独禁法に基づきグーグルを調査 米連邦取引委 米連邦取引委員会 (FTC) が米インターネット検索最大手グーグルを対象に、米独占禁止法に基づく調査に着手した。 検索サービスでの独占的な地位を利用し、利用者に様々なネットサービスの売り込みを図っていないかを調べると見られる。 グーグルが同社の公式ブログで明らかにした。 23 日に FTC から調査開始の書簡を受け取ったといい、「調査には協力する」としている。 米調査会社コムスコアによると、5 月の米検索市場におけるグーグルのシェアは 65.5%。 2 位のヤフー (15.9%)、3 位のマイクロソフト (14.1%) に大きな差をつけている。 同社はパソコンや携帯端末向けの基本ソフト (OS) や、多様なサービスをネット経由で提供する「クラウドコンピューティング」などの拡大を進めている。 こうした事業の拡張に、検索サービスでの独占的なシェアを不正に利用していないかが焦点になる。 (asahi = 6-26-11) クラウド活用、製造業支援 富士通 インターネットイニシアティブも 富士通は、大量のデータ処理が必要な製品設計など、ものづくりの現場作業を支援する新サービスを 10 月から始める。 インターネットを通じて、工場からでも富士通のデータセンターやソフトウエアを直接使えるようにする。 東日本大震災を受け、リスク管理や節電対策を強化する製造業へ売り込む考えだ。 自動車や家電の工場では、部品などの設計や品質解析を進めるため、専用の大型サーバーを備えているところが多い。 そこで、サーバー内の情報や、その処理に必要なソフトウエアを富士通のデータセンターにまるごと預けてもらい、工場などのパソコンとセンターをネットで接続することで、従来通りに作業できるようにする。 顧客企業は自前でサーバーやソフトをそろえたり、保守管理したりする手間が省ける。 例えば、500 万 - 1 千万円の初期投資が必要だった作業が、最も安くて月数十万円の利用料金で可能になるという。 こうした仕組みは「クラウドコンピューティング」と呼ばれ、今回の震災をきっかけに注目が高まった。 例えば、クラウドを活用すれば、地震で工場などが全壊しても、データは別の場所にあるため失われない。 自宅からデータセンターにネット接続すれば、在宅勤務もできる。 複数の企業のサーバーを集約できるため、今回のサービスでは電力消費量を 65% 減らせるという。 永嶋寿人民需ビジネス推進本部センター長は「震災をきっかけに、リスク分散を考えるようになった企業などへの導入を目指したい」と話す。 同業他社の動きも活発だ。 日立製作所は今月上旬から、顧客のデータを自動的にデータセンターにバックアップするサービスを開始。 インターネットイニシアティブも 4 月、島根県に新しいデータセンターを稼働させた。 (大宮司聡、asahi = 6-22-11) ネットのドメイン、自由化へ 「.music」も OK インターネット上の住所(アドレス)に当たるドメイン名を管理する国際団体「ICANN (本部・米国)」は 20 日、シンガポールで理事会を開き、ドメイン名の末尾につく「トップレベルドメイン」について企業名や地名、一般名称などを自由に導入できるようにすることを決めた。 英語以外のすべての文字の使用も可能となる。 来年 1 月から登録を始め、来秋以降の実施を目指すという。 ICANN によると、トップレベルドメインのうち、「.com」、「.net」などは分野別トップレベルドメイン (gTLD) と呼ばれ、現在は 22 種類に限られている。 これが「.music」、「.paris」など一般名称や都市名、企業・団体名など幅広い言葉が使えるようになる。 また、平仮名や片仮名、漢字など世界中の言葉と文字が使えるようにすることも決まった。 申請された gTLD を、ICANN が審査する。 審査費用として 18 万 5 千ドル(約 1,484 万円)が必要とされ、申請期間は来年 1 月 12 日 - 4 月 12 日。 (asahi = 6-20-11) コンピューターウイルス作成罪成立 取得・保管にも罰則 「コンピューターウイルス作成罪」の新設を柱にした刑法などの改正案が 17 日、参院本会議で与野党の賛成多数により可決され、成立した。 現行の刑法では直接罪に問えなかったウイルスの作成や提供などを処罰の対象にするほか、捜査に必要なデータを効率的に押収できる仕組みにした。 新しい罪は 7 月中旬から適用される。 警察庁によると、ウイルス被害の全国の相談は 2006 年からの 5 年間で計約 1,200 件。 直接取り締まる罪名がないため、器物損壊罪や詐欺罪を適用して検挙できたのは 7 件だけだった。 日本が 01 年に署名した「サイバー犯罪条約」を批准するためにも、国内法の整備が急務になっていた。 改正刑法は、ウイルスを「意図に反する動作をさせるべき不正な指令を与える電磁的記録」などと定義。 正式名称は「不正指令電磁的記録作成罪」などとした。 正当な理由なくウイルスを作成したり提供したりする行為は 3 年以下の懲役か 50 万円以下の罰金とし、取得したり保管したりする行為も 2 年以下の懲役か 30 万円以下の罰金とした。 (asahi = 6-17-11) のぞき・泥棒逮捕 … ノート PC のカメラ、意外な使われ方 ノートパソコンに小さなカメラが付くことが多くなってきた。 相手の顔を見ながら話すテレビ電話などに使われているが、米国では他人の生活ののぞき見に使われたり、逆に泥棒の逮捕につながったりという意外な「活用」例もある。 悪用したのは、ロサンゼルス近郊に住むパソコン修理の技術者 (20)。 地元紙によると、修理したパソコンにスパイソフトをひそかに組み込み、「カメラのセンサーの修理のため、パソコンを湯気に数分間さらしてください」という偽のメッセージが表示されるようにした。 利用者が風呂場にパソコンを持ち込んでシャワーを浴びたりしたところを自動的に撮影して送信。 8 日逮捕された技術者のパソコンから、半裸や全裸の女性の写真が多数見つかった。 防犯に役立つ例もある。 米 ABC テレビなどによると、サンフランシスコ近郊に住む男性は 3 月、自宅に忍び込んだ泥棒にパソコンを盗まれた。 このパソコンには防犯ソフトが組み込まれており、カメラが泥棒の顔や部屋の様子などを撮影して送信した。 男性がブログに泥棒の写真を掲載して情報提供を求めた結果、泥棒は逮捕され、パソコンは男性の元に戻った。 (asahi = 6-17-11) 英情報機関、アルカイダ関連サイトにハッキング 英国の情報機関が、国際テロ組織アルカイダの発行とされる英字誌のウェブサイトをハッキングし、「爆弾の作り方」のページをカップケーキのレシピに書き換えていたことがわかった。 AP 通信などが報じた。 書き換えられたのは英字誌「インスパイア(啓発)」。 昨年 7 月からネット上で PDF ファイルを無料で公開。 聖戦(ジハード)への参加などを呼びかけている。 洗練されたデザインが特徴で、アラビア語圏外にも影響力を広げる宣伝戦略の一環とみられている。 米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、同誌に掲載された「母の台所で爆弾を作ろう」という記事が、米テレビ番組で紹介された「全米一おいしいカップケーキ」のレシピに差し替えられた。 その後、発行者側が異変に気づき、現在はレシピは見られなくなっている。 (asahi = 6-16-11) グーグル、声でも検索可能に 当初は英語だけですが 米インターネット検索最大手のグーグルは 14 日、声に対応する検索サービスを近く始める、と発表した。 パソコンに声を吹き込むと文章に即座に変換され、通常の文章と同様にネット上を検索する。 検索サイトで文章を入力する「検索ボックス」に「マイクボタン」を新設。 これを押してから音声を吹き込んで使う。 当初は英語だけに対応する。 グーグルはまた、利用者が撮影した写真や保存した画像などを基に、その画像に関連する情報を検索できるサービスも始める。 画像をクリックして検索ボックスまでもっていくと、グーグルのデータベースが保有する画像と照合し、情報の一覧を表示する。 いずれも同社のウェブ閲覧ソフト「クローム」で無料で利用できる。 (ニューヨーク = 山川一基、asahi = 6-15-11) 独裁政府介入できないネット・携帯網、米開発へ 【ワシントン = 山口香子】 オバマ米政権は、独裁国家や強権体質の国での民主化運動を支援するため、こうした国々の政府が介入できない独立型のインターネット網や携帯電話網作りに向けた技術開発に着手した。 米紙ニューヨーク・タイムズが 12 日報じた。 米国は言論の自由の擁護を掲げているが、デモ封じなどのためネットを監視している国々の反発を招きそうだ。 同紙によると、米国務省は、持ち運びできるスーツケース型の無線ネット基地局開発に 200 万ドル(約 1 億 6,000 万円)を計上。 これを使うと、各国政府が監視するネット網を経由せず、特定のパソコンや携帯電話間での情報交換ができるという。 イランやシリア、リビアなどでの使用が想定されている。 (yomiuri = 6-13-11) ◇ ◇ ◇ ネット検閲容認せず、G8 が宣言 中国・シリアなど牽制 仏ドービルで開かれた主要国首脳会議(G8 サミット)は 27 日、インターネット上の検閲について「容認できない」などとする宣言を発表した。 名指しこそしないが、中国やイラン、シリアなどを事実上牽制する内容だ。 宣言は「恣意的でも無差別でも、ネットの検閲やアクセス制限は国家の国際的な義務と非整合的で、容認できないのは明らか」、「経済や社会の成長を阻害する」とした。 治安維持を名目にした、市民や活動家のネット利用の制限などを許さない姿勢を強く示した。 また「ネットは人権や民主的参加を世界中で進展させる手段であり、利用を奨励する」とも強調。 中東の民主化運動「アラブの春」を側面支援している。 (asahi = 5-27-11) ◇ ◇ ◇ G8、ネット問題を初討議 犯罪対策でも合意の見通し 主要国首脳会議(G8 サミット)は、インターネットを初めて正式な議題にとりあげた。 ネットの普及が民主化や経済発展につながるとの認識を共有し、ネット犯罪対策でも国際的な協力関係を強めることで合意する見通しだ。 「インターネットは国家に属するものではない。 それをアラブ諸国の人々が世界に示したのだ。」 サミットに先立つ 24、25 日にパリで開かれた国際会議「e-G8」で、サルコジ仏大統領はそう強調した。 中東の民主化運動「アラブの春」では、エジプトやチュニジアの市民らがツイッターやフェイスブックなどネット上のサービスで情報を共有し、「革命」を後押ししたとされる。 「e-G8」はサルコジ大統領の呼びかけで開催。 民間の声を踏まえて本番の G8 で議論を主導し、中東の民主化の側面支援につなげる狙いと見られる。 日本から会議に参加した楽天の三木谷浩史社長は朝日新聞の取材に「(チュニジアの)ジャスミン革命以降、政治はネットを強く意識せざるを得なくなったということだ」と話した。 (asahi = 5-27-11) ◇ ◇ ◇ 人権の変革にソーシャルメディアを評価 アムネスティ 国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部・ロンドン)は 13 日、2011 年の年次報告書を発表した。 交流サイト、フェイスブックなどのソーシャルメディアが世界の人権の変革に「かつてない好機をもたらした」としつつ、中国やイランが反政府活動の妨害にインターネット技術を利用していることに懸念を示した。 報告書は、内部告発サイト「ウィキリークス」による米外交公電の公表がチュニジア政府の腐敗ぶりを暴き、中東政変の一因になったことも紹介。 リビアやシリアで続く反政府デモの暴力的な鎮圧を批判した。 (ロンドン = 伊東和貴、asahi = 5-14-11) IMF に「大規模で高度な」サイバー攻撃 … 米紙 【ワシントン = 岡田章裕】 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は 11 日、国際通貨基金 (IMF) のコンピューターシステムが、最近、大規模なサイバー攻撃を受けたと報じた。 IMF は被害の程度を調査中で詳細は不明だが、同紙は「大規模で高度なサイバー攻撃だった」としている。 IMF は、欧州債務危機に伴う融資支援などを通じて、支援を受ける国の財政や金融の状況を詳細に把握している。 こうした機密情報が流出すれば、国際金融市場に悪影響が及ぶ懸念がある。 (yomiuri = 6-12-11) ヤフーとローソン提携 顧客・商品情報を相互に融通 ポータルサイト最大手のヤフーとコンビニ大手ローソンは 9 日、ネット分野で提携すると発表した。 双方の顧客・商品の情報を融通し合い、互いの新サービスでの収益拡大をねらう。 ヤフーのサイトには 1 カ月で約 5,230 万人が訪れる一方、ローソンは全国に約 1 万店を展開している。 ローソンは 8 月、電子商店街事業に本格参入し、ヤフーの運営する「Yahoo! ショッピング」の商品を購入できるようにするほか、ナチュラルローソンの店舗でも「Yahoo! ショッピング」の人気商品を売る。 ヤフーは 6 月、携帯電話などの位置情報システムと連動して、今いる場所に関連する情報を提供する新サービスを導入予定。 近くにあるローソンのお得な情報などが入手できるようにする。 スマートフォン(多機能携帯電話)の普及で移動しながら情報を得る人が増えるとにらみ、実際の店舗網を持つローソンから場所に連動した情報の提供を期待する。 (asahi = 6-9-11) ネットに花火玉店、大会開催費募る 南三陸町観光協会 東日本大震災で被災した宮城県南三陸町の観光協会が 9 日、地元恒例の花火大会の開催費を集めるため、インターネットで買い物をする電子商店街「楽天市場」に出店する。 出品されている花火玉を購入する形で同協会に寄付し、花火大会を支援する仕組みだ。 店の名前は「みなみな屋」。 10 万円、1 万円、3 千円の 3 種類の花火玉を出品しているが、購入しても実際に品物は届かない。 代わりに、同協会の花火購入を支えることになる。 例えば、約 10 万円で、夜空に直径 280 メートルの輪を描く「8 号玉」 1 発が買える。 同協会は約 1,500 万円を集め、8 月中旬に花火大会を開きたいという。 (asahi = 6-9-11) ネット閲覧、8 - 9 日に障害も IPv6 移行試験 一部のパソコンやスマートフォン(多機能携帯電話)で 8、9 日、ホームページ閲覧やメールの送受信が出来なくなる恐れがある。 インターネットでコンピューターを識別するのに使う「IP アドレス」の切り替え実験を、世界で同時に行うためだ。 総務省などが注意を呼びかけている。 実験は 8 日午前 9 時から 24 時間行われる。 この間だけ、枯渇が予想されている現在の IP アドレス規格「IPv4」から、次世代規格「IPv6」対応に切り替える。 「4」ではアドレスが約 43 億個だが、「6」では格段に増える。 移行による問題点などを実験で探る。 日本で影響が出る可能性があるのは、NTT 東日本と西日本が提供する光回線「フレッツ光」の利用者の一部と、フレッツ光を使う無線 LAN サービスでネット接続をするスマートフォン利用者の一部。 (asahi = 6-6-11) ◇ ◇ ◇ ネット上の「住所」、アジアで枯渇 = 次世代規格に順次移行 インターネット上におけるパソコンなど端末の「住所」を示す IP (インターネット・プロトコル)アドレスを管理する日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC、東京)は 15 日、アジア地域で新たに割り振る IP アドレスの在庫が枯渇したと発表した。 インターネット接続サービス会社の多くが、枯渇を見据えてある程度の在庫を抱えているが、今後、次世代規格に対応したサービスに順次移行していく見通し。 枯渇したのは「IPv4」と呼ばれるIPアドレス。 IPv4 「xxx.xxx.xxx.xxx」と 4 群の数字で表され、約 43 億個存在する。 新興国でのネット利用者の拡大に加え、スマートフォン(多機能携帯電話)など新たな端末の急速な普及などが、在庫の消費に拍車をかけた。 当面、IPv4 を利用したサービスは次世代規格「IPv6」サービスと併存する見通しで、一般利用者には、ほとんど影響はないとみられている。 (jiji = 4-15-11) アップルもクラウド事業本格参入 6 日に概要表明 米アップルは 5 月 31 日、インターネットを使って様々なサービスを提供する「クラウドコンピューティング」に本格参入すると発表した。 利用者がネットを通じて音楽や動画を管理したり、購入したりするサービスになるとみられる。 同社は、6 月 6 日に米サンフランシスコ市内で開幕する年次イベント「世界開発者会議」で、近く始めるクラウドサービス「iCloud (アイクラウド)」の概要を明らかにする。 米ネット検索最大手グーグルや米ネット通販最大手アマゾンは、音楽データなどを利用者に代わって管理する事業に最近参入した。 利用者は必要な時にネット経由でデータを引き出して楽しむことができ、自分の機器に記録する必要がなくなる。 アップルも楽曲のネット販売の実績を生かし、同様のサービスに参入する見通しだ。 (asahi = 6-1-11) 不足品をネット購入、被災地へ直送 楽天・ヤフーで人気 インターネットの買い物サイトで支援希望者が物資を購入すると、東日本大震災の被災地に自動的に届く - -。 そんな被災者支援企画が人気だ。 支援の中身が具体的に分かることが受け、「即日完売」が続出している。 楽天は 4 月上旬、ネット上の電子商店街「楽天市場」で、支援サイト「楽天たすけ愛」を立ち上げた。 楽天社員が被災地から足りないものを聞き取り、楽天市場の出店業者に格安で出品してくれるよう依頼。 それを支援サイトで贈り先を明記して売り出している。 これまで 10 回実施し、岩手県大船渡市の小学生と幼児に下着セット 2 千組、同県宮古市の小学生に体操服 200 着などを贈った。 利用者からは「贈り先が具体的で安心感がある」、「いつ分配されるか分からない募金より速くていい」などと好評という。 大半が出品から 1 日以内に完売しており、楽天は企画を 1 年間続けることを決めた。 電子商店街「ヤフーショッピング」を運営するヤフーも 3 月末、同様の企画「支援ギフト便」を開始。 被災地の支援団体などから現地で不足しているものを聞き、白米 20 トンやビタミン剤 1 千個、のりの佃煮(つくだに) 1 万個などを支援希望者に買ってもらい、被災地に贈った。 ヤフー広報は「今すぐ確実に被災地に喜んでもらえる点が受けているのではないか」と話す。 (牧内昇平、asahi = 5-31-11) 災害時通れる道、ネットで公開へ ナビ情報、各社が共有 トヨタ自動車、日産自動車、ホンダとカーナビ大手のパイオニアは、大規模災害時の道路情報の提供で連携する。 東日本大震災では各社が持つカーナビ用の道路情報を持ち寄り、通行できる道路をインターネットで表示。 この経験を生かして、今後、災害が起きたときにも、だれでも情報を見られるようにする。 各社は自社製カーナビを付けた車が走ったルートなどの情報を集め、コンピューターで分析。 渋滞状況をカーナビに表示する技術を持っている。 通常は各社専用の会員制サービスに使うが、災害時にこのデータを応用。 各社の情報を持ち寄り、車の走行情報があれば「走行可能な道路」、なければ「寸断されて走行できない道路」として色分けしてインターネットで無料公開する。 (asahi = 5-25-11) 電子書籍販売数が紙の本上回る アマゾン、米のサイト 米インターネット通販最大手のアマゾンは 19 日、同社の米国通販サイトで、電子書籍販売数が紙の本の販売数を上回ったと発表した。 4 月以降、紙の本を 5% 上回るペースで売れているという。 同社の「キンドル」など専用端末が急速に普及し、持ち運びや購入に便利な電子書籍が紙の本に取って代わりつつある。 今年の電子書籍販売数は昨年同時期の 3 倍に達しているという。 ジェフ・ベゾス最高経営責任者 (CEO) は「こういうことがいずれ起きると思っていたが、こんなに早いとは想像もしていなかった」とコメントした。 アマゾンは 2007 年 11 月にキンドルと電子書籍の販売を始めた。 同社の米国サイトは現在、95 万冊以上の電子書籍をそろえ、8 割近くは 9.99 ドル(約 810 円)以下で売っている。 キンドルは初代が 399 ドルだったが、値下げを進め、今月には 114 ドル(約 9,200 円)のモデルを売り出した。 (ニューヨーク = 山川一基、asahi = 5-20-11) フェイスブック、グーグル批判記事を PR 会社に依頼 世界最大手の交流サイト、米フェイスブックが、ネット検索大手の米グーグルの新サービスの批判記事をメディアやブロガーに書かせるよう米大手 PR 会社に依頼していたことがわかった。 自らは表に出ずにライバルを攻撃しようとしたとして、フェイスブックの手法に疑問が出ている。 米メディアによると、PR 会社は今月初め、USA トゥデーなど複数のメディアに、グーグルの「ソーシャルサークル」がいかにプライバシー侵害であるかの記事を書くよう依頼。 また、著名なブロガーにも記事の執筆を促し、「ワシントン・ポスト紙などに載せる手助けをしたい」と働きかけたという。 ソーシャルサークルはグーグルのメールサービス「G メール」の利用者が、連絡先に登録した友人のフェイスブックやツイッターの利用状況を一覧できるサービスで、今年本格導入。 友人がネットで他のどんな人とつながっているかまで簡単に知ることができる。 フェイスブックは実名での交流が特徴で、世界で 5 億人以上の利用者を抱える。 利用者間の「つながり」の情報は重要な「経営資産」に当たり、ライバル社の利用に神経質になったと見られる。 同社の広報担当者は PR 会社への依頼を認めた上で、「フェイスブック上の情報の収集・利用を人々が認めていないことを、第三者に検証してもらいたかった」と朝日新聞の取材に語った。 プライバシーをめぐっては同社も、個人情報の広告主への提供のあり方などをめぐり批判されてきた。 (ロサンゼルス = 藤えりか、asahi = 5-14-11) グーグル OS のパソコン、6 月発売 クラウドを活用 米インターネット検索最大手グーグルは 11 日、同社の基本ソフト (OS) 「クローム OS」を搭載した初のパソコン「クロームブック」が、欧米 7 カ国で 6 月 15 日に発売されると発表した。 米マイクロソフトの OS 「ウィンドウズ」が長年圧倒的だったパソコン市場に、新 OS がどの程度食い込むか注目される。 6 月に発売されるのは韓国のサムスン電子製と台湾のエイサー製。 いずれもノートブック型で 349 ドル(約 2 万 8 千円)から。 ネット経由で売り出し、日本などほかの地域でも順次発売する見通し。 東芝も製品化を検討している。 パソコンはハードディスクドライブをもたず、グーグルなどがネット経由でソフト提供やデータ管理を担う「クラウドコンピューティング」を活用。 起動にかかる時間が 8 秒と短く、コンピューターウイルスにも強いとされる。 グーグルが OS を無償提供することもあって低価格になった。 グーグル共同創設者のサーゲイ・ブリン氏はサンフランシスコ市内で開いた記者会見で「コンピューターを扱う時の複雑さは利用者を苦しめてきた」と述べた。 (サンフランシスコ = 山川一基、asahi = 5-12-11) グーグル・アマゾン・アップル、音楽事業での競争激化 米インターネット検索最大手グーグルが 10 日、利用者に代わって音楽を管理するサービスを始めると発表した。 米ネット通販大手アマゾンも同様のサービスを始め、米アップルも参入する見通しだ。 いずれも「クラウドコンピューティング」を使ったサービスだ。 新サービスは「ミュージックベータ・バイ・グーグル」。 CD やネット配信からパソコンに取り込んだ楽曲をグーグル側に送れば、パソコンや、同社の基本ソフト「アンドロイド」を搭載した携帯電話などでいつでも聴けるようになる。 つまり専用の「音楽用ロッカー」。 利用者は複数の機器で自由に聴けるほか、ハードディスクなどに保存しなくてもよくなる。 米国の一部利用者向けに 10 日、無料の試験運用を始めた。 日本など米国外での計画は未定という。 アマゾンは 3 月、同様の「クラウドプレーヤー」を始めた。 アップルも同様のサービスを 6 月にも発表すると報じられている。 これらはクラウドコンピューティングを使った事業と言える。 ネット企業がデータ管理などを担い、利用料や広告収入などで稼ぐ。 企業向けに普及しており、音楽サービスなどで消費者向けにも広がりそうだ。 今後、楽曲も購入できるようにすれば、利用者は楽曲をグーグル側などに送る手間が省ける。 だが、「CD を完全に駆逐するような試みにレコード会社は尻込みしている。(米ITアナリスト)」 グーグルは協力を取り付けられず、楽曲購入サービスを見送った。 ただ、米報道によると、アップルはレコード会社との契約に成功し、音楽管理と楽曲購入を組みあわせるという。 (サンフランシスコ = 山川一基、asahi = 5-12-11) ◇ ◇ ◇ グーグル、音楽管理サービス参入 クラウド事業の一環 米ネット検索最大手グーグルは 10 日、ネット経由の音楽管理サービスに参入すると発表した。 利用者が CD やネット経由でパソコン (PC) に取り込んだ楽曲をグーグル側に送り込んで、2 万曲を上限にグーグルが管理する。 その楽曲を、パソコンや同社の基本ソフト (OS) 「アンドロイド」を使った携帯電話、タブレット型携帯端末などで、ネットを経由していつでも取り出せる仕組みだ。 サービス名は「ミュージックベータ・バイ・グーグル」。 同社が用意する巨大サーバーを経由して、利用者に多様なネットサービスを提供する「クラウドコンピューティング」事業の一環だ。 このサービスを使えば、端末などに直接コードをつないで音楽データを送る必要がなくなるほか、ハードディスクや CD などの記憶媒体に楽曲を保存する必要もなくなる。 10 日に米国の一部利用者を対象に無料の試験運用を始めた。 日本など米国外でのサービスの計画は未定。 同様のサービスは米ネット通販最大手のアマゾンも 3 月に始めている。 アマゾンのサービスでは楽曲の購入もできる。 米アップルも似たサービスを近く発表するとみられ、ネットを活用して音楽を楽しむサービスの競争が激化しそうだ。 (ニューヨーク = 山川一基、asahi = 5-11-11) PC 節電用ソフトを無償提供 MS、ウィンドウズ向け 日本マイクロソフトは 10 日、基本ソフト (OS) 「ウィンドウズ」を搭載したパソコンの使用電力を約 3 割減らせる節電用ソフトを一般家庭向けに無償で提供すると発表した。 東日本大震災による電力不足対策として、家庭での節電に役立ててもらいたいという。 このソフトを使うと、画面の明るさを通常の 40% に抑えたり、パソコンを使わない時間帯に待機状態になったりするよう、パソコンの設定が自動的に変わる。 対象はウィンドウズの「7 (セブン)」、「ビスタ」、「XP」。 東京電力管内には、これらの OS が入ったパソコンが約 2,300 万台あり、全パソコンでこのソフトを使えば約 35 万キロワットの節電効果があるという。 ソフトは同社サイト (http://www.microsoft.com/japan/setsuden) からインターネット経由で導入できる。 問い合わせは同社相談窓口 (0120・37・0196) へ。 (asahi = 5-10-11) MS、スカイプ買収発表 6,800 億円 電話事業を強化 米ソフト最大手マイクロソフト (MS) は 10 日、インターネット通話大手スカイプ・テクノロジーズ(本社・ルクセンブルク)を買収すると発表した。 買収額は 85 億ドル(約 6,800 億円)で、MS にとって過去最大の企業買収となる。 MS はスカイプを自社サービスに組み込むことで、法人向けの電話会議サービスやゲーム事業の強化、不振が続く携帯電話事業のてこ入れを図る。 スカイプは、携帯電話やパソコンなどに無料ソフトを組み込み、ネット経由で利用者同士が無料で音声通話やテレビ電話などを楽しむサービス。 2010 年には世界で計 1 億 7 千万人が使い、ピーク時には 2,300 万人が同時に使用しているという。 米ネット競売大手イーベイが 05 年に 26 億ドルで買収したが、09 年に経営権を米投資会社などに売却していた。 MS のスティーブ・バルマー最高経営責任者 (CEO) は同日の記者会見で「両社で人生のどんな場面においても、だれともつながれる道具を提供していきたい」と述べた。 (サンフランシスコ = 山川一基、asahi = 5-10-11) ツイッターやフェイスブック … 就活学生の 4 割が活用 今年の就職活動では、学生の 4 割が「フェイスブック」や「ツイッター」などのソーシャル(交流)メディアを活用している。 調査会社マクロミルがこんな調査結果をまとめた。 就職活動中の大学 3 年生と大学院 1 年生計 300 人に 3 月、インターネットを通じて質問した。 37.7% が「活用している」、19.0% が「今後活用したい」と答えた。 理由は「他人の状況が気になる」、「最新の情報がある」が上位を占めた。 自分の経歴などを載せ、「企業が見ているかも」と意識する学生は 57.1% にのぼった。 企業がフェイスブックに採用情報を載せたり、人事担当者がツイッターで伝えたりする例も増えている。 学生はこれを見たり、志望企業に勤める卒業生とやりとりしたり、他の学生と情報交換したりして就職活動に役立てているという。 男女別では、女子が 44.0% で、男子より 10 ポイント以上高かった。 「女子の方が就職難への危機感があり、使えるものは何でも使おうという姿勢」という。 就職情報誌などを発行するリクルートによると、今年はこれらのメディアを使う「ソー活元年」だという。 就職難の中で少しでも最新情報をつかもうという学生を支えているようだ。 (石山英明、asahi = 5-6-11) iPad2、28 日に日本で発売 4 万 4,800 円から 米アップルは、タブレット端末「iPad (アイパッド) 2」を 28 日に日本で発売すると発表した。 9.7 型の液晶画面を備え、初代機より 33% 薄く、15% 軽くした。 半導体の性能を高めて動画処理をスムーズにしたという。 カメラ付き。 通信で Wi-Fi が使えるタイプは 16 ギガバイトモデルが 4 万 4,800 円、32 ギガが 5 万 2,800 円、64 ギガが 6 万 800 円(いずれも税込み希望小売価格)。 (asahi = 4-28-11) ◇ ◇ ◇ ソニー初のタブレット端末発表 打倒 iPad へ今秋投入 ![]() ソニーが 26 日、初のタブレット端末「ソニータブレット」を発表した。 独自のデザインや簡単な操作を売り物に、米アップルの iPad を追う。 より薄くなった iPad2 が月内にも日本に上陸。 韓国勢の参入も相次ぎ、タブレット市場は混戦模様だ。 「質の高いエンターテインメントを自由に楽しめるものになった。」 26 日、都内であったソニーの戦略発表会。 今秋売り出す 2 種類のタブレット端末を披露した平井一夫副社長はこう話した。 一つは、主に家の中で使うことを想定し、液晶画面は 9.4 型とやや大きめ。 片方の側面に厚みをもたせ、だんだん薄くする独自のデザインを採用した。 もう一方は、持ち運びやすいように 5.5 型の画面を二つ備え、折りたたんでポケットに収まるようにした。 いずれも無線 LAN 通信や携帯電話と同じ通信方法で、インターネットに接続できる。 今秋以降、日本を含む世界各国で順次販売していく予定だ。 だが、米アップルが iPad を出したのは昨年春。 ソニーの発売時期とは 1 年半もの開きがあり、出遅れは否めない。 遅れた理由は、米グーグルの基本ソフト「アンドロイド OS」の最新版を搭載できる時期を待っていたからだ。 自社で OS を内製できるアップルに比べて、弱いところとされる。 とはいえ、ソニーは、プレイステーションのゲームをはじめ、自社の映画、音楽コンテンツをスムーズに端末に配信し、顧客を囲い込む戦略を描いている。 このため、ネット接続や画像処理に優れた最新版アンドロイドは不可欠だった。 鈴木国正・業務執行役員は「ソニーらしさを持ったタブレットの可能性を模索してきた」と話す。 ◇ 最大のライバルは米アップルの iPad だ。 日本発売は延期されたが、3 月には iPad2 が欧米で発売され、初代機とあわせた世界販売台数は、2 千万台近くに上る。 「2」は、初代機より高性能の半導体を使い、ゲームや動画などがなめらかに動く。 カメラも付け、厚さは 3 分の 2 の 8.8 ミリになり、15% ほど軽い。 「リビングだけでなく、日本の通勤電車でも使えるイメージ(アップル)」で売り出す。 ソフトの品ぞろえも 6 万 5 千種類を超える。 国内出荷台数の 4 分の 3 が iPad といわれる。 その独走に待ったはかかるのか。 韓国勢は NTT ドコモと組んだ。 昨秋にはサムスン電子が、今年 3 月には LG 電子が、いずれもドコモを通してタブレット端末を発売。 日本での販売チャネルが太い大手との連携で、巻き返しを狙う。 日本勢では、昨年暮れにシャープが「ガラパゴス」を発売。 DVD レンタル大手の「TUSTAYA」と組んだ「電子書店」も始め、ソフト配信で独自色を出そうとしている。 今後は、東芝やパナソニックも参入する。 参入が相次ぐ背景には、タブレット市場が今後成長するという読みがある。 しかし、その市場で顧客を引きつける決め手は、どこも十分に描き切れていないのが現状だ。 調査会社 MM 総研の中村成希アナリストは「市場の活性化には、より一段と、わかりやすいタブレット端末ならではというコンテンツが必要だろう」と指摘する。 (大宮司聡、asahi = 4-27-11) MIT の研究拠点トップに日本人 デジタル技術の最先端 米マサチューセッツ工科大 (MIT) は 25 日、メディアラボの所長に IT 起業家の伊藤穣一氏 (44) を起用すると発表した。 ラボは、ネットやデジタル技術研究の最先端をいく世界でも有数の拠点。 現在、石井裕氏 (55) が副所長を務めており、トップ 2 人が日本人という体制になる。 伊藤氏は、ベンチャー投資会社最高経営責任者 (CEO)、デジタル著作権の普及に関する国際的な非営利団体理事長などを務め、日本の IT 分野で草分け的な存在。 世界各国で高い評価を得てきた。 ニューヨーク・タイムズは今回の人事について、伊藤氏が米国の大学を卒業していない点などを指摘し、「異例の起用」と紹介している。 メディアラボは、1985 年の設立以来、デジタル時代のメディアや生活のあり方を世界に提言してきた。 (ニューヨーク = 田中光、asahi = 4-27-11) 原子炉建屋の設計図がネット流出 福島第一 1 号機か 福島第一原発 1 号機の設計図とみられる原子炉建屋の立面図がインターネット上に流出した。 東京電力は「内部資料と思われる」としているが、流出経路は分からないという。 図面を掲載しているウェブサイトを運営する米国サウスダコタ州のナンシー・ファウストさん (45) は朝日新聞に対し、「原子力業界を含む産業界の人たちのグループの一人がネット上で見つけてきた」と答えた。 問題の図面は、原子炉建屋を南北方向、東西方向から見た二つの立面図が並べられたもの。 原子炉や、非常用復水器、再循環ポンプなどの機器の配置やそれらの海面からの高さが分かる。 注釈の大部分は英語で記述されているが、右下に「福島第一原子力発電所 1 号機」、「東京電力株式会社」と漢字で記載され、その脇に「改訂」の年月日として 1980 年、1991 年、2001 年、2003 年の四つの日付が添えられている。 東電側は 24 日夜の記者会見で、「基本的には内部資料として持たせていただいているもののはずなんですが、それがどういった経緯で、というのは確認していない」と説明した。 また、問題の図面が東電のものだとすれば「核物質防護上の規制がかかっている」対象と認めた。 これまでも設計図について、東電は「メーカーのノウハウがある」などの理由で公表を拒否している。 1 号機のメーカーはアメリカのゼネラル・エレクトリック (GE) 社。 この図面を掲載しているウェブサイト「福島第一写真集」を運営するファウストさんによると、3 月中旬に福島第一で爆発があって 1 週間ほどがたったころ、物理学系のウェブサイトでこの図面が広まり始めていたという。 ファウストさんは「東電から電気や配管の作業の委託を受けた契約業者のだれかがオンライン上に載せたのではないか」と推測している。 東電やその関連会社では 06 年と 08 年に、ファイル交換ソフト「ウィニー」を通じて内部資料が流出したことがある。 しかし、東電によると、今回の図面はその際に流出した資料の中には含まれていないという。 (奥山俊宏、asahi = 4-26-11) 児童ポルノサイト強制遮断、21 日開始 まず大手 5 社 児童ポルノを掲載しているサイトを強制的に遮断する「ブロッキング」について、大手ネット関連企業などでつくる一般社団法人・インターネットコンテンツセーフティ協会(本部・東京都千代田区、事務局・ヤフー)は 15 日、今月 21 日のスタートを想定していることを明らかにした。 最初から参加するプロバイダーは大手の 5 社程度の見込みだが、徐々に増えるとみている。 今回のブロッキングでは、幼児の性交場面などの画像が一つでもあれば、そのサイト全体を遮断して閲覧できないようにする。 同協会が対象となるサイトを判断してリストを作成し、提供を受けたプロバイダー側で遮断する。 (asahi = 4-16-11) 学校の事務システム、「クラウド」で提供 日本 IBM 日本 IBM は、4 月から学校向けに、インターネット経由で情報を処理する「クラウドコンピューティング」を使った教育専用の情報システムの提供を始めた。 多忙な教員の負担軽減と学校の運営コスト削減につなげ、普及をめざす。 クラウドは大がかりな情報システムを自前で持たず、ネットを介してサービスが使える仕組み。 主要IT企業がクラウドで学校の事務システムを提供するのは初めてと見られる。 IBM はまず、熊本県益城町にある小中学校の 8 校で教職員の事務を支援するシステムを作った。 約 200 人の教員が使い、生徒約 2,900 人分の校務をクラウドで作業する。 熊本県庁にサーバーを置いて各校とつなぐため、学校側の設備は教員用のパソコンと通信回線だけ。 管理の手間が省けるためシステム費用が従来より 3 割減る。 費用は益城町はモデルケースなので負担はないが、通常も 1 校あたり月数万円で済む。 今回は子どもの学習状況を記録する「指導要録」を完全電子化した。 教員は生徒の出欠や通知表、健康状態もクラウド上で処理し、休暇申請や出張精算の処理にも使う。 教材や学習ソフトのデジタル配信も可能で、将来は生徒の家庭学習に使うことも検討する。 熊本県教委が類似システムで県立高校の事務処理を電子化したところ、「教員が生徒と向き合う時間が 1 日あたり 30 分増えた」という。 IBM は今後、千葉市の自社データセンターを拠点に、公私立を問わず全国の小・中・高校などの 3 分の 1 にあたる約 1 万数千校で導入をめざす。 (橋田正城、asahi = 4-5-11) |