進化する韓流、「韓国文化」に魅せられた日本
「こんにちは。 わたしは日本の外務大臣、前原誠司です。」 2 日、東京の中心部にある六本木ヒルズアリーナで開催された「日韓交流おまつり 2010」開幕式で、前原誠司外相 (48) があいさつした。 前原外相は参加市民約 5,000 人の前で、原稿もないまま、韓国語でスピーチを始めた。 前原外相の韓国語に、客席からは拍手と歓声が上がった。 そして、代表的な親韓派として知られる鳩山由紀夫前首相の幸夫人が韓服(韓国の民族衣装)姿でキムチ作り実演イベントに登場した。 幸さんは主催側が準備したビニール手袋をはめず、素手で辛いキムチを漬け込んだ。 「手袋をはめたら、韓国のおふくろの味がしない」からだ。 韓国語を織り交ぜあいさつした幸さんは、イベント終了後に記者らに対し、「いつも自家製キムチを食べているため、キムチ作りは難しくなかった」と言って笑った。 「おまつり」を見るため東京から 1,000 キロも離れた北海道旭川市から来たという高木美奈子さん (44) は、韓国のラーメンを段ボール 1 箱分購入、「韓国のことを知ろうと、最近、韓国語や韓国料理を習っている」と語った。 「おまつり」を企画した日本最大手の広告・イベント代理店・電通の関係者は、「『冬のソナタ』をはじめとするドラマや、ペ・ヨンジュンら一部スターに限られていた日本での韓流ブームは、今や韓国語・料理・文化などの分野へ広がり、韓国らしさを直接体験する『参加型』に進化している」と説明する。 2 日午前 11 時から午後 8 時まで、約 3 万人が参加した「おまつり」で最も人気だったのも、韓国料理体験や韓服試着だった。 参加者は韓服を試着しようと、30 分も並んで待っていた。 また、かつては韓国を紹介するイベントで無料で配られた韓国のり巻きも、1 本 700 円で食べようという列が一日中、50 メートルより短くなることはなかった。 財団法人日韓文化交流基金の説明によると、韓国語の授業を行っている日本の高校は 2000 年に約 150 校だったが、昨年はその 2 倍の 300 校を超えたという。 こうした「韓流」の進化は、日本に在住する外国人にも影響を与えている。 日本人や韓国人以外に会場を訪れた外国人は数百人に達した。 - 東京 = 権景福(クォン・ギョンボク)記者 (韓国・朝鮮日報 = 10-4-10) 小売、猛暑特需に乗りきれず コンビニ、客単価微減 日本フランチャイズチェーン協会が 22 日に発表した全国の主なコンビニエンスストア 10 社の 8 月の既存店売上高は 6,768 億円だった。 前年同月より 1.0% 増え、2 カ月続けて前年水準を上回った。 猛暑の影響で、アイスクリームや飲み物が 7 月に続いて売れ、来店客数も 2.9% 増えた。 だが、客 1 人あたりの購入金額は 1.9% 減の 565 円と、21 カ月続けて前年割れだった。 大手コンビニ幹部は「『ついで買い』してもらうためにいろいろ仕掛けてはいるが、財布のひもはまだ固い」と嘆く。 一方、日本チェーンストア協会が 22 日発表した全国のスーパー(62 社)の 8 月の既存店売上高は 1.1% 減で、21 カ月続けて前年水準を下回った。 新規出店分も含めた全店での総売上高は 3.5% 減の 1 兆 404 億円。 アイスクリームや飲み物のほか、スイカを中心に農産品の売れ行きも好調だったが、消費者は牛肉よりも豚肉を選ぶなど、売れ筋の低価格化が売り上げに響いた。 秋向きの衣料品も振るわなかった。 協会は「節約志向が続いている。 猛暑でなければ、売上高はもっと落ちこんでいた。」とみている。 (asahi = 9-22-10) ダイエー、2 千品目値下げ 前年 3 割増の売り上げ狙う ダイエーは創業 53 年となる 23 日から、全国約 320 店(傘下のグルメシティを含む)で約 2 千品目を値下げする。 約 500 品目は 10 月 26 日までの期間限定だが、約 1,500 品目は期間を定めない。 消費者の低価格志向は強いとみており、値下げとあわせて実施する 10 月 3 日までの「創業祭」では、前年水準の 3 割増の売り上げを見込む。 調味料や菓子は平均 15% ほど、衛生用品や文具は 10% ほど期間を定めず値下げする。 消費者が使う頻度が多い日用品を中心にしており、価格を下げても客 1 人あたりが買う品数は増えるとみている。 あわせてクリスマスケーキとおせち料理、年賀状の印刷の予約も 9 月 23 日から受けつける。 いずれも昨年より 1 週間ほど前倒しする。 経営再建中のダイエーは、2010 年 2 月期の連結売上高が 32 年ぶりに 1 兆円を割り込んだ。 21 日に記者会見した桑原道夫社長は「単なるセールではなく、経営計画でのとりくみを伝える機会にする」と述べた。 (asahi = 9-21-10) 「電子マネー日常的に利用」首都圏では 3 割 4 年で倍増 電子マネーを日常的に使っている人が首都圏や関西圏では 3 割に上ることが、博報堂生活総合研究所の調査でわかった。 4 年間で倍以上増えた。 1 年以内にインターネットで買い物をした人も 4 割近くいた。 支払いが素早い電子マネーや、商品を比較して購入できるネットショッピングが着実に広がっている。 調査は 2 年に 1 回で、今年は 5 月に首都圏と関西圏の 20 - 69 歳の男女 3,389 人から回答があった。 日常的に電子マネーを使っている人は、2006 年調査では 12.1% だったが、10 年は 30.0% に増えた。 コンビニエンスストアや駅など多くの場所で使えるようになり、小銭を使わずにすむ便利さが評価された。 ネットでショッピングを 1 年以内にした人は、00 年調査では 5.0% だったが、10 年は 38.3% に急増。 テレビや雑誌などの通信販売 (35.9%) を初めて上回った。 同研究所は「自宅にいながら簡単に買い物ができる新しい消費スタイルが定着しつつある」とみている。 (多田敏男、asahi = 9-20-10) 65 歳以上 2,944 万人、総人口の 23.1% に 「敬老の日」にちなみ、総務省は 19 日、わが国の高齢者の推計人口を発表した。 65 歳以上は 2,944 万人で、総人口に占める割合は 23.1% となり、人口、割合とも過去最多となった。 このうち、80 歳以上の人口は 826 万人。 前年より 38 万人増え、初めて 800 万人を超えた。 推計人口は、2005 年に行われた国勢調査を基に、毎月まとまる人口動態統計の出生・死亡者、出入国統計の出国・入国者のデータを用いてはじき出されている。 この推計によると、65 歳以上の人は、前年比で 46 万人、0.4 ポイント増えた。 男性は 1,258 万人で、男性全体の 20.3% を占め、初めて五分の一を超えた。 女性は 1,685 万人で、女性全体の 25.8% を占めた。 80 歳以上は男性 282 万人に対し、女性が 545 万人。 都道府県別人口で 4 位の愛知県(約 736 万人)より多く、3 位の大阪府(約 881 万人)をうかがう規模だ。 高齢者の家計調査(09 年調査)によると、世帯主が高齢者で無職の 2 人以上の世帯の 1 カ月の平均支出は 27 万 1 千円。 一方で、収入は 22 万 7 千円しかなく、4 万 4 千円不足している。 10 年前の調査では不足額は 1.7 万円で、高齢者の家計は年々厳しくなっているようだ。 総務省は、高齢者の世帯が預貯金などを取り崩して不足分を補っているとみているが、そうした資産も減少傾向だ。 65 歳以上の高齢者が世帯主の世帯の貯蓄を見ると、04 年の平均約 2,500 万円をピークに 09 年は同約 2,300 万円まで減り、2 年連続して減少した。 貯蓄額の高い世帯から低い世帯へ順番に並べた際に、ちょうど中央に当たる世帯の貯蓄は約 1,500 万円で、平均を下回る世帯数が多いことを示している。 こうした生活不安を反映してか、年金を受給している 65 歳 - 69 歳の就業率は、04 年ごろから上昇が続き、男性は 46.9%、女性は 26.3% が働いている。 (大久保泰、asahi = 9-19-10) 居酒屋値下げ競争、250 円均一店も 人件費削減で実現 居酒屋の値下げ競争が激しくなっている。 大手チェーンは、メニューを 200 - 300 円台の均一価格にした店を増やしている。 少人数での接客やメニューの絞り込みなど、コストを抑えることが安さの秘密だ。 消費者にとっては「ちょっと一杯」の機会が増えそうだが、現場で働く人は作業量が増えるなどうれしい話ばかりではない。 生ビールや酎ハイといった飲み物や、牛もつ煮込みやイカの丸焼きなどの食べ物が税込み 250 円。 大手のワタミが 8 月上旬、東京・五反田に出店した新店舗「仰天酒場」は、業界でも最安値水準。 客 1 人あたりの支払額は 1,800 円程度を見込む。 約 105 平方メートルに 73 席ある店内での接客は、店員 1 人で済むようにした。 客が自ら専用端末で注文し、料理ができたらカウンターまで取りに行く。 支払いもレジでの手間を省くため、プリペイドカードを導入した。 桑原豊社長は「居酒屋のファストフード版。 気軽に飲みたいというニーズを取り込みたい。」 6 - 7 年後には全国に 300 店まで広げる予定だ。 「甘太郎」を展開するコロワイドは、メニューが税込み 313 円の「うまいもん酒場えこひいき」を、北海道から兵庫まで 68 店展開している。 高いメニューもある既存店から均一価格に変えると客数が 2 - 3 割増えたため、新規出店も強化。 来年 3 月までに 100 店に増やす計画だ。 焼き肉店「牛角」で知られるレインズインターナショナルは、大半が税込み 294 円の「ぶっちぎり酒場」が 4 店ある。 昨年 12 月に東京・渋谷に出した 1 号店の面積あたりの売り上げは、客の回転がよく既存店の平均を上回った。 将来は全国 300 店に広げたい考えだ。 「白木屋」や「笑笑」などのモンテローザも、メニューが税抜き 270 円の店を出しており、昨年 9 月からは「268 円厨房うちくる」も始めた。 「東方見聞録」の三光マーケティングフーズも昨年 8 月から、税抜き 270 円均一の出店を進めている。 (asahi = 9-13-10) 猛暑だもの … 時短調理が人気 手軽さ追求・チンだけ ![]() 手間をかけずに調理できる「時短」商品が人気だ。 今夏は猛暑で火を使う料理が敬遠されたこともあり、電子レンジで「チン」するだけの商品が増加。 食品メーカーは手軽さを追求した商品を、次々と発売している。 東急ハンズ名古屋店(名古屋市中村区)には、電子レンジで色々な料理が手軽にできるシリコーン製容器の販売コーナーがある。 食材を入れて加熱。 蒸し野菜に限らず、ピラフやパスタも 20 分以内で完成。 鍋やフライパンは不要で、洗う手間も省ける。 人気はスペイン製の「ルクエ スチームケース」。 B5 サイズほどで深さ 6 センチの容器は、税込み 5,775 円。 7 月に前月比 1.4 倍の 700 個、8 月は 1,200 個が売れた。 めいらくグループ(名古屋市)は、電子レンジで温めて飲む「温める珈琲(コーヒー)」を、20 日に発売する。 湯をわかす必要はなく、コップに注いでレンジで 1 分ほど加熱するだけ。温めると味や香りが最も引き立つよう、豆をブレンドした。 1 リットルパックで、希望小売価格は税込み 200 円。 マルサンアイ(愛知県岡崎市)は、レンジは使わないが、5 分で本格的みそ汁ができる液体タイプのみそ(だし入り)を 1 日に発売した。 液体なので湯に素早く溶ける。 330 グラム入りのペットボトルで参考小売価格は税込み 300 円。 赤だしとあわせの 2 種類がある。 (信原一貴、asahi = 9-12-10) クロマグロ完全養殖、世界初の商業化へ 近大と豊田通商 豊田通商と近畿大学は 10 日、クロマグロの完全養殖技術で提携したと発表した。 従来の養殖は天然の中間魚(ヨコワ)を捕獲して育てるが、豊田通商は近畿大が世界で初めて成功した完全養殖技術を活用し、卵から孵化(ふか)させて育てたヨコワを養殖業者に販売する。 完全養殖の商業化に乗り出すのは世界初という。 豊田通商が稚魚をヨコワに育てる会社を長崎県五島市に設立し、近畿大は稚魚の提供に加えて技術支援も行う。 食料事業の強化を目指す豊田通商と、大型のいけすが多数必要なため協力企業を探していた近畿大の思惑が一致した。 クロマグロを巡っては、大西洋・地中海産の国際取引禁止が一部の国から提起された経緯がある。 乱獲で天然ヨコワが減ったり、捕獲規制が導入されたりすれば、卵から育てる完全養殖によるヨコワの需要が高まるとみられる。 (asahi = 9-10-10) 家電エコポイント、1 月からは五つ星製品に対象限定 政府は、省エネ家電に対するエコポイント制度を来年 3 月末まで延長するのに伴い、年明け以降は薄型テレビ、エアコン、冷蔵庫のポイント対象を厳しくする方針を固めた。 対象を現在の「四つ星」製品以上から、より省エネ度の高い「五つ星」製品に絞る。 経済産業省によると、薄型テレビでは、現在店頭で販売されている製品の 4 割が対象からはずれるという。 政府は追加経済対策で、年内に打ち切る予定だった家電エコポイントを来年 3 月まで延長する方針を決めた。 経産、総務、環境の 3 省は対象製品の絞り込みを検討し、直嶋正行経産相が 7 日の閣議後会見で明らかにした。 家電エコポイントの対象を決める「星」は省エネ法の基準に照らして決められ、数が多いほど消費電力量が少なく、省エネ能力が高いことを示す。 五つ星が最高で、製品カタログなどには「★★★★★」などと記載されている。 政府は現在、薄型テレビなら省エネ基準の 83% 以上の省エネ能力を持つ商品(四つ星)について、37 型なら 1 万 7 千ポイント、42 型なら 2 万 3 千ポイントを交付している。 年明け以降は、薄型テレビが省エネ基準の 100% 以上、エアコンが 109% 以上、冷蔵庫が 144% 以上の「五つ星」を対象にする。 経産省によると、家電エコポイントの予算総額は 5,267 億円。 7 月末までで半分ほどが交付されたという。 (asahi = 9-7-10) ◇ ◇ ◇ 家電エコポイント、3 カ月延長へ 対象絞り込みを検討 直嶋正行経済産業相は 31 日の閣議後記者会見で、薄型テレビなどの省エネ家電を買った際につく「家電エコポイント制度」を終了予定の今年末から 3 カ月延長し、来年 3 月まで続ける考えを示した。 延長時には対象商品は絞り込むことを検討している。 家電エコポイントの延長は住宅版ポイント制度とともに、政府が 30 日発表した追加経済対策に盛り込まれた。 直嶋氏は「最近の円高の進展を見ると、年明け以降の景気に不透明感がある。 制度が終わったあとの反落を最小限に食い止めたい」と延長の理由を説明した。 財源は 2010 年度予算の「経済危機対応・地域活性化予備費」の残額約 9,200 億円から出す方針。 家電エコポイントは、省エネ効果の高い薄型テレビやエアコン、冷蔵庫を買うと、様々な商品に交換できるポイントが取得できる。 昨年 5 月に始まり、今年末の購入分で終わる予定だった。 財政負担は月に 300 億円ほどかかる。 (asahi = 8-31-10) 「強盗だ!」覆面や悲鳴に反応する防犯カメラ セコム 警備最大手のセコムは、防犯カメラを使って自動的に強盗行為を感知して通報するシステムを 21 日に発売すると発表した。 覆面の不審者や大きな悲鳴などに反応し、通報ボタンを押さなくてもすぐに対応できる。 一般向けの本格的な強盗自動通報システムは日本初という。 防犯カメラの画像や音声をコンピューターで処理し、異常を判断する。 カメラを設置した部屋に、顔を隠した人が入ってきたり大声が発せられたりすると、警報が出て室内の画像がセコムのセンターに送られる。 複数の人間が金庫に近づくことや、人が縛られて動けなくなっている状況も自動的に検知するという。 通常より約 8 千円高い 2 万 4 千 - 3 万 8 千円程度の月額契約料で利用できる。 契約先としては企業の事務所や貴金属店、金融機関などを想定している。 オンラインの警備契約は企業向けに約 80 万件あるが、3 年間でうち約 5 万件で新システムを利用してもらうことをめざす。 (多田敏男、asahi = 9-6-10) 今年の猛暑、「30 年に一度の異常気象」 気象庁が見解 この夏の記録的な猛暑について、気象庁の異常気象分析検討会は 3 日、「30 年に一度の異常気象」との見解を発表した。 日本付近を流れる偏西風の蛇行や今春まで続いたエルニーニョ現象が主な原因という。 今後も 9 月末まで平年より気温が高い状態が続く可能性があるとの見通しを示した。 検討会によると、この夏は梅雨明け後に日本付近の上空を流れる偏西風が北側に大きく蛇行し、太平洋高気圧と大陸からのチベット高気圧の勢力が強まった。 さらに、南米ペルー沖で春まで続いたエルニーニョ現象と今夏に新たに起きたラニーニャ現象の影響が重なって、北半球の中緯度地域の空気が暖められたことが記録的な気温の上昇をもたらしたという。 検討会会長の木本昌秀・東京大学大気海洋研究所教授は記者会見で「地球温暖化の影響を考えると、近いうちに同じような猛暑を経験することもあり得る」と話した。 (asahi = 9-3-10) ◇ ◇ ◇ 今年の夏やっぱり暑かった … 113 年間の観測史上最高 気象庁は 1 日、この夏(6 - 8 月)の日本の平均気温が統計を取り始めた 1898 年以降で最も高かった、と発表した。 平年より 1.64 度高く、同庁は 3 日に専門家を集めた異常気象分析検討会を開くことを決めた。 日本の平均気温は、ヒートアイランド現象など都市化の影響が少ない全国 17 地点の平年差を平均している。 6 - 7 月の平年差はそれぞれプラス 1.24 度と 1.42 度だったが、8 月がプラス 2.25 度で、3 カ月間の平均を押し上げた。 その結果、これまでの記録だった 1994 年の平年差プラス 1.36 度を 0.28 度上回った。 気象台など全国 154 地点のデータを用いて集計した地域別でも、北海道(平年比プラス 2.3 度)、東北(同 2.3 度)、関東甲信(同 1.9 度)、北陸(同 1.8 度)、東海(同 1.6 度)で過去最高となった。 タイ記録も含めて統計開始以来最高となったのは、札幌や仙台、東京都心、名古屋、舞鶴(京都府)など北日本から西日本にかけての 61 地点に上った。 西日本は 8 月中の平均気温が平年比プラス 2.0 度となり、過去最高だった。 最高気温が 35 度以上となる猛暑日の日数は埼玉県熊谷市で計 31 日を数えるなど、富山市や大分市など 11 地点で最多を更新した。 最低気温が 25 度以上の熱帯夜も計 48 日の東京都心など、計 48 地点で統計開始以来の新記録になった。 気象庁によると、猛暑の主な原因は、梅雨明け後に日本付近の上空を流れる偏西風が北側に大きく蛇行し、太平洋高気圧の勢力が強まったためだという。 春まで続いたエルニーニョ現象で北半球の中緯度地域の気温が高くなっていたことも影響したとみられる。 同庁は少なくとも 14 日ごろまで、最高気温が 35 度前後の厳しい暑さが続くとみている。 10 月も暖かい空気に覆われて、全国的に気温が平年より高くなると予想している。 (宋光祐、asahi = 9-1-10) 返済不要の奨学金、低所得世帯の高校生向け検討 文科省 低所得世帯の高校生向けに返済不要の奨学金制度を創設するため、文部科学省は、2011 年度の予算要求に関係費用を盛り込む方針を決めた。 入学金や教科書代、学用品代など、授業料以外にかかる費用をまかなうために支給することが想定されている。 文科省は今年度、公立高校の授業料を無料にし、私立の生徒にも相当額を支援する「高校無償化制度」を始めた。 しかし、低所得世帯ではかねて自治体などの制度で授業料が免除されていることが多く、「苦しい世帯にメリットがない」、「余裕がある世帯にも支給され、逆に教育格差を広げている」との批判が出ていた。 文科省は新しい奨学金によって低所得層の就学を支援し、無償化制度の弱点を補いたい考えだ。 予算要求額は今月末に公表するという。 文科省は昨年も同様の奨学金の創設を検討。 年収 350 万円以下の世帯の高校生 45 万人を対象にするとして 10 年度予算に 123 億円を要求したが、高校無償化の予算確保を優先した結果、全額カットされた経緯がある。 今回は「再挑戦」となるが、厳しい財政事情の中、要求がそのまま認められるかどうかは不透明だ。 文科省は他にも、削減が続いてきた国立大学運営費交付金や、有利子奨学金に比べて貸出枠が小さい大学生向けの無利子奨学金の予算増も予算要求に盛り込むとしている。 (asahi = 8-26-10) 生活・政治はイマイチ? 総合国家ランキング、日本は 9 位 【ワシントン = 勝田敏彦】 米誌ニューズウィークは今週発売の号で、独自の総合国家ランキングを発表した。 教育、健康、生活の質、経済のダイナミズム、政治環境の五つの分野の指標群をもとに 100 位まで順位付けした。 1 位はフィンランドで、2 位にスイス、3 位にスウェーデンが続くなど、上位は欧州の国が占め、日本は 9 位、米国は 11 位だった。 世界保健機関 (WHO) や国連開発計画 (UNDP)、世界銀行などがまとめたデータをもとに計算したという。 フィンランドは、子どもの 3 人に 1 人が一対一で補習を受けられるなどゆったりした教育環境などが評価され、スイスは健康を筆頭にどの分野もまんべんなく高い数値を維持していた。 新興国ではブラジルが 48 位、中国は 59 位にとどまった。 同誌は「小さい国のほうが全体の底上げが容易だからだ」としている。 日本は教育や健康では世界トップ級とされたが、生活の質や政治環境での評価はやや低かった。 それでも人口 5 千万人以上の「大国」に限ったランクでは 1 位となった。 (asahi = 8-20-10) 公共料金コンビニ納付、店員の着服防げ 不正防止策導入 コンビニエンスストアの大手各社が、公共料金などの支払いを受け付ける「収納代行業務」で、店員の着服防止策を一斉に導入する。 悪質な着服例が続けて発覚したため、レジのシステムを改める。 便利さから収納代行の利用は増えているが、着服といった問題点への対応は遅れていた。 収納代行は企業や自治体が出した請求書のバーコードをレジで読み取ることで、様々な料金を払える。 金融機関のような不祥事を把握する制度がなく、着服の実態はわからないのが実情だ。 大手各社は着服例をこれまで数件ずつしか公表していない。 着服があっても、事務的なミスなどとして店側が後から料金を払うことが多かったとみられる。 各社はシステム対策を急ぐが、完全に防ぐのは難しい。 利用者は今後も、もしもの際に補償を受けられるよう、押印して請求書から切り離された領収書に加え、レジのシステムを通った証拠となるレシートも、一定期間は保管しておいた方が安心できる。 コンビニでは収納状況をシステムで随時チェックしているが、最近、着服例が相次いで表面化した。 ローソンでは今月 2 日、大分県の店舗で自動車税や国民年金保険料など計 17 件、約 75 万円をアルバイトの店員が着服していたことが発覚。 サークル K サンクスでも 7 月、東京都の加盟店主が公共料金など約 400 件(数百万円分)の着服を繰り返していたことがわかった。 店員らは手続きをするふりをしながら実際には請求書のバーコードを読み取っていなかったり、後から取引中止ボタンを押したりして、チェックをくぐり抜けていた。 レジからレシートは出ず、客には領収書だけ渡していた。 こうした手口に対し、ローソンはレジの画面で利用者が支払い内容を確認するよう、来年 3 月をめどにシステムを改める。 取引が中止されたら、自動的に本部に連絡が入る。 サークル K サンクスは 10 月、取引を中止する場合は利用者がボタンを押すようにする。 セブン-イレブンも 11 月をめどに、レジの画面で利用者に内容確認を求め、音声でも注意を促すようにする。 ファミリーマートは画面での確認機能を導入済みという。 コンビニにとって、収納代行の普及は来店客数の増加につながっている。 手数料も金額の 1% を下回る程度とはいえ、収益の柱になっている。 (多田敏男、asahi = 8-15-10) 大手スーパー、円高還元セール続々 半値の商品も 円高で輸入品の仕入れ価格が下がることを理由に、大手スーパーが、相次いで値引きセールを行う。 イトーヨーカ堂は 16 - 22 日、全国の 161 店で、食料品など約 30 品を 7 月の平均価格より 1 - 5 割ほど値下げする。 この期間内で、どんな商品をいつ値下げするかは店ごとに異なる。 首都圏では、ミネラルウオーターのクリスタルガイザー 500 ミリリットル入りを 1 本 78 円で、南アフリカ産のグレープフルーツを 16 - 17 日のみ 1 個 88 円で売る。 イオンも 16 日から、全国のジャスコ約 300 店でセールを始める。 対象は主に食料品で、最大で約 50 品。チリ産の刺し身サーモン(100 グラム)を 178 円、米国産ブロッコリー(同)を 88 円で売るなど、大半で今よりも 1 - 3 割前後の値引きをする。 対象品を順次入れ替え、少なくとも 22 日までは続けるという。 ダイエーもセールを検討する方向だ。 西友はセールの予定はないが、「円高は低価格戦略の追い風」としており、安売り攻勢を強める。 (asahi = 8-14-10) お供え用ろうそくが人気 日本酒や団子などをかたどる ![]() カップ酒の日本酒や焼酎、団子などをかたどったお供え用ろうそくが人気だ。 本物らしさに加えて、墓前に置いても、カラスや小動物に食べ散らかされる心配がないことが受けているという。 ろうそく国内最大手のカメヤマ(大阪市)が「故人の好物シリーズ」として昨年 6 月に発売。 今年 8 月、おはぎとコーラの 2 種類を加え、カレーライスやラーメンなど計 37 種類。 いずれも手のひらにおさまるサイズに縮尺されている。 日本酒のワンカップ大関、麦焼酎の二階堂のようにメーカーと共同で、実物そっくりに仕立てたものもある。 生ビールやワインは火をともすと、ガラスの器の中身が少しずつ減るという凝ったつくり。 同社の川上登総務部次長は「コーヒーは香りもたつんです」と話す。 製作のきっかけは、都市部を中心に、お菓子や果物の供物禁止の墓地や霊園が増えていることだ。 お墓参りに行く機会が少ない若者層の興味を引く狙いもあったという。 1 年間でワンカップ大関の約 4 万 4 千個をはじめ計約 22 万個が売れた。 売上高は 5 千万円超で、「予想以上の売れ行き」(川上さん)だ。 秋冬向けに、おでんや鍋焼きうどんも考案中という。 税込み 1 個 525 円 - 1,050 円。 仏壇仏具店を中心に販売している。 (伊沢友之、asahi = 8-3-10) 日本、3 年ぶり人口減 少子高齢化、自然減が最多 7 万人 総務省は 31 日、住民基本台帳に基づく 2010 年 3 月 31 日現在の人口調査結果を発表した。 全国の人口は昨年より 1 万 8,323 人少ない 1 億 2,705 万 7,860 人で、07 年以来 3 年ぶりに減少。 海外との転出入などにより 5 万 4,701 人の社会増となったが、少子高齢化が進む中、死亡者数が出生者数を上回る自然減が過去最多の 7 万 3,024 人となったことが影響した。 社会増分は前年に続き 5 万人を超えた。 総務省は「不況による企業の海外撤退で帰国者が増えたからではないか」と分析している。 市区町村を越える住所の異動も不況や高齢化の影響で低調で、転入者数(534 万 6,629 人)と転出者数(532 万 4,052 人)はともに過去最低。 自然減は 3 年連続で、出生者数(107 万 3,081 人)は 2 年続けて減ったが、死亡者数(114 万 6,105 人)が過去最多だった。 「平成の大合併」で市町村数が半減したため、市(東京 23 区を含む)の人口は初めて全体の 9 割を超えた。 3 大都市圏の人口は 6,417 万 1,324 人で、4 年連続で全国の 5 割を超えた。 都道府県別で人口が増えたのは、増加数の多い順に東京、神奈川、埼玉、千葉、愛知、沖縄、福岡、大阪、滋賀の 9 都府県。 増加率は沖縄 (0.6%) がトップで、自然増加率では 31 年連続 1 位となった。 (asahi = 8-1-10) 花火とスカイツリー、新たな風流 東京・隅田川で 2 万発 ![]() 東京の夏の風物詩「隅田川花火大会」が 31 日あり、約 2 万発の花火が下町の夜空に咲き乱れた。 今年で 33 回目。 東京都墨田区と台東区の会場には 95 万 2 千人(実行委員会発表)の観客が集まった。 会場そばには、30 日に高さ 400 メートルを超えたばかりの建設中の東京スカイツリーがある。 今年は実行委に「ツリーを背景に花火の写真を撮りたい。 いい場所はないか?」との問い合わせが多く寄せられたという。 (asahi = 7-31-10) モスが新型レストラン、値段は高め「シニア層に期待」 「アクティブシニア層は蓄えもあり、価値の高いものを必ず評価してくれるはずだ。」 モスフードサービスの桜田厚社長 (58) は、新型レストランに期待する。 子会社が東京や大阪などで 6 店舗を展開する「AEN (あえん)」をリニューアルし、50 - 70 代の元気な女性らの取り込みをめざす。 ランチで 1,600 円程度と高めだが「質の高い食材でデフレのなかでも受け入れられる」とみる。 (asahi = 7-29-10) 地デジ成功、「砂嵐」に拍手 先行移行の石川・珠洲 石川県珠洲地域で 24 日、アナログ放送が終わり、全国より 1 年先駆けて地上デジタル放送(地デジ)に完全移行した。 無償でチューナーを配るなどの国の手厚い支援もあって、順調に滑り出した。 ただ、全国的に同様の支援態勢を組むのは難しい。 残り 1 年で周知を徹底できるか、国や放送局は正念場を迎える。 「10、9、8、7 ・・・。」 この日正午、珠洲市内の施設で開かれた記念式典では、地元自治体や放送局の関係者らがカウントダウンをする中、アナログ放送を映すテレビ画面が「砂嵐」映像に変わると、会場は拍手に包まれた。 この日、総務省テレビ受信者支援センター(デジサポ)珠洲への問い合わせは、午後 8 時までに「チューナーをつけたのにテレビが映らない」など 6 件。 総務省やデジサポの担当者は「予想以上に少なかった」と胸をなで下ろす。 総務省は昨年 4 月、地デジ完全移行のモデル地区に珠洲市と隣接する能登町の一部を指定してから、1 億 8 千万円以上を投じて支援してきた。 対象 8,800 世帯のうち、希望する世帯には無料でチューナー約 4,200 台を貸し出した。 自治体の担当者が説明会を繰り返し、地元の電器店が各戸を訪問して対応状況を点検した。 昨年 7 月と今年 1 月にはアナログ放送を止める「リハーサル」まで行った。 だが、全国規模で同じような周知活動や支援を行うのは難しい。 総務省によるチューナーの無償配布は、生活保護を受ける世帯に限定されている。 電器店の各戸訪問も「都市部で家電量販店にやってもらうわけにはいかない(総務省幹部)」からだ。 もともと珠洲地域では、地デジ受信に必要な UHF アンテナを備えており、ケーブルテレビに加入している世帯も多かった。 だが、地デジへの対応が遅れている南関東では多くの世帯に UHF アンテナがない。 都市部は、集合住宅での共同アンテナの付け替えやビルの陰による受信障害など、当事者が多く複雑な問題を抱えており、珠洲よりもハードルは高い。 総務省が 23 日発表した「地デジ最終年総合対策」は、来年 7 月の完全移行前後には 20 万 - 60 万件の問い合わせが集中すると想定し、現在 75 人規模のコールセンターを 1 千人規模に拡充するとした。 臨時の相談コーナーも全国 1 千カ所程度設けることなどが柱だ。 全国で 1,100 万世帯にのぼる地デジ未対応の世帯をこの 1 年でどれだけ減らせるか。 総務省幹部は「珠洲のケースから、地元の自治体や電器店との連携が最も効果的だと分かった。 これまで以上に、地元と連携しながら対策をやっていく」と話す。 (岡林佐和、asahi = 7-24-10) ひきこもり、全国で 70 万人 内閣府調査 半年以上家にとどまる「ひきこもり」の若者は、全国に推計で 69 万 6 千人いると内閣府が公表した。 「閉じこもって外に出ない人の気持ちがわかる」などとする人も 155 万人に上った。 いずれも対人関係への苦手意識が強く、家族とのきずなも弱い傾向が浮かび上がった。 15 歳以上 39 歳以下の 5 千人を対象に 2 月に調査した。 調査員が訪問して調査票を届け、再び訪ねて回収。 回収できた約 3,300 人分の回答を分析した。 ほとんど家を出ないひきこもりは 0.61%。 趣味の用事の時だけ外出するひきこもりも 1.19% を占めた。 対象年齢の人口 3,880 万人をもとに推計すると、それぞれ 23 万 6 千人、46 万人となった。 「気持ちがわかる」などとひきこもりに共感を示すグループも 3.99% を占めた。 ひきこもりは男性が 66% に上り、始まった時期は 10 代が 3 割強だったが、30 代も 2 割以上を占めた。 きっかけを複数回答で尋ねると、「職場になじめなかった」と「就職活動がうまくいかなかった」が合わせて 44% に上り、仕事が原因のケースが多い実態が明らかになった。 一方、共感を示すグループは女性が 63%。 「生きるのが苦しいと感じることがある」など、うつ傾向や暴力傾向がみられた。 どちらも「家族に相談しても役に立たなかった」などの項目が目立ち、家族への信頼感が薄く、初対面での会話に自信が持てない傾向が表れた。 調査にかかわった高塚雄介・明星大教授は「コミュニケーションが苦手で集団場面になじめない人が社会の片隅に追いやられる様子がうかがえ、そこに向けた対策が必要だ」と指摘している。 (asahi = 7-24-10) <おれおれ詐欺> 新手口が増加 警官名乗りカード詐取 警察庁は 15 日、警察官や銀行協会職員を名乗るグループにキャッシュカードをだまし取られる被害が今年、増加傾向にあると発表した。 新手のおれおれ詐欺とみて注意を呼び掛けている。 今年上半期の振り込め詐欺発生件数は昨年同期比で 2 割以上減少しているが、この手口が増えた影響もあり、おれおれ詐欺は増加している。 警察庁によると、犯行グループは、警察官を名乗って電話で「あなたの口座に情報漏れがあり現金が引き出された。 カードを切り替えなければならないので、銀行協会の方にカードを渡してほしい」と告げ、その後、銀行協会職員役のメンバーが訪問しカードを受け取る。 聞き出した暗証番号で現金自動受払機 (ATM) から現金を引き出す手口だ。 今年目立ち始め、▽ 1 月 35 件、▽ 2 月 79 件、▽ 3 月 72 件、▽ 4 月 122 件、▽ 5 月 96 件、▽ 6 月 163 3件 - - と推移。 これまでに 53 人を窃盗容疑などで検挙している。 この手口では、振込口座は必要ない。 口座の売買に対する規制や口座凍結の仕組みが整備され、口座取得が困難になっている。 警察庁はこうした事情が新手口が広がる原因の一つとみている。 警察庁によると、今年上半期(1 - 6 月)の振り込め詐欺の発生件数は 3,235 件(09 年同期比 21.3% 減)、被害総額は 35 億 8,930 万円(同 28.8% 減)。 類型別では、▽ おれおれ詐欺 1,865 件(同 415 件増)、▽ 架空請求詐欺 1,104 件(同 289 件減)、▽ 融資保証金詐欺 206 件(同 853 件減)、▽ 還付金詐欺 60 件(同 148 件減)。 (鮎川耕史、mainichi = 7-15-10) 店内調理・ビュッフェ・冷凍 … コンビニ弁当イメチェン中 「コンビニ弁当 = できあい」のイメージを変えようと、大手チェーンが腕まくりしている。 満を持して投入するのが、店内で調理したできたて弁当や、食べごろの素材が使える冷凍弁当だ。 長引く消費不況で大手といえども売り上げは伸び悩んでいる。 主力商品のテコ入れに懸命だ。 店員が目の前でフライパンを操り、注文した「オムライス」が数分後に完成 - -。 業界 2 位のローソンは 6 月、店内で弁当を調理する店を今年度中に 200 店、5 年後には全店の 1 割にあたる 1 千店をめざして増やすと発表した。 新浪剛史社長は「『コンビニ弁当だから ・・・』と思って買っていなかった主婦や年齢の高い方にも、客層を広げたい」と話す。 サラダなどの総菜も作り、ビュッフェ形式で販売する。 昨秋から数店で実験的に始めたところ、店の売り上げが 2 割以上のびたという。 店内で弁当や総菜を調理して販売する取り組みは、中堅チェーンで広がりつつある。 しかし大手は店の数が多いだけに、店ごとに弁当の出来栄えに差が出るおそれもあって普及していなかった。 ローソンは、野菜や肉の多くを、工場で一定段階まで調理してから出荷する。 店での作業を減らしたことで、店ごとの出来栄えのばらつきを抑え、注文から数分以内で完成できるようにしたという。 一方、最大手のセブン-イレブンは、店内で揚げた鶏の空揚げ入り弁当を、東日本を中心に約 3 千店で販売中。 コロッケやメンチカツ入りのメニューを用意する店もある。 空揚げなどは、レジの横で販売する揚げ物の調理器具で作る。 注文を受けたら、店の電子レンジであたためたご飯を添える。 今後は西日本にも広げる予定だ。 業界 3 位のファミリーマートが力を注ぐのは冷凍弁当。 2 月から数店で実験的に扱っており、全国への拡大を検討中だ。 実は 1980 年代に売り始めたが、弁当をムラなく解凍するのが難しいこともあり、約 2 年前に販売を中止。 容器や具の配置の工夫で、うまく解凍できるめどが立ったため、再び挑戦することにしたという。 昨年買収した am/pm が得意な分野でもあり、蓄積していたノウハウも活用する。 冷凍の利点は、食べごろや旬の素材を使えること。 スパゲティなどパスタも、「ちょうど良いゆで具合のものが味わえる。(広報)」 コンビニにとって、利益率のよい弁当は飲み物と並ぶ稼ぎどころだ。 だが、スーパーや外食チェーンの安売り攻勢もあって、売れ行きが低迷。 業界団体の統計では、弁当を含む「日配食品」の月間売上高は 5 月まで 16 カ月続けて前年割れしている。 (内藤尚志、asahi = 7-12-10) 緑のマック・青の吉野家 外食チェーン新装いろいろ ![]() ハンバーガーやドーナツ、牛丼といったファストフード業界で、新しいデザインの店が相次いで開店している。 長年使ってきたシンボルカラーをあえて変え、新鮮味を出そうとしているのだ。 外食市場が伸び悩む中で、消費者をいかに引きつけるか。 その模索は色にも向かう。 日本ケンタッキー・フライド・チキン (KFC) は 9 日、新デザイン店を東京・渋谷にオープンする。 外壁を通常のクリーム色ではなく、銀色にした。 蒸し鶏のサンドイッチやローストチキンなど、独自のメニューもある。 今年度中に都心部に 3 - 5 店出し、将来は全店の約 1 割にあたる 100 店をめざすという。 隣には、日本マクドナルドが一足先に 4 月下旬に開いた店がある。 外観はおなじみの赤ではなく、黒に近い深緑を基調とした。 内装でも上質感を出し、メニューの多くは通常より数十円高い「高級店」。 いま東京都内に計 13 店ある。 黄色を長年メーンカラーとしていたミスタードーナツは、えんじと黒色を基調とした「カフェ アンドナンド」の出店を進める。 都心部では店内で食事をしたい客が多く、「持ち帰り中心の従来店だと収益が上がらないため、カフェと一体化させた。」 ドーナツの中心価格は 1 個あたり 180 - 280 円と、従来店の 120 - 150 円より引き上げた。 東京、横浜、大阪、札幌に現在 7 店。 福岡や名古屋にも広げたいとしており、約 50 店に増やす計画だ。 吉野家は、牛丼だけでなくそばもある「そば処吉野家」を 2007 年以降、出店している。 看板の色をオレンジから青に変え、一目で区別できるようにした。 女性や家族連れに客層が広がったという。 現在は全国に約 40 店あるが、来年 2 月までに 20 店を新たに出す計画だ。 外食チェーンは、店の外観や内装のほか、メニューや店員の制服を統一してブランドイメージをつくり、経費も抑えてきた。 各社があえて「変わりだね店」を出すのは、市場が伸び悩み、客層の拡大が課題になっているからだ。 日本フードサービス協会によると、外食産業の 09 年の売上高は 6 年ぶりに前年を下回った。 比較的堅調だったファストフード業界も 5 月の売上高は前年割れで、来店客 1 人あたりの支払う金額も下落が目立つ。 (南日慶子、内藤尚志、asahi = 7-6-10) |