ビッグジョン、中国でジーンズ販売 香港アパレルと連携

ジーンズ製造大手のビッグジョン(岡山県倉敷市、尾崎篤社長)は中国に進出する。 香港のアパレル企業とライセンス契約を結び、今秋から商品を売り出す。 低価格ファストファッションの台頭などで国内ジーンズ市場が縮小する中、高付加価値品を中国の富裕層や中間層に拡販。 現在 1 割に満たない海外売上高比率を 5 年後に 3 割まで高める。 (nikkei = 5-17-12)


スクエニ販売ゲームに批判 「中国人殺害、尊厳害した」

日本企業の発売するゲームソフトが、中国人を殺害する内容であることから、中国のインターネット上で批判を受けている。 「(中国人としての)尊厳が著しく侵害された」と損害賠償を求めた提訴も。 ただ、ソフト開発には多数の中国人も関わっていた。

このソフトは日本のゲームソフト大手スクウェア・エニックスの「ケイン & リンチ 2 ドッグ・デイズ」。 同社傘下のデンマークの会社が開発した。 欧米人風のマフィアが上海市民らを殺していく内容。 全世界で 100 万本以上売れた。 「百年の長期計画、質が第一」という中国の実際のスローガンを、「速度第一、質は第二、安全は第三」と皮肉る場面も。 「偽の証明書を作ります」という広告も出てくる。 (asahi = 5-11-12)


井村屋の肉まん、中国へ今秋上陸 コンビニでも販売へ

井村屋グループ(津市)は 10 日、主力商品の肉まん・あんまんを今秋、中国で発売することを明らかにした。 海外での本格販売は初めて。 北京などの主要都市のスーパーで、1 個あたり 4 - 5 元(約 50 - 63 円)で販売する。 順次コンビニにも導入する予定だ。

中国では、肉まんなどは通常 1 - 1.5 元で売られている。 これに比べて井村屋は高いが、「味は日本の方が断然いい(浅田剛夫社長)」と自信を見せる。 実際、1 年ほど前から、4 個入り 20 元でテスト販売して手応えをつかんでいた。 生産は現地企業に委託する。

一方、この日発表した 2012 年 3 月期決算は、売上高が微増の前期比 2.5% 増の 326 億円だった。 ただ、小豆、小麦、砂糖など主要原材料が高騰したことなどから本業のもうけを示す営業利益は、同 26.4% 減の 3 億 7,400 万円、純利益は同 43.1% 減の 1 億 2 千万円だった。 (asahi = 5-11-12)


中国、「トキ外交」再び 日本と韓国につがい寄贈へ

中国政府は、日本と韓国にトキのつがいを贈る方針を固めた。 13 日に北京で開くそれぞれとの首脳会談で合意する見通し。 日韓に生息しているのはいずれも、中国から贈られたトキの子孫。 近親交配の危険性を減らすため、新しいトキの導入が課題となっており、今回は遺伝子を調べて自国のトキと遠いものをもらう方向で調整している。

中国は「トキ外交」を通じて、日韓の人々との絆を深めるとともに、歴史や北朝鮮、尖閣諸島の問題などをめぐって対立しがちな雰囲気を和らげる狙いがありそうだ。 トキは 20 世紀初めまで日中韓など東アジア一帯に広く分布していたが、乱獲や環境の悪化で激減。 絶滅の危機に陥るなか、1981 年に中国の陝西省洋県で野生の 7 羽がみつかり、繁殖に成功した。 (asahi = 5-8-12)


電子部品各社、海外拠点で自動化急ぐ

電子部品各社が海外拠点で生産の自動化に取り組む。 アルプス電気は中国工場でスマートフォン(多機能携帯電話)向け部品の生産能力増強と同時に自動化を実施。 TDK はコイルを手がける拠点の後工程を自動化する。 中国での人件費高騰や円高、海外勢との価格競争などで経営環境は厳しさを増している。 自動化によりコスト競争力を強化して台頭する中国や韓国メーカーに対抗する。

アルプス電気は中国で生産自動化に取り組んでいる。 スマートフォン向けのタッチパネルやカメラ向けボイスコイルモーター (VCM) の好調を受け、2011 年度に約 250 億円の設備投資を実施。 中国・無錫市の工場に VCM の生産ラインを敷設した。 他の拠点でもタッチパネルなどの増産に合わせて自動機の導入を進めている。

TDK は買収したドイツの電子部品メーカー「エプコス」の工場で自動化を含む生産性の改善に注力。 コイルを製造する珠海工場(広東省)では 12 年度に、後工程の一つである検査工程を従業員による手作業から自動化に切り替える。 アルミ電解コンデンサーの現地生産拠点でも品質向上に向けた改善活動を実施する方針で、自動化とあわせて生産効率を倍増する活動を継続していく。

日本電産コパル電子は中国拠点に独自開発した設備による自動化ラインを導入。 低価格攻勢を強める新興国メーカーに生産性向上で対抗し、「高品質で、価格を抑えた製品を投入する(同社幹部)」としている。 電子部品各社が中国で自動化を進めるのは人件費の上昇が背景にある。 5 年前に比べて 4 - 5 割ほど賃金が上がった地区もある。

アルプス電気の片岡政隆社長は「(賃金上昇に伴い)省人化を考えざるを得ない」と指摘する。 自動化により徹底的に生産効率を上げることで、コスト競争力を強化していく。

中国をはじめとした新興国では、単に工場の数を増やしていくのではなく、いかに工場の生産効率を上げていくかが重要になってくる。 急激な円高のなかで海外勢との激しい価格競争を勝ち抜くためには、一段の生産効率化が避けられない。 海外でも日本国内と同様に、自動化による生産性が高い工場への進化が求められている。 (日刊工業新聞 = 5-8-12)


中国、保護へ本腰、知的財産権問題で日中韓が連携

【上海】 日本、中国、韓国の担当閣僚が文化交流の促進などを話し合う日中韓文化相フォーラムが 5 日までの 2 日間、中国上海市で開かれ、国際問題になっている中国での海賊版など知的財産権侵害について、3 カ国が連携して解決を図っていくことで合意した。 実務レベルで論点整理し、来年にも韓国で開催される見通しの次回フォーラムで主要議題とする。 中国政府が知財権保護へようやく本腰を入れ始めた表れとみられる。 (kyodo = 5-5-12)

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「中国、プライドないのか」 枝野経産相、商標問題で

中国で日本のものと紛らわしい商標登録が出願されている問題で、枝野幸男経済産業相は 13 日の参院予算委員会で「大変由々しき事態だ。 こんなものがまかり通っているとしたら、国家としてのプライドはないのかと言いたい。」と中国を激しく批判した。 民主党の友近聡朗氏が「青●(●は品の口がそれぞれ水)」や「松坂牛」、今治タオルのブランドマークを横向けにしたものが商標登録出願された例を紹介し、対応をただしたのに答えた。

枝野氏は「中国当局に厳格な審査を要請した。 若干ではあるが姿勢がかわりつつある。」と説明。 筒井信隆農水副大臣は「『青(●は品の口がそれぞれ水)』は異議申し立てが認められ、『松坂牛』は登録が認められなかった。 今治タオルは異議申し立て中と聞いている」と補った。

中国の商標登録問題では米アップル社のタブレット端末の名前「iPad」をめぐり、商標権を持つと主張する中国企業が提訴。 使う気がないのに登録し、権利を売って稼ごうというケースもある。 友近氏は「漢字圏の日本は格好の標的だ」と指摘。 筒井氏は「特に中国への取り組みを強くしている」と述べた。 (asahi = 3-13-12)


FJM、中国の復旦大学とモバイル端末の共同開発プロジェクトを立ち上げ

富士通マーケティング(FJM、古川章社長)が、中国の復旦大学(楊玉良学長)と提携し、モバイル端末の仕様・技術を共同研究するプロジェクトを 4 月に開始した。

プロジェクトでは、中国のビジネス慣習や業務に適したモバイル端末の基本設計と仕様の研究を共同で行う。 中国のユーザー企業の利用を見据え、ユーザーインターフェース (UI) や応用技術の研究も進める計画。 プロジェクトの期間は今年 6 月 30 日まで。 プロジェクトメンバーは、FJM の「GLOVIA」シリーズの技術者と、復旦大学の教授・研究者など、26 人で構成した。 '木村剛士、サーチナ - BCN BizLine = 5-2-12)


日本人寄付の校舎あわや競売 中国の村政府、借金理由に

中国黒竜江省の村政府が、日本人男性の寄付で建てた小学校の校舎を競売にかけようとしたことが分かり、中国の簡易ブログ「微博」などで話題になっている。 村は上部機関の反対で競売を断念したが、寄付した男性は「善意で寄付したのに。 腹立たしいと同時に悲しい。」と話している。

同省双城市の楡樹村にある「笠野原希望小学校」。 鹿児島県鹿屋市の元養豚業、吉岡利光さん (77) が 2002 年に建設費用の約半分に当たる 500 万円を寄付してできた。 約 2 千人が住む村で唯一の小学校で総面積は 1,190 平方メートル。 児童 50 人余りが通学する。

地元政府などによると、3 月上旬に村の党委員会や村民代表が学校を競売にかけることを決定。 村は小学校の建設時に費用の一部を借金したままで返済しておらず、校舎売却でこれを清算するとともに、小規模な校舎を建て直す予定だったという。 上部機関の反対で最終的には断念した。 (asahi = 5-2-12)


楽天、中国のオンラインモールから撤退 提携解消

【北京】 ネット通販日本最大手の楽天は 20 日、中国の検索エンジン最大手、百度(バイドゥ)と提携して立ち上げた中国のオンラインモールから 5 月末で撤退することを明らかにした。 過酷な競争と予想を下回る業績を撤退理由として挙げている。

今回の決定は、中国の電子商取引で圧倒的なシェアを持つ阿里巴巴集団(アリババ・グループ)と競っている百度にとって痛手となる。 中国インターネット業界で巨大なシェアを持つ両社の間では、アリババの電子商取引サイトである「淘宝網(タオバオ)」に対抗して百度が「有口阿 (YOUA)」を発表した 2007 年から競争が激化。 アリババは百度の検索エンジンが同社サイトの商品を検索できないようにしたほか、百度に対抗してオンラインショッピング用の検索エンジン「一淘網 (eTao)」を導入した。

百度の広報担当者、ベティ・ティアン氏は、同社が楽天取締役会の撤退決定通知を受け取ったことを確認したが「この後どうするかはまだ検討中」とし、「目下の課題は中国国内の合弁会社従業員への対応」と述べた。 合弁会社の従業員数は約 50 名という。

百度は検索では優位に立っているが、オンラインショッピングでは出遅れており、依然として淘宝網が圧倒的なシェアを誇っている。 モルガン・スタンレーによると、2011 年の中国全体の小売売上高のうち、金額ベースで淘宝網の取引高は 3% を占めたという。 ただ、百度も売り出しなどの情報が得られるディール検索サービスなど関連商品ではある程度成功を収めている。

楽天は、子会社株式と中国資産の減損処理を 1 - 3 月期に行う予定としているが、今年の決算への影響は軽微とみている。 同社は 2010 年 10 月から中国に進出しており、累積投資額は 8 億 6,000 万円に上る。 (ウォール・ストリート・ジャーナル = 4-21-12)


日産、中国で高級車生産へ 「インフィニティ」 2 車種

日産自動車は、高級車ブランド「インフィニティ」 2 車種を 2014 年から中国で生産する。 中国では 07 年にインフィニティを発売したが、これまでは日本から輸出していた。 11 年の販売台数は約 1 万 9 千台で、今後も拡大が見込まれることから、現地での生産に切り替える。 (asahi = 4-20-12)

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日産、大連に新工場建設へ 14 年稼働、中国で 4 カ所目

日産自動車が中国の遼寧省大連市に乗用車の新工場を建設する方針を固めた。 現地で需要が伸びているスポーツ用多目的車 (SUV) を 2014 年から生産する予定で、中国で 4 カ所目、中国東北部では初の生産拠点となる。

日産は現在、現地の東風汽車(湖北省)と合弁でつくる三つの生産拠点をあわせて約 100 万台の年間生産能力を持つが、現地生産の拡大が必要と判断した。 日産は中期経営計画で、中国での販売台数を 15 年に 200 万台以上に引き上げる目標を掲げる。 11 年の販売実績は約 124 万台となっている。 (asahi = 4-13-12)


「森伊蔵」、「伊佐美」、「村尾」 中国で商標登録 異議却下

人気の芋焼酎「森伊蔵」、「伊佐美」、「村尾」の 3 銘柄が中国で商標登録され、蔵元の 3 社が申し立てた異議が認められなかったことが 19 日わかった。 「偽物が出回る心配がある」として、うち 2 社は再審査を請求した。 蔵元は鹿児島県の森伊蔵酒造(垂水市)と「伊佐美」の甲斐商店(伊佐市)、村尾酒造(薩摩川内市)。

3 社への取材によると、福岡県大牟田市の企業が 2007 年 11 月、中国の商標局に 3 銘柄の登録を申請したため、3 社は 2010 年 3 月、異議を申し立てた。 しかし、3 銘柄に中国での販売実績がないことや、先に申請したほうが優先される先願主義の原則から異議は不認定となり、今年 2 月までに 3 社に伝えられた。 森伊蔵酒造と甲斐商店は再審査を請求した。 (asahi = 4-20-12)


講談社、中国でマンガ誌を創刊 中国人の作品掲載

大手出版社の講談社は 18 日、中国で 5 月 25 日にマンガ誌を創刊する、と発表した。 広西出版伝媒集団有限公司との共同出資による新事業で、雑誌の名前は「頸漫画(チンマンホワ)」。 オールカラー 120 ページの月刊少年マンガ誌で、10 歳以上の男性を主なターゲットにする。

「愉快と爽快と感動」をテーマに、中国のマンガ家によるオリジナル作品を掲載する。 経験豊富なベテランの作品だけでなく、中国国内で発掘した新人も雑誌でデビューさせる。 日本で培ったマンガ事業のノウハウをつぎ込み、中国でも単行本やキャラクターグッズの販売、作品の映像化にも積極的に取り組む予定だ。 日本の出版社による中国でのマンガ誌創刊は、角川グループホールディングスに次いで 2 例目となる。 (asahi = 4-18-12)


日本システム、中国でソフト委託開発 - 既製品の販売視野に

日本システム技術は 2013 年 3 月期に中国で、ソフトウエアやITシステムなどのオフショア(海外委託)開発を始める。 今年度中に子会社化する中国のシステム受託開発企業にソフトウエア開発を委託する。 開発コストの低減で競争力を高めるほか、自社の既製(パッケージ)ソフトを現地販売する足掛かりとする。 オフショア開発への参入で、中国事業の売上高を 3 年後に現状比 3 倍の 6,000 万円に引き上げる計画。

同社は、中国でオフショア事業の実績を持つ新日本ニーズ(大阪市淀川区)と関連会社2社を買収することで基本合意した。 買収完了時に、関連会社の一つである桂林安信軟件(中国・桂林市)に段階的に開発を委託していく。 同社の従業員数は現在約 80 人。 当面はこの人員体制で開発を担当する。

日本システム技術は 4 月にオフショア事業に関する検討チームを編成。 今後、委託案件の内容や現地技術者の育成スキームなどを詰める。 開発案件はシステム構築 (SI) や自社ブランド展開するパッケージソフトの開発などを想定する。

オフショア事業が軌道に乗った時点で、同拠点を活用して自社製品の販売に乗り出す。 日本システム技術はネットワーク経由で履修登録や成績参照などの学校生活に関する情報を配信する大学向け業務システムを販売。 このほど、同製品の中国語版の開発に着手した。 桂林安信軟件の技術者の一部を同システムの保守や修理部門に振り向ける。 アフターサービス部門を並行して整備し、中国での販売体制を早期に構築する。 (asahi = 4-16-12)


かっぱえびせん中国上陸へ カルビー、味は現地向けに

カルビーは 9 日、中国で年内にも「かっぱえびせん」などのスナック菓子を生産・販売すると発表した。 目標は 5 年以内のシェア 10% 獲得。 国内市場が低迷するなか、経済発展が続く中国市場に本格参入して成長を目指す。 12 月をめどに、中国で「かっぱえびせん」や「サッポロポテト」を作って売り始める。 じゃがいもの安定調達ルートを確立したうえで、「ポテトチップス」や「じゃがりこ」など、全カルビー製品に手をひろげる。 味は中国人の味覚に合わせたものにする。

カルビーは 20 年前から香港などで、地元向けの小規模な生産・販売事業をしているが、中国全土での販売に乗り出すのは初めて。 記者会見で松本晃会長は「大きく成長したい。 日本は人口が減っていくが、世界には70億人いる。」と語った。 (asahi = 4-10-12)


アジア緊急融資枠拡大、日中で合意の見通し

安住淳財務相は 7 日、日中の財務当局が定期的に開く「日中財務対話」で中国の謝旭人財政相と財務省で会談した。 安住氏は会談後、アジアに金融危機が波及するのを防ぐ「チェンマイ・イニシアチブ (CMI)」の融資枠の拡大について、「日中間で今後合意できると思う」と語った。

CMI は、日中や東南アジアなどの 13 カ国が、アジアで通貨危機が起こった際に資金を融通し合って助け合う制度。 日中は融資枠の 3 割ずつを出して中心的な役割を果たしている。 関係者によると、欧州の債務危機が波及するのを防ぐため、今年 3 月初めごろから現在 1,200 億ドル(約 9 兆 8 千億円)の融資枠を 2,400 億ドル程度に増やす方向で検討している。 5 月に正式に合意する見通しだ。 (asahi = 4-7-12)


機械の図面情報、不正に取得容疑 中国人社員逮捕 愛知

世界最大手の工作機械専業メーカー「ヤマザキマザック(本社・愛知県大口町)」で、中国籍の社員の男が工作機械の図面情報を不正に得たとして、愛知県警は 27 日、この男を不正競争防止法違反(営業秘密侵害)の疑いで逮捕し、発表した。 男は「コピーした記憶はない」と否認。 県警は最先端技術を国外に持ち出す目的があったとみている。

県警によると、逮捕されたのは同県大口町下小口 3 丁目、販売部社員の唐博容疑者 (31)。 逮捕容疑は、不正な利益を得る目的で 3 月 9 日ごろ、同社本社内で、貸与されたパソコンで会社のサーバーコンピューターに接続し、工作機械の設計図面 2 枚をダウンロードした。 さらに、貸与パソコンから個人の外付けハードディスクに設計図のデータを複製したというもの。 唐容疑者は約 10 年前に来日し、関東地方の大学に留学。 同社に 2006 年に入り、現在は電話で商品の問い合わせに応じる担当だった。 サーバーに接続する権限は持っていた。 (asahi = 3-28-12)


吉本興業、香港拠点に衛星放送 海外にバラエティー発信

吉本興業(本社・大阪市)は 25 日、5 月から香港を拠点とする衛星放送チャンネルの運営に乗り出し、日本で制作したバラエティー番組などをアジアを中心に海外発信していくと発表した。 香港の衛星チャンネル会社「東風衛視(とんぷうえいし)」との共同運営で、チャンネル名は「吉本東風衛視」とする。

吉本興業などによると、中国を主体に約 1,500 万世帯が視聴できるチャンネルで、北米や欧州なども含む。 日本の番組を放送する枠を 1 日に 3 時間程度確保、字幕付きで 5 月 1 日からオンエアする。 「第 4 回沖縄国際映画祭」開催中の沖縄県宜野湾市で会見した大崎洋・同社社長は「日本の誇るテレビのバラエティーや情報番組をアジア各国や世界中に届ける、唯一最大の武器になると思う」と述べた。 具体的な放送番組など、国内の放送局との調整はこれからという。 (篠塚健一、asahi = 3-26-12)


九州・山口・沖縄に黄砂 国内で今年初観測

九州・山口から沖縄にかけて 24 日、黄砂が観測された。 中国大陸北西部の乾燥した砂が巻き上げられ、偏西風に乗って日本に運ばれたもので、福岡管区気象台によると、国内で黄砂が観測されたのは今年初めて。 水平方向に見通せる距離(視程)は下関、福岡、熊本、大分、鹿児島では 10 キロ以上だったが、宮崎、那覇では 10 キロ未満となった。 (asahi = 3-24-12)


信越化学工業、中国でレアアース合金製造へ

信越化学工業は 22 日、中国・福建省で 15 億円をかけて 2013 年 1 月からレアアースの合金をつくると発表した。 レアアースの「ネオジム」などが現地で調達しやすくなる上、合金は中国政府の輸出規制枠の対象外になるため安定的に調達できる。 鉄などと合金にして日本に輸出し、加工して自動車や家電に使う磁石をつくる。 (asahi = 3-22-12)


中国の若者に省エネのススメ 安藤忠雄さん上海で講演

建築家の安藤忠雄氏が 17 日、中国・上海で「アジアの時代」と題した講演会を開き、若者ら約 1 万 2 千人が集まった。 経済発展を続ける中国が省エネや食糧問題を真剣に考えないと地球は危機に陥ると語り、「世界の中心として中国の責任は大きい」と訴えた。

講演で安藤氏は、日本が過去に経済成長を優先するあまり、はげ山が増えて自然が破壊された歴史を紹介。 瀬戸内海の島や六甲山を植林して緑を復活させてきた例を交えながら、「高度経済発展を続ける中国は、これからこの問題に直面する」と語った。

安藤氏は、日本の 10 倍もの人口がある中国は、過去の欧米や日本とは違う経済発展の道をたどるべきだというのが持論。 そのためにも、技術立国の日本が省エネや資源の再利用などの面で世界の期待に応えるべきだとしているが、「日本の情報発信が不十分だ」と講演を前に朝日新聞に語った。 (asahi = 3-18-12)


西友、中国産米 10 日から販売 5 キロ 1,299 円

大手スーパーの西友は 8 日、中国産米の販売を 10 日から始めると発表した。 価格は 5 キロ入りで 1,299 円(税込み)、1.5 キロ入りで 449 円(同)で、同社が売っている最も安い国産米よりも 3 割安。 外食産業でも外国産米の活用が広がっており、環太平洋経済連携協定 (TPP) 交渉でのコメの市場開放論議にも影響しそうだ。

1993 年の記録的な不作時にタイ米などが緊急輸入された例を除けば、大手スーパーの店頭に外国産米が並ぶのは極めて珍しい。 販売するのは中国・吉林省産で、日本で食べられている短粒種。 関東、静岡の 149 店舗で売る。 東日本大震災の影響で、割安な国産米の確保が難しくなっていることや、消費者の低価格志向が強まっていることから、販売を決めた。 (asahi = 3-8-12)


帝人、中国・瀋陽で下水処理事業受注 総事業費 8 億円

帝人は 8 日、伊藤忠商事などとともに中国・瀋陽市の下水処理事業を受注したと発表した。 総事業費は約 8 億円。 微生物が下水を浄化するという帝人の水処理技術を使った施設を 5 カ所つくり、水をきれいにして川に流す。 施設は今年 7 月末には動き始める予定。 (asahi = 3-8-12)


偽ブランド品、9 割以上が中国から 税関での差し止め

全国の税関が 2011 年に輸入を差し止めた偽ブランド品の 9 割以上が中国からだったことが、財務省のまとめでわかった。 米アップル社のロゴが入ったスマートフォン(多機能携帯電話)用ケースなど、流行に便乗した偽物が目立つ。

財務省関税局によると、知的財産を侵害しているとして昨年 1 年間で輸入を差し止めた件数は、前年比 0.2% 増の 2 万 3,280 件。 差し止め品が正規品として売られた場合の被害推定額は約 145 億円になる。 輸入元の国別では、中国が 91.2% を占めた。

品目では靴、衣類、バッグが多かった。 高級ブランドのデザインをまねたり、偽のブランドマークを付けたりしていた。 携帯電話や付属品の偽物は、前年比 2.6 倍と大幅に増えた。 DVD など CD・レコード類の差し止めも 3 割増えた。 (asahi = 3-4-12)


日中韓、投資協定合意へ 4 月の首脳会談で締結めざす

日本と中国、韓国が、3 カ国の投資協定について 4 月に実質合意する方向であることが分かった。 投資協定は、外国企業に差別的な対応をしないなど投資の活性化を図る取り決め。 5 月にも予定される日中韓首脳会談で署名をめざす。

昨年末に終わった日中韓の自由貿易協定 (FTA) 実現への産学官共同研究で、3 カ国政府には FTA 交渉の開始が勧告された。 今回の投資協定の内容は将来の FTA にも含まれる。 3 カ国は投資分野のルール作りを先行させ、FTA への弾みとしたい考えだ。

投資協定には海外から投資を受け入れる際、その国が一方的に法律や規制を変え、投資家が被害を受けるのを防ぐ目的がある。 日中韓は、投資協定はそれぞれ 2 国間で結んでいるが、日韓は 2003 年発効なのに対し日中は 1989 年発効の古いもの。 中国は不透明な外資参入の規制が残るうえ、海外送金の自由や知的財産権の保護などが不十分で日系企業には不満が募っていた。 (asahi = 3-2-12)


上海にチンドン屋、「元気な日本」 PR

日中国交正常化 40 周年を記念した「元気な日本」展示会が 24 日、上海で始まった。 東京の下町のチンドン屋「大和家さん休」の一座も、場を盛り上げるため会場入り。 太鼓や笛を鳴らし、東日本大震災の被災地や日本の食品を紹介するブースに客を呼び込んだ。

同展示会は日本政府などが主催し、日本酒やお菓子などを扱う会社や旅行業界など約 70 社のほか、日本の 37 自治体が参加。 被災地は中国側の輸入規制のため食品は展示できなかったが、お薦めの旅行ルートを豪華版、お手軽版の 2 種類に分けて紹介するなどした。

福島県は、4 月の桜の季節に震災後初めてとなる団体ツアーをつくり、来場者にビラを配った。 同展示会は 26 日まで。 (上海 = 奥寺淳、asahi = 2-25-12)

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AKB48、北京でミニライブ 日中国交 40 年記念行事

日中国交 40 周年の記念行事の応援団に起用されたアイドルグループ「AKB48」のメンバー 6 人が 17 日夜、北京で初のミニライブを開いた。 北京の日本大使館がミニブログ「微博」を通じて観客を募集。 応募した約 1 万人から選ばれた 500 人が歓声を上げた。

コンサート前に記者会見したメンバーの梅田彩佳さんは、「東日本大震災ではたくさんの中国の人に助けてもらった。 元気な日本を伝えたい。」と語った。 北京の空港に到着時、多くの中国のファンが出迎えに来ていたことに驚いたという。

また、記念行事参加のため訪中した日中友好 7 団体の会長らは 17 日、中国共産党指導部の賈慶林(チア・チンリン)・全国政治協商会議主席らと会談。 「省エネや財政金融の分野での協力をさらに進め、互恵互栄の関係を実現する」とする共同コミュニケを発表した。 (北京 = 峯村健司、asahi = 2-17-12)

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中国要人が「福島県、頑張って!」 … 北京で開催の日本展を見学

北京市内で 16 日、「"活力日本展" in 北京」が始まった。 劉延東国務委員も会場に足を運んだ。 中国新聞社が報じた。

「活力日本展 in 北京」は日中国交正常化 40 周年を記念する「中日国民交流友好年」の一環。 会場には「JETRO・日本企業ゾーン」、「Visit JAPAN ゾーン」、「都道府県ゾーン」、「震災復興ゾーン」、「日中国交正常化 40 周年歴史回顧ゾーン」、「日本料理試食区」が設けられている。 一般公開は 17 日から 19 日までで、AKB48 や鈴木亜美、さらにアニメ・ソングや日本童謡、和太鼓のコンサートなども行われる。

劉国務委員は会場を見学し、福島県の出展関係者とは握手をかわした。 中国でも 2011 年 3 月 11 日の東日本大震災や、原発事故で甚大な被害を受けた福島県の事情は、よく知られている。 国務委員は中国政府において、「一般閣僚より上」と位置づけられている。 担当分野において、閣僚を指示する立場だ。

劉国務委員は 1945 年生まれ。 全国政治協商会議副主席などをへて 2008 年から国務委員。 日本からは首相特使として直嶋正行元経済産業相が出席した。 (サーチナ = 2-17-12)


野村 HD、米金融大手 GE の中国子会社買収へ

野村ホールディングスは、米金融サービス大手 GE キャピタルの中国子会社を買収するため、中国当局の認可を得た。 上海を中心に法人向けサービスを展開している会社で、野村は中国で金融事業を拡大する拠点にしたい考えだ。 中国では当局の規制で人民元などの取引が自由にできないが、買収によって取り扱える金融商品が増える。 買収額は非公表。 (asahi = 2-13-12)

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セントラル短資、中国進出 人民元や国債の取引仲介

国内最大手の短資会社、セントラル短資は、中国の金融機関と合弁で新会社を設立し、中国に進出すると発表した。 中国の銀行や現地に進出する外国銀行が資金を貸し借りする市場で、銀行の間に入り、人民元や国債や社債などの取引を仲介する。 日本の短資会社が中国に進出するのは初めて。 (asahi = 2-3-12)


日本企業が海外に初のレアアース加工工場、13 年 2 月に操業開始へ

信越化学工業はこのほど、ハイブリッド車の部品製造などに使用するレアアース(希土類)を分離・精製する新工場をベトナムに建設することを発表した。 日本企業が海外にレアアースの加工工場を建設するのは初めてで、2013 年 2 月に操業を開始する予定だ。 信越化学工業は、希土類磁石の製造では世界第 2 位の企業でおもに中国から原料を輸入し、日本で分離・精製作業をしている。 (サーチナ = 1-28-12)

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中国、レアアースの管理強化 来年の輸出枠は現状維持

中国商務省は 27 日、レアアース(希土類)の 2012 年の輸出枠について、今年並みの 3 万トン強を維持すると発表した。 ただ、ハイブリッド車 (HV) のモーターなどに使われ、中国以外の国で探しにくい「ジスプロシウム」など中重希土類を初めて分けて管理したり、環境への規制を強めたりする。 安定して手に入れたい日本企業が、中国へ生産を移す可能性がある。

中国は世界のレアアースの 9 割を生産している。 12 年は輸出枠のうち 8 割にあたる約 2 万 5 千トンを上半期の枠とした。 このうち、ガラスの研磨剤に使われる「セリウム」など軽希土類が 2 万 1,700 トン、残りは中重希土類だ。 軽希土類は中国が輸出規制を強めたため、米国やオーストラリアなどでも生産の準備が進められ、価格も下がってきた。 中重希土類は今のところ、中国に頼らざるをえない。 (asahi = 12-27-11)


上海に J ポップ拠点、今夏誕生 封切りはアニソンライブ

中国へのJポップの発信拠点が今年夏、上海に誕生する。 まずはアニメ「ドラゴンボール Z」の主題歌で知られる影山ヒロノブさんら人気アニメソング歌手が定期ライブを開く。 J ポップの中国進出が加速しそうだ。

会場は、上海中心部に 8 月にオープンする「浅水湾文化センター(仮称)」。 中国政府系投資会社が 85% を出資したイベント企画会社が、20 億円を投じてポップカルチャーの拠点として 1,500 人収容のホールや 500 人収容のライブハウス、スタジオ、音楽やダンスの学校もつくる。 中国内外の人気歌手のライブが開かれ、J ポップは主力の一つ。 とりわけ海外で人気が高まるアニソンへの期待は大きい。 (asahi = 1-9-12)


カーナビ大手富士通テン、生産拠点中国に 神戸工場閉鎖

カーナビ大手の富士通テンは 20 日、神戸市にある本社工場を来年 5 月末にも閉じ、生産の多くを中国に移す方針を明らかにした。 「超円高」の定着で国内に軸足を置いたものづくりは限界に近いと判断した。 輸出産業を中心にこうした海外シフトが加速しそうだ。

同社はカーナビ製造で国内 3 位(金額ベース、同社推定)。 主力の本社工場は、カーナビや自動車用スピーカーの組み立てを担い、正規・非正規合わせて約 550 人が働く。 来年 3 - 5 月末にかけて、生産機能を中国・無錫と栃木県小山市の工場に移す。 相当程度が無錫に移るとみられる。 研究・開発や試作の機能は神戸に残すという。

工場再編の狙いは「海外生産比率を上げる(広報)」ため。 自動車市場の成長が見込まれる新興国へのカーナビ輸出は、1 ドル = 70 円台後半では「海外勢とまともな競争ができない(同社関係者)」という。 国内の自動車の販売も頭打ちで、2011 年 4 - 9 月期の連結純損益は 81 億円の赤字となり、拠点集約の判断を後押しした。 (asahi = 12-21-11)


中国に日本式温泉街を計画 露天ぶろ・土産物店 …

中国遼寧省政府と瀋陽の日本総領事館が協力し、中国初の「日本式温泉街」をつくる計画を進めている。 中国企業が投資し、日本の温泉旅館やホテルが運営にかかわる。 日本の温泉の人気は中国でも高く、同省はこの事業を起爆剤にして「中国一の温泉観光地」を目指す。

中国の温泉は浴場やリゾート施設に利用されるケースはあるが、温泉街を形作り、観光地として発展することはまれだ。 関係者によると、温泉街は瀋陽から車で 1 時間半ほどの同省本渓満族自治県の山間部にある約 7 ヘクタールの敷地につくる。 一帯は省有数の温泉地帯で、大浴場や露天ぶろを備えた木造の和風旅館や近代的なホテルのほか、日本各地の物産を売る土産物店街も建設する。

投資額は 2 億 - 3 億元(1 元 = 約 12 円)を見込む。 中国の投資会社が出資する一方、温泉や宿泊施設などの設計、管理、運営などは日本側に委ね、日本的なきめ細かいサービスを売りにする。 中国の富裕層がターゲットで、2013 年春の開業を目指す。 (asahi = 12-17-11)


日本人の男に猶予なし死刑判決 覚醒剤購入で、中国

中国広東省東莞市の市中級人民法院(地裁に相当)が 16 日、薬物販売の罪で 40 代の日本人の男に死刑判決を言い渡したことが分かった。 中国で日本人が執行猶予のつかない死刑判決を受けるのは、2007 年以降に刑が確定し昨年 4 月に執行された 4 人以来。

関係筋が明らかにした。 同法院は、共犯の 50 代の日本人の男に執行猶予付きの死刑判決、中国人の女にも懲役 15 年の判決を言い渡した。 40 代の被告は控訴する方針という。 判決によると、40 代の被告は昨年 9 月、広東省在住の 50 代の被告に覚醒剤の購入を依頼。 1 キロ 28 万元(1 元は約 12 円)で 2 回に分け、計 8 キロの覚醒剤を購入した。 (asahi = 12-16-11)


中国の日立系工場でスト続く 警察隊と衝突、負傷者か

日立製作所の米子会社が中国広東省深セン市で運営するハードディスク部品工場で、身売りをめぐってストライキが続いている。 給与算定基準となる勤続年数がゼロになるとのうわさが広がったためで、10 日には従業員と警察隊が衝突し、けが人が出た模様だ。

ストが起きているのは、日立グローバルストレージテクノロジーズ(本社・米国)の中国法人「深セン海量ストレージプロダクツカンパニー」。 4 日夜から約 4,500 人の従業員のうち、数百人が構内に座り込むなどして操業が止まった。 複数の香港紙によると、10 日朝、座り込んでいた従業員を排除しようとした警察隊との間で衝突が起き、けが人が出たという。

日立は 3 月に「海量」を業界最大手のウエスタン・デジタルに売却すると発表。 会社側は勤続年数に関するうわさを否定したが、従業員らは「何も説明がない」などと抗議し、賃上げや残業の短縮なども要求している。 広東省では 10 月以降、日系を含む工場でのストライキが目立っている。 (香港 = 林望、asahi = 12-11-11)


違法 DVD 店を一斉摘発 上海、日本のアニメなど押収

中国・上海で日本のテレビドラマやアニメなど海賊版 DVD の販売店が一斉摘発され、約 1 万 6 千点が地元当局に押収された。 日本のコンテンツ海外流通促進機構が 9 日、上海で発表した。 日本側からの通報を受けて一斉に摘発されるのは、中国で初という。

同機構は、正規品をコピーしたりテレビを録画したりした違法 DVD がはびこる中国で調査を開始。 日本人が多く住む上海市長寧区には大規模店が 14 カ所あることが分かり 9 月に通報、地元政府と警察が共同で 11 月 14 日に 7 店を一斉摘発した。 今回は日本のコンテンツに絞って取り締まった。

摘発された店は、日中は小さな店構えだが、夜になると本棚で壁を作った裏部屋を開放する場合が多い。 今回は裏部屋の海賊版 DVD も押収した。 客の多くは駐在や出張で来た日本人で、同機構は「買う人がいるから、作る人がいる」と日本人に違法 DVD を買わないよう呼びかけている。 (上海 = 奥寺淳、asahi = 12-11-11)


回転ずし・牛丼・ラーメン … 外食チェーン、次々アジアへ

日本の大手外食チェーンが、海外出店を急いでいる。 国内市場が縮む危機感から、成長が進むアジアを中心とした海外事業を収益の柱に育てたい考えだ。 「日本の味」を打ち出すことで、存在感を示そうとする試みも目立つ。

回転ずしチェーン「スシロー」を展開するあきんどスシローは 5 日、海外初の店舗を韓国・ソウルにオープンした。 今後 7 年間で韓国内に 80 店の出店を目指す。 豊崎賢一社長は「日本の味が世界に求められている。 海外市場の可能性は極めて大きい。」と話す。 大手はこぞって海外進出の動きを強めている。 出店先も、これまで中心だった中国や台湾から、他のアジア諸国へ広がってきた。

タイ・バンコクでは今年 5 月に「すき家」、8 月に「吉野家」と、牛丼チェーンが立て続けに 1 号店を開いた。 吉野家ホールディングスは 2012 年 2 月期で、過去最多となる 90 店を出店する計画だ。 すき家を運営するゼンショーは、20 年には海外の売上高比率を現在の 1 割未満から 3 割まで引き上げたい考えだ。 中国で「味千ラーメン」 626 店を展開する重光産業(熊本市)は今年、ベトナムに初出店した。

外食チェーンが海外を目指す最大の要因は、国内市場の縮小だ。 外食産業の市場規模は 1997 年の 29 兆円をピークに下がり続け、10 年は 23 兆円に落ち込んだ。 さらに「先行して海外進出したチェーンが利益を生めるようになり、お手本ができた(外食産業に詳しい堀田宗徳・宮城大准教授)」ことも後押しする。

これまで各社は、味付けを現地の好みに合わせていたが、最近は「日本の食は品質が高く安全」というイメージが定着し、日本と同じ味で出す例も増えている。 モスバーガーは 26 日から人気のテリヤキ味ハンバーガーを日本と世界 7 カ国で同時販売する。 櫻田厚社長は「世界のモスと言われるブランドを築きたい」と意気込む。

カレーチェーンの CoCo 壱番屋も「我々がおいしいと思うものじゃなければ自信を持って出せない(広報)」として、国内と同じレシピで勝負する。 ハウス食品との合弁で 04 年から出店している中国は、10 年度に黒字化を果たした。 (角田要、斎藤徳彦、asahi = 12-6-11)