日銀、成長率見通しを下方修正 海外経済の失速・円高で 日本銀行は 27 日の金融政策決定会合で、日本経済の見通しを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」をまとめた。 海外経済の減速や歴史的な円高の影響が出るとみて、2011、12 年度の実質国内総生産 (GDP) の成長率見通しを引き下げた。 11 年度の成長率見通しは 7 月時点の 0.4% から 0.3% に、12 年度は 2.9% から 2.2% に下げた。 今回初めて公表した 13 年度の成長率見通しは、東日本大震災の復興が一段落するとみて 1.5% とした。 13 年度の物価見通しは 0.5% の上昇にとどまる。 日銀は、1% 程度の物価上昇率が見込めるまで事実上のゼロ金利政策を続ける考えで、日銀の見通しどおりなら 13 年度もゼロ金利が続くことになる。 (asahi = 10-27-11) ◇ ◇ ◇ 日銀、成長率下方修正へ 11・12 年度見通し 日本銀行が、2011 年度と 12 年度の経済成長率と物価の見通しを引き下げる見通しになった。 欧州の政府債務(借金)問題をきっかけにした世界経済の減速や、1 ドル = 80 円を上回る「超円高」が日本の景気回復を妨げつつある。 日銀は 27 日の金融政策決定会合で、「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」をまとめる。 この中で、11 - 13 年度の実質国内総生産 (GDP) の成長率と、消費者物価指数(生鮮食品を除く)の見通しを明らかにする。 11 年度の成長率は、7 月時点で予想していた「0.4%」から「0.2% 前後」に引き下げる見通し。 12 年度は東日本大震災からの復興が本格化するとみて「2.9%」を見込んでいたが、「2% 台前半 - 2% 台半ば」に引き下げるとみられる。 (asahi = 10-25-11) 円、3 日連続で最高値更新 ロンドン 1 ドル 75 円 67 銭 ロンドン外国為替市場で 27 日、円高ドル安が進み、一時 1 ドル = 75 円 67 銭をつけた。 前日にロンドン市場でつけた戦後最高値(1 ドル = 75 円 71 銭)を更新した。 最高値の更新は 3 日連続。 (asahi = 10-27-11) ◇ ◇ ◇ 円、また戦後最高値を更新 一時1ドル 75 円 71 銭 ロンドン外国為替市場で 26 日、円高ドル安が一段と進んで一時 1 ドル = 75 円 71 銭をつけた。 25 日にニューヨーク市場でつけた戦後最高値(1 ドル = 75 円 73 銭)を更新した。 (asahi = 10-26-11) ◇ ◇ ◇ 超円高の背景に米の低成長も ガイトナー財務長官見解 ガイトナー米財務長官は 25 日、訪問先のノースカロライナ州で記者団の取材に応じ、円が対ドルで戦後最高値を更新したことについて、米経済の緩慢な成長が背景にあるとの見方を示唆した。 欧州危機への欧州側の対応については「戦略と詳細が必要だ」と述べ、欧州側に強力な具体策を打ち出すよう求めた。 ガイトナー長官は 25 日、歴史的な円高ドル安の水準について「(相場についての)見解はない」と断りつつ、「米経済の成長は緩慢になっており、欧州情勢にからむ懸念も降りかかってきている」と語った。 長官が、超円高に言及するのは初めて。 米経済の低成長や、欧州危機の影響で、ドルが売られやすい状況になっている現在の世界経済の構図を示唆したものだ。 一方、欧州危機への対応については「我々は(欧州の包括的な対策の)詳細を目にしたいと思っている。 単に達成したい目標が何なのかではなく、(それを実現するための)戦略や(計画の)詳細が必要だ」と語った。 (ノースカロライナ州ウィルミントン = 尾形聡彦、asahi = 10-26-11) ◇ ◇ ◇ 円また戦後最高値更新、1 ドル 75 円 73 銭 NY 市場 25 日のニューヨーク外国為替市場で一時、円が 1 ドル = 75 円 73 銭をつけ、21 日につけた戦後最高値(75 円 78 銭)を塗り替えた。 欧州情勢への懸念や米景気の先行き不透明感が強まり、ドルやユーロが売られたためだ。 欧州問題の解決が遅れる可能性があることなどを欧米メディアが報じたのがきっかけになった。 また、25 日朝に発表された米国の消費者心理の動きを示す指標が予想よりも悪く、米景気の後退懸念が再び強まっていることも、ドル売りが膨らむ要因になった。 円高が加速すると日本の輸出産業にとって大きな打撃となるため、政府・日本銀行は、円を売ってドルを買う為替介入に単独でも踏み切る準備に入った。 (ノースカロライナ州ウィルミントン = 尾形聡彦、asahi = 10-25-11) ◇ ◇ ◇ 日本の株、外国人投資家が買い越し 欧州不安緩和を期待 東京、大阪、名古屋の 3 証券取引所の 10 月第 2 週(11 - 14 日)の取引で、外国人投資家による「買い」が「売り」を 12 週ぶりに上回った。 今後、欧州の政府債務(借金)問題に対する不安が和らぎ、株価が上がることを期待して買い戻しが進んだとみられる。 東京証券取引所が 20 日、発表した。買いは約 2 兆 5,290 億 5 千万円で売りは約 2 兆 4,656 億 7 千万円。 差し引き約 633 億 8 千万円の買い越し。 外国人投資家の売買は取引の約 7 割を占め、相場への影響が大きい。 ただし、「欧州問題の先行きを見極めようと外国人の売買自体が減っており、買い越しが定着するかは不透明だ(大手証券)」という。 (asahi = 10-20-11) 国内景気「持ち直しの動き続く」 日銀総裁が見解 日本銀行は 20 日午前、全国各地の景気について話し合う支店長会議を開いた。 冒頭のあいさつで白川方明(まさあき)総裁は、国内の景気が「持ち直しの動きが続いている」と述べた。 生産や輸出が緩やかながらも回復を続けているとの見方からだ。 この先も「緩やかな回復経路に復していく」という見通しを示した。 しかし、欧州の政府債務(借金)問題など「海外情勢をめぐる不確実性がある」とも指摘した。 海外の金融市場が不安定になり、日本経済に悪影響を及ぼすおそれもあるため、今後の動きを「丹念に点検する必要がある」とした。 金融政策については「先行きの経済・物価動向を注意深く点検したうえで、適切に対応する」と述べ、必要があれば、追加の金融緩和を検討する構えを改めて示した。 支店長会議は、20 日午後に「地域経済報告(さくらリポート)」を公表し、大阪と名古屋、札幌、福岡の各支店長が記者会見する。 (asahi = 10-20-11) 小企業、好業績でも免税「再検討を」 検査院要請 小規模な会社の負担を軽くするため、資本金が 1 千万円未満なら会社設立後 2 年間は消費税を免除する制度を会計検査院が調べたところ、業績が好調で売り上げが 3 億円を超える会社まで免税されていたことがわかった。 課税逃れととれるような例もあり、検査院は 17 日、問題点を解消するよう財務省に制度の再検討を求めた。 全国 8 国税局と 47 税務署で抽出。 2006 年に設立されて 2 年間消費税の免除を受けたサービス業などの株式会社と有限会社 1,283 社を調べた。 うち 343 社は 1 年目の売上高が 1 千万円を超えた。 超えた社の平均は約 6,400 万円だった。 これらの会社に 2 年間、消費税を課したとすると総額約 11 億 3 千万円。 売り上げが 1 年目で 1 億円を超えた社は 58 社、3 億円超も 9 社に上った。 この優遇措置は、小規模な会社の税負担を軽くするとともに、複雑な消費税の申告手続きの負担を軽減する狙いもある。 しかし、この制度を利用した節税策は企業間で広まっている可能性があり、検査院は「消費税の増税論議が注目される中、抜け道ともいえる実態がないか調べた。 制度を利用し租税回避したような会社もあった。」としている。 (asahi = 10-18-11) 半年ぶりに基調判断引き下げ 10 月の月例経済報告 古川元久経済財政相は 17 日、10 月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出し、国内の景気の基調判断を今年 4 月以来、半年ぶりに引き下げた。 海外経済の減速を受け、輸出や生産の伸びの勢いがやや落ちていることから、「東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるなかで、引き続き持ち直しているものの、そのテンポは緩やかになっている」とした。 9 月の報告では「震災の影響により依然として厳しい状況にあるものの、持ち直している」としていた。 (asahi = 10-17-11) 資源外交「戦略会議」設置へ 野田政権、民間企業も加え 野田政権が本格的な資源外交戦略を策定する。 東京電力福島第一原発事故でエネルギー政策の見直しが急務となり、中長期の資源確保策を練り直す必要があるためだ。 近く民間企業も加わる「資源外交戦略会議(仮称)」を設置し、具体的な資源や産出国を絞り込んで 5 年単位の計画をまとめる方針だ。 戦略会議は「パッケージ型インフラ海外展開関係大臣会合(議長・藤村修官房長官)」の下に新設。 外務省や経済産業省、石油天然ガス・金属鉱物資源機構 (JOGMEC) などに加え、自動車や家電大手などの民間企業が参加。 次世代自動車や新型家電の開発に必要な資源を把握し、効率的な戦略づくりを狙う。 そのうえで戦略会議では、(1) 当面必要とする資源と産出国に優先順位をつける、(2) 産出国の情報を収集し、政府の途上国援助 (ODA) やインフラ輸出を組み込んだ協力策をつくる、(3) 首脳や閣僚の訪問を集中させ、官民一体で環境整備を目指す。 枝野幸男経産相は 7 日の記者会見で「日本にとって重要度の高い資源分野に対して、積極的に投資していきたい」と強調した。 (asahi = 10-14-11) ◇ ◇ ◇ 「円高逆手に資源確保を」 前原氏、首相に提案 民主党の前原誠司政調会長は 4 日、野田佳彦首相と首相官邸で会談し、円高のメリットを利用して海外企業の買収や資源確保を積極的に進める党の政策案を申し入れた。 外国為替資金特別会計から国際協力銀行 (JBIC) への融資枠を約 2 兆円追加して約 10 兆円にすることが柱。 資金量を増やし、食糧や資源関連企業を買収したり、鉱山の採掘権を買ったりする日本企業の活動を後押しする。 投資の際に円を外貨に替えるため、円高を抑制する効果も狙う。 首相は「了解した」と応じたという。 (asahi = 10-4-11) 8 月の機械受注 11% 増 市場予想大幅に上回る 内閣府が 12 日朝発表した 8 月の機械受注統計によると、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)は前月比 11.0% 増の 8,049 億円で、2 カ月ぶりの増加だった。 市場予想の平均は 4.6% 増だった。 うち製造業は 13.7% 増、非製造業は 6.1% 減だった。 前年同月比での「船舶・電力を除く民需」受注額(原数値)は 2.1% 増だった。 内閣府は基調判断を「持ち直し傾向にある」に据え置いた。 機械受注は機械メーカー 280 社が受注した生産設備用機械の金額を集計した統計。 受注した機械は 6 カ月ほど後に納入され、設備投資額に計上されるため、設備投資の先行きを示す指標となる。 (nikkei = 10-12-11) 景況感が大幅回復 日銀短観 6 月より 11 ポイント改善 日本銀行が 3 日発表した 9 月の企業短期経済観測調査(短観)は、企業の景況感が、東日本大震災の影響で落ち込んだ 3 カ月前に比べて大きく改善した。 ただ、円高や欧州の政府債務(借金)問題などの懸念材料もあり、先行き見通しの改善は小幅にとどまる。 短観は 3 カ月ごとに企業に景況感を聞く調査。 景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた業況判断指数 (DI) で表す。今回は、8 月 29 日 - 9 月 30 日に全国 1 万 910 社に尋ね、98.8% が回答した。 今回の 9 月調査では、大企業・製造業の DI はプラス 2 で、震災後にマイナス 9 まで落ち込んだ前回 6 月調査より 11 ポイント改善した。 DI のプラスは半年ぶり。 (asahi = 10-3-11) ◇ ◇ ◇ 景況感は改善、先行きに警戒感 9 月の短観民間予想 日本銀行が 10 月 3 日に発表する 9 月の企業短期経済観測調査(短観)について、民間シンクタンク 12 社の予測が出そろった。 東日本大震災で落ち込んだ生産が回復していることから、いずれも景況感が改善するとみている。 だが、欧米の景気減速や円高により、先行きは厳しい見方が多い。 短観は 3 カ月ごとに実施している。 景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた「業況判断指数 (DI)」を出し、経営者の景況感を表す。 12 社の予測では、大企業・製造業の景況感を示す DI は「0」〜「プラス 5」。 震災前の 3 月調査の「プラス 6」には及ばないものの、震災後初となった 6 月調査の「マイナス 9」より改善するとみている。 (asahi = 9-27-11) 「愛国的生産」行う日本企業 日本の企業は韓国に比べ 2 - 3 倍高い電気料金や法人税、原子力発電所事故による電力不足で頭が痛いが、その上円高にも見舞われ、悲鳴を上げている。 円高により、大手メーカーでは営業利益が 20% 以上減少するとみられているほどだ。 日本企業は「ライバルの韓国企業はウォン安が輸出の追い風になっている」と不満顔だ。 日本では複数のメーカーが海外に生産拠点を移していることから、産業空洞化の懸念も高まっている。 しかし、日本の看板企業は「製造業死守」を続々と宣言している。 トヨタ自動車の豊田章男社長はこのほど「円高でも 300 万台の国内生産は維持する」と宣言した。 国際競争力を維持するためには海外生産の拡大や部品調達の多角化は避けられないが、雇用維持のため全生産台数 700 万台のうち、300 万台は日本で作るというのだ。 日産自動車も「日本での生産 100 万台」を維持するため、輸出用の車を主に生産している九州の工場を分社するなど、コスト削減体制を整えている。 富士通は先日、中国で生産していたパソコンの国内生産を決めた。 新型多機能ロボットを導入し人件費の割合を下げれば、競争力は十分あるというわけだ。 研究開発費などコスト削減のため、ライバル企業同士による「呉越同舟」も本格化している。 日本市場で激しい戦いを繰り広げてきた東芝・日立・ソニーの 3 社は、中小型液晶パネル生産部門を統合することにした。 ほかにも、新日本製鉄と住友金属工業が経営統合を推進するなど、企業間の統合が加速している。 1970 - 80 年代に世界を制覇した日本企業に陰りが見えている原因の一つに、開発・部品調達・組み立てを日本国内で続けようとする「愛国的生産」がある。 日本企業による自国中心の生産システムは部品産業を世界で最強に押し上げたが、完成品の競争力をしぼませてしまった。 研究開発と設計は本社で行い、部品調達と製造は世界で最もコストが安い企業に任せるというやり方で「グローバルアウトソーシング」を実行している米アップル社などとの競争力の差は、時間がたてばたつほど広がっている。 日本企業がグローバル化に消極的だったのは、日本式資本主義の影響も大きい。 豊田社長は「日本は、顧客・従業員・地域社会などの利害関係者を尊重する『公益資本主義』だ。 (利益を生むことだけに没頭している)欧米の巨大資本主義に対抗して戦い、勝たなければならない。」と語った。 外国の多国籍企業は自国の雇用に配慮しないという批判だ。 日本国民も、品質や価格ではなく国産に対するこだわりで企業の努力に応えた。 最近やっとアップルやサムスンなどの外国製スマートフォンが日本でも発売されたが、世界市場を席巻した韓国製テレビや自動車を日本でほとんど見掛けないのも「愛国的消費」という日本独特の非関税障壁のせいだろう。 20 年間にわたる不況、頻繁な首相交代、少子化による国内市場の先細り、先進国最悪の公的債務残高など、数多くの悪材料に囲まれていても、失業率で日本が米国 (9%) の半分にすぎない 4% 台を維持しているのは、愛国的生産と消費が行われているからだ。 - 東京 = 車学峰(チャ・ハクポン)特派員 (韓国・朝鮮日報 = 9-30-11) 消費者物価指数 0.2% 上昇、消費支出は減 8 月 総務省が 30 日発表した 8 月の全国の消費者物価指数(速報値、2010 年 = 100)は、価格変動が大きい生鮮食品を除く総合指数が 99.9 となり、前年同月より 0.2% 上昇した。 ガソリン価格が上がり、テレビの値下がり幅が前年より緩やかだったため。 2 カ月連続の上昇だが、「足元の物価の動きは小さい(統計局)」という。 また、同日発表した 8 月の家計調査では、1 世帯あたりの消費支出(単身世帯を除く)は 28 万 2,008 円で、物価変動を除いた実質ベースで同 4.1% 減った。 減少は 6 カ月連続。 ただ、エコカー補助金の打ち切りや電気代の節約などの要因が大きいとして、「下げ止まりつつある」とする基調判断は変えなかった。 (asahi = 9-30-11) 復興増税、成長率 0.1 - 0.2% 押し下げ 内閣府試算 内閣府は 28 日、東日本大震災の復興財源にあてる政府・与党の臨時増税案が日本経済にどれだけ影響を与えるかの試算をまとめた。 2012 - 14 年度の実質経済成長率を 0.1 - 0.2% 程度押し下げるという。 試算では、法人減税の凍結とたばこ増税の影響が出る 12 年度は 0.08% 程度、年度を通じて所得増税となる 13 年度は 0.2% 弱程度の押し下げ幅だった。 復興需要が増えるというプラス効果は織り込んでいない。 民間シンクタンクでは、野村証券が 28 日、増税が実質成長率を押し下げる影響は 12 年度が 0.02%、13 - 14 年度は 0.06 - 0.05%、と試算した。 逆に、総額 12 兆円の 2011 年度第 3 次補正予算が執行され始めれば、1 年で 1% 超の押し上げ効果があるという。 (asahi = 9-28-11) ◇ ◇ ◇ 第 3 次補正は 11 兆円超 増税期間 10 年に 民主方針 民主党は 22 日、東日本大震災の復旧復興費や円高対策を盛り込む第 3 次補正予算案の規模を 11 兆円超とする方針を固めた。 東京電力福島第一原発の事故に伴う除染費用や台風 12 号の被害による災害対策費などを盛り込んで、10 月下旬に国会に提出する方針。 予算の内訳は、集団移転促進事業などを行う復興一括交付金や地域経済再生のための企業の立地補助金など復興対策等事業費に 5.5 兆円、被災者への低利融資などに 6 千億円、道路の防災や河川の津波対策、学校耐震化など防災対策費に 5 千億円を計上。 地方交付税の加算分 1.6 兆円や B 型肝炎対策費の基金 500 億円、年金財源の穴埋め分 2.5 兆円も盛り込む。 台風 12 号の災害対策費などの経費は 3 千億円とした。 一方、復興財源にあてる臨時増税を議論している党税制調査会は同日の役員会で、政府税制調査会が提示した選択肢のうち、所得・法人税にたばこ税を加える案を選んだ上で、相続税を増税対象に加え、10 年間の増税を行う案で調整することを決めた。 野田佳彦首相と輿石東幹事長は 25 日に政府・民主三役会議を開いてこうした方針を確認。 26 日の税調総会で議論したうえで藤井裕久税調会長への一任を取り付け、民主党案をまとめて与野党協議に臨む。 (asahi = 9-23-11) ◇ ◇ ◇ 復興財源に相続増税・たばこ増税も 民主税調が方針 東日本大震災の復興財源にあてる臨時増税について民主党税制調査会(藤井裕久会長)は 22 日、政府税制調査会が提示した選択肢のうち所得・法人税にたばこ税を加える案を選んだ上で、相続税も増税対象に加える方針を固めた。 所得税の増税幅を抑える狙いだ。 26 日の総会で議論し、民主党案のとりまとめをめざす。 政府税調が 16 日にまとめた選択肢は、所得税の納税額の一定割合を上乗せする定率増税で 10 年間で 7.5 兆円、法人減税の 3 年間凍結で 2.4 兆円の財源を捻出することが柱。 これに 10 年間のたばこ増税を加えれば 1.7 兆円の財源となり、その分だけ所得税の増税幅を引き下げられるという案も挙げた。 ただ、所得税は所得がある人しか負担しないため、これまでの民主党税調の会合では「現役世代に負担が偏る」という意見が出ていた。 党税調は、相続税についても定率増税を検討。 1 割の定率増税で年 1 千億円程度の税収増が見込めるため、所得増税幅のさらなる圧縮につなげたい考えだ。 (asahi = 9-22-11) ◇ ◇ ◇ 法人税、5% 減税後に 4% 強臨時増税 政府税調が方針 政府税制調査会(会長・安住淳財務相)は、東日本大震災の復興にあてる臨時増税について、来年度から法人税率を 5% 幅引き下げたうえで、3 年間に限って 4% 強を増税し直す方針を固めた。 残りの財源は所得増税を中心とし、増税期間を 5 - 15 年とした場合の複数の選択肢を示す。 復興には今後 5 年間で追加で 15.5 兆円のお金がかかる。 5 兆円分は、子ども手当の減額や財政投融資特別会計の剰余金、政府保有株の売却などで捻出し、10 兆円強を臨時増税でまかなうことを想定している。 (asahi = 9-14-11) 「日本再生枠」 7 千億円 来年度予算の概算要求基準決定 野田内閣は 20 日、来年度予算の概算要求基準を閣議決定した。 各省庁には政策経費の一律 1 割削減を求める一方、「日本再生重点化措置」として、7 千億円の特別枠を用意。 日本経済の再生に向け、成長分野に重点配分する。 今回の基準は、8 月下旬に大枠を示した「要綱」の内容をほぼ踏襲。 野田佳彦首相は閣議の前の閣僚委員会で「経済成長と財政再建を両立させるのが基本中の基本だ」とあいさつした。 特別枠の対象は、▽ 再生可能エネルギー開発などの新成長戦略、▽ 教育や雇用などの人材育成、▽ 地域活性化、▽ 安心・安全社会 - - の 4 分野。 財源には、年少扶養控除の廃止にともなう地方増収分などをあてる。 財務省は当初 6 千億円を想定していたが、1 千億円上積みした。 年末の予算編成の段階では、1.3 兆円を計上する予定の予備費の一部を活用し、特別枠の金額がさらに増える可能性もある。 (asahi = 9-20-11) 被災 3 県の地価、大幅下落 浦安の一部も 国土交通省は 20 日、7 月 1 日時点の都道府県地価調査(基準地価)を公表した。 東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島の 3 県の住宅地と商業地は、全国平均よりも大きな下げ幅を記録。 地震と津波、原発事故による傷痕の大きさが地価下落に拍車をかけた。 震災後、全国の土地取引の状況をふまえた初めての本格的な調査となった。 調査は 2 万 2,460 地点で実施した。 津波の被害が大きかった岩手県陸前高田市や宮城県石巻市、福島県の原発周辺地域、液状化が生じた千葉県浦安市などのそれぞれ一部、計 93 カ所は土地の取引が成立せず、市場価値を判断できないので調査を取りやめた。 全国的には、住宅地の下げ幅が 3.2% (前年 3.4%)、商業地は 4.0% (同 4.6%)、工業地なども含めた全用途は 3.4% (同 3.7%)で、いずれも 2 年続けて下げ幅が縮小した。 商業地では 31 都道府県で下げ幅が緩やかになり、2008 年秋のリーマン・ショックに端を発した地価下落のペースに歯止めがかかりつつある。 (asahi = 9-20-11) 景気「持ち直し」維持 9 月の月例経済報告 古川元久経済財政相は 20 日、9 月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。 国内景気の基調判断は「依然として厳しい状況にあるものの、持ち直している」として、8 月の報告から据え置いた。 海外経済の減速や円高などの下ぶれリスクを強調している。 個人消費は 6 - 8 月まで 3 カ月連続、生産は 6 月と 8 月にそれぞれ上方修正したが、9 月はいずれも判断を維持。 「持ち直しの動きがみられる」とした個人消費は、新車販売台数が伸びている一方、地上デジタルテレビの反動減が響いている。 「持ち直している」とした生産も、サプライチェーン(部品供給網)の急回復を受けた 5 - 6 月ほどの勢いは見られず、輸出の伸びも鈍っている。 ただ、内閣府は一時的な要因や今後の復興需要への期待が高いとみて、「基調が変わったわけではない」と判断した。 倒産は件数が横ばいであること、住宅建設は先延ばしの動きが落ち着いたことを受け、上方修正した。 (asahi = 9-20-11) ◇ ◇ ◇ 大企業の景況感、4 期ぶり改善 7 - 9 月期 内閣府と財務省が 12 日発表した 7 - 9 月期の法人企業景気予測調査(政府短観)によると、大企業(全産業)の景況感を示す指数は 6.6 となり、前期(4 - 6 月期)のマイナス 22.0 から改善した。 プラスに転じるのは 4 四半期ぶり。 幅広い業種で東日本大震災後の落ち込みからの持ち直しの動きがみられた。 特に自動車と自動車部品製造業は、海外需要の回復も後押しして、前期のマイナス 75.4 から 71.4 と大きく改善した。 指数は、前期と比べ「上昇」と答えた企業の割合から「下降」と答えた企業の割合を引いた値。 (asahi = 9-12-11) ◇ ◇ ◇ 8 月の地域経済動向、9 地域で上向く 震災後の生産回復 内閣府は 29 日に発表した 8 月の地域経済動向で、全国 11 地域のうち、北陸と四国を除く 9 地域で、景況判断を前回調査(5 月)から上方修正した。 東日本大震災後に落ち込んだ生産が、自動車を中心に回復していることが大きい。 津波や原発事故が直撃した東北は、「極めて大幅に悪化している」から「依然として厳しい状況にあるものの、持ち直している」に判断を引き上げた。 生産面では、食品・たばこで生産が減ったが、ノート型パソコンなど情報通信機械が増えた。 個人消費でも夏物衣料や生鮮食品などが好調という。 全国的にみると、上方修正した 9 地域はいずれも、前回調査で景況判断を下方修正した地域。 ただ、近畿や九州では生産は回復しているが、震災前の水準に戻っていない。 今回、「弱含んでいる」に 1 地域だけ下方修正した四国は、半導体集積回路の生産の落ち込みが響いた。 (asahi = 8-29-11) 経団連、新成長戦略を提言 GDP 実質 2% 成長目標 経団連は 16 日、民主党や政府への提言「成長戦略 2011」を公表した。 今後 10 年の国内総生産 (GDP) の実質成長率目標を 2% 以上と設定。 エネルギー政策の見直し、為替安定化など、日本で企業活動を続けられる「立地競争力の強化」が必要だとした。 野田佳彦首相は日本再生の戦略を年内にまとめる予定。 経団連はそこに提言が盛り込まれるよう働きかける。 10 年春にも似た提言をしたが、東日本大震災や超円高など企業を取り巻く環境が厳しさを増し、改めて「立地競争力」をキーワードに練り直した。 新提言では、(1) エネルギー・環境政策の見直し、(2) デフレ脱却と為替の安定化、(3) 法人税を含む企業の公的負担の軽減、(4) 環太平洋経済連携協定 (TPP) をはじめとする経済連携促進、(5) 労働市場の多様性をふまえた雇用政策が必要だと指摘。 企業も、エネルギー・環境技術など日本の得意分野の革新、住環境にも配慮した産業集積、成長するアジアと一体化した事業展開などに取り組むとしている。 (中野和郎、asahi = 9-17-11) 4 - 6 月の GDP を下方修正 年率 2.1% 減に 内閣府が 9 日発表した 2011 年 4 - 6 月期の国内総生産 (GDP) の 2 次速報は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)で前期比 0.5% 減、年率換算で 2.1% 減だった。 8 月に発表した 1 次速報の 0.3% 減(年率換算で 1.3% 減)から下方修正となった。 (asahi = 9-9-11) ◇ ◇ ◇ GDP 年 1.3% 減 4 - 6 月期 3 四半期連続マイナス 内閣府が 15 日発表した 2011 年 4 - 6 月期の国内総生産 (GDP) の 1 次速報は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整済み)で、前期比 0.3% 減、年率換算では 1.3% 減となった。 マイナス成長は 3 四半期連続。 東日本大震災後に国内生産が落ち込み、輸出の減少をもたらした一時的な要因が大きかった。 物価の動きを反映し、生活実感に近い名目 GDP は前期比 1.4% 減、年率では 5.7% 減で、同じく 3 四半期連続の減少だった。 (asahi = 8-15-11) 国際競争力、日本は 9 位 米国は 5 位、中国 26 位 世界の政財界のリーダーが集うダボス会議の主催団体「世界経済フォーラム(本部ジュネーブ)」は 7 日、「世界競争力報告書」を発表した。 日本は昨年よりも三つ順位を下げて 9 位。 技術力などは高く評価されたが、対象となった 142 カ国で最大の政府債務などが懸念材料とされた。 報告書はインフラ整備や教育医療水準、政府や市場の効率性などの 12 分野を調べ、7 点満点で評価。 日本は 5.40 点だった。 今年春までのデータに基づくため、東日本大震災の影響はほとんど考慮されていないという。 1 位は 5.74 点のスイス。 2 位シンガポールが 5.63 点、3 位スウェーデンが 5.61 点と続いた。 米国は 5.43 点の 5 位で、「政治家への不信と政府の非効率性」などが理由で昨年よりも順位を一つ下げた。 中国は 4.90 点で 26 位だった。 (ジュネーブ = 前川浩之、asahi = 9-7-11) 消費増税法案、時期と税率「数字明記」 安住財務相 安住淳財務相は 5 日、朝日新聞などのインタビューに応じ、消費増税と社会保障の一体改革について「今年中に法律に落とし込む作業を終えたい。 数字は明記する。」と述べ、いつから何 % に消費税率を上げるのかを年内に決める考えを示した。 6 月末にまとめた一体改革の政府・与党案は、「2010 年代半ばまでに段階的に消費税率 10% に引き上げ」と、増税の時期や段階的な引き上げ幅があいまいになっている。 消費増税に対する民主党内の反発に配慮したためだ。 だが、安住氏は「今の日本には、財政問題が非常に重くのしかかっている」と強調。 年末の予算編成にあわせ、来年度税制改正とともに消費増税の法案化も進め、「来年の通常国会に提出する決意だ」と話した。 (asahi = 9-6-11) 世界的な経済危機に強い日本 米国の格付け会社が、各国の国債の信用度を示す格付けを引き下げたことで、世界的に株価が暴落し、為替市場が混乱に陥っている。 イギリスでは暴動が発生するなど、世の中が騒然となっている中、格付け会社ムーディーズが今月 24 日、国債の格付けを 1 段階引き下げた日本では、むしろ円高傾向が続くなど、大きな影響は見られなかった。 世界的な経済危機の中、日本では平穏な状態が続いているとさえ感じられる。 津波や原発事故に打ちひしがれた日本人の多くが今、「円高」という明るい話題に笑みを浮かべている。 海外旅行に掛かる費用が国内旅行に比べ安くなり、空港は海外に出掛ける人たちでごった返している。 また、商店街では「円高還元セール」が盛んに行われている。 輸入品の価格は最高価格の半分程度まで下がった。 株価の暴落も他人事だ。 日本でも株価が暴落したが、個人資産に占める株式の割合が 6% にすぎないためだ。 日本では奇妙なことに、世界的な金融危機が発生するたびに円高傾向がもたらされる。 普段は日本を蔑んでいる世界の国々も、危機が起きると「やっぱり日本だ」という羨望のまなざしで見るようになる。 格付け会社は今回「国家の債務が国内総生産 (GDP) の 200% を超え、先進国で最悪の財政赤字となっている」との理由で、日本の国債の格付けを引き下げた。 しかし、日本が米国やイギリスよりも危機的な状況にあると考える専門家はいない。 無能な政治家たちが招いた長期間の低迷を意味する「ジャパニフィケーション(日本化)」という造語が生まれる一方、日本の現実はそれとは正反対に向かっている。 世界的な危機が発生するたび、日本円が「安全な資産」として急浮上し、円高傾向につながるという「逆説」が繰り返されるのはなぜだろうか。 その理由として、まずは「貯蓄の力」が挙げられる。 日本国内の資金に占める国債の割合は 95% に達し、家計金融資産は 1,400 兆円を超える。 外国資本が国債を売れば、それだけで混乱に陥る米国とは異なり、日本は海外に資金を貸し付ける債権大国だ。 高齢者の増加により、平均貯蓄率は下がったというが、30 - 40 代の貯蓄率はむしろ上昇傾向にある。 その上、製造業は依然として強さを見せている。 米国アップル社のスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone」のような世界的ヒット商品こそ誕生していないが、日本企業はその部品を生産している。 「iPhone4」の部品生産国別の付加価値率(売上高に占める付加価値の割合)を調査した結果、日本が 34% で 1 位を占めた。 世界市場を独占する部品メーカーが多いため、大地震で工場の操業が停止するや、海外のメーカーはこれを歓迎した。 一方、日本の経済界は今、円高によって製造業の海外流出が進むのではないかと懸念しており、政府もあらゆる手段を駆使し、対策に乗り出している。 しかし、日本経済に占める輸出の割合は 16% にすぎない上、長期間のデフレによって賃金が下落していることから「円高 = 製造業の没落」は大げさな説だという声も出ている。 円高がむしろ、海外の企業を安値で買収し、競争力を高めるチャンスになるというわけだ。 毎年首相が交代するほど日本の政治家たちは無能だが、日本が世界的な経済危機に強いのは、1970 - 80 年代に蓄積してきた技術や貯蓄が下支えになっているからだ。 韓国はいくつかの分野で日本を追い抜いたからといって、うぬぼれている場合ではない。 さらに貯蓄を増やし、輸出を促進しなければならない。 政界も気を引き締めるべき時だ。 韓国は依然として、世界的な経済危機が発生するたびに、アジア通貨危機の悪夢を思い起こしている。 - 東京 = 車学峰(チャ・ハクポン)特派員 (韓国・朝鮮日報 【コラム】 = 8-28-11) ムーディーズ、日本国債を 1 段階格下げ 「Aa3」に 米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは 24 日、日本国債の格付けを上から 3 番目の「Aa2」から 4 番目の「Aa3」に 1 段階引き下げると発表した。 東日本大震災で政府支出の増加が見込まれるなか、財政赤字削減の具体策が見えないと指摘。 債務返済の可能性が低下したと判断した。 ムーディーズによる格下げは、2002 年 5 月以来 9 年ぶりになる。 「Aa3」は中国や台湾と同じで、先進国ではイタリアを下回る最低ランクになる。 格下げの理由についてムーディーズは、震災による支出増のほか「原発事故で経済成長が弱まり、赤字削減目標の達成を一層困難にしている」と説明している。 政府による税と社会保障制度の改革案も「詳細に欠ける」としており、消費税の引き上げ時期を「2010 年代半ばまで」とするにとどめていることなどが影響したとみられる。 (asahi = 8-24-11) 日銀、追加緩和を本格協議へ 臨時会合も検討 円相場が戦後初の 1 ドル = 75 円台まで進んだのを受けて、日本銀行は追加の金融緩和の本格協議に入る。 週明け 22 日以降もさらに円高や株安が続けば、9 月 6 - 7 日の定例の金融政策決定会合を待たずに臨時の会合を開き、前倒しで追加緩和などに踏み切ることも検討する。 70 円台半ばの「超円高」が定着すれば、日本の輸出企業の採算は悪化。 東日本大震災からの復興を進めつつある日本経済に打撃を与えかねないからだ。 日銀関係者は 20 日、「常に緊張感を持って金融市場の動向を注視していく。 手をこまぬいているつもりはない。」と語った。 政府も「円売りドル買い」の為替介入を検討しており、介入と追加緩和で、円高の進行を阻止する構えだ。 円は投資家の不意を突く形で、ニューヨーク市場の 19 日午前(日本時間同日深夜)、一時 1 ドル = 75 円 95 銭をつけて戦後最高値を突破した。 その後 76 円台に戻ったものの、22 日以降の取引でドル売り円買いが勢いづく可能性は残る。 機敏な対応が必要になるため、日銀は 9 月の定例会合を待たずに、臨時会合を開くことも視野に入れて追加緩和を検討する見通しだ。 (asahi = 8-21-11) ◇ ◇ ◇ NY 市場で 1 ドル 75 円台突入、戦後最高値を更新 19 日午前(日本時間同日深夜)のニューヨーク外国為替市場で円相場が一時、1 ドル = 75 円 95 銭まで上昇し、東日本大震災直後の 3 月につけた 1 ドル = 76 円 25 銭の戦後最高値を約 5 カ月ぶりに更新した。 米経済の先行きへの不安が高まってドルが売られ、比較的安全な通貨とされる日本の円が買われている。 政府・日本銀行は再度、円売りの市場介入と追加の金融緩和を検討する見通しだ。 米政府の債務上限引き上げを巡る混乱や、米国債の初の格下げで、米国の財政に対する不安が台頭し、米国経済の景気後退懸念も広がっている。 さらに米連邦準備制度理事会 (FRB) が 9 日、2013 年半ばまで事実上の「ゼロ金利政策」を続けると表明。 ドルが当面の間、安値で推移するとの見通しが投資家に広がっていた。 欧州財政危機でユーロも安く推移しており、消去法的に円が買われやすい状況が続いている。 (asahi = 8-20-11) ◇ ◇ ◇ 株安・円高、歯止めかからず 世界の景気不安直撃 世界的な景気減速懸念の高まりから、19 日の東京金融市場は「株安・円高」に歯止めがかからなかった。 日経平均株価は 220 円超下げて約 5 カ月ぶりの安値水準になり、他のアジア市場にも株安は連鎖した。 円相場は一時、1 ドル = 76 円 30 銭台に上昇し、戦後最高値(76 円 25 銭)に迫った。 19 日の日経平均株価の終値は、前日より 224 円 52 銭 (2.51%) 安い 8,719 円 24 銭で、東日本大震災直後の 3 月 15 日(8,605 円 15 銭)に次ぐ今年 2 番目の安値に。 東京証券取引所第 1 部全体の値動きを示す TOPIX (東証株価指数)は同 15.62 ポイント (2.04%) 低い 751.69 で、年初来安値を更新した。 東証 1 部では 1 ドル = 76 円台の「超円高」が重しとなり、輸出関連を中心に 8 割の銘柄が下落した。 アジア市場にも株安は連鎖し、株価指数は軒並み下落。 韓国は前日比 6.21%、台湾は同 3.57%、豪州は同 3.51% 下げた。 (asahi = 8-19-11) 輸出額 3.3% 減、貿易収支は 2 カ月連続で黒字 7 月 財務省が 18 日発表した 7 月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額は前年同月比 3.3% 減の 5 兆 7,819 億円だった。 5 カ月連続の前年割れとなったが、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は 2 カ月連続で黒字(725 億円)を確保した。 東日本大震災で落ち込んだ生産活動は回復しつつある。 自動車の輸出は、6 月は前年同月比 12.5% 減だったが、7 月は 3.8% 減まで改善した。 ただ、半導体など電子部品は 15% 減で、4 月から二ケタ減が続く。 毎月のぶれ幅が大きい船舶の輸出が減ったこともあり、7 月の輸出全体としては 6 月の 1.6% 減からマイナス幅が拡大した。 財務省は「輸出は全体として震災からの回復傾向が見られるが、電力制約や海外経済の下ぶれリスクもあり、今後を注視したい」としている。 (asahi = 8-18-11) ◇ ◇ ◇ 5 月の輸出も 10% 減 震災の影響続く 財務省が 20 日発表した 5 月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出額は前年同月比 10.3% 減の 4 兆 7,608 億円だった。 自動車の輸出が 38.9% 減るなど、東日本大震災の影響で生産の落ち込みが続いている。 輸入額は前年同月比 12.3% 増の 5 兆 6,145 億円だった。 輸出額から輸入額を引いた貿易収支は 8,537 億円の赤字だった。 (asahi = 6-20-11) |