中国ファン 1 億人、韓流規制続く 習指導部が影響力を警戒? 1 億人超の韓流ファンがいるとされる中国で、K ポップグループの公演や韓国映画・ドラマを制限する「限韓令」が 8 年余り続いている。 中韓関係の悪化が直接の原因だが、自国の伝統文化を重視する習近平指導部が韓流の影響力を警戒したとの見方も。 表立った「推し活」が規制される中、インターネット上の海賊版を通じて韓流人気は拡大している。 「天が崩れ落ちた - -。」 昨年 12 月、韓国政界の混乱を伝えるニュースの影響で韓国ドラマの放送延期が発表されると、中国の交流サイト (SNS) には怒りと嘆きの声があふれた。 中国政府は限韓令の存在を公式に認めていないものの、2016 年夏ごろから韓流コンテンツの排除が顕在化。 当時の朴槿恵政権が米軍の迎撃システム「高高度防衛ミサイル (THAAD)」の韓国配備を決めたことへの報復措置とみられる。 アイドル応援のため多額のお金を費やす推し活の過熱も背景にあるとされ、韓国メディアによるとそれ以降、中国大陸で大規模な K ポップ公演は許可されていない。 (kyodo = 1-26-25) 中国当局が警戒する「八失人員」とは? 生きづらさ抱えた人びと 受験や結婚といった人生の転機や、経済やライフスタイルの変化を、中国の人びとはワンフレーズの漢字で巧みに表現しています。 そんな新語・流行語が映し出す、中国社会のいまを読み解きます。 昨年末、中国・広東省に暮らす日本人男性は警察署を訪れた際、警察官から声を掛けられた。 「あなたの住む地域は治安が悪く、日雇いの人が多くいるので安全に気をつけてください。」 秋以降、広東省では公共の場所での殺傷事件が相次いでいた。 9 月に深セン市で日本人学校の男児が刃物で刺され死亡、10 月に広州市で小学生ら 3 人が切りつけられる事件があった。 11 月には珠海市で男が車を暴走させ、35 人が死亡、43 人が負傷した。 中国政府は外国人が被害者になることに敏感になっている。 そうした事件に巻き込まれないよう、警察官なりの配慮だったのかもしれない。 だが、男性の耳に残ったのは「日雇いの人が多いので気をつけて」という言葉だった。 「三低三少」 所得・地位・人望が低く、人付き合い・社会との触れ合い・不満のはけ口が少ない - -。 そんな人物を指す言葉がいま、中国でにわかに注目を集めている。 一般市民にはそれほど浸透していない。 伝えたのは、香港メディアだ。 星島日報は、珠海での車の暴走事件後、広東省の多くの地域で「三低三少」の人物を洗い出し、報告するよう行政の末端組織に指示が出たと報じている。 ひそかに監視、他にも 「三低三少」と並んで、報告すべき対象に挙げられたのが「八失人員」です。 どのような人たちでしょうか? 珠海の事件は中国国内でも報道され、男が離婚による財産分与に不満を抱いて起こしたと伝えられた。 事態を重く見た習近平(シーチンピン)国家主席は「教訓をくみ取り、リスクの根源を絶ち、事件の発生を防ぐ」と重要指示を出した。 「リスクの根源を絶つ」というメッセージは、社会の中に事件を引き起こす「リスク」が蔓延している、と習指導部が考えている裏返しでもある。 「三低三少」はその象徴だ。 広東省の東莞市は、深センと広州に挟まれた製造業の町。 衣料や雑貨、電気関係の工場が多く、中国各地から日雇い労働者が集まる。 ここでも今、多くの警察官が目を光らせている。 12 月の朝、簡易宿泊所が集まる一帯を訪れると、人だかりができていた。 みな路上に立っている女性の持つノートに自分の名前を書き込むと、脇に止まるバスに乗り込んでいく。 貸し切りだというバスに行き先は表示されていない。 「何の仕事?」、「手仕事だよ」。 短いやり取りが繰り返され、40 人あまりが乗れるバスはすぐ満席に。 女性は日雇いで働く人を集める仲介人だ。 「俺は乗るんだ。 おまえは関係ないだろ。」 もめ事のようだ。 男が仲介の女性に詰め寄っている。 以前に問題を起こしたのだろう。 男が乗車を拒否され、小競り合いになっていた。 間もなく警察がきて 2 人とも連れていかれた。 投資失敗・失業・人生の挫折・欲求不満・人間関係の不調和・心理状態の不均衡・精神異常・居場所のない若者。 広東省ではこのような状態にある人も「三低三少」と並んで、報告すべき対象に挙げられている。 だが習氏の重要指示の後も、中国では各地で無差別事件が続いた。 11 月半ばに江蘇省無錫市の専門学校で切りつけられた 8 人が死亡した事件では、元在校生の男 (21) が試験で不合格になり卒業証書を受け取れなかったことや、実習での報酬に不満を抱いて犯行に及んだという。 その 3 日後には、湖南省常徳市の小学校前で男 (39) が車で校内に突入しようとし、警備員や児童、保護者ら 30 人をはねた。 男はわずか 1 カ月あまりで執行猶予付きの死刑判決を受けた。 年末には珠海の事件でも、異例の早さで死刑判決が下された。 一連の無差別殺傷事件への当局の対応から浮かぶのは、事件はあくまで個人の問題であり、厳罰姿勢を示すことで連鎖を断ちたいという姿勢だ。 ただ、こうした事件は個別的・偶発的に起きているのか。 中国は不動産不況に端を発する経済の変調を克服できず、失業率も高止まりするなか、事件に共通する社会の病理に気づき始めた市民もいる。 (広東省=小早川遥平、asahi = 1-19-25) 中国で春節を前に地方出身の農民工の自殺が相次ぐ現状 中国では日本の正月に当たる春節(旧正月 = 1 月 29 日)を前に、賃金を支払ってもらえないことに絶望した地方出身の農民工(出稼ぎ労働者)の自殺が相次いでいる。 分かっているだけで、1 月 7 日から 10 日の 4 日間で 20 人の農民工が中国全土の 10 省で、命を落としていたことが明らかになった。 地方政府が高額な債務を抱える中、不動産市場の低迷によって、建設業界の賃金未払い問題が深刻化。 抵抗のすべをもたない農民工が経済悪化の犠牲者となっているようだ。 台湾の中央通信社が報じた。 農民工が亡くなったとされる都市は北京市や上海市、広東省、四川省や甘粛省、河南省、陝西省、貴州省で、SNS などに投稿された動画などから明らかになった。 四川省の農民工は「家族はみんな、私の給料を当てにしている。 もう実家に帰ることができない。」などと言って命を絶ったという。 他の自殺した労働者もほとんど同様に、賃金未払いによる経済的苦境が大きな理由とされる。 こうした事態について、貴州省政府は公式ホームページで「雇用主が労働報酬を全額支払わない、または支払わなかった場合、農民工(出稼ぎ労働者)はどうすればよいですか」といった「Q & A」を掲載し、「雇用主が労働報酬の全額を支払わなかった場合、移民労働者は法律に従って人事社会保障行政局の労働安全監督機関に苦情を申し立てることができる。 法律に従って労働紛争仲裁のために労働人事紛争仲裁機関に申請することができる」とアドバイスするなど、農民工への賃金未払いが社会問題化していることを明らかにしている。 また、ホームページでは当局はそのような行為を「違法な賃金の徴収」と認定し、「公の秩序を乱した」として「関与者を少なくとも 5 日間拘束し、同様の行為は法律に従って厳しく罰せられる」と警告している。 中国最高人民法院(最高裁判所に相当)の報告書によると、昨年 1 年間で、中国全土の裁判所では労働報酬の支払い拒否の刑事事件約 1,000 件と労働報酬に対する民事訴訟約 8 万 2,000 件をそれぞれ受け付け、執行額は 17 億 2,000 万元(約 370 億円)に達しているとされている。 (News Post/Seven = 1-18-25) 中国北西部で群衆と警官隊が激しく衝突、専門学校生の「謎の死」巡り抗議か 中国北西部陝西省の専門学校で、学生 (17) の死亡を巡り抗議する群衆と警官隊が衝突する様子を撮影した映像が今月初め、SNS 上で公開された。 米国に拠点を置く人権団体によると、遺族は遺体に外傷がないか確認を求めたが拒否されたほか、学校の防犯カメラ映像の閲覧を要求したが、故障中だったとして学校側は応じなかった。 (reuters = 1-14-25) 中国の春節、延べ 90 億人が大移動 EV 電池切れと充電待ちは改善? 中国政府は 8 日、1 月末に始まる春節(旧正月)の大型連休前後に延べ 90 億人が車や鉄道で移動するとの推計を発表した。 中国メディアによると、海外旅行熱も高く、日本や韓国、東南アジアなどの近場が人気だという。 今年の春節は 1 月 28 日から 2 月 4 日までの 8 連休で、多くの人が故郷に帰省したり、旅行したりして過ごす。 実際にはその前後も休む人も少なくなく、中国政府は連休前後の 40 日間は特別輸送態勢を敷く。 発表によると、90 億人のうち 8 割と大半を占めるのが自家用車による移動だ。 中国では電気自動車 (EV) が急速に普及しており、昨年は電池切れによる立ち往生や充電のための大行列が話題になり、EV の弱点も露呈した。 政府の担当者は記者会見で、充電設備を備えた高速道路のサービスエリアが 2023 年末の 85% から 97% に増えたことなどを紹介。 「充電サービスの最適化と改善に努めている」とアピールした。 (北京・井上亮、asahi = 1-8-25) 頻発する無差別殺傷に危機感か、中国各地で年末年始イベント中止相次ぐ 【北京 = 川瀬大介】 中国各地で年末年始のイベントが相次いで中止になっている。 習近平政権が、頻発する住民の無差別殺傷事件への危機感を強めていることが背景にある。 中国メディアなどによると、広東省広州市中心部では、広州タワーなどのクリスマスや年越しのイベント実施を見送った。 江蘇省徐州市や同省南京市、湖南省長沙市でも、商業施設での年越しカウントダウンイベントなどが中止となった。 11 月に男が車を暴走させて 35 人が死亡する事件があった広東省珠海市では、事件後に来年 1 月に延期されていたマラソン大会の中止が決定。 具体的な理由は明らかにされていない。 国営新華社通信は 25 日、共産党と中国政府が、元日と来年 1 月 29 日の春節(旧正月)に伴う連休に関する通知を発出し、繁華街や駅、空港などの警備を強化して「極端な事件」の発生を厳重に防ぎ、「社会の安全安定確保」を指示したと伝えた。 (yomiuri = 12-29-24) 子ども 17 人を誘拐して売った被告に死刑 中国、生活苦で「悪の道」 中国の貴州省高級人民法院(高裁)は 19 日、計 17 人の子どもを誘拐して売り渡した罪に問われた被告の女に対し、死刑とした一審判決を維持する判決を言い渡した。 国営中央テレビ (CCTV) が伝えた。 子どもの誘拐が深刻な社会問題となってきた中国で、この裁判は社会的な注目を集めていた。 余華英被告は当初、11 人の子どもを誘拐して売り渡した罪に問われ、2023 年 9 月の一審で死刑判決が出された。 余被告は上訴。 二審の開始後、まだ明らかになっていない犯罪事実があるという検察側の主張を受け、高裁が審理を差し戻した。 差し戻し審では 6 人の子どもに対する誘拐と売り渡しの罪が起訴内容に加わり、今年 10 月の一審判決で再び死刑判決が下されるという異例の経過をたどった。 余被告は「自分は主犯ではなかった」と主張して上訴したが、この日の二審判決で退けられた。 中国は二審制で、判決が確定する。 中国メディアによると、余被告は 1993 - 2003 年、仲間と共謀して貴州省や重慶市、雲南省などで誘拐した子どもを売り渡して利益を得た。 きょうだいで誘拐された被害者も複数いるという。 余被告は 1963 年生まれ。 20 代のころ生活が苦しく、まだ 2 カ月の赤ちゃんだった息子を 5 千元(現在のレートで約 10 万 7 千円)で売り、「誘拐の悪の道に踏み込んだ」と CCTV は伝えている。 (瀋陽・金順姫、asahi = 12-19-24) "金曜退勤後にふらっと中国の旅" が SNS トレンド入り 中国外交部「熱烈歓迎」 中国外交部の林剣報道官は 17 日の定例記者会見で、最近、海外の SNS 上で中国旅行に関する画像や動画が人気を集め、"金曜退勤後にふらっと中国の旅" が新たなトレンドとなっていることについて、「外国の皆さんが引き続き中国の魅力を発信してシェアし合い、中国の歴史や自然景観、先端技術、文化、風習をより深く体験することを歓迎する」と述べました。 林報道官は「多くの外国の方が画像や動画を通じて中国の現代的な都市の栄えた様子や一般市民の日常生活を SNS で紹介している。 中には、中国に大きな好奇心を持って初めて訪れた人もいれば、中国の魅力に惹かれて複数回訪れているリピーターもいる。」と説明しました。 中国は現在、26 カ国との間で全面的なビザ免除を実現しており、また、フランスやドイツなど 38 カ国からの来訪について相次いでビザを免除し、54 カ国に対してはトランジットビザ免除政策を実施し、157 の国と地域について相互ビザ免除協定を締結しています。 また、17 日午前、中国はトランジットビザ免除政策の全面的な緩和・改善を行い、トランジットのために中国にビザなしで入国できる外国人の中国での滞在時間を 240 時間、つまり 10 日間に延長したほか、そのための出入国検査所を新たに 21 カ所設け、外国人の地域をまたいだ通行も許可されるようになりました。 (中国・CGTN/AFPBB = 12-19-24) 地下鉄乗るのに空港なみ検査? 中国・広州「事件の余波」に市民怒り 中国南部・広東省広州市で、地下鉄に乗る前の安全検査が 8 日から突然厳しくなった。 同じ省内の珠海市で 11 月に起きた無差別殺傷事件を受けて、当局が警戒を高めたためとみられる。 通勤時に長時間待たされる事態に市民の不満は爆発、1 日余りで措置は撤回に追い込まれた模様だ。 中国メディアなどによると、広州の地下鉄では 8 日から、金属探知ゲートの通過や持ち物の X 線検査に加え、係員による金属探知機などを用いたチェックも始まった。 月曜の 9 日にも措置が続いたことで、朝の通勤時間帯には多くの駅で入場に 30 分ほどかかることになった。 地下鉄での安全検査は中国では一般的だ。 ただ、実際には大きめの荷物を検査機に通す程度で済ませ、係員は乗客の通行を妨げないように運用していることが多い。 係員が細かくチェックする今回の広州のやり方は、市民の怒りを呼んだ。 安全重視なのに人混みつくる「本末転倒」の指摘も SNS 上には次々と安全ゲート前に長蛇の列ができている写真が投稿された。 検査の厳格さに「飛行機に乗りに(空港へ)来たんだっけ」、「10 分乗車するだけなのに 1 時間待たされることに意味はあるの?」といった声が相次いだ。 駅によっては、人々が検査を無視して改札方面へなだれ込む動画も撮影されている。 措置について当局側は「時間に余裕を持って検査へ協力して」と呼びかける一方、理由を明らかにしていない。 ただ、多くの市民は、珠海市で車の暴走で 35 人が死亡した事件の影響だと受け止めている。 珠海では今月 8 日、市長の辞職が公表されたが、事件を防げなかった責任を問われ更迭されたとみられている。 広州の地下鉄をめぐっては、「検査待ちで密集している人たちこそ、テロリストの新たな標的になる」との声まで出た。 高まる不満をかわすかのように、9 日の夜には特段の説明がないまま、安全検査が厳格化する前のやり方へ戻ったと報じられた。 大惨事への当局の動揺が、なおも続いていることを強く印象づける一幕となった。 (北京・斎藤徳彦、asahi = 12-10-24) 中国でまた崩落事故、今度は深セン = 13 人行方不明に 中国・広東省深セン市の工事現場で地盤が崩落する事故があり、作業員 13 人が行方不明になった。 現地メディアによると、事故があったのは 4 日午後 11 時ごろ、同市宝安区の工事現場で突然地盤が崩落し、作業していた 13 人が行方不明になった。 また、付近の住民は避難しているという。 現在、地元当局が関連車両 48 台、人員 198 人を投入して救助および原因調査を進めている。 中国の SNS 上では作業員の安否を気遣う声が多く上がっている。 中国では道路や工事現場での陥没・崩落事故が相次いでおり、今年 8 月には湖北省武漢市の鉄道工事現場で、7 月 15 日には広東省東莞市の道路で、同月 1 日には陝西省西安市の工事現場で、6 月には四川省成都市の地下鉄工事現場でそれぞれ陥没・崩落事故が起きた。 また、5 月 1 日には広東省梅州市の高速道路が陥没して車両 23 台が巻き込まれ、48 人が死亡する事故も起きている。 (北田、Record China = 12-5-24) 中国・上海で自動車関連従業員が会社に抗議の大規模ストライキ 景気減速を反映か 上海市内の大手部品メーカーで従業員によるとみられる抗議活動が起き、一時は道路をふさぐ騒ぎとなりました。 抗議活動が起きたのは上海市内で自動車の内装用の革製品などを手掛ける部品メーカーです。 中国の SNS などによりますと、この部品メーカーは資金繰りが悪化し、会社による賃金の未払いや退職要請が起きていたといいます。 不満を持った従業員の一部が 21 日、公道などでデモをしたとみられますが、まもなく多数の警察官が現場に駆け付けて制止しました。 経済が減速するなか、中国では自動車メーカーによる激しい価格競争が起きています。 (テレ朝 = 11-21-24) 中国の小学校前で複数児童はねられる SNS で「社会へ報復」の見方 中国内陸部・湖南省で 19 日朝、複数の小学生が学校の校門前で車にはねられる事件があった。 国営中央テレビ (CCTV) が報じた。 具体的な状況は分かっていない。 事件が起きたのは、同省常徳市の小学校。 通学時間帯だったとみられ、中国の SNS では逃げ惑う児童や車の運転手を取り囲んで押さえる住民の様子を映したとみられる動画が出回っている。 深センのメディアは当局への取材結果として、男が車で校内に突入しようとして、警備員や児童、保護者をはねたが、全員命に別条はないと報じている。 CCTV も「事件」として報じており、故意に児童をはねたとみられる。 中国では 11 日に広東省珠海の車の暴走事件で 35 人が死亡、16 日にも江蘇省無錫の切りつけ事件で 8 人が死亡しており、SNS 上では今回の事件についても「社会への報復」との見方が広まっている。 学校は人口 518 万人の同市で経済の中心地に近く、地元メディアによると、2022 年の在校生は約 2,700 人だった。 (上海・小早川遥平、asahi = 11-19-24) 中国吉林省でスケート場の屋根崩落 東北部で昨年から事故相次ぐ 中国東北部の吉林省白城市で 18 日午前 7 時 35 分(日本時間同 8 時 35 分)ごろ、スケート場の屋根の一部が崩落した。 中国中央テレビ (CCTV) が伝えた。 今のところ、けが人は確認されていない。 当局が事故調査チームをつくって原因を調べている。 CCTV によると、屋根の鋼材が変形していたことが事故原因として浮上しており、工事の段階で問題があった可能性があるという。 中国東北部では昨年、吉林省に接する黒竜江省で体育館の屋根が崩落する事故が立て続けにあり、市民に不安と怒りが広がった。 チチハル市では昨年 7 月、中学校体育館の屋根が丸ごと崩れ落ちて生徒ら 11 人が亡くなった。 チャムス市樺南県では昨年 11 月、体育館の屋根が崩落して中学生 3 人が命を落とした。 中国ではたくさんの人が集まる公共の場所での重大事故がたびたび起きており、市民生活の安全が依然として大きな課題となっている。 (瀋陽・金順姫、asahi = 11-18-24) 中国江蘇省の学校で切りつけ事件、8 人死亡 17 人負傷 男を拘束 中国東部・江蘇省無錫市の無錫工芸職業技術学院で 16 日午後 6 時半(日本時間同 7 時半)ごろ、男が多くの人に刃物で切りつける事件が発生し、8 人が死亡、17 人が負傷した。日本人の被害は確認されていない。 男は現場で拘束されたという。 地元警察の説明によると、男 (21) は同校に通っていたが、試験に不合格となり卒業証書を受け取れなかったことや、実習での報酬に不満を抱いて犯行に及んだという。 中国では最近、公共の場所での殺傷事件が目立っている。 今月 11 日にも南部の広東省珠海で男が車を暴走させて 35 人が死亡する事件が起き、習近平(シーチンピン)国家主席が治安対策をめぐる「重要指示」を出したばかりだった。 (瀋陽・金順姫、asahi = 11-17-24) 道路埋め尽くす自転車、学生の夜間集団サイクリングに神経とがらせる政府 中国 香港 : 彼らは冷え込む深夜に 50 キロ近くもペダルをこぎ、大挙して押し寄せる。 バイクシェアのサービスを利用して中国中部・河南省の鄭州市から史跡と小籠包で知られる開封市を目指す夜間サイクリング。 現地の学生の間で一大ブームを巻き起こしたこのトレンドは、観光促進を目指す地元自治体も当初は後押ししていた。 しかしあまりの人気ぶりに手が追えなくなった今、当局は警察を配備したり自転車レーンを閉鎖したりして熱狂を抑えようと躍起になる。 何万台もの自転車のために両市を結ぶ交通はマヒ状態。 開封市では乗り捨てられた自転の山が道路をふさぎ、鄭州市の通勤客は帰宅に使う自転車を見つけるのに苦労する。 当局は交通の乱れと安全上の懸念を理由に、自然発生的な集会の取り締まりに乗り出した。 だが地元当局を動揺させたのは、大勢の学生が動員され、組織化されて公の場に集結する光景だったらしい。 背景にあるのは若者の運動と中国共産党との歴史的な関係や、体制の安定に固執する姿勢だった。 8 日金曜の夜、両市を結ぶ幹線道路の鄭開大道は、警察が秩序を保とうとする中、自転車に乗った若者でいっぱいになった。 SNS に投稿された動画によると、自転車が 5 車線を全て埋め尽くした区間もあった。 週末にかけては鄭州、開封の両市が自転車を阻止しようと鄭開大道の自転車レーンを閉鎖した。 鄭州市のバイクシェアサービス 3 社は共同声明を出し、鄭州市から出た場合は自動的に自転車をロックすると発表した。 学生が SNS に投稿した情報によれば、鄭州市では学生のサイクリング参加を阻止するために、キャンパスから離れることを制限したカレッジや大学もある。 自然発生的な若者の集まりは、政治性があってもなくても、中国当局に深い疑念を抱かせる。 1989 年春、北京の大学生は自転車に乗って天安門広場に集まった。 この民主化要求運動は、中国軍による流血の弾圧で終わった。 2022 年、習近平(シーチンピン)国家主席の厳格な新型コロナ規制に抗議して中国の大都市や大学のキャンパスに集まったのも、ほとんどが若者だった。 しかし開封市へのサイクリングに政治的動機はなさそうに見える。 中には中国国旗を掲げたり国歌を口ずさんだり中国共産党のスローガンを叫んだりする学生もいて、一人は台湾統一要求の横断幕を掲げていたものの、ほとんどは単純に楽しんでいる様子だった。 始まりは今年 6 月。深夜に小籠包が食べたくなった鄭州市の女子大学生4人が、シェアバイクを使って開封市へ衝動的な旅に出かけたことだった。 この旅がたちまち話題になってまねする鄭州市の学生が激増。 「鄭州からシェアバイクに乗って開封で朝食を。 青春とは楽しむこと、熱狂すること、無限のエネルギーを持つこと。」 そんな学生の投稿は 25 万近い「いいね」を集めた。 (CNN = 11-17-24) 何かがおかしい中国社会、各地で相次ぐ凶悪事件、やり場のない怒りや不満が鬱積? 中国南部・広東省珠海市で 11 日夜、自動車が暴走して多数の人をはね、地元当局は 35 人が死亡し、43 人が負傷と発表した。 中国では最近、各地で凶悪事件が頻発。 9 月には広東省深セン市の日本人学校に通う男子児童が男に刃物で刺され死亡した。 何かがおかしく、やり場のない怒りや不満が鬱積しているかにも見える。 当局によると、珠海の事件は 11 日午後 7 時 48 分、市中心部に近い香洲区のスポーツ施設で発生。 62 歳の男の運転する小型の SUV (スポーツ用多目的車)が敷地内に強引に乗り入れ、歩行者道路で運動をしていた人たちに突っ込んだ。 香港紙・明報が伝えた目撃者の話では、車は行ったり来たりして多数の人をはねた。 現場には靴や帽子、バッグが散乱。多くの人が血を流して倒れ、動かない状態だった。 男は車内で刃物を使い自殺を図った。 病院に搬送されたが、首などに重傷を負っており、意識不明で取り調べができる状況ではないという。 犯行の動機について、当局は「離婚後の財産分与への不満」と公表。 いち早い公表は異例で、政府などへの怒りや不満ではなく、あくまで個人的なものと強調する狙いがあるとみられる。 珠海では 12 日から中国最大の航空ショー「中国国際航空宇宙博覧会」が開幕。 国内外のメディアが前日から訪れていた。 注目を集めるため事件を起こした可能性もある。 中国の SNS では事件に関する投稿が制限されたが、事件は広く知られた。 国営の新華社通信によると、習近平(シー・ジンピン)国家主席は「事件は極めて悪質」として、負傷者の治療や被害者とその家族のケアに全力を挙げるよう指示。 関係部門に対しリスク管理を強化し、過激な事件の発生を厳重に防ぐよう求めた。 習氏の指示を受け、中央政府は現地に人員を派遣した。 珠海や深センに限らず、中国では上海市内のスーパーマーケットでも男が無差別に客らを切り付け、3 人が死亡、15 人が負傷した。 10 月には北京の名門小学校付近で、5 人が刃物で襲われて負傷する事件が起きた。 珠海と同様の事件は日本でも起きたことがある。 2008 年 6 月、東京・秋葉原の交差点に赤信号を無視した 2 トントラックが突入。 通行人を次々とはねた上、運転していた当時 25 歳の男はナイフで付近にいた人をナイフで刺し、計 7 人が死亡した。 死刑となった男は自らの境遇に不満を抱いていたとされる。 一連の事件とは趣を異にするが、中国河南省では大学生が夜中に肉まんを求めて約 50 キロをサイクリングするのが SNS で取り上げられて流行。 今月 8、9 日には 20 万人以上が一斉走行した。 共産党系メディアは当初、好意的に扱っていたが、若者らが自然発生的に集まり政府への抗議活動に発展するのを警戒してか、地元当局が規制に乗り出した。 背景にあるのは中国経済が減速する中、深刻な社会問題になっている若者の就職難だ。 (日向、Record China = 11-15-24) ◇ ◇ ◇ 「日本人か、取材させるな」 外国記者集う街で暴走、情報統制に疑問 中国南部の広東省珠海市の体育施設で 11 日夜、男が車を暴走させ、35 人が死亡、43 人が負傷した事件は、同市で中国最大の航空ショーがあり、多くの外国メディアが集う中で起きた。 当局は現場での取材を制限するなど惨事のさなかでも情報統制に躍起だが、情報公開に消極的な姿勢に国内からも疑問の声がある。 今年の航空ショーは 8 年ぶりに中国の新型ステルス戦闘機が公開されることから、注目を集めた。 その開幕日の夜、市内で起きた前夜の事件で 35 人が死亡し、習近平国家主席が重要指示を出したと発表された。 記者も現場へ向かった。 現場の施設は事件後に閉鎖されたが、12 日には門の前で広場をのぞき込む人や花を手向ける人がいた。 地元の人は「広場は夜もジョギングやバドミントンを楽しむ人が多かった」と話す。 一般道ではなく、広場で車が縦横無尽に走ったなら、多くの犠牲者が出てもおかしくない。 警察官「取材する必要はない」 その理由は … 現場をみて初めて、車の暴走事件としては異例の死者数になった理由がわかった。 取材中、男性が「日本人か。 取材をさせるな。」と警察官を伴って近づいてきた。 警察官に記者証を確認され、「事情を聴く必要がある」と警察車両で数百メートル離れた路上に連れて行かれた。 警察官には「我々が発表を流すから取材する必要はない」とも言われた。 そして、「航空ショーはどうだ」と話題を変えようとする。 その間に、警察官に「あそこで欧米メディアが取材しているぞ」と告げ口する通行人もいた。 英 BBC も市民を名乗る男性に現場からの中継を妨害される様子を伝えている。 中国では、蘇州や深センで日本人学校の関係者が刃物で襲われた事件を始め、路上での殺傷事件が相次ぐ。 背景を探るため、現場で取材をしていると通報されることがこれまでにもあった。 外国人のスパイ行為を取り締まる国家安全部門が市民からの通報サイトを開設したり、国に否定的な取材をしていた外国メディアの記者を通報した人物が表彰されたりするなど、政府は外国メディアへの警戒を強めている。 そうした考えに共感する市民も一定数いる。 一方、中国メディアは現場の様子をほとんど伝えていない。 経済メディア・財新が現場の様子や目撃者の声などを報じているが、政府系メディアの多くは警察発表をそのまま伝えるだけだ。 中国共産党宣伝部の意向に沿い、社会の不安定さを露呈するような事件を積極的には報道しない。 消されゆく疑問の声 事故発生直後は惨状を示す現場の映像が SNS に投稿されていたが、13 日までにはほとんどが消されている。 当局の指示があったとみられる。 最近の無差別事件では報道が少ないこともあり、事件自体を知らない市民も多くいた。 今回は犠牲者数が多く、習氏が重要指示を出したことから SNS での関心も高い。 警察も「(男は)離婚による財産分与の結果に不満を抱いて起こした」と通常より詳細な動機を発表した。 ただ、そのことで日本人学校関連の事件では動機がいまだに公表されていない不自然さが際立つ結果にもなっている。 中国の SNS では、事件を報じる日本のテレビ画像が投稿され、「(当局に)通報しろ」という反応がある一方、「警察の発表が早かったのはメディアがいたからだ」との投稿もあった。 また、中国メディアは米国での銃乱射事件はすぐに報じることから「本来あるべき姿だ」という意見もあった。 これらの投稿もその後、全て削除された。「情報を封じても(事件の背景となる社会の)問題は深刻になるばかりだ」との書き込みもある。 事件現場では 13 日も市民が献花に訪れていた。 当局関係者らしき人が花束を人目につかない場所に移し、取材にきている外国メディアに立ち退くよう求めていた。 習氏は重要指示で、「教訓をくみ取り、リスクを抑え込み、事件の発生を防ぐ」ことを求めている。 もし事件の報道をリスクと捉えているのであれば、再発防止は遠のくばかりだ。(珠海・小早川遥平、北京・斎藤徳彦、asahi = 11-13-24) ◇ ◇ ◇ 中国・珠海の車暴走で 35 人死亡、43 人けが 中国 SNS は投稿制限 【北京 = 三塚聖平】 中国南部、広東省珠海市のスポーツ施設の敷地内で 11 日夜、乗用車が暴走して多数の人をはねて逃走した。 地元警察は 12 日、35 人が死亡し、43 人が負傷したと発表した。 警察は車を運転していた 62 歳の男を拘束した。 車は人をはねた後に逃走したが、当局に止められた。 警察は、容疑者の男は離婚後の財産分割の結果に不満を持ったことがきっかけとなり犯行に及んだと説明。 同省広州市の日本総領事館が確認したところ、被害者に日本人はいない。 現場はランニングなどのため多くの人が集まる場所で、車の出入りは制限されていた。 珠海では 12 日から中国最大の航空ショー「中国国際航空宇宙博覧会」が開催されており、国内外の注目を集めるため事件を起こした可能性もある。 中国の交流サイト (SNS) では事件に関する投稿が制限されている。 事件が広く知られ、社会不安が増すことを中国当局が警戒しているとみられる。 NHK 海外放送のニュース番組が 12 日に同事件を伝えた際、放送の一部が遮断されてカラーバーと「信号異常」を示す画面に切り替わった。 中国各地では、無差別な襲撃事件が起きている。 9 月末には上海市のスーパーマーケットで男が来店客らを切り付け、3 人が死亡、15 人が負傷した。不動産不況に端を発する景気低迷により、国民の間で不満が高まっていることが背景にあるとも指摘されている。 在中国日本大使館は 12 日、人が集まる場所で刺傷事件などが発生していると注意喚起した。 (sankei = 11-12-24) 中国の習氏、十分な就職確保を指示 雇用難が生む社会不安に危機感か 中国の習近平(シーチンピン)国家主席は、「高質量で十分な就職の促進」に向けた施策を検討する指示を出した。 1 日付の共産党理論誌「求是」が伝えた。 長引く経済の停滞で、失業や給料の欠配などが増えていることが社会不安につながりかねないとの危機感を、政権が抱いていることが浮かぶ。 掲載文によると、習氏は目下の就職関連の行政が「少なくない突出した矛盾と問題に直面している」と指摘。 少子高齢化や地域ごとに差のある人口の増減、経済のデジタル化などが雇用へ与える影響も深まっているとした。 中でも雇用のミスマッチが主要な問題だとして、科学技術の進歩や産業の変革に応じた教育や研修の充実を求めた。 各地で起きる不穏な現象 若年層の失業率は今年 9 月で 17.6% と高水準にある。 習氏は高等教育を受けた人たちの就職が「重点の中の重点だ」とした上で、比較的高齢の人たちや貧困を抜け出した人たちの雇用や収入の確保も重要だとした。 公表されている中国全体の失業率は 5.1% と安定しているが、地域によっては製造業の不振などで失業が大きく増えているとの指摘がある。 公務員でも給料の欠配が起きているともされる。 各地で相次ぐ子どもが被害に遭う犯罪の背景には仕事がなく、社会に絶望した人が増えていることがあるとの見方も強い。 社会不安を抑えるためにも、雇用の安定が政権にとっての優先事項となっている。(北京・斎藤徳彦、asahi = 11-1-24) イノシシと列車が衝突 中国の高速鉄道で事故発生 中国東部の江蘇省南京市にある南京南駅で10月27日夜、複数の列車が遅れる事態が発生しました。中国鉄道南京駅が10月29日に発表した最新情報によると、初期調査の結果、イノシシが27日夕方に南京南駅と紫金山東駅の間の高速鉄道の線路に侵入し、走行中の列車D5515と衝突したことで、設備が故障し、運転を見合わせることにしました。そのため、南京南駅を経由する一部の列車の発車に遅れが出たということです。 しかし不幸なことに、列車から線路に降りて故障状況を調べていた整備士が隣接線を走行中の列車にはねられ、応急処置を施されましたが、死亡しました。中国鉄道当局は深い哀悼の意を表し、遺族に深い慰問の意を伝え、善後処置に全力を尽くしています。 (CGTN/AFPBB = 10-31-24) 生後すぐの乳児を 315 万円で売買か 中国・江蘇省「仲介」の男拘束 中国の江蘇省無錫市江陰市で 19 日夜、生まれてまもない赤ちゃんが 15 万元(約 315 万円)で売られる事件があった。 子どもの誘拐・人身売買の防止活動に取り組むボランティアの男性らが現場を確認した後、警察に通報。 仲介した 22 歳の男が翌日、警察に拘束された。 警察の発表や中国メディア・紅星新聞によると、江陰市で働く 18 歳の女性が 6 日に子どもを出産。 しかし女性が子どもを育てられないとして、親族が SNS で養育してくれる人を探し、22 歳の男が仲介して福建省の人物に売ったという。 男は今年、2 歳までの十数人の乳幼児の売買を仲介して成立させたという。 中国では子どもの人身売買が深刻な社会問題となってきた。 今回の事件では、ボランティアの男性が子どもを買う客を装って男に近づき、紅星新聞の記者と共に人身売買の現場をおさえたという。 警察は 22 歳の男のほか、関係する容疑者も拘束したと発表した。 男は親戚らと一緒に乳幼児の売買に携わっていると話していたと、紅星新聞は伝えている。(瀋陽・金順姫、asahi = 10-21-24) |