中国・武漢出身の女性黄方さん (21) は福岡市内の縫製工場で働いている …

中国・武漢出身の女性、黄方さん (21) は福岡市内の縫製工場で働いている。 外国人技能実習生として 2 年半前、来日した。 東日本大震災を経験し、今夏は職場の仲間とともに節電に取り組んだ。 (西日本新聞 = 11-5-12)

  • できるだけ冷房を使わない。 電気製品の電源はこまめに切る。 あれこれ工夫していると、日本人の同僚から教えられた。 楽しみながら涼しさを感じられる物があるよ、と …

  • 初めて見た日本の風鈴。 音で暑さが和らぐ? と思ったが、試しに自作した風鈴をベランダに下げてみた。 チリン、チリン。 風がやさしく澄んだ音を奏でた。

  • 「肌だけではなく、耳でも風を感じることができるのですね。」 先月、同市で開かれた外国人実習生の日本語作文発表会で黄さんは壇上に立った。 「昔の日本人の知恵につくづく感心しました。」 滑らかな日本語だった。

  • 秋の虫の音をめでるのは、世界でも日本人くらいだという。 耳で涼を感じるのも、日本人らしい風情だ。 黄さんは働きながら日本語の勉強を熱心に続けている。 上司や同僚が夜更けまで付き合ってくれる。 日々の触れ合いの中で、縫製の技術だけでなく、日本的な感性も自然と身に付いたのかもしれない。

  • 黄さんたちは、徹底した愛国・反日教育を受けた世代だ。 「日本人は怖い」と身構えて来日する実習生もいる。 日本の本当の姿をよく知って帰国してほしい。 反日感情が渦巻く母国に、チリリン、と涼風を吹かせてくれればと願う。


賃金未払い : 白山・婦人服製造会社に「是正勧告を」 技能実習生、金沢労基署に申し入れ

白山市の婦人服製造会社で技能実習生として働く中国人女性 3 人が 31 日、規定以上の残業を強いられた上、未払い賃金があるとして同社に対して是正勧告するよう、金沢労働基準監督署に申し入れた。 今年 8 月、技能実習生の支援をする「外国人研修生権利ネットワーク・福井(福井市)」に 3 人が支援を求めた。 同ネットワークによると、3 人は 09 年 11 月に来日し、12 月から 1 年間は研修生として、その後の 2 年間は技能実習生として縫製の仕事に携わり、在留期限は 11 月 18 日。

同ネットによると 3 人は、休憩時間内に働く「内職」を強いられたという。 また、残業代も最低賃金以下の報酬しか支払われなかったなどとして、3 年間の未払いの賃金が少なくとも 1 人当たり 270 万円以上ある、としている。 この日、3 人の女性たちは報道陣の取材に答え「早く解決し、3 年間の苦労に見合った報酬を払ってほしい」と訴えた。 一方、同社の男性社長 (49) は「実習生と相談の上で決めた金額だったので(申し入れには)驚いている。 今後、話し合って解決したい。」としている。

技能実習生の賃金未払いを巡っては、11 年 10 月に中国人女性 4 人が白山市の別の婦人服製造会社に支払いを求める是正勧告するよう、同労基署に申し入れし、今年 1 月、和解が成立している。 (丹下友紀子、mainichi = 11-1-12)


日本語学び広がる交流 南丹でベトナムなどの 13 人

丹波に暮らす外国人のための日本語教室が、京都府南丹市園部町の国際交流会館でボランティアの手によって運営され、交流の輪を広げている。 会社や学校を終えた外国人たちが、ひらがなや漢字の読み書き、会話の練習に励み、日本への理解を深めている。 市国際交流協会が地域に住む外国人への支援策として、2010 年夏に始めた。 現在は 60 代男性を中心とする市民スタッフ 8 人が毎週木曜日に開いており、中国、ベトナム、フィリピン、ブータンの 4 カ国から来た 13 人が夜、南丹市と亀岡市から受講している。

受講者によれば、学ぶ意欲があるにもかかわらず、会社や学校以外に日本人との接触が少なかったり、日本語を学ぶ場が身近にないのが悩みだという。 教室は、習熟度に合わせてグループを分けて、スタッフが丁寧に指導。 日本語だけの空間をつくり、受講者たちは分厚い日本語辞書を調べながら教材に取り組んでいる。 ベトナム人の技能実習生ホアン・マン・チュエンさん (26) は「漢字は難しいけど、早く日本語をうまくなりたい。 将来はベトナムと日本をつなぐ仕事をしたい。」と語る。

教室の運営を担当する同協会理事の小林義博さん (63) は「外国人が少しでも暮らしやすい地域にしたい。 一つでも多く日本での良い思い出をつくってもらえれば」と願う。 ボランティアの参加も募っている。 資格は不要。 問い合わせは同協会 TEL 0771-63-1840。 (京都新聞 = 10-30-12)


ソニー撤退、2 千人超す雇用は 岐阜・美濃加茂

【志村英司、増田勇介、連勝一郎】 日立が 8 月にテレビ生産を終え、今度はソニーが撤退 - -。 岐阜県内では企業誘致の「勝ち組」といわれた美濃加茂市で、工場の減産・閉鎖が相次ぐ。 「将来どうなるのか。」 市内最大の 2 千人以上の雇用の場が失われることに、地元では不安の声があがった。

美濃加茂市のソニー EMCS 美濃加茂工場は、市内に住む約 2,600 人の日系ブラジル人の最大の就職先だ。 この工場の閉鎖が発表された直後の 19 日午後 5 時すぎ、仕事を終えた従業員が次々と正門から出てきた。 「以前いた茨城の工場は震災の影響で閉鎖。 美濃加茂に転居し、1 年半前から働いているが、派遣先から何も聞かされていない。」 日系ブラジル人の男性 (37) は心配そうな表情を浮かべた。 12 年前に来日し、妻 (36) もここで働く。 子どもは中学生。 「将来がとても不安だ」と言い残して工場を後にした。 (asahi = 10-21-12)


「世界一の味忘れません」 夕張

【夕張】 特産の夕張メロンの栽培技術を市内の農家で学んだ中国人実習生の修了式が 18 日、農業研修センターで行われた。 修了証が手渡された 63 人は 24 日に帰国の途に就く。 市農協が受け入れており、4 年目の今年は前年度から継続の 2 人を含め、66 人が 3 月から市内農家で技術を学んできた。 うち 3 人は来年も引き続き実習する。

修了式では市農協の前田昌一組合長が一人一人に修了証を手渡し、「皆さんが頑張ってくれたおかげで、メロンが去年よりたくさんでき、品質も良かった。 ありがとう」とねぎらった。 実習生を代表して、馮継平さん (24) が「夕張メロンの味は世界一。 メロンの味と日本の生活は、決して忘れません。」とあいさつした。 (高須賀渉、北海道新聞 = 10-19-12)


「クマよけベル」出番です 新潟・燕市

燕市南 4 丁目の林田砲金所で「クマよけベル」作りがピークを迎えている。 人里近くでクマの目撃が相次いでいるが、鈴やラジオで人がいると知らせるのは有効な自衛手段。 林田岳俊社長 (52) は「ベルが人とクマのすみ分けに役立ってくれればうれしい」と話す。

薄暗い工場で目に入ったのはベルの型と無数の四角い木枠、砂の山 ・・・。 中国人実習生の蘇暢さん (21) はベルの型を木枠の中に置いて砂を詰め、ひっくり返し、また砂を詰めた。 砂のかたまりを上下に離して型を抜き、再び砂のかたまりをくっつけて、熱で溶かした真鍮を穴から流し込む。 固まれば「鐘」のできあがり。 中につるす球も同じように作っていく。 砂に含ませる水加減は経験に基づく「カン頼み」。 この砲金所は春、秋を中心に年間 5 千個の「クマよけベル」を生産している。 (角野貴之、asahi = 10-12-12)


広島カキ、外国人頼り 進む過疎・高齢化、不法就労も

1 日に水揚げが解禁された秋冬の味覚・カキ。 日本一を誇る広島県の産地を支えるのは、外国人労働者だ。 今年に入り、不法滞在の中国人を雇った疑いで養殖業者の社長が逮捕される事件も発生。 生産現場を歩くと、担い手の外国人の奪い合いが生まれるほど過疎と高齢化が進んでいた。

瀬戸内海の島・江田島市。 沖合でカキいかだのカキを海面近くに巻き上げる作業が続く。 水揚げが本格的に始まるのは今月中旬。 港の周囲に立ち並ぶカキ養殖業者の作業場ではシーズン中、「打子(うちこ)」の女性たちが肩を並べ、カキの殻から身を取り出す「カキ打ち」に黙々と励む。

今年 5 月、養殖業の男性 (64) の会社の作業場に県警の捜査員ら約 30 人がやって来た。 打子のうち 2 人の中国人男女が、出入国管理法違反(不法残留)の疑いで逮捕された。 6 月上旬、再び警察官が来て、男性は逮捕された。 不法就労助長の罪で略式起訴され、50 万円の罰金刑。 「怪しいとは感じていた。 厳しくすると、他の業者に行かれるのではないかと心配だった。」

男性が外国人を雇い始めたのは、約 8 年前。 約 20 人の打子の半分を 20 - 50 代の中国人やフィリピン人に頼るようになった。 地元の女性の打子は 60 - 80 代だ。 それでも打子は約 20 年前のピークの半分程度。 身を取れないままカキを捨てることも。 残業してもらいながら、何とかむき身の生産量をピーク時の 7 割の年間約 200 トンに保っている。

外国人、10 年で 3 倍

江田島の人口はこの 50 年で、約 2 万 6 千人と半分に減った。 26 歳から打子として働く小川スエノさん (83) が振り返る。 「昔は子どもをおんぶし、作業場に連れてきて働く若いお母さんがたくさんいた。」 約 25 人が働く「テツマル海産」でもこの夏、数人の打子が辞めた。 野村哲夫社長 (47) は言う。 「ここ数年、廃業する業者を何軒もみてきた。 不安になる。」

県水産課によると、江田島市内でカキ養殖を営むのは 80 業者(2008 年)。 20 年で 3 分の 2 になった。 高齢化でカキ打ちの担い手が減る。 補うように増え始めたのが外国人労働者だ。 江田島市内に住む外国人の数も 400 人を超え、10 年で約 3 倍に増えた。 技能実習生の女性 (23) は今年 5 月、中国からやってきた。 日本語などの研修を 1 カ月受け、カキ打ちの実習が始まった。 「お金を稼ぎに日本に来た。 将来はこのお金で服屋を開きたい。」

「マルケン水産」は従業員 8 人のうち 4 人がフィリピン人。 野村憲二社長 (41) は「外国人は生活のためにとにかく一生懸命働いてくれる。 今後も積極的に受け入れたい。」と話す。 野村社長によると、急速な担い手不足で、業者は外国人確保に苦心する。 野村社長自身、手厚い保障で外国人を囲い込もうと保証人になり、永住権を申請した。 複数の業者によると、800 円前後の時給を 1 千円程度に引き上げる業者も出てきたという。

今春発覚した中国人労働者の不法就労事件の背景には、生産現場で起きているこうした外国人労働者の「奪い合い」があった。 外国人労働者問題に詳しい静岡県立大の高畑幸准教授(社会学)は「過疎地にある第 1 次産業の多くは、もはや外国人労働者なくしては成り立たないところに来ている。 もっと受け入れやすくするような制度整備が必要だ。」と話す。 (森泉萌香、asahi = 10-4-12)

広島県のカキ〉 農林水産省によると、広島県のカキの水揚げ量は約 10 万 7 千トン(2010 年)。 全国の 5 割以上を占め、日本一。 宮城県(約 4 万 2 千トン)、岡山県(約 1 万 9 千トン)が続く。 呉、江田島、広島各市の広島湾沿岸での養殖が盛ん。 1988 年の約 17 万 5 千トンをピークに水揚げ量は減少傾向にあり、近年は 3 分の 2 以下の 10 万トン前後で推移している。


中国人農業実習生 3 人がリンゴ 40 キロ盗む

群馬県警沼田署は 2 日、窃盗の疑いで群馬県昭和村糸井、宋勤洋容疑者 (23) ら、いずれも中国籍の農業実習生男女 3 人を現行犯逮捕した。 逮捕容疑は 2 日午後 9 時 35 分ごろ、昭和村のリンゴ園からリンゴ約 40 キロ(時価 2 万 1 千円相当)入りの箱を盗んだ疑い。 9 月末から昭和村の農家からリンゴの盗難事件があり、捜査員が周辺で警戒していた。 沼田署はリンゴを不正に転売しようとした疑いがあるとみて調べている。 (kyodo = 10-3-12)

◇ ◇ ◇

カンニング用イヤホン詰まり … 他人の保険証で受診容疑

運転免許試験場で中国人らが学科試験をカンニングしたとされる事件で、答えを聞くためのワイヤレスイヤホンが耳の穴に詰まり、他人の健康保険証で病院の診察を受けたとして警視庁は、中国籍の無職賈暁雲(ジアシアオユィン)容疑者 (27) = 千葉市美浜区高浜 1 丁目 = ら女 2 人を詐欺容疑で逮捕し、3 日発表した。

他に逮捕されたのは、保険証を貸した中国籍の無職宋麗娜(ソンリナ)容疑者 (26) = 横浜市青葉区奈良 2 丁目。 宋容疑者は容疑を否認。 賈容疑者は「間違いない」と認めているという。 組織犯罪対策 1 課によると、賈容疑者は栃木県足利市の足利自動車教習所で合宿中の 4 月 9 日、同市内の耳鼻咽喉(いんこう)科医院で、合宿で同部屋だった宋容疑者に借りた健康保険証を使い、診察費など計 7,150 円をだまし取った疑いがある。 (asahi = 10-3-12)


留学生 112 人を除籍 山口福祉文化大 70 人所在不明

山口福祉文化大(山口県萩市)が昨年度以降、東京都墨田区のサテライト教室に通う留学生 112 人を授業料の未納などの理由で除籍にしたことが、東京入国管理局などへの取材でわかった。 うち約 70 人が所在不明となっている。 東京入管は今年 2 月、不法就労などにつながる恐れがあるとして大学に対し、除籍した学生には帰国を促すことなどを求めた。

同教室は昨年 11 月、大学設置基準で定める図書室や医務室などが不備だとして文部科学省から改善を指導されていた。 今年度、同教室には萩市の本校(171 人)の 3.5 倍にあたる 606 人が在籍しており、大半が中国人留学生という。 大学によると、除籍した留学生は昨年度は 45 人、今年度は 67 人の計 112 人。 東京入管によると、うち出国が確認出来たのは約 40 人という。 (asahi = 9-14-12)


ブドウ狩りで中国人実習生と交流 横手市日中友好協会

横手市日中友好協会(木村良吉理事長、会員約 30 人)は 9 日、同市や美郷町の縫製会社で技能実習生として学ぶ中国人女性 16 人を同市大沢のブドウ園に招き、恒例の交流会を開いた。 ブドウ狩りやビンゴゲームなどを通して交流の輪を広げた。

1999 年から毎年開催しており、今年で 14 回目。 実習生や会員をはじめ、地元の中国語講座で学ぶ市民ら計 43 人が参加した。 実習生は湖北省や浙江省から訪れた 19 - 35 歳の女性。 最長 3 年間滞在する。 日本語を交えて自己紹介した後、同協会理事の小川豊治さん (78) の園地にたわわに実ったブドウをはさみで収穫し、笑顔を見せた。

交流会はブドウ棚の下に設けられた宴席で行われた。 木村理事長 (71) が「日本と中国がもっといい未来を築けるようであってほしい。 小さな交流だが、この交流を元に仲良くいたしましょう。」とあいさつ。 ブドウやいものこ汁、枝豆など地元で採れた秋の味覚を味わい、話を弾ませた。 (秋田魁新聞 = 9-9-12)


あの人は? 異郷で / 「日本に帰らなきゃ」 / 家族への愛かみしめ

東日本大震災の被災地は「あの日」から 1 年半の時を刻んだ。 被災者は目を覆いたくなるような現実に向き合い、さまざまな思いを抱えて生きてきた。 家族や故郷への慈しみ、大切な人を失った悲しみ、未来にはせる夢 …。 これまで本紙に登場した「あの人」のその後、そしていまの思いを紹介する。(震災取材班)

東日本大震災から一夜明けた昨年 3 月 12 日、津波に襲われ変わり果てた宮城県南三陸町の中心部から、避難する住民の列が続いた。 女性がお年寄りを背負って歩く。 その隣に別の女性が付き添う。 震災の 1 週間後に掲載された写真特集の 1 枚。 2 人はいずれも、中国から嫁いだ女性だった。(昨年 3 月 18 日付)

「快走、快走(クゥァイゾ、クゥァイゾ)」。 早く、早く−。 中国語が口を突いて出た。 津波の翌日、南三陸町入谷の山内秀娥(しゅうが)さん (43) = 日本名・柔美(よしみ)さん = は、友人の西城明紅(みんほん)さん (46) )と沿岸部に向かった。 町中心部に取り残された義理の母みつ子さん (85) を助け、代わる代わるおぶっては、4 キロの道のりを必死に歩いた。

今も 2 人は被災地で暮らす。 秀娥さんは中国遼寧省大連市の出身。 12 年前に水産加工会社の研修生として来日し、町内の養蚕農家に嫁いだ。 幸い自宅も家族も無事だったが、中国と日本の家族のことを今まで以上に思う 1 年半だった。 「親情。」 中国語で家族愛を意味する言葉を何度もかみしめた。

生活支える

震災後は中国でも連日、福島第 1 原発事故が報道された。 大連の家族はひどく心配していた。 秀娥さんが昨年 4 月、小学生の子ども 2 人を連れて中国に里帰りした時、日本への帰国をしばらく思いとどまるよう促された。 「じいちゃん、ばあちゃんが待ってるから帰らなきゃ。 子どもも日本で育てたい。」 南三陸町で暮らす義理の両親が気掛かりだった。

秀娥さんの夫は 8 年前に病気で急逝し、義理の両親と子ども 2 人の 5 人で暮らす。 早朝から夕方まで両親と一緒に養蚕や畑仕事に精を出す。 桑茶などを出荷していた町中心部の商店は津波で流失した。 人口も減り、今までのような商売はできない。 「家族のために、もっともっと頑張らなくてはな。 わたし、強いから大丈夫。」 あの日、みつ子さんをおぶったように、家族を支えようと懸命に生きる。

「今は幸せ」

西城明紅さんも同じ大連市出身で、11 年前に来日した。 志津川地区にあった一戸建ては流され、夫の康一さん (63) と入谷地区の仮設住宅で生活する。 明るい性格の明紅さんだが、時折たまらず涙がこぼれて自問する。 「家流された。 旦那さんは病気。 娘は離れて暮らしてる。 つらい。 わたしどうする?」 康一さんはがんを患い、4 年前に手術をした。 中国から連れてきた長女国琳さん (20) は、4 月に町を離れて都内の大学に通う。

康一さんも漠然とした不安を抱える。 「正直、夢が描けないのさ。 病気がいつ再発するか分からないし。 娘が戻るか分からないのに、無理して家も建てられない。 復興を迎える時には俺はお墓だべし。」

夜、狭い仮設住宅の居間で、明紅さんが夫の上腕をぎゅっとつかみ、冗談交じりに言う。 「ごはん食べるけれど、旦那さんの(腕の)肉、増えていないよ。 心配になるよ。」 明紅さんの生きる支えは夫と娘の存在だ。 「旦那さんいなくなったら私どこにいけばいい? 今は分からない。 家族元気だったら、何もいらない。 旦那さんがここにいるから、今は幸せ。」 明紅さんが夫の肩を、そっとたたいた。 (河北新報 = 9-7-12)


市の人口 7 月に 306 人増加、外国人住民も住民基本台帳に

紋別市の人口が「2 万 4,000 人台割れ」の懸念が強まってきたなか、7 月の市の人口は 300 人以上の急増を記録し、7 月末で 2 万 4,577 人(前月 2 万 4,271 人)に達した。

前月比で 306 人の増加となっている。 世帯数も 1 万 2,487 世帯(同 1 万 2,178 世帯)と、309 世帯増えた。 市の市民生活部市民課がまとめた「住民基本台帳による人口増減」を取りまとめたもので、大幅増加の背景には、7 月 9 日付けで外国人住民も日本人と同じく「住民基本台帳法」が適用されたことがある。 「手放しでは喜べないが、数字の上で増えるのはありがたい」という市民の声も聞かれる。

市では、水産加工業界などで中国人実習生を受入れるようになって久しいが、今年 7 月の法改正で、外国人登録法は廃止になり、外国住民は日本人と同じく住民基本台帳法が適用されるようになった。 台帳適用となったのは中国実習生が最も多く、このほか国際結婚している外国人、在住ロシア人などもいるという。

制度改正で外国人住民の利便性が向上し、「日本人と外国人で構成される世帯の全員が記載された証明書が発行可能となる」、「住所変更届だけで国民健康保険などの届出があったものとみなす」、「在留資格や期間の変更は地方入国管理局のみへの届出で済む」などのメリットがある。

人口増は制度の変更によるもので、実質的に人口が増えたわけではないが、住民基本台帳上であっても人口が増えるのは「朗報」と言えそう。 辛うじて 2 万 4,000 人台を維持していた市の人口。 今年度取り合えず約 300 人の増加をみたため、住民基本台帳の数字の上では「前年度比で人口減にならない。」 しかし市民課では「少しずつ減っていることに変わりがないので、手放しでは喜べない」と気を引き締めている。 (北海民友新聞 = 8-19-12)


「日本で精いっぱい頑張る」 JA かしまなだ、初のネパール農業実習生

鉾田市の JA かしまなだに 17 日、中国以外からの農業実習生としては初めてネパール人女性 2 人が来日し、同市徳宿の営農情報センターで受け入れ農家と初対面した。 「想像していた以上に日本は豊か」と感慨深げに話すナムジョ・グルンさん (28) とディパ・ライさん (23)。 ともに家族を祖国に残し、憧れた日本で豊かさを求める。

外務省によると、インドと中国に挟まれたネパールの 1 人当たりの国内総生産は日本の 70 分の 1 程度の 642 ドル。 同国では毎年、多くの若者が職を求めて湾岸諸国などに出国している。 グルンさんは、同国北部の小さな村で生まれ育ち、来日するまで夫と 2 人で農家を営んでいた。 中国・チベット自治区にもほど近い村では標高が 6,000 メートルを超える地点もあり、厳しい気候から生活は貧しかった。 10 歳の長男と 8 歳の長女の将来を思い、教育費のためにと知り合いを頼って単身来日を決めたという。

この日午前に成田空港に到着し、ネパールの人材送り出し会社のスタッフに連れられて鉾田市内を訪れ、「豊かな日本」を初めて見た。 実習生には労働者として最低賃金以上の報酬が保障されている。 「家族を思うと寂しくなるが、日本で精いっぱい頑張りたい」と少しうつむき加減で話したグルンさんとライさん。 受け入れ先の農家の男性と対面すると、「よろしくお願いします」と覚え立ての日本語で何度も頭を下げていた。

今後、2 人は水戸市の日本語学校で約 1 か月の語学講習を受け、その後、最長 3 年、市内でほうれん草や水菜の栽培に従事する。 (yomiuri = 8-18-12)


中小建設業の海外進出支援 = ゼネコン OB らデータベース化 - 国交省

国土交通省は 14 日、建設業界の海外進出を後押しするため、アジアなど海外工事に従事できるゼネコン OB らの技術者情報を集約し、データベースを構築する方針を決めた。 主に海外進出を検討する中小建設会社に対し、海外での活躍を求める技術者を紹介するのが狙い。 2014 年度からデータベースの運用を始める計画で、同省は 13 年度予算の概算要求で「日本再生戦略」の特別枠として約 1 億円を盛り込む考えだ。

具体的には、▽ 海外工事の経験があるゼネコン OB の日本人技術者、▽ 国内の大学で土木工学を学んだ外国人技術者、▽ 工事現場に必要な専門技術を日本で習得した「外国人技能実習生」 - らの情報を、本人の同意を得た上でデータベースに登録。 建設会社が希望する人材を照会できるようにする。

当初はインフラ需要が拡大するアジアの人材登録が中心で、将来的には中東なども含め数百 - 千人の登録を目指す。 登録者情報の収集では建設会社で構成する「海外建設協会」や学術団体「土木学会」などの協力を得る方針だ。 (jiji = 8-14-12)


技能実習生がホステス、中国人逮捕 容疑で福井県警など、経営者も

技能実習の目的で入国したのにホステスとして働いていたとして、福井県警鯖江署と大野署、県警生活環境課の合同捜査本部は 8 日までに、入管難民法違反(資格外活動)の疑いで、ともに中国国籍の鯖江市柳町 2 丁目、工員崔丹丹 (22) と封喜●(●は「一」の下に「丹」の横棒を抜いた字を二つ並べた漢字、25)の 2 容疑者を逮捕した。

2 人が働いていた大野市高砂町のスナック「ウォアイニー」を経営する同国籍の大野市本町、■(■は「子」の右に「小」)靖宇容疑者 (46) も風営法違反(無許可営業)の疑いで逮捕した。 鯖江署によると、崔、封両容疑者は容疑を否認しているという。 崔、封両容疑者の逮捕容疑はそれぞれ 7 日と 4 月 28 日、資格外活動の許可を得ないで、同店でホステスとして働いていた疑い。

■(■は「子」の右に「小」)容疑者の逮捕容疑は 7 日午後 10 時半ごろ、県公安委員会の許可を受けずに同店を営業し、従業員に接客させていた疑い。 鯖江署によると、崔、封両容疑者は技能実習の在留資格で入国し、鯖江市内の企業で働いていた。 捜査本部は両容疑者が同店で働き始めた経緯とともに、当初からホステスとして働く目的で入国した可能性もあるとみて調べる。

■(■は「子」の右に「小」)容疑者は複数のスナックを経営しており、他の店でも、技能実習目的で入国した別の外国人がホステスとして働いていた可能性もあるとみている。 (福井新聞 = 8-9-12)


賃金不払い容疑で書類送検

浜田労働基準監督署は 23 日、浜田市の縫製会社「しまねテックス(周布町)」と「ソーイングあさひ(旭町)」、両社の経営者 (63) を最低賃金法違反(賃金不払い)の疑いで、松江地検浜田支部に書類送検し発表した。 労基署によると、両社などは中国人の技能実習生ら計 43 人に対し、今年 3、4 月分の賃金を支払わなかったなどの疑いがある。 (asahi = 7-24-12)


「熱烈歓迎」口コミ宣伝 中国語投稿サイトで観光情報発信

中国語の短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」を活用して観光情報を発信する取り組みが、東北の自治体の間で広がっている。 東日本大震災の風評被害を「口コミ」で払しょくしようと、地元在住中国人の生の声を掲載するなど各自治体が工夫を凝らす。 中国人観光客が岩手、宮城、福島 3 県で最低一泊すれば、来日が 3 年間自由となる「数次査証(ビザ)」発給が 7 月から始まり、誘客活動が活発化する中、有力なツールとしての期待を集める。

5 月 1 日にページを開設した仙台市は連日、食や文化、イベント情報を投稿。 「仙台応援団」に任命された市内の中国人留学生ら約 30 人も、仙台の魅力や体験談を率直に伝えている。 6 月から中国で知名度が高い同市出身の女子卓球ロンドン五輪代表福原愛選手 (23) のメッセージ動画も配信。 約 2 カ月で発信情報を読むために登録した「ファン」は 6,000 人近くに上った。

市国際プロモーション課の担当者は「微博は、広大な中国全土に満遍なく情報を伝える手段として有効だ。 仙台を好きになって観光に来てもらいたい。」と語る。

福島県は 2011 年 2 月、東北の自治体で最も早く登録した。 震災直後は、上海事務所のスタッフが県から得たライフラインの被災情報や原発事故の状況を発信した。 「正確な情報を知ることができる」と評判になり、ファンは 3 万 4,000 人に達した。 11 年 12 月に運用を始めた青森県のファン数は 3 万 2,000 人を突破した。 委託会社の中国人スタッフがファンのコメントに対してこまめに回答し、ネット上のコミュニケーションに気を配り、好感度アップを目指す。

微博にページを持つ国内の自治体は東京都など 30 を超える。 東北では山形県が本年度中に導入予定。 岩手、宮城両県も活用に向け検討を始めた。 自治体から委託を受け微博を運営する「中小企業 WEB 活用研究会(東京)」の高橋学代表理事 (37) = 仙台市出身 = は「中国社会では、情報統制されている新聞、テレビより、口コミ情報が最も信用されるので、微博は観光宣伝には最適。 中国人目線の情報発信が不可欠だ」と話す。 (河北新報 = 7-16-12)

[微博] 中国新浪公司などが運営する中国語のミニブログサービス。 利用者は中国本土や香港、台湾などで 3 億人を超える。 140 字以内の文章の投稿が可能で、ほかの利用者の「ファン」に登録すれば、情報を共有できる。 中国では公式には利用できない米国発の「ツイッター」や「フェイスブック」に機能が似ている。


被災地の前進願う 中国の研修団 42 人が女川など視察

宮城県大崎市の観光総合窓口を担う一般社団法人みやぎ大崎観光公社は 6 月 29 日までの 3 日間、旅行業登録して初めてのツアーを受け入れた。 沿岸被災地や近県を含めた着地型観光の実践第 1 弾で、中国の研修団が同市の鳴子温泉を宿に、女川町や同市内を視察した。

一行は中国国家行政学院の訪日研修団で、課長級の国家公務員 42 人。 震災復興を図る外務省の交流事業「キズナ強化プロジェクト」を受託した財団法人日本国際協力センター(東京)が、旅程のうち被災地訪問分を公社に頼んだ。 東京での研修後、一行は 27 日夕に大崎入り。 28 日に女川町のかまぼこ製造の「高政」を訪れ、震災を体験した中国人技能実習生 5 人と意見交換した。

同社に津波被害はなかったが、地震で建屋や設備が一部破損した。 実習生は 5 班に分かれ、被災時の状況や現在の仕事内容を説明。 研修団のメンバーは日本人の対応を聞いたり、緊急帰国後の再来日について「周囲から不安の声は」、「放射能は怖くなかったか」と尋ねたりした。 実習生は「日本が好き。 もっと仕事を覚えたい。」と答えた。

広東省湛江市の裁判官、顔戦克さん (44) は「涙を流す実習生の姿から震災の怖さが分かった。 被災地の復興と前進を願う。」と述べた。 一行はこの後、女川町の津波被害地を見学。 3 日間で、大崎市の行政業務の視察や記念植樹なども行った。 (河北新報 = 7-1-12)


アパートに乳児遺体、中国人研修生「流産した」 愛知

25 日午後 10 時 50 分ごろ、名古屋市天白区の病院から「女性が『子供を産んで捨てた』と言っている」と 110 0番通報があった。 愛知署が死体遺棄の疑いもあるとみて、自宅で見つかった胎児の遺体を司法解剖して詳しい死因を調べている。

署によると、愛知県東郷町御岳 1 丁目のアパートの一室でごみ箱に入った男の胎児の遺体(体長約 29 センチ、体重約 500 グラム)が見つかった。 この部屋に住む中国人研修生の女性 (20) は「25 日朝に流産した」と話しているという。 署によると、女性は妊娠 7 カ月ほどだったとみられ、4 カ月前に来日したという。 (asahi = 6-26-12)


提訴 : 「人権侵害された」勤務先などを 中国人技能実習生が慰謝料など損賠請求 / 石川

知人の中国人女性と会ったことが規定違反として帰国を強制されたのは違法などととして、中国人技能実習生の宋銘銘さん (23) が 21 日、勤務先の電子基盤製造会社「北日本電子(加賀市)」と受け入れ団体「協同組合五光(富山県南砺市)」に対し、慰謝料など約 480 万円の損害賠償などを求めて金沢地裁小松支部に提訴した。 支援者らと記者会見した宋さんは「規定は社外の人との交流や携帯電話の所持すら禁じ、人権を侵害された」と訴えた。

訴状などによると、宋さんは 09 年 12 月から 1 年間を研修生、その後は技能実習生として北日本電子で勤務。 五光や同社の規定は、中国人研修生らに対し社外の在日中国人や日本人との交際などを禁じ、規定に違反した場合は帰国させると定める。

同社は今年 4 月に宋さんが小松市内で元同僚の中国人女性と会ったことから「規定に反した」として帰国を命じた。 同月中旬、五光の関係者が富山空港まで宋さんに同行。 宋さんに相談を受けていた「外国人研修生権利ネットワーク・福井」のメンバーが、同空港で宋さんを引き取った。 (mainichi = 6-22-12)


運転免許試験でカンニング 容疑の中国人 4 人逮捕

東京都の運転免許試験場で学科試験の最中に正解を携帯電話で伝え、不正に免許を取得させたとして、愛知県警と警視庁は、栃木県足利市田中町、職業不詳張展彪容疑者 (37) ら中国籍の男女 4 人を道路交通法違反(運転免許証不正取得)などの疑いで逮捕した、と 22 日に発表した。 張容疑者は黙秘し、他の 3 人は容疑を認めているという。

ほかに逮捕されたのは、岐阜県多治見市、アルバイトの女 (20) と名古屋市南区本城町 1 丁目、無職郭建海容疑者 (34)。 カンニングをするつもりで試験場に入ったとする建造物侵入の疑いで、東京都江戸川区北小岩 3 丁目、調理師李海涛容疑者 (41) も現行犯逮捕された。

発表によると、張容疑者とアルバイトの女は 5 月 16 日、東京都江東区の江東運転免許試験場で、学科試験の実施中に携帯電話で郭容疑者に正解を伝え、不正に免許を取得させた疑いがある。 郭容疑者は日本語がほとんどできず、張容疑者が電話をかけていた。 郭容疑者から報酬 18 万円を受け取ったという。 (asahi = 6-22-12)

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不正送金先口座から現金引き出した疑い 中国人 5 人逮捕

インターネット銀行から別口座に不正送金された預金を現金自動出入機 (ATM) から引き出して盗んだなどとして、福岡県警は、福岡市博多区奈良屋町、会社員尚洋容疑者 (32) ら中国人 5 人を盗みなどの疑いで逮捕したと、21 日発表した。 背後に中国人犯罪組織「福清邦」が関与している可能性があるという。

ほかに逮捕されたのは、▽ 福岡市東区東浜 1 丁目、大学 1 年蒲俊安容疑者 (22)、▽ 同市博多区、専門学校生の男 (23)、▽ 同市東区、元大学 2 年の男 (25)、▽ 同、大学 1 年の男 (23)。 県警によると、尚容疑者は「覚えていない」などと容疑を一部否認し、ほかの 4 人は認めているという。

発表によると、5 人は昨年 8 月 31 日、大阪府内のインターネット銀行から別の銀行口座に不正送金された預金 550 万円を、北九州市内の銀行の ATM で引き出すなど、同月から翌 9 月にかけて 3 回で現金計 926 万円を引き出した疑いがある。 県警によると、不正送金されて引き出されたのは逮捕容疑分を含めて総額約 3 千万円に上り、2 割が 5 人の報酬となり、8 割が組織側に渡ったらしい。 (asahi = 6-21-12)


賃金不払いの疑い 三重の自動車部品会社を書類送検

四日市労働基準監督署は 18 日、三重県いなべ市の自動車内装部品加工業「三協テクノ」と「テクノグローブ」、両社の男性社長 (58) を最低賃金法違反の疑いで津地検四日市支部に書類送検した。 容疑を認めているという。

最低賃金は県労働局が毎年 1 回、審議会を開いて決めているが、社長は 2010 年 12 月 - 今年 2 月、両社の従業員 29 人の賃金全額(計 2,210 万円余)を期日に支払わなかった疑いがある。 従業員は日本人と日系ブラジル人、中国人で、うち 15 人は技能実習生の中国人女性。 工場に隣接する会社の寮で暮らしていたが、「もやしで(飢えをしのぎ)生きてきた」と話した女性もいたという。 (asahi = 6-18-12)


外国人労働者が急増 県内事業所、20 年間で 30 倍

徳島県内の事業所で外国人労働者が急増している。 2011 年 10 月時点で 3,200 人が働いており、厚生労働省が統計を取り始めた 1993 年(105 人)から約 20 年間で 30 倍になった。 製造業などで日本人の働き手が減り、事業者が外国人の労働力に頼り始めているのが理由。 10 年 7 月には改正入国管理法の施行で技能実習生の保護体制が強化され、徳島労働局では今後も外国人労働者が増えるとみている。

外国人労働者 3,200 人のうち、滞在期間 3 年以内の技能実習生が 2,287 人で全体の 7 割を超える。 国別では中国の 2,481 人、産業別では製造業の 1,878 人が突出。 雇用事業所数は 93 年実績(28 事業所)の約 24 倍に当たる 663 カ所に上り、30 人未満の事業所が 7 割近くを占めている。

県内外の縫製会社 16 社でつくる吉野川縫製工業協同組合(吉野川市)では、年平均 40 人の実習生を受け入れている。 組合ができた 7 年前の受け入れ数は約 20 人で、右肩上がりに増えてきた。 組合を構成する各社は毎年数人の新規雇用を望んでいるが、縫製工場で働きたいという日本人は少なく、求人を出しても思うように集まらないのが実情。 このため、仕事に意欲的な外国人労働者を安定的に確保する方向に向かっている。

実習生の大半は、実家に仕送りするために来日した中国国籍の 20 - 30 代の女性。 5 月中旬に徳島に来た周玲燕さん (31) は「家族のためにしっかり稼ぐ。 縫製技術も学んで帰国後に役立てたい。」と意気込む。

滞在 1 年目を「研修生」と位置付けていた従来の実習制度では、低賃金や時間外労働が常態化するなど、事業者側も人件費抑制に "利用" してきた側面があった。 しかし、改正入管法の施行に伴い、1 年目から最低賃金や労働時間の順守を求める関連法令が適用されるようになった。

組合は入国後の 1 カ月間、実習生に労働基準法などを学ばせる一方、事業者には定期的な監査を実施。 時間外労働に対する割増賃金の不払いや限度時間を超えた時間外労働が起こらないよう目を光らせている。 阿部弘治理事長 (64) は「適正な労働環境を整えておかないと、訴訟などに発展する。 ただ、双方とも『技術交流』が本来の目的であることを忘れてはいけない。」と指摘している。

外国人労働者は全国的にも急増。 11 年は約 68 万人(10 月末現在)で、過去 20 年ほどで 7 倍に増えている。 (徳島新聞 = 6-12-12)


外国人労働者の無料電話相談 弁護士会、5 カ国語で

関東弁護士会連合会は 9 日、関東地方とその周辺の 1 都 10 県で、外国人労働者や技能実習生を対象とした無料電話相談を受け付ける。 英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語での相談にも、通訳を介して労働問題に詳しい弁護士が対応する。 同会の指宿昭一弁護士は「外国人は言葉の壁があり、相談できずに泣き寝入りしてしまうケースも多い。 一人でも多くの労働環境を改善したい」としている。

法務省によると、実習生はリーマン・ショックや震災の影響でやや減少したが、その後、増加傾向に転じ、2011 年末に推計で約 15 万人いるという。 相談時間は午後 1 時から 5 時まで。 (kyodo = 6-8-12)


行政書士、不法滞在関与で逮捕相次ぐ 背景に資格ブーム

行政機関への書類提出に携わる行政書士の不祥事が各地で相次いでいる。警視庁は 29 日、韓国籍の男に在留資格を不正に取得させた疑いで、東京都新宿区の行政書士の男 (63) を逮捕した。 外国人の不法滞在にからむ事件で行政書士が逮捕される例は、東京だけで今年 4 人目。 同様の事件は昨年以降、少なくとも大阪府や福岡県でも 1 件ずつ摘発され、捜査当局は行政書士会との連携強化に乗り出している。

この日、電磁的公正証書原本不実記録・同供用の疑いで逮捕されたのは、新宿区内で個人事務所を開く行政書士の小川龍三容疑者。 2010 年 12 月、東京法務局新宿出張所で、韓国籍の宋英鎬容疑者 (49) = 同容疑で逮捕 = らの依頼を受け、宋容疑者を社長とするペーパーカンパニーの登記をした疑いが持たれている。 これにより、宋容疑者は経営者としての在留資格を得たという。

小川容疑者らは、宋容疑者の銀行口座に一時的に 500 万円を入金して通帳のコピーを取り、資本金があるかのように装った書類を法務局に提出したとされる。 小川容疑者は「会社を起こすというからやった。 実際に資本金があると思っていた。」と容疑を否認しているという。 (asahi = 5-31-12)