ニンテンドー 3DS 発売、900 人が量販店に列 特別なメガネを使わずに立体 (3D) 映像が楽しめる携帯型ゲーム機「ニンテンドー 3DS (税込み 2 万 5 千円)」が 26 日、売り出された。 すでに多くの家電量販店で予約を締め切っているため、当日販売のみの店舗にはゲームファンが長い列をつくった。 東京・池袋のヤマダ電機モバイルドリーム館では、午前 10 時の開店前に約 900 人が並んだ。 先頭で購入した男子大学生 (21) は前日夜から徹夜した。 「なんとしても手に入れたかった」という。 3DS は、世界で累計 1 億 4 千万台以上を売った「ニンテンドー DS」の後継機。 ゲーム機として初めて裸眼で見られる 3D 映像に対応し、注目を集めている。 任天堂は 3 月末までに世界で 400 万台、うち国内で 150 万台を売る計画だが、当面は品薄が続きそうだ。 (asahi = 2-26-11) ◇ ◇ ◇ ニンテンドー 3DS、体験会に 1 千人行列 幕張メッセ 裸眼で立体 (3D) 映像を楽しめる任天堂の携帯ゲーム機「ニンテンドー 3DS(希望小売価格 2 万 5 千円)」の無料体験会が 8 日、千葉・幕張メッセで始まった。 2 月 26 日の発売前に初めてゲーム機に触れられる機会とあって、参加した親子連れやゲームファンらは、お目当てのゲームを楽しみながら映像や機能を確かめていた。 午前 10 時の開場前から入り口には 1 千人以上が行列をつくった。 最初に入場した埼玉県鶴ケ島市の大学生深瀬雅央さん (22) は「射撃ゲームは弾丸が飛び出して見えた。 違和感もなく、想像以上の迫力。」と興奮気味だった。 会場では従来のゲーム機からの定番ソフト「バイオハザード」、「ゼルダの伝説」、「スーパーストリートファイター」など 16 シリーズを実際に楽しめる。 3DS はタッチパネル式の下画面(3.02 インチ)と立体画像を表示できる上画面(3.53 インチ)の 2 画面を備える。 上画面は右目と左目に違う映像を届けることで、脳が立体画像として錯覚する仕組みだ。 ただ、3D 映像は幼児の視覚に悪影響を及ぼす可能性が指摘され、会場では 6 歳以下が 3D 映像で遊べないようにした。 暗証番号を入力しないと立体表示できない機能や、立体感を段階的に調整する装置もついている。 体験会は事前申し込み不要で、10 日まで。 (asahi = 1-8-11) リモコンは手 かざしてテレビ操作 パナソニック発売へ ![]() パナソニックは 21 日、直接触れずに手をかざすだけでチャンネルや音量を操作できるポータブルテレビ「DMP-HV200」を 3 月 18 日に発売すると発表した。 同社によると、手をかざして操作するタイプは業界初という。 台所での利用を想定し、料理や食器洗い中のぬれた手でも扱えるよう防滴仕様にした。 画面の上部に感知センサーがあり、手の動きを読み取る。 手を左右に流すように動かすとチャンネルが替わる。 また、音量は手を画面の右上にかざすと大きくなり、左上だと小さくなる。 液晶画面のサイズは 10.1 型で、店頭想定価格は約 5 万 3 千円。 無線 LAN を内蔵し、パナソニックのレシピサイトと動画サイト「ユーチューブ」を閲覧できる。 同社がポータブルテレビ利用者に聞いたところ、台所での利用者が約3割で自室での利用と並んで多かったという。 (木村和規、asahi = 2-24-11) 三洋、電池事業一本化へ パナソニックの組織再編にらむ 三洋電機は、民生用や自動車用、産業用など用途別に分かれている電池の社内分社や事業部を 4 月 1 日付で一つにまとめる方針を固めた。 近く発表する。 三洋最大の売りである電池事業の一体感を強め、パナソニックグループの組織再編(来年 1 月)で新設予定のエナジー部門で存在感を示す狙いだ。 世界的に需要が拡大しているハイブリッド車 (HV) 向け充電池や、店舗や工場で使う大電力をためる産業用システムなど、将来性のある事業の企画・営業体制も強化し、顧客やパートナー企業の掘り起こしに取り組む。 三洋には携帯電話用リチウムイオン電池などの開発や生産、販売を担う「モバイルエナジーカンパニー」、車載用の「HEV 事業部」、産業用の「大型蓄電事業部」がある。 これらを統合した新組織を設置。 トップはパナソニックエナジー社の社長に 4 月 1 日付で就く三洋の伊藤正人取締役が兼ねる見通しだ。 三洋は、ホンダや独フォルクスワーゲングループなど約 10 社へ自動車用電池の供給が内定しており、業界のトップを走る。 また、太陽電池などで起こした電力をためるシステムも売り込んでいく。 (asahi = 2-23-11) モンハン 3、PSP 最大のヒットに コラボ企画も続々 ソニーの携帯ゲーム機「プレイステーション・ポータブル (PSP)」用のアクションゲームが、400 万本以上売れ、PSP のソフトで過去最多を更新した。 タイアップ企画も登場。 最近はゲームの中身が現実世界に「波及」することが多いが、このゲームもやはり同じだ。 「モンスターハンターポータブル 3rd」は、怪物の狩りをしながら報酬を得ていくゲームのシリーズ最新作で、昨年 12 月 1 日にカプコンが発売。 ゲーム機を無線通信でつなぎ、仲間と協力して遊べる点が受け、人気に火がついた。 一部に流血のシーンなどがあるため、ゲームの審査をする NPO は 15 歳以上の利用を目安にしている。 ゲーム雑誌編集のエンターブレインのまとめでは、2 月 6 日までの 2 カ月間に、国内で 416 万本が売れた。 それまで最多だった PSP 用ソフトは「3rd」の前作「2ndG」で 412 万本だが、400 万本突破に 2 年かかっている。 影響は PSP 本体にも及び、発売と重なった昨年 12 月は、単月として過去最多の 78 万 8 千台が売れた。 立命館大学の中村彰憲准教授(ゲーム産業論)は「仲間と共通の敵に向かう点でコミュニケーションの役割を果たした。 若者は人とのつながりを求めている。」と分析する。 ◇ カラオケ店のシダックスは、モンハン関連のイベントを 1 月末まで実施、ゲーム機をつなぐコンセントを貸すなどしたサービスを始めた。 3 万人超が利用し、1 億円超を売り上げた。 「ユニクロ」がキャラクターをプリントした T シャツを売り出したところ、「計画より相当早く完売した。(広報)」 主人公は、温泉につかって体力を回復する。 カプコンなどが年末年始、「ゲーム内の温泉地とたたずまいが似ている」として、長野県山ノ内町の渋温泉でゲームを疑似体験できるイベントを開くと、約 2,300 人の宿泊客が参加した。 日帰り客も多く、渋温泉旅館組合は「35 軒だけの温泉街のあちこちに行列ができたのは初めて」と驚く。 (野村周、asahi = 2-14-11) 暗闇撮影でもカラー動画でくっきり 産総研が新技術開発 ![]() 肉眼では何も見えない暗闇の中の物体を、くっきりとカラーで動画撮影できる新システムを、産業技術総合研究所(茨城県つくば市)が開発した。防犯カメラなどに応用が可能で、犯罪の検挙率の向上につながると期待される。 研究チームは物体に赤外線を当てると、表面の色によって反射して戻ってくる赤外線の強度などが異なることに注目。身の回りの様々なものに赤外線を当て、色と反射強度などの関係を調べた。これらを元に、照射した赤外線の反射をセンサーでとらえ、物体の色を画像処理で再現するシステムを開発した。 従来も赤外線を使って暗闇の物体を撮影することはできた。 だが、モノクロ画像しか得られず、緑色に着色して使われることが多かった。 新技術を防犯カメラに応用すれば、「犯人」の衣服の色などを判別することができる。 夜間の野生動物の観察にも活用が可能だ。 今後、ベンチャー企業に技術移転し、実用化を目指す。 永宗靖・主任研究員は「現在は救急箱ほどのサイズだが従来の防犯カメラ程度に小型化を進め、色の再現性を上げて実用化につなげたい」と話している。 (中村浩彦、asahi = 2-9-11) きれいな音、織りなす「じゅうたんスピーカー」 松山 ![]() 松山市のスピーカー製造会社「エンサウンド」が、じゅうたんや樹脂を素材とした円筒形の一風変わったスピーカーを販売している。 円筒形で上部分から音が出るスピーカーは他社の製品にもあるが、音源部分を取り囲む素材にじゅうたんや透明の樹脂など軟らかい素材を使う商品は珍しいという。 円筒形スピーカーを試作していた社長の菅順一さん (36) が 2008 年 2 月、ヨガマットを巻いてスピーカーの上に乗せたところ、反響のないきれいな音が流れたことから思いついた。 スピーカーは 3.8 万 - 15 万円。 現在は販売網の整備に努めている。 問い合わせはエンサウンド (089・921・6768)。 (田中誠士、asahi = 2-9-11) 操作手順、細かくお知らせ 三菱電機、しゃべる炊飯器 三菱電機は、操作手順などを細かく音声で知らせる炊飯器を発売した。 「本炭釜」シリーズの上位機種で、高齢者向けに使い勝手を工夫した「らく楽アシスト」の一環として機能を追加した。 表示される文字も従来機の 1.3 倍に拡大。 想定価格は 11 万円。 (asahi = 2-3-11) ![]() エルピーダ、台湾メーカーから半導体工場取得へ 半導体メモリーの一種、DRAM の製造で世界 3 位のエルピーダメモリは 31 日、業務提携先の台湾メーカー、力晶科技(パワーチップ)から、主力の DRAM 工場を取得する方針を明らかにした。 同社とは経営統合を含む資本提携交渉を進めてきたが、DRAM 事業だけを事実上傘下に収める方向となった。 DRAM は主にパソコンに使われる半導体で、昨夏以降に価格が下落し、メーカー各社の採算が悪化。 エルピーダは、生産委託先の力晶と茂徳科技(プロモス)の台湾 2 社から、提携強化を求められていた。 しかし、両社が多額の負債を抱えることから、エルピーダは資本提携に踏み込まず、力晶については、DRAM 事業を事実上取得する方向で 30 日に決着したという。 エルピーダが力晶の負債を一部肩代わりする条件で、台湾にある力晶の最先端の DRAM 工場 2 カ所を 4 月にも引き取るとみられる。 力晶分も合わせると、エルピーダ陣営の DRAM の世界シェア(金額ベース)は現在より 2.7 ポイント上がり、18.9% となる。 韓国のサムスン電子とハイニックス半導体に次ぐ 3 位は変わらない。 力晶は今後、液晶パネル用の半導体など別の分野に注力するとみられる。 また、エルピーダと茂徳科技の提携強化も業務面の協力にとどまる見通しだ。 (asahi = 1-31-11) ソニー、次期 PSP を今年末発売 3G や GPS 搭載 ![]() ソニー・コンピュータエンタテインメント (SCE) は 27 日、携帯ゲーム機「プレイステーション・ポータブル (PSP)」の後継として、携帯電話回線 (3G) を利用できる新型機を今年末から投入すると発表した。 価格は未定。 従来の PSP は無線 LAN (WiFi) に対応していたが、3G を利用できるようにすることで、場所を選ばず遊べるようになるという。 加速度センサーなどで、ゲーム機をどの方向にも直感的に動かせる工夫も採り入れた。 画面は PSP より大きな 5 型有機 EL ディスプレーで、全地球測位システム (GPS) 機能も搭載する。 (asahi = 1-27-11) LED 照明の新製品続々 パナソニック、天井設置型も パナソニックは 26 日、LED を使った電球と、シーリングライト(天井設置型の照明)の新製品を発表した。 製品の種類を拡充し、徐々に広がりつつある家庭内の LED 照明の普及を後押しする。 LED 電球は、新たに欧米にも販売を広げる方針を示した。 LED は光が直線的に進むため直下以外が暗くなる性質があり、用途が玄関やトイレなどに限られていた。 新製品は電球内の光源や反射板の配置を工夫し、従来の白熱電球と同等の光の広がりを実現した。 国内では 3 月 18 日発売。 想定価格は約 3,500 円。 ![]() 海外は 2011 年度内の進出を目指す。 パナソニックライティング社の伊藤好生社長は「LED 電球の海外展開で、今は会社全体でも数 % の海外販売の比率を、12 年度に 30% に引き上げたい」と意欲を語った。 シーリングライトはリモコンで明るさや色合い、光の出る方向の調整ができる。 想定価格は約 5 万 - 7 万 5 千円で 3 - 4 月に発売。 11 年度は LED 電球は今年度の 2 倍の 900 万個、シーリングライトは 6 万台の販売を目指す。 (asahi = 1-27-11) テレビ出荷台数、昨年過去最多 30 - 36 型が人気 2010 年の薄型テレビの国内出荷台数は、09 年の 1.85 倍にあたる約 2,519 万台だったことが、電子情報技術産業協会のまとめでわかった。 ブラウン管時代も含めて、テレビの年間出荷台数として過去最多となった。 同協会は、今夏にアナログ放送が終わることと、政府の家電エコポイント制度が押し上げたとみている。 大きさ別では 30 - 36 型の伸びが大きく、前年比約 2 倍となった。 また、テレビの需要増に伴い、関連の AV 機器の売れ行きも好調で、10 年のブルーレイ再生機・録画機の出荷台数は前年比 1.73 倍の 524 万台に伸びた。 同協会の下村節宏会長は 12 月、11 年の出荷台数について、例年の水準に戻り、1 千万台程度と予想した。 業界内では、7 月の地上波アナログ放送終了までは一定の需要があるが、それ以降は、「需要先食い」による、大幅な反動減が起こるとの見方が強い。 また、昨年 12 月の薄型テレビ出荷台数は、前年同月の 1.62 倍となる、単月として過去 2 番目の 387 万台を記録した。 エコポイント制度は 12 月からポイントが半減したが、記録的な駆け込み購入があった 11 月受注分の出荷が続いた。 (asahi = 1-24-11) NEC、レノボと合弁交渉 パソコン事業、競争力強化へ NEC が中国のパソコン最大手のレノボ・グループ(聯想集団)と、日本国内での合弁を含むパソコン事業の提携交渉を進めていることが分かった。 NEC はパソコン販売台数で国内首位だが収益力が低く、提携による競争力強化が必要と判断した。 世界シェア 4 位のレノボと組むことで、将来的には海外展開を強めることも視野においているとみられる。 合弁会社の出資比率など、具体的内容はまだ協議中で、提携後も両社の製品ブランドは維持する方向だ。 両社は部品調達の共通化や機器の共同開発でコストを削減し、競争力を高めることをねらう。 子会社でパソコン生産を担う NEC パーソナルプロダクツが持つ山形県米沢市の工場での生産は続ける見通しだ。 NEC はパソコン黎明期の 1979 年に参入し、80 年代には「PC-9800 シリーズ」が高機能パソコンの代名詞になるなど、日本市場では代表的な存在だ。 90 年代後半に米パッカードベルを傘下に収めるなど、海外展開を進めた時期もあったが、シェアを伸ばせず、海外からは 2009 年に撤退した。 現在は国内で個人・法人向けのパソコン事業を展開。 事業規模は非公表だが、売上高は 3 千億円程度で、営業損益は黒字とみられる。 米調査会社 IDC によると、09 年の国内出荷台数は約 245 万台、市場シェアは 18.3% で、2 位の富士通をわずかに上回った。 パソコンは競争激化で値下がりが続き、採算をとるのが難しくなっている。 また、最近はスマートフォンやタブレット型など高性能の携帯情報端末も登場し、個人向けを中心にパソコンとの競合が始まっている。 NEC 関係者によると、同社は、こうした状況からパソコン事業を現状のまま長期的に維持するのは難しいとみて、水面下で他社との提携や事業の切り離しを模索してきた。 レノボとの提携では国内基盤を固め、将来的にはレノボの販路も使い、再び海外市場に出ることも視野に入れているとみられる。 一方、レノボは 05 年に米 IBM のパソコン事業を買収し、中国から世界市場に進出。 09 年の世界シェアは 8.2% で、4 位だが、日本では 4.6% で 8 位と伸び悩む。 NEC との提携で事業拡大をねらうとみられる。 国内市場は日本メーカー以外にも、低価格製品を得意とする台湾、米国メーカーなど計 10 社以上がひしめく過当競争の状態。 NEC とレノボの提携交渉が、業界再編の引き金になる可能性もある。 (asahi = 1-21-11) 観光情報充実のカーナビ発売へ ケンウッド ![]() ケンウッドは、観光情報を充実させたカーナビ 2 機種を 2 月上旬に発売する。 全国約 7 万件の「MAPPLE ガイドデータ」で観光地を探したり、サービスエリア施設を調べたりできる。 従来機より操作の反応速度を高めた。 想定価格は MDV-727DT が 15 万円前後、626DT が 13 万円前後。 (asahi = 1-15-11) メガネなし 3D テレビ、拡大の兆し 各メーカーが試作機 【ラスベガス = 木村和規】 専用メガネなしで映像が立体的に見える裸眼 3D 機器が続々登場している。 当地で開催中の世界最大の家電見本市 (CES) では東芝が大型裸眼 3D テレビの発売を発表したほか、他メーカーもこぞって試作機を披露。 裸眼 3D 機器の大型化には価格や画質上の課題があると言われるが、将来は確実に広がりそうだ。 ソニーは、裸眼 3D の液晶モニターがついた、3D 映像を撮影できるビデオカメラを発表した。 画面サイズは 3.5 型で、4 月に米国で発売する。 私的な 3D 映像を作れる機器を増やして、3D 市場全体を活性化させる戦略だ。 ソニーはほかに高画質の 46、56 型の裸眼 3D 液晶テレビの試作機も展示した。 「価格や画質を考えると商品化は未定(広報)」としているが、実際に見た他メーカーの関係者からは「よく出来ている」と感嘆の声が漏れた。 40 型以上の裸眼 3D テレビの年内発売を発表した東芝は 65 型の試作機などを披露。 シャープも 3.8 型と 10.6 型の裸眼 3D 液晶を発表し、韓国の LG 電子も裸眼 3D テレビをブースに置いた。 日本では 3D テレビは思ったように広まっていない。 電子情報技術産業協会の調べでは、昨年 4 - 9 月の薄型テレビの出荷台数に占める割合は約 1%。 コンテンツ不足とともに指摘されるのが、専用メガネの不自由さだ。 裸眼 3D は、角度の異なる映像をフィルターのようなもので右目と左目に別々に認識させるなど様々な技術方式がある。 最適な視聴角度が狭く、大型化と画質の維持の両立にコストがかかるのが課題だ。 ただ、2 月には任天堂から裸眼 3D の携帯ゲーム機「ニンテンドー 3DS」が発売されるなど、小型画面を中心に消費者の目に触れる機会は増えており、開発競争は今後激しさを増すと見られる。 (asahi = 1-10-11) レアアースなしでモーター作れる? 日本電産が新研究所 日本電産は 7 日、モーターの基礎研究に特化した「モーター基礎技術研究所」を、川崎市に 150 億円をかけて建設すると発表した。 社内外からモーターの研究者 300 人を集め、材料や制御などの研究に取り組む。 同社によると、こうしたモーターの基礎研究の拠点は世界的にも珍しいという。 研究所は今年 10 月に建設を始め、来年 7 月にも約 150 人の研究者で一部を稼働。 完成は 2014 年 7 月の予定という。 同社グループの約 160 社から基礎研究を担う人材を集めるほか、国内外の大学などの研究者も採用する。 研究者の半数以上が海外出身となる見込みで、所内の公用語は英語にする。 記者会見した永守重信社長は「これからは韓国・台湾勢と価格ではなく、技術の優位性で戦う。 例えばレアアースを全く使わない電気自動車用のモーターなど、省エネ・省資源のモーターを生み出していく。」と話した。 (asahi = 1-7-11) タブレット端末、ソニーも年内発売へ 「2 位目指す」 【ラスベガス = 山川一基】 ソニーは 6 日、家電大手が相次いで参入しているタブレット型の高機能情報端末を、米国などで年内に発売する方針を明らかにした。 米アップルの「iPad (アイパッド)」に次ぐ世界 2 位を目指す。 ソニーが力を入れている 3D (3次元)画面を採用する可能性もある。 ハワード・ストリンガー会長兼社長ら幹部が 6 日、米ラスベガスで始まった家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー (CES)」に合わせて朝日新聞などのインタビューに答えた。 鈴木国正業務執行役員は、タブレットの開発をグループの携帯電話メーカー、ソニー・エリクソンと進めていることを明らかにし、「iPad は王様だが、我々は参入後 1 年以内に、2 位の地位につきたい」と述べた。 ストリンガー氏は、「他社との違いを出したい」などと強調し、3D 化の可能性も示唆した。 基本ソフト (OS) には、グーグルのアンドロイド採用を検討するとみられる。 タブレットは iPad が世界中でヒットしているのに続き、パナソニック、東芝、NEC、シャープ、サムスン電子、LG 電子など世界の家電大手が相次いで参入している。 (asahi = 1-7-11) ◇ ◇ ◇ 家電主役はタブレットとネット TV 米見本市で各社発表 【ラスベガス = 木村和規、山川一基】 世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー (CES)」が 6 日、米ラスベガスで開幕する。 これに先立ち、参加企業は 5 日、メディア向け発表会を開き、画面を触って操作するタッチパネル式の「タブレット」と呼ばれる携帯型情報端末や、インターネットに接続して動画をみるテレビを披露した。 日本勢では、パナソニックがタブレットの「ビエラ・タブレット」の試作機を公開した。 たくさんの機能を動かす基本ソフト (OS) はグーグルの「アンドロイド」を使う。 画面サイズは 4 - 10 型の 3 機種を予定している。 年内にも日本や北米などで発売するという。 シャープは日本で昨年暮れに発売したタブレット「ガラパゴス」を米国でも発売する、と発表した。 日本モデルと異なるサイズや OS も検討する。 今年 5 月には、北米で 70 型の液晶テレビを発売することも明らかにした。 ネットにつないで動画を楽しむ人が増えているため、各社はネットテレビにも力が入る。 韓国の LG 電子はネット接続をして、動画検索などがしやすくなるシステムを組み込んだテレビを近く世界発売する。 先行しているソニーや韓国のサムスン電子もネットテレビの販売強化を明らかにした。 また、半導体最大手の米インテルは、大容量の動画再生に適した新型のパソコン向け超小型演算処理装置 (MPU) を 9 日から発売すると発表した。 (asahi = 1-6-11) ◇ ◇ ◇ 東芝が 40 インチ超の裸眼 3D テレビ 日米で年内発売へ 【ラスベガス = 山川一基】 東芝は 4 日、専用の眼鏡がなくても立体的に見える 40 型以上の 3D (3 次元)液晶テレビを、年内にも日本や米国で発売すると発表した。 裸眼でみられる大型 3D テレビの本格投入は世界初という。 6 日に米ラスベガスで始まる世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー (CES)」での披露を前に、報道陣に 56 型と 65 型の試作機を公開した。 角度の異なる多くの光を同時に映し、肉眼でも左右の目で異なる映像を認識できる「光線再生方式」を採用。 画面正面に立つと、映し出されたゲームの画像が裸眼でも浮き上がって見える。 東芝は昨年 12 月、日本で 12 型と 20 型の裸眼でみられる 3D テレビを発売した。 大型の裸眼 3D テレビは、各社がすでに出している専用眼鏡で見るテレビと競合することになる。 (asahi = 1-5-11) ガラパゴス、インドの電子教科書に シャープが実用化へ シャープは電子書籍用の情報端末「GALAPAGOS (ガラパゴス)」を、インドで電子教科書の閲覧用端末として実用化する方針を固めた。 2011 年に現地の大学の授業で実証実験し、12 年度中にも実用化にこぎ着ける考えだ。 中学や高校など中等教育機関にも広げるほか、将来的にはアフリカでの展開も視野に入れ、海外展開を本格化させる。 ガラパゴスはタッチパネル式の液晶画面で、大きさは 10.8 インチと 5.5 インチの 2 機種。 専用サイトから電子書籍を配信し、来春には映画や音楽、ゲームも追加する。 新興国で電子教科書として活用する方針は発売前に表明していたが、具体化するのは初めて。 シャープの提案などをもとに来年 1 月、総務省とインド南部のインド工科大ハイデラバード校(アンドラプラデシュ州)が共同で、電子教科書を配信する実証実験を始める。 シャープは実験を通し、教科書として活用した場合のノウハウを蓄積する。 インド工科大は世界の工学系大学のランキングでも上位に位置づけられるハイテク教育の名門。 実験では、学生にガラパゴスを貸し出し、大学側が用意した教科書を専用サイトから配信。 学生は画面に表示されたテキストや画像に印やメモを書き込める。 テレビの生中継のように遠隔地で授業を受けることも可能だ。 シャープは、授業の遠隔中継が、都市と比べて教育環境の整備されていない農村地域でも大きな需要があるとみており、ノウハウを蓄積して大学以外の教育機関やアフリカの国々でも事業展開を狙う。 (石山英明、asahi = 12-31-10) ◇ ◇ ◇ KDDI が電子書籍端末発売へ、11 年度 10 万冊配信 KDDI は 21 日、電子書籍端末「ビブリオ・リーフ SP02」を 25 日に発売すると発表した。 利用者は、同社のネット書店「リスモ・ブックストア」から、携帯通信や無線 LAN (Wi-Fi) を通じて書籍の配信を受け、携帯電話の料金と一緒に代金を払う。 まず関西と沖縄で販売を始め、関東は来年 1 月上旬からとなる予定。 店頭価格は 1 万円台半ばになると見込んでいる。 本体製造は台湾系の富士康に委託している。 端末は、画面の大きさが 6 インチのモノクロ電子ペーパー式。 10 日発売のソニーの電子ペーパー式端末「リーダー」は通信機能がなく、この点で差別化を図っている。 通信料金は毎月 525 円の定額制(2 年契約など条件あり)で、別に書籍の代金がかかる。 ブックストアの品ぞろえは当初は 2 万冊で、2011 年度中に 10 万冊に拡大する。 電子書籍は、KDDI がソニー、凸版印刷、朝日新聞社と設立した配信会社「ブックリスタ」から調達する。 (asahi = 12-21-10) ◇ ◇ ◇ シャープ・ソニーが電子書籍端末発売 iPad に対抗 シャープとソニーは 10 日、電子書籍の読める情報端末を売り出した。 家電量販店だけでなく、シャープはコンビニエンスストアと連携して約 2 万 4 千店で購入申込書を用意。 ソニーも東京と大阪の紀伊国屋書店 3 店舗で販売を始めた。 雑誌や本好きの人の集まる施設でも扱うことで、直営店や家電量販店中心の米アップル「iPad」などに対抗する考え。 「電子書籍元年」の年末商戦が始まった。 シャープの情報端末「GALAPAGOS (ガラパゴス)」の画面サイズは 5.5 インチと 10.8 インチの 2 機種(税込み 3 万 9,800 円と 5 万 4,800 円)で、申込書がファミリーマートやローソン、サークル K サンクス、スリーエフの全店計約 2 万 4 千店のコンビニや家電量販約 1,500 店に置かれた。 端末は家電量販店などでは直接は買えず、シャープによる直接販売で申込書に記入してシャープに送ると端末が届けられる仕組みだ。 コンテンツは、10 日からカルチュア・コンビニエンス・クラブ (CCC) との共同出資会社が新聞や雑誌、書籍など 2 万 4 千点の配信を始めた。 ソニーの電子書籍端末「リーダー」も 10 日から店頭での本格販売が始まった。 文庫本サイズを意識した「ポケット(2 万円前後)」と「タッチ(2 万 5 千円前後)」の 2 種類が並んだ。 家電量販店やソニーショップ、ソニーストアを中心に約 300 店に売り場が設けられた。 書店ルートの開拓も検討しており、読書を好む人に効率よく売りこみたい考えだ。 店頭では、端末とともに多彩な色や材質のカバーを陳列して客の目を引きつける戦略だ。 バックライトをつかわず、字がくっきりしているという電子ペーパーの特性をアピールし、若年層に加えて年配層も取り込みたいという。 電子情報端末をめぐっては、NTT ドコモが 11 月下旬に「ギャラクシータブ」を発売、KDDI (au) も 12 月下旬以降に電子ペーパー式の「ビブリオ リーフ SP02」を投入する予定で、競争は過熱する一方だ。 (石山英明、大宮司聡、asahi = 12-10-10) ◇ ◇ ◇ 読書専用機か多機能型か、電子書籍端末は戦国時代 ![]() 「電子書籍元年」といわれる今年の年末商戦をにらみ、本を読める携帯型の情報機器が次々登場している。 25 日にはソニーが新端末「リーダー」を 12 月 10 日に発売すると発表した。 読書に特化した「専用機」で、市場は米アップル製の iPad などネットにつながる「多機能型」と二分。 参入が相次ぐコンテンツ配信ビジネスと連動して、激しい競争が始まる。 ■ 「読書好きには受け入れやすい」 「1,400 冊を 1 台に保存でき、月 3 冊読む人には 38 年分の本になる。 まさに『ポケットに本棚』だ。」 ソニーマーケティングの栗田伸樹社長は 25 日の発表記者会見で、「リーダー」をこうアピールした。 会場に約 1,400 冊を並べた本棚を置き、分量を見せる凝りようだ。 2006 年から順次売り出した欧米など 13 カ国に続き、日本でも発売。 画面サイズが文庫本に近い 5 型の「ポケット(店頭想定価格約 2 万円)」と、6 型の「タッチ(同約 2 万 5 千円)」の 2 機種をそろえた。 発売 1 年で 30 万台を売るのが目標という。 最大の特徴は、読書に特化した点だ。 タッチパネル式の画面は「電子ペーパー」と呼ばれる技術を使い、白黒のみ。 液晶ディスプレーと違いバックライトがなく、長時間の読書でも目が疲れにくいといわれる。 画面の切り替え時以外は電力をほとんど消費せず、通常の使い方なら 1 回の充電で約 2 週間持つ。 通信機能はなく、パソコンにつないで書籍データを取り込む。 電子ペーパーを使った読書専用端末は、米国にアマゾンの「キンドル」があるが、日本語対応機の投入時期は未定。 この分野ではソニーが先行するが、液晶画面を備えた別タイプの多機能端末は、すでに普及し始めている。 先陣を切ったのは、今年 5 月に発売された米アップル製の iPad。 このヒットに刺激を受けたライバルは、次々とグーグル製の基本ソフトを積んだ同種の端末を発表。 NTT ドコモは今月 26 日に韓国サムスン電子製の「ギャラクシータブ」を、シャープは 12 月中に「ガラパゴス」を投入する。 NEC ビッグローブも 25 日、7 型画面の「スマーティア」を 12 月 6 日に発売すると発表した。 多機能型の特徴は、インターネットに直接接続でき、さまざまなソフトを取り込めることだ。 電子メールや動画の視聴、ゲームなど使い方はさまざまで、読書は「機能の一つ」という位置づけだ。 価格は 4 万 - 8 万円程度と、専用機に比べ高い。 読書端末全体の台数では、今後も多機能型が主流とみられている。 ただ、電子書籍が一足早く普及した米国では、専用機向けの書籍販売額が多機能型向けを大きく上回るとの予測もあり、ソニーは「読書好きには専用機が受け入れられやすい」とみている。 ■ 「電子書店」も乱立の様相 ソニーはこの日、リーダー向けに電子書籍を配信するネット書店「リーダーストア」を始めることも発表した。 スタート時に、「悪人(吉田修一著)」など 2 万点以上をそろえる。 小説や実用書などが中心で、今後はマンガも加える。 価格は多くの場合、紙の本より安くする方向だ。 配信システムは、KDDI、凸版印刷、朝日新聞社と共同で設立した新会社のシステムを採用。 特定分野の本を利用者にすすめる「本棚」など独自の機能も加え、読書端末と合わせて売り込む。 「電子書店」も端末と同様、乱立の様相だ。 KDDI 以外の通信大手では、NTT ドコモが大日本印刷と配信事業を開始。 iPad を独占販売するソフトバンクは、グーグル製基本ソフトを搭載した端末向けの配信も準備中だ。 このほか、シャープや、書店大手の紀伊国屋書店、出版大手の角川グループホールディングスなど、関係するあらゆる業種からの参入が続く。 国内の電子書籍市場は、数年前に携帯電話やパソコン向けのマンガ配信から育ち始めた。 矢野経済研究所の推計では、2010 年度に 670 億円の規模がある。 今後は iPad のような多機能端末やリーダーのような専用機向けが成長を引っ張り、14 年度には 1,500 億円超になる見通しという。 ソニーの電子書籍事業の責任者で、米国ソニー・エレクトロニクスの野口不二夫・上級副社長は「日本の電子書籍市場は米国に次いで高い可能性がある」と話す。 しかし、「これほど複雑で分かりにくいのは日本だけ」とも。 電子データ化の規格統一や、出版業界に根強い電子書籍への警戒感の解消などが、課題になりそうだ。 (大宮司聡、野村周、asahi = 11-26-10) ◇ ◇ ◇ ソニー、国内向け読書専用端末を発表 電子書籍ストアも ソニーは 25 日、国内向けの読書専用端末「Reader (リーダー)」を 12 月 10 日に発売すると発表した。 同時に電子書籍の書店「Reader Store (リーダーストア)」も開設する。 リーダーは画面サイズが 5 インチと 6 インチの 2 種類で重さは 150 - 215 グラム、価格は 2 万円前後と 2 万 5 千円前後。 パソコンで本を購入して端末に送り込む。 約 1,400 冊を収納できる。 吉田修一著「悪人(朝日新聞出版)」など 10 作品の第 1 章が、あらかじめインストールされている。 また、リーダーストアでは、マイケル・サンデル著「これからの『正義』の話をしよう(早川書房)」や話題映画の原作、メアリー・ノートン著「床下の小人たち(林容吉訳、岩波書店)」など 2 万点が購入できる。 (asahi = 11-25-10) 日立、パナソニックと提携協議 中小型液晶増産狙う 日立製作所は、中小型液晶パネルの増産に向け、パナソニックと提携の協議を進めていることを明らかにした。 千葉県内にあるパナソニック子会社の工場を日立が利用する案が有力。 生産設備の増強に必要な投資リスクを抑えつつ、スマートフォン向けの需要増に対応するねらいだ。 協議の対象になっているのは、パナソニックの子会社「パナソニック液晶ディスプレイ」が千葉県茂原市に持つ工場。 テレビ用の液晶パネルを製造している。 ただ、テレビの国内需要は家電エコポイント終了後に大きく落ち込むとみられることから、日立は、設備をスマートフォン用の中小型パネルに転用できないか、パナソニック側に打診している。 近くには日立子会社「日立ディスプレイズ (DP)」の中小型パネル工場があり、利便性が高い。 最新鋭の中小型パネルの生産設備を導入するには、少なくとも数百億円の投資が必要。 日立は「液晶は大型投資が必要で、浮き沈みの激しい商売。 自分のリスクで全部やるのは難しい。(首脳)」として、投資リスクを分散するためパナソニックとの提携をめざしている。 協議対象の工場を運営するパナソニック子会社はもともと、テレビ用パネルを調達するため、日立が主導して、パナソニックなどと共同出資で設立した。 ただ、日立はテレビ事業が不振に陥り、今夏までに持ち株の大半をパナソニックに売却。 日立にとっては、いったん手放した工場を再び使うことになる。 スマートフォン需要の急伸を受けて、日立は中小型パネル事業で、EMS (電子機器の受託生産サービス)世界最大手の鴻海(ホンハイ)精密工業(台湾)とも、資本提携交渉を進めている。 日立 DP の経営権を譲渡する代わりに、茂原市の工場増設の資金を得る案を検討中だ。 日立は鴻海との交渉と並行して、パナソニックとの協議を進める。 これらがまとまれば、中小型パネル増産に動く東芝やシャープと合わせて、国内の生産能力が大幅に増えることになる。 (大宮司聡、asahi = 12-29-10) エルピーダ、台湾 2 社と提携交渉へ 経営統合案も パソコンなどに使われる半導体メモリーの一種、DRAM の製造で世界 3 位のエルピーダメモリが、台湾メーカー 2 社と、資本提携の交渉を始めることがわかった。 各社が経営統合する案も浮上している。 日台の連合強化で、首位の韓国・サムスン電子を追い上げるねらいだ。 交渉先は、エルピーダが業務提携している力晶科技(パワーチップ)と茂徳科技(プロモス)。 エルピーダは両社に技術を供与し、DRAM 生産を委託している。 エルピーダ関係者によると、台湾の 2 社が提携強化を求めていた。 年明けにも坂本幸雄社長が台湾を訪問し、2 社と協議を始める方針だ。 資本面での提携が有力で、エルピーダの台湾子会社、瑞晶電子(レックスチップ)も含めた 4 社で経営統合する案も、選択肢として浮上しているという。 資本提携が実現すれば、エルピーダ陣営の世界シェアは現在の 16% 程度から 20% 程度に上昇するとみられる。 ただ、台湾 2 社の財務基盤は弱く、「エルピーダ自身も他人を救う余裕はない(関係者)」との見方もあり、交渉には曲折もありそうだ。 (asahi = 12-25-10) 充電長持ちする? 消費電力 100 分の 1 トランジスタ開発 パソコンや携帯電話などの電子機器に不可欠なトランジスタで、消費電力を従来の 100 分の 1 に抑えた新型を、物質・材料研究機構(茨城県つくば市)や東京大などが開発した。 電子機器の消費電力を大幅に減らせるほか、携帯型の情報機器の充電回数を減らすなど、使い勝手の改善にも役立つ可能性があるという。 チームは企業と協力し、数年後の実用化を目指す。 トランジスタは半導体を利用した小さな部品(素子)で、パソコンやテレビ、携帯電話など電子機器の「頭脳」部分を担う。 電流を流すか流さないかで電気信号を制御し、データの記録や演算を行っている。 従来のトランジスタは電子の移動を制御して動作する仕組みだったが、意図しないところに電流が漏れて、消費電力を上げていた。 新型は、銅原子をイオン化して移動させたり、原子に戻したりして電流のオンとオフを可能にした。 電子の移動に依存しないため絶縁体を厚くでき、漏れる電流を 100 分の 1 に抑えることができたという。 米アップル社の情報端末「iPad」や携帯電話を高機能化したスマートフォンなどの携帯型の情報機器は、高機能になればなるほど電力の消費が激しく、頻繁に充電が必要だ。 新型トランジスタが実用化されれば、消費電力が少ないため今と同じサイズのバッテリーでも充電を長持ちさせることが期待できるという。 24 日に日本物理学会などが発行する専門誌の電子版で発表する。 (中村浩彦、asahi = 12-24-10) |