国内最大の風力発電所が稼働中、木質バイオマスで新しい試みも

全国で再生可能エネルギーのモデル地域になっている場所がいくつかある。 その中のひとつが島根県の出雲市だ。 出雲大社で有名な観光地に日本最大の風力発電所が稼働していて、さらに木質系を中心としたバイオマス発電でもユニークなプロジェクトが進んでいる。

いまや島根県は西日本の中で鹿児島県に次ぐ風力発電所の集積地だ。 全国でも 5 番目の導入規模になるほど広がっていて、発電能力が 20MW (メガワット)を超えるような大規模なものが 3 か所にある。 その中で最大の規模を誇るのが「新出雲ウインドファーム」。 現時点で日本最大の風力発電所である。 日本海に突き出た岬に広がる山並みに、デンマーク製の大型風車 26 基が連なる。 合計で 78MW に達する巨大な発電設備が海からの強い風を受けて稼働している。

周囲の美しい風景をできるだけ損ねないように、送電線はすべて地下に埋設した。 その総距離は 39 キロメートルに及び、中国電力の送電網を通じて企業や家庭に電力を供給している。 発電量は一般家庭の 4 万世帯分になり、出雲市の電力需要の約 8 割に相当する。 もう少し風車を増設すれば、市内の電力を 100% 自給できるほどである。

出雲市は 2008 年に「次世代エネルギーパーク整備計画」を策定して、再生可能エネルギーの導入を推進してきた。 この計画では「環境と観光の融合」をテーマに掲げ、再生可能エネルギーの取り組みを全国に発信することで、企業の誘致と観光客の増加を図る目的がある。 その一環で市内の海岸に小規模な風力発電所を設置して、自然環境との調和を示す試みも実施した。 将来を担う子供たちの身近な場所で、新しいエネルギーの姿を見せる教育的な狙いもある。

風力発電に加えて出雲市が重点を置いて取り組んできたのがバイオマスである。 中でも「出雲バイオマスエネルギープラント」で実施しているプロジェクトの内容は先進的だ。 このプラントでは木質バイオマスなどの資源をガスに変換して、電力・熱・水素の 3 つのエネルギーを作り出す。 「ブルータワーシステム」と呼ぶ方法で、ガスコージェネレーションと同様に電力 (3,000kW) と熱を生成しながら、水素ガスも作り出して燃料電池に活用することができる。 これから政府が普及を図る燃料電池自動車のエネルギー源になる。

島根県内で実施中のバイオマスの開発プロジェクトとしては、中国電力による「木質バイオマス石炭混焼発電」も注目される。 通常の石炭による火力発電の燃料の中に木質バイオマスを混ぜ合わせることで、石炭の使用量と CO2 の排出量を削減する試みである。 中国電力が 2011 年から新エネルギー導入促進協議会の補助金を受けて、浜田市にある三隅発電所で実証実験に取り組んでいる。 発電能力が 1mW の大規模な石炭火力発電設備を使って、県内の林業で発生する残材をチップにして石炭に混在させる。

これまでの実験の結果から、年間に 2.6 万トンの木質バイオマスを石炭と混焼させて、約 30mWh の電力をバイオマスから生成できることが実証されている。 島根県全体では面積の 79% を森林が占めていて、木質バイオマスは豊富に存在する。 出雲市を含めて 9 つの市町村がバイオマスタウン構想を発表しており、県内各地で木質バイオマスや廃棄物を有効に活用する取り組みが広がってきた。(石田雅也 = スマートジャパン、ITmedia = 1-31-13)


島根原発広域避難訓練 課題の多さ再認識

中国電力島根原発から 30 キロ圏の島根、鳥取県と関係6市の合同防災訓練では、初めて住民の 30 キロ圏外への広域避難訓練があり、島根側では松江、出雲、安来、雲南の 4 市の計 546 人が参加した。 介護老人福祉施設での訓練もあり、避難の手順を確認。 参加者たちは、実際に事故が起きた場合の課題の多さを再認識した。

社会福祉施設 陸自ヘリ搬送は中止

【大久保直樹】 午前 7 時、中電から県庁に「島根原発 2 号機のすべての交流電源が失われた」と電話連絡があり、訓練が始まった。 県は災害対策本部を設置し、溝口善兵衛知事や幹部らが中電担当者から状況の説明を受けた。 続いて県庁そばのオフサイトセンターで溝口知事が松江市の松浦正敬市長や鳥取県の平井伸治知事らとテレビ会議を開き、住民避難や情報共有で連携することをあらためて確認した。

今回初めて社会福祉施設でも訓練を行った。 介護老人福祉施設「ゆうなぎ苑(松江市島根町、入所者約 50 人)」では、午前 9 時半から避難準備を始め、施設利用者が居室から玄関ホールへ集まった。 また県職員 21 人が入所者に扮し、担架や車いす、徒歩で自衛隊や施設の車に乗り込んだ。

当初は近くの運動公園から自衛隊ヘリを使った搬送を予定していたが、この日は雪交じりの強風のため、中止となった。 県幹部は「天候や複合災害は応用問題。 まずは避難の手順を確認する必要がある。」と話し、実際の事故では屋内退避で天候の回復を待ったり、陸上輸送に切り替えたり、状況に応じて判断することになるという。

健康福祉総務課の島田範明・調整監は「搬送車両や応援介助者の確保、県と市、施設の連携が課題。 県だけでは十分に対応できない。」と話し、国の支援の必要性を指摘した。 県は今後、訓練の参加者からアンケートを取り、昨秋に県がまとめた社会福祉施設の避難計画作成のガイドラインに反映する。

松江の 300 人 バス 10 台で大田へ

【小林一茂、斉藤智子】 松江市では、事故時にすぐ避難する「予防的防護措置準備区域 (PAZ)」となる島根原発 5 キロ圏の住民と、市全域の地区代表ら計 309 人が避難した。 市内 5 地区の「一時集結所」など 6 カ所に自家用車やマイクロバスなどで集合。 雪交じりの風が吹く中、午前 9 時ごろ、バス計 10 台で大田市へ出発した。

道の駅で 2 度の休憩を挟み、2 時間余りで「避難経由所」の大田総合体育館(大田市大田町)へ到着。 白い防護服とマスクを着けた自衛隊員や放射線技師らから、1 人 3 分ほどかけ、放射性物質の付着を調べるスクリーニング検査を受け、「避難所」のサンレディー大田(同)へ移動した。

県内の 30 キロ圏は約 39 万 6 千人が住み、県は県内と岡山、広島県の 61 市町村に逃がす広域避難計画を立てている。 松江市の PAZ の住民は約 1 万 1 千人で、県の広域避難計画による避難先は大田市と奥出雲町。 今回は初めての広域避難訓練のため、手順確認に重点を置いた。

松江市古志町で小売店を営む多久和康男さん (41) は「大田まで長く感じた。 事故が起きたら、もっと時間がかかるだろうし、大田の地理もよく分からない。 福島や宮城の知人は、今も仕事ができない状態。 自分の身に降りかかったらどうしようという不安はある。」と話した。

鹿島町の田中美和子さん (60) は「事故の時はバスがいつ来るかわからないし、自家用車で避難所へスムーズに着くか心配。」 古浦自治会長、亀城幸平さん (62) は、地区の要介護者らを調査し避難に備えるが、「実際に、災害弱者を助けてスムーズに避難するのは難しい。 地域で体制をつくりたい。」と気を引き締めた様子だった。

溝口善兵衛知事は、報道陣の取材に「全体の流れは問題なかったが、現実はいつ起こるかわからず、大勢が避難する。 いろいろなケースを想定し、厳しい事態に対応できる体制を築くことが大事。」と総括し、車両の数量確保などを課題に挙げた。 「住民、担当部署の意見をよく聴き、改善につなげたい」と話した。

松江市の松浦正敬市長も「訓練を続けることで問題点を把握できる。 感じたことを自治会などで話してもらい、だんだんと現実的なものにしていけばいい。」 大田市の竹腰創一市長は「訓練を検証し、受け入れ態勢をつくっていく。 放射線汚染の問題もあり、市民の理解を深めることも必要だ。」と話した。

県警は 120 人態勢 誘導や交通整理

【宮野拓也】 県警は県内 13 カ所で警察官 24 人が訓練中のバスの誘導や交通整理をし、本部や松江署など6カ所に災害警備本部を設け、120 人態勢で訓練にあたった。 警察官 3 人が交通整理をした松江市西浜佐陀町の交差点では、午前 9 時すぎ、パトカーに先導された避難訓練中の住民らを乗せたバス 8 台が次々と出雲方向に向かった。 住民がバスに乗り込む様子を動画で撮影し、県の災害対策本部に転送する訓練もあった。 (asahi = 1-27-13)

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原発 30 キロ圏、合同訓練 島根・鳥取県と 6 市

中国電力島根原発(松江市)の事故を想定し、島根、鳥取両県と、原子力防災の重点区域である 30 キロ圏内の 6 市が 26 日、合同防災訓練を行った。 両県の広域避難計画に基づき、30 キロ圏外への住民避難訓練を初めて実施。 6 市の住民約 800 人がバス計 27 台で移動した。

合同訓練は昨年 2 月にもあったが、自治体の初動対応が中心だった。 今回は自治体職員や住民、陸上自衛隊、社会福祉施設、学校、病院など総勢約 3,700 人が参加。 広域避難計画の実効性や課題を確かめた。 訓練は、原発が送電線事故で全交流電源を喪失し、炉心を冷やせなくなったとの想定で、午前 7 時に始まった。 松江市の島根県庁と隣接するオフサイトセンター、鳥取県庁などを結んだテレビ会議も開かれた。 (asahi = 1-26-13)

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島根原発 事故発生の際、出雲と安来に拠点 収束作業向け確保 中国電方針

中国電力は 16 日、島根原発(松江市)で重大事故が発生した際の事故収束作業拠点を出雲、安来両市で確保する方針を明らかにした。 今後両市と協議するなどした上で、3 月半ばまでに決定する。 東京電力福島第 1 原発事故を受けて昨年改正された原子力災害対策特別措置法に基づく措置。 改正により、原発を持つ電力会社などは、事故対策の強化を求められている。 中国電が島根、鳥取両県と松江市に同日示した防災業務計画修正案に強化内容を記載した。

同法などの関係法令では、拠点の数や原発からの距離は規定されていない。 中国電は風向きなどを考慮し、島根原発から東西それぞれの方向で、社有施設などを軸に複数拠点の確保を目指す。 福島第 1 原発事故では、原発南約 20 キロのサッカーのナショナルトレーニングセンター「J ヴィレッジ(福島県楢葉町)」を拠点として利用。 事故収束に当たる作業員の被ばく管理などが行われている。 (曽根田和久、mainichi = 1-17-13)

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島根県、ヨウ素剤配備を拡大

中国電力島根原子力発電所(松江市鹿島町)が立地する島根県は 29 日、原子力災害時に甲状腺がんを予防するために服用する安定ヨウ素剤を、年度内に原発 30 キロ圏の 4 市に配備する方針を明らかにした。 従来の 10 キロ圏から範囲を広げ、国が服用対象とする 40 歳未満の約 16 万人に行き届く体制を整える。

10 月に原子力規制委員会が原発 30 キロ圏を原子力災害対策重点区域と定め、配備エリアとしたのに対応する。 30 キロ圏 4 市の松江、出雲、雲南、安来市の各市役所に加え、松江、出雲、雲南市の各保健所、病院に置く。

ヨウ素剤は低年齢ほど服用後の効果が大きいとされており、小中高校への配備も検討する。 現在は、約 8 万 4 千人が住む 10 キロ圏が配備対象で、松江市役所、松江市立病院、県などに備蓄。 災害時には避難所で薬剤師が服用させる態勢としている。 エリア拡大後の服用方法は今後詰める。 (中国新聞 = 11-30-12)

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40 万人の避難計画 島根原発 30 キロ圏内 県外も指定は全国初

島根県は 21 日、中国電力島根原発(松江市)の事故の際、半径 30 キロ圏内に住む県内 4 市の約 39 万 6 千人を、県内のほか岡山など近隣 3 県に避難させることを盛り込んだ避難計画を発表した。 県によると、県外にも避難先を指定した 40 万人規模の計画は全国で初めて。 30 キロ圏内に含まれるのは松江市全域と安来、出雲、雲南各市の一部。 計画では、事故時に住民を島根県西部に加え鳥取、岡山、広島の 4 県 70 市町村に振り分ける。

避難先でも普段身近に接している人々で生活できるように、地区単位で避難先の自治体へのルートが指定され、公園や学校などを一時的な集合場所とする「避難経由所」として設置した。 今後の課題としては、一時的に住む避難所の確保や避難先の自治体との連携強化などを挙げた。 (sankei = 11-21-12)


自治体の Weibo (微博)活用事例 島根県の事例

世界で 4 億人・26 万の企業団体・6 億の政府公共機関が活用するシナウェイボー(新浪微博)。 日本でもこれまでに 38 もの自治体が Weibo (微博)に公式アカウントを開設、中国観光インバウンドに活用を開始しています。

島根県松江市の公式ウェイボー「人口が少ないからこその観光資源」
「人はいませんが … 神さまはたくさんいますよ」
「砂丘は無えって言ってんだろ (宣伝課長キャラクターの鷹の爪団吉田くんを使って)」
「11 歳以上が講習を受けて運転できる、1 両電車」

など、人口が日本で 2 番めに少ない島根県松江市は、フォロワー数 4,400 人強。 Weibo 上ので 55 万件の口コミと、隣県で大都市の広島の口コミ 8 万件より多く人気です。 (高橋 学、中国ビジネスヘッドライン = 1-24-13)

島根県松江市の公式ウェイボーは こちら


NY で和菓子の実演販売 - 島根県から和菓子職人が来米

ニューヨークにあるレストランや日系スーパーなど 4 カ所で 1 月 18 日・19 日、島根県の和菓子店「彩雲堂」、「桂月堂」から職人を招き「NEW 松江菓子」の実演販売が行われた。 季節の生菓子や「Matsue 桜餅」を作る和菓子職人の技を一目見ようと、たくさんの人が会場を訪れた。

18 日 15 時から実演販売を行ったサンライズマート・ミッドタウン店では、予定していた時刻よりも約 40 分ほど遅れてのスタートだったが、店内には今か今かと待ち構える客でにぎわった。 実演が始まると、店内にいた客は興味深そうにのぞき込み、作りたての和菓子を購入していった。

実演販売以外にも、店内の冷蔵庫では色とりどりの和菓子を販売。 花の形をした和菓子を見て「すごくかわいくてすてき」と話す外国人女性の姿も見られた。 島根県産の干いちじくを使った「いちじくブッセ」や、和のテイストにチョコレートを足した「ちょこまる」など、ユニークな菓子も取りそろえた。

会場を訪れたニューヨーク在住の男性は「ちょっと遅れたから、もう全て売り切れてしまったかと思ったが、まだ買えそうなので安心した。 和菓子は何と言ってもあの繊細で美しいデザインに引かれる。」と話し、日本では和菓子は一年中買うことができるか、どんな時に食べるのかなどと、興味深そうに近くにいた日本人に話しかけていた。

桜餅を食べたニューヨーク在住の日本人男性は「今まで食べた桜餅はもち米で包まれているものだったため、このタイプは初めて食べた。 桜色に染まったピンクがすごくきれいで、桜の葉の塩加減もベストマッチしていた。 おいしくて2個も食べてしまった。」と話していた。 (ニューヨーク経済新聞 = 1-22-13)


首都圏 IT 技術者と島根県 IT 企業との交流会の開催

島根県からのお知らせです。 首都圏在住のソフトウェア技術者を対象に、島根県内 IT 企業等との交流会を 3 月 10 日(日)に東京秋葉原で開催し、UI ターン就職を応援します。 (島根県 =1-18-13)

  1. 目 的

    近年、島根県のソフトウエア産業の活動が活発なことから、島根県への進出を希望する企業が増加していますが、事業所開設にあたり、即戦力となる人財の確保が課題となっています。 また、県内 IT 企業も業務拡大のため、優れた人財を求めています。 そこで、首都圏在住のソフトウエア技術者を対象に、島根県内 IT 企業等との交流会を開催し、UI ターン就職を促進します。

  2. 日 時

    平成 25 年 3 月 10 日(日) 14:00 - 17:00

  3. 場 所

    秋葉原 UDX 4F GALLERY NEXT-1(住所 : 〒101-0021 東京都千代田区外神田 4-14-1)

  4. 参加者

    IT 企業に従事している(又は従事していた)ソフトウエア技術者で、島根県への UI ターンを検討している方(すぐにでも or 将来的にor とりあえず情報収集)

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就職、ぜひ島根・鳥取へ 合同説明会

島根、鳥取両県に拠点を置く企業 55 社の合同説明会が 19 日午後 1 時から、広島市中区基町の NTT クレドホールである。 両県への就職を促そうと、ふるさと島根定住財団(松江市)とふるさと鳥取県定住機構(鳥取市)が共同で開催する。 金融機関や自動車販売、半導体製造業など島根の 25 社、鳥取の 30 社が参加。 各社がブースを設けて仕事の内容などを説明し、質問に答える。

対象は 2014 年春の大学、短大、専門学校の卒業予定者。 今春の卒業予定者や卒業から 3 年以内の「第二新卒」、社会人経験者に門戸を開く企業もある。 14 年春の卒業予定者に限定した交流会も計画する。 午前 10 時 45 分から両県の 12 社の若手社員たちと意見交換する場を設け、午後 5 時半からは中区の居酒屋で会費制(3,200 円)の交流会を開く。 ふるさと島根定住財団フリーダイヤル (0120) 674510。 (中国新聞 = 1-13-13)


レトロな EV 開発 次世代自動車等技術研究会 島根

島根県内の企業 44 社と島根大(松江市)、県でつくる県次世代自動車等技術研究会は 9 日、独自開発した電気自動車 (EV) の試作車を松江市内で公開した。 馬車の車体をベースにしたレトロな外観が特徴で、観光地などでの実用化を目指す。

試作車は長さ 2.4 メートル、高さ 1.6 メートル、幅 1.3 メートルで 5 人乗り。 公道ではなく、観光地やテーマパーク内での利用を想定する。 家庭用電源で充電でき、1 回 4 時間の充電で最長 50 キロ走行できる。 自動車整備・販売のアクティブ(松江市)や島根大総合理工学部の山本真義准教授(電気工学)、県産業技術センターなどが、昨年 10 月末から約 2 カ月で開発した。 16 - 18 日、東京である自動車関連技術の展示会に出展する。 (中国新聞 = 1-10-13)


幸せの女子会寝台 目指すは出雲、良縁・美肌の湯

個室・非日常感が人気

【中田絢子】 東京駅から出発する唯一の夜行寝台特急が 20 - 30 代の女性の注目を集めている。 道中は個室で「女子会」。 目指すは島根県にある「縁結びの神様」出雲大社や「美肌の湯」玉造温泉だ。 昨年 12 月 7 日午後 9 時過ぎ、東京駅の東海道線 9 番ホームに、大きめのバッグを抱えた 2 - 6 人連れの女性の姿が目立ち始めた。 午後 10 時出発の夜行寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」の乗客たちだ。

東京都杉並区の病院に勤務する麻酔科医師、山崎由香里さん (35) は「午後 10 時なら一日中仕事をした後でも間に合うのがいい。」 同じ病院に勤める看護師の今野浩子さん (37) と旅に出る。 金曜日の東京発のチケットは取りにくく、JR の窓口では 1 カ月前の販売開始とほぼ同時に売り切れた。 2 人は翌日、旅行会社のパッケージツアーに申し込んだという。

東京駅は昨秋、丸の内駅舎を創建時の姿に復元して人気を集める。 次々に新しいショップがオープンした駅ナカ商業施設「グランスタ」や駅周辺で、食事をしたり、ワインやスイーツを買ったりして乗り込む人が多い。 山崎さんたちは新丸の内ビルにあるベーカリーで朝食のパンを買った。

千葉県市川市の会社受付、鈴木あかねさん (30) と、食品会社員の松井礼(あや)さん (29) は 1 人用の標準タイプの寝台個室「シングル」をそれぞれ予約。 駅ナカで缶入りのカクテルや焼き鳥、牛タン弁当を購入し、鈴木さんの個室で「女子会」を始めた。 女性 1 人が足をのばして寝られるくらいの大きさのベッドで向かいあい、乾杯。 小学校からの同級生で、月に 1、2 度は食事に行く仲という。 鈴木さんも松井さんも働きづめの毎日。 「癒やしが欲しいね」と今回の旅を計画した。

実は松井さんは失恋したばかり。 出雲大社の参拝ですぐに良縁に巡り合えるわけではないかもしれないが、「ちょっとした気分転換です。」 鈴木さんは、寝台列車を選んだ理由を「非日常感を求めた」と話す。 話題は尽きず、午前 2 時過ぎまで話し込んだ。

出雲市には予定より 1 時間ほど遅れて到着。 車内にはシャワー室があるが、2 人は駅前の日帰り温泉施設「らんぷの湯」で入浴。 タクシーで出雲大社に向かい、夜は玉造温泉に宿泊した。 往路は電車、復路は飛行機での 2 泊 3 日の旅は往復の交通費と宿泊代で 5 万 8 千円ほどだった。

JR によると、松江市や出雲市を観光して玉造温泉に泊まり、飛行機や新幹線で帰京する人が多いという。 宿泊先とのパック旅行商品もあるが、電車のみの乗車料金は標準タイプのシングルで片道 2 万 2,160 円だ。

代金より旅情

《旅行情報誌るるぶの 2013 年版「松江・出雲・石見銀山」でサンライズ出雲を「縁結び寝台特急」と紹介した田村知子編集長 (40) の話》 若い女性で寝台特急に乗った経験のある人は少ない。 旅情をそそるので「一度は乗ってみたい」という憧れがあるのではないか。 北海道や沖縄といった「定番」の行き先より旅行代金が割高になる場合もあるが、若い女性はお金の使い方にメリハリをつける傾向がある。 とっておきの時には出費をいとわない。

「サンライズ出雲・瀬戸」は JR 西日本が 1998 年から運行を開始。 岡山で高松行きの「瀬戸」が切り離され、翌日午前 10 時ごろに出雲市駅に到着する。 首都圏と中国地方を行き来するビジネス客がターゲットで、「走るビジネスホテル」の雰囲気を目指して住宅メーカーと車両を共同開発。 寝台は全て暗証番号で開閉する個室だ。 料金は 2006 年に引退したブルートレインの「出雲」とほぼ同じだ。

この路線は飛行機との競争が激しい。 JR 西は「飛行機の最終便より遅く出発しても翌朝の仕事に間に合う」とビジネス客に PR。 運賃も飛行機(今月 7 - 31 日は片道の普通運賃で 3 万 1,570 円)より安いが、平均乗車率は 6 割強にとどまっていた。 ところが、05 年ごろから島根県が、首都圏の若い女性をターゲットに「縁結び」を前面に打ち出した観光プロモーションを始めると女性客が増加。 木材を多用した車内とロック付き個室が「安心して乗れる」と評判になった。

金曜の平均乗車率は 03 年の 86% から 12 年には 99% になったという。 (asahi = 1-6-13)


さとう珠緒、時代劇映画で "ぷんぷん" 封印

俳優の脇崎智史 (29) と平岳大 (38) が W 主演する時代劇映画「蠢動(しゅんどう、三上康雄監督、年内公開予定)」の製作発表会見が 15 日、都内で開かれた。 江戸中期の山陰地方を舞台に、正義を貫き藩の存続のためにそれぞれの立場で奮闘する藩士たちの姿を描く。 平は「久しぶりに最後まで早く読みたくなる脚本に出会えた」と意欲をみなぎらせた。

脇崎扮する若き藩士の姉を演じるさとう珠緒 (40) は「時代劇映画は 2 作目。 頑張ります。」と気合十分。 「簡単な善悪や敵味方ではなく、いろいろなことを考えることができる作品だと思う。」と、いつものぶりっ子キャラや得意の「ぷんぷん」を封印してアピールした。 若林豪 (73)、目黒祐樹 (65) らが共演。 (.サンスポ = 1-5-13)


広がる「空き家条例」 島根

少子高齢化や過疎化の影響で空き家が増え続けていることを受け、空き家の所有者に適正管理を義務付ける「空き家対策条例」を制定する自治体が増えている。 2011 年 10 月に施行した松江市に続き、中山間地域にも広がりはじめた。 管理の行き届かない空き家は倒壊の危険に加え、放火などの犯罪を誘発したり、不審者の隠れ場所になったりと、防犯面の問題点も指摘されている。 松江市の条例は景観や防犯、衛生面で近隣住民に悪影響を与えた場合、所有者に市が指導、勧告する規定を設けた。

松江城などの観光資源が集中する市内中心部では、勧告に従わない所有者に 5 万円以下の過料を科す。 現時点で過料を科した事例はないが、市建築指導課は「空き家の場所や老朽度の実態調査をした。 今後は所有者の意向を調べ、不動産業者と連携して売却や賃貸を支援したい。」としている。

島根県西部では浜田市が 12 年 10 月に条例を施行。 指導、勧告、過料の規定に加え、撤去工事をする空き家所有者や相続人に対して最大 50 万円を補助する制度を新設した。 邑南町も 13 年 3 月の町議会定例会での条例案の提案を目指し、町民を対象に意見募集を始めた。

県の住宅・土地統計調査(2008 年)によると、県内の総住宅戸数 29 万 5,800 戸に対し、空き家は 4 万 4,200 戸。 空き家率は 14.9% を占めた。 03 年の調査に比べ、空き家は 1 万 2,700 戸増加し、空き家率は 3.8 ポイント上昇。 いずれも過去最高の伸びを示している。 (中国新聞 = 1-3-13)


大イカ "豊漁" 出雲・大社築港 島根

食用としては最大のベニイカ(ソデイカ)が連日、島根県出雲市大社町の大社築港に打ち寄せられ、詰めかけた太公望らを喜ばせている。 海水温が低くなって弱ったイカが冬場の荒波で岸壁近くまで漂ってきたところを、大針で引っかける "釣り"。 情報を知った釣り人たちが早朝から繰り出している。

釣果の多くは、体長 60 センチ - 1 メートル、重さ 5 - 10 キロの大物。 ひれを広げると菱形になることから英名をダイヤモンドスクイッドというベニイカだが、釣りのルールでは早く見つけた人に釣り上げる権利があるとのことで、岸壁に通う "ダイヤモンドハンター" たちは、寒風の中で海中に目をこらしている。 1 月下旬まで楽しめるという。 (sankei = 12-29-12)


ナラ枯れ島根東部で急増 出雲、松江など

ナラやシイ、カシなどの広葉樹が枯死するナラ枯れが島根県東部で拡大している。 東部の被害は 2008 年に 3 本だったが、ことしは 2,425 本に急増した。 県は被害拡大を防ぐため、広葉樹の大規模な伐採に乗り出す。 県がまとめた東部の被害は 11 月 15 日現在、出雲市 1,532 本(前年比 559 本増)、松江市 531 本(同 513 本増)、雲南市 194 本(同 8 本増)と続く。 安来市では、本格的な調査を始めた 03 年以降で初めて 19 本見つかった。

出雲市、飯南町以東では 07 年に飯南町で 3 本確認された。 県は人が入らなくなった里山に老齢木が増えた上、猛暑で木の抵抗力が低下し、被害が広がったとみている。 これまで県内では浜田市や邑南町など西部に被害が集中し、ピークの 10 年は 2 万 5,750 本の枯死を確認した。 県は 09、11 年度に枯れ木の伐採を促す助成金を設け、森林組合やパルプ製造業者が被害木周辺の計 440 ヘクタールを伐採した。 12 年の西部の被害は 4,219 本に減った。

ナラ枯れを放置すると、倒木が家屋や社寺を破壊したり山に入る林業関係者の作業を妨害したりする恐れがある。 山の生態系が破壊され集落にクマなどが出没しやすくなるとの指摘もある。 (中国新聞 = 12-26-12)


「2013 出雲手帳」発刊 持ち歩いて活用してね 島根

島根県内を巡り歩きするのに便利な「2013 出雲手帳」ができた。 荒神谷博物館(出雲市斐川町)の平野芳英副館長ら 4 人がアイデアを出し合い、「持ち歩く豆辞典」として活用できるよう工夫している。 横浜市で制作プロダクションを営む写真家、山中順子さんが企画。 平野副館長と松江郷土館の安部登元館長、山陰民俗学会の酒井薫美会長と製作委員会を 7 月に立ち上げ、「聖地、歴史、文化を持ち歩けるダイアリー」となるよう心がけ、約 5 カ月かけて発刊にこぎつけた。

出雲地方の計 645 神社や島根の国宝・重文の各一覧などのほか、博物館や宿泊施設などをコンパクトにまとめている。 来年 5 月の「出雲大社(出雲市大社町)の平成大遷宮」については、同大社の千家和比古権宮司が国宝・本殿の歴史や遷宮に関する特別寄稿文を掲載。 さらに、出雲弁や祭り、古代食も紹介し、毎日の暦欄には月齢も記して農、漁業者らに役立ててもらえるようにしている。

ポケットサイズ(税込み 1,260 円)と B5 判サイズの卓上版(同 2,500 円)。 県内の主要書店で販売している。 問い合わせは、荒神谷博物館 (0853・72・9444)。 (sankei = 12-23-12)


原発新増設に期待高まる 島根 3 号機、運転開始待つ所員

原発の再稼働だけでなく、新増設の施設はどうなるのか。 安倍晋三政権の誕生を前に電力業界や地方の関心は高まっている。 中国電力島根原発 3 号機(松江市)は既に大半の設備が出来上がり、国内の建設中原発では最も完成が近いとされる。 21 日、報道陣に公開された原発構内では、所員らが運転開始のゴーサインを待ち点検作業などを繰り返していた。

「欠かせない発電所だと思っている。 ちゃんと見てもらって、安全だと評価してほしい。」 中国電力の田中康義企画部長は声に力を込めた。 「原発ゼロ」を掲げた民主党政権が倒れ、エネルギー政策が大きく転換する可能性がある中、3 号機の中央制御室でも機器の点検をする所員らが忙しく動き回っていた。

島根原発 3 号機は平成 17 年 12 月に着工。 営業運転の開始時期は当初 23 年 12 月を目指していたが、東日本大震災後は「未定」となっている。 震災前までの工事進捗率は 94% で、原子炉を含め約 4,600 億円を投入した建設工事はほぼ完成した。 872 体の核燃料も既に敷地内に運び込まれており、試運転を待つ状態だ。

敦賀原発(福井県)などで問題になった活断層の存在は原子力規制委員会から指摘されておらず、福島第 1 原発事故を踏まえた安全対策も、防波壁の建設などほぼ完了している。 ただ、規制委が来年 7 月に示す新しい安全基準次第では、追加対策が求められる可能性はある。 「正直言ってどうなるか展開は読めない。」 発電所幹部はこう一抹の不安をのぞかせていた。 (sankei = 12-21-12)

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島根原発 : 3 号機 住民、3 月末に行政・民事の 2 本立てで提訴へ

市民団体「さよなら島根原発ネットワーク」のメンバーらが 18 日夜、松江市内で会合を開き、建設中の中国電力島根原発3号機(松江市)に関する二つの訴訟を、来年 3 月末をめどに松江地裁へ起こすことを決めた。 島根、鳥取両県を中心に 1,000 人規模の原告団での提訴を目指し、来月から原告も募集する。

今年 9 月にあった同ネットの総会で、提訴の方針を明らかにしていた。 二つの訴訟は、中国電を相手取り運転差し止めを求める民事訴訟と、国が出した 3 号機の原子炉設置許可の無効確認を求める行政訴訟。 行政訴訟は許可取り消しの提訴期限(許可から 1 年以内)を過ぎているため、取り消しよりもハードルが高い無効確認を求める訴訟になる。

 同ネットの水野彰子弁護士(島根県弁護士会)は、「福島第1原発事故を考えると、原子力を推進し、安全審査をかやの外に置いてきた国の責任を追及しなければならない」と話す。 今後、両県の弁護士が弁護団を作る。

島根原発を巡っては、耐震安全性を争点に周辺住民ら約 90 人が中国電に 1、2 号機の運転差し止めを求めた民事訴訟を起こしている。 10 年 5 月の 1 審・松江地裁判決では、「島根原発が安全性に欠け、住民に具体的な危険があるとは認められない」として、住民側の請求を棄却。 現在、広島高裁松江支部で控訴審が争われている。 (目野創、mainichi = 12-20-12)


川本の応援大使に 7 人 堀田力さんほか 島根

島根県川本町は、定住者確保へ町の PR をしてもらう「応援大使」に、検事時代ロッキード事件を捜査したさわやか福祉財団(東京)理事長の堀田力さん (78) たち 7 人を任命した。 町が名刺や町のイベント、観光情報を提供。 知名度アップと将来の U・I ターン候補者の「川本ファン」確保の役割を担ってもらう。

堀田さんは母親が町出身で三宅実町長の遠縁にあたる。 三宅町長は、上京した 11 月に面会し大使就任を打診した。 「司法試験を受験したころ川本町に滞在した。 静かでいい町だったので応援したい。」と快諾してもらったという。

ほかの 6 人は、首都圏で学習塾を経営する町出身者、町に知人がいる福岡市内の会社員のほか、町外で仕事をする機会が多い町民たち。 町は 9 月から大使を募集していた。 今後も募集を続け、順次任命する。 町政策推進課 = 電話 0855 (72) 0634。 (中国新聞 = 12-16-12)


複数の人が乗った船が漂流 島根沖の日本海 北朝鮮船か

11 日午後 1 時 40 分ごろ、島根県・隠岐諸島の北東 140 キロの日本海で、複数の人が乗った不審な船が漂流しているのを、パトロール中の海上保安庁の航空機が見つけた。 船上には手を振っている人影があり、第 8 管区海上保安本部が救助のため巡視船 3 隻を派遣した。

海保によると、船は灰色で全長約 20 メートル。 木造とみられる。 エンジンで走っている様子はなく、船体に文字らしきものが書いてあったが、どの国の言葉か判別できなかった。 周辺で救難信号を発した船はなく、海保は北朝鮮の船の可能性もあるとみている。 (asahi = 12-11-12)


だんだんフェスタ : 松江商生 "ビジネス" 挑戦 きょうから

県立松江商業高校(松江市浜乃木 8)で 8、9 日、「松商だんだんフェスタ」が開かれる。 魚や野菜などの生鮮品、雑貨、スポーツ用品など約 2,000 種の商品が売り出される。

授業で学んだビジネスの知識を役立てようと初めて企画された。 生徒や教員たちは 1 人 3,000 円を "出資" し、仮想の株式会社を設立。 生徒たちが企画運営に携わり、商品の仕入れから販売、広報などを手がけた。 園芸店や青果店、ベーカリーなど約 20 店舗が並び、フードコートや小学生向けのビジネススクールも開校する。

"取締役社長" の広江睦美さん(3 年)は「積み重ねてきたものが形になるのはうれしい。 全国の高校生が開発した商品も集めた。」と魅力を語る。 両日とも午前 10 時 - 午後 3 時。 問い合わせは、同校 (0852・21・3261)。 (宮川佐知子、mainichi = 12-8-12)


メガソーラー事業者決まる 島根県が公募

【藤家秀一】 県が公募していた松江、出雲市にある県有地 4 カ所での大規模な太陽光発電(メガソーラー)の事業者が決まった。 すべてで発電が始まると、一般家庭約 2,500 世帯分の年間消費電力がまかなえるという。 地域政策課によると、事業者が決まったのは、松江市側が「宍道湖流域下水道東部浄化センター(竹矢町)」、出雲市側は「西部浄化センター(大社町)」、「湖陵病院跡地(湖陵町)」、「河下港臨海工業団地(小津町)」。

9 社から応募があり、書類審査などによって安来市の建設会社など県内 3 社、広島県の 1 社に決まった。 県の計画では、4 カ所合わせた出力は 9,341 キロワットで、県は年間 2,840 万円の賃貸料を見込む。 各事業者は発電設備を建設したうえで、2013 年 7 月から 14 年 10 月の間に操業を始める予定。 (asahi = 12-5-12)


島根県、東電に賠償請求へ 肉牛検査費など 1 億 2 千万円

【藤家秀一】 島根県は 30 日、福島第一原発事故で受けた損害への賠償として、東京電力に約 1 億 2,580 万円を請求すると発表した。 東日本ではすでに福島、宮城など 10 県が賠償請求しているが、西日本の府県では初めてという。

県によると、請求は、▽ 県産肉牛約 3,200 頭分の検査費約 5 千万円、▽ 肉牛用のえさとして緊急確保した県産稲わら約 2,600 万円、▽福島第一原発周辺で警備活動をした警察官(延べ 1,473 人分)の手当約 1,370 万円など 22 項目で、2011 年度末までの損害分。 4 日に県東京事務所で東電側に請求書を渡すという。

島根県では昨年 7 月、えさ用に仕入れた宮城県産の稲わらから、当時の国の暫定基準値の約 23 倍の放射性セシウム (134、137) が見つかり、稲わらを食べた牛の肉からも微量のセシウムを検出した。 県内の JA でつくる「東京電力原発事故農畜産物損害賠償対策県協議会」は、風評被害で県産牛肉の価格が下がったとして、11 年 9 月 30 日から今年 11 月 30 日までに計 11 回、総額約 15 億円を東電に請求している。 (asahi = 12-1-12)


「居酒屋正二」いざ街おこし 松江

松江市島根町の 30 - 50 代の有志が「島根町を愛する集団 居酒屋正二」を立ち上げた。 来春初めて催す映画の上映会に向け、準備を進めている。 町内に U ターンした建設会社長の紅花(こうか)昌秀さん (39) を代表に、工務店を営む梶野孝彦さん (43) ら 7 人。 町で毎年開かれるサマーフェスティバルの実行委員なども務め、「より気軽に地域おこしに関われる場を」との思いで結成した。

団体名は、皆が映画好きなことなどから「居酒屋兆治(高倉健主演)」とメンバーの名前を合わせた。 「島根町を愛する人」なら誰でも参加できる。 活動の第一弾に選んだのは、岐阜県東部の恵那市を舞台にした「ふるさとがえり」の上映。 美しい自然や消防団活動を背景に、「ふるさとの平和を守る」と約束した少年たちが大人になって繰り広げる物語で、全国で鑑賞されている。 「風景や人が町と重なって見え、ふるさとを考える共通の話題にしたいと思った」という。

今月 9 日には林弘樹監督を招き、町内で試写会を開いた。 中学生を含む住民約 50 人を前に、林監督は「集落を回って子どもの頃の話を教えてもらい、おもちゃのブロックを組み立てるように物語を作った」などと説明。 大人たちは深夜まで、ふるさと談義もした。 紅花さんは「町が元気になるか、どうかは今が大事な分岐点」と話し、今後はまち作りのアイデアも募るとしている。 (斉藤智子、asahi = 11-26-12)


Ruby、島根県内で存在感 138 件のシステム開発

松江市発のプログラミング言語「Ruby (ルビー)」が存在感を増している。 世界的な普及を背景に、島根県内のルビーによるシステム開発件数やエンジニア数も増加。 「本場」の同市へ企業進出も相次いでいる。 ルビーは松江市在住のプログラマーまつもとゆきひろさん (47) が 1993 年に開発。 無料で使用でき、簡単な記述でプログラムできるのが特長。

県情報産業協会(松江市)によると、県内のIT企業 54 社の 2011 年度のシステム開発件数は 587 件で、うちルビー関連が 138 件。 全体の件数が 10 年度比で 31 件減る中、ルビー関連は 13 件増えた。 ルビーのエンジニアは 215 人で 10 年度比 26 人増、08 年度比では約 3 倍に増えた。

「ルビーの仕事の割合が昨年比で 2 割増えた。 県外からの仕事も多い」とシステム開発のワコムアイティ(松江市)の今岡克己社長。 「まつもとさんが松江にいることで技術者が最新情報に触れられ、営業でも『本場』のイメージを打ち出せる」と指摘する。 県外から同市への企業進出も続く。 2 月と 4 月、東京と名古屋市の IT 関連会社が拠点を開設。

ルビーは 4 月、国際標準化機構 (ISO) などの国際規格として承認。 ニュージーランドの会社が毎月発表する人気ランキングでも、世界の主要な 150 言語の中で 10 位前後を維持する。 (中国新聞 = 11-23-12)