23 年度の温室効果ガス排出、過去最低を更新 原発・再エネ増が影響 環境省は 25 日、2023 年度の国内の温室効果ガスの総排出量は 10 億 7,100 万トンで、2 年連続で減少したと発表した。 記録のある 1990 年度以降での過去最低も更新。 電源構成に占める再生可能エネルギーや原発の割合が計 3 割超に高まったことや、製造業の国内生産活動が減った影響と考えられるという。 総排出量は 22 年度より 4.0% (4,490 万トン)減少した。 23 年度の電源構成の割合は、再生可能エネルギーが前年度比 1.0 ポイント増の 22.9%、原発は前年度から 2.9 ポイント増えて 8.5% となり、電源の脱炭素化が進んだという。 冷蔵庫などの冷媒に使われ、温室効果の高い代替フロンの 23 年の排出量は 3,700 万トンで、前年比 3.9% 減少。 法律に基づく生産量や消費量の規制、温室効果の小さい冷媒への転換が進んだ効果とみられるという。 森林などによる吸収量は、22 年度とほぼ同じで 5,370 万トン。排出量から吸収量を差し引くと、10 億 1,700 万トンで、22 年度比で 4.2% (4,490 万トン)減った。 政府は、50 年に排出量を実質ゼロとする目標を掲げているが、「順調に減少している」としている。 環境省の担当者は「今後は排出削減が難しくなると見込まれるため、ますます吸収源が重要になる」と説明。 吸収源となる沖合での海藻の生産・育成や、二酸化炭素を吸収するコンクリートの普及に向けた検討を進めるという。 (福地慶太郎、asahi = 4-25-25) 浮体式洋上風力、北九州市沖に 商用化は 2 例目 中国電力など 6 社で 風力発電プラントなどを手がける「グローカル(広島県呉市)」や中国電力など 6 社は 22 日、北九州市沖で浮体式洋上風力発電所の商用運転を始めたと発表した。 浮体式洋上風力発電の商用化は、長崎県五島市に次いで国内 2 例目。 発電した電気はすべて九州電力送配電に売る。 6 社が出資し設立した「ひびきフローティングウィンドパワー(呉市)」が所有、運用する。 最大の高さが 122 メートルの風車を 51 メートル四方の浮体に載せ、北九州港の沖合 15 キロメートルの洋上に浮かべている。 最大出力は 3 千キロワット。 洋上風力は、海底に基礎を固定する「着床式」と、基礎を海面に浮かせる浮体式に大別される。 浮体式は水深の深い海域にも設置ができ、遠浅の海が少ない日本に適しているとされる。 設置可能な海域は、着床式の約 5 倍の広さという。 今回の浮体は、「ロ」の字の形をした「バージ型」と呼ばれるもの。 単純な構造で費用が少なく大量生産に適しているとされる。 グローカルの奥原誠次郎社長は同日の会見で「日本では沖合の深いところで環境影響へ配慮しながら、大きなエネルギーをできるだけ安くとりださなければいけない。 今回大きな一歩を踏み出す。」と話した。 (野口陽、松本真弥、asahi = 4-22-25) トランプ氏が石炭増産目指す大統領令、環境団体は猛反発 [ワシントン] トランプ米大統領は 8 日、国内の石炭増産を促す大統領令に署名した。 大統領復帰以来、米国の化石燃料生産拡大やエネルギー・環境関連規制の緩和ないし撤廃を推進する取り組みの一環だ。 米国の電源構成で石炭火力発電が占める比率は 2000 年の 50% から 20% 弱に低下している。 掘削技術の発達でよりクリーンな天然ガスの生産が増加したほか、太陽光や風力といった再生可能エネルギーの普及が理由だ。 一方米国内では、人工知能 (AI) 向けデータセンターの建設ラッシュなどで電力需要も急拡大している。 こうした中でトランプ氏はホワイトハウスに招いた炭鉱労働者を前に「われわれは見捨てられた産業を再生させる」と語り、10 年前に 7 万人だった炭鉱労働者が約 4 万人まで落ち込んだことに触れて「これらの労働者を仕事に復帰させる」と強調した。 大統領令には、閉鎖される公算が大きい石炭火力発電を維持する措置が盛り込まれた。 またライト・エネルギー長官に対して鉄鋼生産用の石炭を「重要鉱物」に指定するかどうか判断するよう指示。 指定されれば、大統領の緊急権限で石炭を増産できる条件が整う。 バーガム内務長官には、現在凍結している連邦所有地での新たな炭鉱開発向けリースを解禁するよう指示している。 ただ環境保護団体からは、空気を汚して競争力もない石炭火力発電を守るトランプ政権の計画は、過去のエネルギーにこだわり、消費者に余計な電力料金を負担させようとしているなどと強い批判の声が出ている。 (Jarrett Renshaw、Timothy Gardner、Trevor Hunnicutt、Reuters = 4-9-25) タンチョウ繁殖の苫東厚真風力発電計画地 環境相が抜本的見直し要請 北海道苫小牧市と厚真町で、大阪ガスのグループ企業が計画する「苫東厚真風力発電事業」について環境相は、抜本的な見直しを求める意見を出した。 現場の湿地は国の特別天然記念物タンチョウの繁殖が確認されており、日本野鳥の会が「貴重な繁殖地を守るべきだ」として計画中止を求めている。 意見は 25 日。 風車の設置取りやめや配置の変更、追加の環境保全措置を求めた。 大ガス側はさらなる対応に迫られる。 準備書によれば、海岸に近い約 336 ヘクタールの区域内に出力 4,300 キロワット程度の風車を 10 基建設する計画。 2028 年度からの営業運転開始を目指している。 大ガス側はタンチョウの繁殖に配慮して風車 5 基を海側に設置する計画変更を行った。 しかし、環境相はタンチョウのほか、国の希少種に指定されているオジロワシやチュウヒの「移動経路の阻害や衝突事故、生息地放棄といった重大な影響が懸念される」と指摘した。 大ガス側は、朝日新聞の取材に「各自治体や住民の皆様からのご意見、真摯に受け止めております。 皆様のご意見を踏まえまして、本事業方針等について検討を重ねて参ります」とコメントしている。 タンチョウは北海道を代表するツル。 近年、保護活動によって数が回復し、道内の 24 年度の越冬分布調査では過去最多の 1,927 羽が確認されている。 生息地は道東が中心だが、今回の計画地付近は道内での分布の西端の一つとされる。 (日浦統、asahi = 3-28-25) 環境キャンペーン「アースアワー」が世界各地で開催 観光名所など 1 時間消灯 世界自然保護基金 (WWF) が主催する環境キャンペーン「アースアワー」が 22 日、世界各地で催された。 アースアワーは気候変動への意識を高めることを目的に、世界中で同じ日の同時刻から 1 時間、一斉に照明を消すイベント。 2007 年にオーストラリアで始まった。 毎年開催され、現在、180 以上の国・地域が参加している。 今年も世界各地のランドマークや観光名所、庁舎が 1 時間、暗闇に包まれた。 (AFP = 3-24-25) 森林切り開いた草原、生物多様性の回復に 75 年必要 菅平高原で調査 古くから人が火入れや草刈りをして管理・維持してきた半自然の古草原と、戦後に森林を切り開いて新たにつくられた再生草原。 一見したところ違いがよくわからないが、植物や昆虫といった生物の多様性やかかわりを、再生草原が古草原レベルまで回復するには少なくとも 75 年程度の管理が必要だと、神戸大の丑丸(うしまる)敦史教授(生態学)や筑波大、富山大などの研究チームが 13 日、国際専門誌に発表した。 長野県上田市の菅平高原で調査した。 半自然の古草原は、近代化や管理する人々の減少・高齢化による放棄で世界的にも減っており、日本でも 100 年前の 10 分の 1 以下に縮小。 貴重な動植物が絶滅の危機に瀕している。 そこで、管理を放棄したり植林したりしてできた森林を伐採し、人による管理を再び導入して再生草原をつくり生物多様性を回復しようという試みが世界でも広がっている。 研究チームは、2021 年と 22 年の 5 - 9 月の各月ごとに、菅平高原にある 14 のスキー場(古草原と再生草原が七つずつ)で 5 メートル x 200 メートルの枠を設け、虫が受粉を媒介する植物種とその花数、花を訪れたミツバチやチョウ、ハナアブの仲間などの昆虫種数と個体数を調べた。 植物と虫の関係は、特定の種同士の関係が多くなるスペシャリスト度という指標を計算した。 生物多様性が豊かだとこの指標が高いとされる。 15 種の植物については各地点で種ごとに最大 20 個体の花からめしべを採取し、付着した花粉の量を調べた。 うち 5 種では果実を最大 15 個体採取し、自然受粉による種子数を調べ、人工授粉との差をみた。 その結果、再生草原では草原となってからの期間が短いと全植物種、在来植物種が少なく、虫もハナアブなどハエ類が多いが、期間が長くなるにつれて全植物種、在来植物種が増え、ミツバチやチョウの仲間の割合が増加していった。 草原として 75 年程度維持されると、古草原の平均と同水準となった。 ただしミツバチやチョウ類の個体数は 75 年経ても古草原に及ばなかったという。 開花数は再生草原では初期は外来種が多く、長くなるにつれて在来種が増えるが特定の種に限られたという。 一方、植物と虫の関係では、再生草原は期間が長くなるにつれてスペシャリスト度が上がるが、75 年たっても古草原の平均水準には届かなかった。 花の受粉量や種子生産も期間が長くなるにつれて改善はするものの、古草原より少なかった。 研究チームの神戸大大学院博士課程の平山楽(がく)さんは「半自然草原はこの 100 年間で日本で最も失われた生態系。 まずは生物多様性や生態系の観点から価値の高い古草原を特定し、保全を最優先することが非常に重要。 草原を再生させるときには、種数だけでなくどんな在来種を導入すれば生物多様性の回復が早まるか、管理方法やアプローチを検討していきたい」という。 丑丸さんは「草原はすぐに再生できると思われている方が多いと思うが、そんなことはなく、本当に生物多様性の豊かな草原は限られた場所にしか残っていないことを知ってほしい。 一方、時間はかかるが、スキー場などで人が管理を続けていけば貴重な生物が多くくらす草原が回復する可能性があり、ネイチャーポジティブにつながる。」と話している。 論文は こちら。 (桜井林太郎、asahi = 3-13-25) 持ち越しのプラごみ条約交渉、8 月スイスで再開 今度こそ合意なるか プラスチックごみ汚染に対処する国際条約策定に向けた政府間交渉会合が、8 月にスイスのジュネーブの国連欧州本部で再開されることが決まった。 昨年の韓国での会合では結論を持ち越し、閉幕していた。 各国の意見に隔たりがある中、改めての合意をめざす。 2022 年 3 月の国連環境総会で、計 5 回の交渉会合を開き、24 年中に条約内容をまとめることが決まった。 その最終会合が昨年 11 - 12 月に約 1 週間にわたって、韓国の釜山で開かれたが、交渉は難航。 ▽ プラ生産の規制、▽ 特定のプラ製品や化学物質の規制、▽ 資金支援のあり方 - - の 3 項目で合意が困難と議長が判断。 再開会合で策定作業を続けることになっていた。 会期は 8 月 5 ‐ 14 日の予定。 各国には意見の隔たりがあるものの、プラごみ対策の必要性では一致している。 一方、気候変動対策など国際協調に背を向ける米トランプ政権の影響など、議論の先行きには不確定要素も残る。 (玉木祥子、asahi = 3-4-25) 北陸電の旧式石炭火力、運転停止を 28 年度まで再延長 脱炭素に逆行 北陸電力は 27 日、3 月末までで運転を止める予定だった富山新港火力発電所(富山県射水市)の石炭 1 号機について、2028 年度まで運転を続けると発表した。 運転 50 年超の旧式で温室効果ガスの排出量が多く、当初は液化天然ガス (LNG) 火力に建て替えるかわりに 18 年度で停止する計画だった。 LNG火力はすでに稼働しているが、電力需要の増加に対応するためといい、「脱炭素」の流れに逆らって、運転延長を続けている。 石炭 1 号機は出力 25万キロワットで1971年に完成した。発電効率が38%以下と低い旧式の「亜臨界」方式で、最新の石炭火力設備よりも温室効果ガスの排出量が多い。 北陸電は同じ敷地内にLNG 火力の発電施設を建て、18 年から運転を始めた。 その際、国に提出した環境影響評価(アセスメント)で、石炭 1 号機の廃止を明言。温室効果ガスの排出量が減ることなどを理由に、通常 9 カ月はかかる審査を約 5 カ月に短縮した。 環境アセス、脱石炭で課題残す だが、北陸電は 17 年、電力需要の増加などを理由に、石炭 1 号機の運転延長を発表。 当時の中川雅治環境相が「極めて遺憾で非常に残念」と批判していた。 環境省は、環境アセスの前提となった計画を変更しても違法にはならないとするが、同省幹部は「アセス法は事業者の自主性に任せるもので、事業者が約束したことを守らなくなれば、法律が形骸化する」と指摘した。 北陸電は今回の運転延長について、志賀原発の審査が見通せないことや能登半島地震で一部の火力発電所が停止したことを挙げ、「電力需要増や足元の供給力を考慮すると廃止は困難だと判断した」と説明した。 化石燃料の中でも温室効果ガスの排出量が多い石炭火力は、国際的な批判が強い。 日本政府は 35 年までに排出削減対策のない石炭火力は廃止すると主要 7 カ国 (G7) 間で約束し、北陸電の石炭 1 号機も対象だ。 NGO の集計では今年 2 月 1 日時点で、全国で運転中の石炭火力約 160 基のうち、石炭 1 号機と同じ亜臨界方式は 6 割も残っている。 廃止に向けた道筋は不透明なままだ。 (市野塊、asahi = 2-27-25) JAL 「サメ肌旅客機」就航 国際線初、凹凸の塗膜 CO2 減らす 航空機に凹凸のある塗膜を施すことで空気抵抗を減らし、二酸化炭素 (CO2) の排出量を削減する実証実験が始まった。 ヒントにしたのは「サメ肌」だ。 日本航空はボーイング 787-9 の胴体部分の約 30% に「リブレット形状」と呼ばれる凹凸のある塗膜を施し、1 月 18 日に就航させた。 国際線での運航は世界初という。 サメは肌に微細な溝があり、水の抵抗を減らして速く泳げる。 これをヒントに考案された微細な溝構造がリブレットで、競泳用水着や船などに使われてきた。 航空機への応用も期待されていたが、加工が難しいことなどが課題だった。 そこで塗料開発などを手がけるオーウエル(大阪市)が開発したのが塗膜を施す手法だ。 凹凸のある型を使って塗膜にリブレット形状をつくる。 実験に参加している宇宙航空研究開発機構 (JAXA) などの試算では、機体の空気抵抗の低減率は約 0.24%。 成田 - フランクフルト(ドイツ)間を 1 年間運航した場合、燃料消費量が約 119 トン、CO2 排出量は約 381 トン減らせると期待される。 約 2 万 7 千本のスギの年間吸収量に相当するという。 リブレットの技術は、凹凸のあるシールやフィルムを貼る方法で全日空などが導入している。 JAXA と オーウエル は、塗料の方が軽く、耐久性も高いと考えられると説明している。 実証実験では、燃料消費量や CO2 排出量をどのぐらい減らせるかを確かめる。 JAXA が効果解析などを担当する。 結果をもとに、塗る面積や塗装する機体を増やしていきたいという。 オーウエルの担当者は取材に「航空機のカーボンニュートラル実現に貢献したい」と話した。 (佐々木凌、asahi = 1-26-25) 秋田・山形新幹線、太陽光電力で運行へ … JR 東日本が初導入 JR 東日本と東北電力は今年 4 月から、山形新幹線と秋田新幹線の運転用電力の約 2 割を太陽光発電でまかなう。 再生可能エネルギー由来の電力を新幹線の運行に導入するのは JR 東日本では初めてで、二酸化炭素排出量の削減にもつながる取り組みとなる。 両社の発表によると、秋田県や青森県などにある JR 東日本専用の太陽光発電所から、東北電力の送配電ネットワークを使って電力を運ぶ。 山形新幹線の福島 - 新庄駅間と秋田新幹線の盛岡 - 秋田駅間の運行に使われ、電力供給量は年間約 3,500 万キロ・ワット時(一般家庭約 1 万 1,200 世帯分に相当)と見込まれている。 JR 東の新幹線全体の供給電力の約 2% に相当する。 これにより、両区間の運行に伴って排出される二酸化炭素排出量は、年間で約 2 割(約 1 万 6,500 トン)削減できるという。 JR 東は二酸化炭素の排出と吸収・回収を 2050 年度に同量にすることで、排出の「実質ゼロ」を目指している。 担当者は「その実現への一歩となる」と話している。 (yomiuri = 1-21-25) ロシア重油流出、「影響は数十年にも」 絶滅危惧種イルカの死体倍増 ロシアのタンカーが座礁して黒海に重油が流出した事故に関連し、絶滅危惧種のイルカ 58 頭の死体が見つかったと、ロシアの保護団体が 11 日、発表した。 事故の影響が濃厚で、5 日時点の 32 頭から 2 倍近くに増えた。 ロシアの専門家は「影響は数十年残る可能性がある」と警告している。 イルカの保護センター「デリファ」の発表によると、58 頭の死体は昨年 12 月 15 日の事故後に見つかり、死後 3 週間以内とみられる。 事故以前に死亡したとみられるイルカも 58 頭見つかった。 センターは「この時期にしては死体数が異常に多い。 重油に関係している可能性が高い。」とみている。 また、泳いでいたイルカの 1 頭は、背びれや胸びれ、頭部の一部が重油で黒くなっていた。 黒海には、ロシアなどが絶滅危惧種に指定するネズミイルカやバンドウイルカなどが生息。 特に小型のネズミイルカの被害が目立つという。 ロシアは国家レベルの緊急事態を宣言。 ボランティアも動員して汚染の除去にあたっているが、ロシアの専門家は地元メディアに「長期的な影響は数十年になる可能性がある」と話した。 (asahi = 1-12-25) 食品ロス削減、事業系の新目標は 60% 減に 8 年前倒しで半減を達成 政府の食品ロス削減推進会議は 24 日、第 2 次基本方針案を承認し、事業系食品ロス削減量を 2030 年度までに 00 年度比で 60% 削減するとした。 食品ロスについては、20 年に閣議決定された第 1 次方針で、事業系、家庭系共に 00 年度比で 30 年度までに半減させる目標を立てていた。 事業系の食品ロスは 22 年度に 236 万トンとなり、目標を 8 年前倒しで達成していた。 新たな目標の 60% 削減を実現するには、さらに 17 万トン減らし、219 万トンにする必要がある。 農林水産省外食・食文化課食品ロス・リサイクル対策室は「野心的な目標だが、外食での食べきりや商品購入の際の手前取りなど、国民全体の取り組みが鍵になる」としている。 家庭系食品ロスの目標は、新方針案でも 00 年度比 50% 減のまま維持された。 22 年度は 236 万トンで 00 年度比約 55%。 目標の 50% 減、216 万トンまではあと 20 万トン減らさなくてはならない。 25 日からパブリックコメントを募り、年度末までに閣議で第 2 次方針が決定される予定。 (大村美香、asahi = 12-24-24) 新幹線の防音壁を「太陽電池化」 JR 東海と積水化学が "従来のシリコン系と異なる材料" で試作 来年から実証実験 JR 東海と積水化学工業は 2024 年 12 月 18 日、太陽電池搭載の防音壁を共同開発する契約を締結し、あわせて試作品を開発したと発表しました。 両社は、東海道新幹線沿線に設置している日当たりの良い防音壁に「ペロブスカイト太陽電池」を搭載できるかの検討を始めています。 発電した電気は、駅などでの活用を想定しています。 防音壁に太陽電池を取り付ける場合、荷重を支える壁の基礎などが大規模な構造にならないよう、軽量にする必要があります。 そこで、従来のシリコン系と比べて、薄く軽量で柔軟なフィルム型ペロブスカイト太陽電池に着目。 さらにメンテナンスしやすいよう、太陽電池のみを容易に取り換えられるような防音壁を試作したといいます。 今後実用化に向けて、JR 東海の小牧研究施設に試作品を設置し、屋外環境の様々な条件下で発電性能を調べます。 また、列車通過時を想定した振動や風圧などの影響、施工性の確認なども進めます。 2025年1月から、小牧研究施設で実証実験を始める予定です。 (乗りものニュース = 12-22-24) 日鉄、高炉での CO2 削減 世界最高の 43%、石炭でなく水素を使用 日本製鉄は 20 日、高炉で鉄を作る際に、石炭のかわりに水素を使うことで二酸化炭素 (CO2) の排出量を大幅に減らす技術を確立したと発表した。 世界最高水準となる 43% の削減を、千葉県君津市にある試験炉で達成した。 現在主流となっている高炉での製鉄は、石炭を使って鉄鉱石から酸素を取り除く工程で CO2 が大量に出る。 日鉄は、石炭のかわりに加熱した水素を使うことで CO2 の排出を抑える試験に、一昨年 5 月から取り組んできた。 高炉内の熱のバランスを改善することで削減率が高まったという。 今後、削減率のさらなる向上に向けた技術開発を進め、大型高炉での実用化をめざす。 鉄鋼業界の CO2 排出量は日本全体の 1 割以上を占めている。 国内最大手の日鉄は、鉄スクラップを電気でとかす電炉の本格導入や、CO2 の回収・貯留なども進め、2050 年のカーボンニュートラルをめざす。 (山本精作、asahi = 12-20-24) |