おとなしい学生は採らない! 富士通、一芸採用枠 3 倍に 志望動機は不問。 おとなしい学生は採りません - -。 富士通は 2012 年春入社の新卒者採用で、スポーツや社会貢献、勉強、起業などで実績をあげた学生を約 30 人採用する。 幅広い人材を確保するために一芸に秀でた学生を特別枠で迎え入れる。 富士通は「一芸採用」を昨年始め、応募した約 380 人のうち 12 人が内定した。 シンクロナイズド・スイミング日本代表キャプテンや、大学を休学して J リーグクラブの観客動員増に貢献した学生、学生囲碁 2 冠、複数のビジネスコンテストで入賞した外国人らが今春入社する。 これまでの選考方式では富士通を志望しなかった学生層を獲得できたため、採用数を 3 倍に拡大。 2 月から募集する。 面接では、あえて志望動機を問わず、学生時代に打ち込んだことや、物事に挑戦する気概を聞き出す。 豊田建・人材採用センター長は「会社のビジネスが変化しているので、周囲を巻き込んで物事を動かせるチャレンジ精神の持ち主が欲しい。」 こうした採用はソフトバンクも昨年始めた。 「組織になじめなくてもいいから、挑戦する若者が欲しい(広報)」ためだ。 「自分がナンバーワンだと思うこと」をアピールしてもらう。 すでに事前登録を締め切った 12 年春の新卒者採用では 800 人が応募。 採用数は未定という。 (橋田正城、asahi = 1-31-11) 高齢者医療新制度、13 年 3 月移行不可能 厚労省見通し 厚生労働省は 20 日、75 歳以上を独立させた後期高齢者医療制度(後期医療)の廃止・新制度への移行時期が、1 年は遅れるとの見通しを、都道府県や政令指定都市の担当者会議で明らかにした。 これまで 2013 年 3 月の移行を目指すとしてきたが、実現不可能であることを認めた形だ。 厚労省は通常国会に関連法案を提出する姿勢を崩していない。 しかし、ねじれ国会のなかで、成立を急ぐ子ども手当法案など与野党が対決する法案があり、この日の会議で吉岡てつを高齢者医療課長は「(新制度の法律が)春に成立と考えるのは現実的でない」と発言。 新制度に向けたコンピューターシステム改修には 2 年程度かかるが、法案の成立が見通せないため改修費を 11 年度当初予算案に盛り込んでいないことも説明した。 その上で、吉岡氏は「12 年度予算案に改修費を計上できれば、14 年 3 月の施行は可能」と述べ、臨時国会などでの法案成立が見込めれば、1 年遅れで新制度に移行できるとの見解を示した。 (asahi = 1-21-11) 韓国格安航空、元日航パイロット採用へ 路線拡大にらみ 【ソウル = 稲田清英】 日本にも就航している韓国の格安航空会社 (LCC)、チェジュ航空は、会社更生手続き中の日本航空出身のパイロットを採用していく方針を明らかにした。 就航を視野に入れる成田線など今後の日本路線拡大に備え、日航で経験を積んだ人材を積極活用する。 チェジュ航空によると、すでに日航出身の機長要員 2 人の採用を内定。 ビザの取得など手続きが順調に進めば 2 月にも正式決定の見通しだ。 保有機の拡大に合わせて今年後半には 2 - 3 人程度の追加採用を検討しており、来年以降も採用を続けるという。 チェジュ航空は関西、北九州などの日本路線やアジア路線に就航中だ。 今後 5 年間で保有機をさらに 10 機前後増やし、国際線を拡大する方針。 2013 年から日韓間の航空自由化の対象になることが決まった成田線など日本路線を重視しており、日本の空港事情に通じた日航出身者の受け入れが、「競争力を高める契機になる(チェジュ航空)」と期待する。 昨年 1 月に経営破綻(はたん)した日航は、パイロットを含む人員削減を推進。 日本の航空会社ではスカイマークが国際線参入に備え、日航を退職したパイロットなどを大量採用する方針を打ち出している。 (asahi = 1-10-11) ◇ ◇ ◇ 日航、整理解雇は 170 人 無効求め 100 人超が提訴へ 会社更生手続き中の日本航空は 28 日、今月 31 日付でパイロットや客室乗務員 (CA) ら約 170 人を整理解雇すると発表した。 解雇予告をした約 200 人のうち希望退職に応じたのは 30 人ほどにとどまった。 解雇の撤回を求める一部の CA や副操縦士らでつくる労働組合は、1 月中旬に解雇無効を求める集団訴訟を起こす。 参加を表明した解雇対象者は 100 人を超えている。 日航によると、解雇されるのはパイロット約 80 人と CA 約 60 人に加え、休職中のパイロットと CA 約 30 人。 大西賢社長は 28 日の記者会見で、「事業規模の縮小に合わせた人員規模の適正化という施策だが、まさに断腸」と述べた。 日航は 9 月から今月 9 日にかけて、全職種を対象に約 1,500 人の希望退職を募ったが、パイロットや CA を中心に目標人数に百数十人達しなかったため、9 日から解雇の手続きに入っていた。 これに対し、解雇対象者の大半が所属する日本航空キャビンクルーユニオン (CCU) と副操縦士らの日本航空乗員組合は、(1) 休職者などを含めると希望退職の応募者がすでに削減目標を超えている、(2) 解雇対象者が病歴や年齢の高い順に選別されている - - などとして、解雇の無効を主張してきた。 28 日までに結成された原告団には、CA 約 60 人とパイロット 50 人以上が参加を表明。 両組合によると、参加者はさらに増える見通しで、最終的には解雇対象者の大半が訴訟を起こすことになりそうだ。 原告団は 1 月中旬に地位確認を求める訴えを東京地裁に提起し、同時に地位保全の仮処分を申し立てる方針。 CCU の内田妙子委員長は「必要な要件を満たさずに解雇に踏み切った経営側に対する不信感はある。 しかし、経営判断で回避できる道がまだあると思っている。 労使交渉を継続すべきだ。」と話している。 (asahi = 12-28-10) 日本郵政が給与カット検討 斎藤社長、7 カ月ぶり会見 日本郵政の斎藤次郎社長は 7 日、約 7 カ月ぶりに記者会見を開き、傘下の郵便事業会社(JP 日本郵便)が大幅な赤字を出したのを受け、社員の給与カットも含む経営改善策をまとめる考えを示した。 赤字は宅配便「ゆうパック」との統合直後に大規模な遅配が発生し、膨らんだ。 労働組合と協議し、28 日までに総務省に報告する。 日本郵便の 2010 年 9 月中間決算は 928 億円の営業赤字で、うち 420 億円はゆうパック統合と遅配関連で発生した。 会見で斎藤社長は「大変危機的な状況だ。 組合にもお願いしながら抜本的な対策を講じる。」と述べた。 今後、正社員や非正規社員の給与カットや配置転換を検討。 コストの 7 割を占める人件費削減に取り組むという。 ただ、ゆうパック遅配の主な原因は、お中元のピーク時に統合時期をぶつけたことや事前の準備不足など、経営判断の誤りにあった。 斎藤社長らは役員報酬の 10% 3 カ月分を返上したものの、労組などからは「経営ミスを現場に押しつけるのか」と反発の声が出ている。 斎藤社長が記者会見に出てきたのは、昨年の参院選で与党が敗北し、「ねじれ国会」になってから、初めて。 郵政改革法案の成立の見通しが立たず、新規事業の参入も認められない状態になり、姿を隠す戦略から窮状を訴える戦略に転換したとみられる。 (asahi = 1-7-11) 給食費・保育料、子ども手当から天引きへ 滞納問題受け 厚生労働省は、中学生までに支給される子ども手当(月額 1 万 3 千円)から、公立小中学校の給食費や保育所の保育料を天引きできる仕組みを設ける方針を固めた。 給食費は、事前に保護者と同意文書を交わすことが前提。 保育料については、自動的に徴収することも検討している。 給食費や保育料は、払えるのに滞納する家庭が多いことが問題化しており、徴収業務を担う自治体が子ども手当からの天引きを強く要望。 厚労省は来年度からの実施に向けて通常国会に提出する子ども手当法案に盛り込む意向で、内閣法制局と協議している。 子ども手当には強い受給権が定められ、差し押さえが禁じられている。 そこで給食費については、小中学校に入学する際にあらかじめ保護者から同意を得ることを条件に、天引きできる規定を法案に入れる考えだ。 実施するかどうかは自治体の判断に委ねる。 すでに滞納した分の徴収はできないが、新たな滞納の発生を抑える効果を期待する。 文部科学省の推計では、2009 年度の公立小中学校の給食費の滞納額は 26 億円に上る。 一方、06 年度(厚労省調べ)で約 8 万 5 千人が総額 83 億 7 千万円滞納していた保育料については、強制徴収できる法的な規定があるため、子ども手当から天引きできるよう検討する。 年金から保険料を天引きできる介護保険制度なども参考にして、法制化を目指す。 来年度の子ども手当をめぐる国と自治体との交渉では、厚労省が給食費や保育料の天引きを認めることで、引き続き自治体に財源の一部を負担してもらう考え。 20 日に開かれる子ども手当の関係閣僚会議で、天引きについて合意する見通しだ。 (及川綾子、asahi = 12-19-10) ◇ ◇ ◇ 子ども手当、3 歳未満は 2 万円に増額 閣僚会合で決定 菅政権は 2 日、子ども手当に関する関係閣僚会合を開き、月額 1 万 3 千円としている子ども手当の支給額について、来年度から 3 歳未満に限り 7 千円上積みして 2 万円とすることを決めた。 増額に必要な財源については配偶者控除の見直しなどを検討する。 民主党は昨年の衆院選マニフェストで、来年度から中学生までを対象に月額 2 万 6 千円の支給を掲げた。 しかし、財政難で満額支給は断念し、今年の参院選マニフェストでは半額の 1 万 3 千円から上積みすると修正した。 この日の合意で上積みは 3 歳未満に限ることで決着。 玄葉光一郎国家戦略相は会合後、3 歳未満に限って増額する理由について「(15 歳以下の)年少扶養控除の廃止で実質手取り額が減る逆転現象(の世帯)がある。 一般的に若い親は所得が低い」と説明。 約 2,450 億円の増額分の財源は「配偶者控除(の見直し)やその他の財源捻出方法も含め、幅広く検討する」と述べるにとどめた。 財源をめぐっては、厚生労働省が政府税制調査会で、配偶者控除と、23 - 69 歳の扶養親族を対象にした成年扶養控除の見直し分を充てるよう主張。 野田佳彦財務相は会合で、支給対象に所得制限を設けることを選択肢として残しておくよう求め、検討を続けることになった。 ただ、玄葉氏は「社会全体で子どもを育てる子ども手当の理念を、もう一度考える必要がある」としており、所得制限に反対する意向だ。 (asahi = 12-3-10) ◇ ◇ ◇ 子ども手当、3 歳未満のみ月 2 万円 政府が増額検討 菅政権は、中学生までを対象に月額 1 万 3 千円を支給している子ども手当を、来年度は 3 歳未満に限り月 7 千円上乗せする検討を始めた。 この場合、3 歳以上の支給額は据え置かれる。 4 日からの関係閣僚会議で調整に入り、与野党の意向を踏まえたうえで今月中にも方針を決める。 支給額の引き上げを限定的にするのは、必要な財源を抑える狙い。 来年以降の控除廃止に伴い、現行より収入が減る世帯を優先する考えだ。 原則月 5 千円の児童手当で、倍額(月 1 万円)支給されていた 3 歳未満が対象になる。 両親と 3 歳未満の子ども 1 人がいる年収 800 万円の世帯では、来年から所得税の扶養控除が廃止されると月 3 千円減ると試算されている。 住民税の扶養控除が廃止される 2012 年度からは、月 6 千円の減収見込み。 3 歳未満に限って月額 2 万円を支給すると、年間で 2,500 億円程度の財源がさらに必要になる。 これには、配偶者控除の見直しで財源を充てる案などが浮上している。 一方、年齢を区切らず一律で月 2 千 - 3 千円上乗せを求める声も、民主党内には根強い。 ただ、月 1 千円の上乗せにつき年間 2 千億円程度が必要になるため、より多くの財源確保が求められる。 子ども手当は今年度分のみの支給が法で定められており、来年度以降の支給には新法が必要になる。菅内閣には、国会審議をスムーズに進めるため、子ども施策に熱心な公明党の意向を採り入れるべきだという考えもある。 (asahi = 11-3-10) ◇ ◇ ◇ 子ども手当、30 万人が未申請 厚労省推計 長妻昭厚生労働相は 10 日の閣議後会見で、子ども手当で新たに対象となった人のうちまだ申請していない割合が平均 8.7% だったというサンプル調査結果を明らかにした。 30 万人程度の子ども分が未申請の可能性がある。 長妻厚労相は「30 日までに申請しなければ、4 月分から 10 月分が受け取れなくなる」と、申請を呼びかけた。 昨年度までの児童手当に比べ、今年度から始まった子ども手当は中学生などへ対象が拡大し、新たに申請が必要な人は三百数十万人。 こうした人の申請状況を、7 月下旬から 8 月中旬にかけて全国の六つの市区から聞き取った。 その結果、未申請率は 5.6% から 13.4% とばらつきがあり、人口をふまえて平均した結果は 8.7% だった。 未申請率が 5% なら 20 万人弱、10% なら三十数万人の子ども分が未申請と推計される。 9 月末までに申請すれば 4 月分からさかのぼって受け取れる。 (asahi = 9-10-10) ◇ ◇ ◇ 子ども手当、手取り額半分以下世帯も 政権交代前と比べ 民主党の「子ども・男女共同参画調査会(小宮山洋子会長)」は 27 日、2011 年度 - 13 年度の子ども手当の実質手取り額の試算をまとめた。 扶養控除が廃止されるため、年収 800 万円で 3 歳未満の子どもがいる世帯では、自公政権時代の仕組みと比べて最大で半分以下になる。 子どものいる世帯全体の 1 - 2 割が減額になるため、党内から手当の増額論が強まる可能性もある。 調査会は、マニフェストに沿って来年度から手当を増額するかどうかを検討している。 10 月までに方向性を決める方針だ。 試算は、両親と子ども 1 人の 3 人家族を想定。 子ども手当が現行の月額 1 万 3 千円のまま、所得税と住民税の 15 歳以下の扶養控除が 11 年度から順次廃止された場合の実質手取り額を算出した。 その結果、政権交代を受けて創設した子ども手当の代わりに廃止した児童手当(3 歳未満は月額 1 万円)に比べ、年収 800 万円で 3 歳未満の子どもがいる世帯では、11 年度は月 3 千円減、 12 年度からは月 6 千円減だった。 年収 500 万円だと 12 年度から月 2 千円減、年収 300 万円だと 12 年度から月 1 千円減だった。 減額世帯をなくすためには、子ども手当を月額 6 千円増やす必要があり、子どもが 3 歳未満で年収 800 万円以下の世帯に限って増額しても 2 千億 - 3 千億円の財源が新たに必要になるという。 小宮山氏は「経済的理由で子どもが持てないという要因を解消するためにはマイナス世帯をなくしたいが、財源不足の中で苦しい」と話している。 (asahi = 8-27-10) 「嫌な仕事でも我慢する」 7 割 今春の新入社員意識調査 嫌な仕事でも我慢して続ける - -。 財団法人日本生産性本部が今春の新入社員を対象に意識調査したところ、7 割を超える社員がこう答え、過去最高となった。 同本部の研修に参加した企業の新入社員 317 人を対象に調査した。 自分の考え方に近いものを選ぶ設問で、「自分のキャリアプランに反する仕事を、がまんして続けるのは無意味だ」について「そう思わない」が 74.4% に上った。 同じ設問ができた 06 年以降で最高だった。 「キャリアプランを考える上では、社内で出世するより、自分で起業して独立したい」、「若いうちならフリーアルバイターの生活を送るのも悪くない」という設問についても、「そう思わない」とした人がそれぞれ 83.4%、75.4% と過去最高になった。 調査を担当した同本部経営開発部の堀部大介さんは「就職難をくぐり抜けて入ったこともあり、今の会社での仕事を優先する傾向が強まっている」と指摘している。 (asahi = 12-18-10) 「職業訓練中に生活費 10 万円」制度恒久化へ 政府は 17 日、失業者が生活費を受け取りながら無料職業訓練を受ける「求職者支援制度」創設のため、2011 年度予算に 628 億円を計上する方針を決めた。 一般会計と労働保険特別会計から拠出する。 来年の通常国会に関連法案を提出し、雇用保険と生活保護のすき間を埋める「第 2 の安全網」の恒久化を目指す。 制度開始は 10 月の予定。 短期的な就労を繰り返す人や長期失業者など失業給付を受けられない人々を支えるのが目的だ。 求職者を支援する制度としては麻生政権が始めた「緊急人材育成・就職支援基金」による訓練制度(基金訓練)があるが、民主党は、その恒久化をマニフェストに掲げていた。 制度の対象は 65 歳未満の求職者。 学卒未就職者や主婦も含まれる。 介護やコンピューターなどの訓練を無料で受講でき、訓練中に一定の収入がないなどの要件を満たせば生活費月 10 万円と訓練校に通う交通費を受給できる。窓口はハローワーク。 利用者には訓練途中や終了後に定期的にハローワークに来所し、仕事探しをすることを義務づける。 厚生労働省は、年間 24 万人が訓練を受け、生活費を受給するのはそのうち 8 割と想定。 就職率は 6 割で、年間約 14 万人が就職すると見込む。 雇用保険の被保険者ではない人を対象とするため、厚労省は当初、全額を一般財源でまかなうことを目指した。 だが財務省は「恒久的な財源確保は困難」と労働特会からの拠出を要求。 最終的に、財源は国庫負担と労使の保険料で折半することで決着した。 09 年 7 月に始まった基金訓練は来年 9 月までの時限措置。 訓練の上限は 2 年で、条件を満たした世帯主に月 10 万円(扶養家族あり 12 万円)を支給する。 今月までに延べ約 22 万人が訓練を受け、そのうち約 15 万人が受給した。 厚労省によると、今年 7 月末までに訓練を終了した人のうち約 2 万 7 千人が就職した。 ただ、まじめに訓練を受けず、就職活動もしない人がいるという指摘があるため、厚労省の労働政策審議会では、新制度の受給要件を厳しくすることなどを検討している。 (高橋末菜、asahi = 12-18-10) おもてなし武将隊、各地で名乗り 国の基金で若者雇用 信長や政宗がお城でエスコート - -。 戦国武将に扮したイケメンが観光客をもてなす「武将隊」が各地で次々と生まれている。 昨年誕生した名古屋市に続き、今年は仙台市や山形県にも登場した。 多くが失業対策でできた、国による雇用創出の基金を利用したものだ。 400 年の時を超えた活躍に「歴女」たちも心を躍らせている。 仙台市街が一望できる仙台城跡に黒い甲冑(かっちゅう)などに身を包んだ一団が現れた。 黒の眼帯の武将が「心からのもてなしが、我らの流儀じゃ」と叫ぶ。 500 人ほどの観客が「政宗さまーっ」と歓声を上げ、雄姿をカメラに収めた。 彼らは、仙台市が結成した「伊達武将隊」。 委託先の企画会社が伊達政宗や家臣の片倉小十郎らに扮する 8 人を採用した。 前歴はフリーターや俳優志願者ら。 殺陣や歴史を学び、8 月にデビューした。 仙台城跡で観光案内するほか、殺陣を織り交ぜた「演武」も披露。 伊達家 18 代当主の泰宗さん (51) は「仙台を効果的に宣伝してくれてうれしい」と太鼓判を押す。 「追っかけ」も登場した。 奈良市の会社員女性 (26) は「政宗は、戦国武将の中でも一、二を争う人気。 会いたくなって来た。」 香港のテレビ局からも取材を受けた。 伊達武将隊のお手本は名古屋市が昨年 11 月に結成した「名古屋おもてなし武将隊」だ。 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康役ら 10 人がメンバー。 旅行会社主催の武将による名古屋城案内ツアーも人気で、結成から 11 カ月で城への入場者は前年同期比で 18% 増えた。 宮城県内では、片倉小十郎ゆかりの白石市で「白石戦國武将隊 奥州片倉組」が 9 月に発足。 こちらは市が始めた祭りの合戦シーンに参加する甲冑愛好家の発案だ。 NHK 大河ドラマ「天地人」で注目された山形県は 7 月、直江兼続役ら 5 人による「山形おきたま愛の武将隊」を結成。 仙台、白石の 2 武将隊と互いのイベントで連携する。 ベストセラー小説「のぼうの城(和田竜著)」の舞台・忍城(おしじょう)の跡がある埼玉県行田市では、忍城代・成田長親ら 12 人による「忍城おもてなし甲冑隊」が 7 月にできた。 人気の武将隊だが、悩みもある。 ボランティアの「奥州片倉組」を除く 4 武将隊は、雇用創出の基金を利用した自治体の事業。 来年度末までの期限付きのため継続するには新たな財源が必要だからだ。 自立も視野に入れるのが名古屋。 市観光推進室によると、イベントの出演料などで今年度だけで約 2 千万円の収入があったという。 信長は「わしらの夢は 47 都道府県に武将隊ができること。 かぶとの緒とふんどしを締めて頑張るだけじゃ。」と意気軒高だ。 (増田愛子、豊岡亮、堤之剛、asahi = 12-11-10) ◇ ◇ ◇ おもてなし武将隊に歴女殺到 名古屋市 存続へ知恵絞る ![]() 名古屋城を拠点に踊りなどで観光客を出迎える「名古屋おもてなし武将隊」が結成 1 周年を迎えた。 戦国武将に扮するのは、求職中に名古屋市の緊急経済対策として期間限定で雇用された若者たちだ。 初陣以来、歴史好きな女性「歴女」を中心にファンが急増。 思わぬ大ヒットに、企画した市当局も存続へ知恵を絞り始めた。 握手を待つ武将ファンの最後尾から約 200 メートル先には、きらびやかな甲冑(かっちゅう)を身にまとった若い武将たちがいた。織田信長が不敵な笑みをたたえ、あいさつをする。 「よう来たのう。」 11 月 3 日に名古屋城で開かれた 1 周年の記念祭。 武将隊の寸劇や踊りを目当てに集った約 1 千人もの歴女や親子連れが、一気に沸いた。 武将たちと握手する列に加わっていた名古屋市天白区の友田美菜さん (25)、松崎景子さん (32) ら 5 人は、いずれも名古屋城で知り合った「城友(しろとも)」だという。 武将隊の魅力について「イケメンの芸能人感覚なのに身近」と口をそろえた。 2 歳の長女と訪れた岐阜県各務原市の主婦寺田愛さん (33) は「優しいから好き。 『大儀であった』のねぎらいの一言で、明日からまた子育てを頑張ろうって思える。」 岐阜市の主婦河田友紀子さん (32) はあまりの人気に「信長が手の届かないところに行ってしまいそうで寂しい」と複雑そうだった。 武将隊のメンバーは、信長の他、豊臣秀吉、徳川家康、前田利家、加藤清正、前田慶次の 6 人と陣笠隊 4 人の計 10 人だ。 前歴は俳優やモデル、フリーター。 国の補助金を使った名古屋市の事業で、09 年 10 月に市に雇用された。 その後は、市の催しやテレビ番組にも引っ張りだことなり、8 月には名古屋の顔として上海万博にも「遠征」。 武将を冠した弁当や切手などグッズも多く売り出され、名古屋城の集客力もぐっと高まった。 20 キロの鎧(よろい)に身を包んで武将になりきる若者たちの懸命な姿勢は、ファンの共感を広げているようだ。 10 月 7 日には、振付師のパパイヤ鈴木さんから「愛のために戦う男たち」を描いた新しい踊りを贈られた。 初めて披露したとき、信長が感極まって涙を流し、その姿に歴女たちも思わずもらい泣きした。 パパイヤさんも「彼らの役づくりや踊りに込める思いが素晴らしい」と評価する。 だが、盛り上がりの裏に大きな不安がある。 メンバーは 1 年ごとに契約が更新される不安定な立場なのだ。 しかも、国の補助金は最長で 3 年間。 今年度の武将隊の事業費は約 1 億円で、補助金が打ち切られた後に市ですべての経費をもつことは難しい。 名古屋開府 400 年にちなんで武将隊を発案した市観光推進室では、人気を受け、なんとか残そうという機運が高まっている。 「制度の趣旨からすると、一番いいのは独立していくことだが、ここまで来たら、名古屋のコンテンツとして残していきたい」と西野輝一室長は話す。 「来年度の活躍が試金石になる。」 (豊岡亮、asahi = 11-7-10) 基本給、30 カ月ぶりに前年超え 残業、10 ヶ月連続増 厚生労働省が 11 月 30 日に発表した 10 月の毎月勤労統計調査(速報)によると、基本給は前年同月比 0.1% 増の 24 万 5,518 円で、わずかだが 30 カ月ぶりに前年を上回った。 基本給と残業代、賞与を含めた現金給与総額は平均 26 万 8,951 円で、前年同月比で 8 カ月連続の増加となった。 全産業平均の所定内労働時間は、前年同月比 0.4% 増の 136.3 時間だった。 残業時間は同 5.2% 増の 10.1 時間、残業代も同 6.4% 増の 1 万 8,391 円で、いずれも 10 カ月連続で増加。 景気の影響を受けやすい製造業の残業時間は同 13.7% 増の 14.1 時間だった。 (asahi = 11-30-10) ドギーマンに公取委勧告 下請け代 3,100 万円不当減額 下請け業者への支払代金を不当に減額したとして、公正取引委員会は 29 日、ペットフード・ペット用品販売会社「ドギーマンハヤシ(大阪市)」に対し、下請法(減額禁止)に基づいて再発防止などを勧告したと発表した。 公取委によると、ド社は 2008 年 6 月 - 09 年 7 月、ペットフードなどを製造委託した下請け 12 業者への支払代金のうち、1 - 3% (計約 3,137 万円)を販売協力金などと称して減額したという。 ド社はすでに減額分を業者側に返還し、「法令順守体制を一層充実させる」との談話を出した。 (瀬戸口和秀、asahi = 11-30-10) 若者、働き出すと愛社精神薄れ … 就職情報会社が意識調査 若手社会人の愛社精神はしだいに薄れ、出世意欲も乏しくなる - -。 就職情報会社「毎日コミュニケーションズ」の調査で、こんな傾向が浮かび上がった。 調査は同社のウェブサイト会員のうち、2011 年春に入社予定の学生と、入社 2 - 5 年目の若手社会人の計約 600 人に、10 月に聞いた。 愛社精神については、学生が「非常にある」、「まあまあある」の合計が 81% だったのに対し、若手社会人は 45% にとどまった。 併せて、どこまで出世したいかを尋ねたところ、学生は「部長・プロデューサーまで (27.3%)」、「役員まで (22%)」、「出世したいと思わない (15.7%)」の順だった。 これが若手社会人では「出世したいと思わない (48.1%)」、「主任・係長まで (15.4%)」、「部長・プロデューサーまで (11.9%)」と続き、上昇志向の乏しさが目立った。 調査担当者は「経済の閉塞感を背景に、身の丈にあった自分なりの幸福を実現できれば満足、という若年層が増えている」とみる。 (asahi = 11-28-10) 就活 2 万 5 千人、ドームにびっしり 福岡で合同説明会 九州最大級の合同企業説明会「マイナビ就職 EXPO 業界研究(毎日コミュニケーションズ主催)」が 27 日、福岡市のヤフードームで始まり、2012 年春卒業予定の大学生ら約 2 万 5 千人が集まった。 28 日までで、企業は延べ 264 社が参加する。 スーツ姿の学生らは各企業のブースを回り、採用担当者の説明に熱心に聴き入った。 主催者によると、大企業に人気が集まる一方、積極的に中小企業の説明を聞き、視野を広げる学生も多いという。 熊本市から来たという東海大農学部 3 年、高津良枝さん (21) は食品会社志望だが、「いろんな可能性があると思うので、多くの企業から話を聞いてみたい」と笑顔を見せた。 北九州市の住宅会社の採用担当、山野文美子さん (33) は「ちゃんと目標を持ち、自己管理できる人を求めたい」と話した。 (asahi = 11-27-10) 「今後 1 年で失業する不安」 20 代で 3 割超す 連合総研 「今後 1 年間に失業する不安を感じる」という人の割合が 20 代で 32.9% になり、過去最高になったことが連合総研の勤労者短観調査(10 月)でわかった。 就職が厳しく、非正社員で働く人も多い若者に雇用不安が広がっている。 2001 年から、4、10 月に定期的に調査している。 会社で働く 20 - 50 代に聞き、今回は 900 人のうち 793 人が回答した(回答率 88%)。 「失業不安を感じる」の割合は全体で 25% で、最高だった昨年 10 月より 3.3 ポイント低いが、高水準が続く。 なかでも 20 代は前回の 4 月調査より 10.3 ポイントも上がった。 性別・雇用形態別では、男性非正社員が 53.6% と半数を超え、女性非正社員も 34.8%、女性正社員も 23.8% と高い。 賃金収入については「1 年後は減る」とした人の割合が全体で 25.5% になり、前回調査より 3.7 ポイント増えた。 連合総研は「昨秋までは早期退職を促される中高年に失業の危機感があったが、新卒採用抑制での雇用調整が進み、不安定な立場で働く 20 代が増えて将来への希望が持ちにくくなっている」とみる。 (宮崎健、asahi = 11-20-10) 公取委、エディオン立ち入り検査 納入側に不当要求か 家電量販店のデオデオやミドリ、エイデン、イシマルなどを全国で展開する「エディオン(本社・大阪市北区)」が、新店舗のオープンや店舗の改装に際して、納入業者に従業員を無償で派遣させるなどした疑いがあるとして、公正取引委員会は 16 日、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)の疑いで、本社や店舗など二十数カ所を立ち入り検査した。独禁法違反が認定されれば、課徴金の対象になる。 関係者によると、エディオンは家電メーカーなどの納入業者に、費用を負担せずに従業員を派遣させ、新店舗の開店準備や、店舗改装などをさせた疑いがある。 また、不当な接客や、セールの際などに値引きを要請するなどしていた疑いも持たれている。 (asahi = 11-16-10) 教育費、世帯年収の 37% 負担割合、過去 10 年で最高 家庭の年収に対する教育費の負担割合が 4 割近くに上ることが、日本政策金融公庫が今年度、国の教育ローンの利用世帯を対象に実施したアンケートで分かった。 負担割合はこの 10 年で最高。 景気低迷で年収が減少するなか、収入が低い世帯でとくに教育費の負担が重くなっている。 調査結果によると、世帯年収に対する小学校以上の子どもの在学費用の割合は、平均 37.6%。 2009 年度の 33.7% から 3.9 ポイント増。 世帯の平均年収が 09 年度の 592.6 万円から 572.5 万円に減少した一方で、授業料や通学費、教科書代といった在学費用が増加したという。 年収 200 万円以上 400 万円未満の世帯は在学費用が 166.7 万円で、年収への負担割合は 56.5% に上った。 09 年度の 48.3% から大幅増で、他の年収世帯層が 2 - 3 割台なのに対し、負担の重さが顕著に出ている。 年収 800 万円以上の在学費用は 237.8 万円で、年収が高い世帯層ほど教育費が高い。 高校入学から大学卒業までにかかる受験代や入学金、授業料などの 1 人あたりの費用は 1,059.8 万円で、09 年度から 52.1 万円増加した。 教育費をひねり出すため、多くの家庭が節約に取り組んでいる。 三つまでの複数回答で尋ねたところ、教育費以外の支出の節約が 62.4% で、奨学金 (53.3%) や子ども自身のアルバイト (40.3%) による対策を上回った。 節約項目は、旅行・レジャー費が 61.3%、外食費が 50.8% で、保護者の小遣いとの回答も 41.1% に上った。 アンケートは 7 月に郵送で実施。 2、3 月に国の教育ローンを利用した世帯のうち 5,409 世帯の回答を集計した。 (井上裕一、asahi = 11-14-10) 大学生の就職内定率、過去最低の 60% 割れ 10 月時点 来春卒業予定の大学生の 10 月 1 日時点の就職内定率が 60% を割り込み、政府が調査を始めた 1996 年以降、過去最低となる見通しであることが分かった。 2008 年以降の不景気が深刻化し、「就職氷河期」を下回るほど厳しい就職環境に陥っていることが改めて浮き彫りになった。 内定率は文部科学、厚生労働省が調査しており、来週前半にも公表される。 短大生や専門学校生を含めた内定率も前年を下回る見通し。 大学生の 10 月 1 日時点の内定率は、ピークだった 97 年の 73.6% から 03 年に 60.2% まで下落した後、08 年まで徐々に回復していた。 しかし同年秋のリーマン・ショックを受けて企業は採用数を大幅に絞り込み、09 年には前年比 7.4 ポイント減の 62.5% と、過去 3 番目の低さまで下落。 その後も景気回復と採用枠拡大の兆しは見えず、卒業まで半年を切った大学生にとって、これまでにない厳しい環境となっている。 (asahi = 11-13-10) 日航、整理解雇へ 希望退職者目標を百数十人下回る 会社更生手続き中の日本航空と管財人の企業再生支援機構は、パイロットらの整理解雇を 12 日にも決める方向で最終調整に入った。 9 日に締め切った希望退職の最終募集で、応募者が目標の 270 人を大幅に下回ったためだ。 日航は全職種を対象に約 1,500 人を募集したが、当初の締め切りでは届かず、パイロット 130 人、客室乗務員 140 人の計 270 人を目標に最終募集していた。 関係者によると、目標に対して百数十人も足りないという。 日航は目標に届かない場合、整理解雇に踏み切る意向を示してきたが、法的なハードルが高いため、希望退職の募集期間を延ばすなど慎重に対応してきた。 訴訟に発展する可能性もあり、東京地裁などとも協議している。 日航と機構は今年度中に約 1 万 6 千人のグループ従業員を減らす更生計画案を地裁に出し、今月末の認可を目指す。 取引銀行側はリストラの実行を強く求めている。 (asahi = 11-10-10) 課長の 4 割「いきいき働いてない」 悩み相談もできず 上場企業の課長の約 4 割が「自分はいきいきと働いていない」と感じていることが、産業能率大の調査でわかった。 業務量が増え、成果も求められているが、悩みを相談できる相手がおらず、自分で抱え込んでいる姿が浮かび上がった。 調査は 9 月下旬、従業員数 100 人以上の上場企業で部下がいる課長を対象に、インターネット調査会社を通じて実施。 428 人が回答した。 「いきいきと働いていない(「どちらかといえば」を含む)」は 38.3% だった。 回答者の 98.6% が職場管理と営業などを兼務する「プレーイングマネジャー」で、このうち 54.8% が「プレーヤー活動が職場マネジメントに支障を与えている」と答えた。 仕事の悩みを抱えるのは約 9 割。 「業務量」、「部下の評価」、「部下の育成」の悩みが多かった。 ところが、悩みを相談できる相手が「いない」が 50.2%。 心の健康に不安を感じた経験が「ある」は 43.7% に上り、原因は「上司との人間関係」、「成果へのプレッシャー」と続いた。 (asahi = 11-9-10) 9 月の失業率、女性が大幅改善 医療・福祉で就業者増加 29 日に発表された9月の完全失業率(季節調整値)は 5.0% で、前月より 0.1 ポイント改善した。 男性が前月比 0.1 ポイント増で 5.5% となったのに対し、女性は同 0.3 ポイント減の 4.3% と大幅な改善を見せた。 女性の比率が高い医療・福祉分野での就業者数の大幅な増加が影響している。 9 月の有効求人倍率(同)は、前月より 0.01 ポイント高い 0.55 倍で 5 カ月連続で改善した。 医療・福祉分野の 9 月の就業者数は 668 万人で、前年同月より 42 万人増えた。 増加は 30 カ月連続。 女性全体の就業者数は 2,683 万人で前年同月比で 20 万人増えたが、その多くを医療・福祉分野が占めたとみられる。 医療・福祉分野の就業者数は、この分野の区分ができた 2002 年以降で最も多い。 産業別では製造業(1,066 万人)、卸売業・小売業(1,041 万人)に次ぎ、全体の就業者数(6,309 万人)の 1 割強を占めている。 厚生労働省が 8 月にまとめた雇用動向調査でも、09 年に新たに就職した人の労働者全体に占める割合(入職率)から、仕事をやめた人の割合(離職率)を引いた入職超過率は、医療・福祉が 3.2 ポイントで産業別では最高。 定着率が高まっていることを示した。 就業者が増える背景には、慢性的な人手不足に加えて、介護職員に対する処遇改善策の効果もある。 3 年に一度の介護報酬改定のほか、昨年 10 月からは、職員 1 人当たりの賃金を月額 1 万 5 千円相当引き上げるための「介護職員処遇改善交付金」も始まった。 ただ、「『ほかに仕事がないから』と仕方なくこの分野で働く人もいる。 まだ産業として安定した雇用の受け皿となっているわけではない(日本総合研究所の山田久・主席研究員)」という指摘もある。 (asahi = 10-30-10) サービス残業で 1,221 社に労基署指導 前年度比大幅減 賃金不払い残業(サービス残業)をさせているとして、2009 年度に労働基準監督署の指導を受け、合計 100 万円以上の残業代を支払った企業は、前年度比 332 社減の 1,221 社だったことが厚生労働省の調査で分かった。 残業代の総額は同 80 億 1,053 万円減の 116 億 298 万円。 企業数は過去 2 番目に少なく、支払額は過去最少だった。 残業代支払いの対象となった労働者数も前年度より 6 万 8,841 人減り、過去最少の 11 万 1,889 人。 同省労働基準局監督課は「景気低迷で残業自体が大幅に減ったのが最大の理由だが、サービス残業を減らそうという意識が労使に広がっている影響もある」と分析している。 業種別では、製造業が 329 社で最も多く、指導を受けて支払った残業代は計 23 億 2,094 万円。 次いで商業が 287 社で計 22 億 1,270 万円。 金融・広告業は 69 社だったが、対象の労働者数が多く、支払額も 19 億 3,818 万円に膨らんだ。 (asahi = 10-25-10) 有休の取得率 47% 祝日多く取りにくい? 09 年調査 厚生労働省が 14 日発表した就労条件総合調査によると、2009 年の年次有給休暇の取得率は 47.1% (前年比 0.3 ポイント減)で、10 年連続で 50% を下回った。 企業が従業員に与えた年間の平均日数は 17.9 日だったが、取得は 8.5 日。 有給休暇を取ることをためらう傾向が続いている。 従業員 30 人以上の企業 6,143 社を対象に調査し、4,406 社が回答した。 企業規模別の取得率は 1 千人以上では 53.5% だったが、300 - 999 人は 44.9%、100 - 299 人は 45.0%、30 - 99 人は 41.0% にとどまった。 業種別では電気・ガス・水道業が 74.2% で最も高く、宿泊業・飲食サービス業が 31.4% と最も低かった。 与えられる有給休暇日数が年間 25 - 30 日と多いイギリスなど欧州各国では、取得率はほぼ 100%。 日本の場合、祝日などが欧州各国より年間 4 - 7 日多い。 厚労省の担当者は、「祝日の多さも取得率伸び悩みの要因の一つになっている」と分析する。 厚労省は、計画的に有給休暇をとりやすくする制度を導入した企業への助成金制度を 08 年度に導入。 今春には労働時間等設定改善法に基づくガイドラインを改正し、労使で有給休暇の取得状況を確認した上で、取得率の数値目標を設けることを努力義務にした。 (asahi = 10-14-10) ◇ ◇ ◇ 「休日格差」鮮明 年 120 日以上、関東がトップ 年間 120 日以上の休日を設けている企業の割合は関東で 8 割を超すが、北海道や中国・四国、九州・沖縄では 6 割未満 - -。 転職サイト「DODA (デューダ)」を手がける人材サービス大手のインテリジェンスがそんな調査結果をまとめた。 DODA に登録する全国 5 千社を調べた。 土日と祝日は今年の場合は 119 日で、就業規則で年末年始なども休日にしていると 120 日以上になる。 業種別では金融と IT 関連の 95% で休日が年 120 日以上。 地域別で関東がトップなのも、こうした業界の企業が多いためとみられる。 (asahi = 10-4-10) 年金照合 6 億件「やってみないと …」 12 日に作業開始 年金記録の原簿となる紙台帳とコンピューター上の記録を突き合わせる作業が 12 日から始まる。 今後 3 年半かけて、2013 年度末までに約 6 億件の記録について照合を進めていく。 かつて市町村や旧社会保険事務所が管理していた紙台帳は主に手書きで、1980 年代にオンライン化された。 その際に氏名などの記録を写し間違えたことから、5 千万件の「宙に浮いた年金」などの記録問題が発生。 問題解決のため、紙台帳の記録をすべて調べ直すことになった。 紙台帳の記録は、重複分を除き約 7 億 2 千万件に上る。 このうち基礎年金番号などが一致した 6 億件が対象。 記録内容が合わなかった人には、早ければ年内に通知される。 自公政権では 10 年間かけるとしていた照合作業を、民主党は「4 年間」と約束。 今年度予算で 427 億円を充て、29 カ所の拠点で委託も含めて約 1 万 8 千人を投入する。 ただ、どの程度のペースで作業を進められるのかは、「やってみないと分からない(同機構)」という。 (asahi = 10-11-10) |