ヒアリ、名古屋港で女王数十匹 「フェーズが変わった」

愛知県の名古屋港周辺が、有毒な外来種「ヒアリ」の脅威にさらされている。 大量のヒアリを産む「女王アリ」が多数見つかり、周辺地域に飛んで繁殖地を広げる恐れがあるためで、関係者は危機感を強めている。 愛知県飛島村の名古屋港飛島埠頭(ふとう)に 11 月 25 日朝、作業服とヘルメット姿の約 10 人が集まった。 ヒアリを緊急調査する環境省や名古屋港管理組合の職員らだ。 ヒアリのコロニー(集団)が見つかった場所の周辺にヒアリが好む油菓子を 6 メートル間隔で置き、30 分後にヒアリが集まっているかどうかを調べた。

この日は約 3 時間調査したもののヒアリは見つからなかったが、環境省中部地方環境事務所の遠藤洋一・野生生物課長補佐は「多くの女王アリが見つかったことで、これまでとはフェーズが変わったという危機感は関係機関で共有している」と話す。 ヒアリは非常に攻撃的で、人が刺されると激しく痛み、死ぬ場合もある。 原産地の南米では家畜のウシやニワトリを襲ったり、農作物を食い荒らしたりする。 在来種のアリを駆逐してしまう可能性もあり、もし国内に定着すると大きな悪影響が心配されている。

国内では 2017 年以来、各地の港湾などで毎年のようにヒアリが発見されている。 だが名古屋港が特に問題視されているのは、多数の女王アリが見つかったためだ。 環境省や愛知県などが 9 月に「数百匹のヒアリが見つかった」という連絡を受けて現地調査したところ、雑草を防ぐシートの下で 1 千匹以上のヒアリが集まるコロニーを見つけた。 毒針を持つ働きアリが多かったが、羽を持って繁殖能力がある女王アリ数十匹が含まれ、女王アリと交尾する雄アリもいた。 すでに卵やサナギもあったという。 名古屋港ではこれまで、コンテナ内で見つかった約 1 千匹のヒアリのうち 1 匹が女王アリだったことはあったが、数十匹の女王アリの発見は初めてだった。

女王アリと雄アリの飛行能力は 2 キロほどとされる。巣から出て「結婚飛行」と呼ばれる移動をした後、新しい巣を作るという。 遠藤さんは「確認できた個体はすべて駆除したが、女王アリが飛んでいって別の場所に巣をつくっている可能性は否定できない」と話す。 環境省は少なくとも 22 年までの 2 年間は飛島埠頭周辺の調査を続ける予定。 ヒアリは道路の舗装の継ぎ目や割れ目、草地などに巣をつくるといい、名古屋港の事業者らにこうした環境を敷地内に作らないよう呼びかけている。 (山野拓郎、asahi = 12-29-20)

ヒアリ〉 南米原産で、毒針を持つ働きアリの体長は 2.5 - 6 ミリほど。 体は赤茶色でつやがあり、腹部はやや暗めの色。 触角の先端が 2 節だけ膨らみ、体にコブが二つあるのが特徴。 刺されると焼けるような激しい痛みを感じ、かゆみやウミといった症状が出る。 人によってはじんましんが出たり、呼吸困難や血圧低下、意識障害を起こしたりして、死亡する場合もある。 外来生物法で特定外来生物に指定されている。

国内でヒアリが発見された主な経緯
2017年6月国内で初確認
9月名古屋港船見埠頭のコンテナ内で約 1 千匹を発見。 女王アリも 1 匹見つかる。
18年7月成田空港に空輸された貨物からヒアリを発見
19年9-10月東京港青海埠頭で約 50 匹の女王アリを確認。 3 匹以上の女王アリが一度に見つかるのは初めて。
20年9月名古屋港飛島埠頭の歩道や企業敷地内で 1,700 匹以上を発見。 女王アリ数十匹も確認。 数十匹単位で女王アリが見つかるのは国内 2 例目。



ヒアリくんくん探索犬 台湾から来日、国内でも活躍期待

外来種のヒアリを見つけて駆除につなげる「ヒアリ探索犬」によるデモンストレーションが 26 日、鹿児島市で開催中の日本応用動物昆虫学会にあわせて行われた。 台湾の空港や建設現場などで活躍している 2 頭で、いずれも 4 歳のメスのビーグル。 かすかなにおいを手がかりに、ヒアリの巣を探し出す。 台湾では 2003 年にヒアリが見つかった。 その後一気に生息域が広がったが、探索犬の導入が奏功し、台北市と桃園市の空港内にいたヒアリは、約 3 年でほぼ駆除することができたという。 探索犬を保有するモンスターズアグロテック社によると、探索犬になるためには、室内で半年、屋外で数カ月の訓練を重ねる必要がある。

デモンストレーションでは、六つの缶の中からヒアリのにおい物質が入った缶だけを探し当て、その場にお座りをして人に知らせた。 国内では昨年、兵庫県や大阪府、神奈川県など 12 都府県で相次いでヒアリが見つかった。 春になると再び活動が盛んになる恐れがあり、4 月以降、企業や行政の要請があれば、日本国内でも出動するという。 今回の滞在は約 1 週間。 同社の林彦宏(リンイェンホン)さん (41) は「探索犬を使えば、ヒアリを早く発見でき、小さなアリ塚も見逃さない」と話す。 (後藤一也、asahi = 3-26-18)



京都・向日市で千匹超のヒアリか 女王アリも

京都府は 12 日、南米原産の強毒アリ「ヒアリ」とみられるアリが、同府向日市で、毛布を入れたコンテナで見つかったと発表した。 千匹を超えており、うち 1 匹は女王アリとみられる。 ヒアリと確認されれば京都府では初となる。 府によると、12 日午前 9 時半ごろ、同市の倉庫業者から「開封したコンテナから疑わしいアリが出てきたので、殺虫処分した」と府に連絡があった。 府と環境省は外見などからヒアリとみて確認を進めている。 荷物は、9 月 20 日に中国の海南島にある工場から出荷され、香港でコンテナを移し替え、大阪南港で陸揚げ。向日市へ輸送されていた。 (kyodo = 10-12-17)


日中韓 外来生物対策で共同声明を採択

日中韓 3 か国の環境大臣による会合が韓国で開催され、強い毒を持つ特定外来生物の「ヒアリ」が中国から日本各地に流入しているとみられる問題を念頭に外来生物への対策に連携して取り組んでいくことを確認する共同声明を採択しました。 日本と中国、韓国の環境大臣会合は、環境分野での連携を強化するため毎年開かれていて、ことしは韓国のソウル近郊のスウォン(水原)で開催されました。

このうち、中国との会合の中で中川環境大臣は、強い毒を持ち特定外来生物に指定されている南米原産の「ヒアリ」が、中国の港から運ばれてきたコンテナから相次いで発見されている問題を取り上げ、水際での対策を求めました。 日本側によりますと、これに対して中国の李幹傑環境保護相は具体的にどのような対策が有効か、日本側と実務者レベルでの協議を加速させていきたいと応じたということです。

このあと 3 か国による共同声明が採択され、「ヒアリ」を念頭に、外来生物への対策が喫緊の課題であること、PM2.5 などによる大気汚染対策に引き続き協調して取り組むことを確認しました。 会合のあと行われた会見で中川環境大臣は「『ヒアリ』の問題は 3 か国の共通の課題だ。 中国での防除については中国とともに検討していきたい。」と述べました。 (NHK = 8-25-17)


ヒアリ、名古屋港のコンテナに 100 匹 愛知 3 例目

愛知県などは 4 日、同県弥富市の名古屋港鍋田ふ頭に陸揚げされたコンテナから、強い毒を持つ外来種のヒアリ約 100 匹が見つかったと発表した。 いずれも働きアリという。 コンテナは中国・アモイ港で貨物船に積み込まれ、7 月 12 日に名古屋港に入港。 荷物を搬出後の 8 月 2 日、同ふ頭内で業者が空のコンテナを開けたところ、床に約 20 匹の生きたアリがいた。 3 日には、約 80 匹のアリの死骸が見つかった。いずれも 4 日に環境省によってヒアリと確認された。 愛知県内でヒアリが確認されたのは 3 例目。

岐阜の約 40 匹はアカカミアリ

岐阜県は 4 日、岐阜市の運送会社の倉庫で 2 日に見つかったアリ約 40 匹について、すべてアカカミアリだったと発表した。 これまでに人的被害の報告はなく、定着したり、他の場所に広がったりした可能性も低いという。 県はヒアリの疑いもあるとして、国に特定検査を依頼していた。 (asahi = 8-5-17)


作業員、ヒアリに刺される 全国初、健康被害なし 博多

福岡市博多区の事業所の敷地内に運ばれたコンテナから 27 日、強い毒を持つ外来種のヒアリが見つかり、作業員 1 人が刺された。環境省と市が同日発表した。 作業員は発疹が出たが、健康上の問題はなく、受診後に帰宅したという。 環境省によると、ヒアリに刺された事例の報告は全国初という。 (asahi = 7-27-17)


ヒアリ、博多港でも数十匹見つかる 九州で初確認

環境省と福岡市は 21 日、博多港のコンテナターミナル(同市東区)で、強い毒を持つ外来種の「ヒアリ」数十匹が見つかったと発表した。 国内では兵庫県や大阪府、東京都などで見つかっているが、九州で確認されたのは初めて。

市などによると、21 日午前 10 時ごろ、中国・広州から陸揚げされていたコンテナの近くの地面で数十匹を発見、すべて殺処分した。 鑑定の結果、ヒアリと確認された。 周辺で巣は確認されず、市などはコンテナに入り込んでいたもので、定着している可能性は低いとみている。 ヒアリは南米原産。 赤茶色で体長は 2.5 - 6 ミリ。 攻撃性が強く、刺されると激痛が走る。 アレルギー反応のアナフィラキシーショックによる死亡例もある。 国内では、5 月に兵庫県尼崎市で初めて見つかり、神戸港や名古屋港、横浜港などで確認された。 (井上怜、asahi = 7-21-17)


ヒアリ、茨城のコンテナで 24 匹発見 内陸は 2 例目

環境省は 16 日、強い毒を持つ外来種のヒアリが茨城県常陸太田市にある工業団地のコンテナの中で見つかった、と発表した。 内陸で見つかったのは、愛知県春日井市に続いて 2 例目。 県によると、二つのコンテナから計 24 匹が見つかった。生きていたのは 1 匹で、女王アリらしい個体はなかった。

コンテナは台湾・高雄市から東京港・青海埠頭(ふとう)経由で陸送され、12 日に到着。 内部を清掃していた荷主が、死んだ個体を見つけて通報した。 コンテナには工業製品の原材料が入っていて、ヒアリの多くは包装材に付着していた。 台湾で包装された後は開封していないことなどから、県はヒアリが周囲に繁殖している可能性は低いとみている。 (asahi = 7-16-17)


ヒアリ、横浜で 700 匹超を確認 発見、5 都府県に

環境省は 14 日、横浜港の本牧ふ頭(横浜市中区)で、強い毒を持つ外来アリの「ヒアリ」を 700 匹以上確認したと発表した。 横浜港では初めて。 ヒアリの発見はこれで 5 都府県の 7 カ所に広がった。 また、神戸市の神戸港(ポートアイランド)のコンテナヤードに設置していたわなで 12 日に捕まえたアリを、ヒアリと 14 日に確認した。 6 月中旬に同港でヒアリ約 100 匹が見つかった現場の近く。

横浜港で見つかったのはコンテナヤード内のアスファルトの割れ目(縦・横 20 - 40 センチ、深さ 10 センチほど)。 500 匹以上の働きアリと、羽のあるオスが 5 - 10 匹、さなぎと幼虫がそれぞれ 100 匹以上確認できた。 女王アリはまだ見つかっていないが、巣を作って繁殖していた可能性が高いという。 すべて殺虫剤で死滅させた。

環境省は今後、現場を詳しく調べるとともに、ヒアリが見つかった場所から周囲 2 キロを調査する方針。 また、捕獲わなを設置し、アリの生息状況を踏まえた上で毒えさを置くなどの対応をするという。 ヒアリは 5 月下旬に兵庫県尼崎市で、中国からの貨物コンテナ内で国内で初めて見つかった。 その後、名古屋港や大阪南港などでも確認された。 また、東京港・青海ふ頭のコンテナヤードの舗装面の亀裂から、外来アリ「アカカミアリ」 1 千匹以上が 14 日、見つかった。 ヒアリより毒は弱いとされるが、注意が必要だという。 (asahi = 7-14-17)


名古屋港にアカカミアリ 58 匹 男性作業員刺される

愛知県は 12 日、名古屋港飛島ふ頭(同県飛島村)で毒を持つ外来種のアリ「アカカミアリ」が見つかり、その際、発見者の男性作業員が両手首を数カ所刺された、と発表した。 見つかった個体は 58 匹。 男性は病院で治療を受け、症状は軽いという。 県によると、アカカミアリは、飛島ふ頭に陸揚げされたコンテナの外側にいた。 コンテナは 1 日、フィリピン・マニラ港を出航し、9 日に名古屋港に到着。 作業員は同日夕、コンテナの陸揚げ作業時にアカカミアリを見つけ、両手首を刺された。 現場ではアリ 58 匹が見つかり、殺虫剤で全て駆除したという。

環境省によると、アカカミアリはヒアリの近縁種で、米国南部 - 中米原産。 国内では小笠原諸島の硫黄島や沖縄本島などに定着し、特定外来生物に指定されている。 攻撃的で刺されると激しい痛みが生じるが、ヒアリに比べると毒性は弱いという。 一方、愛知県は名古屋港から同県春日井市の倉庫に運ばれたコンテナ内の荷物からヒアリ 1 匹が見つかったことに関連し、同じ倉庫やコンテナ内で見つかったアリ 16 匹もヒアリと確認されたと 12 日、発表した。 (asahi = 7-12-17)


全国初、内陸部でヒアリ = 愛知・春日井市の倉庫 - 環境省

環境省は 10 日、南米原産で毒性が強い「ヒアリ」が名古屋港の飛島ふ頭(愛知県飛島村)のコンテナヤードと、荷物が搬送された内陸部の同県春日井市の倉庫で計 17 匹程度見つかったと発表した。 港湾エリア以外の内陸部でヒアリが確認されたのは全国初。 名古屋港で荷揚げされたコンテナからのヒアリ発見は 6 月 30 日に続き 2 回目。 全て働きアリという。

ヒアリは、中国広東省の南沙港から香港を経由して輸送された荷物やコンテナから見つかった。 7 月 6 日に春日井市の倉庫で、ヒアリ 1 匹が荷物に付いているのを荷主の業者が発見。 荷物が輸送されたコンテナを名古屋港で調べるとヒアリが見つかった。 環境省などは 10 日までに、春日井市の倉庫で 6 匹程度、飛島村で 11 匹を発見。 死骸で見つかったものもあり、個体数の特定は難しいという。 女王アリや巣は見つかっておらず、同省は「定着のリスクが高まったとは今のところ考えていない」としている。

ヒアリを確認した場所の周辺には殺虫餌などが設置された。同省はヒアリが見つかった東京、大阪、名古屋、神戸各港の調査範囲を今後、発見場所の半径数百メートルから 2 キロに拡大。 専門家による目視や殺虫餌の設置などを行うことにしている。 (jiji = 7-10-17)


ヒアリ新たに 100 匹以上確認 東京港で

環境省は 7 日、東京港・大井埠頭(東京都品川区)でヒアリ 1 匹が見つかったコンテナから、新たに 100 匹以上を確認したと発表した。 すべて働きアリで、女王アリや卵、さなぎなどはなかったという。 最初の 1 匹は 3 日に発見され、6 日にヒアリと確認された。 念のために 7 日にコンテナ内を調べたところ、床の上に 100 匹以上いて、ヒアリと確かめた。 すべて殺虫剤で駆除した。 このコンテナから荷出しがされた千葉県君津市で、県や市とともに、ヒアリの侵入の有無を調べる。 (asahi = 7-7-17)


ヒアリ、東京で発見 ついに関東上陸 大井埠頭のコンテナから

東京都環境局は 7 月 6 日、強い毒を持つ外来生物「ヒアリ」が東京湾の大井埠頭のコンテナ内で発見されたと発表した。 関東地方でヒアリが発見されるのは初めて。 産経ニュースによると、6 月 27 日に大井埠頭で陸揚げされた中国・三山港からのコンテナ内部からヒアリ 1 匹が確認された。 コンテナは 30 日に千葉県内の荷主に搬出され、大井埠頭に返却されたコンテナの確認作業中に発見されたという。

国内での発見は、兵庫県尼崎市、神戸市、愛知県弥富市、大阪市に続き 5 件目。 大阪市では、国内初の女王アリも見つかっていた。 環境省は「ヒアリの簡易的な見分け方」とする文書を公表して、警戒を呼びかけた。 東京都環境局は「もし発見した場合には、素手で捕まえたり触らないように注意し、お住いの区市町村や東京都環境局 (03-5388-3548) までご連絡ください」と訴えている。

ヒアリとは? 北米では死亡者も

ヒアリは南米原産の赤褐色のアリで、日本での定着は確認されていなかった。 6 月 9 日に兵庫県尼崎市で見つかったのを皮切りに、神戸港、名古屋港で働きアリが確認されていた。 毎日新聞によると、ヒアリは地面に高さ 15 - 50 センチほどの巣(アリ塚)を作り、雑食性で何度も刺す強い攻撃性を備えている。 刺されると、有毒物質のアルカロイドの作用で激しい痛みやかゆみ、発熱などを引き起こす。 人によってはアレルギー性のショック症状「アナフィラキシーショック」で呼吸困難や意識不明に陥ることもある。 ハチに刺されてアレルギー症状を起こしたことがある人は要注意だ。

ACAAI (アメリカ アレルギー・ぜん息・免疫学会)によると、アナフィラキシーショックは小児の 0.4% - 0.8% および成人の 3% で起こると推定されている。 アメリカ合衆国ではハチやヒアリなどの昆虫によるアナフィラキシーの結果で、毎年では少なくとも 90 - 100 人が死亡しているという。 この死亡者のうちヒアリが、どれくらいの割合を占めるのかは不明。 1976 年のアメリカの科学雑誌に載ったヒアリについての論文には、「アメリカ合衆国で年間に 40 人以上が亡くなっていると推定される」と書かれている。 (安藤健二、HuffPost = 7-6-17)


兵庫・尼崎のヒアリは 500 匹以上 女王アリも 2 匹

強い毒を持つ外来種のアリ「ヒアリ」が国内で相次いで見つかっている問題で、環境省は 5 日、兵庫県尼崎市で 5 月下旬に国内初確認されたコンテナ内のヒアリは 500 匹以上だったと発表した。 羽のある女王アリも含まれていたという。 発表によると、コンテナ内で死滅させたヒアリの集団を分析した結果、少なくとも女王アリが 2 匹、オスが 5 匹いたとみている。 働きアリ(メス)は 500 匹以上だったという。

発見当時から、幼虫やさなぎが混じっており、環境省は「繁殖できる個体がいることは想定されていた。 今回の確認で、国内定着のリスクが高まったわけではない」と説明している。 また同日、2 件目が見つかった神戸市の神戸港(ポートアイランド)のコンテナヤードに設置したわなで、6 月 28 日に新たに捕まえた 1 匹をヒアリと確認した。 (戸田政考、asahi = 7-5-17)


大阪港でヒアリ発見、女王アリも生息か 繁殖の可能性も

環境省と大阪市などは 4 日、大阪南港(大阪市住之江区)で、強い毒を持つ外来種の「ヒアリ」が見つかったと発表した。 国内での発見は、兵庫県尼崎市、神戸市、愛知県弥富市に続き 4 件目。 女王アリとみられる個体もいたという。 同省によると、女王アリとみられる個体が国内で見つかったのは初めて。

大阪市によると、環境省が 6 月 30 日、同港を調査したところ、香港から来たコンテナ周辺の地面から、ヒアリか、別の毒を持つ外来種アカカミアリの可能性のあるアリをまとまった数で発見。 環境省が専門家に依頼して調べたところ、7 月 3 日、一部がヒアリであることがわかった。 さらに同日、約 50 体のヒアリとみられるアリの死骸を回収。 女王アリとみられる個体も含まれていた。 同省は付近でヒアリが繁殖している可能性もあるとみて、今後、詳しい調査を進める。 (asahi = 7-4-17)


名古屋港で新たにヒアリか ヒアリに似た 20 - 30 匹駆除

名古屋港のコンテナターミナルで強い毒を持つ南米原産の「ヒアリ」が確認されたのを受け、名古屋港管理組合は 1 日、周辺を緊急調査した結果、色がヒアリと似た在来種と特定できないアリ 20 - 30 匹を発見したと明らかにした。 殺虫剤で駆除したといい、週明けの 3 日に環境省へ鑑定を依頼する。 管理組合によると、見つかったのはヒアリがいたのと同じ愛知県弥富市の「鍋田ふ頭コンテナターミナル」。 1 日はターミナルの周囲を調べ、ヒアリが見つかった場所から約 400 メートル離れた西側のフェンス周辺の草むらで発見した。 巣は確認されていない。 (kyodo = 7-1-17)


名古屋港鍋田埠頭でもヒアリ見つかる 広州発のコンテナで

環境省は 30 日、名古屋港の鍋田埠頭(愛知県弥富市)のコンテナターミナルで、強い毒を持つ外来種のアリ「ヒアリ」が見つかったと発表した。 ヒアリは 7 匹で、ターミナル管理会社が 27 日、中国・広州市の南沙港から送られたコンテナの上で見つけた。 殺虫処分した後、環境省が専門家に依頼して確認した。 発見場所付近で繁殖している可能性は低いという。 ヒアリは国内では今年 5 月、兵庫県尼崎市で初めて確認された。 6 月 16 日には神戸港で約 100 匹が見つかったことを受け、名古屋港管理組合が 21 日に、鍋田埠頭と飛島埠頭(愛知県飛島村)を調べていたが、その際は発見されなかった。

南米原産のヒアリは赤茶色で体長 2.5 - 6 ミリ。 攻撃性が高く、刺されるとやけどのような激痛が走り、アレルギー反応のアナフィラキシーショックによる死亡例もある。 環境省は「発見したら地方環境事務所などに通報してほしい」と呼びかけていた。 日本は 2005 年に特定外来生物に指定、輸入や飼育を原則、禁じている。 定着すると根絶は難しく米国や中国、オーストラリアなどに生息域が広がっている。 (asahi = 6-30-17)


大阪南港で有毒アカカミアリ発見 比からのコンテナで

大阪府などは 26 日、大阪南港(大阪市住之江区)に運び込まれたコンテナ内で、毒を持つ外来種の「アカカミアリ」を発見したと発表した。 府は、見つけても触らないよう注意を呼びかけている。

府によると、コンテナは今月 8 日フィリピン・マニラを出港し、大阪南港に到着。 その後、同府岸和田市と枚方市を経て、南港に戻った。 アカカミアリは 23 日にコンテナ内で 3 匹が発見され、さらに 26 日、コンテナが一時留め置かれていた南港の敷地内で 2 匹が捕獲された。 アカカミアリは体長 3 - 5 ミリほどで赤褐色。 腹部の毒針で刺されると激しく痛み、アレルギー反応が出る場合もある。 21 日には、神戸市の神戸港(ポートアイランド)でも確認されていた。 (asahi = 6-27-17)


神戸港、今度は有毒アカカミアリ ヒアリ緊急調査で発見

神戸市は 21 日、毒を持つ外来種のアリ「アカカミアリ」が神戸港(ポートアイランド)のコンテナヤードで見つかったと発表した。 約 100 匹がアスファルト舗装の裂け目にいたため、殺虫剤で防除した。 女王アリや卵は確認されていないという。 市によると、強い毒を持つ外来種「ヒアリ」が 16 日に同じコンテナヤードで発見されたため、市と環境省が緊急調査を実施。 ヒアリの確認地点から東に約 120 メートルの場所で 20 日に別の似たアリが見つかり、処理した上で調べたところ、21 日にアカカミアリと判明した。

環境省によると、アカカミアリは米国南部 - 中米原産で、国内では小笠原諸島・硫黄島で定着している。 本州では植物検疫で確認された例が複数あるが、生活圏で見つかったことはない。 ヒアリに比べ、毒性や人への攻撃性は弱いものの、刺されると激しい痛みを伴う。 2005 年に外来生物法に基づく特定外来生物に指定されている。 (asahi = 6-21-17)


強毒「ヒアリ」 100 匹発見 神戸港、路面の亀裂部分に

環境省は 18 日、強い毒を持つ外来種のアリ「ヒアリ」が神戸市の神戸港(ポートアイランド)のコンテナヤードで見つかったと発表した。 約 100 匹がアスファルト塗装の亀裂部分にいたという。 ヒアリは 5 月 26 日に兵庫県尼崎市で、中国からの貨物船で運ばれたコンテナ内部から国内初確認されており、環境省などが関連を調べている。

環境省によると、今回は、ヒアリが国内初確認されたコンテナが最初に荷揚げされた神戸港の一時保管場所から 20 - 30 メートルほど離れた複数箇所で発見された。 アスファルトが割れ、土が露出した部分に集団でいたのを 16 日に見つけ、18 日にヒアリと確認。 殺虫剤をまくなどの緊急防除をした。 女王アリや卵は確認できなかったという。 現場は立ち入りが規制されている区域で、住宅街から 1 キロ程度。

ヒアリは南米原産で赤茶色で体長が 2.5 - 6 ミリ。 毒針で何度も刺すほど攻撃性が高く、人が刺されるとやけどのような激痛が走り、かゆみや動悸などが引き起こされ、アナフィラキシーショックで死亡する例もある。 一度定着すると根絶は難しく、米国や中国、オーストラリアなどに生息域が広がっている。 日本は 2005 年に外来生物法に基づく特定外来生物に指定し、輸入や飼育を原則禁じるなどし、侵入を警戒してきた。

今回の発見を受けて神戸市は 18 日、久元喜造市長をトップとする対策本部を設置した。 ヒアリが見つかったコンテナヤード(14 ヘクタール)を中心に、ポートアイランド全域での生息調査の実施を検討し、的確に市民へ情報提供していくことなどを確認した。 市はこの日朝から住民に注意を呼びかけるチラシをポートアイランド内の約 7,500 戸に配布。 久元市長は「専門的な知見を総動員して国と連携し、ヒアリの上陸を阻止して市民の安全を確保しないといけない」と呼びかけた。 市はヒアリ相談テレホンセンター (078・322・6250) を設け、市民からの問い合わせを受け付けている。 (戸田政考、岩田恵実、asahi = 6-18-17)


強毒「ヒアリ」を国内初確認 刺されると激痛、死亡例も

環境省は 13 日、強い毒を持つ外来種のアリ、「ヒアリ」を国内で初確認したと発表した。 中国から貨物船で運ばれたコンテナの内部にいるのを、兵庫県尼崎市で見つけ、消毒して死滅させた。 環境省は「現時点ではヒアリが定着し繁殖している可能性は低い」としているが、念のため、周辺に侵入していないか緊急調査を始めた。

ヒアリは赤茶色で体長 2.5 - 6 ミリ。 人が刺されるとやけどのような激痛が走る。 毒針で何度も刺すほど攻撃性が高く、かゆみや動悸などが引き起こされ、アナフィラキシーショックによる死亡例もあるという。 発表によると、中国・広州市の港から出航した貨物船で運ばれたコンテナが、5 月 20 日に神戸市の神戸港(ポートアイランド)に陸揚げされて 25 日まで保管、26 日に尼崎市で積み荷を取り出す際に、内部でヒアリの集団を見つけたという。 6 月 1 日に神戸市にコンテナを移動させて消毒を始め、5 日に終えた。 (戸田政考、asahi = 6-14-17)