日に発表した 12 月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比 2.8% 増の 7,529 億円となった。 3 カ月連続の増加。 ロイターの事前予測調査では 0.7% 減と予想されていたが、これを上回った。 前年比では 3.4% 減だった。 製造業は前月比 3.0% 増、非製造業は同 8.0% 減となった。 外需は同 12.6% 減だった。 10 - 12 月機械受注は前期比 2.0% 増で、3 四半期ぶりの増加となった。 1 - 3 月の機械受注見通しは前期比 0.8% 増。 内閣府は、機械受注の判断を「緩やかな持ち直しの動きが見られる」に上方修正した。 機械受注統計は機械メーカーの受注した設備用機械について毎月の受注実績を調査したもの。 設備投資の先行指標として注目されている。 機械受注の国内民需は、非製造業を中心にこのところ増加傾向にあった。 復興需要に加えて消費スタイルの変化への対応や、通信・サービスへの好調な需要などから、非製造業の幅広い分野で機械受注が持ち直していた。 12 月は非製造業は同 8.0% 減となったが、10 - 12 月の国内民需が前期比で 3 四半期ぶりに増加に転じたのも、こうした背景が主因とみられている。 他方で、製造業でも、海外経済の持ち直しや株高・円高修正が好材料になるとみられ、これまで一進一退だった製造業からの受注も上向くことが期待されている。 1 - 3 月の見通しは 2 期連続の増加となっており、これまで先延ばししてきた設備投資に踏み切る企業が増えている可能性がありそうだ。 こうした結果について市場では、「急に雰囲気が変わったという訳ではないが、円安基調に伴い国内設備投資は活発化しやすい。 鉱工業生産の生産予測指数なども踏まえると、生産の伸びが好循環につながり、稼働率上昇も見込まれる。 今後の機械受注は増加傾向をたどる可能性が高い(第一生命経済研究所首席エコノミスト、嶌峰義清氏)」との声があった。 ただ、外為市場では目だった反応は見られなかった。 (Reuters = 2-7-13) ◇ ◇ ◇ 11 月の工作機械受注額、2 割減 3 年ぶり前年割れ確実 日本工作機械工業会が 17 日発表した 11 月の工作機械の受注額は前年同月比 21.3% 減の約 881 億円だった。 前年割れは 7 カ月連続で、受注額が単月で 900 億円を下回るのは 2010 年 10 月以来 2 年 1 カ月ぶり。 内需は前年同月比 20.9% 減の約 298 億円、外需も 21.5% 減の約 583 億円で、減速感が強まっている。 1 - 11 月の累計受注額は前年同期比 6.8% 減の 1 兆 1,283 億円で、今年の年間受注額が 3 年ぶりに前年実績(約 1 兆 3,261 億円)を割り込むのは確実だ。 (asahi = 12-17-12) 安倍首相「20 年度までに国・地方の PB を黒字化」 安倍首相は 30 日の衆院本会議で、財政規律に関し、「2015 年までに国・地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス・PB)の赤字の対 GDP (国内総生産)比を 10 年度の水準から半減し、20 年度までに国地方のプライマリー・バランスを黒字化するとの、財政健全化目標を実現する必要がある」と述べた。 民主党の海江田万里代表の代表質問に答えた。 (asahi = 1-30-13) 来年度予算は総額 92 兆 6,100 億円
政府は 2013 年度一般会計予算について総額 92 兆 6,100 億円とする方針を固めた。 歳入は税収が 43 兆 1,000 億円、新規国債発行額が 42 兆 8,500 億円となり、当初ベースで 4 年ぶりに国債収入が税収見込みを下回る。 複数の政府関係者がブルームバーグ・ニュースに対し明らかにした。 安倍政権は今月 15 日に、10 兆円規模の緊急経済対策の実施を柱とした財政支出 13 兆円に及ぶ大型の 12 年度補正予算案を決定。 来年度一般会計予算と合わせた「15 カ月予算」による切れ目のない財政出動による景気の下支えを目指している。 一方で、来年度予算は民主党政権が編成した 12 年度当初予算 92.9 兆円(基礎年金の国庫負担分約 2.6 兆円含む)以下に抑え、7 年ぶりの減額予算とし、財政健全化路線の堅持をアピールした格好。 麻生太郎財務相は 10 年度から続いていた税収と国債収入の「逆転状態」からの脱却も課題として掲げていた。 同日夜、官邸で開かれた政府与党会議に出席した財務相は会議後、記者団に対し「補正予算で緊急経済対策の対応をし、本予算で引き締まった形に仕上げることができた」と説明。 その上で、国債収入より「税収が上回る形に戻せたのは大きかった」と述べた。 また、財務相は来年度のプライマリーバランス(基礎的財政収支)の赤字が前年度の約 24 兆 9,000 億円から 1 兆 7,000 億円縮小し、約 23 兆 2,000 億円となったことも明らかにした。 歳入の内訳はこのほか、その他収入が 4 兆 500 億円のほか、年金の国庫負担割合の 36.5% から 50% への引き上げに伴う差額分を確保するための年金特例国債が 2 兆 6,100 億円。 14年度以降の消費税率引き上げに伴う増収分を償還財源として充てる。 歳出は国債費が 22 兆 2,400 億円。 国債費を除いた「政策的経費」は 70 兆 3,700 億円と、前年度より抑制した。 うち社会保障関係費は 29 兆 1,200 億円と、地方交付税は 16 兆 3,900 億円など。 前年に続いて概算要求に盛り込まれた経済危機対応・地域活性化予備費 9,100 億円の計上は見送る。 政府は 29 日に同予算案を閣議決定する見通し。 (ブルームバーグ = 1-27-13) 12 年の国内企業物価、2 年ぶり下落 日本銀行が 16 日発表した 2012 年の国内企業物価指数(速報、2010 年平均 = 100)は 100.7 と、前年比 0.8% 下落した。 前年を下回ったのは 2 年ぶり。 指数は企業同士が取引するものの値段の水準。世界経済の減速で在庫が積み上がった鉄鋼が前年比 6.7% 減の 100.2、非鉄金属は 6.6% 減の 98.8 だった。 情報通信機器も 10.5% 減の 79.7。 テレビや携帯電話などの販売競争が激化して価格が下がったのが響いた。 一方、電気料金や米価は値上がりした。 東京電力の大口需要家向けの値上げなどで、電力・都市ガス・水道が 9.2% 増の 114.3 だった。 新米価格の高騰から、農林水産物も 4.1% 増の 103.6 だった。 (asahi = 1-16-13) 経済再生本部が始動 = 安倍首相「ロケットスタート切る」 安倍政権の経済政策の司令塔となる「日本経済再生本部」が 7 日、始動した。 実務を担う事務局は 8 日の再生本部初会合に向け、政府内の調整を本格化。 7 日は本部長の安倍晋三首相と副本部長を務める甘利明経済再生担当相が東京・永田町の庁舎で事務局の看板掛けを行った。 安倍首相は「数年たって、あの日から日本の経済が再生したと思っていただけるように全力を尽くしていきたい」と強調。 さらに「ロケットスタートを切っていくという思いで、全員が一丸となっていく」と述べた。 事務局の名称は「日本経済再生総合事務局」。 内閣府や経済産業、財務両省を中心に各省から 50 人程度のスタッフを集めた。 再生本部は全閣僚がメンバー。 関係閣僚や日銀総裁、民間議員で構成する経済財政諮問会議と連携し、経済再生の具体策を策定する。 再生本部の下に、産業界代表らが規制緩和や新産業育成など成長戦略を議論する「産業競争力会議」が置かれ、同会議の運営も再生本部の事務局が担う。 (jiji = 1-7-13) 大発会、大幅値上がりで取引開始 震災前の水準回復 今年最初の取引「大発会」を迎えた 4 日の東京株式市場は、日経平均株価が昨年末より 200 円を超えて値上がりし、1 万 0,604 円 50 銭で取引が始まった。 一昨年 3 月 11 日の東日本大震災前の水準を、約 1 年 10 カ月ぶりに回復した。 米国の「財政の崖」問題がひとまず回避されたことを好感した。 外国為替市場では 1 ドル = 87 円台後半までドル高円安が進んでおり、昨年末来の円安・株高の流れを引き継いで、輸出関連株を中心に幅広い銘柄で買い注文が先行している。 (asahi = 1-4-13) 中小企業支援へ新機構 政府、来年 4 月創設を検討 【鯨岡仁、榊原謙】 政府は、中小企業の再生を促す「地域活性化支援機構(仮称)」を、来年 4 月に創設する方向で検討に入った。 来年 3 月に支援決定期限が終わる官民の企業再生ファンド「企業再生支援機構」を改組する。 年明けにまとめる緊急経済対策で、中小企業支援策の目玉にしたい考えだ。 地方銀行や信金・信組などにまず、中小企業の再生専門ファンドを設立してもらい、新機構はこのファンドにお金を出す形で支援を進める。 企業への直接支援も続ける。 政府は 3 - 5 年間支援する改正法案を、来年 1 月の通常国会に提出する方向で調整している。 来年 3 月末で企業再生支援機構が企業に対する支援を決める期限が終わり、同時に中小企業の借金返済を猶予する「中小企業金融円滑化法」が打ち切られるため、業績不振の中小企業の倒産増が心配されている。 政府は、新機構に中小企業への支援全体を統括してもらう考えだ。 (asahi = 12-31-12) 11 月の住宅着工は 10% 増 3 カ月連続プラス 11 月の新設住宅着工戸数は 8 万 145 戸で、前年の 11 月より 10.3% 増えた。 国土交通省が 27 日発表した。 増加は 3 カ月連続となった。 持ち家、貸家、分譲住宅とも増え、特にアパートなど貸家が約 23% 増えた。 足元では景気が悪化しているが、国交省は「建設を決めてから着工までは数カ月から半年かかり、夏までの回復の動きがまだ残っている」とみる。 (asahi = 12-27-12) 国債、高まるリスク 外国人の保有割合が急伸 日本銀行と外国人投資家が持つ日本国債の量が、今年 9 月末でそれぞれ過去最高になった。 日銀の保有残高は初めて 100 兆円を突破。 国の借金を日銀が支える構図が強まる一方、「逃げ足」の速い外国人のお金も流入。 ひとたび財政不安になれば、国債が一斉に売られるリスクが徐々に高まっている。 日銀が 21 日に発表した資金循環統計(7 - 9 月)によると、日銀の 9 月末時点の国債の保有残高は 104 兆 9,250 億円。 前年比で 22.0% 伸びた。 国債発行残高(約 948 兆円)に占める割合も 11.1% で過去最高だった。 日銀の保有割合が伸びたのは、金融緩和のために銀行から国債を買い入れて市場にお金を流しているためだ。 2000 年代半ばにかけては、世界的に景気がよかったため、国債の購入が減っていたが、08 年秋のリーマン・ショック後、また増えてきた。 一方、外国人の保有残高は 85 兆 8,504 億円で、前年より 1 割増。 05 年末には 4.4% だった保有割合は 2 倍以上の 9.1% に。 金融危機の影響で、比較的安全とされる日本国債にお金を移しているためだ。 ただ、外国人は、損が出そうだと判断すれば、すぐにお金を引き揚げる傾向が強い。 先進国で最悪水準の日本の財政への不安が広がれば、一気に国債を手放す恐れがある。 大量に国債をもつ日銀の資産が目減りして円の信用が落ち、さらに国債の買い手がつかなくなる悪循環に陥りかねない。 自民党の安倍晋三総裁は金融緩和の強化や、財政出動による景気対策を打ち出している。 SMBC 日興証券の岩下真理氏は「安易に国債の買い入れを増やして、金利上昇時に日銀や金融機関が国債で損失を抱えるリスクを見落としてはいけない」と話す。 (asahi = 12-23-12) 景気判断、5 カ月ぶり据え置き 月例経済報告 政府は 21 日に発表した 12 月の月例経済報告で、景気の基調判断を「このところ弱い動きとなっている」として、前月と変えず、5 カ月ぶりに据え置いた。 11 月まで 4 カ月連続で下方修正していた。 (asahi = 12-21-12) ◇ ◇ ◇ 政府、景気判断を 4 カ月連続引き下げ 個人消費など悪化 【榊原謙】 政府は 16 日に公表した 11 月の月例経済報告で、景気の基調判断を「このところ弱い動きとなっている」として前月から引き下げ、景気が後退局面に入った可能性を示した。 判断を下げるのは 4 カ月連続で、リーマン・ショック後に 5 カ月連続で下げて以来になる。 前月の基調判断は「引き続き底堅さもみられるが、このところ弱めの動きとなっている」だった。 11 月の判断を引き下げたのは、人々の買い物(個人消費)の勢いがおちているからだ。 自動車を買う人が減ったほか、好調だった旅行にもかげりがみえ、政府は消費について「弱い動き」と前月から判断を引き下げた。 景気の動きに沿って増減しやすい企業の設備投資も「弱含んでいる」と、前月から表現を弱めた。 (asahi = 11-16-12) ◇ ◇ ◇ 景気基調判断「回復」消える 3 カ月連続で下方修正 【榊原謙】 政府は 12 日公表した 10 月の月例経済報告で、国内景気の基調判断を前月の「回復の動きに足踏みがみられる」から、「弱めの動きとなっている」と引き下げた。 景気判断の下方修正は 3 カ月連続。 海外経済の減速で、国内生産にブレーキがかかっているためだ。 今年 5 月から使ってきた「回復」という表現を削った。 景気は、回復への動きが鈍る「踊り場」からさらに悪くなり、後退局面に入っているとの見方も強まっている。 内閣府によると、3 カ月連続で景気判断を引き下げるのは、リーマン・ショック後の 2008 年 10 月 - 09 年 2 月に 5 カ月続けて下げた時以来という。 (asahi = 10-12-12) ◇ ◇ ◇ 景気判断、また引き下げ 9 月の月例経済報告 政府は 14 日公表した 9 月の月例経済報告で、国内の景気の基調判断を 2 カ月連続で引き下げた。 個人消費や生産にかげりが見えてきたといい、景気の現状について「回復の動きに足踏みがみられる」と表現。 前月の「一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに回復しつつある」から判断を弱めた。 内閣府によると、2 カ月連続で基調判断を引き下げるのは、リーマン・ショック後の 2008 年 10 月 - 09 年 2 月に 5 カ月連続で下方修正して以来という。 個人消費は、エコカー補助金効果による新車販売が一巡して落ち込んだことや、天候不順による夏物衣類やドリンク類の販売減などから「足元で弱い動きがみられる」とした。 また、欧州景気の減速が、欧州向け輸出が多い中国やアジアの新興国の経済に影響。 日本から中国などへの輸出も減り、結果的に海外向け生産が減るという悪循環が続いている。 (asahi = 9-14-12) ◇ ◇ ◇ 景気判断を 10 カ月ぶり下方修正 8 月の月例経済報告 政府は 28 日に公表した 8 月の月例経済報告で、国内景気の基調判断に「このところ一部に弱い動きがみられる」との表現を加え、10 カ月ぶりに下方修正した。 欧州を中心に海外経済が低迷して日本からの輸出がふるわず、製造業の生産が鈍っていることを踏まえた。 基調判断は下方修正したが、「復興需要などを背景に、緩やかに回復しつつある」との前月からの文言は維持した。 記者会見した古川元久経済財政相は「内需は底堅いが、海外経済の下ぶれリスクは注視していく」と述べた。 景気の足をひっぱっているのは、輸出と生産だ。 輸出は前回の「持ち直しの動きがみられる」から「弱含んでいる」へ、生産は「緩やかに持ち直している」から「このところ横ばいとなっている」へ、それぞれ判断を引き下げた。 (asahi = 8-28-12) 日銀 : 追加緩和 10 兆円決定 物価目標 2% 検討 日銀は 20 日、金融政策決定会合を開き、国債などを買い入れる基金の規模を 10 兆円増額して総額を 101 兆円とする追加の金融緩和策を全員一致で決めた。 追加の金融緩和で景気を下支えする必要があると判断した。 また、自民党の安倍晋三総裁が 2% の物価目標を政府と日銀の政策協定(アコード)で締結する方針を表明したことを受け、白川方明(まさあき)総裁は論点整理を指示。 事実上の物価目標としてきた 1% を 2% に引き上げる検討を始めた。 白川総裁が同日午後に記者会見し、政策決定の経緯について説明する。 前回 11 月の会合後の会見で安倍総裁の主張に反論した経緯もあり、総選挙で圧勝した自民党の金融政策とどう整合性を取るのか発言が注目される。 日銀は金融機関から国債などを買い取る「資産買い入れ基金」を通じて市場に大量のお金を供給してきた。 今回の追加緩和では短期国債を 5 兆円、長期国債を 5 兆円、計 10 兆円増額する。 より多くのお金を市場に供給して長めの金利低下を促し、企業の設備投資など低迷していた民間の資金需要を刺激する狙いだ。 10 月の会合で導入を決めた新しい貸出支援制度についても正式決定した。 融資を増やした銀行を対象に増加分を低利で資金供給する制度で、来年 6 月から 14 年 3 月まで行い、供給量は 15 兆円を上回る規模になる見通し。 民間銀行にさらなる資金需要の掘り起こしを促し、企業や個人への貸し出しを増やす狙い。 政策金利(無担保コール翌日物)は現行の「0.01% 程度」の実質ゼロ金利を据え置いた。 物価目標を巡っては、安倍総裁が 18 日、白川総裁に対し、物価目標 2% の政策協定を締結するよう要請。 白川総裁も理解を示した。 日銀内では既に物価目標の見直し論が浮上しており、これまで「目途(めど)」としてきた表現を「目標」に変更したうえで 2% をより明確に打ち出す方向で議論し、次回 1 月の決定会合で新政権との政策協定文書を作成する見通しだ。 総選挙で大敗した民主党政権の下で開催される最後の会合。 これまで会合に出席し続けていた前原誠司経済財政担当相は出席を見送った。 (三沢耕平、mainichi = 12-20-12) 日銀短観、2 四半期連続で悪化 日中関係悪化で輸出低迷 日本銀行は 14 日、12 月の企業短期経済観測調査(短観)を発表し、大企業・製造業の業況判断指数 (DI) はマイナス 12 で、9 月の前回調査から 9 ポイント悪くなった。 悪化は 2 四半期連続で、2 年 9 カ月ぶりの低水準となった。 世界経済の減速に加え、日中関係の悪化により中国で日本製品が売れなくなり、自動車などの輸出や生産が低迷したのが響いた。 大企業・非製造業の DI はプラス 4。 前回調査から 4 ポイント下がり、6 四半期ぶりの悪化となった。 ただ、震災復興に伴う消費などで底堅さもあり、プラスを維持した。 (asahi = 12-14-12) ◇ ◇ ◇ 首都圏中小企業、車中心に景況悪化 日銀短観 日銀が 14 日発表した企業短期経済観測調査(短観)で、中小企業の景況感が大幅に悪化した。 首都圏でも、日中関係の悪化に伴う輸出の急減やエコカー補助金による政策効果の息切れなどで、自動車関連の企業を中心に落ち込みが目立つ。 新政権発足後に中小からは景気対策を求める声が強まりそうだが、苦境を抜け出すためには企業自らの努力も欠かせない。 小企業製造業の業況判断指数 (DI) はマイナス 18 で、9 月の前回調査より 4 ポイント悪化した。 業種別で特に落ち込みが目立つのが自動車。 前回までプラスだった業況判断 DI が 20 ポイント下がってマイナス 16 となった。 液体の漏れなどを防ぐ金属のつなぎ目、ガスケットを製造するアボテクノ(埼玉県上尾市)は「11 - 12 月は 9 月と比べ車向けの部品受注が 15% 程度減った。(渡辺勇雄社長)」 特に中国などアジアの需要が減っている。 <電機関連も厳しい。 液晶などの製造装置メーカーに部品を納めるアルミ鋳物の田島軽金属(埼玉県羽生市)の田島正明社長は「7 月から月を追うごとに受注状況が悪くなる」と嘆く。 米アップル関連だけが好調で、その他は受注量を減らした。 大企業製造業の 2012 年度の想定為替レートは 1 ドル = 78 円台と前回より円高方向に修正された。 足元では 83 円台と想定より円安水準で推移するため、大企業製造業の景況感は今後、改善につながる可能性がある。 ただ中小製造業の場合、円高の進行に合わせて大企業から価格の引き下げなどを迫られてきた。 為替相場が円安方向に振れても中小の製品価格がすぐに戻るわけではなく、大企業に比べ改善は遅れる公算が大きい。 一方、中小の非製造業は 2 ポイント悪化のマイナス 11。 車関連の業種で減速が目立つほか、観光やスーパーなどもさえない。 運送業の京葉ロジコ(千葉県茂原市)は中国での日本車不振の影響で部品メーカー向けのトラックの配車が減った。 自動車ディーラーの埼玉日産自動車(さいたま市)は「12 月の受注量が前年比で 1 割弱下がった(営業支援部)」と話す。 「エコカー補助金終了に加え先行きの不透明感が購買をためらわせている」とみる。 食品スーパーの富士シティオ(横浜市)は、9 - 11 月の売上高が前年同期を下回った。 千葉県銚子市のホテルニュー大新も低迷が続く。 「原発事故による風評被害や、全国で営業する旅行会社の送客が減っていることが影響している(関根清二総支配人)」という。 (nikkei = 12-14-12) 日本の政治家が日本経済にいっそうの悪影響をもたらす = 中国の論調 中国網日本語版(チャイナネット)は 12 日、「日本の政治家が日本経済にいっそうの悪影響をもたらすだろう」と論じた。 以下は同記事より。 景気後退が進んでも日本の政治家たちは賢明な政策を打ち出せず、そればかりか、近く実施される衆議院議員総選挙が政界を混乱させている。 右傾化した政治家は日中関係に影響を及ぼす発言を口にし、輸出に頼る日本経済がいっそうの苦境に陥ることは間違いないだろう。 ◇ 後退局面からの挽回は困難 内閣府が発表した統計によると、日本の第 3 四半期の国内総生産 (GDP) は前期比 0.9% 減、年率 3.5% 減となった。 また、第 2 四半期の GDP は 0.1% 増から 0.03% 減に下方修正され、2 四半期連続のマイナスとなり、日本経済が後退していることを裏付けた。 中国社会科学院日本研究所・経済研究室の張季風主任は「国際商報」に対し、後退は大勢の赴くところであり、第 4 四半期も萎縮は続き、前期比で 0.5% 前後の減少になるとの予測を語った。 成熟した経済国であるうえに高齢化問題に直面する日本の国内市場はすでに飽和状態にあり、東日本大震災はインフラ建設を後押しし、景気を改善すると見られていた。 ところが現状を見ると、そのけん引速度は国際市場の悪化速度より遅く、特に日中間の貿易は関係が緊迫状態にあるため冷え込んでいる。 ◇ 金融緩和は良い方法ではない 景気後退に直面するなか、次期首相の有力候補とされる安倍晋三氏は金融緩和で解決を図る姿勢を示している。 景気刺激策として公共投資を拡大すると主張し、さらに日本銀行に無制限の金融緩和を行い政府の財政拡張に協調し、デフレ脱却を支援し、物価上昇率 2% - 3% のインフレ目標を設定するよう求めた。 安倍晋三の考え方は、「日本の巨大な国債市場が揺らぐ」という別の問題に発展する恐れもある。 日本政府の公的債務の負担は世界的に見れば最大規模だが、国債市場は驚くほど安定している。 「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、日本がデフレを重視しすぎ、債券の金利を何度も引き上げ、それが日本の巨大な国債市場に影響すれば、国民に引き続き購入させるには金利を引き上げるしかなく、そうなれば政府の支出は激増すると分析した。 英フィナンシャル・タイムズ紙によると、日本に対し長期悲観的な見方を示す一部のヘッジファンドマネジャーは、日本で数カ月内に大きな国債危機がぼっ発すると予想し、「日本国債空売り」に備えている。 ◇ 近隣窮乏化政策をとるべきではない 中国商務部国際貿易経済合作研究院・対外貿易部の金柏松副主任は「国際商報」に対し、「輸出増加は日本の続く後退を止める唯一の方法だ。 もっとも重要なのは日中関係を改善し、中国の対日貿易を促進することだ」と話した。 統計によると、日本の輸出は 10 月まで 5 カ月連続で減少し、同月の経常収支の黒字額は前年同期比 29.4% 減少した。 中国の税関の統計によると、11 月の中国の日本からの輸入額は 138 億ドルで前年同期比 15.1% の大幅減となった。 金柏松氏は、欧米の外需減少などの影響のほか、最大の貿易相手国である中国との貿易が減少したことが主な原因だが、日本政府はこれに目を向けようとしていないと主張したうえで、「次期政権が第 2 次世界大戦時の軍事拡張戦略を堅持すれば、日本の景気は引き続き後退し、さらに深刻になる」と断言した。 (サーチナ = 12-12-12) 街角景気 4 カ月ぶり改善 11 月、円高一服を好感
内閣府が 10 日発表した 11 月の景気ウオッチャー調査によると、経済活動を映す「街角景気」の現状判断指数は前月より 1.0 ポイント高い 40.0 となった。 改善は 4 カ月ぶり。 円高基調が一服し、企業業績の改善に期待感が高まった。 好不況の分かれ目である「50」を 7 カ月連続で下回っており、内閣府は街角景気の基調判断を「引き続き弱い」と前月から据え置いた。 11 月は「家計」、「企業」、「雇用」の全分野が改善した。 2 - 3 カ月後を占う先行き判断指数も前月比 0.2 2ポイント高い 41.9 となった。 先行きの指数は 7 カ月ぶりに改善したものの、「雇用」の見方は再び悪化した。 調査期間は 11 月 25 - 30 日で、11 月中旬から下旬にかけて進んだ円安を反映して「自動車部品の輸出環境がやや良くなっている」(東北・一般機械器具製造業)などと好感する声が相次いだ。 「円安で若干の収益改善に期待感がある(四国・電気機械器具製造業)」と先行きの業績改善を見込む企業も目立った。 家計の動向では、11 月中旬からの冷え込みで「冬物衣料の売り上げが急速に回復している(北海道・百貨店)」、「鍋物、冬物商品がよく売れている(東海・スーパー)」との声が出ている。 住宅関連では消費増税前の駆け込み需要を期待する声が増えた。 懸念されるのは雇用情勢だ。 足元では「年末に向けて派遣社員の依頼数が増えている(南関東・人材派遣会社)」との声がある一方、これまでの企業業績の悪化を背景に「製造業などでは求人の動きが悪くなっている(東北・職業安定所)」と先行きへの不安感が強まっている。 「中国からの観光客がまったく来なくなり厳しい(九州・観光ホテル)」と沖縄・尖閣諸島を巡る日中関係の悪化への懸念も引き続き多かった。 「衆院選後の景気対策で、景気が好転することを期待している(東海・コンビニ)」と期待する声もあった。 (nikkei = 12-10-12) 大企業の景況マイナスに 2 四半期ぶり、10 - 12 月期 内閣府と財務省が 10 日発表した 10 - 12 月期の法人企業景気予測調査(政府短観)によると、大企業(全産業)の景況感を示す指数はマイナス 5.5 となり、前期(7 - 9 月期)の 2.2 から悪化した。 マイナスは 2 四半期ぶり。 一方、1 - 3 月期については 1.7 と再びプラスに転じるとした。 多くの大企業が、景気は 10 - 12 月期を底に、海外景気の復調などから年明けには日本経済にも明るさが戻るとみているようだ。 ただ、中小企業(全産業)の景況感は悪い。 10 - 12 月期の指数はマイナス 17、1 - 3 月期も同 16.1 だった。 指数は、前期と比べて「上昇」と答えた企業の割合から、「下降」の割合を引いたもの。 (asahi = 12-10-12) 10 月の経常黒字 3,769 億円、貿易悪化で黒字額低水準 【松浦祐子】 財務省が 10 日発表した 10 月の国際収支(速報)によると、海外とのモノやサービスの取引と、お金のやり取りを合計した経常収支の黒字額は、前年同月と比べて 1,570 億円減の 3,769 億円だった。 黒字幅は比較できる 1985 年以来で、10 月としては過去 3 番目の低い水準だ。 経常黒字が減った主な原因は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支の赤字の拡大だ。 前年同月と比べ 2,414 億円赤字が増え、10 月は 4,503 億円の赤字だった。 欧州債務(借金)危機による欧州景気の低迷と日中関係の悪化などによる対中国輸出の不振が重なったためだ。 加えて、海外との輸送業務や旅行によるお金の行き来を示すサービス収支も 3,568 億円の赤字で、赤字幅が拡大。 海上貨物の輸送費や天然資源の開発に伴う海外への支払いが増えた。 (asahi = 12-10-12) 景気動向指数、7 か月連続低下 … 景気判断は悪化 内閣府が 7 日発表した 10 月の景気動向指数速報(CI、2005 年 = 100)によると、景気の現状を示す一致指数は、9 月よりも 0.9 9ポイント低い 90.6 となり、7 か月連続で低下した。 景気の基調判断は、9 月の「下方への局面変化」から「悪化を示している」に下方修正した。 景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」の表現は、リーマン・ショック後の 09 年 4 月以来 3 年 6 か月ぶりだ。 液晶テレビなど耐久消費財の不振に加え、世界経済の減速を背景とした輸出減が響いた。 一致指数を構成する指標のうち、大口電力使用量や、所定外労働時間が前月より減ったうえ、有効求人倍率も低下した。 基調判断の下方修正は 2 か月連続。 景気が今年 3 月をピークに後退局面に入ったとの見方を追認する結果となった。 (yomiuri = 12-7-12) ◇ ◇ ◇ 政府、景気判断引き下げ 後退局面入りの可能性も 内閣府が 6 日発表した景気動向指数(9 月速報)は、景気の現状を示す一致指数(2005 年 = 100)が 91.2 で、前月を 2.3 ポイント下回った。 前月を割り込むのは 6 カ月連続。 内閣府は、一致指数に基づく景気の基調判断を、前月の「足踏みを示している」から、景気が後退局面に入った可能性が高いことを示す「下方への局面変化」に引き下げた。 民間エコノミストの間では、景気は今春をピークに、すでに後退局面入りしているとの見方が強まっている。 (asahi = 11-6-12) ◇ ◇ ◇ 日銀総裁「景気は当面横ばい」 支店長会議で見通し 日本銀行の白川方明(まさあき)総裁は 22 日午前、全国の支店長を集めた会議であいさつし、景気の見通しについて「わが国経済は当面横ばい圏内の動きだが、内需が底堅く、海外経済が減速から脱するにつれて緩やかに回復する」と述べた。 先行きのリスクとしては、これまで同様に欧州の政府債務(借金)問題についてふれ、「欧州問題が金融市場を通じてわが国に波及するリスクには注意が必要」と語った。 日銀は 3 カ月に 1 度の支店長会議に合わせて、「地域経済報告(さくらリポート)」をまとめており、22 日午後に公表する。 9 月中旬以降、日中関係の悪化で中国向けの輸出が減るなどの影響が出ており、各地域からの報告内容が注目される。 (asahi = 10-22-12) 企業の設備投資 2.2% 増 7 - 9 月期、伸び率縮まる 2012 年 7 - 9 月期の国内の設備投資額は、前年同期と比べ 2.2% 増の 8 兆 8,062 億円だった。 4 四半期連続とプラスとなったが、世界経済の減速の影響で、伸び率は前期(4 - 6 月期)の 7.7% 増から縮まった。 財務省が 3 日、法人企業統計調査(金融・保険業を除き、ソフトウエア投資を含む)として発表した。 新型車投入のための生産ラインの増設で、輸送用機械は 21.5% 増と好調だったが、家電大手の業績不振を受け、電気機械が 5.2% 減、テレビ向け液晶などの情報通信機械は 21.5% 減だった。 鉄鋼業も 32.1% 減になるなど、製造業を中心に投資を抑える動きが強まっている。 今回の統計には、尖閣問題をきっかけに 9 月中旬以降、深刻化した日中関係の悪化の影響はほとんど反映されていない。 10 - 12 月期の設備投資はさらに下ぶれするおそれもある。 (asahi = 12-3-12) 10 月の鉱工業生産、4 カ月ぶり上昇 1.8% 増 経済産業省が 30 日発表した 10 月の鉱工業生産指数(2005 年 = 100、季節調整済み)の速報値は前月比 1.8% 増の 88.1 となり、4 カ月ぶりに上昇した。 基調判断は「低下傾向」で据え置いた。 業種別では全 16 業種中、8 業種が前月比で上昇、7 業種が下落し、1 業種が横ばいだった。 生産は若干回復したが、低水準にとどまっている。 足を引っ張ったのは、3 カ月連続のマイナスとなった情報通信機械。 デジタルカメラが前月比 5.4% 減と 4 カ月連続で減り、ノートパソコンも同 11.9% 減となった。 電子部品・デバイスは同 14.7% 増。 中国などアジア向けのスマートフォン用部品が堅調だった。 再生可能エネルギーを固定価格で買い取る制度が追い風になり、太陽光発電の部材は同 33.8% 増となった。 (asahi = 11-30-12) 社会保障給付、初の 100 兆円超え 10 年度、過去最高 医療や介護、年金などに支払われた 2010 年度の社会保障給付費は 103 兆 4,879 億円で、過去最高を更新した。 国立社会保障・人口問題研究所が 29 日、発表した。 集計を始めた 1950 年度以来、初めて 100 兆円を超えた。 高齢化に伴う年金給付や医療費の伸びによるものという。 前年度から 3 兆 6,272 億円 (3.6%) 増えた。 国民1人当たりでは 80 万 8,100 円。 最も大きいのは、▽ 「高齢」分野で 50 兆 8,099 億円(前年度比 2.0% 増)、次いで、▽ 「保健医療」が 30 兆 8,985 億円(同 4.6% 増)、▽ 「遺族」 6 兆 7,866 億円(同 0.8% 増)、▽ 「家族」 5 兆 4,695 億円(同 42.5% 増) - - の順で多かった。 「家族」が大幅に増えたのは、10 年度に子ども手当(現・児童手当)が導入された影響という。 同研究所は社会保障給付費のほか、経済協力開発機構 (OECD) 基準の「社会支出」も公表した。 社会支出は個人向け給付だけでなく、施設整備費や就学前教育なども含まれる。 10 年度の社会支出は 110 兆 4,541 億円。 前年度より 1 兆 5,914 億円 (1.5%) の増加で、こちらも過去最高だった。 国内総生産に占める社会支出の割合を 09 年度で比較すると、日本 (22.97%) は米国 (19.49%) を上回るが、スウェーデン (30.36%) やフランス (32.35%) などよりは低い。 (asahi = 11-29-12) ◇ ◇ ◇ 国民会議に清家氏ら 15 人 = 社会保障論議、30 日初会合 - 政府発表 政府は 27 日、社会保障制度改革国民会議の委員 15 人を発表した。 清家篤慶応義塾長や増田寛也元総務相ら学識経験者を中心に構成。 国会議員は含まれていない。 清家氏が会長に内定しており、30 日に開く初会合で委員の互選によって決定する。 国民会議は、社会保障と税の一体改革をめぐる民主、自民、公明 3 党の合意で設置が決定。 今後の年金制度や高齢者医療制度などの在り方を論議し、来年 8 月までに結論を出す。メンバーは、3 党の推薦リストに基づき政府が人選した。 政府は 27 日付で国民会議事務局を設置。 同日の閣議で、事務局長に中村秀一内閣官房社会保障改革担当室長を充てる人事も決めた。 (jiji = 11-27-12) ◇ ◇ ◇ 高齢者福祉を重視する日本、「シルバー民主主義」の危機 日本では最近、政治が国民全体ではなく「シルバー世代」の利益を代弁している、と批判する声が高まっている。 60 歳以上のシルバー世代が有権者全体に占める割合が、1980 年の 19% (1,538 万人)から、2010 年には 38% (3,953 万人)まで増加する中、政界はシルバー世代の目ばかりを気にしているというわけだ。 年齢が高まるほど、投票にも積極的になる。 投票者全体に占めるシルバー世代の割合は、1980 年には 19% だったが、2010 年には 45% まで上昇した。 一方、20 - 30 代の人たちが有権者全体に占める割合は、1980 年の 45% (3,641 万人)から、2010 年には 30% (3,120 万人)に低下した。 その上、若い人ほど投票に消極的になる。 投票者全体に占める 20 - 30 代の割合は、30 年前には 42% だったが、最近は 22% と、約半分になった。 このような状況の中、人口が多く投票率も高いシルバー世代が政権の動向を左右し、日本を「高齢者のための国」に変貌させている、と指摘する声が出ている。 政界がシルバー世代の票を意識する中で表面化した現象が、年金や社会保障費をめぐる世代間の不公平だ。 内閣府経済社会総合研究所が行った、世代別の年金の生涯収支(受け取れる額から支払った額を差し引いた額)に関する報告書によると、27 歳の若者が一生涯に負担する国民年金の保険料は平均 1,978 万円だが、将来受け取れる年金は平均 1,265 万円で、713 万円もの損害を被ることになる。 一方、62 歳のシルバー世代は一生涯に保険料として 1,436 万円を支払い、1,938 万円を受け取ることになる。 支払った額に比べ 502 万円も得をするというわけだ。 明治大の小林庸平教授の研究によると、地方自治体の高齢化率(65 歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合)が 1% 増加するごとに、小学生 1 人当たりの年間の補助金は 2,000 円ほど減少するという。 地方自治体の首長が票を意識し、高齢者の福祉施設に対する投資を増やす一方、学校に対する補助金を減らしているためだ。 2010 年、日本の有権者の平均年齢は 56 歳だったが、20 年後には 60 歳を超えると予想されており、シルバー世代偏重政策は今後も続くとの見方が出ている。 来月 16 日に行われる衆議院議員総選挙で、第 3 党になる可能性が高い「日本維新の会」は、若い世代の支持を拡大するため、福祉制度をめぐる世代間の公平性確保を公約に掲げた。 現役世代が支払った税金や年金保険料を、シルバー世代の年金に充てるという現在のシステムから脱却し、自分が支払った保険料の分だけ年金を受け取れるようにするという政策を打ち出した。 また、特別相続税制度を設け、年金の財源として活用するという案も示した。 日本では 50 - 60 代の人たちが親の遺産を相続するケースが大部分を占めるため、この案はシルバー世代にとっては不利になる。 一方、自民党はシルバー世代の票を意識している。 財源の不足を理由に、主に若年層にとってメリットになる、民主党政権下の「子ども手当」制度を廃止に追い込んだ。 その代わり、国債を発行して、高速道路建設などの公共事業に 200 兆円を投資するという公約を掲げた。 高齢者が多く住む地方のインフラに対する投資を増やそうというわけだ。 シルバー世代の政治的な影響力が高まる中、世代間の格差の是正のため、選挙権を現在の 20 歳以上から、18 歳以上に引き下げるという案も検討されている。 日本経済新聞は 26 日「世代間の格差を解消するため、子どもを持つ若い世代に 2 票ずつ投票を認める案などが浮上している」と報じた。 だが、シルバー世代は「国民の義務である選挙権もきちんと行使しない世代に特権を与えることはできない」と反発しており、実現する可能性はほとんどないのが実情だ。 - 東京 = 車学峰特派員 (韓国・朝鮮日報 = 11-27-12) |