岩手の養殖施設、再開予定 44% 震災機に激減へ

養殖ワカメの収獲量が全国 1 位など、養殖漁業が盛んな岩手県で、津波被害を乗り越えて再開を目指す養殖施設は、現時点で震災前の 44% にとどまることが、朝日新聞社のまとめでわかった。 震災をきっかけに引退を決めた高齢者も多く、同県内で養殖を続ける漁師は震災前から 3、4 割減る見込みだ。

県に対する養殖施設の補助申請状況と、県内 24 漁業協同組合のうち申請した 17 漁協への聞き取りで判明した。 それらによると、津波で壊滅したワカメやカキなど約 2 万 6 千台の筏(いかだ)やはえ縄の施設のうち、県などから補助を受けられる共同利用方式で再開する意向が示されたのは 1 万 1,423 台にとどまった。 施設は高額で、個人で再開する漁師はほとんどいないという。

共同利用で再開を目指す施設の割合は地域によって差があり、宮古、船越湾(山田町)、釜石湾の各漁協は震災前の 7 割。 一方で、9 漁協は半分以下だった。 中でも、釜石東部と広田湾(陸前高田市)の両漁協は、震災前の 3 分の 1 にとどまっている。 (asahi = 8-17-11)


過疎の町がコンビニ経営 買い物難民対策に宅配も 広島

コンビニエンスストア大手のローソンが 12 日、過疎に悩む広島県神石(じんせき)高原町にオープンする。 「買い物難民」対策として町などが出資する第三セクターが経営する初の試みで、ローソン側も過疎地展開のモデルにしたいと応じた。 町はローソンを拠点に商工会や地域と連携し、注文を受けて弁当や総菜などを宅配するサービスも計画している。

町は岡山県境の山間部にあり、人口約 1 万 1 千人のうち 65 歳以上が 42%。 買い物に不便な地区があり、車を運転できなくなったお年寄りのみの世帯も多い。

住民からは出店を歓迎する声が上がる。 豊松地区に夫 (89) と住む女性 (87) は足が悪く、電動車で週 1 回、自宅から 2 キロのスーパーに行き、まとめ買いしている。 「そのうち体が弱って買い物に行けなくなる。 宅配になれば便利。」 草木地区でひとり暮らしする男性 (80) も「今は車を運転できるので遠くまで買い物に出られるが、いずれ運転できなくなるので、宅配はありがたい」と話す。

オープンするのは「ローソン神石高原町店(約 160 平方メートル)」。 同町坂瀬川の道の駅「さんわ 182 ステーション」内にできる。 町が 57% 出資する第三セクターが経営し、売り上げはローソンと分ける。

町内では以前、他のコンビニに出店を断られたといい、町は今回ローソンに打診。 ローソン側には、通常は採算がとれにくい過疎地でも町が関わるなら出店しやすいとの事情のほか、高齢の客層を開拓したい意図もあるという。 広報担当者は「買い物難民の増加は今後全国的な問題になる。 神石高原町への出店でノウハウを蓄積したい。」と話している。 (野口拓朗、asahi = 8-12-11)


焼酎、ハイボールにのまれる? 50 社の売上高 2.5% 減

帝国データバンク福岡支店が 12 日まとめた 2010 年の焼酎専門メーカー上位 50 社の売上高は、前年比 2.5% 減の計 2,981 億円だった。 2 年連続の減少で、約 6 割に当たる 29 社で売り上げが落ちた。 焼酎の売上比率が半分以上の企業を対象に福岡支店がまとめた。 50 社中 46 社は九州・沖縄のメーカーが占める。

麦焼酎「いいちこ」の三和酒類(大分県)が 8 年連続首位だが、売上高は減少傾向。 2 位の霧島酒造(宮崎県)は芋焼酎「黒霧島」が好調で、首位との差を縮めている。 大手ビール会社の割安な焼酎やウイスキーのハイボールとの競争が激しくなり、中小の専門メーカーは苦戦が目立つ。 帝国データ福岡支店は「ブランド力による売り上げの差が広がり、九州・沖縄の専門メーカーの環境はさらに厳しくなる」とみている。 (asahi = 8-12-11)


ハウステンボス、医療観光参入 体質改善に 3 泊 25 万円

ハウステンボス(HTB、長崎県佐世保市)は 10 日、滞在型の医療観光事業を 11 月から始めると発表した。 園内の高級ホテルに泊まり、温熱療法やヨガで体質改善や減量を進めるという。 料金は 3 泊 4 日で 25 万円程度。 働き盛りの高収入層や中国の富裕層を狙い、年間 500 人の利用で 1 億 5 千万円の売り上げを見込む。

医療と観光を組み合わせた事業(メディカルツーリズム)が広がる中、HTB が狙うのは「病気予備軍」と言われる人たち。 医師のカウンセリングや体質診断の後、体温を上げて自律神経の働きや免疫を高めるとされる温熱療法を受ける。 滞在中はヨガや座禅、菜食などで生活習慣改善の指導を受ける。 6 泊 7 日で 45 万円のコースも設ける。 (asahi = 8-10-11)


佐賀空港、民営化検討へ 国交省、県に調査費交付

国土交通省は 8 日、佐賀県が運営する佐賀空港の民営化に向けて、県に 1,700 万円の調査費を出すと決めた。 県の申請に国交省が応じた。 県は来年 3 月までに民営化が実現できそうか検討し国交省に報告する。

佐賀空港は 1998 年に開港。 近隣の福岡空港などとの競争が激しく毎年度 1 億 5 千万 - 1 億 7 千万円の赤字を出している。 県は、第三セクターが運営する空港ビルと、県が管理する滑走路を一体化して民間企業に委ねることを検討。 民間で空港運営の引き受け手がいるか調べる。 (asahi = 8-8-11)


1 坪当たりの売り上げ日本一 福島の直売所、築地に出店

東京・築地場外市場に福島県玉川村の農産物直売店が 6 日、オープンした。 復興に役立ててもらおうと、同市場商店街振興組合が空きスペースを店側に無償で貸し出した。 「緑の駅」の看板と「がんばろう ふくしま」ののぼり。 「新鮮野菜、どうぞー」という威勢のいい声に買い物客が引き寄せられている。

直売店を運営するのは、福島空港近くの「道の駅たまかわ(玉川村)」にある「こぶしの里」。 30 坪の売り場で年約 2 億円の売り上げがあり、1 坪あたりの売り上げで「日本一の直売所」を自負する。

契約農家から仕入れる新鮮さと安さに加え、独自に開発した加工品が人気の秘密だ。 透き通った「トマトジュース」は、2006 年度の「ふくしま特産品コンクール」の県知事賞に輝いた最大の人気商品。 水を与えない特殊農法で育てたトマトから生まれる。

築地の10畳ほどの売り場には、トマトやキュウリ、インゲン豆といった野菜や、マスカットに似た味の「さるなしジュース」、キュウリのラー油づけ「かっぱラー」などの加工品が並ぶ。 年中無休で営業は午前 5 時 - 午後 3 時。 マネジャーと店員 2 人の計 3 人が常駐し、1 日 20 万 - 30 万円の売り上げを目指す。 (asahi = 8-8-11)


宮城沖、アワビ稚貝 9 割減 津波被害、ウニも深刻

宮城県の海で、アワビやウニが津波で激減したことが水産総合研究センターの調査でわかった。 特にアワビの稚貝の被害は深刻で、高見秀輝・同センター東北区水産研究所主任研究員は「漁獲量調整も考えた方がいい」と指摘している。

アワビやウニの好漁場となっている石巻市・牡鹿半島泊浜と気仙沼市・岩井崎の 2 海域で 6 月、同センターが東京大、県とともに潜水調査をした。 震災前(昨年 11 月 - 今年 2 月)と比べ、泊浜でエゾアワビの親貝が 1 平方メートルあたり 2.5 個から 1.3 個と半減。 キタムラサキウニは1平方メートルあたり 3.2 個から 0.2 個と 9 割以上減った。 岩井崎ではアワビの親貝が 3 割減った。 (asahi = 8-8-11)


北方領土とのビザなし経済交流を提案 北海道根室市長

北方四島の元島民らが多く住む北海道根室市の長谷川俊輔市長は 3 日、衆院沖縄・北方問題特別委員会で参考人として意見陳述し、北方四島との「ビザなし経済交流」を提案した。 「四島の島民からは『日本の品物をどんどん入れて欲しい』と言われる。 今のビザなし訪問と同様に、北方領土の主権問題を棚上げすればできる」と述べた。 (asahi = 8-3-11)


復興住宅、相馬市で着工へ 震災後初の具体化

仮設住宅を出た被災者を受け入れる災害公営住宅(復興住宅)を、福島県相馬市が建設することが決まった。 発注に向けた手続きを 8 月に開始し、秋に一部で着工する予定。 東日本大震災では岩手、宮城両県でも復興住宅の整備費が予算化されているが、建設が具体化したのは初めて。

建設するのは、平屋 (1LDK) と 2 階建て (2LDK) の一戸建て計 121 戸、アパート 4 棟(計 48 戸)。 一戸建ては、津波で水没した地域に近い相馬市程田の市営住宅跡地に建てる。 アパートは高齢者世帯向けで、共同の食事スペースや住人が集う「井戸端エリア」も設ける。 相馬市は 6 月臨時議会で、土地の造成費用を含め約 17 億円の建設費を予算計上した。 (asahi = 8-1-11)


東北を医療機器産業の拠点に 厚労省など復興特区を検討

東日本大震災の復興支援策として東北を医療機器産業の一大拠点に - -。 菅政権は新設される復興特区の一環として、こんな構想を検討している。 東北大病院(仙台市)を中心に人材の交流や育成を図り、医療機器の開発力を高めていく。

厚生労働省が経済産業、文部科学両省と連携して具体化を進めている。 医療機器産業が国際的に遅れているとされる背景を、厚労省は「工学技術者と医療関係者の意思疎通が不十分(担当者)」と指摘。 そこで、東北大病院を「医工連携中核病院」と位置づけ、特区制度を活用して集中的に財政支援をしていく。

福島県では県立医大病院(福島市)、岩手県では岩手医大病院(盛岡市)を拠点にし、三つの病院を軸に人材交流や研究開発を促していく。 それぞれ東北大の医学部と工学部、福島県立医大と日大工学部(福島県郡山市)、岩手医大と岩手大工学部(盛岡市)の連携も強化。 国際水準の臨床研究の実現を図る。 民間技術者も受け入れ、医療現場の視点から手術用ロボットや放射線治療の装置、内視鏡手術器具などの開発に力を入れる。 (asahi = 7-31-11)

◇ ◇ ◇

沿岸部の 38 空港、津波対策検討開始 国交省

東日本大震災での仙台空港の津波被害を受け、国土交通省は沿岸部にある空港の津波対策の検討を始めた。 沿岸部の低地に空港は 38 カ所あるが、これまでは津波被害の想定すらなかった。 有識者の意見などを踏まえ、地震発生から津波到達までの間の避難方法・設備両面の安全確保策を 8 月にもとりまとめる予定だ。

国交省によると、空港は震度 4 以上の揺れを観測すると閉鎖し、滑走路の状態などを点検したうえで再開する。 だが、津波警報が出ると空港職員は建物内に退避する決まりで、この間、滑走路上の旅客機は身動きが取れなくなる。

実際、仙台空港でも地震後、職員はターミナルなどに避難。 約 1 時間後には津波に襲われた。 仙台空港に隣接する海上保安庁仙台航空基地では、小型機など 4 機が津波にのまれた。 海保は視察・救助に飛び立つため、独自に滑走路の状態をチェックしていたが、度重なる余震で作業が中断。 ヘリ 1 機を離陸させるのがやっとだったという。 (asahi = 7-25-11)


津波避難計画、半数のみ 朝日新聞が 197 市町村調査

今世紀前半にも発生の可能性が指摘されている東海、東南海、南海地震の対策対象地域のうち、沿岸の 17 都府県 197 市町村に朝日新聞がアンケートしたところ、住民避難の指針となる「津波避難計画」を作っていると回答したのは 99 と半数にとどまっていた。

一方、避難の際の司令塔となる市役所・役場の本庁舎や、消防署、警察署のいずれかが津波の浸水予想地域にあると答えたのは 83 と 4 割余りに上っていた。 各地に津波被害をもたらした東日本大震災を教訓に、いかに素早く住民を避難させるかが自治体に求められており、各市町村は対応を迫られている。 (asahi = 7-9-11)

◇ ◇ ◇

津波リスクに応じた規制を提案へ 国のまちづくり法案

国土交通省は 6 日、津波の危険度に応じ、土地利用を規制する「津波防災まちづくり法(仮称)」を年内にも国会に提案する方針を決めた。 東日本大震災からの復興が本格化する中、津波被害に見舞われた沿岸部の土地を有効活用する狙いもある。 工場は避難路をつくれば建てられるようにしたり、居室は浸水しない高さにつくるよう求めたりし、「1 階は水産加工場、3 階は寝室」といった建物も認められる内容になる。

これまでは 50 - 150 年程度の周期で起きる津波を防潮堤などで防ぐ対策が中心だった。 今後は、東日本大震災のような最大規模の津波にも、被害を最小限にする「減災」の考え方で対応することを明確にする。 中央防災会議が先月公表した提言に沿った方針だ。 新法は東海・東南海・南海地震などの予想地域にも適用する一般法で、津波防災を規定した法制度は初めて。 罰則もあり、各地の街づくりに影響しそうだ。

国交省によると、予想される津波に応じて自治体が区域を指定。 工場や企業は避難路や避難ビルを整備すれば認めたり、居室は、浸水が予想される高さ以上にするよう求めたりする。 寝たきりの高齢者がいる施設は新たに建てられない開発規制も設ける。 また、津波対策に応じてそうした規制を解除や緩和できる。

国交省幹部は「水産業が盛んな沿岸部に加工場は欠かせない。 浸水が予想されても、働いているときは逃げられる。 居室は予想される浸水によって 3 階以上だったり、4 階以上だったり変わる。」と説明する。 (asahi = 7-7-11)


石巻・気仙沼の経済力が半減 七十七銀が推計

東日本大震災で、宮城県第 2 の都市・石巻市と気仙沼市の経済力の半分近くが失われた - -。 東北最大手の地銀・七十七銀行(本店・仙台市)が、そんな推計結果をまとめた。 2005 年の産業間のお金の動きを分析。 東京商工リサーチがまとめた被災企業数などを当てはめ、被災額をはじき出した。

石巻市では、GDP (国内総生産)に当たる数値が 5,791 億円から 2,412 億円 (41.7%) も減少。 約 3 万 4 千人分の職が失われる影響があった。 気仙沼市でも、2,287 億円の生産が 1,122 億円 (49.1%) 減り、1 万 9 千人分の雇用減を招く規模だ。 両市とも、生産減少分の約 35% は取引先の被災に伴う間接的なものだった。 (asahi = 7-22-11)


10% 節電で商品券 5 千円 福井県主催「無理しないで」

福井県は、電力不足が心配される 8 - 9 月、県内で大規模な節電コンテストに取り組む。 電力消費を前年同期より 10% 以上削減した家庭を募り、抽選で計 1 千世帯に 5 千円分の商品券を贈るという。

県内に電力を供給する北陸電力と関西電力の毎月の検針票に、前年同月の電気使用量が記入されているのを活用し、応募用紙には 2 カ月分の検針票を添付してもらう。 さらに、削減率の上位 5 家庭とユニークな節電に取り組んだ 3 家庭に、LED スタンドや電気ケトルなどの省エネ商品も贈る。

同県は今夏、「クールライフプロジェクト」と銘打ち、冷房がきいた博物館や美術館を昼間に無料開放するなどで消費電力の 10% 削減を目指している。 今回のコンテストもその一環だ。 (asahi = 7-20-11)


混乱の東北六魂祭「応援の気持ちに感動」 運営面で課題

仙台市に東北 6 県の夏祭りが一堂に集まった「東北六魂(ろっこん)祭」は、16、17 両日で予想の 3 倍以上の人出となった。 初日はパレードの一部が中止になり、コースを縮小した 17 日も予定を変更する事態に。 東日本大震災からの復興を願うイベントは、運営面で大きな課題を残した。

17 日のパレードは、当初の計画を変更して、会場となる「定禅寺通」の東向き車線だけを使い、西向きの車線を観覧スペースとして開放して実施した。 警備スタッフは 60 人増やして 310 人態勢に拡充。 仙台中央署も 70 人増の 190 人で警備に臨んだ。 2 カ所だった救護室も 3 カ所に増やし、救急車 2 台もあらかじめ会場に配備した。

それでも、17 日正午前にスタートしたパレードは、開始 45 分後に車道に人が入り込んだため 5 分間ほど中断。 パレード自体も大幅に遅れたため、通りを往復する予定を変更し、復路は取りやめた。 「秋田竿燈まつり」の演舞も一部中止した。

実行委員会は当初、1 日当たりの来場者数を 5 万人と予想していた。 毎年 8 月に開かれる仙台七夕まつりのパレード「星の宵まつり」で訪れる 2 万人という実績を元に算定した。「今回は 6 県の祭りが集まるので、その 2.5 倍を見込んだ(実行委)」という。 しかし、16 日は 13 万 3 千人、17 日は 23 万 3,300 人と、結果は予想の 3.6 倍だった。

実行委関係者によると、当初は秋に音楽祭やフリーマーケットをメーンイベントとして開く構想だったが、東北の夏祭りを一堂に集める構想となり、開催時期も秋から夏に前倒しになった。 少しでも早く自粛ムードを払拭したいという思いに加え、「本番に向けた PR の場にしてもらいたかった(実行委関係者)」という思惑があったという。

仙台中央署によると、警備計画についての相談は 6 月初旬になってからだったという。 山村英次署長は「初めてということもあり、来場者の予想を立てるのが非常に難しかった。 主催者側の見込みに基づいて計画したが、実際には来場者があまりに多く、現場で対応が出来なくなった。」と話す。

実行委の間庭洋幹事長は「これほど多くの人が来るとは想像もしていなかった。 人出を予想する算定基礎もなく、不完全燃焼のような形になってしまった。」とコメント。 奥山恵美子・仙台市長は「今の東北を応援しようという気持ちが多くの人にあることが分かり、感動した」とする一方で、「応援を運営面で支えきれなかったことは、反省しおわび申し上げたい」と謝罪した。 (asahi = 7-18-11)


三陸沿岸道などの整備を緊急提言 国交省の有識者委

国土交通省の有識者会議「高速道路のあり方検討有識者委員会(座長 = 寺島実郎・日本総合研究所理事長)」は 14 日、東北の高速道路網の整備を求める緊急提言をまとめ、大畠章宏国交相に提出した。

提言では、東日本大震災の被災地の復興のためには、三陸沿岸道路などの強化が必要だと指摘。 太平洋沿岸と内陸部を結ぶ横断軸の強化も求めた。 寺島座長は「被災からの復旧の過程で、道路は物流面の大きな支えになった。 総合交通体系を重層的にすることが大事だ。」と話した。

三陸沿岸道路は三陸縦貫道、三陸北縦貫道、八戸久慈道の 3 路線 360 キロ。このうちルートが未定なのは 10 区間 149 キロ。 国交省は 8 月中にルートを確定させ、3 次補正予算に関連経費の計上をめざす。 大畠国交相も「今後 10 年間で完成させる」と発言している。 (asahi = 7-14-11)


都内の幹線道 100 カ所通行止め 防災の日、大規模訓練

警視庁は「防災の日」の 9 月 1 日、東京都内の環状 7 号線や国道 16 号など国道・都道 100 カ所について、約 10 分間一斉に通行を止める訓練をすることを決めた。 東日本大震災を踏まえ、大規模震災時の交通状況を市民に実体験してもらうのが狙い。 大規模な通行止めの訓練は都内で初めてという。

交通規制課によると、訓練では、大災害が発生して緊急車両の通行が必要になったと想定。 幹線道の県境で車の往来を規制したり、交差点の信号を手信号に切り替えたりして一斉に通行止めにし、緊急車両の通行を確保する訓練をする。 一般ドライバーへの意識調査も合わせて実施し、災害時の交通規制についての知識や感想を尋ね、今後の災害時の渋滞対策に生かすという。 (asahi = 7-6-11)


「日本一暑い」市役所、ソフトとハードで省エネ

「日本一暑い街」として知られる岐阜県多治見市が、市役所の省エネに取り組む。 ゴーヤのカーテンの設置や業務中のサンダル履きの許可など、ハードとソフト両面で 11 の実行計画をつくった。 担当者は「すぐ実施する。 ほかの公共機関にも波及させたい。」と話している。

多治見市は 2007 年 8 月 16 日に国内の最高気温記録となる「40.9 度」を観測した。 古川雅典市長は「日本一暑い多治見市として、省エネルギーに率先して取り組む」と意気込む。 市によると、今回の実行計画は、各部からアイデアを募ってまとめた。

ハード面で取り組むのは、▽ 蛍光灯の灯具に鏡面反射板を貼る(費用約 277 万円)、▽冷房を入れる時間を午前 9 時 - 午後 4 時半とし、これまでより 1 時間 15 分短縮、▽扇風機 60 台を導入(同約 25 万円)、▽ 3 階の南側の窓ガラスに透明な断熱フィルムを貼る(同約 128 万円)ことなど。

ソフト面では、▽ 職員らが自分の席を 1 時間以上離れる時は、パソコンの電源を切る、▽ 下りのエレベーターは使用しない、▽ 自席ではスリッパやサンダル履きを認める、などとなっている。 (asahi = 7-3-11)


全漁連、水産特区に強い懸念「漁場に大きな混乱も」

全国漁業協同組合連合会(全漁連)は 1 日、宮城県の村井嘉浩知事が提唱する「水産業復興特区」について、「漁場に大きな混乱を招きかねない」と強い懸念を表明した。 6 日に都内で緊急集会を開き、地域の意向を踏まえない強引な企業参入への反対を決議する予定だ。

全漁連は、各地の漁協が漁業権を一元管理することで、漁場での操業上のトラブルを回避してきたが、特区の導入で、法人が直接免許を受けることになれば、操業上の紛争が起きるのは必至だと主張。 「特区構想が漁業者の絆を分断し、秩序を崩壊させることにつながるものならば、断じて容認することはできない」としている。 長屋信博常務理事は「民間企業の参入は歓迎だが、特区でなくても現行法でできる」と話した。

菅政権の復興構想会議は特区について、地元漁業者を主体とし、民間企業も参加する法人が、漁業権を取得できる仕組みの具体化を図ると提言に明記した。 (asahi = 7-1-11)


諫早の開門、長崎地裁認めず 高裁判決とねじれ

国営諫早湾干拓事業(長崎県)をめぐり、諫早湾内や付近の漁業者が潮受け堤防排水門の開門を求めた訴訟の判決が 27 日、長崎地裁であった。 須田啓之裁判長は開門についての請求を棄却した。 昨年 12 月に福岡高裁で確定した、3 年の準備期間の後、5 年間の常時開門を国に命じた判決とねじれが生じることになる。 一部原告の損害賠償は認めた。 原告は控訴の意向。 (asahi = 6-27-11)

◇ ◇ ◇

「何のための開門」長崎知事が批判 諫早干拓アセス素案

国営諫早湾干拓事業(長崎県)で長期の開門調査をした場合の環境影響評価(アセスメント)の素案について、同県の中村法道知事は 11 日、記者会見し「開門しても有明海全体では水質などの環境改善に大きな変化は見られないとの見解が示されている」と述べた。 そのうえで中村知事は「何のために開門が行われようとするのか。 我々の根本的な疑問だ。」と国の姿勢を強く批判した。

中村知事は「結局、地元長崎が一番大きな被害を被ることになるのは明らかだ」と強調。 国はアセス素案をもとに開門に向けた協議を進めたい考えだが、知事は「開門を前提にした協議の場には到底参加いたしかねる」と、協議入りを否定した。 (asahi = 6-11-11)

◇ ◇ ◇

諫早開門の事前対策費、最大 1 千億円 国がアセス素案

農林水産省は 10 日、国営諫早湾干拓事業(長崎県)で長期の開門調査をした場合の環境影響評価(アセスメント)の素案を発表した。 湾を閉め切った調整池の水門を全面的に開ければ大量の海水が入れ替わるが、水害や農漁業被害を防ぐ事前対策費は 1,077 億円にのぼる。 一方、潮流や水位変動を一定範囲に制限する開門なら対策費は最低 82 億円で済むものの、海水交換などの効果は限定的なものになる、としている。

国は開門に強く反対して態度を硬化させている長崎県や干拓地農業者らにこれらの対策を示し、説得を進める考えだ。

アセス素案で国が示した開け方は、(1) 当初から水門を全面的に開ける「全開門」、(2) 調整池の水位の変動幅を 70 センチ以内、潮流の速さを毎秒 1.6 メートル以内に収める「制限開門 1」、(3) 変動幅を 20 センチ以内、毎秒 1 メートル以内に収める「制限開門 2」 - - の 3 通り。 さらに、制限開門 2、同 1 を経て最終的に「全開門」に至る「段階開門」も加え、それぞれの影響予測と対策を示した。 (asahi = 6-10-11)


北海道らしい「ナチュラルクールビズ」、道が募集中

北海道らしいクールビズ、募ります - -。 道は、職員や民間企業を対象に、新しいクールビズのアイデアを募集し始めた。 その名も「ナチュラルクールビズ」。 暑いばかりではない道内の夏の自然を意識したスタイルを受け付け、職員に実践してもらう。

環境省はアロハシャツやジーパンでの勤務を認める「スーパークールビズ」を始めている。 電力不足で節電が求められる本州の暑い夏を乗り切る狙いだ。 ところが、同じ夏でも道内は事情が異なる。 本州より涼しく、地域間の気温差も大きい。 21 日の最高気温を見ても、札幌や旭川の 29.3 度に対し、釧路や稚内は 10 度近く低かった。 (asahi = 6-26-11)


「平泉」世界遺産登録決まる 国内で 16 件目

パリで開かれているユネスコ世界遺産委員会は 25 日(日本時間 26 日未明)、「平泉(岩手県)」を世界文化遺産として登録することを決めた。 「平泉」は 2008 年の委員会では登録が見送られており、今回が2 2 目の挑戦だった。

国内の世界遺産としては 24 日に登録が決まった小笠原諸島を含め 16 件目で、文化遺産では 12 件目となる。 「平泉」は平安時代末期に奥州藤原氏が建てた寺院や庭園などで構成されている。 普遍的意義を持つ「浄土思想」との関連があり、仏教と日本の自然崇拝が融合し、日本独自の庭園である点などが評価された。 (asahi = 6-26-11)


小笠原諸島、世界自然遺産に決定

パリで開かれているユネスコの世界遺産委員会は 24 日、日本政府が推薦した小笠原諸島(東京都)を世界自然遺産に登録することを決めた。 大陸と一度も地続きになっておらず、独自の進化をとげた動植物が多いことなどが評価された。

小笠原諸島は、東京都心から南に約千キロ離れた大小約 30 の亜熱帯の島々。 現在も公共の交通機関は東京から片道 25 時間半の船便だけだ。 登録区域は父島、母島の居住地などを除く陸域 6,360 ヘクタール、海域 1,580 ヘクタールとなる。 国内の世界自然遺産は、1993 年の屋久島(鹿児島県)と白神山地(青森、秋田両県)、2005 年の知床(北海道)に続き 4 件目となる。

世界遺産委員会の諮問機関である国際自然保護連合は、昨年 7 月に小笠原を視察した。 樹木やシダ植物などの 3 割以上、カタツムリ類の 9 割以上を固有種が占めることや、近しい種を比較することで生物が独特の進化をとげた過程がわかる点を評価。 今年 5 月に「登録が適当」との勧告をまとめた。 世界遺産委員会の審議では、この勧告に対して特に大きな異論はなく、登録を決めた。

勧告では行政や研究者、地域が連携して自然を管理している姿勢も評価した。 一方、より効果的な管理ができるように海域の保護区を広げることや、世界遺産になることで増加が予想される観光客が悪影響を及ぼさないかを注意深く管理することを求めている。 これを受け、政府は固有種を脅かす外来種の対策などをさらに推し進めていく。 (asahi = 6-24-11)


福島県沖のカツオ漁、一部解禁 水産庁、調査で安全確認

水産庁は 21 日、福島県沖の一部海域でのカツオ漁を認めると関連業界に伝えた。 これまで原発事故による海洋汚染の影響がないかどうかを確認するまで自粛するよう求めていた。 調査により、安全と判断した。 この時期に千葉沖から岩手沖にかけた常磐・三陸沖漁場を北上するカツオの水揚げは、宮城・気仙沼漁港の主要産業になってきた。 漁港周辺では「カツオで復興を」と急ピッチの復旧作業が進んでおり、漁そのものが認められるかが注目されていた。

水産庁は、一本釣り船とまき網船の業界団体に対し、安全性が確認できるまで福島沖(北緯 37 度より北)での操業自粛を求めていた。 同庁によると、沖合約 880 キロでのサンプル調査で採取したカツオから検出された放射性セシウムは 5 - 5.5 ベクレルで、基準(1 キロあたり 500 ベクレル)の 100 分の 1 程度だった。 放射性ヨウ素は出なかった。 (asahi = 6-22-11)

◇ ◇ ◇

石巻で天然ワカメ漁再開 船や漁具など共同利用

東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮城県石巻市雄勝町の船越漁港で 7 日、天然ワカメ漁が本格的に再開された。 80 隻以上あった船は 5 隻ほどに減ったため、船や漁具を共同で利用。 震災後初めて海にこぎ出した高橋龍太郎さん (70) は「漁師は海に関わらないと生きていけね。 今日は皆が生き生きしていた。」 (6-7-11)


屋久島の縄文杉立ち入り制限案、否決 町議会特別委

鹿児島県屋久島町が提案した縄文杉周辺など指定地域への観光客の立ち入りを制限する条例案は 21 日、町議会特別委員会で否決された。 23 日の最終本会議でも否決になる見通しだ。 世界自然遺産にも登録されている島の自然を守る趣旨に異論は出なかったが、観光業への影響を考慮すべきだという意見が多かった。

特別委は議長を除く全議員 19 人で構成。 町側は縄文杉への立ち入りを 1 日 420 人に制限した場合、集中日に年間約 9 千人がこの枠から外れ、宿泊料金やガイド料などで約 2 億 3 千万円の損失が出ると説明。 予約システムによる誘導によって登山客を分散化させたいと述べた。

議員からは「登山者のピークを平準化させる具体的な取り組みはあるのか」、「枠を大手業者に牛耳られ、中小の宿泊業者やガイドに仕事が回ってこないのでは」という懸念や、「縄文杉へのルートをすべてチェックできず実効性がない」といった指摘が出た。 (asahi = 6-21-11)


がん検診から始まった … ロシア - 九州、医療ビジネス交流

ロシアの大物経済人のがん検診をきっかけに、ロシアと九州の経済交流が動き始めた。 軸となるのは、外国人の検診や治療を受け入れる医療ビジネス。 九州・山口の病院や自治体は地域経済の活性化につなげようと、交流分野をさらに広げようとしている。

背広姿の大柄なロシア人男性が昨年秋、通訳とともに古賀病院 21 (福岡県久留米市)を訪れた。 がんの早期発見ができる「PET 検診」を受けるためだ。 日本の検査技術の高さは、海外でも評価が高い。 ロシア最大の経済団体で、50 万社超の中小企業を束ねる「オーポラロシア」の会長、セルゲイ・ボリソフ氏。 プーチン首相などとも親交が深い、ロシア財界の大物経済人だ。

ボリソフ氏は約 5 時間かけて全身を検査。 医師と一緒に端末の画面を見ながら、自身の健康状態について説明を受けた。 看護師や職員がきびきびと働き、患者に丁寧に対応する姿に感銘を受けた様子で、病院を運営する医療法人天神会の古賀伸彦理事長に「ぜひ多くのロシア人に紹介したい」と語ったという。

ボリソフ氏はこの検査をきっかけに、九州でのビジネスに着目。 5 月、東京などに次ぐ日本の拠点として北九州市に「オーポラロシア福岡」を設立した。 医療観光や企業進出の支援でロシアとの経済交流を促すねらいで、オーポラ側は「ロシアの医療は誤診やサービスの悪さが指摘される。 富裕層を中心に日本の医療に関心が高い。」と話す。

ロシアは 1999 年以降、金融危機の影響があった 09 年を除いて国内総生産 (GDP) で年率 4 - 10% の高成長を続けてきた。 所得格差が広がる一方で、富裕層は急増している。 近隣国の経済成長を受けて、九州、山口でも外国人を受け入れる病院が増えている。

古賀病院は 04 年から外国人の検査を受け入れてきたが、ロシア人はボリソフ氏が初めて。 古賀理事長は今春、ロシアを訪ねて現地の医師との交流を始めた。 「医療もグローバル化の時代だ。 患者が来れば病院の刺激になるし、地域貢献にもつながる。」 地元でも来院とセットで宿泊施設や飲食店を使う医療観光への期待が高まる。

セントヒル病院(山口県宇部市)は 07 年以降、主に中国人を迎えてきた。 担当者は「アジアに進出している企業を通して日本の医療情報が入るようだ。 周辺の医療施設とも連携していきたい。」 心臓手術で有名な小倉記念病院(北九州市)は 1 月、国際医療の部署を置き、ロシア語、中国語を話すスタッフをそろえた。

北九州市は医療観光だけでなく、中小企業のビジネスチャンスを探る。 ロシアで使う医療機器の製造や現地の病院建設に地元企業の技術を提供したり、漢方薬を扱う小売業者が販路を開拓したりすれば、経済の活性化につながるという。 (竹下隆一郎、asahi = 6-19-11)


備蓄米入札、農家が敬遠 震災で相場上がり値踏み

凶作や天災に備えて政府がコメを買い上げる「備蓄米」への入札を、農家が敬遠している。 東日本大震災の影響で、2011 年産のコメ相場が高くなりそうだと値踏みしているためだ。

農林水産省が 17 日に公表した 11 年産の第 6 回入札の結果は、約 13 万トンの提示に対し、落札は 50 トンどまり。 5 月末から 6 月初めの 4、5 回目の入札は、ともに落札ゼロだった。 備蓄米は今年から買い上げ方式を変更。 政府が買い上げる量を毎年 20 万トンに固定し、5 年後に飼料用米として放出するルールに変わった。 裁量的な買い上げによりコメの需給に影響を与えないための政策変更で、農業団体も要望してきた。 (asahi = 6-18-11)


スカイツリー地下は巨大エコ空間 熱や雨水ためて活用

建設中の東京スカイツリー(東京都墨田区)敷地の地下に設置する巨大な「蓄熱槽」や、雨水を集める「雨水貯水槽」などが 16 日、報道陣に公開された。 世界一の電波塔の足元で、エネルギーを効率的に活用するための装置を備える工事が進む。 東武鉄道と東武エネルギーマネジメントによると、蓄熱槽にためる水は 7 千トンで、25 メートルプール 17 杯分。 夜間電力を使って夏は 5 度の冷水に、冬は 48 度の温水にしておき、昼間の施設の冷暖房に活用する。

蓄熱槽を使うことで、8 月の平均的な暑さの日の試算では、施設の冷房設備のピーク時電力使用量が 5,700 キロワット時から 2,900 キロワット時にほぼ半減。 電力消費がピークを迎える昼間の消費電力を抑えることができるという。 水 7 千トンは 23 万人の 1 日分をまかなう量といい、災害時は生活用水や消防用水として提供する計画だ。 (asahi = 6-17-11)

◇ ◇ ◇

スカイツリー、来年 5 月 22 日開業 展望台料金計 3 千円

東京都墨田区で建設中の東京スカイツリー(高さ 634 メートル)は 2012 年 5 月 22 日に開業することが決まった。 建設を進める東武鉄道が 7 日発表した。 入場料金は大人が第 1 展望台(350 メートル)が 2 千円、第 2 展望台(450 メートル)が千円。 第 2 展望台へは第 1 展望台を乗り継ぐため、計 3 千円になる。 小学生は半額程度になる予定。 (asahi = 6-7-11)


三陸では取れないはず … マダイが異例の豊漁

岩手と青森の太平洋沿岸の定置網で、マダイが異例の豊漁となっている。 岩手・宮古では 1 日 3.5 トン揚がった日もあり、地元漁協は「こんな水揚げは初めて」と驚く。 阪神大震災でも同様の現象が起きたというが、漁師や研究者は「理由はわからない」と首をかしげている。

16 日朝 5 時半、宮古漁港に戻った漁船から、定置網に入ったマダイが大きな水槽に移された。 赤と銀に輝く姿に、漁師や仲買人らは「こんな大物が宮古で揚がるなんてなかった。」 4 - 5 キロの大物も揚がった。

三陸沿岸は津波で船や定置網が流され、岩手県宮古市周辺は定置網が全滅した。 北隣の岩泉町小本沖で漁が再開され、1 網しかけたところ、9 日に 2 - 3 キロと大ぶりのマダイが 1.2 トンとれた。 10 日は 2 トン、11 日は 3.5 トンが揚がり、宮古漁協の坂下尚司・販売課長代理は「これまでは 500 グラム - 1 キロと小さいうえ、少なくて商売にならなかった」と大漁に驚く。 久慈でも 11 日に約 1 トン揚がった。 (asahi = 6-16-11)


佐渡と能登、世界農業遺産に認定 先進国で初

農林水産省は 11 日、国連食糧農業機関 (FAO) の「世界農業遺産」に新潟県の佐渡島と石川県の能登半島が認定されたと発表した。 伝統農業や文化の保全を目的に 2002 年に始まった制度で、同省によると、先進国から選ばれたのは初めて。

佐渡島は国の特別天然記念物トキを中心に、ドジョウやカエルなどの多様な生物がすむ水田づくりが評価された。 能登半島は、棚田が並ぶ「千枚田」をはじめ、適度に人の手が入った里山が保全されていることが評価されたという。 これまで認定されたのは、ペルーの「古代バレイショ農法」や中国「水田養魚」など 8 地域。 (asahi = 6-11-11)


農水省の出先機関再編、関連法改正案が成立

農林水産省の出先機関を再編するための農水省設置法改正案が 8 日の参院本会議で可決、成立した。 事故米の不正転売を見逃して批判を浴びた地方組織を減らして集約化する。

全国 38 カ所の地方農政事務所と、その傘下にある 176 カ所の統計・情報センターなど、計 346 カ所の地方拠点を廃止する。 そのうえで、65 の地域センターと 38 の支所に集約する。 9 月 1 日をめどに施行する。 地域センターは戸別所得補償の申請の受け付けや、食品表示の監視などの業務を担う。

事故米問題を受けて設置された農水省の改革推進本部が 2009 年 3 月、地方農政事務所を原則廃止する方針を決定。 これに沿った改正案を昨年の通常国会に提出したが、審議入りせず廃案になった。 法案の骨格を維持した改正案を今国会に改めて出していた。 (asahi = 6-8-11)


「塩トマト」で塩害農地の復興目指す 宮城・岩沼

津波で浸水した畑で塩分に強いトマトを栽培し、農地の復興につなげる試みが宮城県岩沼市で始まった。 4 日、東京から来たボランティア 47 人が、約 500 株の苗を植えた。

岩沼市は総面積のほぼ半分が浸水し、田畑 1,240 ヘクタールが塩水につかった。 トマトは塩分が多い土壌でも育ち、熊本県の干拓地で栽培されたものは味の濃い「塩トマト」として知られている。 市は塩トマトの栽培を復興策の一つに位置付け、4 日は市内 2 農家の計 20 アールに苗が植えられた。

岩手県陸前高田市矢作地区の田畑 16 ヘクタールでも 4 日、塩害に強いトウモロコシとヒマワリの種まきがあり、住民ら約 300 人が参加した。 トウモロコシなどは田畑の塩分除去効果があるという。 (asahi = 6-4-11)