アジア安全網、融資枠 19 兆円に倍増 ASEAN + 3 東南アジア諸国連合 (ASEAN) に日中韓 3 カ国を加えた「ASEAN + 3」の財務相・中央銀行総裁会議が 3 日、フィリピンのマニラで開かれた。 欧州の政府債務(借金)危機がアジアにまで及ばないようにするため、自前の安全網「チェンマイ・イニシアチブ (CMI)」の融資枠を倍増し、2,400 億ドル(約 19 兆 2 千億円)にすることで合意した。 規模を増やすだけでなく、域内各国が危機に陥る前でも予防的に融資できるようにすることも決めた。 CMI の大幅な機能強化は、2000 年の創設以来初めて。 CMI は国際通貨基金 (IMF) のいわばアジア版で、各国がドル資金を出し合い、通貨危機に見舞われて外貨不足に陥った国に貸し出して助ける。 (asahi = 5-3-12) ◇ ◇ ◇ アジア・太平洋、実質成長率 6.9% 予測 アジア開発銀 アジア開発銀行 (ADB) は 11 日、日本など先進国を除くアジア・太平洋の 45 カ国・地域の今年の実質経済成長率が、6.9% になるとの見通しを発表した。 日米欧への輸出が伸び悩み、昨年を 0.3 ポイント下回るものの、域内の活発な個人消費により、景気は底堅さを保つ、とみる。 消費の拡大で、来年は 7.3% に回復すると予測している。 主な国の今年の成長率は中国が 8.5%、インドが 7.0% (今年 4 月から来年 3 月までの会計年度)、インドネシアは 6.4%。 (asahi = 4-11-12) IMF に 4,300 億ドル超拠出で合意 G20 閉幕 米ワシントンで開かれた主要 20 カ国・地域 (G20) 財務相・中央銀行総裁会議は 20 日午後(日本時間 21 日未明)、閉幕した。 最大のテーマだった国際通貨基金 (IMF) の融資枠の拡大は、各国が 4,300 億ドル(約 35 兆円)超を拠出することで合意した。 採択した声明では「国際金融の安定を守り、世界経済の回復をより確実なものにするという国際社会のコミットメント(約束)を示すものだ」と説明した。 拠出には、日本やユーロ圏諸国など会議前に表明していた国に加え、中国やブラジル、インドなど新興国も、会議の終了間際に拠出の意思を表明。 1 月に IMF が掲げた 5 千億ドルには届かなかったが、IMF の融資枠は現在 3,900 億ドルから 2 倍超に広がる。 また声明では、原油価格の高騰について「警戒しつつ、G20 各国が必要に応じてさらなる措置を実行する」と対応を促した。 (ワシントン = 牧内昇平、asahi = 4-21-12) ◇ ◇ ◇ IMF 基盤強化、最大で 4 千億ドルに G20 で確認へ 国際通貨基金 (IMF) が検討している資金基盤の上積みが 3,500 億 - 4 千億ドルほど確保できる見通しになった。 日本や欧州などが資金を出すことを決めたからだ。 IMF は 19 日からワシントンで始まる主要 20 カ国・地域 (G20) 財務相・中央銀行総裁会議や IMF の会合で、資金基盤強化の方針を確認する。 IMF は欧州の政府債務(借金)危機から世界経済が混乱するのを防ぐため、財政が厳しい国に融資し、支援する資金基盤を増やそうとしている。 今は 4 千億ドル弱の融資能力が残っているが、これでは不十分として今年 1 月に 5 千億ドル上積みの方針を打ち出した。 ただ、IMF に最も出資している米国は自らの財政が厳しく、上積みの融資に参加しない。 このため、当初の 5 千億ドルの達成は難しく、上積み額を引き下げざるを得なくなっている。 (asahi = 4-18-12) ◇ ◇ ◇ 世界経済成長 3% 台、IMF が下方修正 12・13 年 国際通貨基金 (IMF) は 24 日、2012 年と 13 年の世界経済の実質成長率を 3% 台に下方修正した。 12 年のユーロ圏の成長率はマイナス 0.5% で、「緩やかな景気後退に入る」との見方を示した。 日本に対しては、財政再建への取り組みが不十分として、消費税の 15% への引き上げが必要と指摘した。 IMF は世界経済について「金融情勢は悪化し、成長見通しは暗くなり、下ぶれリスクが増加した」と分析。 世界の実質国内総生産 (GDP) 成長率は 12 年が 3.3%、13 年が 3.9% にとどまると見込む。 昨年 9 月の前回発表時に 1.1% の増加と見込んでいた 12 年のユーロ圏の成長率は、マイナス 0.5% に落ち込むと予測。 国債金利の上昇や金融収縮、加盟各国の財政再建が、景気後退につながるとみている。 (asahi = 1-25-12) 早急に途上国の IMF 発言権拡大を - BRICS 首脳会議 【ニューデリー】 ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興 5 カ国 (BRICS) 首脳会議が 29 日、インドの首都ニューデリーで開かれ、国際通貨基金 (IMF) に対する開発途上国の権限拡大に西側先進国が消極的になっているとして懸念を表明した。 また西側諸国の金融緩和政策が世界の金融市場の不安定要因になっていると批判した。 BRICS 5 カ国首脳は、西側諸国がコントロールしている世界の金融システムの再編と、先進国に対する輸出依存軽減に向けた努力の一環として、小さな一歩を踏み出した。 この措置には、BRICS 諸国の開発銀行間で自国通貨で信用枠を供与する取り決めが盛り込まれている。 これは、5 カ国間で貿易を拡大し、世界の準備通貨であるドルに対する5カ国の依存度を軽減することを狙っている。 BRICS 首脳はまた、5 カ国共通の単一の開発銀行(いわゆる BRICS 開発銀行)設立の可能性を調査するよう 5 カ国財務相に要請したと述べた。 これは米国主導の世界銀行に代わる開発融資機関になる可能性があるという。 現時点で BRICS 諸国、とりわけ中国は、経済成長促進のため米国に大きく依存し続けている。 BRICS 諸国間には大きな意見相違があって、それが域内の効率性を阻害している。 とりわけ領土問題をめぐるインドと中国の緊張や、インドに対する中国の巨額の貿易黒字がそれだ。 しかし BRICS 諸国はまた、現在の世界的な経済混乱の中で、西側の経済指導体制に不満を抱いている。 BRICS 諸国は共同宣言で、西側の金融緩和政策について、資本フローと商品(一次産品)の過度の不安定化につながったと批判した。 BRICS 諸国は 3 年前、世界的な金融危機が発生したころ、初めてロシアで首脳会議を開催した。 BRICS は現在、世界の人口の 40%、世界経済の 5 分の 1 を占めているが、金融危機の最中に西側が世界の金融システムを支配していたことに不満を募らせ、同システムの再構築に乗り出した。 5 カ国の中でも最大の経済国である中国は、IMF における発言権拡大を望んでおり、人民元が米ドルやユーロを向こうに回して世界経済の中でもっと大きな役割を演じることを求めている。 BRICS はさらに、域内 5 カ国間の貿易が拡大すれば、最終的に輸出市場の欧米依存を軽減できるようになるとみている。 BRICS 間の貿易は年間 28% 増加しており、年間 2,300 億ドルで、2015 年までに 5,000 億ドルに達すると予想されている。 主要 20 カ国 (G20) は 2010 年、IMF の一連の改革の一環で、開発途上国の発言権を強化することで合意した。 しかし BRICS 諸国は 29 日、進展が遅いとの不満を表明した。 (記者 : Abhrajit Gangopadhyay and Anant Vijay Kala、ウォールストリートジャーナル = 3-30-12) 世界同時株高、円安も進行 米景気回復に期待感 世界の金融市場で株高と円安が進んでいる。 14 日の東京金融市場では、米国の景気回復への期待感から、日経平均株価が一時、200 円超上昇。 約 7 カ月半ぶりに 1 万 0,100 円台にのせた。 外国為替市場ではドル買いが進み、1 ドル = 83 円台と、約 11 カ月ぶりの円安ドル高水準となっている。 日経平均の午前の終値は前日より 200 円 89 銭 (2.03%) 高い 1 万 0,099 円 97 銭。 自動車や電機など輸出関連の銘柄を中心に、全面高の展開だ。 東京証券取引所第 1 部全体の値動きを示す TOPIX (東証株価指数)は同 15.33 ポイント (1.81%) 高い 860.66。 出来高は 12 億 7 千万株。 14 日のアジア市場も軒並み株価が上昇して取引が始まった。 外国為替市場は、午前 11 時時点で前日午後 5 時時点より 81 銭円安ドル高の 1 ドル = 83 円 19 - 20 銭。 対ユーロでは同 21 銭円安ユーロ高の 1 ユーロ = 108 円 66 - 68 銭。 (asahi = 3-14-12) ◇ ◇ ◇ 円下落、NY で 7 カ月半ぶりの円安ドル高水準 24 日のニューヨーク外国為替市場では、米景気が着実に回復しているという見方から、円を売ってドルを買う流れが強まり、円相場は一時 1 ドル = 81 円 22 銭をつけ、昨年 7 月以来 7 カ月半ぶりの円安ドル高水準まで値下がりした。 朝方発表された消費者の景気認識を示す経済指標が市場予想を上回ったことなどで、米景気が回復する期待が高まった。 午後 5 時(日本時間 25 日午前 7 時)現在は、前日の同時刻より 1 円 20 銭円安ドル高の 1 ドル = 81 円 13 - 23 銭。 円はユーロに対しても、大きく下落した。 午後 5 時(同)現在は、前日同時刻より 2 円 22 銭円安ユーロ高の 1 ユーロ = 109 円 13 - 23 銭。 昨年 10 月以来約 4 カ月ぶりの円安ユーロ高の水準となった。 ギリシャへの追加支援策がいったんまとまったことで投資家の警戒感が和らぎ、ユーロが買われやすくなった。 (asahi = 2-25-12) ギリシャ債務削減、民間投資家 85.8% が応諾 ギリシャ政府は 9 日朝(日本時間同日午後)、民間投資家に政府債務(借金)を減らしてもらう債務削減交渉で、削減要請に応じた投資家の割合が 85.8% だったと発表した。 回答は 8 日夜に締め切っていた。 ギリシャ政府は 9 割以上を目標としていた。 ギリシャ政府が民間投資家に要請しているのは、約 2 千億ユーロ(約 21 兆円)のギリシャ国債の元本について、53.5% を債務免除(カット)する内容。 欧州連合 (EU) ユーロ圏各国や国際通貨基金 (IMF) による追加支援の前提条件になっている。 (ブリュッセル、asahi = 3-9-12) ◇ ◇ ◇ 日中、欧州支援連携で一致 アジア外貨融通枠の拡大も 安住淳財務相は 19 日、北京で王岐山(ワン・チーシャン)・副首相らと会談した。 欧州の政府債務(借金)危機に対して、国際通貨基金 (IMF) を通じ、日中が協力して支援していくことを確認。 アジアへの危機の波及に備え、地域の各国で外貨を融通しあうチェンマイ・イニシアチブ (CMI) の規模を拡大する方向でも一致した。 欧州危機の混迷が続くなか、世界 2 位と 3 位の経済規模を持つ中国と日本が国際金融の分野で意思疎通を深め、共同で対応できる関係をアピールするねらいがある。 日本の財務省が公表した会談の説明文によると、欧州危機への対応では、日中は欧州各国に対してさらなる努力を求めるとともに「IMF の重要な役割を支える準備がある」とした。 (asahi = 2-19-12) ◇ ◇ ◇ ギリシャ、すべての財政再建策受け入れ合意 財政危機のギリシャ政府と連立与党は 9 日、欧州連合 (EU) などが求めてきた財政再建策のすべてを受け入れることで合意した。 これを受けて、ユーロ圏各国の財務相は 9 日夕(日本時間 10 日未明)に緊急会合を開き、ギリシャへの追加支援を協議する。 地元メディアがギリシャ政府の情報をもとに報道したほか、欧州中央銀行のドラギ総裁も明らかにした。 8 日までの政府・与党の協議では、「最低賃金の 22% 引き下げ」、「約 33 億ユーロ(約 3,300 億円)の歳出削減」、「公的部門の人員 1 万 5 千人の年内削減」といった財政再建策を受け入れることが決まった。 しかし、「年金削減」だけは抵抗が強く、合意できなかった。 9 日も話し合いを続けた結果、年金削減で捻出する予定の歳出削減額も何らかのめどが立ったとみられる。 (asahi = 2-9-12) ◇ ◇ ◇ 中国首相、追加支援に言及 欧州危機巡り独首相と会談 中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は 2 日、北京を訪れているドイツのメルケル首相との会談後、記者団に対し、欧州の財政危機の国を助ける安全網に「さらなる関与を検討している」と話し、追加出資の可能性に言及した。 金額など詳細は触れず、「いかに支援するかは研究中」と述べるにとどめた。 国内外の情勢を見極めたうえで、最終的に判断するとみられる。 中国中央テレビなどによると、会談では、メルケル首相は 30 日の欧州連合 (EU) 首脳会議で決まった財政規律を高める新協定の合意などを説明。 温首相は「欧州の努力を支持する」と評価。 中国が欧州の債務問題を「戦略的、全体的な見地から極めて重視する」姿勢を示した。 さらに「国際通貨基金 (IMF) と共同で効果的な対策をとりたい」とも述べ、IMF 経由の支援にも触れた。 (asahi = 2-2-12) ◇ ◇ ◇ ユーロ、100 円割れ 10 年半ぶり安値水準 30 日のロンドン外国為替市場で欧州の共通通貨「ユーロ」が一時 1 ユーロ = 99 円 97 銭をつけ、2001 年 6 月以来 10 年半ぶりに 1 ユーロ = 100 円の大台を割り込んだ。 欧州の政府債務(借金)危機がさらに深まるのではないかという心配から、ユーロを売って円を買う動きが加速した。 ユーロが銀行の決済に使う通貨から、現金として出回るようになった 02 年以降では最安値となり、初めて 100 円を割った。 30 日の東京市場でも一時 1 ユーロ = 100 円 25 銭をつけ、現金として出回ってからの東京市場での最安値になった。 金融市場は 30 日が今年最後の取引で、欧州危機による混乱が新年にも引き継がれる結果になった。 (asahi = 12-30-11) ◇ ◇ ◇ ユーロ、債務不安再燃で独歩安 NY・東京 … 見えぬ底値 欧州の共通通貨ユーロが政府債務(借金)危機への不安から売られ、主な通貨に比べて値下がりする「独歩安」となっている。 29 日のロンドン外国為替市場では一時 1 ユーロ = 100 円 12 銭になり、ユーロが世の中に出回り始めた 2002 年以降の最安値をぬりかえた。 前日のニューヨーク外国為替市場で一時 1 ユーロ = 100 円 70 銭台をつけ、2001 年 6 月以来 10 年半ぶりの安値になった。 29 日の取引もこの流れを引きつぎ、さらにユーロ安が進んだ。 東京市場の午後 5 時は前日同時刻より 1 円 14 銭安い 1 ユーロ = 100 円 47 - 51 銭。 その後のロンドン市場はさらに値を下げた。 ユーロは円だけでなく、ドルや英ポンドなどに対しても値下がりしている。 (asahi = 12-29-11) 今年の賃金上昇、印 11.9%・中国 9.5% 米調査 会社勤めの人の今年の賃金が、インドでは前年より 11.9% 増え、中国では 9.5% 増えるとの調査結果を、米コンサルタント会社エーオンヒューイットが発表した。 アジア・太平洋地域で調べたが、とくに新興国で高い伸びになっているという。 調査対象は 16 カ国・地域の企業。 調査時期が異なることなどで単純には比べられないが、インドネシアの今年の伸びが 9.1%、タイ 6.2%、韓国 6.1%、オーストラリア 4.6% など。 ちなみに日本は 188 社に聞き、2.8% 伸びるとしている。 調査によれば、賃上げ率は最近の物価上昇率を軒並み上回っている。 欧州危機のあおりでアジア経済も減速傾向が強まっているが、景気を引っ張る中間所得層の実質的な収入が伸びれば、底堅い消費に結びつくことも予想される。 (ニューデリー = 庄司将晃、asahi = 2-22-12) ムーディーズ、欧州 6 カ国を格下げ 仏などは最上位維持 米国の格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは 13 日、イタリアなど欧州 6 カ国について、政府が借金のために発行する国債の信用格付けを引き下げたと発表した。 最上位格付けのフランスなど 3 カ国は据え置いたが、格下げのおそれがある「ネガティブ(弱含み)」にした。 格付けは、投資家が貸したお金が返ってくる可能性を評価している。 欧州の政府債務(借金)危機では、1 月に米国のスタンダード・アンド・プアーズ (S & P)、欧米系のフィッチ・レーティングスが各国の格付けを一斉に引き下げた。 ムーディーズの格下げで、世界の大手 3 社の見方が出そろった。 ムーディーズは今回、欧州通貨「ユーロ」を使う 6 カ国を格下げした。 スペインは 2 段階、イタリアとマルタは 1 段階下げて「A3 (21 段階のうち上から 7 番目)」、スロバキアとスロベニアは 1 段階下げて「A2 (6 番目)」、ポルトガルは 1 段階下げて「Ba3 (13 番目)」とした。 6 カ国ともネガティブの見通しも付けた。 (asahi = 2-14-12) ◇ ◇ ◇ 仏など 9 カ国の国債格下げ発表、独は維持 S & P 格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ (S & P) は 13 日、「ユーロ圏の不安を解決できるだけの十分な対策が取られていない」などとして、フランスなどユーロ圏のうちの 9 カ国の長期国債格付けを引き下げたと発表した。 フランスとオーストリアが「AAA」の最上級格付けを失い、一段階下の「AA+」になったほか、キプロス、イタリア、マルタ、ポルトガル、スロバキア、スロベニア、スペインが格下げになった。 ドイツやオランダなどは最上級格付けを守った。 (ロンドン、asahi = 1-14-12) ドーハ交渉「後退させない」 WTO 会合で大筋合意 世界貿易機関 (WTO) の多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)は 28 日、主な約 20 カ国の貿易担当相がスイス東部ダボスで非公式会合を開き、「交渉を前に進め、後退させない」ことで大筋合意した。 事実上の交渉停止に陥っている現状を変える決意を確認した。 日本からは枝野幸男経済産業相と筒井信隆農水副大臣が参加。 枝野氏は「決してあきらめないことなどで一致した。 一歩前進だ。」と総括した。 米通商代表部 (USTR) のカーク代表は会合後、記者団に、「(交渉の)ページをめくり、前に進む。 あらゆる選択肢を模索したい。 道が一つ通じてなくても、もう一つの道を作らないといけない。」と語った。 (ダボス = 前川浩之、asahi = 1-28-12) EU、イラン原油の禁輸決定 日米欧、制裁強化へ同調 欧州連合 (EU) は 23 日、加盟 27 カ国による外相理事会で、イランの核開発疑惑に対する制裁措置として、イラン産原油を 7 月 1 日から全面的に禁輸する措置を正式に決めた。 イランへの圧力を強める米国の姿勢に同調した形で、日米欧が制裁強化に向けて足並みをそろえる。 イランとの原油輸入の新規契約はすぐに禁止する一方で、既存の契約に基づく輸入は 6 月末まで認める。 イラン産原油の輸入が多いギリシャやイタリアなどが代替の輸入元を決めるまで、猶予期間が必要となっているためだ。 4 月末までに禁輸措置の有効性を検証する。 制裁措置では、核開発につながる資金の流れを締め付けるため、イラン中央銀行が EU 域内に持つ資産に対する凍結措置も決定。 外貨の獲得を難しくする一環で、イランの公共機関などとの貴金属などの取引も禁止した。 (asahi = 1-23-12) ◇ ◇ ◇ 中国、ホルムズ海峡封鎖反対 イラン制裁に加わらぬ姿勢 中東を歴訪している中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は 19 日、カタールで、イランが示唆しているホルムズ海峡の封鎖について「どのような状況でも、海峡の安全と正常な航行は保障されるべきだ」と述べた。 緊張回避に向けイランに自重を求める一方、米国の対イラン制裁には加わらない姿勢を改めて示した。 温首相は会見で、イランの核兵器開発には「断固反対」とする一方、「中国とイランの石油貿易は正常な活動で、保護されるべきだ」とイランからの原油輸入を続ける意向を示した。 米国がイランへの圧力を強めていることに対し、中国は「制裁や武力による威嚇は問題の解決に役立たず、局面を一層悪化させる(劉為民・外務省報道官)」との立場を示している。 中国にとってイランはサウジアラビア、アンゴラに続く 3 位の原油輸入先で、輸入量は全体の約 1 割を占める。 イランを含む中東情勢の不安定化に備えるかのように温首相は今回、サウジアラビアを中国首相として 20 年ぶりに訪れたほか、アラブ首長国連邦、カタールを初めて訪問。 それぞれ、エネルギー分野をはじめとする経済・政治面での関係強化を図った。 (北京 = 林望、asahi = 1-19-12) 米経済「治癒しつつある」 大統領経済諮問委員長 米オバマ政権の経済政策に強い影響力を持つ米大統領経済諮問委員会 (CEA) のアラン・クルーガー委員長が 6 日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。 雇用回復が続く米経済は「治癒しつつある」と指摘。 欧州危機の解決に向けて、欧州首脳に迅速な対応を求めた。 クルーガー氏が昨年 11 月の就任以来、日本メディアのインタビューを受けるのは初めて。 CEA 委員長は日本では経済財政相にあたり、ガイトナー米財務長官らとともに経済政策を担当している。 米国では、6 日に発表された昨年 12 月の雇用統計で非農業部門の就業者数が前月より 20 万人増えた。 失業率も同 0.2 ポイント低い 8.5% に下がり、2 年 10 カ月ぶりの低い水準になった。 クルーガー氏は「米経済や、労働市場が治癒しつつあることを示している」と指摘。 雇用情勢の行方は 11 月の大統領選を左右するとみられているだけに、政権の取り組みが実を結びつつあるとの考えを強調した。 一方で、欧州の政府債務(借金)危機などの影響で「世界経済は脆弱な状態が続いている」との認識も示し、「米国内の需要を増やすなど、我々がとれる対策を打つことが重要だ」と語った。 (asahi = 1-7-12) 米、日本の為替介入を批判 中国側に切り上げ加速要求 米財務省は 27 日、半年ごとに米議会に提出する外国為替報告書を発表し、日本政府が行った為替市場への単独介入を「米政府はこれらの介入を支持しなかった」として、批判をにじませた。 また、報告書では中国・人民元が対ドル相場で「大幅に過小評価されている」として、中国側に切り上げ速度を加速するように強く求めた。 ただ、報告書では、米国の主要貿易国の間で、米国が為替操作が著しい場合に指定する「為替操作国」に該当する国はなかったと結論づけた。 (尾形聡彦、asahi = 12-28-11) ドーハ交渉、事実上の停止状態 WTO 閣僚会合閉幕 世界貿易機関 (WTO) の閣僚会合は 17 日、多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が「近い将来には妥結できそうにない」とする議長総括をまとめ、閉幕した。 世界全体の発展を目指す自由貿易の新ルールづくりは、10 年を経ても対立を乗り越えられず、事実上の停止状態に追い込まれた。 ドーハ・ラウンドは、途上国や最貧国にも貿易の恩恵を届けるのが狙い。 WTO 本部があるスイス・ジュネーブで開いた会合の議長総括は「交渉は袋小路にある。 何が得られるのかについて見解に大きな違いがある。」とし、今後についても「違った交渉方法を探る必要がある」と述べるにとどまった。 二国間や特定地域での経済協定の動きが加速し、貧しい国が取り残される状態が続く可能性が高い。 交渉は、農産品の市場開放を求める途上国と、工業製品の輸出拡大を目指す先進国とが当初からぶつかるうえ、いっそう複雑になっている。 世界経済を引っ張るまでに成長した中国などが、WTO では優遇される途上国扱い。 リーマン・ショックを経て、米国が中国批判を強め、新たな対立を生んだ。 新興国にも中国への警戒感が高まっている。 (asahi = 12-18-11) 米、IMF に追加融資せず EU と対応分かれる 米ホワイトハウスのカーニー大統領報道官は 9 日、定例の記者会見で、国際通貨基金 (IMF) が財政危機国などへの融資枠を拡充しても、米国から追加資金を出す用意がないことを明らかにした。 欧州連合 (EU) 首脳会議が最大 2 千億ユーロを IMF に貸し出す方針を打ち出し、米国の対応が注目されていた。 カーニー報道官は朝日新聞の質問に対し、「IMF には十分なリソース(資力)がある。 米国の納税者は追加的な拠出をする必要はない。」と語った。 IMF にはいま、利用できる融資枠が 4 千億ドル弱残っていて、米政府はこの融資枠で十分との立場だ。 米国内では、欧州には裕福な国が多く、欧州が自ら資金を積んで域内の支援をするべきだとの見方も多い。 これも追加資金を出さないことの背景になっているとみられる。 (ワシントン = 尾形聡彦、asahi = 12-10-11) ◇ ◇ ◇ EU、IMF に 20 兆円融資へ 首脳会議で合意 欧州連合 (EU) 首脳会議(サミット)は 9 日、政府債務(借金)危機の解決に向けた追加策をまとめた。 加盟国が国際通貨基金 (IMF) に最大 2 千億ユーロ(20 兆 6 千億円)を融資し、その見返りに IMF から欧州の財政危機の国への資金援助などを求める。 EU 自身の対策が不十分なため、IMF による支援強化で補ってもらう狙いだ。 IMF は現在、EU などと連携して、財政危機に陥ったギリシャやポルトガルなどに融資し、資金繰りを助けている。 EU が今回打ち出した対策では、各国が IMF にお金を出すことで IMF の資金基盤を広げ、欧州各国への支援額を増やしてもらう方針だ。 本来なら EU 各国が直接、財政危機の国に貸し出せばいいが、各国とも財政資金に余裕がなく、焦げ付く可能性のある融資は避けたい。 このため、各国が貸し出す先は IMF にして、IMF から財政危機の国に融資してもらい、焦げ付いて損を被るリスクも IMF に負ってもらうことにしたとみられる。 (asahi = 12-9-11) ◇ ◇ ◇ IMF 融資枠 23 兆円拡充検討 欧州支援へ G20 が融資 国際通貨基金 (IMF) と、主要 20 カ国・地域 (G20) の間で、IMF の融資枠を 3 千億ドル(約 23 兆円)規模で拡大する検討を進めていることが、わかった。 各国が IMF に資金を貸し、それを IMF が欧州支援などに回すことが想定されている。 複数の国際機関幹部や G20 当局者が朝日新聞の取材に明らかにした。 それによると、IMF の融資枠を広げる方法としては、欧州各国の中央銀行や、資金に余裕のある新興国が、それぞれ IMF に貸し付けることが検討されている。 本来、IMF の基盤拡充は、各国政府からの拠出金を増やすのが基本だが、そうするには、各国議会の承認を得る必要があり、時間がかかる。 このため、今回は、各国の中央銀行などからの借り入れにより、「迅速に手続きを行う(関係者)」方法が有力視されることになった。 金額はこれまでのところ、2,500 億ドルから 3 千億ドル程度が想定されているという。 (asahi = 12-3-11) ◇ ◇ ◇ 欧米「物価上昇・景気低迷同時に」 内閣府報告書で見解 内閣府は、欧州や米国では物価上昇と景気の低迷が同時に進む「スタグフレーション」とも言える状況にあるとの認識を、2 日公表した報告書「世界経済の潮流」で示した。 失業率が高止まりしたまま、物価が上昇しているためだ。 報告書は年 2 回の公表。 今年は欧州の債務危機の背景や解説にページを割き、世界経済の現状や今後の見通しを分析した。 物価は世界的に 2010 年中は落ち着いていたものの、11 年には新興国の経済成長を背景に再び上昇傾向に転じたとした。 物価上昇率と失業率との各国比較では、中国や韓国では失業率は大きく変わらないものの、米国、英国、ユーロ圏では失業率が高止まりしており、スタグフレーションの懸念を指摘した。 欧州の経済状況も国ごとに分析。 輸出主導で企業の収益性が比較的高いドイツだが、足元では個人消費が弱く不透明感が増していると指摘。 ドイツに次ぐ経済規模の英国やフランスも、ギリシャやポルトガル、スペイン、イタリアとともに、経常赤字と財政赤字の「双子の赤字」にある。 このため、「対外的な資金流入に依存せざるを得ず、財政政策の自由度も狭く、持続可能性の点で脆弱(ぜいじゃく)な構造」にあるとした。 (asahi = 12-3-11) ◇ ◇ ◇ 「ユーロ圏景気後退入り」 OECD 見解 債務危機響く 経済協力開発機構 (OECD) は 28 日、欧州通貨「ユーロ」を使う 17 カ国全体の経済成長率がマイナスになり、景気後退に入ったとの見方を示した。 欧州の政府債務(借金)危機が欧州の金融や産業、消費を冷え込ませ、ついに経済全体を悪くし始めた。 世界 34 カ国の先進国が加盟する OECD が 28 日、日米欧など主な国々の経済見通しを公表した。 ユーロ圏は、年率に計算し直した四半期の成長率が 2011 年 10 - 12 月期にマイナス 1.0%、12 年 1 - 3 月期にマイナス 0.4% で、2 四半期続けて「マイナス成長」になる。 これはリーマン・ショック前後の 08 年 4 - 6 月期から 09 年 4 - 6 月期に 5 四半期続けてマイナスになって以来だ。 (asahi = 11-29-11) 東アジア新興国、経済成長予測引き下げ アジア開発銀 アジア開発銀行 (ADB) は 6 日、中国、韓国や東南アジア諸国連合の各国など計 13 カ国・地域を含む「東アジア新興国・地域」の実質経済成長率が今年は 7.5%、来年は 7.2% になるという予測を発表した。 欧州の債務危機や米国経済の減速による悪影響が強まるとして、今年 9 月に発表した前回予測から今年は 0.1 ポイント、来年は 0.3 ポイント、それぞれ引き下げた。 国別では、中国は今年が前回予測と同じ 9.3%、来年は 0.3 ポイント低い 8.8%。 大洪水に見舞われたタイは、今年は前回予測から 2.0 ポイント下げて 2.0% にしたが、来年は 4.5% に据え置いた。 ADB はこれとは別に、「米欧経済がリーマン・ショック後の 2009 年並みに落ち込む場合」も試算。 東アジア新興国・地域の来年の成長率は 5.4% にとどまるが、「各国・地域の輸出先が多様化し、内需も拡大しているため、影響は当時ほど深刻ではない」と分析している。 (ニューデリー = 庄司将晃、asahi = 12-6-11) 米超党派委、赤字削減策巡り決裂 強制発動阻止の動きも 今後 10 年間で 1.2 兆ドル(約 92 兆円)の財政赤字削減策を詰めるはずだった米議会の超党派委員会が、23 日の期限を前に、決裂した。 同委が 21 日、発表した。 1.2 兆ドル分の削減は、国防費などのカットを通じて 2013 年から強制的に発動されるが、米議会にはこの強制カットを阻止しようとする動きも出始めている。 米政治の機能不全を露呈した形で、米国債のさらなる格下げにつながるとの懸念も出ている。 (ワシントン = 尾形聡彦、asahi = 11-22-11) ◇ ◇ ◇ NY ダウ大幅値下がり、240 ドル安 9 月 30 日のニューヨーク株式市場は大幅に値下がりした。 大企業で構成するダウ工業株平均は、前日比 240.60 ドル (2.16%) 安い 1 万 0,913.38 ドルで取引を終えた。 終値では 1 週間ぶりに 1 万 1 千ドルを割った。 米商務省が同日発表した 8 月の米個人所得が約 2 年ぶりに前月比で減少し、米経済を支える個人消費への不安が広がった。 また、ユーロ圏諸国の 9 月の消費者物価が大きく上昇。 欧州中央銀行 (ECB) が欧州経済の悪化を防ぐための利下げをしにくくなったとの見方が強まった。 (ニューヨーク = 山川一基、asahi = 10-1-11) ◇ ◇ ◇ NY ダウ暴落、634 ドル安 2 年 8 カ月ぶりの下落幅 8 日のニューヨーク株式市場は暴落した。 大企業で構成するダウ工業株平均の終値は、前週末比で 634.76 ドル (5.55%) 安い 10,809.85 ドルとなった。 終値としては昨年 10 月 4 日以来、約 10 カ月ぶりの安値水準。 1 日の下げ幅としては2008 年 12 月 1 日以来約 2 年 8 カ月ぶりの大きさとなった。 前週末に米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ (S & P) が米国債を格下げしたことに加え、欧州の債務問題も深刻化。世界経済が後退するとの懸念も広がり投資家の不安が膨らんだ。 ハイテク株主体のナスダック総合指数は 174.72 ポイント (6.90%) 安い 2,357.69 だった。 (ニューヨーク = 山川一基、asahi = 8-9-11) ◇ ◇ ◇
◇ ◇ ◇ 米国債、初の格下げ S & P、最上位の AAA から 1 段階 米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ (S & P) は 5 日、米長期国債の格付けを最上位の「AAA (トリプル A)」から 1 段階引き下げて「AA+ (ダブル A プラス)」に格下げした、と発表した。 大手格付け会社が米国債を格下げするのは初めて。 米国は現在、約 14.6 兆ドル(約 1,100 兆円)の巨額債務を抱えている。 S & P は、米政府の債務削減計画が格付けを維持するには不十分と判断した。 さらに今後の格付けの見通しを、追加引き下げの可能性がある「ネガティブ(弱含み)」とした。 今後 2 年以内にさらに 1 段階格下げして「AA (ダブル A)」にする可能性があるという。 S & P は 1941 年に米国債を「AAA」に格付けし、70 年間維持してきた。 世界で最も流通している債券である米国債の格下げは米金利の上昇(価格は低下)につながるだけでなく、保有する世界各国や金融機関、投資家らに影響を与えかねない。 米国の信用低下により、ドルが売られ円高がさらに進む可能性もある。 (asahi = 8-6-11) 欧州国債金利、最高水準に イタリア 7%、スペイン 6% 15 日の欧州金融市場は政府債務(借金)危機への不安から、イタリア、スペイン、ベルギーの政府が借金のために発行した国債が売りこまれ、国債価格が下落(金利が上昇)した。 金利はイタリアが再び年 7% を超えたほか、スペインも 6% 台になり、欧州通貨「ユーロ」ができた 1999 年以降の最高水準になった。 イタリアの10年物国債の流通利回りは前日には 6% 台後半だったが、15 日は 7.1% 台で取引を終えた。 モンティ次期首相への期待はあるが、ベルルスコーニ政権の時の連立与党が協力しない構えを見せるなど、政権基盤への不安もある。 財政再建に向けて「一枚岩になれるかどうかみえない」との見方も強い。 スペインの国債は前日より約 0.2% 幅高い 6.3% 台で取引を終えた。 日本の信用組合などに似た「貯蓄銀行」が 2008 年の不動産バブル崩壊後、多くの不良債権を抱えた。 政府の支援が必要になれば、財政が悪くなるとの不安がある。 失業率が 20% を超え、税収の落ち込みも心配されている。 ベルギーの国債も約 0.3% 幅高い 4.9% 台で取引を終えた。 3 年 4 カ月ぶりの高水準だ。 これまでにふくらんだ政府の借金額が年間の国内総生産額に近づき、借金が多いとみられている。 仏・ベルギー系の金融大手デクシアが経営破綻し、経済への悪影響も取りざたされている。 (asahi = 11-16-11) ◇ ◇ ◇ イタリア国債の金利 7% 超 財政が危険水準に 9 日の欧州金融市場で、イタリア政府が借金のために発行している国債の価格が急落し、1999 年に欧州通貨「ユーロ」ができてから最も安くなった。 国債の価格が下がった分、金利は上がるため、一時、年 7% を超える高金利をつけ、財政運営が難しくなる「危険水準」になった。 新しく国債を発行する場合、お金の出し手に支払う金利を上げなければならない。 予算に必要なお金を借りるのが大変になり、借金の利払い費もふくらむ。 欧州ではこれまでに、ギリシャやアイルランド、ポルトガルが 7% を超えた段階で、欧州連合 (EU) や国際通貨基金 (IMF) が資金支援に向けて動き出した。 市場では 7% が自力で財政運営できるかどうかの節目とされ、「イタリアが資金支援を受ける可能性がある」との見方もある。 (asahi = 11-10-11) 景気下支えの金融緩和策、資源高に拍車 G20 報告書 主要 20 カ国・地域 (G20) 首脳会議(サミット)は 4 日、資源高の原因分析に関する報告書を発表した。 世界の中央銀行が 2008 年秋のリーマン・ショック以降、景気を下支えする金融緩和政策をとったことが、食料や資源など 1 次産品の価格高騰に拍車をかけた可能性があると指摘した。 報告書は、新興国の経済成長が食料や資源の需要を増やしたとしたうえで、各国の金融緩和政策により、巨額の投資マネーが商品先物市場に流れ込み、実態とかけ離れた高値がついた可能性があると指摘した。 新興国を中心に米国の量的緩和第 2 弾 (QE2) が 1 次産品価格の高騰につながったとの見方は根強いが、報告書では特定の国の政策には言及せず、「世界の緩和的な金融環境」を要因に挙げるにとどめた。 G20 の研究グループの議長を務めた中曽宏・日本銀行理事は「規制と監督を強化して、市場の透明性を確保する必要がある」と述べた。 (asahi = 11-5-11) |