7 月の来日外国人 36% 減 円高で下落率 3 カ月ぶり悪化

7 月に日本を訪れた外国人は 56 万 1,700 人で、前年同月より 36.1% 減った。 下落率は 6 月(36.0% 減)より悪化。 過去最悪の下落だった 4 月(62.5% 減)を底に下落率は縮みつつあったが、3 カ月ぶりに悪化に転じた。 東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響に円高が加わり、訪日が敬遠されたようだ。

日本政府観光局が 18 日、推計値を発表した。 「円高で日本へのツアーの料金が上がったのが響いた」という。 一方、7 月に日本から海外に出かけた人は前年同月比 4.5% 増の 146 万 9 千人で、5 カ月ぶりに前年水準を超えた。 海外旅行の自粛ムードが徐々に薄れ、円高も追い風だ。 (asahi = 8-18-11)

◇ ◇ ◇

「韓中日観光ゴールデンルート 10 選」開発へ

3 カ国の観光担当相が「共同声明」採択

(韓国)文化体育観光部(省に相当)の鄭柄国(チョン・ビョングク)長官、中国の邵キ偉・国家旅遊局長、日本の大畠章宏国土交通相は 29 日に江原道平昌のアルペンシア・リゾートで第 6 回韓中日観光担当相会合を開催し、3 カ国を結ぶ観光コースの開発などを盛り込んだ「平昌共同声明」を採択した。

3 カ国の観光担当相は声明で、飲食、歴史、文化遺産などで共通点を持つ 3 カ国の観光地を結ぶ「韓中日観光ゴールデンルート 10 選」を開発し、来年日本で開かれる観光担当相会合で推進状況と結果を発表する計画だと発表した。 これに向け、各国は 3 カ国以外の市場を対象に共同で広報を行うとともに、韓国語、中国語、日本語、英語などの観光案内表示を制作する。

韓中日はまた、観光業界の悪習の改善を目指し「公正な観光に向けたイニシアチブ」の締結を進めることでも合意した。 低価格のダンピング商品や観光企業同士の不正取引などをなくすために共同でキャンペーンを展開し、公正な観光企業にはインセンティブ(報奨)を与えることで、無理なショッピングオプションの要求などを改善していく。

このほか、東日本大震災のような自然災害やテロ、感染症の流行などの危機的状況が観光産業に与える影響を最小化するため、危機や復旧に関する正確な情報を共有し、特別プロモーションや危機管理マニュアルを共同で策定することでも一致した。 - 崔洪烈(チェ・ホンリョル)記者 (韓国・朝鮮日報 = 5-30-11)


12 年度、2.7 - 2.9% 成長見通し

菅政権は 12 日の閣議で、2011 年度の実質経済成長率を、従来見通しの 1.5% から 0.5% に下方修正することを了承した。 東日本大震災後の生産や個人消費の落ち込みを反映させた。 一方で復興が本格化する 12 年度は、2.7 - 2.9% に高まると予想する。

物価変動の影響を除いた実質ベースの国内総生産 (GDP) でみると、11 年度は個人消費で従来見通しの前年度比 0.6% 増を 0.2% 減に、設備投資は 4.2% 増を 1.7% 増に、それぞれ下方修正した。 一方、復興需要を受けて公共投資は高まると予想。 従来の 8.5% 減を 2.1% 増へ引き上げた。

物価の動きを反映した名目 GDP は 0.4% 減、経済全体の物価動向を示す GDP デフレーターは 0.9% 減。 完全失業率は復興需要による下支え効果もあるとして、4.7% の予想を変えなかった。 (asahi = 8-12-11)

◇ ◇ ◇

経済成長率実質 0.5% に引き下げ 11 年度、震災響く

政府は 11 日、2011 年度の実質経済成長率の見通しを従来の 1.5% から 0.5% に引き下げる方針を固めた。 東日本大震災で一時的に生産が落ち込んだことなどを踏まえて下方修正するが、今後の復興需要を見込み、プラス成長予想は維持する。

12 日に閣議に提出する。 昨年 12 月の見通しでは、物価の影響を除いた実質国内総生産 (GDP) を 11 年度は前年度比 1.5% 増としていた。 大幅に引き下げるのは、震災後に東北地方を中心にサプライチェーン(部品の供給網)が寸断され、一時的に生産が落ち込んだことが大きい。 震災直後の自粛ムードで冷え込んだ消費者心理や、全国的な電力不足も織り込んだ。

一方、サプライチェーンが予想より早く回復したことや、今後の復興需要が増えることを考慮した結果、内閣府が震災後に想定していた「0% 近辺」より高めの見通しとなった。 (asahi = 8-11-11)


「持ち直している」景気判断を上方修正 8 月の月例報告

内閣府は 10 日公表した 8 月の月例経済報告で、国内の景気の基調判断を「東日本大震災の影響により依然として厳しい状況にあるものの、持ち直している」として、7 月の報告から上方修正した。 上方修正は 6 月以来、2 カ月ぶり。 個人消費で 3 カ月続けて判断を引き上げたほか、生産、輸出、住宅建設も上方修正した。 与謝野馨経済財政相が同日の関係閣僚会議で報告した。

一方で、急速に進む円高や株安への警戒感から、先行きでは「為替レート・株価の変動などによっては、景気が下ぶれするリスクが存在する」と書き込んだ。 世界経済は 2 カ月ぶりの下方修正。 「全体として回復がさらに緩やかになっている」と「さらに」を付け加えた。 その主因となる米国は「極めて弱い景気回復になっており、財政緊縮の影響に留意する必要がある」として、景気減速への懸念を強調した。 (asahi = 8-10-11)


街角景気、4 年 4 カ月ぶり「横ばい」上回る 求人上向き

[内閣府が 8 日発表した 7 月の景気ウオッチャー調査は、小売店主らの景気実感を示す全国の現状判断指数が前月比 3.0 ポイント高い 52.6 となり、4 カ月連続で上昇した。 現状判断指数が景気の横ばいを示す 50 を上回るのは、2007 年 3 月の 50.8 以来、4 年 4 カ月ぶり。 東北地方は 00 年 1 月の調査開始後では最高の 59.5 を記録した。

東日本大震災後の自粛ムードが回復し、地上デジタル対応テレビや猛暑・節電による省エネ商材の好調が要因。 雇用面でも、「土木、住宅、配送、警備業(東北・人材派遣会社)」、「自動車や家電関連の製造業(九州・求人広告)」などで求人が増えている。

一方、2 - 3 カ月先の先行きを示す判断指数は放射性セシウムによる食品汚染や急速に進んだ超円高への懸念が強く、4 カ月ぶりに低下した。 「円高による企業業績悪化の影響で消費が減退(四国・食料品製造)」、「放射能汚染問題などで、食品への消費者不安が高まっている(近畿・スーパー)」などの声が目立ち、指数を押し下げた。 調査は 7 月 25 - 31 日、ホテル経営者など全国の 2,050 人を対象に実施し 90.7% から回答を得た。 (伊藤裕香子、asahi = 8-8-11)


コメ先物、72 年ぶり復活 1 万 9,210 円まで値上がり

江戸時代に大阪・堂島で発祥したコメの先物取引が試験上場され、8 日、初立ち会いが関西商品取引所(大阪市)と東京・日本橋の東京穀物商品取引所であった。 コメ先物は 1939 (昭和 14)年に中止され、復活は 72 年ぶり。 市場が活性化すれば先物価格が新たなコメの価格指標になると、関係者は期待を膨らませている。

関西商取はこの日朝の初立ち会いを前に、職員ら 12 人が値段や数量を手や指で示す伝統の「手ぶり」を再現、コメ先物の再開を祝った。 午前 9 時からコンピューターシステムによる取引が始まると、取引所の職員らは売買注文が映し出される端末画面を注視。 とりわけ東日本大震災や豪雨被害で作柄が注目される 2011 年産米が対象の「12 年 1 月限月物」は、1 万 4,540 円の取引開始額から 1 万 9,210 円まで値上がりし、関係者を驚かせた。

東穀取では、原発事故による放射能汚染で 11 年産米が不足するとの懸念から、12 年 1 月限月物で 1 万 4,100 円の取引制限価格を超える 1 万 8,500 円(正午現在)が付いており、日中取引時間中に取引が成立しない可能性もある。 (asahi = 8-8-11)

◇ ◇ ◇

コメ先物取引の試験上場、農水省が認可 70 年ぶり復活

農林水産省は 1 日、コメの先物取引の試験上場を認可したと発表した。 3 月に上場申請を出した東京穀物商品取引所(東穀取)と関西商品取引所に対し、同日午後、正式に認可を通知する。 東穀取は 19 日にも上場する予定で、コメの先物取引が約 70 年ぶりに復活する。

鹿野道彦農水相は 1 日の閣議後の記者会見で「価格形成の場が作られ、取引の透明性が高まることを期待したい」と述べた。 試験上場の期間は 2 年。 農水省は取引量や生産・流通への影響などを検証し、本上場の可否を判断する方針。 だが、価格への影響力低下を懸念する農協が反発を強めるのは必至だ。 (asahi = 7-1-11)


倒産、3 カ月連続前年超え 震災影響続き 7 月 1,081 件

東京商工リサーチが 8 日発表した 7 月の企業倒産件数(負債総額 1 千万円以上)は前年同月比 1.4% 増の 1,081 件で、3 カ月連続で前年同月を上回った。 3 - 4 月に計 34 件だった東日本大震災関連の倒産が、5 月 64 件、6 月 77 件、7 月 68 件と増えているためだ。

負債総額は前年同月比 19.7% 減の 2,209 億 1,200 万円で、7 月としては過去 20 年で最少だった。 負債 10 億円以上の大型倒産が減り、小規模・零細規模の企業倒産が中心になっているためだという。 (asahi = 8-8-11)


日本製紙が大規模リストラ計画 紙離れに震災追い打ち

日本製紙グループ本社は 3 日、コピー用紙やチラシ・雑誌などの印刷用紙をつくる「洋紙部門」の従業員の 15% に当たる 1,300 人を削減するリストラ計画を発表した。 生産能力も 15% 落とす。「紙離れ」の需要減に、東日本大震災での主力工場の被災が追い打ちとなった。

来春から希望退職を募るなどし、従業員 8,800 人の中から正社員 850 人、非正社員 450 人を減らす。 そのうち 100 人は本社の管理部門を対象とする計画だ。 生産設備は国内の主要 20 工場のうち石巻(宮城県石巻市)、岩沼(同岩沼市)、富士、吉永(いずれも静岡県富士市)、岩国(山口県岩国市)の 5 工場で一部を停止。 2012 年 9 月までに生産能力の 15% にあたる 80 万トン分を止める。 (asahi = 8-3-11)


製造業の 4 割「海外から部品調達継続」 経産省調査

経済産業省は 1 日、東日本大震災から 3 カ月後の産業実態を調べた結果を公表した。 国内の部品供給網が復旧しても、製造業の 42% が海外からの素材や部品の調達を続けると答えた。 万一に備えて調達先を分散した企業の行動が海外への依存度を高め、国内経済の縮小を招いている形だ。

この日の拡大経済産業局長会議で報告された。 全国の 123 社(製造業 65 社、小売り・サービス業 58 社)を対象に 6 月 14 日 - 7 月 1 日に調査した。 海外からの調達を続ける理由には、調査時に 1 ドル = 80 円近辺で推移していた円高により、調達コストが割安になるとの理由もあるようだ。 円高が一時的な調達先の変更を長期化させている。 (asahi = 8-1-11)


日立が「経営ストレステスト」 1 ドル = 70 円など想定

日立製作所は、急激な円高や東日本大震災後の電力不足を受け、1 ドル = 70 円の円高水準などを想定したストレステストに着手する。 今後、国内で生産が難しくなる事業を洗い出す狙いがあり、海外への生産移管も視野に、今秋以降の事業計画に反映させる方針だ。

円高や電力不足が長引けば産業界に同様な動きが広がり、国内製造業の空洞化に拍車がかかりかねない。 日立のストレステストでは、1 ドル = 70 円の為替水準のほか、電力不足が東京電力管内だけでなく全国で長期化することや、国内市場の縮小なども前提とする。 その上で、主要な事業部門で収益の変化を試算。 国内生産を続けた場合の採算や、増産に必要な電力が確保できるかを検証する。 (asahi = 7-29-11)

◇ ◇ ◇

「中小企業、海外移転動き強化」 バンコク日本人商議所

ASEAN (東南アジア諸国連合)日本人商工会議所連合会の幹事を務めるバンコク日本人商工会議所の棚田京一会頭は朝日新聞のインタビューに応じ、東日本大震災後、中小企業の ASEAN 各国への移転の動きが強まっていることを明らかにした。 大震災後、日本の産業界では生産拠点を分散させることの必要性が再認識されたうえ、生産の足かせとなっている電力不足も解消の見通しが立たない。

トヨタ自動車のタイ法人社長も務める棚田氏は「ASEAN 各国に、自動車部品メーカーを始めとする中小企業が頻繁に視察に訪れるようになった」と指摘。 海外業務に強いメガバンクに顧客を奪われたくない地銀・信金が同行する例も目立つという。 「折からの極端な円高に大震災が拍車をかけた(棚田氏)」格好で、バンコク商議所へのタイ進出に関する問い合わせ件数も 3、4 倍に増えた。 (クアラルンプール = 庄司将晃、asahi = 7-9-11)


鉱工業生産、3 カ月連続上昇 震災前の 95% まで回復

経済産業省が 29 日発表した 6 月の鉱工業生産指数(2005 年 = 100、季節調整済み)の速報値は前月比 3.9% 増の 92.7 となり、3 カ月連続で上昇した。 東日本大震災前の 2 月の指数 97.9 に対し、95% 程度の水準まで回復した。

被災した工場の復旧が進み、需要があっても部品が足りずにつくれない状況が解消されつつあり、経産省は「回復しつつある」との基調判断を据え置いた。 東北・関東 9 県の被災地の企業に限れば前月比 7.1% の増加。 被災地以外は 3.4% 増だった。

業種別では全 16 業種のうち、上昇は 13 業種、低下が 3 業種だった。 日米欧向けの乗用車生産が伸びた輸送機械工業は 18.5% 増、電子部品・デバイス工業も 5.3% 増、情報通信機械工業も 11.5% 増だった。 (asahi = 7-29-11)

◇ ◇ ◇

国内生産「7 月末には震災前の状態に」 海江田経産相

海江田万里経済産業相は 9 日、クアラルンプールで記者会見し、東日本大震災で打撃を受けた日本国内の生産の回復について、「7 月末には震災前の状態に戻る」との見通しを示した。 「原発事故で電力供給が細るなか、日本企業には工場を海外に移そうと考えているところもある。 電力供給をしっかり回復させなければいけない。」とも語った。

会見は日本と東南アジア諸国連合 (ASEAN) の経済担当相、ASEAN 日本人商工会議所連合会の対話の後、開かれた。 対話では、海江田氏が原発事故について、「完全には収束していないが、収束に向かっている」と説明。 ASEAN 側とそれ以上のやりとりはなかったという。 (asahi = 7-9-11)


消費者物価、3 カ月連続上昇 消費支出は 9 カ月連続減

総務省が 29 日発表した 6 月の全国消費者物価指数(速報値、2005 年 = 100)は、価格変動が大きい生鮮食品を除く総合指数が 99.7 となり、前年同月から 0.4% 上昇した。 上昇は 3 カ月連続。 足元のガソリン価格は落ちついてきたが、電気代の上昇幅が広がったことなどが響いた。

一方、6 月の家計調査によると 1 世帯あたりの消費支出(単身世帯を除く)は 26 万 5,807 円。 物価変動を除いた実質では前年同月比 4.2% 減と 9 カ月連続で減った。 電気代の節約や自動車購入の減少が影響しており、国内外の旅行自粛も押し下げ要因となった。

あわせて、東日本大震災直後の 3 月の消費支出を、東北地方の調査票を追加で回収できたとして修正した。 3 月の実質は前年同月比で 8.9% 減となり、過去最大の下げ幅としていた修正前の 8.5% 減よりさらに落ち込んだ。 (asahi = 7-29-11)


5 月景気一致指数 2.4 ポイント上昇 上げ幅過去 3 番目

内閣府が 6 日発表した 5 月の景気動向指数(速報)は、景気の現状を示す一致指数(2005 年 = 100)が 106.0 となり、前月比 2.4 ポイント上昇した。 有効求人倍率や小売り・卸売りの商業販売額など、指数を算出する 8 項目すべてがプラスに転じた。

改善は 2 カ月連続で、比較できる 1980 年以降で 3 番目の上げ幅。 東日本大震災前の今年 2 月の 106.5 に近づいた。 ただし、基調判断は「改善を示している」と据え置き。 内閣府の和田隆志政務官は「震災前の水準に戻ったとはいえない」と慎重な見方だ。

また、数カ月後の景気を示す先行指数は 99.8 と前月より 3.6 ポイント上昇した。 上げ幅は 10 年 3 月の 3.4 ポイントを超えて過去最大だった。 乗用車販売や家計・企業の消費マインドが上向いて指数を押し上げた。 (asahi = 7-6-11)

◇ ◇ ◇

個人の景況感、04 年 6 月以降で最大の悪化 日銀調査

日本銀行が 6 日発表した 6 月の「生活意識に関するアンケート」によると、個人の景況感を示す指数はマイナス 59.5 となり、前回の 3 月調査から 17.2 ポイント悪化した。 悪化は 2 期ぶりで、低下幅は現行の調査を始めた 2004 年 6 月以降では最大だった。

前回は東日本大震災の直前だったため、今回が震災の影響を反映した初めての調査になる。 震災被害が大きかった岩手、宮城、福島、茨城の 4 県は対象から外しており、日銀は「4 県を入れたら、景況感はさらに悪化した可能性もある」とみている。

景況感の指数は、景気が 1 年前より「良くなった」と答えた人の割合から「悪くなった」と答えた割合を引いたもの。 リーマン・ショック後の落ち込みから持ち直し、一進一退だった景況感は大きく冷え込んだ。 また、収入は、1 年前より「減った」と答えた割合は 48.6% と前回より 0.4 ポイント増えた。 1 年後に「減る」とみている人の割合は 42.0% と前回より 3.2 ポイント上昇した。 収入の先行き不安は強いようだ。 (asahi = 7-6-11)


景気判断、東北など 7 地域で引き上げ 日銀経済報告

日本銀行は 4 日、7 月の「地域経済報告(さくらリポート)」を発表し、全国9地域のうち 7 地域の景気判断を前回 4 月より引き上げた。 東北地方を「正常化への動きが広がっている」としたほか、多くの地域を「持ち直している」などとして、全国で東日本大震災からの復旧が進みつつあることを確認した。

リポートは 3 カ月ごとにまとめている。 今回、景気判断を引き上げたのは北海道、東北、北陸、関東甲信越、東海、中国、九州・沖縄の 7 地域で、いずれも前回は震災の影響で判断を引き下げた。 前回下げなかった近畿と四国は「持ち直しの基調に大きな変化はない」として据え置いた。

東北は前回、「経済的に甚大な被害が生じている」と異例の表現で判断を引き下げた。 今回は「地域差はあるものの、経済活動面の正常化に向けた動きが着実に広がっている」とした。 生産、営業設備の復旧が進んでいるほか、百貨店やスーパーなどで個人消費の持ち直しの動きがみられる。 (asahi = 7-4-11)

◇ ◇ ◇

被災地の景況感急落 日銀 6 月短観 3 カ月後は改善予測

日本銀行が 1 日発表した 6 月の短観(企業短期経済観測調査)は、東日本大震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島 3 県の企業の景況感が大きく落ち込んだ。 ただ、3 カ月後の予測は 3 県とも改善し、回復の動きが被災県を含む全国に広がりつつある。

「景気が良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた業況判断指数 (DI) は、全規模・製造業で岩手県が「マイナス 25」、宮城県が「マイナス 33」、福島県が「マイナス 22」。 震災の影響がほとんど反映されなかった前回の 3 月調査に比べ、岩手が 34 ポイント減、宮城が 14 ポイント減、福島が 8 ポイント減の大幅悪化になった。

9 月予測は 3 県とも 6 月より 9 - 17 ポイント増の改善になった。 全国の全規模・製造業は 6 月が「マイナス 15」で、9 月予測は 7 ポイント増になっており、被災 3 県の企業も全国並みの急回復を見込んでいる。 大企業を中心に震災で止まった生産が夏以降に一気に復活する見通しが強まっているためだ。 (asahi = 7-1-11)


景況感、震災後に急速に悪化 朝日新聞 100 社調査

朝日新聞が全国の主要 100 社に行ったアンケートで、今の景気について「悪化」、「急速に悪化」と答えた企業が 29 社にのぼり、前回調査(昨年 11 月)の 0 社から急増した。 「緩やかに下降」も 18 社あり、景気後退との見方が半数近くに達した。 東日本大震災で個人消費や企業収益が悪化したのが最大の原因で、企業の景況感は急速に後退している。

調査は春と秋の 2 回で、今回は 5 月 30 日 - 6 月 10 日に実施。 原則として経営トップに面談した。 現状の景気認識は「足踏み状態」が 34 社で最多だったが、前回の 67 社から半減した。 「緩やかに回復」は 6 社、「足踏み状態で、一部に明るさがある」は 13 社で、ともに前回並みだった。 (asahi = 6-18-11)

◇ ◇ ◇

景気判断、震災後初の上方修正へ 月例経済報告

内閣府は 6 月の月例経済報告の景気判断を、前月の「弱い動きとなっている」から上方修正する方針を固めた。 東日本大震災の影響を織り込んだ 4 月以降では初めて。 企業の生産活動が予想よりも早く回復していることなどを反映した。 与謝野馨経済財政担当相が 20 日に関係閣僚会議に提出する。

項目別では、生産活動の判断を前月の「低下している」から引き上げる方針。 震災後に急落していた鉱工業生産指数が 4 月には 2 カ月ぶりに上昇に転じているためだ。 内閣府の聞き取り調査で、震災後に部品供給網が寸断されて操業を止めていたメーカーの生産活動が回復しつつあることなども反映した。 ただ、報告では、夏場の電力不足や国際的な原油価格の高騰などのリスクも指摘する。 (asahi = 6-17-11)

◇ ◇ ◇

大企業景況感、大幅悪化 4 - 6 月期、3 期連続マイナス

財務省と内閣府は 14 日、4 - 6 月期の法人企業景気予測調査(政府短観)を発表した。 大企業全産業の景況判断指数 (BSI) はマイナス 22.0 で、前期のマイナス 1.1 から大幅に悪化した。 東日本大震災に伴う不透明感を反映して 3 期連続のマイナスとなった。

大企業製造業がマイナス 23.3 で 3 期連続マイナスとなり、大企業非製造業がマイナス 21.4 で 2 期ぶりにマイナスに転じた。 業種別では、自動車・同付属品製造業がマイナス 75.4 となり、前期比の下落幅が過去最大だった。 東北地方からの部品供給の停滞や電力不足の影響を受けやすい業種を中心に悪化した。

7 - 9 月期以降の景況判断はプラスに転じる見通し。 大企業全産業の BSI の見通しは 7 - 9 月期でプラス 4.4、10 - 12 月期でプラス 11.3 だった。 工場復旧や復興需要を見込んでいると見られ、震災の影響はそれほど長引かないという見方が多いようだ。 (asahi = 6-14-11)

◇ ◇ ◇

東北の景況感、全国平均上回る改善幅 5 月、内閣府発表

内閣府が 8 日発表した 5 月の景気ウオッチャー調査は、全国の現状判断指数が前月比 7.7 ポイント上昇の 36.0 となり、2 カ月連続で改善した。 東北地方は 35.7 (前月 23.5)、東日本大震災で被災した岩手・宮城・福島 3 県は 38.2 (同 21.1)で、いずれも前月より 10 ポイント以上改善した。 毎月、商店主やタクシー運転手など全国の 2,050 人に景況感を尋ねている。 今回は 5 月 25 - 31 日に調査した。

全国では生産から雇用まで全項目が改善した。 東北も「震災復旧のための建設業の求人が増加(職業安定所)」など明るい材料も出てきた。 ただ、被害が大きかった沿岸部には調査の対象者がほとんどいない。 内閣府の和田隆志政務官は「沿岸部の回復はまだ遅れている」とみている。 (asahi = 6-8-11)

◇ ◇ ◇

企業の景況感、震災後に悪化 日銀短観の再集計

日本銀行が 4 日発表した 3 月の企業短期経済観測調査(短観)の再集計結果で、3 カ月先の企業の景況感が東日本大震災後に悪化していたことが分かった。 日本経済への影響が見込めず、先行き不透明感が強まったことを反映している。

日銀は 1 日に短観の結果を通常通り発表したが、調査対象の 72% にあたる 7,998 社が震災当日の 11 日までに回答を済ませ、震災の影響があまり反映されていなかった。 このため 12 日以降に回答した 23.6% の 2,618 社を集計し直した。

その結果、3 カ月先の 6 月の景気をどう見ているのかを示す業況判断指数 (DI) は、震災を挟んで変わっていることが分かった。 大企業・製造業では震災前(震災当日の 11 日を含む)がプラス 3 だったのに対し、震災後はマイナス 2。 大企業・非製造業でも震災前より 4 ポイント低かった。

中小企業では製造業が震災前のマイナス 16 に対し、震災後はマイナス 18 に、非製造業がマイナス 25 に対しマイナス 29 にそれぞれ悪化していた。 一方、最近の景気についての DI は、大企業・製造業では震災前がプラス7だったのに対し、震災後はプラス 6。 震災前後の回答にあまり違いはなかった。 3 カ月先の景況感が震災前より震災後の方が悪化していたのは、被害の全容や経済活動への影響が見通しづらく、企業の心理が冷え込んだためとみられる。

ただ、震災前と震災後に回答した企業は業種や地域の偏りも異なるため、震災前後の DI を単純に比べることはできない。 日銀が短観の結果を再集計したのは初めてだが、「あくまでも参考で、幅を持って見る必要がある」と説明している。 短観は、日銀が実施する四半期ごとの調査。 DI は景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いた数値で、企業が景気をどう見ているかを示す。 (大日向寛文、asahi = 4-4-11)


11 年度ほぼゼロ成長に 政府見通し下方修正へ

内閣府は 15 日、東日本大震災の影響を踏まえた国内総生産 (GDP) 成長率について、物価の影響を除いた実質で 2011 年度は前年度比 0% 近辺、12 年度は 2% 台との見通しをまとめた。 民間調査機関の予測をもとにした概算で、昨年末の政府経済見通し(11 年度は 1.5%)から大幅な下方修正は避けられないとの認識を示した。

成長率の見通しは 15 日朝、首相官邸で開かれた「経済情勢に関する検討会合」で報告された。 与謝野馨経済財政相は会合後の記者会見で「(民間予測と)最終的な政府の数字とはいつも大きな隔たりはない」と語った。 政府は 7 月に正式な経済見通しの改定値をまとめ、閣議決定する方針。

内閣府が 15 日示した見通しでは、成長率を下方修正する要因として、東北地方を起点とした部品供給網の寸断や全国的な電力不足、消費者心理の冷え込みなどを挙げた。 ただ、与謝野氏は会見で「当初考えていたよりも生産力、供給力は早く回復している」と指摘した。 菅直人首相は同会合で「(震災をきっかけにした)産業の空洞化、雇用悪化など様々なリスクをあわせて注意する必要がある」と述べた。 (asahi = 6-15-11)

◇ ◇ ◇

日本の 11 年成長率、マイナス 0.7% IMF 見通し

国際通貨基金 (IMF) は 8 日、日本の 2011 年の実質国内総生産 (GDP) の成長率がマイナス 0.7% に落ち込むものの、12 年には 2.9% のプラスに回復するとの見通しを示した。 震災の影響について「当初は厳しかったが、政府と日本銀行の迅速な対応により、影響は限定的に抑えられた」と分析した。

来日中のジョン・リプスキー専務理事代行は同日、都内で記者会見し、東日本大震災の復興と同時に、財政再建にも取り組むよう強く促した。 IMF として、現在 5% の消費税率を、12 年から 7 - 8% まで引き上げるよう求めた。 リプスキー氏は「財政再建ができないと日本の成長に支障が出て、マイナスの影響が他国に広がりかねない」と強調。 「日本が信頼できる財政政策を示すことが、世界への貢献になる」と訴えた。 (asahi = 6-8-11)

◇ ◇ ◇

実質成長率「0.6% か 0.7%」与謝野経財相が見通し

与謝野馨経済財政相は 24 日の閣議後会見で、東日本大震災の影響を踏まえた 2011 年度の経済成長率について、「0.6% か 0.7% あたりまで落ちる」と語った。 政府は 11 年度の国内総生産 (GDP) 成長率を物価の影響を除いた実質で前年度比 1.5% 増と見込んでいたが、「1% 近く落ちる(与謝野氏)」との認識を示した。

与謝野氏は 1 - 3 月期 GDP の 1 次速報を発表した 19 日に「成長率は1%に近いところに行くと期待している」との認識を示していたが、「私の話し方がちょっと悪かった」と発言を修正した。 (asahi = 5-24-11)

◇ ◇ ◇

実質 GDP 年 3.7% 減 1 - 3 月期 2 期連続マイナス

内閣府が 19 日発表した 2011 年 1 - 3 月期の国内総生産 (GDP) の 1 次速報は、物価変動の影響を除いた実質 GDP (季節調整値)が前期比 0.9% 減、年率換算で 3.7% 減となった。 3 月に発生した東日本大震災の影響が大きく、2010 年 10 - 12 月期に引き続き 2 四半期連続のマイナス成長となった。 (asahi = 5-19-11)

◇ ◇ ◇

11 年度成長率 0.6% に大きく引き下げ 日銀リポート

日本銀行は 28 日公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、2011 年度の実質国内総生産 (GDP) の成長率を、1 月時点の前年度比 1.6% 増から同 0.6% 増に大きく引き下げた。

東日本大震災の影響で生産活動が低下し、景気が一時的に落ち込むことが避けられないと判断した。 一方、12 年度の成長率見通しは 1 月時点の 11 年度比 2.0% から同 2.9% に引き上げた。 今後、震災による復興が進むためという。 今回の展望リポートは 12 年度までの景気や物価の見通しを示した。 (asahi = 4-28-11)

◇ ◇ ◇

「日本の GDP、今年前半はマイナス」日銀総裁、米紙に

日本銀行の白川方明(まさあき)総裁は 22 日、米経済紙ウォールストリート・ジャーナルのインタビューに対し、東日本大震災の影響で日本の 1 - 3 月期と 4 - 6 月期はマイナス成長になるとの見通しを明らかにした。 生産が滞っているのが最大の理由としている。

白川氏は「震災後も内需が消えてしまったわけではない。 『激しい供給ショック』のため、需要を満たせない状況にある」と述べ、生産活動の停滞により、今年前半の実質国内総生産 (GDP) は減少するとの見方を示した。 さらに福島第一原子力発電所の事故の影響で、電力の供給制限が少なくとも 8 月まで続くと予想。 電力不足が生産の停滞を長引かせる恐れがあると指摘した。

そのうえで「もし生産能力が復活すれば、日本経済は従来の成長路線に戻る」と強調。 「我々は状況を注意深く見守り、追加措置が必要となれば中央銀行として必要な措置を講ずる」と述べた。 日本の成長見通しについて民間調査機関などは同様の見方をしているが、日銀総裁がマイナス成長を明言したのは初めてだ。 (ニューヨーク = 山川一基、asahi = 4-23-11)

◇ ◇ ◇

経済成長率の見通し引き下げへ 日銀、28 日の会合で

日本銀行は 28 日の金融政策決定会合でまとめる「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、今年度の経済成長率の見通しを引き下げる公算が大きい。 東日本大震災の影響で一時的な景気悪化が避けられないとの見方が強まったためだ。 日銀は 4、10 月の年 2 回の展望リポートで、実質国内総生産 (GDP) の成長率や消費者物価指数(生鮮食品を除く)の見通しを示している。 今回は 2012 年度までの見通しを示す。

今年度の実質 GDP 成長率見通しはこれまでは前年度比 1.6% 増にしている。 しかし、日銀内では、震災で生産活動が落ち込み、消費や輸出にも影響を及ぼすとの見方が大勢だ。 このため、実質 GDP 成長率を引き下げる見通し。 ただ、プラス成長は維持するとみられる。 今年度の物価見通しは原油高の影響で引き上げられそうだ。

12 年度の成長率見通しはこれまでの 2.0% 増より引き上げるとみられる。 今年後半から景気が回復する可能性が高いとの見方が強いためだ。 21 日に横浜市で講演した西村清彦副総裁は「秋口以降を展望すれば、電力の需給が改善に向かい、部品の供給網の再構築も進んで、供給面の制約が和らぐ」と述べた。

日銀は震災後、追加の金融緩和を決めるなど大量の資金を供給している。 「これらが経済に与える影響を点検する」との意見が多く、28 日は追加緩和を見送るとみられる。 ただ、大きな情勢変化がないかを見極め、最終判断する。 (asahi = 4-22-11)

◇ ◇ ◇

白川総裁「景気、生産面を中心に下押し圧力」 震災影響

日本銀行は 11 日、全国各地の景気動向を報告する支店長会議を開いた。 冒頭のあいさつで白川方明(まさあき)総裁は足もとの景気について、「震災の影響で、生産面を中心に下押し圧力の強い状態にある。 生産設備の毀損(きそん)や、サプライチェーン(供給網)の障害、電力供給の制約などで、一部の生産活動が大きく低下している」と改めて述べた。

日本経済の先行きについては「供給面での制約が和らぎ、生産活動が回復していくにつれ、緩やかな回復経路に復していく」との認識を示した。

震災後の金融動向は、「資金決済も円滑で、震災が日本の金融システム全体の安定性を脅かすものではない」と分析。 ただ「被災地域をはじめとする金融、経済の動向や、それが金融システム全体に及ぼす影響は、引き続き注意深くみていく必要がある」と述べ、慎重な姿勢は崩さなかった。 今後の金融政策については「先行きの経済、物価動向を注意深く点検し、必要と判断される場合には、適切な措置を講じていく」という方針を改めて述べた。 (asahi = 4-11-11)

◇ ◇ ◇

4 - 6 月期の実質成長率 1.9% 減の予測 民間 11 社

大震災の影響を織り込んだ民間シンクタンク 11 社の経済予測が出そろった。 震災前に前期比 2% 程度(年率)と予想していた 1 - 3 月期の実質成長率は、平均 0.2% 減のマイナス成長へ下方修正。 さらに 4 - 6 月期は 1.9% 減と大幅なマイナスを見込んでいる。

各社は震災前、昨年 10 月から陥った「景気の足踏み状態」の脱却時期を 4 - 6 月期と見込んでいた。 だが、震災の影響で 1 社を除く 10 社が 4 - 6 月期はマイナス成長と予測する。

理由は生産活動の停滞だ。 内閣府の試算では震災で 16 兆 - 25 兆円相当の住宅や道路、橋、港湾といったインフラが失われた。 また、東北地方の電子部品や自動車部品の生産拠点が被災して部品供給が滞っており、全国のメーカーの生産活動に大きな影響が出ている。

夏場に予想される首都圏の電力不足の影響も大きそうだ。 みずほ総合研究所は計画停電の影響で「鉱工業生産を年 1% 減らす」と予測する。 生産の停滞による輸出減も避けられそうにない。 ニッセイ基礎研究所は「リーマン・ショック以来の貿易収支の赤字の可能性もある」と言う。

また、震災前に底打ち感が出ていた消費者マインドも悪化。 自粛ムードの中で、様々なイベントが中止になり、不要不急の消費が控えられているためだ。 富士通総研は「個人消費が不規則な状況から脱却するには半年程度かかる」と厳しい見方をしている。

一方、7 - 9 月期からは復興事業の増加などでプラス成長に戻るという見方で一致。 震災前に 1% 台半ばと見ていた 2011 年度の実質成長率の平均予測値は 0.7% へと落ち込むものの、1 社を除いてプラス成長を見込む。 伊藤忠経済研究所の三輪裕範所長は「足踏み脱却は遅れるが、11 年後半からは景気は持ち直す」と話す。 (鯨岡仁、asahi = 4-8-11)


エコポイント効果は 5 兆円 テレビ出荷 1,979 万台増

環境、経済産業、総務の 3 省は 14 日、2009 年 5 月から 11 年 3 月末まで実施した家電エコポイント制度に、5 兆円の経済効果があったと発表した。

3 省は業界団体が出した推計をもとに、エコポイントによる国内出荷数量の増加分を、テレビは 1,979 万台、冷蔵庫 101 万台、エアコン 133 万台と算定。 国内販売の押し上げ効果を約 2 年間で 2 兆 6 千億円とはじき出した。 販売増に伴う生産増や、エコポイントを使った消費増による波及効果も勘案した。

省エネ家電の増加による二酸化炭素排出量の削減効果は年 270 万トン。 09 年度の家庭の二酸化炭素排出量の約 1.7% にあたる。 (asahi = 6-14-11)


4 月の機械受注、3.3% 減 4 カ月ぶりマイナス

内閣府が 13 日発表した 4 月の機械受注統計によると、機械メーカーが国内の民間企業から受注した金額(季節調整値)は、変動が大きい船舶・電力を除くと、前月比 3.3% 減の 7,119 億円で、4 カ月ぶりに減少した。 内閣府は基調判断を「持ち直し傾向にあるものの、一部で弱い動きがみられる」と据え置いた。

内訳を見ると、製造業は 2.7% 減となり、一般機械や電気機械などの業種からの注文が減った。 3 月は東日本大震災後にもかかわらず前月比で増加していたが、4 月は「注文のキャンセルなどが出ており、震災の影響が出始めた(内閣府)」としている。 機械受注統計は、機械メーカーが受注した設備用機械の金額を集計しており、企業の設備投資の先行きを示す。 (asahi = 6-13-11)

◇ ◇ ◇

3 月の機械受注 2.9% 増 4 - 6 月の見通しも堅調

内閣府が 16 日発表した 3 月の機械受注統計によると、機械メーカーが国内の民間企業から受注した金額(季節調整値)は、変動が大きい船舶・電力を除くと前月比 2.9% 増の 7,776 億円で、2 カ月ぶりの増加となった。 1 - 3 月期も前年同期比 3.5% 増と 2 四半期ぶりのプラスだった。

機械受注額は設備投資の先行指標とされる。 東日本大震災で 3 月の鉱工業生産指数や家計消費が過去最大の落ち込みとなったため、機械受注も大幅な減少を見込む民間予測が多かったが、内閣府は「現状では大きな影響は見られない」と説明。 基調判断を前月の「持ち直し傾向にあるものの、非製造業で弱い動きがみられる」に据え置いた。

3 月の内訳を見ると、製造業は 0.4% 減と 3 カ月ぶりのマイナス。 自動車・同付属品、一般機械、情報通信機械などの業種で減っており、震災の影響が出ているとみられる。 非製造業は 7.1% 増だった。

同時に発表した 4 - 6 月の見通しは、船舶・電力を除く民需で前期比 10.0% 増。 これは 1989 年 10 - 12 月期の 10.2% 増(実績)に次ぐ高い伸びで、企業の設備投資意欲の底堅さを示すものだ。 民間調査機関の間では「発電機といった電力不足解消のための投資意欲が強いのではないか(SMBC 日興証券)」との見方が出ている。 (asahi = 5-16-11)