マウイ島山火事、死者 110 人に 消火活動続く 米ハワイ州のグリーン知事は 16 日、マウイ島で発生した山火事の死者が 110 人に達したと明らかにした。 消火活動は継続中。 原因はまだ特定されていないものの、強風にさらされた送電線が西部ラハイナ地区の山火事の原因になったとして集団訴訟が起こされた。 マウイ郡当局によると、15 日時点でラハイナの火災の 85%、同島内陸部クラの火災の 60% で封じ込めに成功した。 数日間閉鎖されていたラハイナ地区に通じるバイパス道路の通行は 16 日に再開した。 グリーン氏によると、避難を余儀なくされている全住民にホテルや民泊施設での滞在が提供される。 被災地の一部では水道水は飲まないよう勧告が出されている。 バイデン米大統領夫妻は 21 日にマウイ島を視察する予定。 今回の山火事の原因をめぐっては、強風により危険な状況だったにもかかわらず、送電線の通電を停止させなかったとして、米電力会社ハワイアン・エレクトリックの対応に疑問の目が向けられている。 同社は火災が発生する数時間前に、送電線で複数の大規模な障害(フォルト)を検知していたという。 米エネルギー省によると、フォルトとは電気系統への過電流を引き起こす「短絡(ショート)、または部分的な短絡」にあたる。 週末に起こされた集団訴訟では、山火事の原因はハワイアン・エレクトリックの通電していた電線が原因だと主張。 「電柱や電線が倒れ、草木や地面と接触していることを知っていたにもかかわらず、通電を停止することを選択しなかった」と指摘している。 同社のジム・ケリー副社長は CNN に、係争中の訴訟についてはコメントしないと述べた。 (CNN = 8-17-23) ハワイ山火事 日本政府が約 2 億 9,000 万円支援を発表 アメリカ・ハワイ州のマウイ島で山火事が発生してから 1 週間となる中、日本政府は、総額 200 万ドル(約 2 億 9,000 万円)規模の支援を行うことを決定した。 林外相が 16 日、明らかにしたもので、日本政府が決めたハワイ山火事の被災者の救援支援は、総額 200 万ドル規模。 被災地で活動を行うアメリカ赤十字に対し、無償資金協力予算から 150 万ドル(約 2 億 2,000 万円)の資金を提供し、被災地の安全な避難場所、食料、被災者への精神的なサポートの提供を行う。 また、現地のニーズを踏まえた被災者支援を行うため、NPO 法人「ジャパン・プラットフォーム」を通じ 50 万ドル(約 7,000 万円)を支援する。 林外相は、「被災者の救済と被災地の一日も早い復興に向けて、積極的に支援を行っていく」と強調した。 (FNN = 8-16-23) 「1,300 人連絡取れず」情報 マウイ火事、住民が電力会社を提訴 米ハワイ州マウイ島で起きた大規模な山火事で、同州のグリーン知事は 14 日の記者会見で、現地時間同日午後時点で死者数が 99 人になったと明らかにした。 出火原因は特定されていないものの、地元の電力会社の対応を批判する声が強まっている。 グリーン氏は同日の米 CNN のインタビューで、通信環境の問題などもあり、「1,300 人と連絡が取れないとの情報もある」と言及。 犠牲者数については「推測はしたくないが、この 1 日で 15 人増えており、今後 10 日で 2 倍になる可能性もある」と話した。 知事によると、火災で家を失った人向けに、ホテルや米民泊仲介大手 Airbnb (エアビーアンドビー)などあわせて約 2 千室を確保したという。 日本の松野博一官房長官は 15 日の記者会見で、「在留邦人の住宅が被災したとの情報はあるが、生命、身体に被害が及んでいるとの情報には接していない」と述べた。 一方、甚大な被害が出たマウイ島西部ラハイナの住民らは 12 日、現地の電力会社ハワイアン・エレクトリック・インダストリーズ (HEI) などを相手取り集団訴訟を起こした。 原告側は訴状で、強風で電力網が損傷し火災につながるリスクがありながら、同社が送電を止めなかったことが大規模な火災につながったと主張している。 同社の株価は 14 日、前週末から 3 割以上下落した。 2018 年に米カリフォルニア州で起きた 85 人が犠牲になった山火事では、地元の電力会社 PG & E が山間部に引いていた送電線が原因だった。 州当局は 19 年 5 月の調査結果で、破損した送電線から出火し、乾燥していた山林に引火して一気に燃え広がったと指摘した。 同社は 19 年 1 月に米連邦破産法 11 条の適用を申請している。 山火事を避けるため、「計画停電」を取り入れている電力会社もあるが、今回のマウイ島の山火事で計画停電は実施されていなかった。 HEI の子会社、ハワイアン・エレクトリックのシェリー・キムラ最高経営責任者 (CEO) は 14 日の会見で「(山火事が)起きたばかりで、すべての情報を精査しているところだ」と言及。 計画停電については、医療機器を使う患者や消防用のポンプの電源への影響などから、おこなっていないと説明した。 (サンフランシスコ = 五十嵐大介、asahi = 8-16-23) ハワイの山火事、なぜ大惨事に? 州史上最悪の災害を解く 4 つの疑問 米ハワイ州のマウイ島を襲った山火事は、多くの犠牲者を出し、歴史的な町に甚大な被害をもたらしました。 1959 年に米国 50 番目の州となって以来の、最悪の自然災害だと言われています。 なぜ、ここまで被害が拡大したのか - -。 これまでに判明していることをまとめました。
死者 80 人に 警察「行方不明者数、正直わからない」 ハワイ山火事 米ハワイ州のマウイ島で起きた大規模な山火事で、マウイ郡当局は 11 日午後 9 時(日本時間 12 日午後 4 時)時点で、確認された死者数は 80 人になったと発表した。 グリーン州知事は同日の米 CNN の番組で、屋外の犠牲者しか発見できておらず、焼失した家屋内の捜索が進めば死者は大幅に増える可能性があると指摘していた。 消火活動は依然続いており、被害の全容はわかっていない。 地元の警察幹部は 10 日の記者会見で行方不明者の数を問われ、「率直に言ってわからない。 電気もインターネットも無線もない。 そうした基本的なものが戻るまで把握できない。」と述べた。 グリーン州知事は 11 日、フェイスブックへの投稿で、建物の被害は 1 千棟を超えると明らかにした。 「ハワイは閉鎖されていない」 オアフ島は観光客受け入れ かつてのハワイ王国の首都で、観光地としても知られるマウイ島西部の町ラハイナは今回、最も壊滅的な被害を受けた。 多くの建物が焼け落ち、停電や断水が続き、立ち入りが制限されている。 CNN によると、地元のフードバンクには食料を求める人が殺到しているという。 地元の電力会社によると、マウイ島では 11 日午前の時点で 1 万 1 千軒で停電している。 米 NBC によると、アメリカン航空やユナイテッド航空は 10日、観光客をマウイ島から島外に避難させるための航空機を現地に送った。 マウイ郡当局によると、この日 1 万 4,900 人の一時滞在者がマウイ島を離れた。 一方、ハワイ州産業経済開発観光局のトキオカ局長は 10 日の CNN の番組で「壊滅的な被害を受けたのはマウイ西部で、ハワイ州全体が閉鎖されたわけではない。 ワイキキビーチがあるオアフ島は開かれており、空室もある」などと語り、被害地域以外では観光客を受け入れていると強調した。 地元住民からは、火災の発生当初、警報サイレンが鳴らず、避難が遅れたという批判が出ている。 これに対し、マウイ郡のビッセン郡長は NBC に「すべてがあっという間に起こった。 サイレンが鳴ったか鳴らなかったはコメントできないが、火災があっという間に発生し、あっという間に燃え広がったことは確かだ。」と述べた。 グリーン州知事は、初期対応を検証するとした。 マウイ郡当局は、現地時間の 11 日正午から、居住証明ができる住民やホテルの予約証明を持っている滞在者に、ラハイナへの立ち入りを認めた。 自宅の被害状況を確認してもらうことなどが目的で、午後 10 時 - 午前 6 時は封鎖する。 グリーン氏は「復興は非常に複雑なものになる。 皆さんには、自宅に戻って(被害状況を)評価するため、できることをしてもらいたい。」と述べた。 (ワシントン = 下司佳代子、asahi = 8-12-23) 避難指示が遅れ犠牲拡大か 警報システムも動かず? ハワイ山火事 ハワイのマウイ島が大規模な山火事に見舞われ、少なくとも 55 人が命を落とした。 犠牲者はさらに増えると伝えられている。 火は強風にあおられて急速に市街地へ広がり、避難の指示が十分に行き渡らなかったとみられている。 マウイ市のフェイスブックやホームページによると、8 日に複数の山火事が発生。 このうちの一つは午前 6 時 37 分、ラハイナ近郊の海岸から 2 キロあまり離れた場所で確認され、付近の住民に対して避難命令が出された。 午前 9 時 55 分に、消防隊は「火災は 100% 鎮火された」といったん発表した。 このころ避難所には 2 人しかいなかったという。 しかし、鎮火は完全でなかった。 ハリケーンの強風で燃え広がる ハワイの山火事、海に飛び込んだ人も マウイ市は午後 4 時 45 分、火災が再び広がり、避難も行っているとしたうえで、ラハイナなどがあるマウイ西部については「避難命令が出ている場合を除き、待機するように」と投稿した。 一方、この頃にはラハイナの中心部にも火が迫っていたとみられる。 ラハイナ在住の男性は AP 通信に「煙の臭いがして、初めて火災に気づいた」と話した。 周辺は停電し、携帯電話網もダウンしていたため、情報も伝わりにくかったという。 「世界最大」の警報システム発動せず? ハワイ州は災害などのための警報システムを整備しており、州は「統一したシステムとしては世界最大」としている。 州全体で約 400、マウイ市だけでも約 80 のサイレンが設置され、津波や噴火などのほか、山火事についても 3 分間の警報を鳴らす仕組みだ。 しかし、ハワイ州の担当者は AP 通信に「警報サイレンが発動された記録はない」と話し、代わりに携帯電話やテレビ、ラジオの警報を使ったと説明した。 マウイの消防担当者は 9 日夜の会見で「火災があまりに急速に拡大した」と述べ、避難命令を出すことが実質的に不可能だったと説明。 「実質的には、短時間での自主避難となった」と述べた。 ハワイ州のグリーン知事は 11 日、CNN のインタビューでサイレンが鳴らなかった理由などについて問われ、「何が起きたのか、検証をする」と述べた。 また、火災の影響で通信網が絶たれたことなどが理由として考えられると話した。 (ニューヨーク = 中井大助、asahi = 8-12-23) ハワイ、山火事の被害拡大 マウイ島で 36 人死亡 2,100 人超が避難 ハワイでは 8 日の朝にマウイ島など複数の島で発生した山火事が、ハワイの南を通過していたハリケーンに伴う強風の影響で急速に燃え広がりました。 消火活動や救助活動は夜になっても続いていて、地元当局によりますと、この火事でこれまでに 36 人が死亡し、2,100 人を超える人が避難をしているということです。 また、地元当局は、8 日にはおよそ 1 万 1,000 人がマウイ島の外へ出たということです。 マウイ島では、かつてハワイ王国の首都が置かれ、観光地となっているラハイナで火が市街地にも達し、地元メディアによりますと、日系人の歴史にゆかりのある寺や、町のシンボルとなっている樹齢 100 年以上の大木が燃えたということです。 また、沿岸警備隊によりますと、煙から逃れようと海に飛び込んで、これまでに 12 人が救助されたということです。 山火事は 8 日、ハワイ島でも発生し、観光客に人気のマウナケア・リゾート地区で観光客や住民が避難しました。 いずれの島でも消火と救助活動が続いていて、ホノルルにある日本の総領事館によりますと、これまでに日本人のけがなどの情報は寄せられていないということです。 (NHK = 8-10-23) |