米 GM、35 年までにエンジン車全廃へ 電動化が加速

米自動車大手ゼネラル・モーターズ (GM) は 28 日、2035 年までにエンジン車を全廃する方針を明らかにした。 電気自動車 (EV) など走行中に排ガスを出さない「ゼロエミッション車」に全面的に置き換える。 気候変動対策を重視するバイデン新政権の発足直後に、米最大手の GM が野心的な目標を掲げたことで、電動化に向けた世界の自動車産業の動きが一段と加速しそうだ。

GM はこの日、製品や企業活動による二酸化炭素排出を 40 年までに実質ゼロにする計画を発表した。 その一環として、スポーツ用多目的車 (SUV) や小型トラックなどの主力製品について、35 年までにガソリン車やディーゼル車を全廃させる目標を掲げた。 次代を担う EV や自動運転車の開発に、同社の投資と開発人員の半分以上を注ぐという。 メアリー・バーラ最高経営責任者 (CEO) は「安全で環境に優しい世界をつくる政府や企業の取り組みに GM も加わる」としたうえで、同業他社などにも追随を呼びかけた。

GM はかつて販売していた大型 SUV 「HUMMER(ハマー)」を約 10 年ぶりに EV として復活させると発表するなど、このところ「EV シフト」を加速させている。 昨年 11 月、今後 5 年間の関連投資額を 35% 増額し、270 億ドル(約 2.8 兆円)にすると表明。 25 年までに 30 種類の EV を売り出す計画で、北米の複数の工場を EV 向けに作りかえている。 今年 1 月には企業ロゴも電気プラグを模したデザインに改めた。

現段階ではガソリンエンジンで動く大型車が依然として販売の柱で、GM はトランプ前政権による排ガスなどの環境規制緩和を後押ししたこともあった。 しかし、昨年 11 月の大統領選後はトランプ政権と距離を置き、車の電動化を促すことで環境保護と雇用創出を狙うバイデン新政権への協力を表明した。 今回の発表も、バイデン氏が気候変動対策の大統領令に署名した翌日となった。

EV 市場で先行する米テスラは、20 年に約 50 万台だった世界販売台数が、今後も年 5 割のペースで増えていくと見込む。 GM のメアリー・バーラ最高経営責任者 (CEO) は、そのテスラを「北米市場で追い抜く」と公言しており、新車市場のシェア争いの主戦場は EV へと急速に移っていきそうだ。 中国や米カリフォルニア州が 35 年までに、英国は 30 年までにエンジン車の新車販売禁止を打ち出すなど、各国の規制も厳しくなる見込み。 エンジンを併用するハイブリッド車 (HV) を重視し続ける日本の自動車大手各社の戦略にも影響しそうだ。 (ニューヨーク = 江渕崇、asahi = 1-29-21)



GM の欠陥放置問題、30 人の関連事故死を認定

米自動車最大手のゼネラル・モーターズ (GM) が乗用車の欠陥を長年放置していた問題で、GM の賠償責任者は 27 日、関連事故の死者認定数が計 30 人に増えたことを明らかにした。 GM は当初、少なくとも 13 人が亡くなったと公表していたが、その後の認定作業で死者数が増えている。 問題になっているのはエンジンを始動する点火スイッチ部分の欠陥で、キーが勝手に回ってエンジンが止まるおそれを指摘された。 関連事故で 1,600 件近い賠償請求があり、責任者の弁護士が認定作業を進めている。 死者認定数はさらに増える可能性もある。(ニューヨーク = 畑中徹、asahi = 10-28-14)


米 GM が新たに約 43 万台をリコール−エアバッグの不具合も

今年発表した北米のリコール(無料の回収・修理)台数が約 2,000 万台に達している米自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ (GM) は 27 日、リニューアルされたピックアップトラックと大型のスポーツ型多目的車 (SUV) を含む 42 万 8,111 台を新たにリコールすると発表した。

GM は、エアバッグのインフレーター(膨張装置)の交換が必要な 2013 年型と 14 年型の主力小型車「シボレー・クルーズ」 2 万 9,019 台をリコールする。 同社は今週に入り、日本の部品メーカー、タカタ が製造したエアバッグモジュールを修理するためのリコール手続きに必要な書類を米運輸省道路交通安全局 (NHTSA) に提出するとしていた。 一方、14 年型と 15 年型の「GMC シエラ」や「シボレー・シルバラード」を含むピックアップトラックと SUV 39 万 2,459 台については、変速機を制御するソフトウエアの再調整が必要だとしている。 (Bloomberg = 6-28-14)


GM リコール、さらに 353 万台 2 千万台を突破

米自動車最大手ゼネラル・モーターズ (GM) は 16 日、米国を中心に新たに約 353 万台をリコール(回収・無償修理)すると発表した。 これで、GM が今年 2 月以降に世界でリコールした台数は合計で 2 千万台を突破した。 同社が昨年、世界で販売した台数(約 971 万台)の 2 倍以上にのぼる。 今回のリコールの多くはエンジンを始動させる点火スイッチの欠陥で、約 336 万台が該当する。 これが原因となった事故は8件発生し、6 人のけが人が出たという。

GM は2月、車の点火スイッチをめぐる欠陥を公表。 この欠陥を組織的に 10 年以上も隠し、リコールを実施しなかったのではないかという疑いが浮上し、米国の議会や運輸当局などが調べている。 6 月 5 日に公表した内部調査では「組織的な隠蔽はなかった」と説明した。 点火スイッチの欠陥が原因となった事故で、少なくとも 13 人が亡くなったことが判明している。

今回のリコールを受け、4 - 6 月期決算でリコール関連費用を 7 億ドル(約 713 億円)計上する。 1 - 3 月期決算の 13 億ドルと合わせ 20 億ドルになる。 相次ぐリコールを受け、ブランドイメージの悪化が懸念されているが、5 月の米国での新車販売台数はメーカー別の首位を維持。 いまのところ、販売への影響は限定的だ。 (ニューヨーク = 畑中徹、asahi = 6-17-14)


GM、「カマロ」など 58 万台リコール 09-10 年のトヨタの規模に

【ニューヨーク = 杉本貴司】 米ゼネラル・モーターズ (GM) は 13 日、スポーツ車「カマロ」など 4 車種をリコール(無償回収・修理)すると発表した。 対象は米国を中心に 58 万台強。 ドライバーの膝がキーにあたって、走行中にエンジンが止まる可能性があるという。

日本で販売する車両についても国土交通省と協議しており、リコールする可能性がある。 GMは 10 年以上にわたって点火スイッチの欠陥を放置。 今回判明した不具合はこれとは別で、欠陥放置問題を受けた車両の品質に関する再調査で分かった。 GM によると 3 件の衝突事故が起き、4 人が軽傷を負った。 GM によるリコール件数は今年で 38 件、約 1,650 万台に達した。 トヨタ自動車が 2009 - 10 年に起こした大規模リコールと同規模の台数となった。 (nikkei = 6-14-14)


米 GM に制裁金 3,500 万ドル リコール対応遅れで

米運輸省高速道路交通安全局 (NHTSA) は 16 日、大規模リコール(回収・無償修理)の対応が遅れたとして、米自動車最大手ゼネラル・モーターズ (GM) が 3,500 万ドル(約 35 億 5 千万円)の民事制裁金の支払いに同意したと発表した。 一つの事案で自動車メーカーに科す金額では過去最大という。

小型車「シボレー・コバルト」などの車種で点火スイッチの欠陥を 10 年以上前に知りながら、今年 2 月までリコールの対応を怠ったためだ。 2 月以降、リコールした総数は約 1 千万台に達した。 一連のリコールで処罰が出るのは初めてだ。 (ニューヨーク = 畑中徹、asahi = 5-17-14)


GM リコール、さらに 300 万台 計 1 千万台規模に

米自動車最大手ゼネラル・モーターズ (GM) は 15 日、北米を中心に新たに約 300 万台をリコール(回収・無償修理)すると発表した。 今年 2 月以降のリコール台数は 1 千万台規模に達し、トヨタ自動車が 2009 - 10 年に実施した大規模リコールとほぼ同じ規模となった。 ブランドイメージの悪化で、GM の販売に影響が出る可能性もありそうだ。

今回のリコール対象は、GM の主力セダン「マリブ」や「コルベット」など。 ブレーキやワイパーなど、複数の不具合が見つかったという。 これまでに、13 件の事故が起き、2 人がけがをしたとしている。 GM は 2 月以降、合計で約 700 万台のリコールを実施。 車の点火スイッチをめぐる欠陥では、組織的に問題を 10 年以上隠し、リコールをしなかったのではないかとの疑いも浮上し、米国の議会や運輸当局などが調べている。 これが原因の事故で 13 人が亡くなった。(ニューヨーク = 畑中徹、asahi = 5-16-14)


米 GM、さらに 150 万台リコール 計 650 万台超

米国の自動車最大手、ゼネラル・モーターズ (GM) は 3 月 31 日、車のパワーステアリング部分に不具合があったとして、北米を中心に販売した約 150 万 8,400 台をリコール(回収・無償修理)すると発表した。 2 月以降、GM が公表したリコール台数は合わせて 650 万台を超えた。 新しいリコールの対象は、「シボレー・コバルト」、「シボレー・HHR」、「サターン・アイオン」など。 パワーステアリングが急に動かなくなるおそれなどがあるという。

GM の大規模リコール問題では、車のエンジンを始動させる点火スイッチの欠陥を 10 年以上放置していた疑いが 2 月に浮上し、米国の議会や捜査当局による追及の動きが本格化している。

GM のメアリー・バーラ最高経営責任者は 4 月 1 - 2 日に米議会上下院の公聴会で証言する予定で、組織的に点火スイッチの問題を隠していたかどうかが焦点になりそうだ。 GM は点火スイッチの欠陥で起きた事故の死者数を当初は 12 人としていたが、30 日までに「新たに 1 人確認し、13 人」と公表した。 (ニューヨーク = 畑中徹、asahi = 4-1-14)


米 GM、97 万台を追加リコール 計 260 万台に

米自動車最大手ゼネラル・モーターズ (GM) は 28 日、エンジンを始動する点火スイッチの欠陥を 10 年以上放置していたとされる問題で、約 97 万 1 千台を追加リコール(回収・無償修理)すると発表した。 2 月に公表した 162 万台超と合わせ、リコール対象は計約 260 万台となった。

今回は、主に北米で販売された 2008 - 11 年モデルが対象で、車種は「シボレー・コバルト」など。 いずれも、点火スイッチの欠陥が原因で、走行中にエンジンが止まったり、エアバッグが作動しなかったりする恐れがあるとされる。 今回のリコール問題では、乗用車の欠陥を約 10 年間放置していた疑いが浮上。 これに関連して計 34 件の事故が発生し、12 人が死亡したとされる。 同社は社内調査を進めている。 (ニューヨーク = 畑中徹、asahi = 3-29-14)


GM が新たに 175 万台リコール 北米などで複数車種に不具合

【ワシントン = 柿内公輔】 米自動車大手ゼネラル・モーターズ (GM) は 17 日、北米を中心に乗用車など約 175 万台をリコール(回収・無償修理)すると発表した。 問題になっている別の大量リコールに伴う社内調査で判明したとしており、波紋を広げそうだ。

今回のリコール対象は、2008 - 14 年型モデルのスポーツ用多目的車 (SUV) と高級セダン、商用バンで、北米がほとんどだが、一部はメキシコやカナダなども含まれる。 不具合はエアバッグやブレーキの異常など車種で異なり、事故による死傷者の報告はない。 GM はリコール関連費用で 1 - 3 月期に約 3 億ドル(約 305 億円)を計上する。

バーラ最高経営責任者 (CEO) は声明で、「迅速な問題解決に向けた社内調査の加速」を指示したことを明らかにした。 GM は点火スイッチの問題による約 162 万台のリコールで不具合を 10 年以上前に把握していたことが批判され、バーラ氏が包括的な調査を指示。 新たな大量リコールも辞さずに問題を洗い出すことで、早期に事態を収拾したい構えだ。 (sankei = 3-18-14)


米 GM、乗用車の欠陥 10 年放置か 事故で 13 人死亡

米自動車最大手ゼネラル・モーターズ (GM) が過去に販売した乗用車の欠陥を約 10 年間放置していた疑いが浮上している。 米国の捜査当局や議会も動き出しており、GM が組織として問題を隠そうとしたのかどうかが焦点となりそうだ。

問題となっているのは、GM が 2 月に 2 回に分けて公表した北米での大規模なリコール(回収・無償修理)。 走行中にエンジンが止まったり、衝突した時にエアバッグが作動しなかったりするおそれがあるとして、2003 - 07 年型の 162 万台超をリコールした。 この欠陥に関連し、31 件の事故が起きており計 13 人が死亡したという。

GM が運輸当局に提出した資料によると、同社の技術者が 04 年に問題を把握していたことが判明。 「組織的にリコールを怠ったのでは」との疑いが出てきた。 複数の米メディアは 11 日、米検察当局が刑事責任の追及も視野に入れた調査を始めたと伝えた。 議会では GM 幹部を呼んで公聴会を求める声も出始めた。 「09 - 10 年のトヨタによる大規模リコール以来の問題に発展する可能性もある(米メディア)」との見方も出ている。 (サンフランシスコ = 畑中徹、asahi = 3-12-14)


米 GM、162 万台をリコール 事故 31 件で 13 人死亡

【ニューヨーク = 杉本貴司】 米ゼネラル・モーターズ (GM) は 25 日、過去に生産し販売した自動車、約 162 万台をリコール(無償回収・修理)すると発表した。 走行時にエンジンが停止したり、衝突時にエアバッグが作動しなかったりする可能性があるという。 GM は不具合に関連して 31 件の事故が発生し、13 人が死亡したとしている。

対象は 2009 年の経営破綻時に撤退した「サターン」や「ポンティアック」の複数車種のほか、「シボレー」の「HHRs」と「コバルツ」など計 7 車種。 いずれも 03 年式から 07 年式までの車種で現在は販売していない。 米国が 137 万台と多く、カナダとメキシコを含めた北米がリコール実施の大半を占める。 死亡事故はいずれも前方座席で発生しており、衝突時にエアバッグが作動しなかったことが原因とみられる。

GM はリコールに対応するため調達先部品メーカーに対し、関連部品の緊急生産を要請した。 GM は 13 日に同様のリコールを公表したが、対象となる車種が広がったことが判明。 当初計画していた 2 倍強にあたる 162 万台をリコールすることになる。 今後、GM の対応の遅れが問題となる可能性もある。 (nikkei = 2-26-14)