原発事故で温室効果ガス増加 11 年度 3.9% と環境省

環境省は 5 日、2011 年度の国内の温室効果ガス排出量(速報値)が二酸化炭素 (CO2) 換算で 13 億 700 万トンとなり、10 年度より 3.9% 増えたと発表した。 東京電力福島第 1 原発事故で、原発が一部を除いて止まり、火力発電が増えたことが主な理由。

ただ、長浜博行環境相は、ドーハで開催中の気候変動枠組み条約第 18 回締約国会議の会場で記者団に、08 - 11 年度の 4 年間で考えた場合、京都議定書の第 1 約束期間の目標を上回る削減水準になると指摘。 「これまでの実績を踏まえれば目標は達成可能だと思う」と述べた。 (kyodo = 12-5-12)


温室効果ガス濃度、過去最高 日本近海も酸性化

【前川浩之 = ジュネーブ、赤井陽介】 世界気象機関 (WMO) は 20 日、2011 年の地球の温室効果ガスの濃度が過去最高値を更新したと発表した。 産業活動による二酸化炭素 (CO2) の増加が続き、生態系への悪影響も懸念されるという。

発表された「温室効果ガス年報」によると、CO2 の世界平均濃度は、390.9ppm (ppm は 100 万分の 1)。 産業革命前の 1750 年と比べると 1.4 倍の計算だ。 産業革命以降、人類は炭素換算で 3,750 億トンの CO2 を排出したが、半分は海洋や森林に吸収されずに大気中に残っている。 温暖化を起こす効果を示す「放射強制力」は、1990 年からのここ約 20 年で 3 割増した計算になるという。

WMO のミッシェル・ジャロー事務局長は会見で「CO2 を吸収した海洋は酸性化し、水中の食物連鎖やサンゴ礁などに影響しかねない。 より精密な監視能力を高め、科学的知見を深めることが必要だ。」と訴えた。 (asahi = 11-21-12)


100 年後、パンダの食料は? 温暖化でササ消滅の恐れ

【杉本崇】 絶滅危惧種のジャイアントパンダが生息する中国内陸部で、主食のササが地球温暖化のために今世紀中に消滅する恐れがあるとの研究結果を、米中の合同研究チームが英科学誌「ネイチャー・クライメートチェンジ」に発表した。

研究チームは、パンダの生息地の 4 分の 1 の広さを占める中国の秦嶺(しんれい)山脈で、主食の 3 種類のササについて気候変動の影響を調べた。 「気候変動に関する政府間パネル (IPCC)」の予測モデルと現地の気象条件から、温暖化でササの繁殖がどう変わるか分析した。 すると、ほとんどのシナリオで、21 世紀末までにササが急減することが分かったという。

パンダは 1 日に 38 キロのササを食べる。 それに対してササはおおむね数十年に一度しか花を咲かさず、環境の急変に対する適応が難しいという。 研究チームは「代わりの食料が見つからなければ、この地域の生息地が消滅する恐れがある」としている。 (asahi = 11-17-12)


LIXIL、環境省から「エコ・ファースト企業」に認定、環境保全活動の目標を宣言

LIXIL と子会社は、環境の先進的な取り組みで業界をリードしていると環境省が認める「エコ・ファースト制度」で同省から「エコ・ファースト企業」に認定された。 環境保全活動に関する目標「エコ・ファーストの約束」を環境相に宣言した。 CO2 を削減する製品・サービスの提供や、低炭素、資源循環、自然共生につながる事業運営を掲げた。

エコ・ファーストの約束で LIXIL は、高性能な断熱サッシ・ドア、節電・節湯機能を高めた製品開発・販売で CO2 排出量削減に貢献し、2015 年度までに 2010 年度比で 2 倍にする、とした。 事業活動では、調達・製造から廃棄までのエネルギー消費を最小限にして低炭素化を進め、2020 年度の国内事業所の CO2 排出量で 1990 年度比 60% 削減を目指す。

資源循環については、廃棄製品に含まれる金属原料の高度選別技術の実用化を進め、原材料に占めるリサイクル原料の比率をさらに高めるほか、住宅リフォーム廃材を再資源化する事業を東北地区でも 2012 年度に始める。 自然共生では、木質材料調達量の中で認証材、国産材と木質端材・廃材を原料にした加工材の比率を 2015 年度までに 80% にする。

さらに、製造拠点がある地域の生物多様性と森林の保全を目的に、社員と家族が近隣住民や地方自治体などと森林整備や間伐、植樹などを行う活動を推進。 2015 年までに新規拠点を加える。 エコ・ファースト企業は 2008 年 4 月に始まり、業界を代表する企業が環境相と環境保全の約束をしている。 LIXIL が加わったことで認定企業は 41 社になった。(日経 BP P環境経営フォーラム、ECO Japan = 10-31-12)


巨大風車、千葉沖に完成 高さ 126 メートル

洋上発電が年明け稼働

海岸や沖合に風力発電機を設置する「洋上風力発電」の巨大風車が、千葉県銚子市の沖合約 3 キロに完成し、報道関係者に 22 日公開された。 海面からの高さは約 126 メートル、風車の直径は約 92 メートル。 出力は約 2,400 キロワットで、沖合に設置された本格的な洋上風力発電では国内最大となる。

東京電力や新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO) などの実証実験で、風車内部の設備を調整し、来年 1 月にも発電を始める。 政府は原発の代替として再生可能エネルギーの拡大を目指しており、研究成果を民間に提供して洋上風力発電の開発を促す。 今回の発電設備は、深さ 12 メートルの海底に土台を設置した「着床式」で、海底ケーブルで陸地に送電する。 約 300 メートル離れて観測タワーが設置されており、約 2 年間、風向きや風の強さと発電量の関係などを調べる。

洋上風力発電は、陸上より風力が安定しており騒音の心配も少ないため、世界的に開発が進んでいる。 国内でも研究設備や開発計画が増え、一部は実用化された。 国内では遠浅の海が少ないため、着床式の発電機は海岸に建設されることが多く、今回のように沖合に設置されるのは珍しい。 海上に発電機を浮かべる「浮体式」では、今年 8 月、長崎県・五島列島の椛島沖で、出力約 100 キロワットの試験機が発電を始めた。 (kyodo = 10-22-12)

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国内最大級の洋上風力発電 山口沖、16 年春から売電へ

準大手ゼネコンの前田建設工業(東京)が、山口県下関市沖に洋上風力発電施設を建設する。 出力は 60 メガワット。 同社によると、稼働時では国内最大級という。 2016 年春から売電を始める予定。

同市安岡の響灘の沖合 1 - 2 キロに、発電機 20 基を設ける。 総事業費は 250 億円。 風車の支柱を海底に取り付ける「着床式」で、15 年春に 10 基、翌年に残り 10 基を着工。 完成後に中国電力へ電気を売る。 売電収入は年 35 億円と見込む。 同社はこれまで 1 年間、現地を調査。 「収益が見込める風の強さがあり、海底も遠浅で建設に適している(広報)」と判断した。 (asahi = 10-15-12)

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メガソーラー発電所建設ラッシュの蔭で、徐々に広がる風力発電所

固定価格買取制度の施行により注目を集める再生可能エネルギー。 メガソーラー発電所の建設ラッシュなどで太陽光発電ばかりが話題に上るが、活発とは言えないものの風力発電所についても各地で建設が始まっている。

もっとも風力発電所の建設に積極的と言えるのは電源開発 (J-POWER) であろう。 9 月 21 日には、100% 出資する事業会社を通じて、「南愛媛風力発電所(仮称)」の建設工事を開始したと発表。 国内最大級の風力発電機(2,400kW 級) 9 基を愛媛県宇和島市の山林に設置する計画で、四国で最大級、J-POWER にとっては四国で初の大規模風力発電所となるものであり、平成 26 年 9 月の運転開始を目指しているとのこと。

さらに、9 月 25 日には「上ノ国ウインドファーム」の建設工事開始を発表。 北海道では 5 地点目の風力発電所となるもので、平成 26 年 3 月の運転開始を目指しているという。 これにより J-POWER が国内で手掛ける風力発電事業は 20 地点、総出力は 400,860kW になるという。

また、住友商事の 100 パーセント子会社であるサミットエナジーは、エンタープライズ秋田と共同で、秋田県男鹿市において 28.8MW の風力発電所を新設すると発表。 本年 10 月に着工し、2014 年末の完工を予定しているという。 住友商事はこれまでも、茨城県鹿嶋市および山形県酒田市所在の二か所の風力発電所も運営しており、本件が 3 件目となる。

経済産業省資源エネルギー庁が発表したデータによると、再生可能エネルギーによる発電は、2012 年度において 4 月から 8 月末までに約 68 万 kW が導入済み。 その内の 9 割以上が太陽光発電となっている。 さらに、8 月末までに認定を受けた設備容量に関しても、合計 130 万 kW の内 72.5 万 kW が非住宅における太陽光発電であり、住宅を含めると 100 万 kW 以上であるなど偏重が顕著である。

太陽光発電に次いで多いのが風力発電であり、他の再生可能エネルギーはこの 2 つと比較すると無いも同然である。 しかし、太陽光発電や風力発電などの気候に左右される発電方法ばかりが増加するのは、将来的に大きな問題となる可能性を孕んでいるであろう。 地熱やバイオマスなど、他の発電方法への取り組みが活発になることを期待したい。 ((サーチナ = 9-30-12)

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洋上風力発電、計画続々 政府、原発 8 基分の目標

海の上に風車を立てて発電する「洋上風力発電」が広がろうとしている。 電機メーカーなどが次々に参入。 「脱原発依存」を掲げる政府も、2030 年までに洋上風力の発電能力を原発 8 基分にする目標を掲げた。 「適地」はほぼ無限に広がるが、陸上の 1.5 倍超という建設費をどこまで抑えられるかが普及のカギになる。 (asahi = 9-12-12)


絶滅危惧、世界で 2 万種に COP11 に合わせ更新

国際自然保護連合(IUCN、本部・スイス)は 17 日、絶滅の恐れがある世界の動植物を掲載した「レッドリスト」の最新版を公表した。 6 万 5,518 種を評価し、そのうち 2 万 219 種を絶滅危惧種とした。 IUCN はリストを年 1 回ほどのペースで見直してきたが、今年は 6 月の「国連持続可能な開発会議(リオ + 20)」に続き、インド・ハイデラバードで開催中の生物多様性条約第 11 回締約国会議 (COP11) にも合わせて改訂した。 絶滅危惧種は前回から 402 種の増加。 10 年前に比べると、9 千種あまり増えている。 (asahi = 10-17-12)


ドイツの電気代、7 千円値上げ 自然エネ急増、来年から

【ベルリン = 松井健】 ドイツの家庭の電気料金が来年から大きく値上がりする。 標準家庭で年間で少なくとも約 8%、70 ユーロ(約 7 千円)値上がりする見通しだ。 太陽光など自然エネルギーによる電力の導入が想定以上に進み、そうした電力の普及を促進してきた買い取り制度に必要な費用も増え、電気料の上乗せ分が増えるためだ。 電気を多く使う企業の負担が軽減される仕組みが「不公平だ」とする反発も強まりそうだ。

送電事業者が 15 日、「再生可能エネルギー法賦課金」の来年の金額を 1 キロワット時あたり 5.277 セント(100 分の 1 ユーロ)と発表した。 賦課金は、太陽光などによる電力を市価より割高な価格で買い取り、差額を電気料金へ上乗せする額。 今年は 3.59 セントのため、約 50% 増になる。 年間 3,500 キロワット時を使う家庭の負担増は付加価値税も含め約 70 ユーロ。 他に送電網使用料なども上がる見通しで、全体で約 10% の値上がりが予想される。

全発電量の 20%

中国企業の参入などで近年、発電パネルの価格が大幅に下落。 一方、電力買い取り額の下げ幅は小さく、パネルを設置する人の経済的メリットが拡大した。 このため、独ソーラー事業連合会によると、2008 年に 1,940 メガワットだった新規導入量は、10 年に 7,400 メガワットと急増。

東京電力福島第一原発事故を受けドイツが 22 年までの脱原発を決めたことも拍車をかけ、11 年は 7,500 メガワット、12 年も 8 月までに約 5,250 メガワットに。 自然エネルギーの発電は 11 年に全発電量の 20% に達した。 買い取りに必要な費用が拡大して消費者の負担増につながることになった。

制度見直し論も

欧州連合 (EU) 統計局によると、ドイツの平均電気料金は 100 キロワット時あたり 25.3 ユーロで、EU 27 カ国平均の 18.4 ユーロを上回り、デンマークに次いで高い。 ただ、脱原発と自然エネルギー中心の電力構造への転換に対する国民の支持は高いままで、今月の世論調査でも 69% が「脱原発は正しい」と答えている。 また、電気料金の値上がりについて、38% が「50 ユーロ」、29% が「100 ユーロ」を受け入れると答えた。

一方で、賦課金の負担を巡る不公平感も強まっている。 自然エネルギー促進にかかる費用を電気利用者がみんなで負担しようというのが本来の趣旨。 だが、「国際競争上不利にならないように」との理由で、鉄鋼や化学産業など大量の電気を使う企業への賦課金は割り引かれ、その分を一般家庭や中小企業が肩代わりしているからだ。

さらに、メルケル政権は昨年の脱原発決定後、電気料金上昇に不満をもらす産業界に配慮し、割引の対象となる条件を緩めた。 その結果、割引を申請する企業が倍以上の約 2 千社に急増した。 こうした仕組みを「不公正」だとして、返還訴訟を起こした企業もある。

日本でも値上げの恐れ?

【福山崇】 日本でも 7 月から太陽光などの自然エネルギーを増やすため、新しい固定価格買い取り制度が始まった。 自然エネを電力会社が買い取った費用を電気料金に上乗せするのはドイツやスペインなどと同じだ。 太陽光は 1 キロワット時あたり 42 円が上乗せされるなど買い取り価格は固定され、10 - 20 年間買い取る。 自然エネ発電会社が損をしないように、ほぼ発電会社が求める価格になった。

経済産業省の試算では、月 7 千円の電気代を払っている家庭では、年間 1,044 円の値上げになるという。 さらに普及が進んで自然エネ発電会社が増えていけば、その分、全体の買い取り費用が増えて電気料金も上がるおそれがある。 このため、経産省は来年度以降に参入する会社向けの買い取り価格は毎年見直しをして引き下げるつもりだ。 枝野幸男経産相は「ドイツなどの実績を参考にする」と述べ、できるだけ料金への上乗せを抑える考えを示している。 (asahi = 10-16-12)

再生可能エネルギー法賦課金〉 ドイツは 2000 年、自然エネルギーの発電を促進するため、太陽光などで起こした電力を 20 年間、固定価格で買い取る制度を導入。 送電事業者が買い取る価格は市場価格よりも割高なため、差額は電気料金に賦課金として上乗せされる。 この結果、自然エネルギー導入が爆発的に増える一方、消費者の負担額も増えている。


CO2 減「過大に試算」 家電エコポイント、検査院指摘

【金子元希】 家電エコポイント制度による二酸化炭素 (CO2) 排出量の削減効果を会計検査院が独自に試算すると、年間 21 万トンにとどまり、政府がこれまで示してきた結果の 8% にすぎなかった。 また、家電を新たに買ったことで排出量が増えた面もあるという。

家電エコポイントは 2009 年 5 月に開始。 エアコン、冷蔵庫、地上デジタルテレビで省エネ効果が高いとされる製品を買うと 1 点 = 1 円に換算できるポイントを得られた。 11 年 3 月まで続き、この間、環境、経済産業、総務 3 省は計約 7 千億円の予算を組んだ。 環境省は当初、CO2 削減効果を年間 400 万トンと公表したが、計算の粗さを指摘され、11 年 6 月に 273 万トンに改めていた。 (asahi = 10-15-12)


福島の農家「農業と原発、両立できぬ」 生物多様性会議

【ハイデラバード = 神田明美】 インド・ハイデラバードで開かれている国連生物多様性条約第 11 回締約国会議 (COP11) の関連イベントで、福島県で有機農業に携わる男性 2 人が 11 日、東京電力福島第一原発事故が農業に与えた影響を報告した。 農業は土や水を通して生態系の保全と関係が深く、「農業と原発は両立できない」と訴えた。

参加したのは喜多方市の農家浅見彰宏さん (43) と、福島市の農業研究者長谷川浩さん (51)。 COP11 では政府間の協議と並行して、各国の NGO などが参加するイベントも開かれており、その一つに日本の NGO 「国連生物多様性の 10 年市民ネットワーク」が 2 人を誘った。 浅見さんは脱サラして 1996 年に喜多方市に移り、有機農業を続けてきた。 発表では「私の仕事は土と水、家族、私の作物を買ってくれる人の安全を守ること」と自己紹介した。 (asahi = 10-12-12)

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東電に「地球に最も悪影響」賞授与 ドイツの環境団体

ドイツの環境保護団体「エテコン倫理 & 経済基金」のアクセル・ケーラーシュヌラ会長らは 25 日、福島市内で記者会見し、「2011 年に地球に最も悪影響を与えた企業」として東京電力に「ブラックプラネット賞」を授与すると発表した。

同基金は 06 年から、地球環境に貢献した人や団体に贈る賞と同時に、環境破壊を招いた企業や責任者を批判するブラックプラネット賞を公表している。 ケーラーシュヌラ会長らは 27 日の東電の株主総会の会場を訪れ、黒く汚れた地球儀を模したトロフィーを東電の新旧社長らに贈る考えという。 (asahi = 6-25-12)


世界の地下水、枯渇の恐れ たまる量の 3.5 倍消費

世界の地下水について調べたところ、農業などに使われている量は、雨水がしみ込むなどしてたまる量の約 3.5 倍に上り、過剰に利用されている実態がわかった。 インド・パキスタン両国のガンジス川上流は 54 倍、今夏に記録的な干ばつが問題となった米国中央部では約 9 倍の水をくみあげていた。 調査したカナダや日本の研究者らは「枯渇の懸念が高まっている」と警告している。

世界各地には地下水を蓄えている地層「帯水層」が広がり、そこからくみ上げて農業などに利用している。 カナダ・マギル大のトム・グリーソン准教授やオランダ・ユトレヒト大の和田義英研究員(水文学)らの研究グループは、世界の主な帯水層計 783 カ所、計 3,827 万平方キロについて 1 年間の地下水の収支を調べ、英科学誌ネイチャーに発表した。

各地域の降水量や気温、河川への流出量、蒸発量などをもとに地下への補給量を計算。 農作物別に灌漑などに必要な水量を推計、経済指標や国別の 1 人当たりの水利用量なども考慮して工業用水や生活用水も加え、消費量を調べた。

その結果、インドとパキスタンにまたがって広がる帯水層があるガンジス川上流域(48 万平方キロ)では消費量が補給量の約 54 倍、米国中央部の穀倉地帯グレートプレーンズに広がるハイプレーンズ帯水層(約 50 万平方キロ)では 9 倍に上った。 中国・黄河一帯の帯水層は 7.9 倍、6 万平方キロの南カスピ海地域は 100 倍近くも使っていた。

783 カ所のうち、20 倍以上使うところが 39 カ所、10 倍以上 20 倍未満の帯水層も 21 カ所。 取水の過剰ぶりが目立つのは、人口増加などで食料需要が増えて灌漑農業が拡大していたり、中東など雨が少なくて地下水の回復力が低かったりする地域だった。

過去からの蓄積量はほとんど分からず、いつ枯渇するかを予測するのは難しいが、和田研究員は「数十年内に枯渇状況に陥る帯水層も出てくることが考えられる」と話している。 日本の帯水層も 7 カ所で調査。 関東平野の帯水層(約 2 万平方キロ)は約 1.2 倍、大阪平野(約 3,800 平方キロ)は約 1.9 倍だった。 (森治文、asahi = 10-3-12)


シェールオイル、試験採掘に成功 秋田で国内初

石油開発大手の石油資源開発は 3 日、秋田県由利本荘市にあるガス田の泥岩層から、石油(シェールオイル)を掘ることに成功したと発表した。 シェールオイルは、すでに米国などで商業生産が本格化しているが、日本で掘り出されるのは初めてとなる。

オイルが出たのは、由利本荘市の「鮎川油ガス田」の深さ約 1,800 メートルにある「頁岩(けつがん = シェール)」と呼ばれる泥岩層。 同社は 1 日から商業生産に向けた試験採掘として、塩酸などをポンプで送り込んで周りの石灰岩を溶かす作業を開始。 3 日朝、溶かしてできた隙間からごく少量のオイルを採ることに成功した。

シェールオイルは、地中深くの岩盤に含まれている原油のこと。 今までは技術的に掘ることが難しかったが、近年の採掘技術の進化で、新たなエネルギー資源として注目されている。 石油資源開発は試験採掘が成功したことで、今後、商業生産に向けた準備を進める。 国内でのシェールオイル開発に弾みがつくことで、日本全体のエネルギー自給率の向上につながりそうだ。 (asahi = 10-3-12)

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「シェールガスは環境破壊」 レノンさんら開発反対運動

ビートルズの故ジョン・レノンの息子でミュージシャンのショーン・レノンさんと母のオノ・ヨーコさんらがシェールガスの開発に反対する運動を始め、多くのアーティストが賛同している。 シェールガスは環境を破壊する「汚いエネルギー」だと主張している。

レノンさんらは先月末、ニューヨークで会見。 シェールガスを取り出すための「水圧破砕」が環境破壊をもたらすとして、ニューヨーク州で進む開発計画を許可しないよう州知事に働きかけていることを明らかにした。 賛同するアーティストは約 150 人に上り、レディー・ガガさんやポール・マッカートニーさんら大物もいる。 (asahi = 9-3-12)


福島で地熱発電 「自分たちで活気を」 土湯温泉

東日本大震災の後、客足が落ちたままの福島市の温泉街が、源泉の熱を使った地熱発電に乗りだす。 売電の利益で自然エネルギーの体験教室を展開する計画だ。 2014 年までの発電開始をめざし、10 月に観光業者らが会社を設立する。

福島市郊外の土湯温泉。 大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で客が減り、16 軒あった旅館のうち 6 軒が休廃業に追い込まれた。 10 年度に約 40 万人だった利用客は 11 年度は約 20 万人に半減。 今年度も好転していない。 旅館などでつくる温泉協同組合が事態打開に向け昨秋からあたためてきたのが地熱発電計画だ。 今年 7 月に自然エネルギーの固定価格買い取り制度が始まったことも追い風に、同組合や NPO 法人が出資し会社をつくることが決まった。 (asahi = 9-18-12)

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宮城は潮流、岩手は波力 … 被災地で自然エネ発電を開発

東京大や東北大などのグループが、東日本大震災の被災地で潮流や波の力を使った発電の実験に乗り出した。 実験に使う装置の製作を地元企業に依頼することで、被災地の支援につなげる狙いもある。 2014 年度ごろには試験的な電力供給を始める予定だ。

研究グループの丸山康樹・東大生産技術研究所客員教授によると、潮の流れを利用してタービンを回す潮流発電の研究は、宮城県塩釜市沖の「寒風沢(さぶさわ)水道」で実施する。 規則的な潮流が発電に適しているという。 すでに地元での説明会も開いており、「日本三景」松島の景観にも配慮しながら開発を進める方向だ。

岩手県久慈市の久慈湾では、船舶用のかじを利用した波力発電の実験をする。 波の力を受けたかじが、振り子のように動くことで発電する仕組みだ。 台風などによる大きな波が少ない場所が理想的で、今年度は湾に入る波の高さなどを細かく調べるという。 (asahi = 9-17-12)


南極のオゾン層回復の兆し 国連「軌道に乗りつつある」

紫外線をさえぎって、皮膚がんなどのリスクを減らすオゾン層に回復の兆しがあることがわかった。 国連の世界気象機関 (WMO) が 14 日、オゾン層破壊の原因となるフロンガスなどを規制する国際的な枠組み「モントリオール議定書」の採択から 25 周年を迎えるのを機に発表した。 (asahi = 9-16-12)


鳥の翼ヒントに弱点克服 小型風力発電機、被災地で活躍

鳥の翼にヒントを得た家庭向けの風力発電機が、東日本大震災の被災地で活躍している。 開発したのは奈良県天理市の研究者。 再生可能エネルギーに注目が集まる中、これまでの発電機の弱点を克服し、量産に向け協力企業を募っている。

津波で 2 千戸余りが全壊・流失、630 人以上が死亡・行方不明になった宮城県山元(やまもと)町。 公民館の脇で、直径 3 メートル、高さ 1.5 メートルの「鳥翼(とりよく)風車」が回る。 起こした電気で住民らはカラオケを楽しんでいる。 垂直に立つ回転軸の周囲に翼を 6 枚付けた構造。 翼は緩やかな曲線状で、薄く軟らかい高分子材の板をブラインド状に連ねている。 (asahi = 9-2-12)


クロマグロ養殖量、規制へ 水産庁、新設・拡大認めず

水産庁は来年 9 月から、国内でのクロマグロの養殖量を初めて規制することにした。 ほとんどが天然の稚魚を使っているため、乱獲をおさえるねらい。 養殖クロマグロは回転ずしや刺し身で食べられており、規制が始まれば、これらの値段に影響する可能性もある。

海での養殖は都道府県知事が漁業権を認可しており、来年 9 月に全国で 5 年ごとの認可の更新がある。 今年 6 月、水産庁は都道府県知事に対し、更新の際、クロマグロの養殖施設を新しくつくったり拡大したりするのを認めないよう通知を出した。 今月 29 日には、東京都内でクロマグロの資源管理に関する全国会議を開き、関係者に説明する。 (asahi = 8-25-12)


日本製紙、エネルギー事業に本格参入 事業構造転換図る

文書の電子化などで国内の紙市場が縮小傾向にあるなか、業界 2 位の日本製紙グループ本社は、売電などのエネルギー事業に本格参入する。 製紙業で培った木材利用や発電の技術を生かして、事業の構造転換を図る。

エネルギー事業への参入は資産を最大限に活用する発想から生まれた。 中期計画(2012 - 14 年)でも、力を入れる新規事業として位置づけた。 5 月に電力の小売りができる特定規模電気事業者 (PPS) の認可を受け、7 月にはエネルギー事業部を新設した。 日本製紙は、民間で全国 2 位の広さがある社有林、約 9 万ヘクタールをもつ。 政府が示した再生可能エネルギー買い取り制度を追い風に、木材を紙の材料としてだけでなく、発電のエネルギー源として利用する。 (asahi = 8-20-12)


「海の健全度指数」、日本は 11 位 国際環境 NGO 発表

漁獲や水の汚れ、生物多様性などから総合評価した「海の健全度指数」を計算すると日本は 11 位 - -。 こんな結果を、国際環境 NGO コンサベーション・インターナショナルなどがまとめ、16 日付英科学誌ネイチャー電子版で発表した。

世界人口の 4 割以上が沿岸部に住み、人口増で海への依存が高まるとの見通しを念頭に、171 の国・地域の海について「持続可能な漁業」や「海岸の保全」、「水の清浄度」など 10 の目標を 100 点満点で採点。 世界の海の状態を総合評価し、政策決定に役立ててもらう初の試みで、点数が高いほど海洋資源を持続可能な形で活用していることになるという。 世界全体の総合点は 60 点だった。

最も点数が高かったのは、南太平洋の無人島、米国領ジャービス島(86 点)だったが、上位にはドイツ(4 位・73 点)やカナダ(9 位・70 点)など政治・経済が安定した先進国が並んだ。 一方、西アフリカの国々は点数が低かった。 (asahi = 8-17-12)


温暖化、グリーンランドの氷とける JAXA 解析

宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の水循環変動観測衛星「しずく」が、グリーンランドの氷がとけている様子をとらえた。 その画像から、南部は内陸までとけているなど、融解は広範囲に及んでいることがわかった。 氷床上にも研究者が入り、宇宙からの目と連携して氷の状態を調べる。

温暖化で氷の融解が進むグリーンランド。 その氷床を 3 - 9 日に観測、JAXA 地球観測研究センターが解析した。 とけている日数を色の違いで表している。 青色が濃いほどとけている日数が多い。 解析した直木和弘研究員は「南部は標高の高い内陸まで広くとけている」と説明。 同じ期間を調査した 2002 年以降では、とけていた領域が大きかった 02 年と 07 年に迫る広さだという。 「しずく」は 5 月に H2A ロケットで打ち上げられ、7 月に観測を始めた。 (asahi = 7-20-12)


風力枠、もう満杯寸前 自然エネ買い取り、1 日から

1 日に始まる「自然エネルギーの固定価格買い取り制度」で、電力会社が買い取る予定の風力発電が買い取り枠の 7 割に達し、しばらくして埋まってしまうことがわかった。 風力発電のための送電網が整わず、枠が増えないからだ。 新制度は自然エネを増やすため、電力会社に買い取りを義務づけるが、風力は早くも頭打ちになりつつある。

自然エネは電力会社が買い取り、その送電網を使って家庭や企業に送る。 ただ、風力は天候によって発電量が変わる。 利用者に届ける電力が安定しなくなるとして、風力だけは買い取り枠が設けられている。 朝日新聞の調べでは、電力会社は計約 430 万キロワットの買い取り枠を設けている。 原発 4 基分ほどの規模だ。 東京、中部、関西の 3 電力はそもそも風力発電に向いた場所が限られていて、枠を設けていない。

一方、枠を設けている各電力が買い取る予定の風力発電は約 300 万キロワットで、枠の 7 割に達している。 北海道電力は 56 万キロワットの枠のうち 52 万キロワットが埋まった。 東北電力は今年初めに 30 万キロワット分を新たに募集したところ、買い取り枠の約 3 倍の 324 万キロワット分の応募が殺到し、断らざるを得ない。 (asahi = 7-1-12)


停泊中の排ガスがゼロ ハイブリッド運搬船を公開

太陽光発電パネルとディーゼルエンジンを組み合わせたハイブリッドの自動車運搬船「エメラルドエース」が 25 日、三菱重工業の神戸造船所で公開された。 停泊中の排ガスをゼロに抑えることができ、約 2 カ月間の欧州向け航海の場合で、二酸化炭素に換算したガスの排出量を約 4% 削減できるという。

全長 199.99 メートル、全幅 32.26 メートルで、総トン数は約 6 万 200 トン。 6,400 台の乗用車を運搬できる。 甲板上に 768 枚の太陽光パネルを設置。 出力は、一般家庭の約 50 戸分に相当する約 160 キロワット。 発電分は、船底部に収められた約 32 万 4 千本のリチウムイオン電池に蓄電。 容量を上回った分は、船内の照明やエアコン、レーダーの計器などを動かすために使う。 (asahi = 6-26-12)


「グリーン経済」の理念、宣言に リオ + 20 が閉幕

ブラジル・リオデジャネイロで開かれていた「国連持続可能な開発会議(リオ + 20)」は 22 日夜(日本時間 23 日)、閉幕した。 環境と成長の両立を目指す「グリーン経済」の理念などを盛り込んだ宣言「我々が望む未来」を採択したが、先進国と途上国の溝が埋まらず、具体的な目標や政策に乏しい中身にとどまった。

国連によると、国連の会議としては過去最大級の約 4 万 5 千人が参加した。 ただ金融危機に揺れる欧州からはメルケル独首相やキャメロン英首相らの欠席が相次ぎ、オバマ米大統領も出席を見送った。 日本も野田佳彦首相に代わり玄葉光一郎外相が参加。 主な先進国で首脳が参加したのはフランスのオランド大統領だけとなった。

採択した宣言(成果文書)では、途上国と先進国が地球環境問題に取り組む際の原則「共通だが差異ある責任」を再確認。 有限な化石燃料を使って先に発展した先進国が、より大きな責任を負うとする途上国の主張を改めて盛り込んだ。 (asahi = 6-23-12)

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新興国台頭、国際社会の構図変化 中国、会議で存在感

欧州の債務(借金)危機が深まる一方で、中国など新興国の存在感が増している。 メキシコ、ブラジルで開かれた二つの国際会議でも、お金を出す側として期待が集まった。 米国発のリーマン・ショックから続く先進国の経済危機は、国際社会の秩序をじわじわと変えつつある。

「中国はほかの途上国に 600 万ドル(約 4 億 7 千万円)を支援し、砂漠化防止の技術や人材、森林保護の設備を提供します - -。」 ブラジル・リオデジャネイロで開かれている「国連持続可能な開発会議(リオ + 20)」の会場で 20 日、中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相が演説すると、会場から拍手がわいた。 温氏はさらにアフリカや後発開発途上国の気候変動対策として、2 億元(約 25 億円)の支援も約束した。 額は多いとは言えないが、中国は途上国どうしの「南南協力」と胸を張る。

温氏は 21 日には欧州の環境大臣らを集め非公開会合を主催。 「13 億人の就職と生活水準の向上なくしては何もできない」と途上国の立場を強調した。 「世界最大の途上国」と自称する中国は先進国に環境保護と成長を両立させるための技術やお金を求めている。 だが逆に、経済危機で支援を増やせない先進国に代わって援助する場面も増えている。 (asahi = 6-23-12)

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リオ + 20、グリーン経済めぐり溝 宣言作りに遅れ

ブラジル・リオデジャネイロで 20 日から開幕する「国連持続可能な開発会議(リオ + 20)」で、最大のテーマである「グリーン経済」移行をめぐる先進国と途上国の溝が埋まらない。 事前交渉は難航し、政治宣言の原案作りが遅れている。 13 日からリオで始まった事務レベル交渉。 15 日までの 3 日間で、首脳級による本会合で採択を目指す宣言案「我々が望む未来」を取りまとめるはずだった。 15 日時点で合意できたのは全体の 4 割弱。 議長国ブラジルが修正案を示し、なお調整が続く。

最大の争点は、持続可能な成長にかじを切る「グリーン経済」のとらえ方だ。 先進国側は、資源枯渇や人口爆発などに対処するには「すべての国が歩調を合わせる必要がある」と訴える。 特に欧州連合 (EU) は政策目標ごとに行程表を作り、移行を急ぐべきだと主張する。 (asahi = 6-19-12)


大気に CO2 出さぬ火力発電所 東芝開発、米で建設へ

東芝は、大気中に二酸化炭素を排出しない火力発電所を 2014 年に米国で建設する。 天然ガスに純粋な酸素を混ぜて燃やして純度の高い二酸化炭素を発生させ、そのまま地下に送り込む仕組み。 排ガスから二酸化炭素だけを取り出す技術はあったが、その手間やコストを省く逆転の発想だ。

天然ガスに含まれる元素は炭素 (C) と水素 (H) なので、酸素 (O) を混ぜて燃やせば二酸化炭素 (CO2) と水 (H2O) ができる。 空気には酸素が 2 割程度しか含まれないため、従来の発電所は排ガスに含まれる二酸化炭素が少なく、薬剤などで二酸化炭素だけを取り出してから地下に送る必要があった。

14 年に出力 2.5 万キロワットの小型施設を作り、17 年には 25 万キロワットの中型発電所を完成させる予定。 天然ガスを燃やしてできた二酸化炭素の一部は、再び燃焼器に送って循環させる。 残りの二酸化炭素は地中に送り、1 千年後でも 99% がそのままとどまると考えられている。 油田の地中に送れば地下の圧力が上がり、石油を効率よく採掘できる効果も期待できるという。 (上栗崇、asahi = 6-21-12)


電気料金、実質月 66 円値上げ 自然エネ買い取りで

経済産業省は 18 日、7 月から始まる自然エネルギーの固定価格買い取り制度で、買い取り費用として電気料金に上乗せされる金額を公表した。 月 7 千円の電気代を払っている一般家庭の場合、上乗せ額は全国平均で月 87 円。 ただこれには、すでにある家庭用太陽光の買い取り制度の上乗せ分 21 円が含まれているので、7 月以降の値上げ幅は実質 66 円になる。

上乗せ額は電気の使用量に応じて請求され、1 キロワット時あたり 0.22 円と定めた。 今も請求されている「太陽光発電促進付加金」の金額も含めると、毎月 300 キロワット時使う家庭の場合、全国平均で 87 円が上乗せされることになる。

自然エネルギーの発電費用は火力発電などと比べてまだ高いため、今回の買い取り制度は費用が上がる分を、電気の利用者に請求するしくみになっている。 経産省はこれまで全国で月 70 - 100 円程度が上乗せされると試算していたが、電力会社別に正式に決めた。 (asahi = 6-18-12)


大飯再稼働決定重なる日 … ろうそくの灯りに 4,500 人

電気を消して屋外でろうそくの明かりを楽しもうというイベント「100 万人のキャンドルナイト@増上寺 2012」が 16 日夜、東京都港区で開かれた。 午後 8 時から東京タワーの照明が消灯。 揺れる約 500 の灯のもとに約 4,500 人が集まった。 10 年目の今年は、くしくも大飯原発再稼働の決定と重なった。 主催者の藤田和芳さん (65) は再稼働には反対の立場。 「声高に反対を叫ぶものではないが、色々な人が参加できるスタイルを続けたい」と語った。 (asahi = 6-17-12)

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キャンドルナイト : 芝の増上寺、きょう / 東京

「電気を消してスローな夜を」と呼びかける環境イベント「100 万人のキャンドルナイト@増上寺(大地を守る会など主催)」が 16 日午後 4 - 9 時、港区芝公園 4 の増上寺で開かれる。 100 万人のキャンドルナイトは環境省と NGO が連携したキャンペーン。 今夏は 21 日の夏至と 7 月 7 日の七夕のライトダウンを呼びかけている。

今回はそれに先立つイベント。 東日本大震災の被災地の生産者らによる屋台が設けられ、ステージでは明星学園高校(三鷹市)の和太鼓部などが演奏する。 午後 8 時に近くの東京タワーが消灯するのに合わせ、カウントダウンが行われる。 問い合わせは大地を守る会六本木事務所 (03・3402・8841)。 (明珍美紀、mainichi = 6-16-12)


石油火力、27 年ぶり原発を逆転 11 年度の電力割合

電気事業連合会は 13 日、2011 年度の国内の電力(新規参入の電力や自家発電を除く)のそれぞれの割合を発表した。 原発は前年度の 28.6% から 10.7% に大きく下がり、7.2% だった 1977 年度以来の低い水準になった。 東京電力福島第一原発の事故後に止まっていったためだ。

原発の代わりに増やされた石油火力発電は前年度の 6.4% から 12.8% へ倍増した。 原発と石油火力が逆転するのは 84 年度以来 27 年ぶり。 石油火力は 77 年度には 63.2% を占めていたが、79 年の第 2 次石油危機などを機に減っていった。 また、液化天然ガス (LNG) を使う火力発電も前年度の 29.3% から 39.5% に伸び、国内電力で最も高い割合になっている。 太陽光や風力など新エネルギーは前年度の 1.1% からわずかに増え、1.4% になった。 (asahi = 6-14-12)


節電に脱「白熱電球」 政府が製造・販売自粛要請へ

細野豪志環境相は 12 日、家電量販店やスーパー、メーカーなどに対し、この夏の節電対策として、消費電力の大きい白熱電球の製造・販売を控えるよう、政府として要請する方針を明らかにした。 節電効果の高い LED (発光ダイオード)や電球型蛍光灯への切り替えを促すのが狙いだ。

閣議後の会見で細野環境相は「電力需給が逼迫することが見込まれるこの夏に向け、さらなる節電にチャレンジすべく、経済産業省、関係業界と共同で取り組んでいきたい。 (LED への切り替えを)しっかり要請することで効果はでてくる。」と述べた。

環境省と経産省が 13 日、照明機器メーカーや販売業者、消費者団体など 84 社・団体でつくる「省エネあかりフォーラム」に対し、両大臣名で要請する。 業界側も基本的に受け入れる見通しだ。 さらに政府は、この白熱電球自粛要請をきっかけに、「あかり未来計画」キャンペーンをスタートする。 節電と地球温暖化対策の観点から、消費者も含めた国民的な呼びかけを進める方針だ。 (asahi = 6-13-12)