企業物価、5 月も過去最高 円安影響大きく 身近な品更なる値上げも

企業間で取引されるモノの価格高騰が収まらない。 日本銀行が 10 日発表した 5 月の国内企業物価指数(2020 年 = 100、速報値)は 112.8 と、4 月と並び過去最高だった。 物価上昇への影響が強まっている円安は、足元でさらに進んでおり、当面は指数も高い水準が続きそうだ。 5 月の指数は前年同月比で 9.1% 上昇し、比較可能な 1981年以降で 4 番目に大きい伸びとなった。 今年 4 月分で過去最高の伸びを記録し、2 月、3 月もそれに次ぐなど、記録的な上昇が続いている。

要因の一つは、3 月以降進んだ円安の影響が大きくなっていることだ。 企業が輸入するモノの価格水準を示す輸入物価指数は、前年同月比で過去最大の 43.3% 上昇。 円安による影響は、3 月までの 2 割台から約 4 割まで増えた。 一方、ドルなど契約通貨換算では上昇率は 26.3% にとどまる。 物価上昇の波は幅広い品目に及びつつある。 ガソリン価格を抑制する政府の補助金の効果で、石油・石炭製品の価格の伸びは抑えられている。 しかし、調査対象 515 品目のうち 8 割超が前年より上昇した。 特に飲食料品は 85 品目のうち、原料価格の上昇を受けたマーガリンやでんぷんなど 67 品目の価格が上がった。 上昇した品目は、4 月より 14 増えた。

企業物価の高騰が続くことで今後、消費者が手にするモノの値段がさらに上がる可能性がある。 消費者物価指数は 4 月、約 7 年ぶりに 2% を超えたが、企業物価との差はなお大きい。 第一生命経済研究所の大柴千智氏は「政府の補助金によって、企業物価の上昇幅は 8% 台へと縮小していくだろう。 ただ、それでも消費者物価に比べると高い水準で、企業は収益が圧迫される厳しい状況が続き、消費者物価への価格転嫁が進んでいく可能性がある。」と指摘する。 (徳島慎也、asahi = 6-10-22)

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4 月の企業物価 10.0% 上昇 1980 年以来の 2 ケタの伸び

日銀が 16 日発表した 4 月の国内企業物価指数(速報値、2015 年平均 = 100)は 113.5 と、前年同月比で 10.0% 上昇した。 前年の水準を上回るのは 14 カ月連続。 ロシアによるウクライナ侵攻などの影響で石油・石炭製品など資源関連を中心に幅広い品目で価格が上昇し、第 2 次石油危機の影響が残る 1980 年 12 月 (10.4%) 以来約 41 年ぶりに 2 ケタの伸びを記録した。 指数の水準としては 60 年の統計開始以降で最も高い水準となった。

企業物価指数は企業間で取引するモノの価格動向を示す。 4 月の前年比の伸び率は QUICK がまとめた市場予測の中心値 (9.4%) を上回った。 前月比では 1.2% 上昇し 113.5 となった。 指数は 80 年 9 月と 82 年 9 月の 112.5 を上回り、過去最高となった。 品目別にみると、資源高を受けた上昇が目立つ。 石油・石炭製品が 30.9% 上昇し、鉄鋼が 29.9%、非鉄金属も 25.0% 上がった。 このほか化学製品 (10.2%) や金属製品 (7.4%)、プラスチック製品 (6.2%) など幅広い品目で物価を押し上げている。

輸入材の供給減に伴う木材価格の高騰で木材・木製品も 56.4% 上昇した。 飲食料品 (3.7%)、繊維製品 (2.8%) など消費者に近い品目も上昇している。 公表している 744 品目のうち、533 品目と 72% が上昇しており、企業間の取引で価格転嫁の動きが広がる実態が浮かぶ。 価格転嫁が消費者向けの商品に波及していけば、家計負担が増すことになる。 企業物価の上昇はエネルギー価格の高騰に加えて円安が拍車をかけている。 円ベースの輸入物価の上昇率は 44.6% となり、ドルなど契約通貨ベースの 29.7% を上回った。 円ベースの輸出物価の上昇率は 17.3%、契約通貨ベースは 7.9% にとどまった。

ウクライナ危機は先行きを見通せない状況が続く。 主要 7 カ国の首脳は対ロシアの追加制裁措置としてロシア産石油の輸入を原則禁止することで一致した。 日本もロシアの石炭や石油の禁輸を段階的に進める方針で、エネルギー価格の高止まりは避けられない情勢となっている。

外国為替市場の円相場は足元で 1 ドル = 130 円前後で推移する。 インフレ対策で利上げを進める米国と、大規模緩和を続ける日本の金融政策の違いで金利差が広がり、金利の高いドルにマネーが流れ込んでいる。 市場では一時修正観測が浮上したが、日銀は 4 月の金融政策決定会合で大規模緩和の維持を決めた。 今後さらに円安が加速する懸念もくすぶっている。 (nikkei = 5-16-22)


100 年以上の長寿企業は 3 万社以上 日本がダントツで世界一の秘密

創業から 100 年以上が経過している老舗企業の数は、3 万 7,550 社(3 月現在) - -。 日本は、こうした 100 年企業が世界で最も多い企業長寿国だという。 2019 年に調査した帝国データバンク、ビューロー・ヴァン・ダイク社によると、2 位の米国は 1 万 9,497 社、3 位のスウェーデンは 1 万 3,997 社。大差をつけている。

飛鳥時代から続く企業

日本最古の企業とされるのは、建築工事業の金剛組(大阪)で、創業は飛鳥時代 578 年にさかのぼる。 同社によると、聖徳太子が朝鮮半島の百済から招いた工匠の 1 人が金剛組初代にあたるという。 ようかんで知られる虎屋(東京)も古い。 起源は室町時代で、後陽成天皇の在位中(1586 - 1611 年)にお菓子を献上していた記録がある。 菓子を発注するカタログのような「菓子見本帳」、木型など歴史的な品々も残されている。 記事の後半で、上場と非上場の長寿企業の上位 10 社も紹介しています。

日本の企業はなぜ、ここまで長寿なのだろうか。 帝国データバンク情報統括部の担当者は「日本の場合、東証 1 部(当時)に上場する企業で 100 年以上続く老舗は 589 社もある。 世界で類を見ない多さ。」と話す。 オーナー企業が多く、全体の 51% を占める。 日本特有の文化で外国ではあまり見られない特徴だという。 同社によると、日本の上場企業の中で最も古い企業は安土桃山時代の 1586 年に創業された松井建設(東京)だ。 2 位は創業 1,590 年の住友金属鉱山、3 位は 1598 年の綿半ホールディングス、1602 年の養命酒製造と続く。

松井建設の歴史は、本能寺の変からわずか 4 年後の 1586 年に始まった。 初代・松井角右衛門が加賀藩第 2 代藩主、前田利長の命による越中守山城(富山県)の普請を請け負ったことが創業のきっかけとされる。 同社はオーナー経営で、代表者は代々、角右衛門、角平の名前を襲名する。 現会長が第 16 代松井角平を襲名している。 松井建設は後に国指定重要文化財となる築地本願寺本堂復興をはじめ、小田原城天守閣復興、金沢城石川門修復、熊本城戌亥櫓復元、名古屋城本丸御殿復元など、明治時代以降 2,000 件を超える神社仏閣や城郭など伝統建造物等の建設や保存修理の事業を手掛けてきた。

同社の松田由紀男総務部長は「創業以来手がけてきた数多くの伝統技術の伝承を社会的使命としており、今後も『社寺の松井』の名に恥じないよう誇りと自信を持って仕事に邁進したい」と話す。

目先の利益よりも …

帝国データバンクによると、こうした日本ならではの老舗企業の特徴を「年輪経営」と呼ぶそうだ。 慶応義塾大学総合政策学部の飯盛(いさがい)義徳教授(経営学)は長生き企業が多い日本の特徴をこう分析する。 「老舗のファミリービジネスは、利益を最大化しようというより、子孫など次の世代へ家業や伝統を残そうという意識が強い。」 そうした意識は後継者選びにも強く表れる。 歴代社長をオーナー一族で継承するケースや、優秀な社員が先代の娘と結婚し、後を継ぐタイプ、最近では経営者の息子の妻が社長になるケースなど。 時代にあった優秀な人物を活用する例も少なくないという。

また、老舗企業は地元と互恵関係を結び、地域ブランドを作り、街とともに発展する例も多いという。 飯盛教授は「初代横浜駅(桜木町駅)構内で 1908 年に創業したシューマイの崎陽軒も横浜市に貢献し、一緒に繁栄した典型的な老舗」としている。 (森下香枝、asahi = 5-30-22)

長い歴史を持つ日本の非上場企業 * 帝国データバンク調べ。 カッコ内は本社所在地。
社名創業年業種
@金剛組(大阪)578年建築
A西山温泉慶雲館(山梨)705年旅館
B古まん(兵庫)717年旅館
C善吾楼(石川)718年旅館
D田中伊雅(京都)885年仏具製造
E中村社寺(愛知)970年木造建築
F一文字屋和輔(京都)1000年和菓子店
G朱宮神仏具店(山梨)1024年仏具製造
H高半ホテル(新潟)1075年旅館
I夏油温泉(岩手)1134年旅館

長い歴史を持つ上場企業 * 帝国データバンク調べ。 カッコ内は本社所在地。
社名創業年業種
@松井建設(東京)1586年建築
A住友金属鉱山(東京)1590年鉱業
B綿半ホールディングス(東京)1598年小売り・建設
C養命酒製造(東京)1602年薬用酒製造
D小津産業(東京)1653年織物卸業
E大木ヘルスケアホールディングス(東京)1658年医薬・健康用品
F森六ホールディングス(東京)1663年商社
Gユアサ商事(東京)1666年商社
H岡谷鋼機(愛知)1669年商社
I住友林業(東京)1691年林業・不動産

「21 年度中に回復」のはずが … GDP、政府の見通し外れる結果に

2022 年 1 - 3 月期の国内総生産 (GDP) は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)で前期(21 年 10 - 12 月期)比 0.2% 減、年率換算で 1.0% 減となった。 オミクロン株の感染拡大で個人消費が伸びなかったほか、輸入の増加が数字を押し下げた。 内閣府が 18 日、1 次速報を発表した。 民間エコノミストの予測の平均値(年率 1.36% 減)よりもマイナス幅は小さかったが、2 四半期ぶりのマイナス成長。 コロナ禍以降、四半期ごとにマイナスとプラスを繰り返す状態が続いている。

GDP の半分以上を占める個人消費は前期比 0.03% 減。 ほぼ四半期を通じて「まん延防止等重点措置」が最大 36 都道府県に出され、飲食や宿泊などのサービス消費が落ち込んだ。 企業の設備投資は 0.5% 増。 輸出入では、自動車などを中心に輸出が 1.1% 増えたものの、GDP にはマイナスに働く輸入が新型コロナワクチンの確保などで 3.4% 増えたことが、全体を押し下げた。

実質 GDP の実額は年換算で 537 兆円。 政府は 21 年度中にコロナ前の水準に回復するとの見通しを示していたが、コロナ禍前の 19 年 10 - 12 月期の 541 兆円に 4 兆円届かなかった。 ただ、山際大志郎経済再生相は記者会見で「下ぶれ幅は非常に少なくて済んだというのが実感。 景気は持ち直している。」と強調した。

21 年度の GDP は実質で前年度比 2.1% 増。 3 年ぶりのプラス成長となったが、諸外国に比べるとまだ低い水準だ。 4 - 6 月期は重点措置の解除で個人消費が増えると見込まれ、民間予測では年率 5.18% 増とプラス成長になる見通し。 ただ、ウクライナ危機による物価高や米国の金融引き締めなどで世界景気の先行きは不安材料が多く、国内の経済への影響も懸念されている。 (北川慧一、asahi = 5-18-22)

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GDP 2 次速報、下方修正、年率 4.6% 増に 10-12 月期

内閣府が 9 日公表した 2021 年 10 - 12 月期の国内総生産 (GDP) の 2 次速報は、物価変動を除いた実質(季節調整値)で前期比 1.1% 増、年率換算で 4.6% 増となり、2 月に公表した 1 次速報(年率 5.4% 増)から下方修正された。 外食や鉄道の利用が、1 次速報時点の想定より下回り、GDP の約半分を占める個人消費が下ぶれしたのが主な要因だ。

1 次速報との比較では、個人消費は 2.7% 増から 2.4% 増に下方修正された。 1 次速報後に公表された総務省の 12 月のサービス産業動向調査で、外食や鉄道輸送の実績値が事前の想定より悪かったのが響いた。 内需のもう一つの柱の設備投資も 0.4% 増から 0.3% 増に下方修正された。 ソフトウェア投資が想定を若干下回った。 公共投資も 3.3% 減から 3.8% 減へ下方修正されている。

年率換算された実額は約 540 兆 2 千億円となり、コロナ禍前の水準(19 年 10 - 12 月期)に約 2 兆円届かなかった。 山際大志郎・経済再生相は 1 次速報時点で「コロナ禍前をおおむね回復した」としたが、コロナ禍前との比較では 1 次速報の 0.2% から 0.4% へと減少幅が拡大した。 今回の改定を受け、21 年を通した実質 GDP も 1.7% 増から 1.6% 増に下方修正された。 (古賀大己、asahi = 3-9-22)

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GDP、年率 5.4% 増 10 - 12 月、2 期ぶりプラス

内閣府が 15 日発表した 2021 年 10 - 12 月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動を除く実質で前期比 1.3% 増、このペースが 1 年間続くと仮定した年率換算は 5.4% 増だった。 プラス成長は 4 - 6 月期以来、2 四半期ぶり。 新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いていた時期で、緊急事態宣言の全面解除を受けて個人消費が前期比 2.7% 増となるなど回復した。 ただ年明け以降は感染者が増えており、22 年 1 - 3 月期は消費が再び停滞する公算が大きい。 ガソリンや食品・日用品の値上げや、ウクライナ情勢の緊迫化などの懸念材料もある。 (kyodo = 2-15-22)


経済安保推進法が成立 … 半導体やレアアースなど重要物資の安定供給目指す

半導体など国民生活や経済活動に大きな影響のある「特定重要物資」の安定供給を目指す経済安全保障推進法は 11 日の参院本会議で与野党の賛成多数で可決、成立した。 推進法は、〈1〉 特定重要物資の安定供給支援、〈2〉 基幹インフラ(社会基盤)設備の事前審査制度の導入、〈3〉 先端技術開発の支援、〈4〉 公表されれば国の安全を損なう恐れのある特許の非公開化 - - の 4 本柱で構成される。

政府は推進法の成立を受け、政令による特定重要物資の指定を急ぐ方針だ。 半導体のほか、医薬品やレアアース(希土類)などが想定されている。 所管省庁から認定を受けた企業は財政支援を受けることができる。 野党側から「国会審議の必要のない政令による指定は政府への白紙委任につながる」などの批判を受けたことから、政府は有識者から意見聴取し、政令指定などに関する基本指針を策定する。 基幹インフラの事前審査は海外からのサイバー攻撃を防ぐ狙いがある。 推進法は対象として電気、ガス、石油、水道、鉄道、航空などの分野を定めている。 (yomiuri = 5-11-22)


日経平均、一時 650 円超下落 ロシア産石油禁輸で景気減速を懸念

9 日午前の東京株式市場は、日経平均株価が前週の終値から一時 650 円超下げた。 米国の金融引き締めの姿勢が強まるとの見方から、株を売る動きが広がった。 日米欧の主要 7 カ国 (G7) がロシア産石油を原則禁輸する方針を表明し、資源高で日本経済が減速する懸念が出てきたことも、株が売られる材料になった。 日経平均は前週から 298 円 24 銭安い 2 万 6,705 円 32 銭で取引が始まり、その後、下げ幅を拡大した。 午前の終値は 2 万 6,410 円 30 銭。

6 日金曜の東京株式市場の取引終了後に発表された、米国の 4 月の雇用統計が市場予想を上回り、インフレを抑える金融引き締めの姿勢が続くとの見方が強まった。 長期金利の指標となる 10 年物の米国債の利回りが上昇し、IT 大手など新興企業が多いナスダック総合指数はこの日、年初来安値を更新した。 日本時間の 9 日未明には G7 首脳が会談後、ウクライナ情勢をめぐってロシア産石油の原則禁輸を表明。 禁輸が資源価格の高騰につながり、日本企業の業績が冷え込むのではとの懸念が市場で強まった。

中国で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることも、株価の重しになっている。 感染を抑え込む「ゼロコロナ政策」で、部品の調達に支障が出て、自動車大手などの生産停滞につながっているためだ。 9 日はロシアの第 2 次世界大戦の対独戦勝記念日にあたり、プーチン大統領の演説が予定されている。 野村証券の神谷和男氏は「演説内容を受け、G7 がさらなる経済制裁に動くか注目されている」と話す。 一方、今週に山場を迎える日本企業の決算発表で好業績が確認されれば、株価が上昇に転じる可能性もあるという。 (稲垣千駿、asahi = 5-9-22)

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東証マザーズ、今年の下げ 27% 超 利上げだけじゃない売られる理由

東京証券取引所の新興市場マザーズの株価下落が止まらない。 全体の値動きを示す株価指数は、年初から 27% 超下落。 日経平均株価や新興企業が多い米ナスダック総合指数と比べると 3 - 4 倍の下げ幅だ。 なぜ、マザーズだけこんなに売られているのか。 17 日の東京株式市場で東証マザーズ指数は前日から 3.34% 下げ、2 日前につけた昨年来安値を更新して取引を終えた。 反発した先週から一転、ウクライナ情勢の緊迫化でリスクを回避する動きが強まり、幅広い銘柄が売られている。 年初からの下げ幅は日経平均株価は 7.06%、米ナスダック総合指数は 10.79% にとどまっているのに対し、マザーズの下落ぶりは顕著だ。

相場が悪化し始めたのは昨年 12 月。 1 カ月で 6.9% 下げると、年明けさらに下落基調が強まり、1 月 27 日にはコロナショック直後の 1 年 9 カ月ぶりの安値まで一気に下落した。 1 月だけで日米の主要指数の 2 倍以上の 22.4% 下がり、リーマン・ショックがあった 2008 年 10 月 (23.9%) に迫る下落率だった。

最大の要因は米金融引き締め

「年初から買いに行くぞという気持ちだったが、出ばなをくじかれた。 ここまで下がるのかとびっくりしている。」 三井住友 DS アセットマネジメントで新興企業の株を運用する金子将大氏はそう話す。 1 月は環境関連など下落しなさそうな銘柄を厳選し、売買を繰り返したという。 下落の最大の要因は、米国がインフレを抑えるために利上げなどの金融引き締めのペースを速めるとの見方が強まったことだ。 金利が上がれば企業の借金の負担が重くなる。 新興企業は一般的に借金が多いため、利上げの影響を受けやすく、世界的に IT 関連株などが売り込まれやすくなっている。

だが、それだけではマザーズの大きな下落は説明できない。 市場関係者が固有の原因として挙げるのは、マザーズに上場する企業の実力不足だ。 三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏は「金融緩和の金余りで、将来への期待感だけで異常な株価が形成されていた銘柄が多かった」と指摘する。 コロナ禍で注目を浴びた DX (デジタル化による変革)など、話題性のある企業が多く、テーマにひかれて投資が集まったが、肝心の本業はまだ赤字という企業も目立つという。

東証によると、海外投資家も昨年 12 月には 423 億円、今年 1 月には 373 億円売り越した。 ある市場関係者は「海外企業に比べて成長力で見劣りするということだ」と話す。 マザーズは巨大 IT 企業が上場する米ナスダックなどと異なり、時価総額 100 億円未満の企業が多く、市場に流通する株が少ない。 このため、多額の資金を運用する機関投資家は入りにくく、「株価を支える継続的な買い手がおらず、値動きが激しくなる。(金子氏)」という特徴はある。

昨年に過去最多 93 社上場 活況の IPO に変化の兆しも

加えてマザーズは昨年の新規株式公開 (IPO) が過去最多の 93 社で、12 月にその 3 割弱が集中した。 新規上場企業に投資する資金を確保するために手元の株を手放す「換金売り」や投資先の分散も相場悪化の一因とみられている。 マザーズの低迷を受け、活況だった新規上場を手控える動きが出始めている。 昨年 12 月から今年 2 月にかけ、すでに 4 社が上場を取りやめた。

日本は市場で初めて成立する株価(初値)が売り出し価格(公開価格)を上回ることが多い。 だが、帝国データバンクによると、12 月にマザーズに上場した 25 社のうち 7 社の初値が公開価格を下回った。 マザーズ上場を目指すある企業の幹部は「投資家が含み損を抱えるようでは株を買ってもらえない」と、上場のタイミングをいつにするか、頭を抱えている。 (稲垣千駿、asahi = 2-17-22)


円安加速、1 ドル 128 円台に 日米金利差で

19 日午後の東京外国為替市場で円相場が一時、1 ドル = 128 円 20 銭台まで下がり、2002 年 5 月以来、約 20 年ぶりの円安ドル高水準となった。 米国の長期金利の上昇で、日米の金利差の拡大が意識され、円を売って金利の高いドルを買う動きが広がっている。 米国の長期金利の指標となる 10 年物国債の利回りは 18 日、2.8% 台後半まで上昇した。 これを受け、円売りドル買いの動きが加速し、同日の米ニューヨーク外国為替市場でも一時 1 ドル = 127 円台まで下落していた。

3 月以降のドルに対する円の下落幅は約 13 円となり、急速に円安ドル高が進んでいる。 物価高を抑えるために利上げを決めた米国と、大規模な金融緩和を続ける日本との間で、金利差が広がっていることが背景にある。 円安に歯止めがかからない状況について、鈴木俊一財務相は 19 日午前の閣議後の記者会見で「急激な変動は望ましくない。 米国などの通貨当局と緊密な意思疎通を図りながら適切に対応しなければならない。」と改めて警戒感を示した。 (細見るい、asahi = 4-19-22)

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1 ドル一時 126 円台に 20 年ぶりの円安水準、米国の利上げが影響

13 日の外国為替市場で円相場が一時 1 ドル = 126 円台まで下落し、2002 年以来約 20 年ぶりの円安水準をつけた。 ロシアのウクライナ侵攻などを受けた物価上昇を抑えるため、米国の中央銀行が利上げを進める中、金利の低い円を売ってドルを買う動きが広がった。 円相場は 3 月に入って以降、10 円以上も下落。 急激な円安で原油や穀物など輸入品の価格上昇に拍車がかかり、企業の収益を圧迫したり、消費を冷え込ませたりする懸念が高まっている。

さらに円安が進む見方も

13 日の外国為替市場で、円相場は対ドルで一時、126 円台まで下がり、20 年ぶりとなる歴史的な円安水準となった。 背景には日米の金利差の拡大があり、市場では今後さらに円安が進むとの見方もある。

米連邦準備制度理事会 (FRB) は 3 月、物価上昇を抑えるために利上げを決めた。 さらに先週公開された金融政策を決める会議の議事要旨などから、利上げのペースが速まるとの見方が強まった。 市場では米国債を売る動きが強まり、米国の長期金利の指標となる 10 年物国債の利回りは前週末、約 3 年ぶりの高水準に上昇(債券価格は下落)していた。 一方、大規模な金融緩和を続ける日本銀行は、長期金利の上限を 0.25% に抑え込む方針を維持している。 3 月下旬には強力な金利抑制策を打ち出した。 このため当面は金利が低い円を売ってドルを買う動きが進みそうだ。 (asahi = 4-13-22)

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円急落、一時 125 円台に 6 年 7 カ月ぶり水準、日銀の指し値オペで

28 日の外国為替市場では対ドルで円安が加速し、2015 年 8 月以来、6 年 7 カ月ぶりに 1 ドル = 125 円台まで急落した。 日本銀行がこの日、長期金利の上昇を抑えるために国債を無制限で買い入れる「指し値オペ」を実施し、29 日以降も初めて連続で実施すると予告したためだ。 金利を抑え込む日銀の姿勢が鮮明となり、利上げを続ける米国との金利差が広がるとの見方が強まり、円を売ってドルを買う動きが広まった。

指し値オペは、特定の利回りで国債を無制限に買い入れることで、金利の上昇を抑えるための措置で、日銀は景気を支えるため、長期金利の上昇を「0.25% 程度」に抑えることにしている。 しかし、28 日午前、米国の金利上昇を受け、日本の長期金利の指標となる 10 年物国債の利回りが 0.24% まで上昇した。 このため、日銀は利回りを 0.25% に指定し、無制限に国債を買い入れる指し値オペを 2 度にわたって実施。 さらに夕方には、29 - 31 日に初めての「連続指し値オペ」を実施すると発表した。

異例の対応で金利を抑え込む日銀の動きに市場は強く反応。 今後も利上げを続ける見通しの米国との金利差が広がるとみて、28 日朝に 1 ドル = 122 円程度だった円相場は同日夕に一時、125 円台まで大きく下がった。 (徳島慎也、asahi = 3-28-22)

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NY 円、反落 1 ドル = 119 円 10 - 20 銭 一時 6 年ぶり円安水準 FRB 高官のタカ派姿勢で

【NQN ニューヨーク = 古江敦子】 18 日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比 55 銭円安・ドル高の 1 ドル = 119 円 10 - 20 銭で取引を終えた。 一時は 119 円 40 銭と、2016 年 2 月以来 6 年 1 カ月ぶりの円安水準を付けた。 米連邦準備理事会 (FRB) 高官が金融引き締めに前向きなタカ派寄りの見解を示し、円売り・ドル買いが強まった。

ウォラー FRB 理事は 18 日の米 CNBC のインタビューで、インフレ抑制に向け積極的な利上げの必要性を主張し、0.50% の大幅利上げを複数回実施する可能性に言及した。 セントルイス連銀のブラード総裁は 18 日公表の声明で、年内のあと 6 回の会合のうち 5 回で 0.50% の利上げを支持する考えを示した。 リッチモンド連銀のバーキン総裁も講演で 0.50% の利上げ余地があるとの認識を示した。

一方、日銀は 18 日の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策の維持を決めた。 黒田東彦総裁は金融引き締めの必要性を否定し、日米の金融政策の違いを織り込む円売り・ドル買いがニューヨーク市場で加速した。 18 日はウクライナ情勢を巡り米中首脳が協議し、中国は欧米による対ロシア制裁に反対した。 市場では「中国によるロシアへの軍事支援の可能性など踏み込んだ協議に至らず、為替相場の反応は限られた(邦銀の為替ストラテジスト)」と指摘された。

円の高値は 119 円 03 銭だった。 円は対ユーロで 6 日続落し、前日比 10 銭円安・ユーロ高の 1 ユーロ 131 円 60 - 70 銭で取引を終えた。 ドルに対する円売り圧力が強く、円の対ユーロ相場を押し下げた。 ユーロは対ドルで 5 営業日ぶりに反落し、前日比 0.0045 ドル安い 1 ユーロ = 1.1045 - 55 ドルで終えた。 FRBの金融引き締めが進むとの見方からユーロは売り優勢となった。 ユーロの安値は 1.1004 ドル、高値は 1.1071 ドルだった。 (nikkei = 3-19-22)


3 月の「街角景気」、10.1 ポイント改善 … 「まん延防止」解除の効果か

内閣府が 8 日発表した 3 月の景気ウォッチャー調査によると、景気に敏感な小売店主らに聞いた「街角景気」の現状を 3 か月前と比べた判断指数(DI、季節調整値)は前月比 10.1 ポイント高い 47.8 で、3 か月ぶりに改善した。 2 - 3 か月先の景気の見通しを示す先行き判断指数は前月比 5.7 ポイント上昇の 50.1 となり、2 か月連続で上昇した。 まん延防止等重点措置の解除などが影響したとみられる。 (yomiuri = 4-8-22)

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17 カ月ぶりに上方修正、月例経済報告の景気判断 個人消費持ち直し

政府は 21 日公表した 12 月の月例経済報告で、国内景気の基調判断を 17 カ月ぶりに上方修正した。 先月の「持ち直しの動きに弱さがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」に改めた。 新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が 9 月末で解除され、個人消費の持ち直しが顕著になった。 半導体不足で滞っていた自動車生産の回復で販売が上向き、外食・宿泊・娯楽施設での消費も改善しており、個人消費は 2 カ月連続で判断を上方修正。 雇用も求人件数の改善などで 15 カ月ぶりに上方修正した。

一方で、設備投資はソフトウェア投資の減少などで 13 カ月ぶりに、住宅建設も分譲住宅の用地不足の影響などから 27 カ月ぶりに、それぞれ下方修正した。 月例経済報告は政府の景気判断の公式見解。 景気の先行きは変異株など感染症による影響を注視する必要があるとし、警戒感が示された。 (古賀大己、asahi = 12-21-21)


22 年公示地価、全国平均 2 年ぶりに上昇 コロナの影響和らぐ

[東京] 国土交通省が 22 日に発表した今年 1 月 1 日時点の「地価公示」によると、全用途の全国平均は 2 年ぶりにプラスに転じた。 新型コロナウイルス感染症の影響が和らぐ中、全国的に地価の回復がみられた。 全用途の全国平均は前年比 0.6% 上昇し、前年の 0.5% 下落から回復。 住宅地も同 0.5% 上昇し、前年の 0.4% 下落からプラスに転じた。 国交省によると、低金利環境の継続や住宅取得支援策などを背景に住宅需要は回復。 交通利便性の良い住宅地での上昇が継続しており、周辺部にも波及した。

住宅地において全国上昇率のトップ 10 はすべて北海道の北広島市、石狩市、江別市の地点だった。 人口集中が進む札幌市の地価が上昇しており、周辺地域への住宅需要が広がった。 また、商業地は、同プラス 0.4% と、こちらも 2 年ぶりに上昇。 景況感の改善で店舗やマンション用地への需要が高まったことや、再開発事業など発展期待のある地域での地価が上昇した。 ただ、コロナの影響で国内外の来訪者が回復していないエリアや飲食店舗が集まっている地域では下落が継続している。

国交省の担当者は、感染症による影響が徐々に緩和される中、景気の持ち直しの動きや経済活動正常化への期待感が広がり、「全体的には地価の回復傾向がうかがえる結果となった」と説明している。

大阪圏商業地は回復遅れる

東京、大阪、名古屋の 3 大都市圏も同 0.7% 上昇し、前年 0.7% 下落から回復した。 住宅地は 3 大都市圏すべて 2 年ぶりに上昇したが、商業地は東京圏と名古屋圏は上昇したのに対し、大阪圏は横ばいだった。 大阪府の商業地では、感染症による影響で海外や国内の観光客減少で店舗やホテルなどの需要が減っており、インバウンドへの依存度が大きかった地点ほど回復が鈍い。 また、札幌市、仙台市、広島市及び福岡市の地方四市の全用途平均は、同 5.8% 上昇となり、前年から上昇率が拡大。 9 年連続のプラスだった。

ネット販売拡大で物流施設用地への需要強い

工業地の全国平均は同 2.0% 増加し、6 年連続の上昇。 前年から上昇幅も拡大した。 ネット販売拡大で交通利便性の良い大型物流施設用地への需要が強く、沖縄県糸満市や千葉県市川市などの工業地では地価の上昇が続いた。 22 年公示価格は全国 2 万 6,000 の調査地点(うち福島第 1 原子力発電所の事故の影響による 7 地点は調査休止)を不動産鑑定士 2,348 人が鑑定し、土地鑑定委員会が審査した。 (金子かおり、Reuters = 3-22-22)


「空売り」対抗で買い支えか SMBC 日興相場操縦事件

SMBC 日興証券幹部らによる相場操縦事件で、逮捕された幹部らが株価の下落につながる「空売り」に対抗するため、不正な注文による買い支えを図ったとみられることが 6 日、関係者の話で分かった。 同社の取引形態は投資家の空売りを誘発しやすい仕組みで、実際に摘発対象となった株式には空売りが集中していたという。 問題となった大株主から引き取った株を投資家に転売する「ブロックオファー」取引は、株価が下落すると不成立となる可能性が高まる。 東京地検特捜部は同社エクイティ部部長の山田誠容疑者 (44) = 金融商品取引法違反(相場操縦)容疑で逮捕 = らが取引を成立させるために不正な買い注文を繰り返していたとみて調べている。

山田容疑者らは 2019 年 12 月 - 20 年 11 月にかけ、東証 1 部上場の 5 銘柄を巡り、不正な買い注文を重ねたとされる。 関係者によると 5 銘柄にはいずれも、SMBC 日興による買い注文と同日に外部の投資家らによる空売りが集中していたという。 空売りは自ら持っていない株を借り、売却後に買い戻す取引で、株価が下がれば利益を得られる。 株価下落が確実視される相場環境で集中しやすく、大量の空売りがあった場合は株価の下落も起こりやすい。 関係者によると、SMBC 日興のブロックオファーの取引形態は、投資家による空売りを招きやすい仕組みがあったとみられる。

SMBC 日興はブロックオファーの実施に伴い、売却先の投資家を募る期間を通常 1 日としていた。 取引日の前日に告知して投資家を募集し、取引当日の終値から数 % 安い価格を売却価格と定めていた。 一般的に、終値より数 % 安い価格で大量に売買するブロックオファーが成立すると、株価はその価格に引っ張られる形で下落しやすいとされる。 関係者によると、SMBC 日興のブロックオファーでは、翌日に株価が下落する可能性が高いことを知った投資家らが空売りする事態が頻発していたという。

他の証券会社の場合、投資家の募集に数日かけることが多い。 別の大手証券会社の社員は「投資家を集めるために通常 4 - 5 日程度が必要で、SMBC 日興のように 1 日ということはほとんどない」と説明する。 募集期間が数日ある場合には、株価の推移が不透明で空売りを仕掛けるタイミングをつかみづらいなどの理由で空売りは発生しにくいという。 空売りが集中して株価が下落すれば、大株主が株価に不満を持ち、買い取り自体が不調に終わるリスクが高まる。

特捜部は山田容疑者がこうしたリスクを回避するため、営業部門の岡崎真一郎容疑者 (56) = 同容疑で逮捕 = らと株価の目安となる情報を共有し、株価の下げ圧力に対抗する不正な買い注文を繰り返していた疑いがあるとみているもようだ。 特捜部は 4 人の認否を明らかにしていないが、関係者によると、4 人はいずれも特捜部の調べに対し、「通常業務の範囲内だった」などと容疑を否認しているという。 5 日に記者会見した SMBC 日興の近藤雄一郎社長は「ブロックオファー取引に関し法令への抵触が疑われる点がある」として、新規案件の取り扱いを停止していると明らかにした。 取引の詳細については「捜査に関する内容」として回答を控えた。 (nikkei = 3-6-22)


金が高騰 "買い取り" 過去最高 購入時の倍も … 「売りたい」続々

比較的安定した資産と言われている金。 今、多くの人が金を売りに来ている。 貴金属やブランド品の買い取りを行っている中古ブランド品流通大手の「コメ兵」。 60 代の女性客が持ち込んだのは、金のネックレスなどの貴金属。 しばらく身に着けていなかったという金のネックレスとブレスレットなど、あわせて 13 万 6,700 円。 買った時と比べて倍近い値段で売ることができた。 60 代「金の相場が上がっているというのは聞いたので、ちょうど良かったなという感じで、思ったより高く売れました。」

さらに別の女性も、パールの載ったプラチナの指輪を持ち込んだ。 店員「こちらはプラチナ 900 で計算しています。 こちらで 3 万 6,500 円です。」 多くの客が持ち込んでいる、この金やプラチナ。 その価格は今、これまでにない高値になっている。 その原因となっているのは、日々悪化するウクライナ情勢。 世の中が先行き不透明な時でも、安全な資産として注目されている。 田中貴金属工業の金の買い取り価格は、2 月に入り上昇し続けており、22 日は 1 グラム 7,687 円。 2 日連続で過去最高を記録している。

コメ兵の店舗でも、今週に入り金塊を売りに来た人がいた。 その買い取り価格は、200 グラムでおよそ 150 万円。 1 カ月前に比べ、30 万円から 40 万円高くなっているという。 コメ兵 広報部・横井一雅マネジャー「ついに過去最高を超えたかと、驚きというのは社内でも出ております。 問い合わせは全社的に増えてきている。 このあとおそらく金の持ち込みが増えていくと考えている。」 (FNN = 2-23-22)


昨年の機械受注 6.8% 増で 3 年ぶりプラス … 製造業 20.1% 増・非製造業は苦戦 2.8% 減

内閣府が 17 日発表した 2021 年の機械受注統計によると、企業の設備投資の先行きを示す「民間需要」(船舶・電力を除く)は前年比 6.8% 増の 10 兆 2,086 億円で、3 年ぶりに増加した。 コロナ禍で経済が落ち込んだ反動を示した。 好調だったのは製造業からの受注で、前年比 20.1% 増の 4 兆 8,160 億円と 3 年ぶりに増加した。 電機メーカーからの半導体製造装置の受注が伸びた。 一方で、非製造業は 2.8% 減の 5 兆 4,120 億円で 2 年連続で減少した。 コロナ禍で業績が悪化している運輸・郵便業での減少が大きい。

合わせて発表した 21 年 12 月の統計は、「民間需要(船舶・電力を除く、季節調整値)」が前月比 3.6% 増の 9,324 億円で、3 か月連続で増加した。 内閣府は基調判断を「持ち直している」に上方修正した。 上方修正は 2 か月連続となる。 22 年 1 - 3 月期の「民間需要(同)」の見通しは、前四半期比 1.1% 減の 2 兆 6,748 億円だった。 (yomiuri = 2-17-22)