iPad に対抗? タブレット端末ずらり シーテック開幕

最新のデジタル機器などを紹介する世界有数の IT・エレクトロニクス展示会「シーテックジャパン」が 5 日、幕張メッセ(千葉市)で開幕した。 国内メーカー各社が米アップルに対抗して開発したスマートフォン(多機能携帯電話)や、画面を触って操作する「タブレット型端末」などが注目を集めそうだ。

シャープは、外観がアップルの「iPad」そっくりで、米グーグル製の基本ソフト「アンドロイド」を組み込んだタブレット型端末「ガラパゴス」の試作機などを展示。 東芝も海外で発売予定のタブレット型端末を並べている。 今回出展したのは 616 社・団体で、昨年の 590 社・団体を上回る。 9 日までの 5 日間で計 20 万人の来場者を見込む。 一般公開は 6 日からで、入場料は一般 1 千円、学生 500 円。 最終日の 9 日は無料となる。 (asahi = 10-5-10)


「ガラパゴス」で悪いか シャープ、年末に電子書籍端末

シャープは 27 日、電子書籍の配信サービスと専用端末の販売を 12 月に始めると発表した。 サービスと端末の名は「GALAPAGOS (ガラパゴス)」。書籍に続いて来春には映画、音楽、ゲームも配信し、将来は e コマース(電子商取引)もできるようにする。 来春までに 100 万台の普及を目指す。

「ガラパゴス」は、日本の携帯電話市場が独自の高機能化で国際標準から外れたことを揶揄(やゆ)するのに使われてきた言葉だが、「変化に敏感に対応する進化の象徴(岡田圭子・同社オンリーワン商品・デザイン本部長)」としてあえて命名したという。 欧米と新興国でも販売する予定だ。

画面の大きさは片手で操作できる 5.5 インチと、雑誌を見開きで読める 10.8 インチの 2 機種で、基本ソフト (OS) は米グーグルの「アンドロイド」を搭載。 価格は「世の中に出回っているものと同程度(大畠昌巳執行役員)」といい、10.8 型で 5 万円前後になりそうだ。

大きさや重さなどの詳細は 11 月に発表されるが、27 日に公開された 5.5 型の試作機は幅約 9 センチ、長さ約 17 センチと新書程度の大きさ。 画面の面積は米アップル「iPhone (3.5 インチ)」の 3 倍近かった。 10.8 型の外観はアップル「iPad (9.7 インチ)」そっくりで、iPad を少し縦長にして画面をやや大きくした印象だった。

電子書籍配信は大手出版社などと協力し、まず新聞、雑誌、書籍など約 3 万冊を配信。端末から無線 LAN で接続して購入する。 事前に決めた時間の自動配信、新刊本の無料試読などのほか、将来はスマートフォン(多機能携帯電話)やテレビとのコンテンツ共有も計画している。

ただ、電子書籍の配信は「iPad」に加え、NTT ドコモと大日本印刷などの連合、KDDI とソニーなどの連合といったライバルが乱立し、思惑通りに普及するかは不透明だ。 (石山英明、asahi = 9-28-10)


電子書籍、提携の構図なお流動的 通信 3 陣営出そろう

日本でも「開花前夜」といわれる電子書籍ビジネスで、NTT ドコモと大日本印刷は 4 日、業務提携したと正式発表した。 KDDI 、ソフトバンクと並び、通信会社が軸となる 3 陣営が出そろった形だ。 ただ、通信会社や端末メーカーの思惑が交錯し、競争の構図はまだ塗り変わる可能性がある。

「業界トップの両社の提携で、大きな相乗効果を生み出せる。」 4 日の記者会見で、大日本印刷の高波光一副社長は、こう語った。 提携の柱は、ネットを通じて電子書籍を販売する「電子書店」の共同運営だ。 合弁会社の設立も検討し、今秋のサービス開始をめざす。 出版業界と太いパイプを持つ大日本印刷が、書籍の電子化支援と仕入れを受け持つ一方、ドコモは端末機器を投入し、課金・決済システムも提供する。

端末はスマートフォンや、米アップルの「iPad (アイパッド)」のようなタブレット型など様々な種類を準備。 NEC、LG 電子(韓国)、サムスン電子(同)の端末メーカー 3 社の協力を得たという。

電子書籍はデータをネットから取り込む使い方が主流になるため、携帯電話の回線網を持つ通信会社にとって魅力的な分野だ。 特にカラフルな写真や動画も表示できる「電子雑誌」はデータ量が多く、収入源として期待が大きい。 ドコモは、端末販売やコンテンツの課金・決済を一手に担う携帯電話事業と同じモデルで、シェアを取りたい考えだ。

国内の電子書籍事業では、ソフトバンクがすでに iPad 向けなどで配信を始めているほか、KDDI もソニー、凸版印刷、朝日新聞社と連合を組んで準備を進めている。 ドコモの参入で、通信大手 3 社が中心になって競う構図が固まったように見えるが、状況は流動的だ。

主な陣営は、幅広い企業に門戸を開く「オープンさ」を強調し、提携拡大の可能性を残す。 データを電子化するのに必要な規格について、ドコモ・大日本印刷陣営は「複数の規格を使えるようにする」と表明。対応する通信網も、最初はドコモのみだが KDDI やソフトバンクも使えるようにするという。 KDDI 陣営も、ほかの有力企業に参加を呼びかけている。

また、メーカーにも主導権をねらう動きがある。 シャープは 7 月、自社開発の電子化規格を使った配信サービスを発表。 水面下でドコモに提携を働きかけたが、実現せず、次の動きに注目が集まる。

電子書籍の配信ビジネスは流通業界などからも参入が続く。 ドコモの辻村清行副社長は会見で、「電子書籍ビジネスは黎明(れいめい)期。 電子書店も手をあげているところが連携し、市場が求める数に収斂(しゅうれん)する」との見方を示した。 秋以降のサービス開始に向け、今後も新規参入や合従連衡の動きが続きそうだ。 (和気真也、五十嵐大介、asahi = 8-5-10)


米アマゾン、1 万 2 千円キンドル発売へ 価格競争が激化

【米カリフォルニア州サンノゼ = 山川一基】 米ネット通販最大手アマゾンは 28 日、電子書籍用端末「キンドル」に 139 ドル(約 1 万 2 千円)の低価格機を投入すると発表した。 電子書籍の急速な普及に伴い、端末の低価格競争はますます進みそうだ。

新機種は無線 LAN を使って書籍をダウンロードするタイプ。 また、従来機と同様に電話網を使うが、小型・軽量化してページをめくる速度も速くなった新型機を 189 ドル(約 1 万 6 千円)で発売する。 同日からネットで予約を受け付け、8 月 27 日から日本を含む世界各国へ出荷を始める。 日本語には未対応。 電子書籍を巡っては、ソニーも今月、低価格機を 169.99 ドル(約 1 万 5 千円)から 149.99 ドル(約 1 万 3 千円)に値下げした。 (asahi = 7-29-10)


シャープも電子書籍参入 対 iPad へ独自規格・新端末

シャープは 20 日、電子書籍事業に本格参入すると発表した。 今年秋にも国内で電子書籍を読める端末を発売。 出版社などと連携し、独自規格を使った配信サービスにも乗り出す。 他の企業連合も同様の事業を準備しており、電子化の規格をめぐって主導権争いが本格化してきた。

シャープが 20 日に公表した端末の試作機は、画面サイズが 5.5 インチと 10.8 インチの 2 機種。 タッチパネル式のカラー液晶画面を備える。 米アップが大ヒットさせた情報端末「iPad (アイパッド)」とよく似た外観で、大畠昌巳執行役員は「国産の iPad を目指す」と述べた。 電子書籍のほか、ネット接続や電子メール、ゲームなど、iPad と似た機能を持たせるとみられる。

シャープはこの端末と、電子書籍の制作支援やデータ配信とを組みあわせた「一気通貫型」のサービスを手がける方針。 日本経済新聞社、毎日新聞社、東洋経済新報社などがコンテンツを提供する予定で、通信や印刷業界の大手企業と提携交渉も進めている。

シャープが前面に押し出すのが、「次世代 XMDF」と呼ぶ電子書籍の独自規格だ。 同社が 2001 年、小型情報端末向けに開発した「XMDF」を進化させたもので、動画の再生にも対応する。 電子書籍の制作には、活字を電子データ化し、レイアウトなども決める規格が不可欠。 シャープは自社の規格を「日本標準」にすることをねらう。

ただ、電子書籍をめぐっては、すでに複数の陣営が競っている。 ソニー、KDDI などの企業連合は年内の配信開始を表明。 ソフトバンクも 6 月、iPad など向けに雑誌の配信を始めている。

規格が乱立すると、制作の手間やコストがかかるため、出版業界では「規格が複数あると困る」との声が強い。 このため、総務省の旗振りで、出版業界は来月にも「電子出版日本語フォーマット統一規格会議」を設置する方針だ。 ここでは、シャープの XMDF とも互換性のある新規格が検討されるとみられている。

ソニーは欧米の電子書籍事業では、世界的に主流の規格「イーパブ」を採用するが、日本語のルビが表示できないなどの弱みがある。 日本でどの規格を採用するかは明らかにしていないが、日本語表示が得意なシャープの規格を採用する可能性もある。 サービス開始に向け、規格をめぐる神経戦が続きそうだ。 (石山英明、五十嵐大介、asahi = 7-20-10)


米アマゾン通販、電子書籍販売冊数がハードカバー本抜く

【ニューヨーク = 山川一基】 米ネット通販大手アマゾンは 19 日、同社の通販サイトでの電子書籍の販売冊数が、ハードカバーを抜いたと発表した。 ただ、同社は部門別の販売冊数や売上高を公表していない。 日本の文庫や新書に相当するペーパーバックの取り扱いも多いため、「電子」は「紙」をまだ抜いてはいない。

アマゾンの通販サイトでは現在、63 万タイトル超の電子書籍をそろえる。 今年上半期の電子書籍の売れ行きは昨年の 3 倍以上という。 携帯端末に本をダウンロードして楽しむ読書スタイルが急速に普及していることが背景にある。 同社は自社開発の携帯用電子書籍端末「キンドル」や、アップルの携帯情報端末「iPad (アイパッド)」向けに、ネット経由で電子書籍を売っている。 この 1 カ月間をみると、電子書籍の売れ行きはハードカバーの 1.8 倍に達したという。

ハードカバーしか発売されていない本もまだ多いため、ジェフ・ベゾス最高経営責任者 (CEO) は「電子書籍販売に参入して 3 年弱ということを考えれば驚嘆すべきことだ」とコメントした。

米出版者協会によると、5 月の電子書籍の米国での売上高は前年同月の約 2.6 倍に当たる 2,930 万ドル(約 25 億 5 千万円)。 同月までの 5 カ月間では、電子書籍に進出した大手出版社 13 社の売り上げに、電子書籍が占める割合は 8.5% という。 アマゾンは 1995 年、本のネット通販を開始。 その後、音楽 CD や DVD、家電などの販売にも乗りだし、米最大のネット通販会社となった。 2009 年の売上高は 245 億ドル(約 2 兆 1 千億円)。 (asahi = 7-20-10)


「7」搭載タブレット PC、年内に各社が発売 MS 発表

【ニューヨーク = 山川一基】 米マイクロソフト (MS) は 12 日、同社の最新基本ソフト (OS) 「ウィンドウズ 7」を搭載し、薄くて持ち運びができる新型情報端末の新製品を、ソニーや東芝、パナソニックなど 21 社が年内に発売する、と発表した。 人気商品となった米アップルの新型情報端末「iPad (アイパッド)」に対抗する製品となりそうだ。

MS のスティーブ・バルマー最高経営責任者 (CEO) が、開発者を集めた会議で明らかにした。 同社は新端末を「スレートパソコン(石板 PC)」と呼んでいる。 画面を触ることで操作でき、動画や電子書籍を楽しめるなど「iPad」との共通点が多そうだ。 MS によると、参画するのは、日本メーカーではほかに富士通、オンキヨー。 米ヒューレット・パッカードやデル、中国のレノボ、韓国のサムスン電子なども加わっており、各社が別々に新製品を開発、発売する。

iPad やスレート PC は「タブレット(平板) PC」とも呼ばれる。 MS 創業者のビル・ゲイツ氏は 2000 年ごろ、「今後、タブレット PC の登場で学習形態や職場が変わる」と予言。 00 年代前半には MS の OS を載せ、ペンで操作する製品が相次いで発売されたが普及しなかった。

一方、今年 4 月に発売された iPad は、画面のきれいさやアプリケーション(ソフト)の豊富さで人気を集め、発売から 3 カ月足らずで 300 万台以上を売った。 出遅れた MS は、OS で協力関係にあるメーカー群との連携で巻き返しを図る。 (asahi = 7-13-10)


電子書籍、読む速さ低下 満足度は同じ 紙と比較調査

【コペンハーゲン = 勝田敏彦】 米アップルの iPad や米アマゾンのキンドルといったタブレット型端末で電子書籍を読む速さは、紙の本を読むときに比べるとやや遅くなることがわかった。 ただ、速さの低下は 1 割程度で、実験に参加した人の満足度も高かった。 米調査会社ニールセン・ノーマン・グループが調査結果を発表した。

「よく読書をする」という 24 人の参加者に、iPad と新型のキンドル 2、紙の本を渡してヘミングウェイの短編小説を読むのにかかる時間を調べた。 読み終わるのに平均で 17 分ほどかかったが、速さの低下は、紙の本に比べて iPad で 6.2%、キンドル 2 で 10.7% にとどまった。 iPad とキンドル 2 との速さの差は小さく、どちらが速いとはいえなかった。

比較のため、パソコン (PC) でも同じ小説を読んでもらった。 その後、使い勝手に関する満足度を 7 段階で採点するアンケートをしたところ、iPad、キンドル 2、紙の本は、それぞれ 5.8 点、5.7 点、5.6 点とほぼ同じだった。 パソコンは、3.6 点と低かった。 同グループは「電子書籍やタブレット型端末には将来性がある」と結論づけている。 (asahi = 7-10-10)


電子書籍配信、主導権争い激化 サービス続々、乱立懸念

電子書籍の普及をにらみ、「書店」に当たる配信サービスに参入する動きが活発になっている。 8 日には、大日本印刷が 10 月にインターネット上に電子書籍の専用サイトを開き、米グーグルが来年初めにも日本語の書籍配信を始めると発表した。 人気を集めるため、各社は書籍の品ぞろえに力を注いでいる。

大日本印刷が立ち上げるサイトは配信する書籍を約 10 万点から始め、2011 年には約 30 万点に増やす計画で、「国内最大級」をねらう。 パソコンやスマートフォン(多機能携帯電話)、大ヒットした米アップルの「iPad」など、さまざまな端末機器で読めるようにする。

電子書籍の価格は未定だが、紙の書籍より安くする見込み。 印刷などを通じて出版業界とのつながりが深い同社は、講談社など出版大手に作品などの供給を求めているという。 同社の電子書籍事業の売上高は今はわずかだが、5 年後には 500 億円に増やす計画だ。

グーグルは電子書籍の販売事業「グーグル・エディション」のサービスを今夏に米国で始め、日本では来年初めにも始める。 すでに電子書籍の一部を無料で見せるサービス「グーグル・ブックス」を提供しているが、内容の 2 割までしか見られない。 新サービスは有料だが、全部読める。 また、新サービスの配信に使う基盤技術を他社のサイトにも提供し、電子書籍の普及をねらう。 担当者は「本の価格の半分以上は出版社の取り分にする。 出版社の反応もいい。」と自信をみせる。

他にも、NTT ドコモが電子書籍ビジネスに年内にも参入を検討している。 他社のサービスとの提携も含めた事業展開を模索している。 ソフトバンクは 6 月に iPad など向けに雑誌の配信を始めた。 ソニー、KDDI、凸版印刷、朝日新聞社の 4 社連合は年内の配信開始に向けて準備している。 紀伊国屋書店も参入を表明している。

一方、配信サービスが乱立し、電子データの規格や代金決済の仕組みがバラバラになると、消費者はサイトごとに使い分けが必要になり、面倒に感じる恐れもある。 出版業界では「サービスの勝敗を決めるのは、配信するコンテンツの豊富さ。 やがて集約に向かうのではないか。(出版社社員)」との声が出ている。 (五十嵐大介、内山修、asahi =7-9-10)


iPad に対抗、米電子書籍 100 ドル台に続々値下げ

【ニューヨーク = 山川一基】 急速に普及している電子書籍用の端末を巡り、ネット通販大手の米アマゾンなど 2 社が 21 日、相次いで端末の販売価格を 100 ドル台に引き下げたと発表した。 後発の米アップルの「iPad (アイパッド)」が爆発的に売れているため、対抗する狙いがありそうだ。

アマゾンは、電子書籍端末で米最大のシェアをもつ「キンドル」を、259 ドル(約 2 万 4 千円)から 189 ドル(約 1 万 7 千円)に値下げした。 また、米書店チェーン最大手「バーンズ・アンド・ノーブル」は同社の端末「ヌーク」を、携帯電話網が使える現行モデルを 259 ドルから 199 ドル(約 1 万 8 千円)に下げ、無線 LAN だけを使う 149 ドル(約 1 万 4 千円)の廉価版も導入した。

別の米書店チェーン「ボーダーズ」はすでに 149 ドルの端末を発売している。 3 社の端末はいずれも画面がモノクロで軽く、書籍を読むことにほぼ特化している。 一方、アップルの iPad は 499 ドル(約 4 万 5 千円)〜 と高額だが、高精細なカラー液晶画面を持つため、書籍だけでなく雑誌などを読む人も増えている。 (asahi = 6-22-10)


放送と同時に iPad に配信 毎日放送の新ドラマ

毎日放送(大阪市)は、7 月 8 日から関西地区で放送するテレビドラマ「MM9 (エム・エム・ナイン)」を、米アップルの情報端末「iPad (アイパッド)」でも放送と同時に無料で視聴できるようにすると発表した。

毎日放送によると、放送済みのドラマをインターネットに流す例はあるが、同時視聴できるのは初めて。 ドラマの動画に視聴制限をかけて事前に配信し、放送開始と同時に制限を解除して見られるようにする。 ローカル番組を全国どこでも見られるようにする試みでもある。 配信日時や CM の扱いなど細部を検討中だ。

「MM9」は災害を起こす怪物と戦う気象庁の職員を描く。 毎週木曜午前 1 時半から 30 分枠で放送される。 出演は石橋杏奈や尾野真千子。 「ローレライ」などの映画で知られる樋口真嗣監督がテレビに初挑戦する。 (田玉恵美、asahi = 6-4-10)


iPad に新聞・雑誌 31 点を配信 ソフトバンク

ソフトバンクは 31 日、米アップルの新型電子ブック端末「iPad (アイパッド)」向けに、新聞や雑誌、テレビニュースなど 31 のコンテンツが月額 450 円で見放題になる配信サービスを 6 月 1 日に始めると発表した。 講談社、小学館、朝日新聞出版、毎日新聞社など 13 社が協力。 「FRIDAY」や「AERA」などの雑誌や新聞(一部特別編集版を含む)を配信する。 一冊丸ごとではなく、週刊誌だと、次週号の発売までに半分が見られるぐらい配信する。

また、アップルのスマートフォン「iPhone (アイフォーン)」向けに月額 350 円で、ソフトバンクの一般携帯電話向けには同 315 円で、同じ配信サービスを提供する。 (asahi = 5-31-10)


電子書籍 1 万点、iPad 向けに販売 秋から業界団体

国内の主な出版社 31 社でつくる日本電子書籍出版社協会(電書協、代表理事・野間省伸講談社副社長)が、加盟社の電子書籍約 1 万点を、28 日から発売されたアップル社の多機能携帯端末「iPad」で販売する。 今秋からの予定だ。 電子書籍端末の魅力は、コンテンツ(作品)の品ぞろえにかかっており、約 1 万点の一気のラインアップは iPad 側にもメリットがある。

対象は、電書協が直営する電子書店「電子文庫パブリ」でパソコンや携帯電話向けに売っている電子書籍。 いずれも加盟社の既刊書で、2 万点のうち当面は半数ほどを投入する。 最多価格帯は 500 - 600 円で、iiPad でも同額で販売する。 ラインアップには佐伯泰英さんの「居眠り磐音 江戸双紙」シリーズ、坂東眞理子さんの「女性の品格」、浅田次郎さんの「蒼穹(そうきゅう)の昴」などベストセラーも多く含まれる予定だ。

これに先立ち 6 月から iPhone でも販売する。 将来は、iPad だけでなくほかの電子書籍端末でも、条件が合えば販売していくことになりそうだ。 一方、角川書店も独自に iPad などの電子書籍端末に向けて新刊や既刊のベストセラー、ライトノベル、漫画など数十点を、秋にも同時に販売することを決めた。 今年の本屋大賞に選ばれた冲方丁(うぶかた・とう)さんの「天地明察」が有力候補になっている。

他社との差別化を狙い、映像と電子書籍を組み合わせたり、ミニゲームから電子書籍に誘導したりする仕組みも作る。 井上伸一郎社長は「遊びのノウハウから入って、本に導くような仕掛けを考えたい」と話す。 (西秀治、asahi = 5-28-10)


iPad で吉本新喜劇 7 月から動画やブログも有料配信

吉本興業は 27 日、米アップルの新型情報端末 iPad (アイパッド)向けに、吉本新喜劇の動画や芸人ブログなどが見られるソフトを開発すると発表した。 日本だけでなく海外でも販売する方針で、世界中で吉本のお笑いをいつでも見られるようにする。 配信は 7 月上旬からを予定している。

名前は「よしもとアプリ」。 iPad からインターネット経由でアプリを導入すれば、テレビで人気の吉本新喜劇や、吉本が企画・運営し沖縄国際映画祭で上映された映像作品などが見られるようになる。 1 作品 300 円前後を想定。 芸人の動画やライブ出演情報、芸人のミニブログ「ツイッター」なども無料配信する。 吉本は豊富なタレントと制作力を生かし、ネットや携帯電話などへの動画配信に力を入れており、放送網によらないコンテンツ配信を一層拡大、利用者の取り込みを狙う。

吉本新喜劇を放映する毎日放送は「新喜劇が広まることで番組の視聴率も上がるという相乗効果に期待したい(広報)」と話す。 ただ広告収入で制作費をまかなう従来の事業モデルが崩れ去る懸念も強く、別の民放幹部は「切実な問題」と気をもむ。 (佐藤亜季、asahi = 5-27-10)


iPad とキンドルに漫画、英語版も NTT ソルマーレ

携帯電話向けコミック配信数で国内首位の NTT ソルマーレ(大阪市)は 26 日、米アマゾンの電子書籍端末「キンドル」と、28 日に国内でも発売される米アップルの「iPad」向けにコミック配信を始めたと発表した。 英語版も用意し、海外でも現地通貨で購入できる。 国内携帯電話向けビジネスの雄が、海外市場に挑む。

キンドル向けに販売するのは「いつもそばにいる」など自社で製作した 4 作品で、すべて英語版。 1 話あたり 1 - 2 ドルで、電子書籍販売サイトのキンドルストアに提供する。 iPad 向けは「サラリーマン金太郎」など日本語版 3 作と英語版 1 作で、1 冊あたり税込み 115 - 450 円(海外では現地通貨)で販売する。

NTT ソルマーレは「日本の漫画は世界各国で人気が高まっており、電子書籍市場で最も注目されるコンテンツになる」として、今後作品数を充実させ、英語以外の言語にも対応する計画という。 同社は NTT 西日本の子会社。 (asahi = 5-26-10)


iPad の人気の秘密 パソコンより手軽に

今月 28 日、アップルが新しい情報端末「iPad (アイパッド)」を発売します。 米国ではすでに 100 万台を販売し、日本での予約開始日には量販店に行列もできました。 iPad の人気の秘密は何なのでしょうか? 私たちの生活にどんな影響を与えるのでしょうか?

■ 大きなディスプレー パソコンより手軽に

iPad は 9.7 インチの液晶を搭載した薄型の情報機器です。 一番軽いモデルの場合、重量は 680 グラム。 デザインは携帯電話の「iPhone (アイフォーン)」にそっくりです。

通信手段として、無線 LAN のみを搭載した「Wi-Fi (ワイファイ)モデル」と、これに携帯電話網 (3G) での通信機能を加えた「Wi-Fi + 3G モデル」があり、それぞれ容量が 16 ギガバイト (GB)、32GB、64GB の 3 種類。 音楽や映像をたくさん蓄積しないなら、16GB で十分かもしれません。 アップルのオンラインストアでは 6 月以降出荷分の販売が始まっています。

iPad は見た目だけでなく、中身もほとんど iPhone そのものです。 iPhone と同じ OS 技術で作られ、iPhone のソフトやサービスがそのまま動き、操作方法もほとんど同じ。 ただし iPad は電話ではないので、携帯電話網を使った通話はできません。 「では通話ができない大きな iPhone なの?」と質問されそうですが、それが正解。 技術的には iPhone と iPad に大きな差はありません。

ですが、使ってみると違うのです。 iPad と iPhone の最大の違いは「大きなディスプレー」。 iPhone は携帯電話サイズなので、電車などで使うには便利なものの、じっくり何かを読むには不向き。 また文書を作るために文字入力しようとすると、パソコンなどに比べて使いづらいのです。

サイズが大きくなると、問題はほとんど解決されます。 ウェブサイトも紙に印刷したもののような感覚で読めますし、文字入力もパソコン並みとは言わないものの、相当な速度で入力できます。 iPhone 以降、タッチ操作を使ったユニークなソフトがたくさん登場していますが、画面サイズが大きくなれば、別の方向性で面白いものが登場する可能性も高いのです。

バッテリー動作時間も、無線 LAN で通信をしたままで 10 時間ほど連続利用できます。 大きく表示できて、バッテリーが長持ちするとなると、注目されるのが「電子書籍」。 iPad の液晶は紙に比べると目が疲れやすいのですが、雑誌やコミックのような作品を表示するには向いています。 リビングで雑誌を開くように、ウェブの記事や電子書籍を読めます。

残念ながら日本ではまだ、アップルは自社の電子書籍ストア「iBook (アイブック)ストア」をスタートしないため、アメリカほど多くの電子書籍は出てこないのですが、アップル以外にもいくつかの企業が、iPad の登場を契機に電子書籍ビジネスの展開を検討中です。

つまりパソコンでできることがもっと気軽に、ひざの上でできるのが iPad と思えばいいでしょう。 文字サイズを簡単に変更できるので、シニアにも使いやすくなっています。 従って、パソコンに満足している人には iPad は不要かもしれません。 パソコンほど性能も入力効率も高くありませんし、仕事に使おうと思うと、ソフトの整備も足りません。

しかし、気軽にネットや電子書籍、アプリケーションを利用したいなら、パソコンより優れた特性があることは事実です。 アップル以外のメーカーも、iPad に似た特性を持つ機器を開発しており、数年以内に個人向けパソコンの一部はこの種の機器に取って代わられるかもしれません。

なお Wi-Fi モデルの場合には、iPad 向けの通信費はかかりません。 無線 LAN モデルなので、自宅や職場、あるいは公共の無線 LAN サービスなどを使って通信することになります。 (西田宗千佳、asahi = 5-24-10)


iPad、世界的品薄 強気アップル、販売情報も秘密

米アップルの新型情報端末「iPad (アイパッド)」が 28 日に国内で発売される。 世界的な品薄の影響で、10 日に始めた店頭での先行予約は 2 日後に中止になった。 販売ルートも絞っている。 さらにアップルは当日売りがあるかどうかの説明さえ避ける。 消費者の期待を高める「アップル流手法」と言えるが、当日は店頭で混乱が起きる可能性もある。

「ほぼ 30 分おきに、お客さんから予約のことを聞かれるんですよ。」 東京都内の家電量販店のアップル製品売り場で、店員は話す。 横には「iPad 予約終了」の張り紙。 この店では発売初日分として 800 台を確保したが、予約で埋まった。 「当日並んでも、予約がないとおそらく買えないでしょう。」 別の販売店でも店員が「当日売りのうわさはあるが、まったく情報が来ないので、案内できない」と話す。

iPad を扱う量販店やソフトバンクの店舗、アップル直営店が予約の受け付けを始めたのは 10 日。 だが、12 日午後に、携帯電話の通信網でネットに接続できる機種の予約を打ち切った。 無線 LAN のみに対応する機種は、アップルのネット販売サイトで「6 月 7 日までに出荷予定」として、予約を受け付けている。

予約再開の見通しや在庫状況についてアップル日本法人は「ノーコメント(広報)」と口を閉ざす。 当日売りをするかしないかの説明はせず、「予約した人も発売当日に受け取れるか確約できない」といい、どれだけの人がすぐ入手できるかわからない。 世界的に品薄で、4 月上旬の発売から約 1 カ月で 100 万台が売れた米国では、今も主要都市では手に入りにくい。

日本で売る販売店も絞り込んでいる。 全国 2,500 店のソフトバンクショップのうち、iPad を扱うのは直営 16 店のみ。 ヤマダ電機では、直営店の 1 割にも満たない 57 店だ。 西日本が地盤のエディオンでは、名古屋や広島など都市部の 10 店でしか売らない。 ブランドイメージを守るために流通サイドと販売方法を細かく取り決めている。

情報をぎりぎりまで抑える手法は、携帯電話「iPhone (アイフォーン)」などでも見られるアップルのお家芸といえる。 日本法人広報はこの点もコメントしないが、アップル関係者は「お客様が箱を開けた瞬間に、『ワォ』と喜んでもらいたい」と狙いを説明する。

ただ、こうした「アップル流」は、消費者には不親切と映る可能性もある。 ある家電量販店によると、一部の店では「なぜ予約できないのか」と怒る客もいる。 iPad は確実に売り上げが見込める大型商品。 量販店側からは「独創的な商品を次々生み出すアップルは強気で、値下げもしない。 人気も高く、他のメーカーとは違う対応をせざるを得ない。」とあきらめの声も聞かれる。

ネット経由でデータをやりとりできる iPad には、主に屋内で使うことを想定した「無線 LAN だけに対応するタイプ」と、屋外の広い地域で使える「携帯電話の通信網にも対応するタイプ」の二つがある。 携帯通信網で米アップルは当初、どの会社の通信網でも使える方式にするとしてきた。 しかし今月上旬に、日本ではソフトバンク 1 社のみでスタートすると、方針を翻した。(五十嵐大介)

アップルとソフトバンクは、通信に必要な「SIM (シム)カード」に、ソフトバンクの通信網しか使えない制限(SIM ロック)をかける。 iPhone を日本で扱うソフトバンクが、iPad でも独占をねらって交渉した結果とみられている。 孫正義社長は「iPad も iPhone も、(NTT ドコモと)戦う上での武器だ」と語り、最大の狙いがドコモ対策であることを隠さない。

一方、アップルを信じて iPad 向けの通信サービスを準備中と公表していたドコモの面目は丸つぶれだ。 山田隆持社長は「SIM ロックはないと聞いていたが、結果的にロックだった」と落胆する。 ドコモは対抗策として、手のひらサイズの無線 LAN 中継機を発売する。 これを持ち歩けば、ドコモの通信網で iPad が使えるという。 (和気真也、asahi = 5-21-10)


講談社、iPad で京極夏彦氏の新刊発売

講談社は 20 日、京極夏彦さんの新刊で 15 日に刊行されたミステリー小説「死ねばいいのに」を、米アップルが 28 日に日本で発売する多機能携帯端末「iPad」や iPhone、携帯電話、パソコンで読める電子書籍として販売すると発表した。 国内の大手出版社が、新刊の文芸書を電子書籍端末で売るのは初めて。 他の出版社も続々と参入しそうで、その第 1 号になる。

「死ねばいいのに」は紙の本は税別で 1,700 円だが、携帯以外の電子版は販売開始から 2 週間がキャンペーン価格で 700 円、その後は 900 円とした。 紙の本と比べて価格が安いのは、製本・印刷費、運送費、倉庫など管理費、取次会社や書店への報酬がいらないため。 講談社内では議論があったが、社会的にインパクトを与えようと、紙の本の半額ほどに設定した。 今後の電子書籍の値段に影響を与えるのは確実だ。

iPad と iPhone 版はアップル社のソフト配信サイト「アップストア」で売り、販売価格の 30% がアップル社に入る。 講談社は「iPad 購入者の 5 人に 1 人に買ってもらうのが目標」という。 28 日から販売したい考えだが、現在はアップル社からの承認待ちの状態で、数日遅れる可能性もあるという。

講談社の狙いの一つは、価格決定の主導権を日本の出版社が握ること。 今後予想される米アマゾンの電子書籍端末「キンドル」日本語版の発売でも、出版社側が主導権を取りたい考えだ。 さらに、自社で出版した作品の電子書籍化の許諾権を得るため、著作者への働きかけを強めることにしている。 紙の本で著作者の取り分は 10% ほどだが、電子書籍ではこれより高い率になりそうだ。

国内の出版物の売り上げは約 2 兆円。 講談社は、電子書籍の市場規模は 5 年後にその 1 割の 2 千億円ほどになると見込み、作品の投入を加速させる。 いまのところ五木寛之さんの「親鸞」や京極さんの新作を考えているが、人気作家を中心としたラインアップになりそうだ。

紙の本と電子書籍のすみ分けや相乗効果も狙っており、紙の本だけ、あるいは電子だけの発売や、それぞれに異なるプレミアムを付けることなどを考えている。 紙の本で分冊の形にして安価で「ばら売り」することもあるという。 「死ねばいいのに」は 6 話の連作ということで、携帯電話への販売では全 6 話のうち第 1 話は無料に、他の 5 話はそれぞれ税別で 100 円に設定した。

国内では 3 月に発足した一般社団法人の日本電子書籍出版社協会(代表理事 = 野間省伸・講談社副社長)に 31 社が加盟しており、ほかに 10 社ほどが加盟を検討している。 一方で、電子書籍の伸びが紙の本の売り上げを減らすのではないかという懸念も、書店業界を中心に広がっている。 (西秀治、久保智祥、asahi = 5-20-10)


iPad に電子雑誌 55 誌を配信 電通など

電通とソフトウエア開発会社ヤッパ(東京都渋谷区)は 18 日、国内で今月 28 日に発売が予定されている米アップルの新型情報端末「iPad (アイパッド)」向けに、雑誌の有料配信サービスを始めると発表した。

雑誌を提供するのは、新潮社やリクルート、朝日新聞出版、NHK 出版など 30 社。 「AERA」や「SPA!」「GQ JAPAN」、NHK の語学テキストなど計 55 誌が、1 冊 15 - 1,800 円で読める。 電通とヤッパは昨年 9 月から、アップルの「iPhone (アイフォーン)」などの携帯電話向けに電子雑誌の配信サービス「MAGASTORE (マガストア)」を展開しており、アイパッド発売に合わせてサービスを広げる。 (asahi = 5-18-10)


iPad 貸し出し作品解説 群馬・富弘美術館、6 月から

群馬県みどり市の富弘美術館が 6 月から、米アップルの新型携帯端末 iPad (アイパッド)を使った作品解説や周辺観光情報を見られるサービスを始める。 館内で iPad を貸し出し、併設のカフェなどで見てもらう。 同館によると、iPad を使ったサービスは国内の美術館では初めてという。

同館は、事故で肩から先の腕が動かなくなった星野富弘さん (64) が、口にくわえたペンや筆でかいた絵と詩の作品を展示している。 iPad で星野さんの生い立ちや主な作品、出版物、美術館周辺の飲食店などの情報を見られる。 展示されていない写真や映像、星野さんによる詩の朗読も視聴できる。 当面は無料。 話題のiPadを呼び水に、比較的少ない 20 - 30 代の来館者を増やしたい考えだ。 (asahi = 5-16-10)


iPad、携帯回線対応型はソフトバンクが販売へ

ソフトバンクモバイルは 8 日、アップルの電子ブック端末「iPad (アイパッド)」の携帯通信対応モデルを国内で販売すると発表した。 携帯電話「iPhone (アイフォーン)」に続いてアップルの人気端末の販売を手がけることで、顧客拡大をめざす。

iPad は、インターネットに接続し、電子書籍やゲームのデータを入手する端末。 アップルは日本で 28 日から発売すると発表している。 国内で発売されるのは、無線 LAN 機能だけのモデルと、携帯電話の通信回線からもダウンロードできるモデルの 2 通り。

携帯通信対応の iPad を使うには、通信会社が発行する電話番号情報などが記録された IC カード「SIM (シム)カード」が必要。 関係者によると、ソフトバンクとアップルは、ソフトバンクの iPad 専用 SIM しか使えない端末を販売する。 端末価格は 4 万 8,960 円からで、月割りでも販売。 データ通信料の割引プランなどとも組み合わせ、実質的に端末価格を引き下げる。

携帯電話首位の NTT ドコモも iPad 用の SIM カードを販売する意向を示しているが、交渉状況は不明だ。 このため、iPhone のように、ソフトバンクと契約しなければ利用できない可能性がある。 米国での価格は 1 台 499 ドル(約 4 万 5 千円)から。 米国での販売台数は、4 月 3 日から同月末までの 28 日間で 100 万台を突破。 2007 年に発売された iPhone の 2 倍を超える売れ行きを記録している。 (asahi = 5-8-10)


iPad、日本は 5 月 28 日発売 10 日からネット予約

米アップルは 7 日、新型携帯端末「iPad (アイパッド)」を日本で今月 28 日に発売すると発表した。 価格や対応する通信事業者は未定だが、近く発表される模様だ。 今回発売されるのは、日本、ドイツ、英国など 9 カ国。 10 日からこれらの国のオンラインストアで、予約を始める。

iPad は米国で先月 3 日に発売、販売台数はすでに 100 万台を超えている。 最も安い機種は 499 ドル(約 4 万 5 千円)。 電子書籍はこれまでに 150 万冊以上ダウンロードされており、電子書籍端末としても注目されている。 当初、日本では4 月下旬に発売予定だったが、米国で売れすぎたため出荷が追いつかず、発売が延期されていた。 (asahi = 5-7-10)


iPad 開発めぐり米アップルに調査検討 米司法省など

【ニューヨーク = 山川一基】 米アップルの携帯電話「iPhone (アイフォーン)」や新型端末「iPad (アイパッド)」のアプリケーション(ソフト)をめぐり、米連邦取引委員会 (FTC) と米司法省が同社を調査する検討に入った、と複数の米メディアが報じた。

米紙ウォールストリート・ジャーナルなどによると、アップルは最近、ソフト開発者に対し、アップルの開発ソフト以外を使うことや、iPhone の技術データを第三者に提供することを禁止した。 当局はこうした行為が競争阻害に当たるかどうか調査する方針だという。 ただ、調査はまだ予備段階で、法的措置につながるかどうかは不明という。 (asahi = 5-4-10)


iPad、販売 28 日で 100 万台突破 米アップル発表

米アップルは 3 日、4 月 3 日に米国で先行発売した多機能携帯端末「iPad (アイパッド)」の販売台数が同月 30 日までの 28 日間で 100 万台を突破したと発表した。

2007 年に発売された多機能携帯電話「iPhone (アイフォーン)」は 100 万台突破に 74 日かかっており、ジョブズ最高経営責任者 (CEO) は声明で「アイパッドは半分に満たない期間で大台を達成した」と販売の好調さを強調した。 アップルによると、アイパッドに取り込まれたソフトは 1,200 万本、電子書籍は 150 万冊をそれぞれ上回った。 (jiji = 5-4-10)


iPad 用 SIM カード、NTT ドコモが発売へ

NTT ドコモは 28 日、米アップルの新端末「iPad (アイパッド)」で電子書籍などをダウンロードする際にドコモの通信回線が使えるようにする「SIM カード」を販売する方針を明らかにした。 国内の通信大手で、iPad 向け SIM の販売を表明するのは初めて。

山田隆持社長がこの日の決算会見で明らかにした。 日本では 5 月末に発売される予定の iPad は、国内の携帯電話端末のような、特定の通信会社の SIM しか使えないような制限がない。 iPad 利用者は、ドコモから買った専用 SIM を iPad に入れると、ドコモの回線を使ってネットに接続し、データをダウンロードできるようになる。 山田社長は「ドコモの回線を使いたい利用者がいれば提供したい」と話した。 (asahi = 4-29-10)


iPad、米で発売 書籍にも「革命」起こすか

【ニューヨーク = 山川一基】 米アップルは 3 日午前(日本時間同日夜)、世界に先駆けて米国で携帯端末「iPad (アイパッド)」を発売した。 インターネットで購入した書籍、新聞、動画などを手軽に楽しめる。 音楽の売り方で「革命」を起こしたアップルだけに、書籍販売にも大きな影響を与えるとみられる。 日本発売は 4 月後半の予定。

iPad は 9.7 インチの液晶画面をもち、縦 24.3 センチ、横 19.0 センチ、厚さ 1.3 センチ、重さ 680 グラム。 キーボードはなく、同社の携帯電話「iPhone (アイフォーン)」のように画面に指で触れて操作する。

無線 LAN でネットにつなぎ、書籍や新聞をダウンロードできるほか、ネットサイトの表示、メール、ビデオ、音楽、ゲームなども楽しめる。 すでに iPhone 用に販売されている 15 万個以上のアプリケーション(ソフト)が使え、最も安い記憶容量 16 ギガバイトの機種が 499 ドル(約 4 万 7 千円)。

ニューヨークの「5 番街」にあるアップルの店舗には、午前 9 時の発売前に約 1 千人の列ができ、関心の高さをうかがわせた。 カナダ・モントリオールから来た会社経営のステファン・マルセルさん (42) は「このためにニューヨークに来た。 使い道は決めていないが、何にでも使えるはずだ。」

最も注目されているのが電子書籍としての機能だ。 ダウンロードして購入する専用サイトの中身は未発表だが、アップルは音楽ダウンロードサービス「iTunes (アイチューンズ)」で 1 曲 99 セント(約 95 円)の価格破壊を成功させた経緯があり、書籍販売でも思い切った価格や品ぞろえを狙うとみられる。

電子書籍端末はソニーが 2006 年、米国で「リーダー」を発売して先陣を切った。 次いで米ネット通販最大手アマゾンが 07 年に発売した「キンドル」がヒット。 1 冊 10 ドル(約 950 円)前後からと、紙に印刷された本の半額程度で買え、2 社で市場をほぼ分け合ってきた。

2 製品は、ダウンロードするものを書籍と新聞にほぼ特化しているため、白と黒の粒子を電圧で動かして表示する「電子ペーパー方式」を採用。 省電力で長時間読んでも疲れにくいように工夫した。

一方、iPad は多機能を生かすため、小型パソコンと同様のカラー液晶を採用。 これにあわせ、テレビ局の ABC や NBC が人気番組などを iPad 向けに配信する方針だ。 新聞大手もキンドルに配信しているニューヨーク・タイムズ紙のほか、経済紙ウォールストリート・ジャーナルが配信する。

米調査会社アイサプライは、iPad の世界販売台数は 10 年に 700 万台、12 年には 2 千万台に達するとみている。 ただ、機能の多様さを考えれば「お買い得」といえる半面、米メディアの間では「中途半端な商品」、「iPhone と小型パソコンをもっていれば、いらないのでは」との見方も出ている。 (asahi = 4-3-10)


iPad にニュース有料配信 AP 通信

【ニューヨーク = 丸石伸一】 AP 通信は、米アップルが 3 月下旬に発売する予定の「iPad (アイパッド)」などの新端末にも配信ができる有料のニュース配信サービスを実施する、と発表した。 配信手段の多様化に対応したものという。

iPad には米新聞大手ニューヨーク・タイムズなどが配信を検討すると公表してきた。 すでに電子書籍の専用端末へは米大手新聞が配信を行っており、iPad の登場でニュースのネット配信や新端末の普及がさらに進む可能性がある。 iPad は 1 月下旬にアップルが発表。 同社の携帯電話「iPhone (アイフォーン)」を大型化したような端末で、9.7 インチの画面に直接指で触れて操作するタッチパネル方式を採用している。 (asahi = 3-1-10)


「魔法のような」 iPad 米アップル、3 月下旬発売

【サンフランシスコ = 丸石伸一】 米アップルは 27 日、小型端末「iPad (アイパッド)」を 3 月下旬から全世界で発売すると発表した。 キーボードがなく画面に指で触れて操作する。 インターネット上で電子書籍を売る「iBook ストア」も開設。 携帯電話とノートパソコンの「中間」の市場開拓を狙う。

画面に 9.7 インチのタッチパネルを採用し、解像度は 1,024 x 768。 縦 24.3 センチ、横 19.0 センチ、厚さ約 1.3 センチ、重さ 680 グラムで、無線 LAN でネットにつなげる。 最も安い記憶容量 16 ギガバイトの機種が 499 ドル(約 4 万 5 千円)。 米国では 4 月下旬から第 3 世代携帯のデータ通信機能内蔵の機種も売るが、他国での発売時期は未定。

外観や操作性は、携帯電話「iPhone (アイフォーン)」に似ている。 広い画面を生かし、動画を見たり本や新聞を読んだりする需要の取り込みを狙う。 スティーブ・ジョブズ最高経営責任者 (CEO) は「最高技術をつぎ込んだ、魔法のような革新的端末だ」と紹介した。 (asahi = 1-28-10)

iPad、富士通 03 年に米で商標申請 両社で協議へ

米アップルが 27 日に発表した新端末「iPad (アイパッド)」と、同じ商品名を、富士通が 2003 年に米国で商標登録申請していたことが分かった。 まだ、商標登録は認められていないが、名前の使用を巡って、両社の間で協議が行われる見通しだ。

富士通の iPad は、小売業向けの電子携帯端末。 店頭などで店員が在庫管理や価格確認などを簡単にできる。 02 年に米国で発売し、翌年に商標登録申請した。 富士通広報IR室は「コメントできない」としている。

アップルの商品では、携帯電話端末「iPhone (アイフォーン)」に商標権を侵害されたとして、米通信機器大手シスコシステムズが使用差し止めを求めた例がある。 その後、双方が自由に名前を使えるようにすることで和解している。 (asahi = 1-29-10)