40 周年の「デシグアル」、リブランディングの集大成をバルセロナで披露 「デシグアル」 2025 年春夏コレクション (画像は左右にスライドしてください。) スペイン・バルセロナ生まれのファッションブランド「デシグアル」。 地中海に面した土地ならではの大胆でポジティブな感性を盛り込んだファッションは、ブランド名が意味する「ほかとは違う」ことを謳歌し人々の個性を応援してきた。 同ブランドは今年創業 40 周年を迎えた。 アニバーサリーイヤーを記念してこのほど、バルセロナ本社前のビーチ沿いでファッションショーを開催。 近年取り組んでいるリブランディングの集大成として、これまでの変遷をたどると同時に「ほかとは違う」ファッションの楽しさを未来へつないでいく強い意志を見せた。 アーカイブをモダンに刷新、ヘルシーで官能的な「デシグアル」ガール バルセロナの空が夕日に染まりかけたころ、ショーはスタート。 ファーストルックに登場したモデルで女優のハリ・ネフはまさに風景とマッチする、スカイブルーからイエロー、オレンジへとグラデーションを描くチュールドレスで登場した。 続くアシンメトリーのチュールトップと 90 年代のアーカイブに着想を得たベージュのカプリパンツの組み合わせは、軽快で爽やかなムードを盛り上げる。 ビキニトップにリラックスフィットのパンツを合わせたり、デニムジャケットとミニスカートのセットアップなどを合わせたりしたルックはバルセロナらしいヘルシーさと官能性のバランス感を見せる。 「リフレクションズ」のコレクションテーマを連想させるミラーの刺しゅうを施したアシンメトリーのスカートは、ヘルシーなルックに華やかさを加えた。 「デシグアル」の原点は、創業者のトーマス・メイヤーがビンテージのデニムパンツを解体して生み出した一点物のジャケットだ。 以来さまざまに形を変えて受け継がれている再構築やハイブリッドのアプローチは、パッチワーク風のデニムや、ヨーク部分にデニムを組み合わせたトレンチコートで表現した。 創業年の 1984 年に登場したデザインを取り入れたメンズのデニムジャケットとパンツのセットアップや、2010 年のアーカイブプリントをあしらったマキシドレスなど、随所にブランドのレガシーをちりばめた。 (WWD = 6-27-24) 「YUIMA NAKAZATO」がフランスの公立美術館で初の単独回顧展を開催、 ![]() デザイナー 中里唯馬が手掛ける「YUIMA NAKAZATO」の初となる単独回顧展が、フランスのカレー・レース・ファッション美術館 (La Cite de la dentelle et de la mode) でスタートした。 2025 年 1 月 5 日まで開催している。 中里唯馬は、2008 年にアントワープ王立美術アカデミーを卒業。 折り紙の技法を取り入れた卒業コレクションに対してアカデミーより贈られた「イノベーション・アワード」など数々の賞を在学中に受賞した。 2016 年からパリ・オートクチュールファッションウィーク (Haute Couture Week) でゲストメンバーとしてコレクションを発表している。 フランスの公立美術館で日本人デザイナーの展覧会が開催されるのは、1988 年の三宅一生、2005 年の山本耀司、2006 年の森英恵に続き、中里が 4 人目。 また、日本人デザイナーとしては最年少での開催となり、同美術館にとっても、初の日本ブランド単独企画展となっている。 展示では、2016 年から発表してきた全シーズンのアーカイヴから選ばれた計 50 体以上のルックを並べ、ドローイングや素材の実験サンプルなどのデザインの裏側も公開している。 中里唯馬は、「大量生産が加速する時代において、様々な課題を抱えたまま走り続ける中、クチュールは、丁寧に一点物を作るというプリミティブな行為の一方で、手仕事を重んじ、私はここにファッションの未来があると信じています。 そのことを、カレー市と共に世界へ発信できることを嬉しく思います。」とコメントしている。 (FashionSnap = 6-18-24) 東京ガールズコレクション、一関で 1 日開催 ヒロセユードーム ![]() 東京ガールズコレクション(TGC)の10代向けフェスタは1日、一関市狐禅寺の一関ヒロセユードームで開かれる。 屋外の特設ステージイベントは入場無料で誰でも楽しめる。 屋外イベントは午前 10 時 - 午後 7 時。オープニングには、地元学生のバンドや同市出身のタレント小松彩夏さんが出演。 午前 11 時半から EXILE の TETSUYA さんらのダンスワークショップ、午後 1 時からお笑いコンビのエルフ、スカチャンのライブが開かれる。 本イベントのパブリックビューイング (PV) は午後 2 時 - 同 6 時に行う。 クロージングは同 6 時 45 分から、人気ユーチューバーのとうあさんが登壇し、餅まきで締めくくる。 最新のファッションショー、アーティストのライブに約 4,,200 人の観客が熱狂した。 人気モデルみとゆなさん、ユーチューバーとうあさんをはじめ、インフルエンサーやアーティスト約 70 組が出演。 ランウェイを歩く姿に人々は歓声を上げた。 市民キッズモデル 10 人も憧れの舞台で堂々とスポットライトを浴びた。 二戸市から訪れた横田柚稀(ゆずき)さん(北桜高 22年)、花凜(かりん)さん(福岡中 2 年)姉妹は「憧れの人を目の前で見ることができて感動した。 県内で大きなイベントが開かれるのはとてもうれしい」と声を弾ませた。 (岩手日報 = 6-1-24) 2025 年リゾート・オーストラリアン・ファッション・ウィーク SNAP (画像は左右にスライドしてください。) 5 月 13 日から 17 日(現地時間)にかけてシドニーで開催されたオーストラリアン・ファッション・ウィーク (AFW)。 ストリートでは、春夏の名残を楽しむコーデに 2024 - 25 年秋冬コレクションのトレンドなど、季節とジャンルの粋を超えるさまざまなファッションが。 これからのシーズンから年末までのインスピレーションになる、おしゃれ賢者たちの最新スタイリングをお届け。 (Vogue = 5-20-24) 4 万円の曜変天目アロハが完売 美術館がグッズに力を入れる狙い ![]() 中国・宋時代の名碗「曜変天目(ようへんてんもく)」をあしらったアロハシャツが 3 万 9,600 円と高額にもかかわらず、次々と売れる。 販売しているのは、静嘉堂文庫美術館(東京都千代田区)。世界に 3 点しかない、完全な形での曜変天目を所蔵する。 夜空にきらめく星々のように青色の地に輝く大小の斑目(まだらめ)模様の光沢を表現したアロハシャツは、創業 100 年を超す京友禅の染屋(そめや)「亀田富染工場」の職人が手作業で染めた逸品だ。 2023 年に発売すると、すぐに完売。 追加を含め、1 年で計 25 着、約 100 万円の売り上げになった。 「美術品は家に持ち帰れないけれども、グッズならできる」と話すのは、静嘉堂文庫美術館の館長、安村敏信さんだ。 同館はいま、斑目模様をデザインしたグッズの販売に力を入れる。 ほぼ実寸大の布製ぬいぐるみ(5,800 円)は、一時生産が間に合わないほどの人気商品になった。 本物の大きさを知ることができるのが理由だという。 安村さんは「グッズが話題になれば美術館の知名度もあがります」とも話す。 美術館や博物館の帰り際に立ち寄るミュージアムショップは昨今、次々と収蔵品をデザインしたオリジナルグッズを発売している。 商品はコンセプトを伝える役割も担うほか、博物館の収益面や知名度アップにも貢献している。 例えば、安村さんが館長を兼任する北斎館(長野県小布施町)では、ショップの売り上げが入館料収入の約 7 割に相当し、大きな収益源になっている。 コロナ禍で収益が落ち込んだとき、ウェブサイトを整備し、ネット販売に力を入れたところ、売り上げを約 10 倍に伸ばしたという。 葛飾北斎が小布施町で制作した上町祭(かんまちまつり)屋台天井絵「男浪(おなみ)図」をデザイン化した京友禅のアロハとボタンダウンシャツは 2 万円以上するにもかかわらず、年平均で約 30 着が売れている。 東京国立博物館(東京・上野)にミュージアムショップができたのは 1990 年 4 月。 いまでは独立した組織が運営し、現在 3 店舗、490 平方メートルに広がる。 約 2,200 種類のグッズ、書籍は約 8 千種類と国内最大級の品ぞろえだ。 なかでも国宝 89 件、重要文化財 649 件を含む約 12 万件の収蔵品を生かしたオリジナル商品の開発が強みだ。 尾形光琳作の国宝「八橋蒔絵螺鈿硯箱」をモチーフにした缶入りクッキーは定番商品になった。 「国宝を模した缶を部屋に飾ったり物入れにしたりして再使用できる。 来館した思い出を長く楽しめる。」と事務局長の大西浩二さん。 SNS でグッズの魅力が拡散 なかには「何が当たるかわからない」と担当者を驚かせたグッズもある。 収蔵品をデザイン化したグッズではないが、2022 年の特別展「ポンペイ」で、焼けたパンを模したクッション(直径 40 センチ)を作ったところ、3 都市の巡回展も含め 5 千個以上も売れたという。 「ミュージアムグッズのチカラ(国書刊行会)」の著書があるミュージアムグッズ愛好家の大沢夏美さんは、「個人が発信できる SNS の発展に伴い、ショップは博物館の収益面だけでなく、来館者を増やす広報手段として、その役割が増している」と話す。 来館者が SNS に投稿する口コミ効果は大きい。 また、博物館側が魅力的なグッズ情報を SNS で発信すれば、普段は博物館に足が向かない人でも「これが買えるなら行きたい」などとハードルを下げる役割にもなるという。 海外ではさらに こうした動きは海外が先んじている。 「モダンアートの殿堂」と呼ばれるニューヨーク近代美術館(米国)は2007年、初の海外店として東京に「MoMA デザインストア 表参道」を出店した。 7 年前、ファッションの進化をテーマにした展覧会をきっかけに有名ブランドの商品を収蔵品にすると、共同で開発したフーディー(パーカ)は人気となり、いまでは定番商品になった。 大英博物館(英国)やメトロポリタン美術館(米国)もミュージアムショップのオンライン化を重視している。 武蔵野美術大学の杉浦幸子教授(美術館教育)は、「豊富で多彩なグッズを通し、博物館のコンセプトやコレクションを海外の顧客にも魅了的に発信しようと戦略的に動いている。 グッズは博物館から得られる刺激を持続的に感じ取れる教育的な効果もある。 ミュージアムショップは、収益機能と教育的機能の両面から博物館に貢献している。」 (上林格、asahi = 4-30-24) かろやかに、ひとひねり 24 年秋冬パリ・ファッションウィーク シンプルなシャツや丸首のセーター、トレンチコートといった普遍的な服をベースに、バランスを変えたり、小物を足したりして新鮮さを加えるスタイルが目についた。 (画像は左右にスライドしてください。) ファッションの多様化、サステイナビリティー意識の高まりなどを背景に、服の流行がめまぐるしく変化する時代は終わり、移り変わりがゆるやかになっている。 2 - 3 月に開かれた 2024 年秋冬のパリ・ファッションウィーク(パリ・コレクション)では、数年前から流行が続く透ける素材の多用、定番の服をひとひねりした日常着の提案が目立った。 ■ 定番ベースに遊び心/原点からの着想 ミュウミュウが発表したコレクションにもそうした傾向がみられた。 このブランドは近年、極端に丈の短い上着やマイクロミニ丈のスカート、冬場にはく薄いストッキングなどを提案し、大きなトレンドが生まれにくい状況のなかで流行の発信源になっている。 ショー会場の外には、来場者が着ている最先端の装いを写真に収めようと、ストリートスナップを撮影する写真家が集結した。 シンプルなひざ丈のコートに白いシャツとパール風ネックレスをラフに合わせたり、丈の短い上着とスカートのセットアップにリブタイツをはき、数シーズン前から提案しているウエストゴム部分のロゴをわざと見せる着こなしなどを披露した。 ブランドの原点を見つめ、本質を捉え直そうとする動きも顕著だった。 ディオールは 1967 年に誕生した既製服のコレクション「ミス・ディオール」から着想した。 ロゴを配したトレンチコート、A ラインのスカートなどベーシックな服を中心に並べた。 イッセイミヤケは「一枚の布」をまとう原点を追求した。 クロエの新デザイナーについたシェミナ・カマリも「メゾンの原点に立ち返り、ぬくもりとポジティブさを放つセンシュアル(官能的)なクロエを創造したい」とコメント。 カマリはかつてクロエのデザインチームで長く働き、サンローランを経て古巣に戻ってきた。 硬いレザー調のアイテムやデニム素材に繊細で柔らかなレースを組み合わせるなど、「らしさ」全開のコレクションを披露し、ブランドは輝きを取り戻したようにみえた。 肌が透けるシアー素材も根強い流行が続く。 サンローランはコレクション全体を通して、下着のようにぴったりとフィットするシアー素材を使い体を大胆に見せた。 細部まで計算されたシルエットのジャケットは、遠目からでも吸い寄せられるような美しさを放っていた。 ■ 満足することのない、ものづくり パリ・ファッションウィーク 6 日目。 ショーの舞台裏でコムデギャルソンのデザイナー川久保玲が口にした言葉が忘れられない。 「何も思うようにできないし、つくれない。」 自分に対して怒りを感じると川久保は言った。 1980 年代、穴の開いた無彩色の服で西洋のエレガンスに真っ向から挑み「黒の衝撃」と称された。 81 歳の現役デザイナーとして 40 年以上パリで発表を続け、2023 年には文化功労者にも選ばれた。 世界中のファッション関係者から尊敬とあこがれのまなざしを向けられる。 そんな存在になってもなお、自分の仕事に満足していない。 今季のファッションウィークが幕を閉じたあと、イタリアの老舗ブランド、ヴァレンティノに 25 年在籍したデザイナー、ピエールパオロ・ピッチョーリが退任を発表した。 ピッチョーリも以前インタビューしたとき、こう言っていた。 「完璧を求めているけどそう感じたことは一度もないし、もっとできるはずだと常に思っています。 達成感を味わったら意欲がわいてこなくなる。」 ふと、これまで取材した一流の職人が思い浮かんだ。 宮大工、人間国宝の木工芸作家、町の畳職人。 人並み外れた技量の持ち主は異口同音に「これでいいということはない」と口にした。 本気でものづくりに取り組むとはそういうことなのだろう。 自分を肯定し、ありのままの自分を愛するといった、昨今もてはやされる考え方とは正反対に思える生き方から、人を感動させるファッションは生まれている。 パリで一線に立つトップデザイナーから学んだことだ。 (長谷川陽子、asahi = 4-18-24) 今週のファッションチェック : 今田美桜、永野芽郁が美スタイル際立つ装い 女性有名人のファッションを紹介する「今週のファッションチェック」。 今回(3 月 26 日 - 4 月 1 日)は今田美桜さん、永野芽郁さん、ガールズグループ「TWICE」のダヒョンさん、ゆうちゃみさん、上白石萌音さんらが華やかなファッションで登場した。 (画像は左右にスライドしてください。) 今田さんは 3 月 26 日、東京都内で行われたキリンビールの「新ビールブランド発表会」に出席した。 タイトなシルエットのノースリーブワンピースにイエローのミュールを合わせた、美しいスタイルが際立つ装いだった。 ワンピースを重ね着したようなデザイン。 髪は高い位置でキュートなお団子ヘアにし、アクセサリーは 2 連のリングだけという装いだった。 永野さんは同 26 日、東京都内で行われた、モスバーガー(モスフードサービス)の新 CM 発表会に出席した。 すらりとしたスタイルが映えるショート丈のカーディガンと、チェックのパンツ、白のパンプスという軽やかな春のムードのカジュアルコーデだった。 髪はゆるく巻き、ゴールド調のイヤリングを合わせていた。 ダヒョンさんは来日し、同 27 日、東京都内で行われた「マイケル・コース ダヒョン来日 プレスイベント」に出席した。 黒のノースリーブジャケットと超ミニ丈のボトムのオールインワン風衣装にゴールドカラーのサンダルを合わせて、すらりとした美脚を見せていた。 髪は三つ編みにして右側に垂らし、チェーンベルトでウエストマークしスタイルアップ。 ヘルシーな美しさが際立つ装いだった。 ゆうちゃみさんは同 28 日、東京都内で「リプトン ミルクティー(森永乳業)」のイベントに出席した。 イベントに合わせたミルクティー色のジャケットに、チェックのミニスカートとリボンタイという "制服コーデ" で、すらりとした美脚を披露した。 足元はローファーでレッグウオーマーを合わせてギャルっぽく。 髪は高い位置でツインお団子にした、キュートなコーディネートだった。 上白石さんは同 28 日、東京都内で行われたサントリーの「『サントリー生ビール』新 CM 発表会」に出席した。 透け感のあるタートルネックトップスと背中が V 字に開いたトップスをレイヤードし、フレアスカートのスリットからちらりと美脚をのぞかせていた。 トップスは幾何学模様を編み込んだようなデザインで、襟元から続く縁編みと背中で結んだリボンがアクセントになっていた。 髪はハーフアップにし、シルバー調のイヤリングを合わせていた。 (毎日キレイ = 4-6-24) 繁華街でファッションショー、貴島明日香さんも 「お客さんと近い」 (画像は左右にスライドしてください。) 神戸市中央区の繁華街・神戸三宮センター街で 23 日、ファッションショー「三宮コレクション」があった。 多くの買い物客らが行き交う中、個性豊かな服を着飾ったモデルが次々に現れ、約 30 メートルのランウェーを堂々と歩いた。 センター街などでつくる実行委員会が主催。 2010 年にはじまり、毎年春と秋に 2 度開催してきた。 実行委員長を務めたセンター街 1 丁目商店街振興組合の植村一仁副理事長 (48) は「この商店街の風物詩になってきた。 普段は来ない方が来るきっかけになり、町の違う顔を見せられる」と意義を語った。 ショー冒頭には、神戸市出身で、舞子高校(同市垂水区)を卒業したモデル貴島明日香さん (28) も参加。 白と茶の服に身を包み、観客の間近をゆっくりと歩いた。 その後のトークショーでは「お客さんとの距離が近かった」と笑顔で話し、センター街でスカウトされた思い出を振り返った。 (小川聡仁、asahi = 3-23-24) 「静かなる贅沢」超えた新風も ミラノ・ファッションウィーク (画像は左右にスライドしてください。) ジェンダーレスでありながら、ドレッシーだったり、控えめでありながらエッジが感じられたり - -。 2 月中旬から下旬にかけて開かれた 2024 年秋冬シーズンのミラノ・ファッションウィークでは、自立した女性を鼓舞するように有力ブランドがイタリアン・エレガンスの今を映した。 シンプルで上質な「クワイエット・ラグジュアリー」の流行は続いているものの、次なるデザインを模索する新風も感じられた。 新進デザイナーは、ブランドの歴史を重んじつつ、現代的要素をちりばめた。 トッズは新クリエーティブディレクター、マッテオ・タンブリーニによるデビューショー。 会場は路面電車の発着駅でもある車庫に特設され、ブランドの新たな門出を祝うムードに満ちていた。 二重襟のシャツを始め、フォーマルさと自由な重ね着が共存するスタイルが目を引く。 メンズラインも同時に登場。 「ジェンダーレス」をより前面に出した肩ひじはらない自然体の作風が、現代の空気感とマッチしていた。 サバト・デ・サルノによる初の秋冬ウィメンズとなったグッチは、長めのテーラードジャケットとマイクロミニ丈のボトムスや、レースのドレスで、昨秋の春夏に掲げたテーマ「グッチアンコーラ(グッチを、もっと もう一度)」を踏襲。 質感や色調、全ルックにつけたリボン状のアクセサリーで新味を出したが、デ・サルノは「急ぐことなく、れんがで家を建てるように積み上げる」、「平凡だと思われている場所で非凡なるものを見つけ出す」ことを目指したという。 劇的な路線変更よりも、小さな変化の積み重ねを大切にする姿勢が明確だった。 男性的な要素を女性的にアレンジするようなスタイルも目立った。 「歴史の断片」をファッションに埋め込んだというプラダは、ジャケットの下にランジェリー風のシルクの服を重ねたり、リボンやフリルをふんだんに使用したり。 強さと繊細さのコントラストが際立つ。 ミウッチャ・プラダは「愛や優しさという価値観を織り込んだ」とコメント。 共同でデザインするラフ・シモンズは「今のような混乱の時期に歴史を知ることに大きな意味がある。 私たちは何者なのか、どこから来たのか。 過去を知ることができて初めて、未来を見すえることができる。」とした。 フェラガモはメンズと合わせ、洗練された新作を見せた。 低いウエストラインに太いベルトが特徴的なシルエットは、創業期の1920年代の自由な表現が着想源。広い肩幅や重厚感のあるウール使いは男性的な印象を残す一方、長いフリンジが揺れるミニスカートがドレッシーだった。 トム・フォードのピーター・ホーキングスは、メンズライクなアイテムで自信に満ちた女性像を提案。ブレザーに襟ぐりの深いベスト、ショートパンツを単色でまとめたスタイルは健康的で、力強い。 戦争が続く世相を反映してか、「再生と復活(レジリエンス)」に光を当てたのはボッテガ・ヴェネタ。 炎がモチーフの赤いニットは、モデルが歩くたびにひだが揺れてドラマチックだった。 「エレガンスは、シンプルさ、誠実さ、そしてレジリエンスの中に宿る」とマチュー・ブレイジーはコメント。 会場には強さを象徴し、希望を表す花が咲いたサボテンをかたどったガラス製のオブジェが随所に配された。 床材やゲストの椅子には日本の伝統技法の焼杉が施されていた。 今季はモスグリーン、バーガンディー、マスタードイエローといったくすんだ色みが多用されていたのも特徴。 フェンディはそうした中間色を巧みに重ね、シンプルな美を創出した。 ニットはシルクのリブを使い、ぴったりと肌にそうようになめらか。 スリットが深く入ったドレスは、普遍的な形で、ブランドが重視する実用性が感じられた。 アームウォーマーやロリポップ入れのチャームといった、遊びの要素を加える小物も充実していた。 「クワイエット・ラグジュアリー」のトレンドは継続し、今季もロゴや派手な装飾を遠ざけた品格ある装いが多かった。 一方、ブランドやデザイナーがそれぞれの原点に立ち返り、控えめながらエッジの利いた次なるデザインと向き合っている印象もあった。 とくにジル・サンダーはブランドらしい洗練さはそのままに、独創的な服づくりで圧倒。 コクーン形のたっぷりとしたケープなど、曲線が特徴のシルエットはやや過剰にも見えるものの適度に力が抜け、心地よさそう。 「シンプルなフォルムは、複雑につくられている」と資料にあるように、素材にはカシミヤや光沢感のあるベルベットを惜しみなく使い、クチュールのような手仕事も。 色使いはピンクやミントグリーン、鮮やかなブルーと幅広い。 ピスタチオ色の会場とあいまって多幸感があり、クワイエット・ラグジュアリーの抑制を超える新たな芽吹きを感じさせた。 (松沢奈々子、asahi = 3-9-24) 好きな服は、似合う服? 両立させるには ![]() シトウレイです、こんにちは! 突然ですが皆さん、例えばショッピングに行って「好きな服」か「似合う服」どちらを選ぶことが多いですか? 今日はこの連載のタイトルである「好きな服、似合う服」についてとことん考えてみようの回です! 今回お洒落好きな人たちにアンケートを取ったところ、予想外の結果が出てきました。 想像以上に「似合う服」をチョイスする人が多かったんです。 なんとその割合は 4 人に 1 人! ほとんど「好きな服」一択だと思った私の予想は大きく外れておりました。 好きな服は、似合う服? 両立させるには 「好き」が大全開なんだけど、彼女のキャラクターにもよく「似合う」。 かつお洒落! 「好きな服」、「似合う服」選んだ理由は? 「好きな服」を選んだ理由は「気分が上がる」、「自分らしく」、「自分を好きでいたい」、「他者評価は関係ない」といった理由がメインで、たとえ似合わなかったとしても「似合わせる」、「どうやったら似合うようになるかを考える過程が楽しい」といった「創意工夫で『好き』と『似合う』を両立させる」行動派が多かったです。 もしくは「『好き』でも最初はあまり似合わなくても、寝かしておくと似合うようになる」といった時間薬で解決策を見いだす人も。 一方「似合う服」を選んだ理由は「自信がない」、「自分をキライになりたくない」、「第三者の目が気になる」、「年をとると好きな服着てお洒落に見えないことが増えた」など、「好き」を諦め「似合う」を選ぶ方向性の意見がよく見られました。 ちなみに「好き → 似合う」の方向性にシフトさせる大きな要因には「年齢」が大きく関係しています。 かつては似合ってよく着ていた「好き」な服でも、いざ久しぶりにクローゼットから取り出して着ると「何か思ってたのと違う …」、「前よりお洒落に見えない …。」 年を重ねた顔つき、体つきの微妙な変化が「しっくりこない」を生み出して、想像と実際の違いが「『好きな服』を着てもテンションが上がらない自分になった」、「だったらテンションの下がらない『似合う服』の方が良いのでは?」という落としどころに。 今の自分をそのまま受け入れ、その上で心地よくいられる服をチョイスする、ある意味受容派と言える方向性です。 そして「似合う服」を選ぶと「第三者評価がいいと自己評価が上がる」、「自分を素敵にみせてくれる服だから(着てうれしい)」、「自信を持って歩ける」、「安心感、納得感がある」、「自分の良さが分かるから」、「着てテンションが上がる」といった結果をもたらすといった結果に。 また「『似合う』とずっと『好き』でいられる」、といった意見にあるように、似合うを選んだその先に、「好き」と「似合う」は両立するようになっていく。 「好き」と「似合う」を両立させるには? さて行動派の「好き」と「似合う」を両立させる方法は? 一番多かったのは、@ 「顔周りを変える」方法。 メイク、髪形髪色、眉の色を変える。 小物使いだとメガネやサングラスを投入したり、帽子やピアスやネックレスと言ったアクセサリーを自分の得意な(似合う)色にしたりでバランスをとると服がだんだん馴染んでくる様子。 力業では「マスクしちゃえば大抵大丈夫になる!」というご意見も。 次に多いのは A 「どう着るかを変える方法」。 襟を抜く、袖をまくる、ボタンを外すなどディテールを変えるアレンジを加えることで自分に合うように寄せていく。 もしくは似合わない服をじっくり吟味観察し、どこに違和感があるかを分析した後、しっくりこない部分をレイヤード(重ね着)することで隠しつつ、好きなディテールをポイントで見せていくといった方法。 最後は、B 「バランスを変える。」 丈のお直し、ヒールを履くなどしてシルエットを縦長にすることでバランスをとる、ちょっとロングスパンで見る必要はありますが「痩せる」といった方向性も。 行動派、受容派、アプローチは違えども、両者ともども最終ゴールは「『好き』と『似合う』の両立」をさせてファッションを楽しみたいというその気持ち。 どのアプローチでファッションを楽しむのが今の自分にとって心地よいのか。 いま一度自分自身の心の声に耳を澄まして聞いてみると、より一層クリアな気持ちでファッションが楽しめるようになるかなと思います。 ファッションを楽しむことは人生を楽しむこと。 それではまた次回お会いしましょう! (asahi = 2-27-24) 東京ファッションウィーク、参加は「数より質」 マリメッコもショー ![]() 3 月に開催される 2024 年秋冬シーズンの Rakuten Fashion Week TOKYO (東京ファッションウィーク)に参加するのは 43 ブランドで、従来の約 50 ブランドよりも少なくなることが15 日、分かった。 日本ファッション・ウィーク推進機構 (JFW) は記者会見で「実力のあるブランドが参加することによって催し自体の価値を保ちたい」として、例年よりも参加基準を厳しくしたことを明らかにした。 東京ファッションウィークでは毎回、初参加のブランドが多い一方で、複数のシーズンをまたいで長期的に参加するブランドが少ないと指摘されてきた。 この日の会見で JFW の太田伸之理事は「参加数が重要なのではなく、しっかりと継続できるかというのが大事。 (ショーを開催するという)花火をあげて終わりでは困る。 あいまいなブランドについては今回、審査で落とした。 (ファッションウィークに)出ることだけに意義があるというのは、違う。」と話した。 今回のショーには、東京都の支援でパリでの発表などを後押しする「ファッション・プライズ・オブ・トウキョウ」や「トウキョウ・ファッション・アワード」などを受賞して海外進出の足がかりを得たブランドが多く参加する。 今回の開幕前日には 1 月にパリで初のランウェーショーを開催した後藤愼平による MASU のランウェーショーが予定されている。 このほか、昨年トウキョウ・ファッション・アワードを受賞したシンヤコヅカ、タナカダイスケら 8 ブランドと、新進デザイナーに送られる JFW ネクスト・ブランド・アワードを受賞したカナコサカイらもショーを開催予定。 楽天グループが後押しする大がかりなショー「by R」に指定されたのはフィンランドの人気ブランド「マリメッコ」で、3 月 15 日の夜に開催が予定されている。 東京ファッションウィークは年に 2 回開催。 楽天グループは 19 年 10 月から冠スポンサーを務めている。 会見に出席した同グループの松村亮常務執行役員は「我々の E コマース(インターネット通販事業)は順調で、「by R」のブランドとの取り組みなどは売り上げに直接的に効果がある。 また、グローバルの仕事においてもファッションウィークに対する貢献はリスペクトしてもらえる」と、催しを支える意義を強調した。 (編集委員・後藤洋平、asahi = 2-15-24) LE SSERAFIM、ファッションモデルに変身 ゴープコアルックを着こなす (画像は左右にスライドしてください。) 韓国の 5 人組ガールグループ・LE SSERAFIMが 5 日、3rd ミニアルバム『EASY(19 日発売)』最後のコンセプトフォトとして、COMPACT ver. を公開した。 LE SSERAFIM はこれまで、ファッション界の手法を活用したコンテンツで話題を集めてきた。 今作の「COMPACT ver.」には、ファッションモデルのポートフォリオ、ブランドのルックブックを彷彿とさせる多彩な資料が収録されている。 この日公開された写真は、ファッションショーのバックステージの現場をそのまま再現したような雰囲気。 メンバーたちは、服装を整えたり、自然にポーズを取りながら、ランウェイが始まる直前の忙しさを表現している。 グループ名が刻まれたガウンを着たスタッフの姿も相まって、実際のファッションウィークのワンシーンのような演出で好奇心をそそる。 LE SSERAFIMは、グループの代表的な衣装の一つであるアスレジャールックと、実用的でありながら都会的なゴープコアルックを着こなし、「LE SSERAFIM」ブランドを印象付けた。 今後、7 日にトラックサンプラー、8 日にトラックリスト、13 日にハイライトメドレーを公開。 19 日午後 6 時に 3rd ミニアルバム『EASY』をリリースする。 (Oricon = 2-5-24) 日本航空の新社長に鳥取三津子氏 (画像は左右にスライドしてください。) 日本航空 (JAL) は 1 月 17 日、代表取締役専務執行役員である鳥取三津子氏 (59) が 4 月 1 日付で新社長に就任することを発表した。 現社長の赤坂祐二氏 (62) は代表取締役会長となり、植木義晴会長 (71) は退任するという。 国内の大手航空会社で女性が社長になるのは、今回が初めて。 さらに鳥取氏は、客室乗務員 (CA) 出身という経歴の持ち主でもある。 CA になってすぐ日航ジャンボ機墜落事故を目の当たりにしたとして、会見では、「当時を知るものとして、安全運航を次世代に継承していく強い責任感がある」と語っていた。 鳥取氏は 19855 年、東亜国内航空に CA として入社。 同社は日本エアシステム (JAS) への社名変更を経て、2004 年に JAL に統合された。 経営統合後は、JAL の客室乗務部門や安全推進に関わる部門の管理職、役員などを歴任してきた。 この抜てきの背景を、ビジネス雑誌記者が解説する。 「JAL では、中期経営計画で ESG (環境・社会・ガバナンス)戦略を大々的に掲げており、ダイバーシティを重要視しています。 管理職に占める女性の割合や、課長職以上の女性の割合などのパーセンテージ向上に力を入れてきた結果、今回の人事に繋がったと思われます。 また、JAL といえば、1 月 2 日に発生した羽田空港での衝突事故で、乗客 367 人全員を脱出させた CA の手腕に国外からも称賛の声が集まりました。 大手航空会社の社長が女性、しかも CA 出身というのは世界的にも珍しい人事で、明るい話題になっています。(ビジネス雑誌記者)」 学生時代に所属した部活動は 鳥取氏とは、一体どんな人物なのか。 彼女が卒業した活水女子短期大学(長崎県長崎市、2005 年に廃止)は、地元では有名な "お嬢様学校" だった。 「華やかな雰囲気の生徒が多く、地元では "あそこのキャンパスは毎日がファッションショー" と言われていました。 一方で、スナックなどでアルバイトをすると即退学と言われ、ジーンズ登校や喫煙が禁止されているなど、お嬢様学校らしく規律はけっこう厳しめ。 活水の学生だと言うと、長崎の男性は目の色が変わるほどの "ブランド" です。 鳥取さんはそんな活水女子短大の英文科出身で、学生時代はバレーボール部に所属していました。(鳥取氏を知る地元関係者)」 1980 年代当時、CA は女子学生が憧れる花形の職業だった。 ちょうどドラマ『スチュワーデス物語(TBS 系、1983 年 10 月 - 1984 年 3 月)』が放送されていたのと同時期に鳥取氏は就職活動をしていた。 「鳥取さんはもともと全く異なる企業を志望していましたが、面接を受けるために利用した飛行機で CA の仕事ぶりに心を動かされたことをきっかけに、CA 志望になったそうです。 多忙な仕事をこなしながら、ステイ先でもテニスやグルメや地元のコンサートを楽しみ、とにかくバイタリティにあふれた方という印象です。 機内での一期一会の出会いを大切にしており、『ちょっと怖そうなお客様がサービスに笑顔を見せてくれると、"この仕事っていいな" と感じる』と話していました。(前出・鳥取氏を知る地元関係者)」 コロナ禍でフライトが激減した際は、CA らのモチベーション維持と新たな知見を得させるべく、官公庁や企業などへの出向を進めるという大胆な施策でも注目を集めた。 専務時代、鳥取氏は "多様性を重んじた組織づくり" への考えをこのように語っている。
バイタリティあふれる初の女性社長が、日本の空に変革をもたらしそうだ。 (News Post/Seven = 1-19-24) 北九州「ど派手」ファッションショー初開催 二十歳の祝い、衣装競う (画像は左右にスライドしてください。) 成人の日を前に 7 日、福岡県内各地で式典が開かれ、若者の門出を祝った。 「ど派手衣装」が例年注目される北九州市では、市主催の「二十歳の記念式典」のほかにファッションショー「成人式アートコレクション」が初めて開催され、男女 19 人がランウェー(花道)を歩いて衣装や髪形のアートとしての魅力を競った。 ショーを主催したのは地域おこし団体「北Q100」。 式典会場横の公園に集まった若者たちに声をかけ、式典の終了後、別会場に設けたランウェーをモデルのように歩いてもらった。 鮮魚店で働く森本琉聖さん (20) は、金ぴかの衣装にパーマで頭髪を魚の頭のように伸ばした姿。 「いつか自分の店を」という夢を託した。 大学 2 年の岡本くるみさん (20) は渋い柿色の振り袖。 「人がしないことを」と黒髪から額にかけて金粉をあしらい、目を引いた。 「将来は警察官になって人の役に立ちたい」と語った。 成人年齢は民法改正で18 歳に引き下げられたが、今年も多くの自治体が、式典の参加対象を 20 歳としている。 (遠山武、asahi = 1-7-24) |