日航機の非常脱出スライド、不具合に気づかず 3 年飛行 日本航空は 28 日、ボーイング 777-300 型機 1 機で一部の非常脱出スライドが完全には開かない状態になっていたと発表した。 補修を委託した業者のミスが原因。 日航は気づかないまま 3 年近く飛行を続けていたという。 同じ作業員が担当した同型の 7 機も脱出スライドの交換を始めた。 影響で機体を交換するなどした 28 日の計 4 便に最大 4 時間 45 分の遅れが出たほか、2 便の乗客約 180 人を別の便に振り替えた。 国土交通省は業者から事情を聴いており、近く日航と業者に厳重注意などの行政指導をする方針だ。 非常脱出スライドは、機内で火災などが起きた際に乗客が機外に脱出するためのナイロン製の装置。 ドアを開くと圧縮ガスが吹き込まれて自動的に膨らみ、地上に降りる滑り台になる。 同型機では左右のドア付近に計 10 カ所あり、2 カ所が両主翼上にある。 日航によると、東京機内用品製作所(TKY、東京都大田区)が補修した主翼上のスライドにミスがあった。 スライドは約 3 年に 1 回、実際に膨らませて点検するよう定められているが、27 日朝に 1 機の右翼上のドアのスライドを点検したところ、途中までしか開かなかった。 スライドを 2 方向に分けて開くためのひもが本来とは異なる取り付け方になっていた。 左翼側のスライドも同様に開かないことが分かった。 不具合が見つかったスライドはいずれも TKY の 30 代の男性作業員が 2008 年 2 月に補修した。 日航は「スライドは巻いた状態で TKY から納入されたものを機体に取り付けており、不具合には気付かなかった」としている。 国交省は「非常脱出にかかわる装置の不具合は深刻な問題」として、TKY から聞き取りを始めた。 同省幹部は「非常にお粗末。 作業員 1 人の問題か詳しく調べる必要がある。」と話す。 同省は不具合に気付かずに 3 年近く運航していた日航側にも問題があったとみており、取り付け時の点検などに問題がなかったかを調べたうえで、近く両社に厳重注意などの指導をする見込みだ。 国内では全日空も同型機を使っているが、脱出スライドの補修は別の業者に委託しているという。 (永田工、asahi = 1-28-11) トヨタが 120 万台リコール 16 車種、燃料漏れの恐れ トヨタ自動車は 26 日、ノアやヴォクシーなど乗用車 16 車種の計 120 万 2,800 台(2000 年 5 月 10 日 - 08 年 10 月 24 日製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。 燃料パイプから燃料が漏れるおそれがあるというが、これまでに事故は起きていないという。 国交省によると、国内で届け出があったリコールとしては過去 2 番目の規模。 対象はほかに、RAV4L、RAV4J、カルディナ、アイシス、ビスタ、ビスタアルデオ、オーパ、プレミオ、アリオン、ガイア、ナディア、ウィッシュ、アベンシス、アベンシスワゴン。 国交省によると、燃料パイプの継ぎ目の溶接部分を削りすぎたものがあり、燃料の成分でパイプが腐食して亀裂が入って燃料が漏れる場合があるという。 同省は、燃料が漏れても周辺部品の温度が高くないので発火することはない、としている。 燃料が漏れたなどの不具合は 08 年 8 月以降に 33 件起きている。 (asahi = 1-26-11) 注射薬 250 万本分回収へ 田辺三菱子会社の不適切試験 田辺三菱製薬(大阪市)の子会社が品質試験をしていない医療機関向けの注射薬を出荷していた問題で、田辺三菱の土屋裕弘社長は 26 日、記者会見で謝罪し、子会社社員が虚偽の試験結果を記録した疑いのある注射薬約 200 万本を対象に自主回収すると発表した。 厚生労働省と栃木県は、子会社の足利工場(同県足利市)を立ち入り調査した。 田辺三菱に製造委託をしている大正製薬(東京都豊島区)も同日、約 52 万本を対象に自主回収を始めるとした。 田辺三菱の土屋社長は会見で、品質試験が行われず出荷された原因について「試験実施のプロセスを客観的な記録として残していなかったことにある。 問題点の発見と改善が、十分浸透していなかったことを深く反省します。」と述べた。 また、責任問題については「医薬品メーカーとしての信頼回復にあたることが社長の責務。 責務を果たしたうえで考えたい。」とした。 田辺三菱によると、自主回収の対象となる注射薬は、子会社「田辺三菱製薬工場」の足利工場(栃木県足利市)で製造され、2008 年 5 月 29 日 - 10 年 9 月 27 日に出荷された「リプル注(5 マイクログラム)」、同(10 マイクログラム)、「リメタゾン静注 2.5 ミリグラム」、「パズクロス注 300」、「同 500」、「パズクロス皮内反応用セット」。 同工場で製造した大正製薬の注射薬は、09 年 12 月 - 10 年 5 月に出荷された「パルクス注(5 マイクログラム)」、同(10 マイクログラム)。 リプル、パルクスは閉塞(へいそく)性動脈硬化症などの手術や治療に使われる代表的な薬で、リプルの年間売上高は約 80 億円。 田辺三菱と大正製薬の回収対象となる計約 250 万本のうち、市場に残っている本数については判明していない。 両社は、回収対象の製造期間に保存された薬を試験したところ、品質に問題はなかったとしている。 これまでに出荷された薬による健康被害の報告はないという。 厚生労働省の担当者は自主回収による医療現場への影響について「一部ロット(製造群)の回収なので、現場への影響はない」とみている。 一方、田辺三菱は記者会見で、原因究明や再発防止策を検討し、提言する危機管理委員会(委員長代行・郷原信郎弁護士)を発足させたことも明らかにした。 不祥事の原因については、田辺三菱側は「本人の順法意識が最大の問題。 しかし、管理監督するマネジメントにも問題があったと言わざるをえない。」と認めた。 (asahi = 1-26-11) 新幹線トラブル、運行担当者の誤解原因 JR 東が謝罪 JR 東日本の五つの新幹線すべてが 17 日に一時運休したトラブルの原因は、運行担当者がシステム表示の仕組みを知らずに不具合発生と誤解したためだったと同社が 18 日、発表した。 15 日に一部が約 4 時間運休したトラブルは、架線の摩耗や劣化を作業員らが点検で見落としていたという。 18 日に記者会見した JR 東の宮下直人常務は「人為的ミスだった」と謝罪した。 17 日のトラブルは東北、上越、長野、山形、秋田の各新幹線の運行を一括管理するシステム「COSMOS (コスモス)」で起きた。 都内にある新幹線運行本部室内のダイヤ管理用モニター 22 台すべてで到着予定時刻を示す線が消え、担当者がシステムの不具合が起きたと考えて全列車を約 1 時間 15 分止めた。 JR 東によると、この日朝、雪で福島県内の東北新幹線のポイントが故障し、24 本の列車のダイヤを変更することになった。 この際、修正必要箇所がシステムの上限の 600 件を超えたので線が消えたが、担当者は不具合と勘違いした。 担当者は表示の仕組みも、修正上限数も知らされていなかった。 また、システム導入から 15 年以上たち、列車本数は 4 割増えたのに、上限数は当初のままだったという。 15 日には小山駅(栃木県小山市)近くの架線の保護線が切れた。 摩耗・劣化が直接的な原因だったが、1 年ごとに目視点検する作業員らは気付かなかったという。 (宮嶋加菜子、小林誠一、asahi = 1-18-11) ◇ ◇ ◇ 新幹線ストップ、ソフトに不具合か 到着時刻表示されず JR 東日本の五つの新幹線すべてが一時止まった 17 日のトラブルは、運行管理システムのソフトの不具合が原因だった可能性が高いことが、同社への取材で分かった。 15 本が運休し、124 本が最大 2 時間 13 分遅れ、影響した乗客は約 8 万 1,200 人に膨らんだ。 JR 東では 15 日にも小山駅(栃木県小山市)で架線が切れて信号機も故障。 東北、山形、秋田の各新幹線が最大約 4 時間止まるトラブルがあった。 国土交通省関東運輸局は 17 日午後、JR 東に二つのトラブルの原因調査と再発防止を求める警告文を出した。 JR 東によると、トラブルが起きたのは「COSMOS (コスモス)」と呼ばれるシステム。 都内の新幹線運行本部室内にあるダイヤ管理用モニター 22 台のすべてで、到着予定時刻を示す青い線が正常に表示されなくなった。 各駅に運行データがきちんと届いているか確認するため、全列車を止めたという。 JR 東は、システムのソフトに不具合があった可能性が高いとみている。 列車を止めてテストデータを送ったところ、駅の端末で適正に受信。 モニター表示も約 30 分後には正常に戻った。 このシステムは 2008 年 12 月にも人為的ミスで不具合を起こし、始発から約 3 時間にわたってすべての新幹線が止まるなど、過去にも何度かトラブルが起きている。 ソフト更新など改修直後が大半という。 しかし、担当者は「昨年 12 月のダイヤ改定以降は改修しておらず、今回は心当たりがない」と話しており、ソフトを開発したメーカーとともに調べている。 JR 東は 1995 年、新幹線網が拡大したためにコスモスを使い始めた。 運行管理や情報監視など七つのサブシステムに分かれ、新幹線の運行にかかわるすべての業務を一元管理している。 (asahi = 1-18-11) NTT ドコモ、シャープ製新端末で 110 番通じず NTT ドコモは 13 日、シャープ製のスマートフォン(多機能携帯電話)「リンクス 3D SH-03C」にソフトウエアの不具合が見つかり、約 9 万台が 110 番などの緊急通報ができない状態にあると発表した。 ドコモはダイレクトメールなどで購入者に知らせ、無償で部品交換する。 ドコモによると、通信回線を使うために端末の背面に差し込む「SIM (シム)カード」の一部をソフトウエアが読み取れず、110 番や 119 番のほか、海難事故向けの 118 番の緊急通報ができないという。 読み取れないのは 3 種類のカードのうち緑色のカードで、正常に使えるカードと無償交換する。 1 月下旬から、端末のソフトウエアを更新する作業も進める。 昨年 12 月 26 日に購入者から「110 番通報したがつながらなかった」と問い合わせがあった。 ドコモ側が原因を調べたところ、今月 11 日になって、ソフトウエアのカード読み取りに問題があることが分かった。 12 日までにほかに 2 件の指摘があったという。 リンクス 3D は冬春商戦の目玉商品として昨年 12 月 3 日に発売され、すでに約 18 万 8 千台が売れている。 (asahi = 1-13-11) 「天使の耳かき」を回収 折れて耳に残る恐れ 小林製薬 小林製薬は 11 日、耳掃除用ブラシ「天使の耳かき」を自主回収すると発表した。 ブラシの付け根にあたるワイヤ部分が折れて耳の中に残る事例が 72 件発生した。 購入した利用者が製品を送付すれば返金に応じる。 同社は「重大事故の報告はないが、安全面で万全を期した」と説明している。 天使の耳かきは 2008 年 4 月から一部店舗で 1 個 300 円(希望小売価格)で先行発売。 09 年 4 月に全国で売り出し 10 年 9 月の販売終了まで計 220 万個を出荷した。 強く押しつけたり、折り曲げたりするなど無理な使い方をした場合に破損したという。 問い合わせは小林製薬 (0120・5884・05) へ。 (asahi = 1-11-11) 食品製造元隠し頻発 スーパー PB 商品・メーカー委託品 国内で製造された菓子やパン、清涼飲料といった加工食品で、食品衛生法で義務づけられた製造工場の表示が不適切な商品が出回っていることがわかった。 消費者庁は違法行為が横行している疑いがあるとして、全国の自治体に監視強化を求める方針だ。 大手小売りの独自商品やメーカー同士の製造委託など、工場を表に出したくない商品の増加が背景にあるとみられる。 食品衛生法では、国内でつくられた加工食品の製造業者や販売業者に対し、製造業者名と工場の所在地を商品に明記するよう義務づけている。 商品が小さくて長い文字の表示が難しいときなどに限り、数字やローマ字、ひらがななどを組みあわせた「製造所固有記号」での表示を例外的に認めている。 記号と対応する工場は消費者庁に届け、製造業者や販売業者には消費者から問い合わせがあったときに回答するよう求めている。 異物混入や食中毒などが発生したとき、製造した工場をすぐに特定するためだ。 しかし昨年 9 月下旬、大手小売りのイオンが大量の記号の届け出漏れを発表。 その後、企業側から違反の報告が消費者庁に相次ぎ、大手の違反はイオンを含めて食品メーカーやスーパーなど 6 社で判明した。 このうち 1 社は商品に記号を掲載しておらず、イオンなど 5 社は記号と対応する工場を消費者庁に届けていなかった。 中小の数社からも同様の報告があったという。 消費者庁は制度が形骸化している恐れがあるとして、実態の把握を急ぐとともに、保健所を管轄する全国の自治体に監視強化を求める通知を近く出す方針だ。 イオンの本社がある千葉市の保健所はすでに文書で改善を指導した。 業者側は「チェックが甘かった(イオン)」などと主張し、意図的な工場隠しを否定する。 消費者庁も、違反を報告した企業名の公表は「必要がない」としている。 違反が起きる背景には、プライベートブランド (PB) と呼ばれる自主企画商品の広がりがあるとみられる。 小売業者の PB 商品は製造委託先の商品より安いことが多く、委託先を明記すれば、委託先の似た商品の売れゆきが鈍りかねない。 イオンの場合、PB 商品「トップバリュ」のパンや総菜など計 82 品目で、記号に対応する工場名を消費者庁に届けていなかった。 食品会社が他のメーカーに製造を委託する場合も、自社のブランドイメージを守るには、製造委託先を明らかにしないほうが都合がよいとみられる。 (内藤尚志、asahi = 1-4-11) こたつに洗濯物はキケン 出火で 5 年間 6 人死亡 こたつの中で乾かそうとした洗濯物や掛け布団から出火した火災で、過去 5 年間に 6 人が亡くなっていたことが、経済産業省所管の独立行政法人「製品評価技術基盤機構 (NITE)」の調査でわかった。 再現実験では、衣類などをこたつのヒーター部分に近づけると、約 30 分で火が出たという。 寒さが本格化する中、NITE は注意を呼びかけている。 NITE によると、こたつで起きた火災や発煙事故は、2005 - 09 年度に 170 件(死者 27 人)が発生。 このうち31 件が、こたつ内の洗濯物や掛け布団が出火元だった。 再現実験によると、ヒーター部分に近づけた衣類などは、出火直前には表面温度が 230 - 270 度に上がっていたという。 このほか、電源コードがこたつの脚などに踏まれたりして断線し、火が出た事故が 26 件(死者 7 人)あった。 NITE は、こたつを使用中に焦げ臭かったり、コードやプラグに傷があったり熱くなったりしていたら、使うのをやめてメーカーや販売店に連絡するよう求めている。 (茂木克信、asahi = 1-2-11) ホンダ、フィット 73 万台リコール 前照灯つかない恐れ ホンダは 16 日、乗用車のフィット計 73 万 4,392 台(2001 年 11 月 2 日 - 07 年 10 月 5 日製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。 配線の不具合で下向きの前照灯が点灯しなくなるおそれがあるという。 ホンダは同型車を欧米などに約 62 万台輸出しており、各国でもリコールの手続きを進める。 国交省によると、前照灯に接続する配線の長さに余裕が少ないため、上向きと下向きを切り替えた際の振動で端子が熱を帯び、プラスチック製の部品が溶けて通電しなくなる可能性がある。 これまでに 130 件の不具合情報が寄せられているが、事故は起きていないという。 (asahi = 12-16-10) パワーウインドーに子の指、危ない 消費者庁が注意喚起 車のパワーウインドーに子どもの指が挟まり、指が切断されるといった事故が相次いでいるため、消費者庁は 16 日、改めて注意を呼びかけた。 大人がパワーウインドーを操作する前に子どもの様子を確かめていれば、大半は防げたとみられるという。 消費者庁によると、10 歳未満の子どもがパワーウインドーでけがをした事故は、2005 年度以降に 18 件把握できた。 このうち詳細がわかった 7 件を分析したところ、1 歳児が自ら動かしてけがをした 1 件を除き、運転席や後部座席の大人が操作していた。 消費者庁はパワーウインドー自体の安全性を高めるため、日本自動車工業会などに対し、閉まる力をできる限り弱めることなどを求めていくことにしている。 (asahi = 12-16-10) 電圧低下 0.07 秒、月 100 億円減収の恐れ 東芝工場 「0.07 秒」の電圧低下が、日本のものづくりを揺るがしている。 8 日早朝、中部電力管内で電圧が一瞬低下。 東芝の半導体製造の主力である四日市工場が一部操業を停止した。 コスモ石油四日市製油所も操業を停止したままだ。 高い品質の電力に頼る日本の製造現場のもろさを露呈した。 東芝四日市工場は、電源を切っても記録データが保たれる「NAND 型フラッシュメモリー」を生産している。 パソコン用のメモリーカードやスマートフォン(多機能携帯電話)、デジタルカメラ向けの需要が急増し、フル操業を続けるなかで事態は起きた。 半導体工場は精密な製造装置が多く、電圧の安定した質の高い電気が欠かせない。 このため、落雷などで電圧が変動した影響を製造装置に伝えないように「UPS (無停電電源装置)」を備えるのが一般的だ。 東芝によると、四日市工場も主な製造装置に UPS を付けていたが、製造装置のあるクリーンルームの空調設備が停止。 電圧低下の落ち幅や時間が想定よりも大きく、対応しきれなかったという。 半導体製造では、ほこり一つない状態が必要だ。 いったん止まると設備の洗浄や製造途中の半製品の撤去、設備の点検を経ないと、再開できない。 東芝は現在、設備が正常に動くか確認中で「7 割程度が復旧し、10 日には通常通りの操業に戻る見通し。」 ただ、来年 1 - 2 月の出荷量は最大 2 割減る恐れがあるという。 同社は 1 - 3 月のフラッシュメモリーの売上高を約 1,700 億円と予想。 単純計算では 2 割減ると月額 100 億円程度の減収になるとみられ、業績への影響も懸念される。 コスモ石油四日市製油所では、電圧低下の影響で停電が 3 時間弱続いた。 自家発電設備は平時から動いており、非常時には完全に切り替わるはずが、この電源まで止まった。 原因を調査中だ。 中部電力によると、今回、少なくとも大口の取引先 146 件に影響が出た。 四日市火力発電所にある変電設備のスイッチの不具合が原因だが、なぜ起きたかは不明だ。 専門家の中には、精密装置は、電圧が 2 割を超えて下がり、その状態が 0.01 秒以上続くと、影響を受けやすいという見方がある。 今回は電圧が約 0.07 秒間、最大で半分程度低下したとされ、「瞬間的な電圧低下としては比較的大規模」との指摘もある。 (asahi = 12-10-10) ◇ ◇ ◇ 中部電力で電圧瞬間低下、東芝の四日市工場など操業停止 中部電力の管内で 8 日午前 5 時 20 分ごろ、電圧が瞬間的に低下し、東芝四日市工場(三重県四日市市)やコスモ石油四日市製油所(同)が操業を停止した。 東芝四日市工場は同社の半導体生産の主力拠点。 中部電によると、四日市火力発電所(同)の変電所設備で送電系統を切り替えるスイッチが故障。 三重県北部から愛知県西部、岐阜県西部の一帯の電圧が約 0.07 秒間、最大で半分程度に下がった。 東芝によると、電圧低下で半導体を製造するクリーンルームの空調設備が止まり、製造装置も停止した。 室内の設備を洗浄するなど再開へ向けた作業を急ぐ。 工場では携帯電話やデジタルカメラに使われるフラッシュメモリーを生産。 需要増に伴い無休でフル稼働していた。 コスモ石油四日市製油所も精製装置が止まったままだ。 三重県北部は工場の集積地。 三重県企業庁が運営する三重ごみ固形燃料発電所(桑名市)も停止。 中部電は東芝の工場停止を明らかにしていないが、電子部品工場 3 カ所で一部の生産ラインが停止したという。 (伊沢友之、asahi = 12-9-10) ダイハツ、2.7 万台リコール 軽ワゴンの 2 車種 ダイハツ工業は 2 日、軽ワゴン車のハイゼットとアトレーワゴン計 2 万 6,912 台(2007 年 7 月 26 日 - 08 年 1 月 31 日製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。 国交省によると、亜鉛合金製のキーシリンダーの成分に、規格の 10 - 20 倍の鉛が過って混入。 キーに水分が付いたまま差し込むとシリンダーの強度が下がり、そのまま使い続けると破損するおそれがあるという。 (asahi = 12-2-10) ホンダ二輪車「トゥデイ」、10 万台リコール ホンダが出資する中国の二輪車メーカー、新大洲本田摩托有限公司は 2 日、ホンダブランドのスクーター「トゥデイ」 10 万 1,139 台(2007 年 5 月 31 日 - 09 年 2 月 25 日製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。 国交省によると、方向指示器のスイッチ内部の部品に雨水などが入り込むと部品がさび、方向指示器が操作できなくなる恐れがあるという。 (asahi = 12-2-10) 2 代目プリウス 65 万台自主改修 トヨタ、冷却系不具合 トヨタ自動車は 30 日、ハイブリッド車「プリウス」約 65 万台のハイブリッドシステムの冷却装置に不具合が見つかったとして、自主的に改修する「サービスキャンペーン」を始めたと明らかにした。 冷却水温度が上昇して警告灯が点灯し、オーバーヒートする恐れがあるという。 対象は 2003 年 8 月 - 07 年 5 月に日本国内で製造された 2 代目プリウスで、日本が約 18 万台、北米が約 39 万台、欧州が約 7 万台など。 (asahi = 11-30-10) 子ども用いすの特徴類似 アップリカに製造販売中止命令 ![]() 子ども用いすのデザインが外国メーカーの製品に似ているとして、東京地裁は 18 日、育児用品国内大手アップリカ・チルドレンズプロダクツ(大阪市)に対し、不正競争防止法に基づき、同社製「マミーズカドル」の製造・販売中止を命じる判決を言い渡した。 原告ストッケ・エイエス(ノルウェー)の製品「トリップトラップ」と類似していると認めた。 阿部正幸裁判長は、1977 年ごろ日本国内で販売を始めたストッケ社製品は、近年は年間 4 万脚ほど売られ、雑誌にも頻繁に紹介されてきたと指摘。 アップリカ社の前身会社が販売を始めた 2005 年には、ストッケ社製は「周知の商品になっていた」とした。 その上で両製品を比べ、子どもいすには様々な形があり得る中、背もたれの角度が 66 度と 65 度、足を置く板の高さを変える溝が 14 本と 13 本と、特徴が類似すると判断した。 価格も 2 万 7 千円前後とほぼ同じなため、アップリカの小さなロゴがいすに付いていても「親が混同する恐れがある」として、アップリカ社に製造、販売、展示の中止と在庫の廃棄を命じた。 ストッケ社は、提訴した 09 年 2 月までにアップリカ社側が約 3 万脚を販売したとして 2 億円を超える損害賠償を請求。 判決は、同社が 08 年 4 月に前身会社から事業譲渡を受けてから販売した 272 脚の責任に限定し、約 244 万円の支払いを命じた。 アップリカ社は「判決文が届いていないのでコメントできない」とした。 (久木良太、asahi = 11-19-10) 折りたたみ小径自転車、強度不足 国民生活センター ![]() 直径 15 - 20 センチの小さな車輪が特徴の折りたたみ自転車は、フレームなどが強度不足で品質に問題がある - -。 国民生活センターは 18 日、そんなテスト結果を公表した。 段差を乗り上げる際に破損するケースが多く、販売業者に対し、強度を高めるよう製品の改善を求めている。 センターは、インターネットで 5 銘柄を購入。 大人の運転者を想定した 65 キロのダミー人形を乗せ、人が押しながら時速約 15 キロで走らせ、4 センチの段差を上る実験を各銘柄 3 台ずつ試みた。 その結果、5 銘柄の計 15 台すべてで、前輪とハンドルをつなぐパイプなどが折れたり、変形したりした。 パイプにはアルミ合金や樹脂が使われていた。 また、2 銘柄は購入した段階で、ブレーキのワイヤがとれていたり、ハンドルが曲がって取り付けられていたりしたほか、走行中にチェーンが切れたものもあり、品質に問題がみられた。 このタイプの自転車は玩具としても販売されている。 製造、販売業者は自転車産業振興協会などの業界団体に入っていないため、全体の流通量は把握できないという。 全国の消費生活センターには、「段差で転んで顔の骨を折った」など、同タイプの折りたたみ自転車の相談が、2005 年度以降 12 件寄せられている。 利用者に対してセンターは「製品の強度が不足しており、段差やでこぼこ道での使用は避けてほしい」と呼びかけている。 (小林未来、asahi = 11-18-10) カンタス機トラブル「タービン部品が原因」 製造元発表 【ロンドン = 伊東和貴】 オーストラリア・カンタス航空の超大型最新鋭機 A380 がエンジントラブルで緊急着陸した問題で、エンジン製造元の英ロールス・ロイス社は 12 日、エンジンのタービン部分の部品が原因だったと発表した。 この部品のため油に着火し、火災が起きたという。 同社は「今後も調査を続ける」としているが、部品を交換することで、休止が相次いでいる A380 の運航を再開できるとの見通しを示した。 (asahi = 11-12-10) ◇ ◇ ◇ シンガポール航空、エアバス超大型機のエンジン交換 【シドニー = 塚本和人】 シンガポール航空は 10 日、同航空が保有する 11 機のエアバス社の超大型最新鋭機 A380 のうち、3 機のエンジンを交換すると発表した。 A380 をめぐっては、オーストラリアのカンタス航空の同型機が 4 日、飛行中のエンジントラブルで緊急着陸し、豪州航空当局などが原因調査を進めている。 シンガポール航空によると、エンジン製造元の英ロールスロイス社から、同型機 3 機のエンジン計 3 基から「油の汚れ」が見つかり、詳細な点検を求められたため予防的措置として交換するとしている。 また、ドイツのルフトハンザ航空も 10 日、保有する 3 機の A380 のうち、1 機のエンジン交換を発表した。 (asahi = 11-11-10) ◇ ◇ ◇ A380 型機の運航一時停止 = 「重大なエンジントラブル」で - カンタス航空 【シドニー】 オーストラリアのカンタス航空は 4 日、同航空が運航する欧州航空機大手エアバスの超大型最新鋭旅客機 A380 型機で「重大なエンジントラブル」が発生したことを受け、原因がはっきりするまで、事故機を含め、運用している同型機 6 機の運航を停止すると発表した。 鳴り物入りで登場し、3 年前から商業運航が始まった A380 の安全性に対する見方が揺らいでいる。 カンタス航空によるとこの日、乗客乗員 466 人が乗ったシンガポール発シドニー行き同型機の離陸直後、4 基あるエンジンのうち 1 基でトラブルが発生し、同機はシンガポールに緊急着陸した。 けが人などは報告されていない。 カンタスのジョイス最高経営責任者 (CEO) は「カンタスの安全性要件を満たしていると完全に確信が得られるまでは A380 の運航を停止する」と述べた。 シンガポールに戻った機体は左翼内側のエンジンのカバーが一部失われた状態。 シンガポールから海峡を挟んだインドネシアのバタム島では同機が落としたものとみられる破片が発見されている。 ジョイス CEO は、問題は A380 用に開発されたエンジン自体にある可能性を指摘。 「これまでに見られなかった問題であり、深刻にとらえている」とし、エアバスやエンジンメーカーの英ロールス・ロイスなどによる原因究明を待つ考えを示した。 (jiji = 11-4-10) 三菱自動車、24 万 7 千台リコール エンストの恐れ 三菱自動車は 11 日、軽乗用車「ミニカ」など 9 車種 24 万 7,663 台(2003 年 11 月 3 日 - 05 年 8 月 4 日製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。 エンジンのオイル漏れを防ぐ部品に不具合があり、エンストするおそれがあるという。 他の対象車種は「eK-WAGON」、「eK-SPORT」、「eK-CLASSY」、「eK-ACTIVE」、「ミニキャブ」、「タウンボックス」と、同社が生産する日産ブランドの「オッティ」と「クリッパー」。 国交省によると、エンジンのシャフトからのオイル漏れを防ぐゴムと金属製の部品が変形し、すき間から徐々にオイルが漏れる可能性がある。 漏れたまま走り続けると、エンジン内部の部品が焼き付いてエンストするおそれがあるという。 974 件の不具合が報告されているが、事故は起きていないという。 (asahi = 11-11-10) J & J、使い捨てコンタクト追加回収 前回と同じ不具合 ジョンソン・エンド・ジョンソンの日本法人(本社・東京都)は 29 日、同社が輸入・販売している使い捨てコンタクトレンズの製品の一部に不具合があったとして、自主回収を始めたと発表した。 対象は「ワンデー アキュビュー トゥルーアイ」の約 36 万箱。 同社は同じ種類の製品で 8 月にも自主回収したが、ほかのロット番号の製品を検査したところ、同じ残留成分が見つかった。 前回の回収時には目への刺激、痛み、充血、周囲の腫れなど健康被害が報告されており、同社は「ただちに使用をやめてほしい」としている。 回収対象になったロット番号は、同社ホームページ (http://acuvue.jnj.co.jp) で確認できる。 連絡先は、お問い合わせセンター (0120・003・867)。 (asahi = 10-29-10) ◇ ◇ ◇ J & J が自主回収のコンタクト 健康被害 1,500 件 ジョンソン・エンド・ジョンソン社が製造し、日本法人(本社・東京)が輸入、販売している使い捨てコンタクトレンズの製品の一部に不具合があり、自主回収している問題で、同法人は 6 日、コンタクトの使用者から、8 月 19 日から 9 月 1 日までに 1,523 件の健康被害の報告があったと発表した。 うち 16 件は、角膜に潰瘍(かいよう)ができるなど、治療が必要な症状という。 回収しているのは「ワンデー アキュビュー トゥルーアイ」の一部。 今年 4 - 8 月にかけて 2 万 - 3 万人に販売されたが、自主回収を始めた 8 月 18 日以降、回収したのは約 9 千人分にとどまるという。 同社は、医師の診断によって、このコンタクトの使用が原因だった場合は、治療費の補償も含め「できる限りの対応をしたい」としている。 回収対象製品のロット番号は、同社ホームページ(http://acuvue.jp/press_release/)に掲載。 連絡先は、お問い合わせセンター (0120・003・867)。 (asahi = 9-6-10) ◇ ◇ ◇ J & J、使い捨てコンタクト 10 万箱回収 洗浄不十分 ジョンソン・エンド・ジョンソン社の日本法人(本社・東京都)は 19 日、同社が輸入、販売している使い捨てコンタクトレンズの製品の一部に不具合があったとして、自主回収を始めたと発表した。 回収するのは「ワンデー アキュビュー トゥルーアイ」の一部。 レンズ内面のカーブを表すベースカーブ (BC) 9.0 のものが対象で、今年 4 - 8 月にかけて全国に出荷された 10 万箱。 一部の製品を製造したアイルランドの工場のラインで、レンズの洗浄が不十分だったという。 同社によると「目に刺激を感じて痛かった」などの苦情が数十件あった。 重い健康被害は出ていないという。 回収対象製品のロット番号は、同社ホームページ (http://acuvue.jp/info/) で確認できる。 連絡先は、お問い合わせセンター (0120・003・867)。 (asahi = 8-19-10) 「純米」クッキー 2 商品、実は米粉 0.004% 秋田、新潟限定の土産品の焼き菓子 2 商品の原材料に米粉を 0.004% しか使っていないのに、「純米クッキー」と表示したのは消費者を誤解させるとして、消費者庁は 13 日、土産品業者の「大藤(だいとう、東京都)」に対し、景品表示法違反(優良誤認)で再発防止を命じた。 同社は「米どころの特色を出そうと、純米酒をヒントに名付けた。 米粉を原材料に使っていれば『純米』と言っていいと思った」と釈明している。 2 商品は消費者庁の調査を受けて 8 月に販売が中止された。 消費者庁によると、2 商品は「あきたこまち米使用純米クッキー」と「コシヒカリ純米クッキー」で、4 年前の発売以来、計約 2 万 6 千箱、約 2,100 万円を売り上げた。 工場での 1 回分の原材料 232 キロのうち、小麦粉 65 キロ、砂糖 48 キロに対し、あきたこまちとコシヒカリの米粉はそれぞれ 10 グラムだったという。 消費者庁は「『純米』と言うからには、原材料として最低 5、6 割は使っていないといけない」としている。 (asahi = 10-13-10) 折りたたみ自転車、重傷事故 2 件 ハンドル部分に不具合 消費者庁は 17 日、折りたたみ自転車のハンドル部分が壊れるなどの事故が 2 件あり、男性 2 人が重傷を負ったと発表した。 原因は調査中で、メーカーや製品名は公表していないが、いずれも車輪の直径が 15 - 20 センチと小さいタイプだという。 同庁によると、今年 5 月、千葉県の 50 代男性がこの自転車に乗って車道と歩道の段差を越えた際、ハンドルの軸棒が折れ曲がって転び、あごの骨が折れた。 8 月には神奈川県の 60 代男性が舗装道路を走行中にハンドルが突然下がり、転んで顔を打って首の骨を損傷したという。 (asahi = 9-18-10) 東芝ノート PC、米とカナダでリコール発表 過熱の恐れ 【ニューヨーク = 山川一基】 米消費者製品安全委員会とカナダ保健省は 2 日、東芝製のノートパソコンが過熱してやけどする恐れがあるとして、同社がリコール(回収・無償修理)すると発表した。 北米や欧州、アジアなどで販売された約 4 万 1 千台が対象で、日本は含まれていない。 リコールするのは昨年 8 月から今年 8 月までに販売された中国製の「サテライトシリーズ」 3 機種。 AC アダプターの差し込み口が過熱する可能性があるという。 利用者から熱で変形したとの報告が 129 件あり、2 人が軽いやけどをしたという。 (asahi = 9-3-10) 方向指示器のレンズ色あせ ダイハツが 58 万台リコール 方向指示器のカバーレンズが色あせする不具合があるとして、ダイハツは 2 日、軽乗用車の「ムーヴ」と「ミラ」計 58 万 1,192 台(1995 年 8 月 2 日 - 00 年 7 月 31 日製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。 国交省によると、両車種とも後部の方向指示器をカバーするだいだい色のレンズに練り込んである染料に問題があるため、長い間、紫外線にさらされるうちに色あせるものがあるという。 色があせて方向指示器の色が保安基準に合わない不具合が車検で 6 件見つかった。 事故は起きていないという。 同社は方向指示器のバルブの色を透明からだいだい色に取り換えて対応する。 (asahi = 9-2-10) 車のリコール制度全体の見直しを 消費者委、近く建議書 トヨタ自動車の大規模リコール(回収・無償修理)問題を機に、日本の自動車リコール制度の実態を調べていた内閣府の第三者組織、消費者委員会は 27 日、制度全体の見直しをはかるよう前原誠司国土交通相に建議することを決めた。 同じ車種でリコールが繰り返されるケースが目立ち、十分な対応もとられていないなど、多くの問題点が調査で浮かび上がったため。 近く、国交相に建議書を提出する。 建議は、消費者行政を監視するため昨年 9 月にできた消費者委が、政府に意見するため与えられた権限で、今回が初めての行使。 消費者庁にも国交省と情報を共有するよう建議し、両省庁には 12 月までに改善策の報告も求める。 消費者委は今年 5 月から、国交省に資料提出を求めたり、メーカーに聞き取りをしたりして調査・分析を進めてきた。 その結果、2005 - 09 年度に同省に届けられたリコール 1,518 件のうち、同じ車種で過去にリコールされていた例が 140 あった。 だが、メーカーに対応を求めるなど、行政指導をした例は 17 件にとどまっていた。 問題が発生してからリコールを国交省に届け出るまでに時間がかかり、公表が遅れる例もあった。 08 - 09 年度の国産車の届け出 416 件の中で少なくとも 34 件が、メーカーがリコールを決めてから届け出るまで 2 カ月以上かかっていて、8 件はその間に対象車に不具合が起きていた。 また、ユーザーから車の不具合情報を集める「不具合情報ホットライン」についても、09 年 4 - 9 月の間に寄せられた 1,276 件のうち 138 件が、車名や型式などの重要情報が抜けたまま集められているなど不十分だった。 (asahi = 8-27-10) とろけるチーズ 100 万個回収 同一添加物に金属片恐れ ピザやトーストに使われる小さい短冊状のチーズで、メーカー側による回収が相次いでいる。 金属片が混ざったおそれのある同一の添加物を、複数のメーカーが使っていたためだ。 回収対象の商品数は少なくとも 5 社で 100 万個を超え、大手スーパーの自主企画商品も含まれる。 複数企業による大規模回収は異例で、さらに増えることや特定の商品が品薄になる可能性もある。 短冊状にカットしたチーズは、「とろけるチーズ」として親しまれている。 添加物は粉末状のセルロースで、チーズ同士がくっつかないように加えられていた。今回問題になったセルロースは、食品メーカーの理研ビタミン(東証 2 部上場)の子会社である商社がドイツから 3 月に輸入し、計 23 社に販売したという。 明治乳業など一部のメーカーの出荷前の検査で、長さ 1 センチ程度の金属片が見つかった。 商社によると、ドイツでの製造工程でステンレスの破片が混入したようだという。 このため明治乳業が16日から、「明治ピッツァミックスチーズお徳用 300 グラム」など約 23 万個の商品の自主回収を始めた。 東京デーリー、宝幸、ユニオンチーズ、チェスコの 4 社も 18 日までに回収に乗り出した。 対象商品は 6 月下旬ごろから順次、店頭に並んだといい、賞味期限は 9 月下旬 - 12 月上旬になっている。 すでに食べられたものも多いとみられるが、消費者からの苦情はいまのところないという。 対象には、イトーヨーカ堂や西友などの自主企画(プライベートブランド)商品も含まれていた。 これらのスーパーは店頭から対象商品を撤去し始めている。 対象商品の製造を中断しているメーカーもあり、一時的に商品が手に入りにくくなる可能性もある。 理研ビタミンは、販売していた国産の乾燥ワカメに中国産が混入している可能性があるとして、7 月に自主回収をしていた。 今回の問題については「親会社として子会社の原因究明や対応策を支援している」という。 (内藤尚志、asahi = 8-19-10) ホンダ、エレメントなどリコール カギ欠陥、日本対象外 【ワシントン = 尾形聡彦】 ホンダは 9 日、車のカギを取り出す装置に欠陥があるとして、アコードなど約 43 万 4 千台を、米国やカナダなどでリコール(回収・無償修理)すると発表した。 日本にも一部対象車種が輸入されているが、「日本では米国のような不具合の訴えが出ていない」としてリコールしない。 対象はいずれも米国製の 2003 年型アコード、03 年型シビック、03 年、04 年型エレメント。 車のカギはレバーをパーキングに入れないと抜けない仕組みになっているが、カギの差し込み部分が摩耗するとパーキングに入っていなくてもカギが抜け、坂道などで車が動き出して事故につながる可能性があるという。 対象は米国が約 38 万 4 千台、カナダが約 4 万 4 千台、メキシコなどが約 6 千台。 ホンダによると、日本ではエレメントが 03 - 05 年に輸入販売され、03 年には 2 千台ほど売れたが、リコールはしない。 ホンダ広報は「日本のドライバーは教習所等でパーキングに入れてからキーを抜くという取り扱いを教わっている。 取り扱い要領通りの操作を期待できる。」と説明している。 (asahi = 8-10-10) |