万博海外 11 館で工事費「未払い」 米国や中国など 協会や国へ相談 大阪・関西万博の海外パビリオンの工事費について、工事関係者から「未払い」被害の訴えが相次いでいる問題で、万博を主催する日本国際博覧会協会は 1 日、パビリオン 11 館の工事関係者から国や協会などに相談が寄せられている、と明らかにした。 協会によると、未払いについての相談が寄せられているパビリオンは、アメリカ、アンゴラ、インド、ウズベキスタン、セルビア、タイ、中国、ドイツ、ポーランド、マルタ、ルーマニアの計 11 カ国。 このうち、アンゴラとインドは協会が建物を代わりに建て参加国が内外装を手がける「タイプ X」。 それ以外の国は参加国が独自に設計・建設し、「万博の華」とも呼ばれる「タイプ A」のパビリオンだ。 問題をめぐっては、工事関係者らが 5 月に「被害者の会」を発足。 8 月 22 日にセルビア館とドイツ館を施工した大阪市内の建設会社が、元請けの東京のイベント会社に約 3 億 2,800 万円の支払いを求めて東京地裁に提訴するなど、一部では訴訟に発展するケースも見られる。 協会の高科淳副事務総長は 9 月 1 日の記者会見で、「(参加国に)法令の順守をしっかり伝えてきた中で、こういった問題が大きくなっていることについては大変遺憾で、残念だ」と述べた。 (岡純太郎、asahi = 9-1-25) 万博のチケット売上高、黒字化ラインを突破 開幕後に人気高まる 大阪・関西万博を運営する日本国際博覧会協会は 18 日、入場券の売上高が運営黒字化ラインの 969 億円を超えたことを明らかにした。 収支の黒字・赤字は公表していないが、複数の協会幹部が「(災害などによる)想定外の費用が発生しなければ、黒字になる」と口をそろえる。 前売り券の販売は目標に届かなかったが、開幕後に口コミなどで評価が高まった。 18 日の協会の発表によると、15 日時点での入場券の販売枚数は、前週より 56 万枚増え 1,866 万枚。 運営予算上は収入・支出とも 1,160 億円を想定。 入場券でその 8 割以上を占める 969 億円を見込んだ。 計算上は、約 1,800 万枚で 969 億円を超えることになっている。 18 日会見した石毛博行事務総長は、具体的な売上高は語らなかった。 不測の事態での出費がありうるとして、「黒字になったとは現時点では言えない」と慎重な姿勢を崩さなかった。 だが、黒字濃厚との見方は大阪府市や経済界だけでなく、協会内部にも広がる。 幹部の一人はお盆の休暇前、「969 億円は 8 月上旬に超えた。 100 億円ぐらいの黒字が出るかもしれない。」と語り、黒字化に自信を示した。 前評判は必ずしも高くなかった。 開幕前は、パビリオンの建設や展示内容の発信の遅れ、敷地から発生するメタンガスの爆発事故への不安などで、前売り券は販売目標の 7 割ほどにとどまった。 赤字になった場合にだれが穴埋めするのか決まっておらず、懸念材料の一つだった。 しかし、開幕すると、大屋根リングやパビリオンの評価が少しずつ高まり、入場券の販売、来場者とも伸びた。 公式キャラクター・ミャクミャクの人気もあり、おみやげ店からの売り上げ納付金やグッズのライセンス収入は予算を上回って推移している。 パーク・アンド・ライドの利用者は想定を下回り、赤字が出る可能性が高いが、それも補える見込みという。 有識者による予算執行監視委員会でも、支出がふくらんでいるとの報告は出ていない。 今後の焦点は、黒字が出た場合の使い方だ。 1970 年の大阪万博は大幅な黒字となり、基金をつくった。 運用益などを跡地に整備した公園の管理、文化事業助成などに使ってきた。 今回は、シンボルである大屋根リングを閉幕後、どの程度保存するかで協会や経済界などが協議を続けている。 大阪府市は、黒字の一部をリングの保存にあてられないか模索している。 (箱谷真司、諏訪和仁、asahi -8-18-25) 運転ストップの原因は「導電レールの停電」 大阪メトロが緊急会見で謝罪 中央線が「8 時間運転見合わせ」 約 3 万人の万博来場者の帰路を直撃 大阪メトロ中央線で 13 日夜に設備トラブルによる運転見合わせが発生し、大阪・関西万博会場の夢洲に多くの来場者が滞留した問題。 大阪メトロは 14 日午前 9 時半ごろから緊急記者会見を開き、謝罪しました。 電車に電力を供給する導電レール = 「第三軌条」が停電し、再送電を試みるも時間を要したことが、長時間の運転見合わせにつながったということです。 約 3 万人の万博来場者が夢洲に "滞留" 大阪メトロ中央線は大阪・関西万博会場に夢洲にアクセスする唯一の鉄道路線ですが、13 日午後 9 時半ごろに、夢洲駅の隣駅であるコスモスクエア駅と、大阪港駅の間で設備トラブルが発生。 午後 10 時 10 分まで約 40 分間、夢洲 - 長田間の全線で運転を見合わせたほか、その後、夢洲 - コスモスクエア間で折り返し運転を行いましたが、夢洲駅では入場規制が発生。 約 3 万人の万博来場者が夢洲に留まらざるをえない状況となりました。 中央線が全線で運転を再開したのは 14 日午前 5 時 25 分で、運転見合わせは約 8 時間に及びました。 (mbs = 8-14-25) 万博の入場券販売、1,809 万枚に 運営での「黒字化」の目安超える 大阪・関西万博の入場券の販売枚数が 8 日時点で 1,809 万枚となり、主催の日本国際博覧会協会が運営黒字化の目安とする 1,800 万枚を超えた。 協会は現在、毎週月曜日に前週金曜日までの入場券の販売実績を公表している。 11 日に公表した 8 日までの実績は、前週から約 55 万枚増え、1,809 万 5,703 枚となった。 協会は、清掃や警備、イベントなどの万博の運営費の予算は 1,160 億円とする。 このうち 8 割以上の 969 億円を入場券の販売で賄う計画だ。 運営を支える最大の収入源で、枚数にすると約 1,800 万枚になるとしてきた。 運営の収支については協会は発表しておらず、想定外の費用が生じる恐れもあるとして、「慎重にみる必要がある(幹部)」とする。 ただ、協会の副会長を務める大阪府の吉村洋文知事は 7 月末、「8 月中には損益分岐点を超え、黒字になる見込みだ」と発言した。 経済界でも、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)や大阪商工会議所の鳥井信吾会頭(サントリーホールディングス副会長)も「黒字になる」との見方を示している。 運営費とは別に、大屋根リングや場内インフラ、トイレなどをつくるための会場建設費の 2,350 億円がある。 このお金は、国と大阪府・市、経済界が 3 等分の 783 億円ずつ負担した。 予備費などを残し、ほぼ使い切っている。 会場建設費は当初の計画では 1,250 億円だったが、作業員の賃金上昇や資材の値上がりで、2 度増額し、2 倍近くの 2,350 億円になった。 (諏訪和仁、asahi = 8-11-25) ネパール館が 19 日昼にオープンへ、やっと万博の全パビリオンが開館 大阪・関西万博で、開幕からオープンできていなかったネパール館が 19 日午後 0 時半に開館することが決まった。 万博を主催する日本国際博覧会協会が 18 日、公式サイトで発表した。 会期の折り返しを経て、これで万博に出展したすべてのパビリオンが開館したことになる。 ネパール館は、開幕前の今年 1 月から建設工事が止まり、開幕後も「内装展示工事が完了していない」などとして閉館が続いていた。 ネパールのドゥルガ・バハドゥル・スベディ駐日大使などによると、パビリオン建設については同国の民間企業に差配を依頼。 この民間企業と日本国内の施工業者が協力してパビリオンの建設にあたってきた。 だが、建築物資や人手確保に手間取ったことや、伝統的なデザインを尊重するために内外装のデザインを変更したことなどから、当初から工事日程が遅れていたという。 さらに民間企業から施工業者への建設費の支払いが滞ったため、1 月ごろから建設がストップ。 ネパール政府や万博を主催する日本国際博覧会協会が調整にあたっていた。 協会によると、6 月 16 日、ネパール側から「問題が解決したので工事を再開する」と連絡があり、同日から内装の準備工事が再開していたという。 ネパール館は参加国が独自に設計し建設する「タイプ A」。 タイプ A は「万博の華」とも呼ばれ、会場の目玉の一つとなっている。 (西晃奈、甲斐江里子、asahi = 7-18-25) 万博の一般来場者が 1 千万人を突破、ブルーインパルスは 13 日も飛行 大阪・関西万博の 12 日までの一般来場者数が累計で 1 千万人を突破した。 主催する日本国際博覧会協会の 13 日の発表によると、12 日の一般来場者数は 16 万 4 千人(運営スタッフなどの関係者を含めれば 18 万 2 千人)だった。 5 日までの確定値に、それ以降の速報値を加えると一般来場者数は 1,008 万人余となり、1 千万人を超えた。 全来場者の合計は 6 月 29 日までに 1 千万人を超えていた。 158 の国と地域が参加して 4 月 13 日に開幕した大阪・関西万博は 13 日で 3 カ月の折り返しを迎えた。 航空自衛隊の曲技飛行隊「ブルーインパルス」が、前日に続いて 13 日もアクロバット飛行を披露。 来場者は、6 機の白いスモークが青空に描く弧に喝采を送っていた。 (清井聡、asahi = 7-13-25) ブルーインパルス、万博の上空で展示飛行 「ハート」など描き旋回 大阪・関西万博が 13 日で会期折り返しの開幕 3 カ月となるのを前に、航空自衛隊の曲技飛行隊「ブルーインパルス」が 12 日、万博会場の上空でアクロバット飛行を披露した。 大阪府内での展示飛行は、1990 年の国際花と緑の博覧会(花博)の開幕日以来。 多くの家族連れらが、万博のシンボル・大屋根リングの上などから飛行を見守った。 6 機のブルーインパルスはこの日午後 2 時 40 分ごろ、関西空港を離陸。大阪城など府内のランドマークを巡った後、午後 3 時ごろから 15 分ほど万博会場の上空を飛行した。 白のスモークで空にハートなどを描きながら旋回すると、会場では「おー」、「かっこいい」と歓声が上がった。 展示飛行は万博の開幕日に予定していたが、天候不良で中止に。 吉村洋文府知事ら関係者からの要請もあり、今回の飛行が実現した。 13 日も、同じルートで同じ時間帯に飛行する予定だ。 (箱谷真司、asahi = 7-12-25) 国家プロジェクトなのになぜ? 万博、海外館の未払い問題に業者悲鳴 大阪・関西万博で海外パビリオンの工事を請け負った複数の業者が、工事費の未払いを訴えている。 万博は「国家プロジェクトだ」として、主催側に解決に向けた働きかけを望んでいるが、民間企業同士の契約という事情もあり、解決策は見いだせていない。 未払いは、なぜ起きたのか。
中国館の下請け業者だった男性は 9 日、大阪市内で開いた会見で、こう訴えた。 男性は、万博の開幕に間に合わせるために昼夜を問わず働いたといい、日本国際博覧会協会などに対し、「民間の話だと突き放すのではなく、この問題にしっかりと関わって欲しい」と述べた。 少なくとも 7 カ国の工事で未払い訴え 業者らは 5 月、未払い問題の「被害者の会」を発足。 アンゴラ、マルタ、中国、ルーマニア、セルビア、ドイツ、米国の計 7 カ国のパビリオン工事に関わった業者が、未払いを訴えているという。 例えばマルタ館の工事業者は、万博開幕前に工事を終えたのに、「(発注した業者が)不合理な苦情を述べて代金を支払わない」と話す。 発注元に約 1 億 2 千万円の支払いを求め、6 月 5 日付で東京地裁に提訴した。 ルーマニア館の業者も、元請け会社から約 1 億 2,500 万円が支払われていないと主張。 工事を終えた 2 カ月後の 6 月に契約解除の書類が届き、反対に追加工事にかかった費用として、約 1 億 6,300 万円を請求されたという。 米国館の工事をめぐっては、3 次下請けの内装業者が約 2,800 万円を受け取れていないと訴える。 2 次下請けの業者からの支払いが滞り、5 月にはこの業者から「破産手続きを開始した」と連絡を受けたという。 被害者の会によると、さらに数カ国のパビリオンで、未払いが起きている可能性があるという。 多発の未払い「建設遅れ」も一因か 未払いが相次ぐ一因とみられるのが、開幕前の海外パビリオンの建設遅れだ。 前回のドバイ万博はコロナ禍などで 1 年半後ろ倒しになり、今回は準備期間が限られた。 ウクライナ危機による資材費高騰や、パビリオンの複雑なデザインも相まって、国内大手ゼネコンは受注をためらった。 主催側は開幕に間に合わせるため、幅広い業者に協力を求めた。 大阪府は建設遅れが表面化した翌月の 2023 年 8 月、中小の建設事業者などにパビリオンの工事の受注を要請している。 結果として、多くの業者の協力が得られた一方、悪質な業者などが工事にかかわる余地も広がったとみられている。 未払いが生じているというマルタなど 4 館の元請けは同じ外資系企業。 アンゴラ館では、府内の下請け業者が建設業法に基づく必要な許可を受けずに営業した疑いがあり、府が行政処分を検討している。 ある業者は「国家プロジェクトで未払いが起きるなんて、夢にも思わなかった」と話す。 万博協会「やれることに限界」 05 の愛知万博では、すべての海外パビリオンを当時の日本国際博覧会協会が建て、内外装は各国が担った。 経済産業省博覧会推進室によると、未払い問題が起きたという記録は残っていない。 府は業者に寄り添った対応をするとしているが、民間同士の契約のため「税を投入しての立て替えなどは難しい(吉村洋文知事)」という。 万博協会も業者の相談に応じるなどしているが、抜本的な解決策は打ち出せていない。 高科淳副事務総長は 7 日の会見で、「(未払い問題の)広がりはあるが、ひとつひとつは民間事業者の契約になる。 我々として権限がない以上、やれることには限界がある。」と話した。 (岡純太郎、箱谷真司、asahi = 7-9-25) 万博に京都・滋賀の 7 寺院 世界遺産も国宝も 秘仏レプリカ展示 大阪・関西万博で 2 日、京都と滋賀の 7 寺院が仏教の魅力を発信する展示を始めた。 日本国際芸術祭(夢洲新産業・都市創造機構主催)の一環。 会場では、VR (仮想現実)や 3D プリンターといった新しい技術を駆使した展示のほか、修験道のほら貝も響く。 6 日まで。 参加しているのは仁和寺、東寺、聖護院、建仁寺、泉涌寺、西本願寺、比叡山延暦寺。 西ゲートゾーンの EXPO メッセ「WASSE」にブースを出している。 仁和寺は国宝の秘仏・薬師如来坐像の原寸大レプリカ 3 体を展示した。 目の見えない人に手にとって形を感じてもらおうと、3D プリンターで作った。 滋賀県東近江市の会社員、坂上由樹さん (28) は手に取り、「近くから見ると新しい発見がある」と話した。 聖護院では採燈護摩のミニチュアのそばで、山伏姿の僧侶がほら貝を吹いていた。 「いまで言うトランシーバーみたいな通信手段です」と僧侶。 西本願寺は、最新技術を使った国宝の阿弥陀堂や御影(ごえい)堂の動画を初公開。 建仁寺は国宝の風神雷神図?風(びょうぶ)のレプリカを並べた。 東寺は国宝の五重塔をパネル展示した。 泉涌寺は国重要文化財の楊貴妃観音の 3D 画像を飾った。 延暦寺は、1,200 年以上ともされ続ける「不滅の法灯」のレプリカを展示した。 LED を使った。 今回の展示後、24 日には万博会場の EXPO ホール「シャインハット」である滋賀県デイステージでも展示する。 その際は延暦寺の根本中堂から火を分けるという。 僧侶 40 人による天台声明の披露もある。 24 日の問い合わせは事務局(06・6567・9210)。 (茶井祐輝、asahi = 7-3-25) 関西万博の来場者数、過去最多の 17 万 7 千人 「大曲の花火」が誘客 大阪・関西万博の 28 日の一般来場者数が 17 万 7 千人(速報値)となり、過去最多を更新した。 主催する日本国際博覧会協会が 29 日に発表した。 これまでの最多は 16 万 9,923 人(5 月 31 日)だった。 28 日は、日本の花火技術を発信する「Japan Fireworks Expo」の一環として秋田県の「大曲の花火」が打ち上げられ、集客につながった。 夕方から夜の混雑対応として、会場南側のウォータープラザ周辺などでは、立ち入りや退場を規制した。 協会は会期中に 2,820 万人の来場を想定。 23 日の理事会では、運営費の収支が均衡する 2,200 万人に届くよう、今後は少なくとも 1 日あたり約 13 万人の集客をめざすとした。 ただ、速報値で 24 - 26 日は 13 万人を下回り、27 日は 13 万 1 千人だった。 また協会は、運営スタッフなどの関係者を含めれば、来場者数が 29 日までに 1 千万人に達したと発表した。 (箱谷真司、asahi = 6-29-25) 日本最高峰「大曲の花火」が万博に 夜空に輝く「平和」のメッセージ 「人生で一度は見たい花火 - -。」 日本最高峰の「大曲の花火(秋田県大仙市)」が 28 日夜、大阪・関西万博の夜空を飾った。 「火薬は戦争ではなく平和のために。」 花火師たちはメッセージを込め、世界に発信した。 大曲の花火は日本一の花火師を決める頂上決戦と位置づけられ、2028 年に第 100 回記念大会を迎える。 8 月 30 日開催の第 97 回大会はネット販売で最高額 6 万円の観覧席が 1 分で完売。 「チケットの入手がもっとも困難な大会」とされる。 打ち上げたのは、地元業者の小松煙火工業、北日本花火興業、和火屋、響屋大曲煙火でつくる「大曲の花火協同組合」。 17 人の花火師がトラック 2 台とワゴン車 2 台に分乗し、12 時間余かけて会場に駆けつけた。 大曲の花火師が一堂に会し、関西で披露するのは史上初めてのことだ。 前評判を聞き、大観衆が会場を埋め尽くした。 28 日午後 7 時 45 分過ぎ、狼煙(のろし)に続き、5 分間に至高の約 1 千発を惜しみなく披露した。 第 96 回大会で内閣総理大臣賞に輝いた小松忠信さん (61) は、東京タワーの高さにまで上昇する最高難度の菊型花火「昇銀龍五重芯(ごえしん)変化菊」で観客の度肝を抜いた。 花火界 10 人目の「現代の名工」今野義和さん (61) は放射線状に光が広がる十八番の「八方咲」で魅了した。 「色彩の魔術師」と呼ばれる大阪芸術大出身の久米川和行さん (51) は発色が難しい超絶技巧の「パステル千輪菊」で驚かせた。 斎藤健太郎さん (45) は海外で注目を集める多色変化の「グラデーション」で観客の目を奪った。 組合代表理事の小松さんは「世界中から来日したお客さまに大曲の花火の芸術性、迫力を体感してもらう良い機会になった。 次は、ぜひ、本場・大曲に足を運んでいただきたい。」と話した。 (室矢英樹、asahi = 6-28-25) 万博のアンゴラ館「正式オープン」で行列に 残るはネパール館のみ 大阪・関西万博で閉館が続いていたアフリカ・アンゴラのパビリオンが 26 日、オープンした。 午前 10 時ごろに開館すると、入館を待ちわびていた人たちの行列ができていた。 アンゴラ館の担当者は朝日新聞の取材に、開幕日の 4 月 13 日は来場者の雨宿りスペースとして一部を開放したが、正式にオープンしたのは今月 26 日だと説明。 遅れた理由については「入札手続きなどの完了が遅れたため」とした。 展示のテーマは「健康教育」と「女性のエンパワーメント(力づけ)」。 マラリアにかかった経験のある女性が医療従事者となって活躍するドキュメンタリー映像や、アンゴラ出身の医療従事者らを紹介するコーナーがある。 カフェゾーンなどは今後オープンする。 アンゴラ館をめぐっては、パビリオンの工事に携わった業者らが、業者間で代金が支払われていないと訴えている。 他のパビリオンで同様の被害にあったと主張する業者らとともに「被害者の会」を立ち上げている。 万博を主催する日本国際博覧会協会によると、アンゴラ館は開幕日の 4 月 13 日に一部オープンしたものの、その後は「技術的調整」を理由に閉館していた。 海外パビリオンでこれまでにオープンしていないのはネパール館のみ。 (吉川喬、asahi = 6-26-25) 万博工事の「未払い」問題 ルーマニア、ドイツ、セルビア館でも訴え 大阪・関西万博をめぐり、パビリオンの工事代金の未払いを訴える事業者らでつくる「被害者の会」は 23 日、大阪市内で会見し、新たにルーマニア、ドイツ、セルビア館でも未払いが生じていると訴えた。 この 3 館の工事に携わった事業者 4 社が会見に同席し、今後も代金が支払われない場合は訴訟も検討する考えを示した。 会見で市内の建設会社役員は、ルーマニア館の建設工事で元請け会社から約 1 億 2,500 万円が未払いのままになっていると主張。 開幕までに工事を完了させたにもかかわらず、代金が未払いのまま今月に入って契約解除の書類が届き、反対に追加工事にかかった費用として約 1 億 6,300 万円を請求されたという。 この男性は「工事が終わって 2 カ月後に契約解除なんてあり得ず、理解できない」と訴えた。 また、ドイツ館の工事に携わった業者は元請け会社から 1 千万円が支払われていないと主張。 セルビア館の工事に関わったという業者 4 社も未払い分があると訴えている。 被害者の会は 23 日、大阪府知事宛ての要望書を提出。 「多額の未払い問題が発生し、このままでは連鎖倒産する可能性が生じている」などとして対応を求めた。 万博工事をめぐっては、これまでにアンゴラ、マルタ、中国の各パビリオンの工事に携わった業者も未払いを訴えている。 (野平悠一、asahi = 6-23-25) 万博で唯一の未オープン、ネパール館で工事再開 協会「問題が解決」 大阪・関西万博を主催する日本国際博覧会協会は 16 日、全パビリオンで唯一オープンしていないネパール館の工事がこの日再開したと明らかにした。 開館時期は分かっていないという。 協会によると、ネパール側から「問題が解決したので工事を再開する」と連絡があり、この日から内装の準備工事が始まった。 ネパール館は 1 月から建設工事が止まっていた。 ネパール大使館によると、ネパールはパビリオン建設について、同国の民間企業に差配を依頼。 この民間企業と日本国内の施工業者が協力してパビリオンの建設を進めてきた。 だが、何らかの理由で民間会社から施工業者への建設費の支払いが滞っていたという。 (西晃奈、asahi = 6-16-25) ミャクミャクグッズ、売れ筋ランキング 1 位はお菓子とフィギュア 大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」が人気だ。 さまざまなグッズやお菓子が売り出されており、万博会場では、キーホルダーやポーチを身につける人も目立っている。 会場内の公式ストアでは今、どんな商品が売れているのか。 出店している 2 社に「売れ筋トップ 5」をたずねてみた。 開場時間の 5 日午前 9 時前。 バスなどの交通ターミナルから直結する「西ゲート」をくぐった来場者が、パビリオンに向かわず、近くの公式ストア(近鉄百貨店出店)に続々と入っていく。 「万博に来るのは約 10 回目ですが、今日は買い物目的で来ました。 いま、ここでしか買えないものもあるので。」 買い物を終えた大阪市港区の会社員男性 (49) は、そう話した。 この日はミャクミャクをあしらったサングラスや靴下のほか、伸縮性のある生地でできたマスコット「のびミャクミャク(店舗限定商品)」などを計約 1 万円で購入。 これまでに累計で、約 50 点のグッズやお菓子を買ったという。 「ミャクミャクは『気持ち悪い』と批判されたこともあったので、応援したい。 私はかわいいと思います。」 この近鉄百貨店の公式ストアと、「東ゲート」近くにある大丸松坂屋百貨店が出店する公式ストアに、それぞれ売れ筋のトップ 5 (5 月下旬までの販売個数)を聞いてみた。 約 2 千種類の商品を取り扱う近鉄百貨店の公式ストアで、5 位の「<みどり製菓>ミャクミャク みすたぁわらかす」は、わらび餅とカステラを使ったお菓子で、ミャクミャクをイメージして赤色(いちご)と青色(ソーダ)に仕上げた限定商品だ。 1 位の「ミャクミャク フィギュアコレクション」。 中が見えないカプセルに全 7 種類(+ シークレット 1 種類)のいずれかのフィギュアが入っており、複数買う人も目立つという。 近鉄百貨店の広報担当者は「店舗では想定をはるかに上回る売り上げが続いている」と話す。 (箱谷真司、asahi = 6-8-25) 万博の水上ショーは当分休止 6 日も指針値の 25 倍のレジオネラ属菌 大阪・関西万博の会場(大阪市此花区)にあるウォータープラザの海水から指針値以上のレジオネラ属菌が検出された問題で、万博を主催する日本国際博覧会協会は 6 日夜、海水を使った水上ショーを当分の間休止すると発表した。 協会によると、4 日に指針値の約 20 倍のレジオネラ属菌が検出された海水について、6 日も指針値の約 25 倍の菌を検出したという。 大阪市保健所(会場衛生監視センター)に報告し、噴水停止と対策の継続について助言を受けた。 このため、水質が改善され安定的に維持管理されるまで当分の間、昼の「水と空気のシンフォニー」と夜の「アオと夜の虹のパレード」を休止するとしている。 協会は 4 日夜から水上ショーを中止。 7 日以降の再開は検査結果をふまえて判断するとしていた。 7 日以降の新たな予約受け付けは停止し、予約済みの人の手続きなどはホームページで案内している。 協会は 7 日朝、検査のためウォータープラザ中央部で海水のサンプルを採取した。 結果が出るのは 8 日以降という。 (花房吾早子、松尾葉奈、asahi =6-7-25) 万博来場者、16 万 2 千人で過去最多を更新 開幕以来初の 15 万人超 大阪・関西万博を主催する日本国際博覧会協会は 1 日、会場への 5 月 31 日の一般来場者数(速報値)が 16 万 2 千人となり、最多を更新したと発表した。 運営スタッフなどの関係者を含めれば 18 万人だった。 一般来場者数が 15 万人を超えたのは開幕以来初めて。 協会は会期中に 2,820 万人の来場を見込んでおり、1 日あたりだと約 15 万人となる。 この日、会場では夜に花火が打ち上げられるなど、夕方以降も多くのイベントが企画されていた。 また 4・5 月の来場者を対象とした通期券の割引パスコード配布の最終日だったこともあり、来場者数を押し上げたとみられる。 開幕以降、SNS 上では会場の様子に関する動画や口コミなども多く投稿されており、5 月に入り来場者が増加傾向にあった。 これまでの一般来場者数の最多は、5 月 23 日の 14 万 5,245 人だった。 (岡純太郎、asahi = 6-1-25) 万博の一般来場者数、開幕日を超える最多の 13 万 9 千人 協会発表 日本国際博覧会協会は 24 日、大阪・関西万博の 23 日の一般来場者数(速報値)が 13 万 9 千人となり、開幕日(12 万 4,339 人)以来の最多を更新したと発表した。 協会は半年間の会期中に 2,820 万人の来場を見込んでおり、1 日あたりで約 15 万人となる。 23 日の速報値では、運営スタッフなどの関係者を含めれば初めて 15 万人を超える 15 万 7 千人が来場した。ただ、一般来場者数は 15 万人には一度も届いていない。 (箱谷真司、asahi = 5-24-25) 万博でユスリカ大量発生、大屋根リングにもびっしり 防虫対策に躍起 大阪・関西万博の会場で、蚊に似ているユスリカが大量に発生している。 会場内のあちこちでまとまって飛んでおり、来場者に不快感を与えるとして、主催する日本国際博覧会協会が防虫対策にのりだしている。 協会の高科淳副事務総長が 20 日の記者会見で、ユスリカは噴水ショーなどがある会場南側の「ウォータープラザ」を中心に発生していると説明。 大屋根リングの柱に大量に張り付いていたり、夕方以降に電灯の近くに集まっていたりする。 協会は、発生源とみられる水たまりや植栽に薬剤を投入し、繁殖を抑える対策を講じている。 また、パビリオンや店舗に入らないよう、殺虫剤を散布し、殺虫ライトも設置している。 大阪府環境衛生課によると、ユスリカは人を刺すことはない。 ダニと同じように、死骸がぜんそくなどのアレルギーの原因にもなる。 水が滞留している場所で繁殖しやすく、夏場は特に多くなるため、今後さらに増える恐れもあるという。 高科氏は「対策の効果を見極めないといけないタイミングと思っている」と説明。 「専門の業者にも意見を聞き、さらなる対策を検討している」とした。 (箱谷真司、asahi = 5-20-25) 万博閉場、22 時 → 23 時へ延長案 来場者増へ国際機関と大阪府市 大阪・関西万博をめぐり、万博の国際機関である博覧会国際事務局 (BIE) や大阪府・市が、来場者の拡大のため、閉場時間を 1 時間ほど延ばす案を検討していることがわかった。 万博を主催する日本国際博覧会協会に提案する方向で調整している。 ただ、帰りの交通機関や会場運営にも影響を与えるため、今後議論を呼びそうだ。 現在の開場時間は午前 9 時 - 午後 10 時。複数の関係者によると、17 日にあった BIE のケルケンツェス事務局長と大阪府の吉村洋文知事、大阪市の横山英幸市長らの会談で、閉場時間の午後 11 時ごろへの延長に向けて意見が交わされたという。 午前は「満員」、でも来場者想定届かず危機感 背景には、来場者が午前に偏る現状への危機感がある。 今回の万博では、来場日時の予約が原則だ。 だが 5 月に入り、午前中の予約枠が満員になる日もあり「事実上、入場制限がかかっている状況(吉村知事)」だ。 一方で、開幕からの来場者数は準備段階での想定人数(1 日平均 15 万人)には届いていない。 大阪府市は協会に入場枠の拡大を求めているが、会場は人工島でアクセスが限られ、輸送能力の制約などで限度がある。 そこで注目したのが、夜の来場者を増やすことだった。 横山市長は 8 日の記者会見で、午前中に入場できないことや、パビリオンの予約が取れないことで来場をあきらめる人が出かねないとし、「夜の万博を含む多様な楽しみ方を、積極的に発信する」と述べていた。 夜の来場者を増やすことは協会も意識している。 7 日には、それまで午後 5 時からだった夜間券の入場可能時間を午後 4 時からに繰り上げた。 会場に近接する大阪メトロ中央線・夢洲(ゆめしま)駅から大阪市中心部への電車は、午前 0 時過ぎまである。 ただ、閉場時間を延ばせば、来場者の交通手段やスタッフの配置なども再検討する必要がある。 運営の費用にも影響を与え、課題は多いのが実情だ。 (西村宏治、岡純太郎、asahi = 5-18-25) 「朝鮮通信使船」 261 年ぶりに大阪入港 … 万博の韓国ナショナルデーにあわせ復元 江戸時代に朝鮮王朝が日本に派遣した「朝鮮通信使船」の復元船が、大阪・関西万博にあわせて、会場に近い大阪・南港(大阪市住之江区)に入港した。 万博開幕 1 か月の 13 日は、韓国の「ナショナルデー」に当たり、この日、南港の岸壁で記念式典が開かれた。 通信使船が大阪に来航するのは 261 年ぶりとなる。 朝鮮通信使は、室町時代に始まった外交使節団で、江戸時代まで計 12 回派遣された。 朝鮮通信使船が大坂(大阪)を訪れたのは 11 回目 (1764 年)が最後。 復元船は全長 34.5 メートル、149 トンで、韓国の国立海洋遺産研究所が 2018 年、原寸大で建造した。 日韓国交正常化 60 年で万博開催中でもある今回は、同研究所の研究員ら 8 人が乗り込み、4 月 28 日に韓国・釜山を出発。 対馬(長崎県)、鞆の浦(広島県)などかつての寄港地を訪ね、今月 11 日に大阪に到着した。 入港式では、韓国の伝統的な楽器の演奏が披露され、韓国・国家遺産庁の 崔應天(チェウンチョン)庁長は「通信使船は日本と韓国の人の心をつなぐ架け橋。 大阪に再びいかりを下ろすことができ、感動している。」と話した。 朝鮮通信使はかつて、大阪で日本側が用意した 川御座船(かわござぶね)に乗り換え、多くの船とともに華々しく京都に向かった。 14 日には、大阪の市民団体などが協力し、数隻の船で京都・伏見まで航行する予定。 復元船は 16 日朝まで南港に停泊した後、釜山に戻る。 (yomiuri = 5-13-25) 大屋根リングで 1 万 2,269 人が「星条旗よ永遠なれ」 … 「最大のマーチングバンド」のギネス記録認定 大阪・関西万博会場(大阪市此花区)の大屋根リングで 11 日、関西を中心に集まった 1 万 2,269 人が行進曲「星条旗よ永遠なれ」などを演奏し、「最大のマーチングバンド」としてギネス世界記録に認定された。 吹奏楽の祭典「ブラスエキスポ 2025(関西吹奏楽連盟など主催)」の一環として企画。 小中高校など約 300 校の吹奏楽部や一般の楽団から演奏者が色とりどりの衣装や制服で参加し、1 周 2 キロの大屋根リングを時計回りに行進しながら 10 分以上、管楽器や打楽器によるハーモニーを響かせた。 ギネス世界記録の認定には、▽ 曲を 5 分以上演奏、▽ 400 メートル以上を行進――などの条件があり、公式認定員が確認。 演奏後に新記録として認められると、参加者らは拍手をして喜びを分かち合った。 これまでの記録は、1997 年のブラスエキスポで達成された 1 万 1,157 人だった。 (yomiuri = 5-11-25) |