工場から塩素系のガス漏れ、住人ら 29 人を搬送 福岡県大牟田市 27 日午後 6 時 10 分ごろ、福岡県大牟田市橋口町の通行人から「硫黄のようなにおいがする」と 110 番通報があった。 市消防本部によると、体調不良を訴えた住民ら 29 人を病院に搬送した。 いずれも意識はあり、重い症状の人はいないという。 付近にある三井化学大牟田工場(同市浅牟田町)によると、何らかの原因でプラントから塩素系のガスが漏れたという。 検知器が午後 5 時 40 分ごろに作動し、すぐにプラントを緊急停止。 同 7 時 50 分にガス漏れが止まっていることを確認した。 三井化学は 28 日の記者会見で、同日午後 3 時現在、計 82 人が病院を受診し、うち 11 人が経過観察のために入院していることを明らかにした。 県と市は 28 日、この問題をめぐって会合を開いた。 県によると、ガスを再利用する施設につながる配管に亀裂が入った可能性が高いという。 ガスは毒物や劇物にあたる可能性があり、引き続き調査を行う。 工場に再発防止に関する要請を行う予定という。 (西田慎介、asahi = 7-28-25) JR 鹿児島線で停電、一時運転見合わせ 3 時間後に再開 26 日午後 0 時半ごろ、JR 鹿児島線の門司港(北九州市門司区) - スペースワールド(同市八幡東区)間などで停電が発生し、列車の運行を見合わせた。 JR 九州が停電の原因を調べ、午後 3 時半に運行を再開した。 JR 九州によると、鹿児島線門司港 - 大牟田間、日豊線小倉 - 大分間などで、特急ソニックを含む 74 本が運休、21 本に最大で 3 時間 21 分の遅れが出て、約 2 万人に影響した。 (asahi = 7-26-25) 山手線で発火モバイルバッテリー リコール対象と判明 16 件火災も JR 山手線の車内で、乗客のモバイルバッテリーが燃える火災があり、このバッテリーがリコール対象製品だったことが警視庁への取材でわかった。 充電中に発火する恐れがあるとして、消費者庁が注意を呼びかけている。 新宿署によると、20 日午後 4 時 10 分ごろ、JR 新宿駅 - 新大久保駅間で乗客の 30 代女性のモバイルバッテリーから発火。 スマートフォンを充電中だったといい、女性は「モバイルバッテリーが熱くなり、コードを外したら 30 秒後に火が出た」と説明したという。 女性が指に軽いやけどを負うなどした。 消費者庁によると、このバッテリーは「cheero Flat 10,000mAh」。 2023 年 6 月にリコール対象になった製品で、大阪市の会社が中国から輸入したもの。 19 年 12 月 - 21 年 8 月に 3 万 9,300 台が出荷されており、充電後の発熱で 21 年度以降に計 16 件の火災が発生しているという。 同庁は使用しないように呼びかけている。 (吉村駿、asahi = 7-23-25) ◇ ◇ ◇ 夏場の「充電」に要注意、リチウム電池搭載製品 火災で死亡例も 電動自転車やモバイルバッテリーなどリチウムイオン電池を使った製品は、夏場に発火事故が増加する傾向にある。 事故が年々増えている状況も踏まえて、製品評価技術基盤機構 (NITE) が、注意を呼びかけている。 NITE のまとめでは、リチウムイオン電池搭載製品の事故発生件数は 2020 年から 24 年までの 5 年間で 1,860 件。 気温が高くなる 6 - 8 月に増加する傾向にある。 リチウムイオン電池には可燃性の電解液が使われており、高温環境にさらされることで内部の温度が上昇し、異常発熱や発火などのリスクが高まる。 事故の発生を製品別でみると、モバイルバッテリーが最も多く 361 件、次いで電動アシスト自転車 202 件、電動工具 171 件、充電式掃除機 157 件、ノートパソコン 134 件の順で続いた。 死亡事故も起きている。 24 年には愛知県で充電中のファン付き衣服のバッテリー付近から出火、住宅が全焼し、90 代の女性が死亡した。 NITEは、火災事故を予防するため、製品を高温の環境に放置しないことや、製品のリコールなどの情報収集を怠らないこと、安価な「非純正」の製品のリスクを知る - - などの対策を呼びかけている。 (井上道夫、asahi = 7-20-25)
◇ ◇ ◇ 山手線内でスマホ? から発火、5 人けが 一時運転見合わせに JR 東日本などによると 20 日午後 4 時 10 分ごろ、山手線の新宿 - 新大久保間で、乗客のモバイルバッテリーから発火した。 複数の乗客が線路に降り、JR 東は安全確認のため、山手線は内回りと外回りの全線で一時運転を見合わせた。 この影響で、埼京線、湘南新宿ライン、中央線快速などの一部区間も運転を見合わせた。 午後 6 時 10 分ごろまでに全線で運転を再開した。 警視庁によると、けが人が 5 人いるが全員軽傷という。 モバイルバッテリーの持ち主の 30 代の女性は「スマートフォンにバッテリーをつないでいたらだんだん熱くなり、バッテリーを外した 30 秒後くらいに発火した。」と話しているという。 (山本知佳、asahi = 7-20-25) インドネシアのフェリー火災で 5 人死亡、数百人救助 インドネシア・スラウェシ島沖で 20 日、フェリー火災が発生し、少なくとも 5 人が死亡した。 沿岸警備当局が明らかにした。 インドネシアでは今月初めにもフェリー事故が起きている。 インドネシア海上保安庁によると、火災が起きたのはスラウェシ島の州都マナドに向かっていたフェリー「KM バルセロナ 5」。 同庁は「5 人が死亡し、そのうち 2 人の身元はまだ確認されていない」と説明した。 また、一部の乗客がライフジャケットを着けて海に飛び込んだとしたうえで、「284 人が無事に避難した」とし、地元の漁業従事者も避難の手助けをしたとしている。負傷者は現地の医療施設に搬送された。 火災の原因については明らかにされていない。 インドネシアでは今月初めにもバリ島沖でフェリーが沈没し、少なくとも 19 人が死亡した。 (AFP/時事 = 7-21-25) ◇ ◇ ◇ バリ島西部へ向かうフェリーが沈没 4 人死亡、38 人行方不明 インドネシアのジャワ島東部からバリ島西部の港に向かうフェリーが 2 日夜、沈没した。 当局の発表によると、フェリーは乗客乗員計 65 人のほか、トラック 14 台を含む車両計 22 台を乗せていたといい、捜索活動が続いている。 発表によると、フェリーは東ジャワ州のケタパン港からバリ島西部のギリマンク港行き。 これまでに 4 人の死亡が確認され、38 人の行方が分かっていないという。 インドネシアは 1 万 7 千以上の島々から成る群島国家で島間の移動にフェリーが使われることが多い。 (シドニー・河野光汰、asahi = 7-3-25) ベトナム観光船転覆、死者 37 人 エアポケットに逃れた 10 歳少年を救出 ベトナム北部の観光地ハロン湾で起きた観光船の沈没事故で、転覆した船内のエアポケットに逃げ込んでいた 10 歳の男の子が救出された。 観光船は 19 日、航行中に突然の悪天候に見舞われて沈没。 家族と共に乗船していた男の子は、船内のエアポケットに避難して助けを待っていた。 現地メディアによると、男の子は精神的ショックを受けているものの大きなけがはなく、近くの病院に搬送された。 「あまりにも急な出来事だった」、「脱出しようとしていたら、兵士が助けてくれた」と話している。 現場では安否が確認できない乗客乗員の捜索救助活動が続けられているが、悪天候に阻まれて捜索は難航している。 国営メディアによると、この事故で少なくとも 37 人の死亡が確認された。 死者はさらに増える恐れもある。 同船には乗客乗員 53 人が乗船しており、10 人は救助されたと報じられている。 36 歳のベトナム人男性は、ライフジャケットを脱ぎ捨てて、水没した船の窓から泳いで脱出したと語った。 AP 通信の取材に応じた男性は、乗船者が避難する余裕はほとんどなかったと証言。 「15 分ほど雨が続いた後、船が激しく揺れてテーブルやいすが揺さぶられ、数秒後に船がひっくり返った」、「息をしようとしたが水がどんどん入ってきた。 私は大きく息を吸ってライフジャケットを捨て、水に潜った。 一筋の光をたどってボートから脱出し、転覆したボートによじ登って助けを求めた」と話している。 この男性を含む数人がボートにしがみつき、大雨の中で 2 時間ほど救助の到着を待っていたという。 男性は大学の友人 11 人と一緒に乗船していたという。 助かったのは 3 人だけだった。 (CNN = 7-21-25) トヨタ「アルファード」など計 21 車種およそ 64 万台をリコール トヨタ自動車は、「アルファード」や「ヴェルファイア」などあわせて 21 車種、およそ 64 万台のリコールを国土交通省に届け出ました。 リコール対象となるのは、2022 年 6 月から今年 6 月までの間に生産された「アルファード」や「ヴェルファイア」、「ハリアー」などあわせて 21 車種、64 万 6,376 台です。 国交省によりますと、不具合の原因はメーターに使われている電子部品の劣化で、長時間使用すると、エンジンをかけた際に速度計や警告灯が表示されないおそれがあるということです。 今のところ事故は確認されていませんが、これまでに不具合の報告が 33 件寄せられています。 トヨタは対象車について、ソフトウェアを改修するか、必要に応じてメーター本体を無償で交換するとしています。 国交省によりますと、10 万件を超えると大規模リコールだとされていて、今回のリコールは今年度で最も多い件数となっています。 (TBS = 7-16-25) カジキの漬け魚の購入客、動悸や舌のしびれ訴え スーパーが自主回収 スーパーのツルヤ(本社・長野県小諸市)は 16 日、長野、群馬両県の全 41 店舗で販売したカジキの漬け魚(かす漬け、西京漬け、みそ漬け、塩こうじ漬け)の計 1,962 パックを自主回収すると発表した。 長野県内の店舗で購入した客から、動悸や舌がしびれるといった体調不良の情報が同社に 5 件寄せられた。 このうち 10 代の男性 1 人が一時入院したが命に別条はないという。 県が患者の症状や原因を調べている。 同社によると、回収するのは、11 - 12 日に神奈川県三浦市の工場で製造して各店で販売したもので、消費期限は 14 日または 15 日。 問い合わせは同社 (0267・22・3311) へ。 (高木文子、asahi = 7-16-25) 山形新幹線の故障、いまだ原因不明 地元「旅行先から消える不安」 山形新幹線の最新型車両「E8 系 」4 編成が相次いで故障し、東北新幹線との直通運転が中止されてから 17 日で 1 カ月となる。 この間、新たに故障した 1 編成も含め、原因が判明していない。 乗客が増える夏休み期間を前に、通常ダイヤに戻るめどが立たない、異例の事態となっている。 JR 東日本の喜勢陽一社長は 15 日の定例会見で、「大変なご心配とご迷惑をかけていることを改めておわびする」と謝罪。 「原因をしっかり究明し、お客様に安心して利用してもらえるよう取り組む」と述べた。 走行中の E8 系 4 編成が相次いで故障したのは 6 月 17 日。 車内の各機器に電力を供給する「補助電源装置」が故障してモーターの制御装置を冷やせなくなり、モーターが動かなくなった。 さらに同月 30 日、東京都内の車両基地に停車中の別の車両で同じ補助電源装置が故障した。 昨年 3 月にデビューした E8 系は計 11 編成あるが、故障した 5 編成はいずれも昨年 10 月以降に納車され、夏季に走るのは初めてだった。 最初に故障した 4 編成はすべて同じ半導体部品が破損していた。 残る 1 編成も近く分解検査される予定だ。 これまでの調査で、半導体と電流を制御する基板が特定の部品同士の組み合わせになると誤動作が起きることを確認。 さらに、気温などの環境条件の影響を調査中という。 計 900 本以上運休、影響は 25 万人以上 故障が見つかっていない E8 系 6 編成は営業運転を続けているが、別の新幹線「E5 系」と連結し、東北新幹線のみを走行。 山形新幹線区間(福島 - 新庄)は 1997 年デビューの旧型の「E3 系」が運行しているが、車両が足りず、連日上下 30 - 37 本が運休しており、これまでに計 900 本以上が運休し、計 25 万人以上に影響が出ている。 また、東京への直行は 1 日 1 往復のみで、福島駅での乗り換えが乗客の負担となり、7 月 19 日からは 3 往復に増やすが、福島 - 新庄間の運転本数は若干減る見込みだ。 通常 JR の指定席は 1 カ月前から予約できる。 ただ、山形新幹線はトラブルの影響でお盆期間の予約もできない状況が続いている。 「のけ者扱いされている」 知事が社長に対応求める
15 日、国土交通省や JR 東日本に山形新幹線の早期の運休解消を要請した山形県商工会議所連合会の矢野秀弥会長は報道陣に訴えた。 県によると、運休はサクランボ狩りの客が多い時期と重なり、新幹線沿線の宿泊施設では 1 日最大数十件、少なくとも 6 千人分のキャンセルが出た。 吉村美栄子知事は 7 月上旬、「(運休後のフォローがあまりにも少なく)のけ者扱いされているんじゃないかと言う県民もいる」と強い口調で、JR 東の喜勢陽一社長に対応を求めた。 山形駅、5 分ごとにおわびのアナウンス JR 山形駅では「お客様にはご不便ご迷惑をおかけし申し訳ございません」とのアナウンスが、約 5 分おきに流れる。 2 泊 3 日で山形を巡り、新幹線で東京に帰る 50 代の夫婦は「一度乗ってしまえば目的地までゆったりと過ごせるのが新幹線のよいところなので、乗り換えはおっくうに感じる。 山形は好きなのでこれからも通うつもりだが、早く元に戻ってほしい。」と話した。 運休が長引き、地元は影響の広がりを懸念する。 ノスタルジックな雰囲気が人気の銀山温泉がある尾花沢市観光物産協会の担当者は「客の入りなど先が見通せないので、準備も進まず大変困っている。 運休が長期化すれば、旅行先の候補地から山形が消えていく不安がある。」と話す。 (細沢礼輝、安斎耕一、斎藤徹、増山祐史、asahi = 7-15-25) ◇ ◇ ◇ 山形新幹線 E8 系がまた故障、5 編成目 単独運転の再開見通せず 山形新幹線の最新型車両「E8 系」 4 編成が相次いで故障した問題で、JR 東日本は 9 日、新たに別の 1 編成も同じ装置が故障したと発表した。 いずれも故障原因は不明で、E8 系の単独運転の中止は続き、福島駅で乗り換えが必要な状況が当面続く見込みだ。 JR 東によると、新たに故障したのは、昨年 10 月に納車された車両。 6 月 30 日午後、東京都内の車両基地で起動させようとしたところ、同月 17 日に故障した 4 編成と同様に、車内の各機器に電力を供給する「補助電源装置」が正常に作動しなかった。 この車両は 6 月に4 編成の故障後、営業走行は中止されていた。 電源装置が故障した原因はいまだ不明で、JR 東は「少なくとも 7 月中は通常ダイヤに戻ることはない」としている。 (細沢礼輝、asahi = 7-9-25) ◇ ◇ ◇ なぜ東北新幹線の故障は続くのか 系統多さ、時速 320 キロにリスク 「また東北新幹線か。」 栃木県内を走行中の最新型の「E8 系」が立ち往生し、東京 - 仙台間が5時間半不通となった 17 日、SNS には相次ぐトラブルを指摘する声があふれた。 オーバーラン、連結分離、モーター故障 - -。 なぜ東北新幹線に車両故障が集中するのか。 技術者は特有の事情を指摘する。 宇都宮 - 那須塩原間で 17 日午前に立ち往生したのは、2024 年春に山形新幹線「つばさ」としてデビューした E8 系。 6 月に納車されたばかりで、営業運転前の確認走行中だった。 車内の各機器に電力を供給する「補助電源装置」が故障し、モーターの制御装置を冷やせなくなり、モーターが動かなくなったという。 同じ日に走行中だった他の E8 系 3 編成も同様に故障し、JR 東日本は E8 系の単独運転取りやめ、今も影響が続く。 東北新幹線では最近、車両故障が頻発している。 24 年 3 月には、郡山駅で「E3 系つばさ」がブレーキの制動力が低下して停止位置を約 500 メートルオーバーラン。 同年 9 月と 25 年 3 月には、「E6 系こまち」の電気系統の異常により、連結運転中の「E5 系はやぶさ」と分離する事故が繰り返された。 また、24 年から 25 年にかけて、E5 系を中心にパンタグラフの破損が相次いだ。 JR 東は「それぞれ故障の内容、場所は異なり、まだ原因調査中の故障もある。 今のところ、共通要因は見つかっていない。」とする。 一方、JR 各社の新幹線技術者が指摘するのは車両系統の多さだ。 東北新幹線は福島から山形新幹線、盛岡から秋田新幹線とミニ新幹線 2 区間が分岐する。 両区間はトンネルやホームなどの設備が在来線サイズのため、専用車両が必要となる。 このため、大宮以北を走る車両は、1997 年デビューの最古参「E2 系」、つばさの E3 系、主力の E5 系、こまちの E6 系、最新型 E8 系と、JR 東の所有車両だけで 5 種類に上る。 それぞれの編成数をみると、E5 系は約 50 編成あるが、他は引退が続く E2 系、E3 系を除いても 10 - 20 編成ほどにとどまる。 JR 東日本が運行する新幹線の路線 一方、北陸、上越新幹線は「E7 系」のみで、東海道新幹線は「N700S」と「N700A」の 2 種類だ。 編成数は E7 系が約 40 編成、東海道新幹線は 2 種類で 計約 130 編成ある。 技術者の 1 人は「同系統の車両ならば、軽微な故障のうちに対策が積み重なり、品質が安定していく。 車両系統が多いと対策が分散してしまい、深刻な故障が生じるリスクが高まる。」と話す。 別の技術者は、国内最速の 320 キロ運転と、新幹線と在来線を乗り換えなしで結ぶ「新在直通」を同時に実現させている走行条件の厳しさを指摘する。 「320 キロで走行するための機器をミニ新幹線サイズの車両に積み込むのは、難易度が高い。 異常時に対して余裕が少ない設計となる可能性もある」と話す。 これに対し、上越の最高速度は 275 キロ、北陸は 260 キロで、車両性能に余裕を持たせられるという。 (細沢礼輝、asahi = 6-21-25) |