三菱農機、複数の穀物収穫できる小型コンバイン

三菱農機(松江市)はコメのほか麦、そば、大豆など、さまざまな穀物の収穫に対応できる汎用タイプで、公道も走れる小型コンバインを開発した。 6 月に発売する。 トラックの荷台に載せて運搬することもできる。 国内の農業市場の縮小が続く中、中山間地などの中小規模の農家や新規就農者に売り込む。

新製品は 3 機種で、サイズは横幅が 214 - 215 センチ、全長 485 - 551 センチ、高さ 261 - 263 センチと小さく、4 トントラックに積載できる。 汎用コンバインとしては国内最小サイズという。 ナンバープレートを取得し、大型特殊自動車運転免許があれば公道を走れる。 従来のコンバインは大型が主流で公道を走ることが難しく、コメ用とほかの穀物用と別機種になることが多い。

小型と汎用性を両立ささせるために脱穀部分に特別な部品を使うなど設計を工夫した。 バイオテクノロジーなどで民間の研究開発の支援をしている政府系の研究機関、生物系特定産業技術研究支援センター(生研センター)と共同開発した。 北海道などの大規模農家にとっては大型コンバインが適するが、中山間地の中小規模の農地を使う農家や新規就農農家にとっては、公道を走行して格納庫や農地間の移動ができる小型のニーズが高かった。

販売価格は 1 台当たり 1,000 万円(消費税別)前後。 2012 年度に国内で 6 億円の売上高を見込む。 今後 3 年間で約 20 億円を目指している。 アジア市場への輸出も視野に入れている。

経済産業省の統計によると、国内のコンバイン生産台数は 00 年に 4 万 1,137 台だったが、11 年には 2 万 1,694 台とほぼ半減。 現在、業界最大手のクボタが約 5 割のシェアを占める。 三菱農機は 8% にとどまっており、中小農家への販売を増やす。 新機種投入と合わせて同社は 6 月生産分から全製品のブランドを「ASUMA (アスマ)」に統一する。 これまではトラクターが「パルシード」、田植え機が「マイレディ」など、機種ごとにブランド名があったが、統一ブランドにして農家に分かりやすくする。

三菱農機は 11 年 3 月期に 38 億円の最終赤字になり、昨年 11 月から三菱重工の完全子会社として経営再建を進めている。 人員削減などと併せて製品点数は不採算機種を中心に削減するが、一方で需要を見込める新機種を市場投入する。 (nikkei = 4-21-12)


着物姿で歩いて気分は江戸時代 大田

大田でイベント

江戸時代の武家屋敷や商家などが残り、世界遺産の石見銀山遺跡がある大田市大森町の町並み保存地区を楽しんでもらおうと、市民グループ「寿(じゅ)てい」が 14、15 日、着物を貸し出すイベントを開いた。 今年で 3 回目で、観光客が着物姿で通りを練り歩いて楽しんだ。

グループは、町内の雑貨店員や着物愛好家ら地元を活気づけたい女性約 20 人で作り、着物は約 50 人分を用意した。 着物で歩くのは初めてという松江市浜佐田町の会社員長尾千絵実さん (23) は「気持ちも街になじんでいくようです」と笑顔だった。 (小林一茂、asahi = 4-18-12)


尾道 - 松江道など 14 年度開通 沿線自治体の企業誘致活発に

広島県尾道市と松江市を結ぶ「中国横断自動車道尾道松江線」と広島県内の東広島市と呉市を結ぶ「東広島・呉自動車道」の全線開通を 2014 年度に控え、沿線地域で企業の拠点新設や自治体の企業誘致が活発化している。 中国地方の都市圏を結ぶ交通ネットワークの整備による経済波及効果が期待されている。

コメ卸の神明(神戸市)は 12 月、尾道市北部の「尾道流通団地」に子会社の精米工場を稼働させる。 中四国地方の拠点工場と位置付ける。 同団地は中国地方を東西に走る山陽自動車道と、新たに南北に貫く尾道松江線の結節点から近い。 これまでは神戸市や佐賀県鳥栖市の工場から製品を運んでいたが、新工場の稼働により物流費の低減や精米の鮮度向上による販売拡大を見込む。

松江市とつながる尾道市では全国各地の生活協同組合向けに商品を販売する日本生活協同組合連合会(東京・渋谷)も近く、「尾道流通センター」を拡張する。 新たに 2 階建ての建屋を建設し、冷凍食品の取り扱いを始める。 尾道松江線の全線開通を見据え「中四国地方の物流拠点としての機能を高める(日本生協連)」考えだ。

一方、松江市では共立メンテナンスが 7 月にもビジネスホテル「ドーミーイン」を JR 松江駅北側にオープンする。 ほかのホテルも古事記編さん 1,300 年を記念した島根県の観光イベント「神話博しまね」が今年開催されることに合わせた「高速効果」を見込む。 松江駅北側に「松江アーバンホテル」を運営する浅利観光は「今年は通常の年より 5% 程度宿泊客が伸びる」と予測する。 松江東急インも「広島、岡山をはじめ首都圏で営業を強化する(平井太郎支配人)」としている。

沿線自治体の動きも活発だ。 尾道松江線と中国自動車道が交差する広島県三次市は市内の工業団地の給水量を現在の日量 300 トンから 1,000 トンに拡大。 12 年度から企業誘致担当の部署を市長直轄とし「市長のトップセールスを含め首都圏への PR を強化する(企業誘致課)」という。

尾道松江線は区間の大部分が無料。 島根県企業立地課の室崎隆司課長は「山陽や東京、大阪に本社がある企業で沿線市町村への工場立地が進む」とにらむ。 同課は昨年東京のみで開催した企業誘致のセミナーを、今年は広島、東京、大阪など複数で開催する予定だ。 東広島呉道路の全線開通でハイテク産業が集積する東広島市と直結する呉市は、地元の産学官が参加する誘致推進協議会を立ち上げており「全市を挙げて企業誘致に取り組む(同市)」という。 (nikkei = 4-17-12)


島根県、広域観光集客に挑む 神話・歴史・特産品など活用

島根県が神話や歴史を柱に、中四国の広域から観光客を集めようと戦略づくりに乗り出している。 今年は古事記編さん 1,300 年を記念したイベント「神話博しまね(7 月 21 日から 11 月 11 日)」を開催。 2012 年度中に中国横断自動車道「尾道松江線」も広島県三次市まで開通する見通しで、広島県との連携も探る。 観光客獲得を巡る地域間競争が激しくなる中、地域の新たな特色づくりも始まっている。

島根県は古事記編さん 1,300 年を記念した観光事業「神々の国しまねプロジェクト」を準備期間も含め 10 年度から 13 年度にわたって展開する。 神話博はその目玉イベントだ。 4 年間合計の事業予算合計 25 億円のうち、本番の年と位置付ける 12 年度は 15 億円を投入する。 単なるイベントに終わらせるのではなく、県内各地に波及効果を浸透させようと仕掛けづくりにも余念がない。

出雲大社に隣接する古代出雲歴史博物館前の駐車場に設置する神話博特設会場(6,500 平方メートル)には、神話映像館のほか県内市町村などが情報発信するためのステージなども設ける。 県外からの観光客に神話に興味を持ってもらうと同時に、県内各地の神話由来の観光名所へ足を運んでもらう狙いだ。

「パワースポットや縁結びだけでは弱い。 神話を広げるにはどうしたらいいか。 情報発信していかないと後じんを拝する。」 島根県観光振興課の安井克久課長は意気込む。

魅力向上へ支援

新たな魅力づくりに向け、11 - 12 年度予算では松江・出雲地区に 1,500 万円、隠岐地区に 1,200 万円といった具合に県内の地区ごとに助成金を出し、各地域の観光資源の魅力向上へ向けた支援にも力を入れている。 2 月中旬、雲南市は「雲南たまごプロジェクト」と称して市内の飲食店による趣向を凝らしたオムライスの発表会を催した。

同市はヤマタノオロチ伝説など神話由来の名所の多い地域だが、鶏卵生産が盛んな地域特性を生かし、新たな特色を打ち出そうと模索する。 実は同市は尾道松江線開通で、観光客が通過してしまうのではとの懸念が強い。 「高速を降りてオムライスを食べに行こうという観光客がたくさん生まれるよう、町づくりをしたい」と、速水雄一市長は強調した。

高速整備を機に

一方で、県は広域連携に向けた布石も打っている。 11 日には島根・広島両県の官民による観光連携のための協議会を立ち上げる。 島根県の石見銀山(大田市)、広島県の厳島神社(廿日市市)、原爆ドーム(広島市)と両県には世界遺産が 3 カ所ある。 連携を通じて、集客力の強化につなげる狙いだ。

背景には高速道路の整備が進んで、山陰と山陽との移動時間が片道 2 時間半程度に短縮。 日帰り圏内になることが大きい。 12 年度中に宍道ジャンクション(JCT、松江市)から中国道三次 JCT (広島県三次市)まで全線がつながるほか、14 年度には山陽道尾道 JCT (同県尾道市)まで開通。 西瀬戸自動車道(しまなみ海道)とも接続し、四国から山陽、山陰が連携できる条件が整う。

従来、歴史や文化遺産に関心を持つ旅行者は「京都・大阪・九州と巡り、中国地方は通過というケースが少なくなかった(安井課長)」が、連携により観光地としての存在感を高める戦略だ。 <広域観光ルートづくりや、地域の観光資源を見つめ直す機運がどこまで島根の観光力向上につながるか、今後の取り組みが問われそうだ。 (松江支局長 毛塚正夫、nikkei = 4-10-12)


島根の一畑電車乗り放題始まる

島根県の宍道湖北岸を走る一畑電車(島根県出雲市)が創業 100 年を記念して、2 日間全便で無料乗り放題とするサービスが 7 日始まった。 一畑電車は 1912 (明治 45)年 4 月に一畑軽便鉄道として発足。 現在、松江市と出雲大社、出雲市を結ぶ計 42.2 キロを運行している。 北松江線の車内からは宍道湖が一望でき、映画「RAILWAYS」の舞台としても知られる。

この日早朝、松江しんじ湖温泉駅の始発電車には普段の土曜日より多めの 20 人近くが乗り込んだ。 夫婦で出雲大社に行くという松江市鹿島町、会社員森本尊之さん (48) は「電車の乗り放題はきのう知った。 車で行ったことはあるが、せっかくの機会なのでゆっくり楽しみたい。」と話した。 (kyodo = 4-7-12)


外国産シジミを宍道湖産と表示 JAS 法違反で是正指示

農林水産省は 5 日、外国産のシジミを「島根県宍道湖産」と不正に表示して販売したとして、福岡県内のシジミ小分け 4 業者に対し、JAS 法に基づく是正指示を出したと発表した。

4 業者は、同県遠賀町のあさひフーズ、同県芦屋町の明宝商店、福岡市博多区の鳴海水産、福岡市東区のまる福。 同省によると、4 業者はロシアや中国産のシジミを宍道湖産と表示し、昨年 1 月から今年 2 月まで少なくとも全国 50 卸業者に計 236 トンを販売した。 同省は DNA 鑑定で外国産と確認。 4 業者は「外国産とは知らなかった」としているが、証明できる書類がないことなどから同省は過失ではないと判断した。 (asahi = 4-5-12)


出雲神話の冊子作成、出雲商工会など 11 県図書館に寄贈

島根県の経済団体である出雲商工会、出雲商工会議所、平田商工会議所、斐川町商工会は共同で出雲神話を旅日記風にまとめた冊子を作成した。 島根のほか新潟や奈良など全国 11 県にある 1,089 カ所の公立図書館に寄贈する。 神話に伝わる古代出雲は全国と交流がある。 知られざる物語を紹介し、出雲大社(出雲市)などへの観光振興につなげる狙い。

冊子は「神話の聖地 出雲 - - 出雲から全国へ 大国主神伝承旅日記」というタイトルで、特定非営利活動法人(NPO 法人)、出雲学研究所の平野高司氏が著者。 古事記や各地の風土記、日本書紀に書かれている神話にある、出雲大社がまつる大国主神(おおくにぬしのかみ)の交流エピソードについて実際に各地の神社を取材し、ルポ風に写真入りの 43 ページにまとめた。

製作したのは 4,000 部で、販売はしない。 島根県内では公立図書館や小中高図書館の計 450 カ所へ寄贈する。 例えば新潟県糸魚川市の奴奈川神社がまつる奴奈川姫(ぬなかわひめ)は大国主神の恋愛相手の一人だったという。 冊子の送付先の各県はいずれも大国主神にまつわるエピソードに関係があり、冊子の中でも取り上げている。

島根県では古事記編さん 1,300 年を記念したイベント「神話博しまね」を今夏から開催の予定。 また、2013 年は出雲大社で 08 年から始まった 60 年に 1 度の大改修「平成の大遷宮」を終えてご神体を本殿へ戻す「本殿遷座祭」を予定している。 (nikkei = 4-5-12)


日銀短観 : 島根・鳥取の DI、マイナス 14 ポイントに 3 月、島根

日銀松江支店(岡田豊支店長)は 2 日、島根、鳥取両県の 3 月の企業短期経済観測調査(短観)を発表した。 企業の景況感を示す業況判断指数 (DI) は全産業ベースでマイナス 14 ポイントとなり、昨年 12 月の前回から 7 ポイント悪化。 東日本大震災の影響からの改善がみられていたが、海外の景気減速などを受け悪化幅が広がった。

山陰両県の 198 企業(製造業 69、非製造業 129)のうち 196 企業から回答を得た。 製造業では円高の影響や、新興国の景気減速を受け、電気機械や鉄鋼などの輸出関連を中心に悪化し、前回から 18 ポイント悪化のマイナス 15 ポイントとなった。

非製造業でも情報通信や卸売りは改善したものの、宿泊・飲食サービスなどが悪化し、マイナス 13 ポイント。 前回とほぼ横ばいになった。 今後については、内需の先行きが不透明なことから、非製造業を中心に慎重な見方が広がった。 (目野創、mainichi = 4-3-12)


プログラミング言語「Ruby」が国際規格に認定

日本生まれのプログラミング言語「Ruby (ルビー)」が、国際標準化機構 (ISO) と国際電気標準会議 (IEC) の国際規格として認められた。 広く使われている「C 言語」や「COBOL (コボル)」などと同列になり、大企業や政府などのプログラムに採用される機会が広がるという。

Ruby は松江市のプログラマーまつもとゆきひろ(本名・松本行弘)さんが 1993 年に考案。 プログラムを作る際、複雑な命令をほかの言語より簡潔に表現できるのが特徴で、米クラウド大手のセールスフォース・ドットコムが採用するなど世界に広がりつつある。 独立行政法人の情報処理推進機構は 08 年から、Ruby を国際規格にする働きかけを続けてきた。 同機構は「4 年での承認はかなり早い。 現実に利用が広がっていることが評価されたのでは。」としている。 (asahi = 4-2-12)


「古事記 1300 年」 千葉・松戸で

古事記など日本神話を演目とする島根県石見地方の郷土芸能「石見神楽」が 29 日、松戸市六実の着物店「きもの川久(川上道久社長)」で披露され、来場者が幻想的な舞に酔いしれた。 石見神楽は、軽快なリズムと豪華な衣装で知られ、社中と呼ばれる 200 もの団体が伝承と保存に努めている。 今年は古事記の編さん 1,300 年の節目にあたり、地元ではイベントなどで盛んに上演されている。

今回、神楽を披露したのは、関東在住の島根出身者らが昨年 6 月に結成した「東京社中」。 古事記の研究を続けている川上社長がメンバーと知り合い、同店での上演が実現した。 この日は「八岐大蛇(やまたのおろち)」などが上演され、観客らは、迫力ある大蛇を退治するスサノオノミコトの雄姿に見入っていた。 石見神楽は 30、31 日午後 6 - 7 時にも披露される。 問い合わせなどは、きもの川久 (047・387・4152) へ。 (yomiuri = 3-30-12)


鳥取大発ベンチャー、間伐材から消臭剤 まずペット用商品化

鳥取大学発ベンチャー (VB) のハイパーブレイン(鳥取県米子市、加藤豊実社長)は県内の土木工事会社と組み、ヒノキなどの間伐材を活用した芳香製品を商品化する。 まずペット用消臭剤を今秋に発売する。 間伐材のうち枝や葉は建材に使えないため放置されるケースが多いが、日本人に身近な香りを持つことに着目。 芳香製品原料として付加価値を高め、過疎地域の林業再生にも一役買う。

ペット用消臭剤は赤松産業(日野町、赤松康近社長)に製造を委託した。 同社は廃校となった日南町内の小学校に約 800 万円を投じて小型プラントを設置。 このほど試験稼働を開始し、日南町産ヒノキの間伐材や葉などを 40 - 90 分間蒸して芳香成分を精油(アロマ)として抽出している。 間伐材 5 - 7 キログラム当たり 50 - 100 ミリリットルの精油を抽出できるという。

精油を抽出する際に 5 - 10 リットルもの蒸留水が発生する。 通常は廃棄するが、これをペット用消臭剤に活用する。 ハイパーブレインの加藤社長は「香りが十分残っており、品質面でも問題がない。 化学合成された薬品類を一切使っておらず、ペットが口にした場合の安全性も期待できる。」と話す。

蒸留水を容器に入れて鳥取大が開発したリング状の抗菌セラミックを加え、スプレーとして吹き付けて使う。 同大農学部の協力を得て 4 月から 9 月にかけて安全性や抗菌力を検証し、問題がなければ 200、350、500 ミリリットルの 3 種類の容量で商品化する。 ホームセンターや動物病院などのルートで 1 個 2,000 - 4,000 円前後で販売、3 年後をめどに 3 億円の売り上げを目指す。

抽出プラントは赤松産業が 3 基まで増設する方針。 現在プラントを設置している廃校では手狭なため、需要動向をみながら、町内での工場の建設も視野に入れる。 一方で精油はヒノキだけでなくスギからも抽出を進めており、将来の商品化を想定して鳥取大医学部と効果を探っている。

日南町によると、同町内の山林では年間 8 万 - 9 万立方メートルの間伐材が発生している。 このうち 6 万 5,000 立方メートルは合板などの建材として使われるが、枝や葉はそうした用途に利用できないため付加価値が低く、2 万立方メートル前後が搬出費用が賄えずに山林に放置されているという。

このため、両社は消臭剤の原料として新たな需要をつくり、間伐材の利用を促進する。 軌道に乗れば、赤松産業は利益の一部を積み立て、植林費用に充てる地元のファンドに寄付するといった林業支援策を検討する。 (nikkei = 3-29-12)


過疎でも店舗網維持 西中国信金・山陰合同銀など

代理店に委託、個人に特化

高齢化や人口減が進む過疎地域で、店舗の運営を代理店に委託する地域金融機関が相次いでいる。 個人向けに業務を特化し、社員 OB の活用などで運営コストを圧縮しながら、店舗網を維持する。 個人顧客をつなぎ留める狙いがある。

西中国信用金庫(山口県下関市)は 2 月、同宇部市と同岩国市の 2 支店を代理店に移行し、人材派遣などを手掛ける子会社に運営を委託した。 2 店は個人客向けの業務の大半を扱うことができる「特定代理店」として、預金や為替取引、消費者向けカードローン、公金収納などを手掛ける。

事業者向けの融資・渉外業務は近隣の支店に移管する。 信金退職後の再雇用者や派遣社員が業務を担うことで、店舗運営コストを約 6 割削減する。 同信金は前身の下関信用金庫が周辺の信金と合併し店舗を統廃合してきたが、「今後は代理店の活用も進める(経営企画部)」方針だ。

山陰合同銀行は昨年 11 月に鳥取県米子市にある出張所を廃止して、子会社に代理店業務を委託した。 鹿児島銀行は 2009年 以降、5 支店・出張所を代理店に相次ぎ移行。 苫小牧信用金庫(北海道苫小牧市)も 10 年 10 月に子会社が運営する代理店を 4 店開設した。

06 年の銀行法改正で金融機関の代理店に対する規制が緩和された。 預金や口座開設などの業務が可能な代理店で、金融機関 OB の再雇用などで人件費の圧縮を進める手法が広がり始めた。 地域金融機関が設立した代理店子会社は、11 年末で 8 社を数える。 地域金融機関を巡っては「人口が減るなかで、店舗網の維持や雇用の確保のため、代理店の活用が広がる可能性がある(中国財務局)」との指摘が出ている。 (nikkei = 3-28-12)


境港市の水木しげるロード、「脱行政依存」知恵絞る

漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、水木しげるさんの故郷で、主人公の鬼太郎にちなんだ妖怪によるまちおこしに取り組む鳥取県境港市の水木しげるロード。 国内有数の漁獲量を誇る港町だが、2 年連続で観光客が 300 万人を突破し、中国地方有数の観光地の仲間入りを果たすまでになった。 こうした成長ぶりの背景には行政の補助金に頼らず、ユニークな企画を連発するなど知恵を絞って情報発信してきた観光関係者の取り組みがある。

水木しげるロードは、JR 境港駅前から本町商店街のアーケードまでの約 800 メートルの区間。 最大の目玉は道路沿いに立ち並ぶ 139 体の妖怪ブロンズ像で、駅前から写真を撮ったり、触ったりしながら歩いていると、いつの間にか商店街に誘導される仕掛けだ。

妖怪によるまちおこしは 1993 年にスタート。 だが、2003 年の水木しげる記念館の開館を機に、財政難から境港市が水木ロードのハード整備を打ち切り、当初の 23 体から 86 体まで増えていた妖怪ブロンズ像も、それ以上の増設が見込めない状況になった。

「歯が抜けたようにブロンズ像のない空白区間があると、ブロンズ像の設置効果が薄れるため、増設が必要だった。 行政が金を出せないのなら、スポンサーを集めてやろうと考えた。」 同市観光協会の桝田知身会長は当時をこう振り返る。

民間出身で 04 年に会長と記念館長に就任したが、記念館のオープン効果は早くも薄れており、入館者数が 20 万人から 17 万人に、水木ロードの観光客数も 85 万人から 78 万人にそれぞれ減少していた。 「このまま何の対策も打たずにいると、先細りになり、客がどんどん減少していくのは間違いない、という危機感があった(桝田会長)」という。

そこでスポンサーの名前を妖怪ブロンズ像の台座に入れる特典を付け、1 体 100 万円で 05 年にスポンサーを全国公募。 1 年で 29 体の応募があり、ブロンズ像がなかった 150 メートルの区間が一気に埋まった。 06 年には「妖怪検定」、「妖怪そっくりコンテスト」、「妖怪川柳」の三大イベントを始めるなど、これまでに 100 を超えるユニークな企画を連発してきた。

10 年には水木さん夫妻をモデルにした NHK ドラマ「ゲゲゲの女房」のヒットという追い風も加わり、それまでのピーク(08 年の 172 万人)の約 2 倍の 372 万人を記録。 岡山県倉敷市の倉敷美観地区(350 万人)や広島県廿日市市の宮島(347 万人)と、中国地方の代表的な観光地も上回った。

ただ、昨年は宮島が水族館のリニューアルで 363 万人と過去最多の観光客を集める一方、水木ロードは「ゲゲゲ効果」が薄れて減少。 それでも以前のピークを大きく上回る 322 万人を集めた。 さらに効果が薄れる今年は 270 万人の集客を目指す。

実際、今年 2 月までの観光客数は昨年を 1 割程度下回る水準で、集客力の底上げは続いている。 市観光協は「経済のグローバル化とともに競争が激化するなかで、妖怪世界や水木先生の人生観という別の価値観に『癒やし』を見いだして支持されていることも人気が急落しない理由になっているようだ」と分析する。

地方では過疎化が進み、各地で地域活性化を目指す取り組みが相次いでいるが、「金がない、人がいない」と、壁にぶつかりがち。 妖怪という素材は仕掛けがしやすいとはいえ、いわば「金が出せないなら知恵を出せ」という水木ロードの粘り強い取り組みは、地域活性化のあり方に一石を投じている。 (青木志成、nikkei = 3-24-12)

◇ ◇ ◇

「ゲゲゲ」の汚水ふた盗まれる 市販品にすり替え

鳥取県境港市で「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターをデザインした汚水ますのふた計 7 枚が何者かに持ち去られていたことがわかり、市が 21 日、境港署に被害届を出した。 なくなったふたは直径 20 センチの塩化ビニール製で、鬼太郎やねこ娘、ねずみ男など 6 種類、計 9 万円相当。 市が「水木しげる記念館」の周辺に昨年 3 月、計 16 枚設置したうちの一部で、つなぎとめていたチェーンをはずし、持ち去った跡には市販のふたをはめていた。

地元商店街によると、20 日夕までは異状はなかったが、21 日午前 9 時ごろにすり替えられていることに気付いたという。 市にはこれまで「ふたを売ってほしい」という申し出もあったという。 (asahi = 3-21-12)


農のチカラ 客の口まで 牛一直線

大山・尾古牧場

大山町の山奥にある尾古(おこ)牧場直結の焼き肉ハウス。 炭火で焼き、天然塩で食べる焼き肉が人気だ。 観光バスも訪れ、週末は予約でいっぱい。 提供するのは、尾古博明さん (66) が、血統を研究し、繁殖から肥育まで手がけた肉。 牧場では、生産した肉の 4 割を焼き肉ハウスと直売で売るため、市場の影響を受けにくい。

■ ■

現在の経営の原点は、1989 年の米国視察だ。 日米牛肉・オレンジ交渉で牛肉の輸入自由化が決まった後、尾古さんは、カリフォルニア州を訪ねた。 広大な砂漠をバスで走ると、目の前に無数の黒い点。 約 10 万頭の肉牛だった。

働くのは、安い賃金の移民たち。 白や黒、様々な形と色をした牛は全部同じ肉になるという。 肉は「うまい」と思わなかったが、米国人の言葉が忘れられなかった。 「アメリカの肉を大量に食ってもらわなければ、ビジネスにならない。 日本人の味覚を変える自信がある。」 危機感を抱いた尾古さんは、それ以来、「尾古牧場の客を作らなければ」と構想を温め続けた。

■ ■

尾古さんは大学卒業後、2 頭から酪農を始めた。 山林に放牧する「山地酪農」を目指したが、ダニが寄生する「放牧病」で飼っていた 8 頭の半分が死んだ。 仕方なく他の健康な牛を売ったところ、思ったより高値で売れた。 「これはおもしろい」と、和牛に絞り、子牛を育てて出荷する肥育農家に転向した。 もともと研究肌。 血統を研究し、理想の牛を求めて繁殖も始めた。

米国視察から帰国後、規模拡大を考えたが、「その先に何が残るのか」ととどまった。 米国のような広大な土地はない。 限られた土地で、環境に負荷をかけず、目の届く範囲で、健康で味の良い牛を育てたい。

第一歩として 92 年、肉の直販を始めた。 スライサーを購入し、肉を近所や知人に配った。 「おいしい」という人と「硬い」と評価は両極端。 肉に自信はあったが、原因は、部位や切り方の違い。 肉の切り方、食べ方を消費者の視点で研究し続けた。

そして 94 年、育てた和牛を食べられる予約制のレストランを開店。 「おかしなことを始めた」と言う人もいたが、「ここに来てもらわなければ意味がない」と考えていた。 以来、口コミで評判が広がり、関西や関東からも客がやってくる。 現在、繁殖牛を 30 頭、子牛を 10 頭、肥育牛を 30 頭飼う。 春から秋には、大山に繁殖牛を放牧する。 ストレスを減らし、農薬のかかっていない草を食べさせる。 「どんな環境に牛がいるのか、消費者に見てほしい。」

■ ■

自由化で、畜産農家は、輸入牛にない和牛の良さを追求し、サシの入った見栄えの良い肉を作ることに躍起になった。 結果、消費者も「霜降り主義」に。 尾古さんも霜降りは和牛の良さだと思うが、脂肪が過剰になればおいしさが崩れる。 赤身のうまみと脂肪の質も重要だと感じる。 だから、直販やレストランで本当の肉のうまさを伝えたい。 牛肉の自由化には反対だったが、最近は考えも変わってきた。 「牛肉に関しては、消費者の選択の幅が広がっていいと思う。」

牛肉の輸入自由化

91 年度から牛肉の輸入が自由化され、輸入数量の制限がなくなった。 関税は 91 年度に 70%、92 年度は 60% と段階的に引き下げられた。 さらに、ウルグアイ・ラウンドの協議の結果、95 年度に 48.1%、2000 年度以降は 38.5% と、合意水準以上の関税の自主的引き下げを実施している。 (asahi = 3-24-12)


企画展 : 明治 - 昭和、時代を駆けた先人 写真家・堀市郎と画家・櫟山 - 松江歴史館

明治から昭和初期にかけてニューヨークで写真家として活躍した堀市郎 (1879 - 1969) と父櫟山 (れきざん、1856 - 1909) に焦点を当てた企画展「松江藩士の息子画家になる。 孫写真家になる。」が 20 日、松江市殿町の松江歴史館で始まった。 5 月 6 日まで。 松江市で生まれた堀市郎は松江と東京で写真修業した後、1901 年に渡米。 ブロードウェー俳優の肖像写真を手がけるなど活躍した。 父櫟山も画家として活動した。

堀市郎が撮影した野口英世や東郷平八郎などの肖像写真や愛用の写真機、櫟山が描いた作品など約 120 点を展示している。 同館の西島太郎学芸員は「自らの力で時代を切り開いた先人の姿に触れてほしい」と話す。 午前 8 時半 - 午後 5 時(4 月以降は午後 6 時半まで)。 期間中は 4 月 19 日休館。 一般 500 円。 小中学生 250 円(基本展示は別料金)。 同館 (0852・32・1607)。 (曽根田和久、mainichi = 3-21-12)


福島・いわきのプロスグループ、鳥取でキノコ事業

電子部品製造や人材派遣などを手掛けるプロスグループ(福島県いわき市)は、鳥取で農商工連携事業を再始動する。 同グループはいわき市でイチゴの生産・加工・販売といった 6 次産業化の取り組みを進めたが、福島第 1 原子力発電所の事故に伴う食品の風評被害問題で中断していた。 このため同原発から遠く、国内有数のキノコの研究機関がある鳥取に着目。 キクラゲを軸に農商工連携に再び取り組み、事業の柱に育てる。

鳥取でのキクラゲ生産に向け、プロスの農商工連携部門を「TPC」の社名で今月初めに分社化。 鳥取市内に TPC の工場兼支店を開設する。 工場は 2 階建ての空き倉庫(延べ床面積約 2,400 平方メートル)を改装。 約 1 億 2,000 万円を投じて冷蔵庫や乾燥機などを導入し、5 月の稼働開始を見込んでいる。

プロスは、いわき市ではイチゴによる農商工連携事業に取り組み、昨年 3 月以降に事業を本格化する段階まで進んでいた。 だが、「原発事故の風評被害などで頓挫した(八矢憲代表取締役)」という。 そこで福島第 1 原発から約 700 キロメートル離れ、国内有数の研究機関「日本きのこセンター」がある鳥取で、事業を再始動することを決めた。 八矢代表取締役は「何年後か分からないが、この事業をいわき市に持ち帰り、東北、関東圏をにらんだ全国展開を図りたい」としている。

鳥取工場はキクラゲの生産や、つくだ煮などへの加工が中心になる。 このほかに鳥取砂丘で生産されるラッキョウなどの漬物や県内の漁港で水揚げされる魚の一夜干しなどの農産物・水産物加工に取り組み、2012 年に約 2 億 5,000 万円、14 年に 4 億 7,000 万円の売り上げを目指す。

国内に流通しているキクラゲのうち、98% が輸入の乾燥品。 同グループは「食の安全」の観点から国産の強みをアピールするとともに、生のキクラゲを出荷して新たな食べ方を提案するなどして需要拡大を図っていく考えだ。 (nikkei = 3-16-12)


山陰合銀と日通、顧客企業の海外展開支援で提携

山陰合同銀行は日本通運広島支店と、顧客企業の海外ビジネス支援で提携した。 同行でアジアなどへの進出を検討する取引先企業が増えていることに対応、日通が持つ海外物流のノウハウを提供する。

両社はセミナーの開催や個別相談などを通じて、それぞれの顧客企業に相互のノウハウを提供する。 日通は、山陰合銀の取引先企業から海外でのビジネス展開に伴う貨物輸送などの業務獲得を狙う。 一方、山陰合銀は日通の顧客との新規取引につなげる。

山陰合銀は中国・大連市や大連銀行と業務協力協定を結び、現地で商談会を開くなど、海外ビジネスに関心を持つ顧客企業の支援に力を入れている。 呉信用金庫(広島県呉市)も日通広島支店と顧客企業の海外進出支援に関する提携を結んだ。 日通は中国のネット通販への出店支援など、呉信金の顧客企業の海外販路拡大を手伝う。 (nikkei = 3-14-12)


「たたら製鉄」見学・体験募集 島根・奥出雲町、一般向け初

島根県奥出雲町や同町観光協会などで組織する奥出雲町地域活性化実行委員会は砂鉄と木炭を使った「たたら製鉄」の見学・体験者の一般からの募集を始めた。 17、18 日に実施する。 これまで学校教育の一環として、たたら体験を実施したことはあるが、一般募集は初めてという。 参加は無料。

現在もたたら製鉄を操業している「日刀保たたら(奥出雲町)」で見学・体験を行う。 通常はたたら操業は原則非公開で、実際の現場を見ることができる機会は貴重という。

17 日は午前 9 時に炉を築くところから始め、午後 5 時に火入れ式、18 日午後 2 時に炉を壊して溶けた鋼を取り出す「釜崩し」まで作業は 1 昼夜にわたるが、体験・見学者は都合の良い短時間のみに参加でも可能。 通常の作業は 3 昼夜だが、今回は 1 昼夜ですむ小型の炉を使う。

炭焼き体験や国の登録有形文化財である角型熔鉱炉(ようこうろ)の見学も同時開催する。 同町によると、主に地元住民にたたら製鉄への理解を深めてもらう取り組みの一環だが、「奈良県、愛媛県、広島県からの申し込みも来ている」としている。 (nikkei = 3-10-12)


植物工場 低コスト設置 HRD、殺菌装置不要

発光ダイオード (LED) 照明製造の HRD (鳥取市、原田宜明社長)は、低コストの植物工場用プラントを開発した。 腐敗を防ぐため有用菌を加えた液肥と太陽光に近い波長の LED 照明を組み合わせた設備で、高価な循環殺菌装置が不要になり、初期投資を大幅に抑制できるのが特徴。 鳥取市の本社内にプラントを設置してレタスなどを生産。 農業に参入し新たな事業の柱に育てるとともに、将来はプラント販売も視野に入れる。

「iDEAL (アイディアル)方式」と呼ぶ低コストプラントは、大阪府内のメーカーの協力を得て開発。 細かい温度や湿度の管理が必要な育苗をインキュベーション(ふ化器)タイプの市販のミニ野菜栽培システムで行い、育成段階に入った苗を低コストプラントで促成栽培する。

新プラントは発泡スチロール製などの容器に、植物の成長を促進する有用菌を加えた液肥を入れ、LED の光が苗に当たるよう棚に並べるだけで済む。 日産 10 キログラム程度のプラントの場合、育苗用のシステムを含めても 200 万 - 300 万円程度に抑えられる。

これに対し、無農薬・無菌状態で栽培する従来方式の植物工場は雑菌による液肥の腐敗などを防ぐため、栽培スペースを気密化する設備や、液肥を循環させる配管、殺菌装置などが不可欠。 このため、初期投資が 1,000 万円単位に膨らむという。

原田社長は「iDEAL 方式では、苗を入れる容器や棚はホームセンターなどで調達できる。 雑菌の繁殖抑制に有用菌の力を借りるという逆転の発想で、日産 10 キログラム程度のプラントなら従来方式に比べて初期投資を 5 分の 1 程度に抑えられる。」と説明する。

また、従来のプラントは植物の成長に必要な青と赤の波長だけを出す LED 照明が使われることが多いが、iDEAL 方式では太陽光に近い波長を出し、発熱量の少ない新開発の「お陽(ひ)さま LED」を採用。 「緑色の波長があると病気に強くなるという最新の研究成果があり、安定した収穫量が期待できる(原田社長)」という。

野菜生産は障害者雇用を目的とした関連会社「HRD iDEAL」が担当。 すでに HRD の本社 2 階の空きスペースを活用し、約 200 平方メートルのプラントで試験的にレタスの栽培を開始。 今夏をめどに約 500 平方メートルに拡大し、初年度は 1 日当たり 100 キログラムを地元飲食店などに出荷する。 5 年後をめどに周辺地域にもプラントを増設し、年間 5 億円の売り上げを目指す。 (nikkei = 3-8-12)


「コナン列車」の旅いかが JR 西日本が 4 月から運行

「コナンのふるさと」へイラスト列車の旅はいかが - -。 西日本旅客鉄道(JR 西日本)は鳥取県北栄町出身の漫画家、青山剛昌さんの人気作品「名探偵コナン」のキャラクターで埋め尽くしたイラスト列車を、4 月 3 日から山陰本線鳥取 - 米子間で運行する。

2 両 1 編成で、快速や普通列車として毎日運行。 レンガをイメージした明るい黄色を背景に、シャーロック・ホームズのような服装で虫眼鏡をのぞいたり、楽器を演奏するなどといったコナンのイラストを 1 両当たり 22 種類あしらった。

車両の改装などの費用約 1,000 万円は県が負担し、「2012 年国際マンガサミット鳥取大会」などのロゴも加える。 県は「『まんが王国とっとり』を県内外に PR して観光集客につなげるとともに、米子駅発着の妖怪イラスト列車とあわせて県内の周遊観光を楽しめるツールになれば」と期待する。

県は運行開始日前日の 2 日に、鳥取 - 米子駅間を往復する特別列車を運行。 コナンの着ぐるみが同乗するイベントなどを計画し、特別列車の乗客を 2 人 1 組で計 100 組募集する。 締め切りは 3 月 16 日。 問い合わせは県まんが王国とっとり推進室(電話 0857・26・7238)。 (nikkei = 3-7-12)


島根・安来市、ナンバープレートにドジョウすくいキャラ

島根県安来市は原動機付き自転車やミニカー(排気量 50cc 以下の 3、4 輪車)向けにオリジナルデザインのナンバープレートを 4 月 9 日から交付する。 安来節のドジョウすくい踊り姿の同市マスコットキャラクター「あらエッサくん」をあしらったデザインで、安来市と郷土芸能である安来節の PR が狙い。

インクジェット印刷を採用し、鮮やかなカラーのデザインにした。 排気量や車種ごとに白、薄黄、薄桃、薄青の 4 種。 外枠は豆絞り(手ぬぐい)柄。 右上に配置したあらエッサくんのおでこの微妙な肌色も美しく表現されているという。 新規登録のほか、現在使用しているプレートを交換できるという。 同市は初回分として 2,000 枚を既に発注。 「安来節保存会が昨年 100 周年を迎えたことも機に、安来節を盛り上げ、地域活性化にもつなげたい(同市税務課)」としている。 (nikkei = 3-3-12)


中国電、風力発電受け入れ 4 月に 3 年ぶり募集再開

中国電力は 1 日、同社と電力網を接続する風力発電事業者を募集するための説明会を広島市内で開いた。 合計で 32 万キロワット規模の電力を受け入れる予定で、4 月 2 日から随時申し込みを受け付ける。 再生可能エネルギーの全量買い取り制度開始を控え、風力発電に前向きな事業者が増加するとみて 3 年ぶりに募集を再開する。

接続対象は事業用・非事業用の 20 キロワット以上の風力発電所。 中国電と基本協定を結んだ発電事業者は、2,000 キロワット以上の場合は 4 年以内、2,000 キロワット未満は 3 年以内に電力網を接続する必要がある。 中国電は風力発電による電力を管内で最大 62 万キロワットまで受け入れ可能とみており、現在は約 30 万キロワットを受け入れている。 近年は風力発電の拡大や新規参入に慎重な事業者が多かったため、募集を停止していた。

1 日の説明会には風力発電事業者や建設業者、商社など 33 社の計 47 人が参加。 今夏の買い取り制度の施行を控え「事業者の意欲が高まっている(中国電)」ことを印象づけた。 (nikkei = 3-2-12)