中国人女性「武力統一」支持発言で相次ぎ台湾退去に 中国による武力統一を支持する発言をしたとして、台湾に住む中国人女性が相次いで、退去を命じられました。 中国と台湾の対立は、数十万人に上る中国からの移住者や、その家族も暮らす台湾社会に複雑な影を落としています。 「こんにちは。 台湾省台北で暮らすヤヤです。(劉振亜さん)」 「ヤヤ」こと、劉振亜さん。 結婚を機に台湾に来た中国出身の女性で、中国の SNS で人気のインフルエンサーです。 しかし、ヤヤさんが投稿した動画の内容が台湾で大問題に …。
中国による台湾侵攻を歓迎するかのような発言。 ヤヤさんは中国の武力侵攻を支持したとして、台湾の居留許可を取り消される事態に。 さらに、同じ理由で他に 2 人の中国人女性が退去を命じられました。 結婚を機に台湾で暮らす中国出身者は、36 万人以上いるとされます。 中国は「台湾は必ず統一される」という考えを広める宣伝工作に力を入れていて、中国出身者の一部が、これに呼応しているのではと、疑いの目が向けられるようになったのです。 母が中国出身の移民 2 世、劉俊良さん。 母親は中国・重慶出身、自身は台湾で生まれ育ちました。 実は、ヤヤさんの会見に足を運んだことがあるといいます。 ヤヤさんについては「発言の責任を取るべき」と考える一方で、ヤヤさんに抗議する一部の人々に恐怖を感じたといいます。
劉さんは台湾で、中国からの移住者への、ある種の拒否感を昔から感じていたと話します。 母親が中国大陸出身であることも長い間、周りに明かしていませんでした。 「母と話した友人が(発音で)中国からの移住者だと気づき、私に聞いてきても、『違う』と答えていました。(劉俊良さん)」 大学の研究課題をきっかけに、自身の出自に向き合うことを決めた劉さん。 いまは自身を「移住者の背景を持つ台湾人」と認識しています。 劉さんとともに社会の共生をすすめる活動を行う劉千萍さん。 中国からの移住者の子どもは、台湾で生まれ育った「台湾の若者」でもあると強調します。 「移民青年倡議陣線」理事長・劉千萍さん「(中国からの移住者の子は)『自分の意志がない』とか、中国の影響に抵抗できない集団とみなされがちです。 これは危険だと思います。 台湾の人々の移住者への無理解を助長するからです。」 一方、中国側は「ヤヤ事件」などについて、「人道を顧みない措置だ」と台湾側の対応を批判。 専門家は「中国が宣伝工作に加担するよう、中国人個人へ呼びかけていることに問題がある」と指摘します。 「中国国家の台湾に対する強烈な圧力を見ると、(中国に)反感を覚える人が多いというのは避けられないこと。 『台湾の社会が中国人配偶者を差別している』と、中国側が一方的に宣伝するのは、私はこれも違うと思う。(台湾の政治・社会に詳しい台湾・清華大学、小笠原欣幸教授)」 中国と台湾の対立が深まる中、移住者や、その子どもたちが抱える生きづらさは深まっています。 (日テレ = 6-14-25) 香港当局、著名民主活動家を起訴 国安法違反、「外国に制裁求めた」 外国勢力と結託して国家安全に危害を加えたなどとして、香港当局は、著名な民主活動家の黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏を香港国家安全維持法(国安法)違反の罪で起訴した。 香港メディアが 6 日報じた。 香港紙「明報」によると、黄氏の起訴内容は、2020 年 7 月 - 11 月、外国の組織や人物に香港や中国への制裁を求め、法執行や政策の実施を妨害したというもの。 具体的にどのような言動が罪に問われたかは判明していない。 黄氏は民主的な選挙の実現を求めて香港の若者らが中心部を占拠した 14 年のデモ「雨傘運動」の学生リーダーの一人で、19 年には米議会の公聴会で証言したこともある。 昨年 11 月、別の国安法違反の罪で拘禁 4 年 8 カ月の実刑判決を受けて服役している。 反体制的な言動を取り締まる香港国安法は今月 30 日、施行から 5 年を迎える。 (高田正幸、asahi = 6-6-25) 夫奪われ「一生分の涙を流した」 天安門事件 36 年、妻は伝え続ける いつか、あのとき夫のために献血してくれた人を探して、お礼を伝えたい。 北京に住む尤維潔(ユーウェイチエ)さん (71) は 36 年間、そんな思いを抱えてきた。 しかし、あの出来事を公に話すことは許されず、恩人を捜すことはかなわないままだ。 1989 年 6 月 4 日の真夜中。 午前 1 時前だったと記憶している。 当時 42 歳だった夫の楊明湖(ヤンミンフー)さんは「銃声が聞こえた」と起き出した。 2 カ月近く前から、北京中心部の天安門広場では、学生たちが中国政府への抗議活動を続けていた。 文化大革命の混乱の影響を受けても学問を志し、30 歳代で大学に通った楊さんは、そんな学生たちの身を案じて一人、自転車で現場に向かっていった。 学生たちの主張に共感していた 銃声は、のちに「天安門事件」として世界に知られることになる武力弾圧の始まりだった。 学生たちは当時、汚職の防止や言論・集会の自由などを訴えていた。 尤さんたちは学生たちの主張に共感していたし、「ほかの多くの市民もご飯や水を学生たちに届けていた」と振り返る。 夫を送り出した後で、尤さんは後悔した。 一晩中待っても帰ってこない。 朝になって搬送先の病院に呼び出された。 病院の入り口では女性が泣き崩れ、救急治療室はけが人でいっぱいだった。 夫は腹部に銃弾を受けていた。 同室に入院していた年上の男性は「戦争も経験したが、こんなひどい状況はみたことがない」と言った。 医者は「砕けた骨盤は手の出しようがない」と言った。 それでも輸血のために献血してくれる人を探し、夫と同じ AB 型の男性 4 人が応じてくれた。 「落ち着いたらお礼に行こう。」 そう夫を励ました。 5 日夜、夫は何か食べたいと訴えたが、医者は「まだだ」と言った。 尤さんは夫に「もう少しだけがんばって」と伝えた。 それが最後の会話になった。 夫は 6 日朝に息を引き取った。 事件からの 1 年で、尤さんは「一生分の涙を流し尽くした。」 「批判こそ、中国よりよく」 天安門事件で犠牲となった人の数について、中国政府は 319 人としている。 しかし、軍による市民への発砲や大量の死傷者が目撃されており、実際の犠牲者ははるかに多かったと指摘される。 政府は民主化運動を「反革命動乱」と位置づけており、この立場は今も変わっていない。 これに対し、尤さんら事件の遺族でつくるグループ「天安門の母」は、事件の真相解明と検証を求めてきた。 今年も 4 日を前に声明を出し、「遺族だけでなく、国民全体の心にも重くのしかかる歴史的大事件だ」として政府に対話を呼びかけた。 尤さんは「法治国家というならば、国の指導者たちも含めて人々は法の下で平等のはずだ」と述べ、司法手続きによる解決や遺族への謝罪を求める。 こうした批判の声こそ、中国をよりよい国にすると信じている。 しかし、中国政府の社会への締め付けは厳しさを増しており、事件の評価を見直す機運はまるでない。 かつては毎年大規模な追悼集会が開かれていた香港でも言論への締め付けが厳しくなり、香港メディアの記者が尤さんの元に取材に来なくなったという。 「天安門の母」は高齢化が進み、毎年、メンバーである遺族が亡くなっている。 尤さんが見舞いに行ったある遺族は、「事件のことは、ずっと心にある。 永遠に忘れない。」と語ったという。 仲間が先に旅立っても、精神をずっと受け継ぎ、歴史からこの事件を風化させない。 尤さんはそう決めている。 (北京・畑宗太郎、asahi = 6-4-25)
中国 26 都市の地下鉄が巨額赤字に - 香港メディア 2025 年 6 月 2 日、香港メディア・香港 01 は、中国本土の 26 都市で地下鉄が巨額の赤字を抱えていると報じた。 記事は、重慶市で先月 29 日に公聴会が開かれ、05 年の開通から 20 年間 2 元(約 40 円)だった地下鉄の初乗り運賃を 3 元(約 60 円)に引き上げる提案が示されたと紹介。 この 20 年で営業距離が 13 キロ ら約 500 キロに拡大したのに伴い運営コストも増大しており、23 年は総収入 30 億元(約 600 億円)に対して運営コストが 111 億元(約 2,200 億円)に上り、政府補助金の約 43 億元(約 860 億円)を差し引いても巨額の赤字が残る状態に陥っていると伝えた。 そして、経営が厳しい地下鉄は重慶市にとどまらないとして、中国の交通メディア「RT 軌道交通」がまとめたデータによると、昨年は地下鉄を所有する 29 都市のうち、26 都市が政府の補助金を差し引くと赤字になったと指摘。 不動産開発で交通の経営を補完するモデルを打ち出している広東省深セン市の地下鉄は昨年赤字額が 330 億元(約 6,600 億円)を超えたとした。 その上で、地下鉄の建設費用が 1 キロ当たり 5 - 10 億元(約 100 - 200 億円)かかると言われ、人件費の上昇に伴って日常的な運営コストも高まっていることが各地の地下鉄経営を圧迫していると伝えたほか、1 日の旅客輸送密度を 1 キロ当たり 7,000 人以上とする国務院の要求を満たしている都市はわずか 17 都市にとどまっていることを指摘した。 記事は、1 元や 2 元の値上げでは経営状況を好転できない各地の地下鉄では経費削減に向けた取り組みを始めており、広東省仏山市の地下鉄では先月より最終列車を 30 分早めたほか、運行間隔を広げたと紹介。 さらに、駅構内の照明を暗くしたり、エスカレーターや冷房の運転を停止したりしていることで、利用者の間からは「もうすぐ経営破綻するのではないか」との声さえ聞かれると伝えた。 (川尻、Record China = 6-3-25) 中国山東省の化学工場の爆発、世界の殺虫剤供給に影響か - 中国メディア 2025 年 5 月 28 日、中国メディアの澎湃新聞は、山東省の化学工場で発生した爆発事故により世界の殺虫剤供給に影響が生じる可能性があることを報じた。 報道によると、中国山東省高密市にある山東友道化学の工場で 27 日正午前に大規模な爆発があり、同日夜の時点で 5 人が死亡、6 人が行方不明となり、19 人が負傷した。 澎湃新聞は山東省友道化学について、高効率で毒性の低い農薬やその中間体の研究開発と生産を手掛けており、主要製品にはクロラントラニリプロールの原薬やフロアブル剤(微粒子を水に分散させた液体製剤)が含まれていると紹介。 クロラントラニリプロールは毒性の低い殺虫剤で、水稲や大豆、綿花、果物、野菜などの農作物に広く利用されており、2008 年の発売以降世界で最も多く売れる殺虫剤製品になっていると伝えた。 そして、同社が昨年 1 月にクロラントラニリプロールの合計生産能力が 1 万 1,000 トンに達し、世界最大のクロラントラニリプロール原薬生産企業になったことを発表し、生産工場では全自動化によりコスト削減と同時に環境に優しく安全な生産を実現しているという当時の報道を紹介した。 その上で、中国の証券会社・光大証券が今回の爆発事故について、クロラントラニリプロールの短期的な供給に影響を及ぼし、価格が上昇する可能性があるとの見解を示したことを伝えている。 (川尻、Record China = 5-30-25) 米 ルビオ国務長官、一部の中国人留学生のビザ取り消しと発表 アメリカのトランプ政権が留学生の受け入れの厳格化を進めるなか、ルビオ国務長官は、アメリカの大学などに留学する中国人の学生で、中国共産党と関係がある人などのビザの取り消しを始めると発表しました。 アメリカのルビオ国務長官は 28 日、声明で、アメリカの大学などに留学する中国人の学生で、中国共産党と関係があったり、重要分野を専攻したりする人のビザの取り消しを始めると発表しました。 声明の中で、ルビオ長官は「積極的にビザを取り消す方針だ」としています。 また、「中国と香港からのすべてのビザの申請についても審査を強化するため、基準を見直す」としています。 政治専門サイト「ポリティコ」は「単なる脅しであったとしても、中国人の学生たちの間でアメリカの大学に対する人気を決定的に終わらせることになるだろう」と指摘しています。 トランプ政権は、留学を希望する人たちの学生ビザについて審査のための面接の新規受け付けを一時停止するよう指示したほか、ハーバード大学に対しては、キャンパス内で暴力や反ユダヤ主義を助長したなどの理由で留学生を受け入れるための認定を取り消すなど、留学生の受け入れの厳格化を進めています。 中国からアメリカへの留学生 27 万 7,000 人余 アメリカの教育研究機関 IIE の最新の統計によりますと、2023 年度の中国からアメリカへの留学生の数は 27 万 7,000 人余りとなっています。 これは前の年から 4% 減ったものの、アメリカに留学している学生全体のおよそ 25% を占めていて、33 万人余りのインドに次ぎ 2 番目に多くなっています。 IIE によりますと、アメリカへの留学生の数は 2023 年度は 110 万人余りと、これまでに最も多くなったということです。 また、日本人の留学生はおよそ 1 万 3,000 人と 13番目に多くなっています。 (NHK = 5-29-25) 中国でまた粉ミルク問題、「輸入粉ミルク」の正体はただの米粉だった - 中国メディア 2025 年 5 月 21 日、中国メディアの極目新聞は、かつて中国全土に衝撃を与える事件を引き起こした粉ミルクの品質問題が現在もなお存在することを報じた。 記事は、山東省のテレビ局が 20 日に報じた内容として、ある市民が「輸入粉ミルク」缶 3 万本を仕入れたところ、ミルクの香りがしない上、小麦粉のような形状をしていたことに気づき、仕入先の業者に対して全額返金、返品を求めたと紹介。 業者が「ミルク」の成分について主に米粉であることを認めたものの、返品、返金には応じなかったと伝えた。 また、問題となった「輸入粉ミルク」缶の材料表示には「生乳、ホエイパウダー、炭酸カルシウム」と記載されていたことを伝えた上で、生産業者として記載されていた山東省棗荘市の企業に問い合わせたところ「当社ではそのような製品を生産する資格を持っていないし、生産もしていない。 名前を勝手に使われた。」とのコメントがあったとした。 この企業がある同市薛城区市場監督管理局の担当者は、極目新聞の取材に対して「関連報道を注視している。 現在関係職員が調査に当たっている。」と語ったという。 中国では 2008 年にメラミンが混入した粉ミルクを飲んだ複数の乳児が腎結石を起こすなどの被害を受けた問題が発生し、食品の安全性を揺るがす大きな社会問題に発展した。 中国政府は以後、食品の安全を強化するための措置を講じてきたが、今なお粉ミルクの品質確保が十分にできていないことが、今回の件によって浮き彫りになったと言えそうだ。 この件について、中国のネットユーザーは「こういうニュースを見ると、もう何が安全安心なのか分からなくなる」「消費者の権利と利益を著しく損なう行為であり、厳罰に処してほしい」、「ラベルをよく見ると、委託企業の所在地がスペインで、連絡先がロシア、そして生産地が山東省になっている。 なんじゃこりゃ。」、「SNS での広告が氾濫している今、偽物を防ごうにも防げなくなっている」、「輸入粉ミルクって高級に見えるかもしれないけど、国内の大手ブランド製品じゃダメなのか?」、「以前問題を起こしたのはまさに国内大手ブランドなんだけどな」といったコメントを残している。 (川尻、Reocord China = 5-22-25) 中国・貴州で地滑り、19 人が下敷きか 6 年前に「脱貧困」の山間部 中国国営中央テレビ (CCTV) によると、南部貴州省の大方県で 22 日午前 9 時(日本時間同 10 時)ごろ、住宅 6 棟を巻き込む地滑りが発生した。 8 世帯 19 人が下敷きになったとみられるという。 現場の山の勾配が急で二次災害の危険もあることから捜索活動が難航していると伝えている。 大方県は、中国が全土で「脱貧困」の達成を宣言した 2020 年の前年まで貧困県だった山間地域。 CCTV は家屋のすぐそばの山の斜面が崩れ、土壌がむき出しになっている空撮映像を伝えているが、捜索活動の様子は確認できない。 また、県内の別の集落でも 22 日未明に地滑りがあり、2 人が下敷きになっているという。 貴州では 21 日午後から局地的な大雨が降り、土砂災害への警戒が呼びかけられていた。 (上海・小早川遥平、asahi = 5-22-25) 650 年の歴史「鼓楼」 滝のように … 瓦が崩落 "手抜き工事" 原因か 突如として始まった崩落。 中国の観光地で "まさかの光景" が目撃されました。 まるで滝のように崩れ落ちる大量の屋根瓦。 築 650 年の "歴史的建造物" で前代未聞の事故が発生しました。 中国東部の安徽省。 建物から不気味な音が響きます。 「もうすぐ落ちるんじゃない」そう呟いた直後でした。 屋根から大量の瓦が滝のように崩れ落ちたのです。 瓦の落下とともに粉じんが舞い上がり、無数の破片が観光客に降り注ぎましたが、幸いにもけが人はいませんでした。 事故が起きたのは鼓楼。 時を告げる太鼓を設置するための建物で、土台部分が作られたのは 1375 年、明の時代。 楼閣は 30 年前に再建されたものでした。 一体なぜ崩れたのでしょうか。 ここ最近、大荒れの天気が続いていた安徽省。 強風などの影響も考えられましたが、浮かび上がったのは「手抜き工事」の疑惑でした。 実は楼閣は去年 3 月に修繕工事を終えたばかり。 それから 1 年余りしか経っていなかったのです。 さらに現地メディアによると、30 年前に再建された建物自体、当局の許可なく作られた違法建築。 「偽の文化財」であることが判明したということです。 (テレ朝 = 5-21-25) 「ぜいたく禁止」学んだ翌日、白酒の宴席で死亡 中国で地方幹部処分 中国河南省の共産党幹部が、習近平(シーチンピン)指導部の打ち出した「ぜいたく禁止令」として知られる「八項規定(8 カ条の決まり)」の学習会翌日に宴席を設け、アルコール度数の高い白酒を飲んだ 1 人が死亡した。 幹部らには極めて厳しい処分が下り、物議を醸している。 反腐敗の取り締まりなどを行う党中央規律検査委員会は 13 日、国営新華社通信の記事をホームページに掲載。 記事によると、河南省信陽市と羅山県のトップを含む 15 人に党籍?奪や解職、降格などの処分が科された。 問題の宴席は 3 月 22 日にあった。 前日の学習会に参加した幹部が主催し、「公務の執行に影響を及ぼす可能性がある」形で開かれた。 白昼から地元の公安(警察)・検察関係者など 10 人が参加。うち 5 人で白酒 4 本を飲み、1 人が死亡したという。 八項規定は習指導部が発足時に打ち出し、国民からの評価も高かった。 同月中旬に八項規定を改めて学ぶ党を挙げた学習キャンペーンを始める指示が党中央から出た矢先だった。 隠蔽工作も 地元の幹部らは飲酒の事実を伏せた報告書を作ったほか、県トップも虚偽であることを知りながら上級機関への報告を怠った。 また、事実を隠蔽するための遺族への補償金を公職の立場を利用して用立てていたとされた。 中国では汚職の摘発が増え続けており、今月 16 日にも広西チワン族自治区の藍天立主席が重大な規律違反の疑いで調査を受けていると発表されていた。 人民日報は 19 日、党と政府機関の浪費反対に関する条例が改正されたことを 1 面で報じ、「党・政府機関が率先して厳しい生活を送るべきだ」という論評を掲載した。 条例の内容は、公務上の接待で酒・たばこの提供を禁じるなど子細に及ぶ。 19 日には高級白酒の「貴州茅台(マオタイ)酒」を造る国営企業が株主総会の宴席をビュッフェ形式にし、酒を提供しないようにしたなど、影響の広がりをうかがわせる報道もあった。 (上海・小早川遥平、asahi = 5-20-25) AI も影響? 陶磁器の街に 6 万人が移住 若者たち「景漂」の背景は 中国で都会の生活に疲れた若者が今、こぞって集う町がある。 陶磁器の一大産地として世界史に登場し、日本でもその名を知られる江西省の景徳鎮だ。 1 千年以上の歴史を誇る町が斜陽期を経て、再び脚光を浴びている。 受験や結婚といった人生の転機や、経済やライフスタイルの変化を、中国の人びとはワンフレーズの漢字で巧みに表現しています。 そんな新語・流行語が映し出す、中国社会のいまを読み解きます。 景徳鎮の陶磁器を展示する博物館。 中国独自の文化を再評価して取り入れる「国潮」というブームに乗り、連日多くの観光客が訪れる。 「開門と同時に 6 階に急げ」というネット上の攻略法をもとに訪れると、長蛇の列ができていた。 みんなの目当ては「無語仏」と呼ばれる、仏像の形をした小ぶりな陶磁器。 1930 年代に作られた、様々な表情をした 18 体の羅漢像の一つで、作り笑いを浮かべたような表情が「班味(くたびれた勤め人感)」を感じさせると、2 年前にネットで話題になった。 写真を満面の笑みに加工し、「下班(退勤だ)」と添えるなどしたスタンプが現在も SNS で流行している。 スマホを向ける多くは若い女性だ。 「福建省から有休を取って来ました。」 会社員の阮さん (32) は骨董品や美食が集う夜市や SNS 映えするスポットを 5 日間かけて巡る。 「ここはゆっくりとした時間が流れていて『去班味』できます.。」 班味をぬぐい去るという意味だという。 10 年連続で流入超過 移住した若者たちに取材すると、中国社会の今を映すある共通点が浮かんできました。 「景漂」の意味とともに、記事後半で紹介します。 仕事の息抜きにとどまらない。 ストレスの多い都会生活に見切りをつけて移り住む若者も多い。/p>
地方から出稼ぎで北京や上海に漂着する人を「北漂」、「滬漂(滬 = 上海市の別称)」と呼ぶことにちなみ、逆に都会から景徳鎮に I ターンする若者を指す、そんな言葉も生まれた。 こうした若者を探すのは難しくない。 夜市で陶器やアクセサリーを物色するのが都会の若者なら、自分の作った商品を並べる若者も多くが都会から移り住んだ「景漂」たちだ。 露店で茶褐色の渋い花瓶を並べていた田川さん (35) は北京から移り住んで 3 年になる。 ドイツの大学でデザインを学び、北京のグラフィックデザイン会社で働いていた田さんが生き方を見直したのは、新型コロナがきっかけだった。 朝 9 時から夜 9 時まで、ときには泊まり込みでパソコンに向き合う生活に嫌気が差したという。 「同じデザインでも、手触りのある陶芸の仕事にやりがいを感じた。 景徳鎮の土が好きなんです。」 収入は北京の頃の半分以下。 工房も友人と共用だが、夜 6 時には仕事を終え、結婚したばかりの家族との時間を過ごす。 当初は移住に反対していた北京の両親も今は背中を押してくれている。 上海出身の李扶揺さん (24) もグラフィックデザインの会社で漫画を描いていたが、半年前に景徳鎮に移住して陶器を作る。 「手作りのぬくもりと、一つとして同じもののないところが好きです。」 昼前に起きて、自然を感じながらコーヒーを飲むのが日課だ。 人民日報によると、中国中部のさほど規模が大きくない地方都市では人口減が課題になっているが、景徳鎮は過去 10 年にわたり流入超過が続き、「景漂」は 6 万人を超えた。 地元政府もイノベーションを促す試験区を設け、若者の起業を支援する。 2 年前に視察に訪れた習近平(シーチンピン)国家主席を試験区の幹部として案内した劉子力氏は「若者は能力を発揮できる場所を求める『候鳥(渡り鳥)』であり、私たちもまた、暖かい環境で彼らを待っている」と取材に語り、伝統を生かした観光や産業の育成に期待を寄せた。 新天地での挑戦 取材をして気付くのは、「景漂」の多くが田さんや李さんのようなグラフィックデザイナーであることだ。 陶芸に必要な芸術的な素養があることも関係しているが、もう一つの事情も浮かぶ。 中国では近年、アニメやゲーム制作を請け負う会社が増えていたが、生成 AI (人工知能)の登場でデザイナーの仕事が奪われると危惧されていた。 「間違いなく影響はあります。 経営者が求めるのは完成品であって、作り手が自分の魂や考えをつぎ込む必要はないからです。」 江蘇省無錫でグラフィックデザイナーとして働いていた梁聖順さん (32) はいう。 梁さんは 1 年前から景徳鎮に移り住み、アクセサリー制作を始めた。 ただ、AI の登場に悲観してばかりではない。 「AI は自分の作品がどのような市場にニーズがあるか、どのようなプロモーションをするべきか、客観的なデータを教えてくれます。」 若者たちの新天地での挑戦は始まったばかりだ。 (景徳鎮・小早川遥平、asahi = 5-19-25) 中国で自宅「偽札工場」発覚! 狡猾な「すり替え劇」に騙された数千人 … 被害総額 418 万円
自宅で偽札を印刷し使用していた中国の夫婦が逮捕された。 彼らは毎日使う分だけ偽札を印刷し、市場で使い果たすことで商人らに被害を与えていた。 印刷した偽札は少なくとも約 418 万円に達すると見られている。 中国中央テレビ (CCTV) は 13 日、江西省撫州(ぶしゅう)市公安局経済犯罪捜査隊の発表を引用し、ホ被告とシュ被告が偽札を製造し、使用した容疑で逮捕・刑事拘留されたと報じた。 報道によると、「市内で誰かが偽札を使用している」という通報を受け捜査に乗り出した警察は、複数の周辺地域にある市場で数千人にものぼる商人が偽札被害を受けていた事実を把握したという。 警察はこの夫婦を特定して逮捕、家宅捜索を行った。 夫婦の自宅からは、未使用の偽札 20 万元(約 405 万円)相当と、偽札製造に使用されたプリンター、インク、紙などが発見された。 この夫婦は毎日 300 元(約 6 千円)から多い時は 3,000 元(約 6万円)相当の偽札を製造し、「当日製造・当日使用」の原則で、未明に偽札を製造した後、市場が開く早朝に偽札を全額使用し、証拠を隠滅していた。 彼らは市場で物を購入する際、商人に高額の紙幣を渡し、商人が紙幣を光にかざして本物であることを確認した後、「小さいのがあったからそれで払う」と言って本物の紙幣を返してもらい、偽札を渡す方法で犯行を行っていた。 中国「偽札」、依然として問題 … 「年間平均約 156 億 6,500 万円」 中国では偽札を使った詐欺が横行していることから、「WeChat Pay」や「Alipay」など QR コードを利用した電子決済システムが急速に普及した。 現金への不信感が、中国を日本より一歩先に「キャッシュレス社会」へ向かわせたという評価さえ出ている。 それにもかかわらず、依然として偽札の製造および流通が根絶されていない。 中国人民銀行は 2021 年、中国各地で回収される偽札の規模が年平均 8 億元(約 162 億円)に達すると発表した。 これを受け、商人たちは紙幣を受け取ると日光や照明にかざして偽札かどうかを判別し、店舗に「紙幣識別機」を設置するようになった。 中国の刑法によれば、偽札を製造した者は 3 年から最長 10 年の懲役に処せられる。 また、偽札と知りながら所持または使用した者は、高額の場合、10 年以上の懲役および 50 万元(約 1 千万円)以下の罰金に処せられる可能性がある。 (平野大地、江南タイムズ = 5-16-25) |