京都府、山陰近畿道ルート帯を「海側」に決定 網野 - 久美浜間

京都府宮津市と鳥取市を結ぶ高規格道路「山陰近畿自動車道」について、京丹後市内の網野インターチェンジ (IC) から久美浜に至るおおまかなルートを決めたと府が発表した。 日本海に沈む太陽が望める観光地、夕日ケ浦温泉などに近い「海側」のルート帯(2 キロ幅)で今後、詳細ルートを決めるという。 山陰近畿道の総延長は約 120 キロで、47.6 キロが開通している。 府内では、京丹後大宮 IC - 大宮峰山 IC (仮称)の 5 キロが工事中。 大宮峰山 IC - 網野 IC (同)の 7.6 キロは詳細ルートを決め、着工に向けて調査している。

網野 IC 以西のルートは未確定で、府は昨年 3 月に学識経験者らがルートを検討する委員会を設立。 海側ルート帯のほか、工業団地を経由する山側ルート帯や国道 178 号の一部を活用するルート帯の計 3 案を比較し、委員会が海側が最適と結論づけた。 海側の総延長は 16 - 19 キロ。 観光振興の促進や地域産業の活性化などの点で総合的に優位と判断したという。 同区間の詳細ルートの決定時期などは決まっていない。 西脇隆俊知事は 7 日の記者会見で「ルート帯を決定できたことで、全線開通に向けた大きな第一歩を踏み出せたと感じている」と語った。 (西崎啓太朗、asahi = 2-17-25)


地方公務員の男性 2 人を書類送検 2023 年 3 月に石見銀山遺跡内を観光していた女性が死亡
 もたれかかった木製の柵が折れ川に転落 島根県大田市

2023 年 3 月、島根県大田市にある「石見銀山遺跡」で柵にもたれかかった女性が川に転落し亡くなった事故について、大田警察署は柵の修繕の必要があるとわかっていながら危険回避のための業務を怠ったとして、大田市の地方公務員 2 人を松江地方検察庁に書類送検しました。 業務上過失致死の疑いで書類送検されたのは、大田市の地方公務員の 55 歳の男性と、41 歳の男性です。 2 人は大田市が管理する道路や橋を点検し、必用に応じ補修するなどの業務にあたっていました。

しかし、2023 年 3 月世界遺産・石見銀山遺跡内で観光していた愛知県から観光で訪れていた 60 代の女性が銀山川にかかる羅漢町橋付近の木製の柵にもたれかかったところ柵が壊れ、川に転落。 多発骨折等による外傷性ショックで亡くなりました。 2 人は点検で柵が腐食し、修繕の必要があるとわかっていながら、立入規制や早急な修理などをせず、危険回避のための業務を怠っていたということです。 2 人は警察の調べに対し容疑を認めているということです。 また、大田市は「今後検察の判断を待つ段階のため、コメントについては差し控えたい」としています。 (日本海テレビ = 2-14-25)


島根、就職希望学生の求人数過去最多 人手不足などが背景

ことし(2025 年)の春に、島根県内の大学や大学院を卒業し就職を希望する学生の求人数は去年 12 月の時点で 8 万 2,700 人余りと、人手不足などを背景に、統計を取り始めて以来、最も多くなったことが島根労働局の調べでわかりました。 島根労働局によりますと、この春、県内の大学と大学院を卒業する学生に対する企業からの求人は、去年 12 月の時点で 8 万 2,708 人と、前の年の同じ月より 6,354 人、率にして 8.3% 増え、統計を取り始めた平成 7 年度以降で最も多くなりました。

また、就職を希望する学生 1,095 人のうち、去年 12 月末時点で就職先が内定したのは 942 人で、内定率は 86% と、この 5 年で最も高くなりました。 島根労働局は、「人手不足が深刻化する中で学生の売り手市場が続いており、優秀な若手の人材獲得に向けた企業の採用意欲は依然として高い水準にあるとみられる」と話しています。 (NHK = 2-9-25)


米子空港と台湾結ぶ定期便、5 月末に就航へ 当初予定より 4 カ月遅れ

鳥取県は、米子空港と台湾(台北・桃園国際空港)を結ぶ直行便が 5 月 29 日に就航すると発表した。 当初予定より約 4 カ月遅れる。 鳥取県内の空港と台湾が定期便で結ばれるのは初めて。 初日の 5 月 29 日は木曜だが、翌週からは月曜と金曜の週 2 往復。 月曜は正午に米子に着き、午後 1 時に台湾に向かう。 金曜は午後 4 時 50 分に米子に着き、同 5 時 50 分に出発する。 所要時間は約 2 時間半 - 3 時間。 機体は 179 人乗りで、台湾の格安航空会社「タイガーエア台湾」が運航する。

就航時期について鳥取県は昨年 9 月、今年 1 月中旬をめどと発表していた。 しかし県によると、機体や人員の確保ができないとする運航会社側の事情から延期されたという。 平井伸治・鳥取県知事は 1 月 30 日の定例会見で、「県内の観光事業者には、台湾の客にたくさん来てほしいという声が多い。 台湾に行ってみたいという需要も旺盛だ。 今までなかった台湾便ができることは山陰地域にとって大きな意義」と話した。 (清野貴幸、asahi = 2-3-25)


出雲市立第一中「120 点」金賞 アンサンブル中国大会、島根勢健闘

1 日開幕した全日本アンサンブルコンテスト中国大会の中学生の部では、島根県代表が 7 団体出場し、出雲市立第一が県勢唯一の金賞に輝いた。 出雲市立第一はフルート三重奏で「共鳴のトライアド」を披露した。 吹奏楽部員 3 人がそろいの白のジャケットを着て舞台へ。 戦いに敗れて再び立ち上がる武士を主人公にして、馬のひづめの音や、雨が降る中、縁側に座って、ししおどしの音を聞きながら仲間を思いやる姿などを表現した。

部長の宇佐見結菜(ゆな)さん(2 年)は「決めどころをそろえることができ、(自分たちで考えた和の)世界観を出せた。 100 点満点で 120 点」と笑顔を見せた。 ただ、全国大会出場を逃したため、悔しい気持ちを口にした。

鹿島は「楽器一つに」、東出雲「パッと出た」、大社「やりきった」

銀賞は 5 団体。 このうち、松江市立鹿島と同市立東出雲は初の中国大会出場だった。 鹿島はテューバやクラリネット、打楽器などによる管打八重奏で「オルケゾグラフィ舞踏曲集」を演奏した。 部長の井上結梨(るり)さん(2 年)は「曲ごとに印象を変えて吹くことができ、各楽器が一つになってメロディーを奏でることもできた。」 東出雲は、サックスやオーボエ、フルートなどの木管八重奏で「ノヴェレッテ」を演奏した。 部長の松ア夢子さん(2 年)は「みんなのいいところが音になって出ていた。 出だしのところでみんながパッと出てきたのも良かった。」と話した。

県勢のトリを務めた出雲市立大社も銀賞だった。 トロンボーンやテューバなどによる金管八重奏で「クロス・セクション・ビュー」を演奏した。 副部長の井上雅暁(まさとき)さん(2 年)は「やりきった。 みんなの気持ちがそろっていた。」と話した。 (石川和彦、asahi = 2-1-25)

〈編者注〉 全国大会出場を逃したのは残念! 和の音にこだわったのであれば、ベースを 1 本入れるだけで重厚感が増し、フルートのアンサンブルを際立たせたのではないかと想像してしまいます。


出雲空港に「カームダウンスペース」 高校生 6 人が授業の一環で製作

発達障害や知的障害、認知症の人らがパニックになったり、なりそうになったりした時に気持ちを鎮めるための空間「カームダウン(クールダウン)スペース」が出雲空港(島根県出雲市斐川町)にできた。 作ったのは、県立出雲工業高校(同市上塩冶町)建築科の 3 年 6 人だ。 カームダウンスペースはターミナルビル 2 出発ロビーに設置された箱形で、高さ 2 メートル、幅 1.8 メートル、奥行き 1.2 メートル。 木材と金具で組み立てられ、椅子が二つ置かれている。

利用者目線で様々な工夫が施されている。 正面の扉は組子細工の引き戸で、模様の間から中が見える。 リーダーの高瀬蓮歩(れんほ)さん (18) は「密閉空間にならないようにと考えた。 光が入り、外からも利用者がいるかがわかる」と説明する。 天井も格子状で、部材はヒノキ。 「ヒノキの香りで落ち着いてほしいと思った。(高瀬さん)」 側面の窓は調光パネルがはめられ、室内のボタン操作一つで曇り、中が見えなくなる。

高瀬さんら 6 人は昨春、1、2 年で学んだことの集大成として地域の課題解決に取り組むことに。 「全国的に必要とされるものは何だろう(高瀬さん)」と考え、羽田空港などの国際空港、東京五輪会場だった新国立競技場などに設置されているカームダウンスペースに行き着いた。 出雲空港管理事務所に設置を打診。 島根県建具協同組合などから助言を受け、設計に取り組んだ。 授業は週 1 回で 1 回 3 時間。 車いすの人も利用できるようにすることなども考え、完成まで半年ほどかかった。

建具組合の組合員に手伝ってもらい、昨年 12 月 11 日に設置。 なごむなどの意味がある「和」と「出雲」から、スペースを「和雲(なごも)」と名付けた。 スペースにアンケート用紙を置き、QR コードも掲示して、利用者に感想を募ったところ、1 カ月ほどで約 50 件集まった。 高瀬さんは「使いやすい、木の香りが良いという意見もあった。 障害があり、(これまでに空港に)来られなかった人も(空港を)利用しやすくなるのではないか。 作って良かったと思う。」と話す。

指導した出雲工業高の三好良・建築科長 (38) は「組合の人らによく質問し、課題達成に向けて取り組んでくれた。 社会に出ていく上で自信につながれば。」と話している。 (石川和彦、asahi = 1-27-25)


境港、2024 年の水揚げ量増加で全国 3 位守る 水揚げ額は微減も全国 4 位に

西日本有数の漁業基地・境港の 2024 年 1 年間の水揚げ量は約 12.5 万トンで、前の年に比べ 5% 増加し、2024 年に続いて全国 3 位の水揚げ量となりました。 一方、水揚げ額ではわずかに減少したものの、全国 4 位に順位を上げました。

境港水産振興協会の発表によると、境港の 2024 年 1 年間の水揚げ量は 12 万 5,000 トン余りで、前の年に比べ 5% 増加しました。 一方、水揚げ額は約 239 億円で 2% 減少しました。 全国の漁港別の順位は、水揚げ量が 2 年連続で 3 位、水揚げ額では順位を 1 つ上げ 4 位でした。 境港市によると、2024 年は、水揚げ量の大部分を占める「マイワシ」と「サバ」が豊漁で水揚げ量が増加した一方、単価が下落し、水揚げ額の減少につながったということです。 (TSK さんいん中央テレビ = 1-23-25)


連合島根 春闘で過去最大 6% 以上の賃上げ要求へ

島根県で最大の労働団体、「連合島根」は、ことしの春闘で、本部の方針より 1% 高い、6% 以上の賃上げを要求する方針であることが、関係者への取材でわかりました。 1990 年に結成されて以降、最大の賃上げ要求で、深刻な物価高騰が続くなか、高い水準の要求が必要だと判断したとみられます。 連合島根は、県内およそ 300 の労働組合が加盟する、島根県で最大の労働団体で、現在、ことしの春闘の要求方針について、賃上げ幅をどうするか、つめの協議を行っています。

こうしたなか、ことしの春闘では、経営側に対し、連合本部の方針より 1% 高い、6% 以上の賃上げを要求する方針であることが、関係者への取材でわかりました。 具体的には、基本給を引き上げる「ベースアップ」相当分として 4% 以上、年齢や勤続年数に応じた「定期昇給」分として 2% の賃上げをそれぞれ求めるとしています。

6% 以上の賃上げ要求は、連合島根が 1990 年に結成されて以降、最大で、深刻な物価高騰が続くなか、高い水準の要求が必要だと判断したとみられます。 連合島根は、この方針を、17 日、松江市で開く会合で正式に決定することにしていて、来月(2 月)以降、加盟する労働組合が、それぞれの経営側と、本格的な交渉を行うことにしています。 (NHK = 1-17-25)


山陰発! 全国で放送『 たたらの國 奥出雲 』 世界唯一の「たたら製鉄」の町、島根・奥出雲を旅して
1000 年受け継がれる日本の "ものづくり" のルーツに迫る!

岡田准一さんが、島根県奥出雲を旅して 1000 年受け継がれる「たたら」の魅力、歴史と文化に迫るテレビ番組が放送されます。 放送日は 1 月 18 日(土)午後4 4 時 - 4 時 54 分。 TBS 系列 28 社。 砂鉄と、木炭と、粘土 - 森にある素材だけを使い、人の力によって 70 時間かけて鉄を生み出す奇跡の製鉄法「たたら」。

1,000 年以上前からつづく日本古来の技術をいまも受け継ぎ、操業を続ける世界で唯一の場所、島根・奥出雲を俳優・岡田准一が訪ね、たたらの炎が燃えさかる現場で、鉄が生まれる瞬間に立ち会う。 そして、たたらと歩んできた町・奥出雲の歴史と文化にも触れ、日本のものづくりのルーツに迫ってゆく。 先人たちの魂が、現代の私たちに問いかけるメッセージとは- -。

番組内容

島根県・奥出雲地方。 森にある自然の素材のみを使い、人の力によって 70 時間かけて鉄を生み出す日本古来の製鉄法「たたら」を、現代も続けている世界で唯一の場所。 江戸時代の最盛期には、奥出雲を中心とした中国山地で、日本の鉄の 8 割以上を生産していたともいわれ、全国に鉄を供給していた「鉄の聖地」でもあった。 特に日本刀の原料である最上級の鋼「玉鋼(たまはがね)」は、「たたら」でしか生み出すことができないため、現在は、玉鋼の供給と伝統技術の継承を目的に、毎年冬の期間だけ、職人たちが操業を続けている。

そんな奥出雲へ、俳優・岡田准一さんが「たたら」を知る旅に出る。 映画などで殺陣やアクション作りにいかすために、武術や格闘技を習っており、日本刀にも興味を持つ岡田さん。 「『たたら製鉄』をこの目で見てみたい」と熱望していたが、今回、通常非公開とされる操業中の現場への立ち入りを許され、取材を敢行。 また、岡田さんは奥出雲の歴史や文化にも触れ、「たたら」と共に歩んできた町の秘密を知る。

出雲神話・ヤマタノオロチ伝説とのつながり。砂鉄と木炭を得るために森林を伐採した跡地を、棚田として再生させるサステナブルな取り組み。 そして、「たたら」から自動車産業など近代日本のものづくりに繋がるストーリーにも迫ってゆく。 1,000 年の時を越える「たたら」の営みが、現代の私たちに問いかけるメッセージとは - -。

岡田准一さんメッセージ

奥出雲の「たたら」には、鉄づくりだけでなく、自然や食など、多くのことに繋がっていることをこの番組を通じて学ぶことができました。 たたらと共にある先人たちの営みや知恵の中に、今の僕たちがこれから生きる上での大事なヒントがあると思います。 自分たちの国には、こういう文化があるんだということを、番組を見て、多くの人に知ってもらうきっかけになれば嬉しく思います。 一度は来てみたかった奥出雲で、たたら操業の現場を見ることができ、刀好きとしてはたまらない喜びでした。

役者として演じる際に使っている刀が、本物はどのように作られているのか。 玉鋼が生み出される瞬間を目の当たりにでき、職人さんの思いを知り、今後の役づくりにいかせる貴重な経験をさせていただきました。 (鳥取マガジン = 1-15-25)


異色の気品、一畑電車「出雲大社号」ラストラン … 京王から譲り受け「荘厳さをイメージの配色」に改造

白や青、黒を基調にしたカラーリングで、急行「出雲大社号」としても人気を博した一畑電車の「5010 号」、「5110 号」の 2 車両が 13 日、老朽化により運行を終えた。 同社のシンボルカラーであるオレンジ色の車両が多い中、異色の気品ある電車だっただけに、最終列車の終着駅となった島根県出雲市の雲州平田駅では、大勢の鉄道ファンが別れを惜しんだ。

2 車両は 1967 年に製造され、京王電鉄(東京都)から譲り受けて改造後、98 年に一畑電車で走り始めた。 外観は宍道湖の色や出雲大社の荘厳さをイメージした配色で、進行方向に向かって座るクロスシートを採用。 松江しんじ湖温泉駅 - 出雲大社前駅間を結ぶ急行「出雲大社号」として一時、出雲への観光に彩りを添えてきた。 出雲大社前発の最終列車が午後 3 時、雲州平田駅のホームに到着すると、構内は「ありがとう」「26 年間お疲れさま」の歓声と拍手で包まれた。 その後は撮影会が開かれ、鉄道ファンらが間近で記念撮影をするなどしていた。

神戸市のアルバイト従業員 (37) はこの日、最終列車に乗車。 「クロスシートがふかふかで、快適な旅だった。 乗れなくなると思うと寂しい。」と名残惜しそうだった。 松江市の会社員 (46) は過去数十回にわたって乗車した感謝を伝えようと、「さよなら」と記した自作のプラカードを掲げて、出迎えた。 「時間を忘れて、島根の風景を楽しめる車両だった。 塗装がはがれているのを見て、『よく頑張った』と伝えたい」と話した。 一畑電車の野津昌巳・営業部長は「会社の顔となる車両。 皆様に愛されたことを裏付ける最後だった。」と語った。

なお、同時期に導入された「5009 号」、「5109 号」は 2014 年、木質化の改造工事を受け、現在はオレンジ色の外観に変更されて活躍している。 運行を終えた 2 車両の代わりには、8000 系車両が導入される。 (澤野有輝、yomiuri = 1-14-25)

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一畑電車が新造車両 デュアルシートで通勤通学、観光どちらも対応

一畑電車(本社・島根県出雲市)が、新造車両「デハ 8000 系」の概要やイメージ図を公表した。 今年度中に 1 両を導入し、来年 3 月 2 日に営業運転を開始する予定だ。 座席はロングシートのほかに、座席の向きを変えることができるデュアルシートも設置。 通勤通学客が多い時間帯はデュアルシートの部分もロングシートの向きに合わせる。観光客が多い時はデュアルシートの向きを進行方向または対面にする。

車体は長さ 208 メートルで、片側 2 扉のステンレス製(前頭部は鋼製)。 外観は車体下部にオレンジ色のラインを入れる。 車内の床、化粧板、座席モケットの色や柄は落ち着いた雰囲気にするという。 車内の次駅停車駅案内表示器は日本語のほか、英語、韓国語、中国語(繁体字、簡体字)に対応。 防犯カメラを取り付け、バリアフリー対策も施す。 2025 年度にはさらに 1 両を、26 年度に 2 両を導入予定という。 (村瀬成幸、asahi = 12-21-24)


AI 作成、児童の性的画像の要求も規制対象に 鳥取県が条例改正へ

鳥取県は 14 日、AI (人工知能)の技術を使って作成した児童の性的画像を提供するよう求める行為を新たに条例で規制する方針を明らかにした。 デジタル技術や SNS を利用した被害から 18 歳未満の子どもたちを守る狙い。 県青少年健全育成条例の改正案を県議会 2 月定例会に提案する方針。 生成 AI による児童の性的画像は、実在する人物の写真の身体を裸に加工するなどの方法で作られ、「ディープフェイクポルノ」と呼ばれる。 児童買春・児童ポルノ禁止法の対象は実在することが前提で、AI 生成物は規制の対象外だ。

県の条例改正案では、児童ポルノ等の提供を求めることを禁じた部分に、生成 AI で合成された画像も含める。 また青少年をオンラインカジノに仲介する行為も規制対象に加える。 いずれも罰則が設けられている。 ネット上の有害情報へのアクセスを制限する狙いで、フィルタリングソフトを利用して閲覧を防止すべき対象に闇バイトとオンラインカジノが含まれることも明確にする。 SNS やデジタル技術の利用に関する相談窓口の設置も明記する。

14 日の定例会見で平井伸治知事は「ディープフェイクポルノによる児童への侵害や闇バイト問題はグレーだと言っておくと広がってしまう。 子どもを守るため、関係者に認識してもらうため、ルールの明確化と解釈の適正化が重要だ。」と説明した。 (清野貴幸、asahi = 1-14-25)


島根県でサトウキビ栽培 ブラジル人と和菓子店がブランド化へタッグ

南国で育つイメージが強いサトウキビが、日本海に面する島根県出雲市で育っている。 ブラジルから移住した農業者の挑戦を、地元の老舗和菓子店が全面的に支援。 ブラジル人らの雇用拡大とともに、新たな「出雲ブランド」の商品開発が進む。 日系ブラジル人で農業を営む滝浪実セルジオさん (70) は、同市大社町の耕作放棄地約 5 ヘクタールを借りて、2018 年ごろからキャッサバやトウモロコシ、フェジョン豆などを作ってきた。 そんなセルジオさんを支援してきたのが、市内の和菓子店「坂根屋」の坂根壮一郎社長だ。

セルジオさんが農作物の販路などに悩んでいるのを知った坂根さんは、キャッサバを購入してタピオカ用のでんぷんとして店で使うなどしてきた。 セルジオさんは一昨年、ブラジルで手がけていたサトウキビを思いつきで作ってみたところ、意外にも立派に育った。 「サトウキビが(出雲でも)できるんだよ。」 それを聞いた坂根さんは即答した。 「それなら、なんぼでも引き取らせてもらう!」 昨年は 4 アールほどで試作。 高さ約 3 メートルに育ち、酸味もあるすっきりした甘さの糖蜜が採れた。

今年は耕作地を約 40 アールに拡大。 坂根屋が出資し、圧搾機や搾り汁を煮詰めて糖蜜にする機械も新たに購入した。 坂根屋はブラジル人従業員十数人の人件費も支援する。 今年育ったサトウキビの収穫と圧搾などは 18 日から始まり、作業は来年 1 月に本格化するという。 セルジオさんは「寒くて、できるとは思っていなかったし、売れると思っていなかった」と坂根屋の支援に感謝し、「来年は(耕作地を) 1 ヘクタールに増やしたい」と話す。

坂根さんは「糖蜜の味の面白さがある。 糖蜜 100% の出雲ぜんざいなど、ここでしか食べられないものを作り出したい。」 妻で取締役のめぐみさんは搾り汁を加工した「出雲糖蜜」の商品化も考えているといい、「希少価値の高い商品にして県外、海外へ販売したい」と意気込む。 (中川史、asahi = 12-31-24)