タコ水煮など出荷へ 県漁連承認 福島

県漁業協同組合連合会(県漁連)は 18 日の組合長会議で、相馬双葉漁協の試験操業計画を承認した。 14 日の操業では、生のままと、ゆでたミズダコなどで放射性物質が不検出だったとして、22 日ごろ出漁し、加工品を市場へ出荷することが決まった。 対象はミズダコと、ヤナギダコ、巻き貝のシライトマキバイの 3 種類。 14 日に 9 隻で出漁して計約 960 キログラムを水揚げし、うち約 500 キロを水煮にした。 県漁連がつくった統一的なマニュアルで相双漁協が放射性物質を検査したほか、県水産試験場でも検査した。

相双漁協の検査では検出限界が 1 キロあたり 6 - 9 ベクレル未満で不検出、水産試験場では 16.2 - 22.2 ベクレル未満で不検出だった。 22 2日ごろの漁でも同じように検査し、県内外へ出荷する。 今後、対象魚種を増やすかどうかは、今回のタコなどの値の付き具合を見て検討するという。 (asahi = 6-19-12)

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福島県沿岸で "漁" 開始 放射性物質の検査目的で

原発事故によって自粛が続く福島県沿岸で、漁の再開に向け、放射性物質の検査をするための漁が 14 日から始まりました。 福島県沿岸で 1 年 3 カ月ぶりに行われた漁は、放射性物質を検査する魚介類を取るためのもので、底引き網漁船 6 隻が相馬沖約 50 キロの海域で行いました。 対象は、福島県などの検査で 2 月以降、不検出が続いているヤナギダコやミズダコなど 3 種類で、14 日は約 660 キロが水揚げされました。

宝精丸・佐藤弘行船長 : 「今は取ってきた魚が間違いなく不検出であってほしいと願ってます。」 検査は、加工して流通させることも想定し、ゆでる前と後の 2 回行われます。 今回の水揚げ分は、検査結果にかかわらず市場には流通しませんが、問題ない数値なら次回 20 日の水揚げ分から試験的に流通も行われることになります。 (TV Asahi = 6-15-12)


震災と原発に苦しむ故郷へ 福島「ふるさと納税」 25 倍

自分の故郷や応援したい自治体に寄付する「ふるさと納税」で、福島県の受け入れ額が大震災や原発事故後に急増し、2011 年度は前年度の 25 倍となる 2 億 7,429 万円に達した。 件数も 21 倍の 4,280 件と大幅に増え、いずれも過去最高となった。

佐藤雄平知事は、ふるさと納税額の大幅増に「復興に向けて大変心強い」と語った。 県は、寄付者の希望に応じて被災した「アクアマリンふくしま」の復旧や子どもの自然学習事業に使う方針だ。 県によると、申し込みは東日本大震災や原発事故後に急増した。 「福島県は自慢の故郷。 早くもどって欲しい。(東京都男性)」などふるさとへの励ましを添えた申し込みが目立った。 (asahi = 6-15-12)


福島復興 国の責任明記 政権の「基本方針」

野田政権による「福島復興再生基本方針」の素案が 23 日、明らかになった。 東京電力福島第一原発事故の被害を受けた福島県の復興と再生に向け、財源確保など国の責任を明確化。 県の要望を取り込み、住民の健康調査や「脱原発依存」のまちづくりを後押しする。 6 月中旬に閣議決定する方針。

福島県は原発に雇用や財政を依存してきた。 基本方針では「原発に依存しない社会を目指す理念を尊重する」として、再生可能エネルギーや医療産業の拠点整備を国が支援する方針を打ち出した。 こうした拠点を新たな雇用確保につなげる考え。 電源立地交付金に代わる財政支援は「2013 年度予算で速やかな実現を検討する」と記した。

放射線による健康不安に対応する必要性も強調。 震災発生時に 18 歳以下だった住民の甲状腺検査も国が支援する。 2014 年 3 月末までに終え、それ以降は 20 歳以下が 2 年ごと、21 歳以上が 5 年ごとに実施。 全県民を対象にした放射線の影響調査、避難住民には中長期的な健康調査も行う。 (asahi = 5-24-12)


福島・川内村で試験栽培、2 年ぶりの「田植え」に笑顔

東京電力福島第 1 原発事故のため昨年、コメの作付けができなかった福島県川内村で、試験栽培の田植えが始まった。 15 日午前、農家西山寿幸さん (63) は 2 年ぶりに田植えをした。 「水田の風景はやっぱり気持ちが和らぐ。」 農機を使い約 20 分間で 10 アールを終了。 土の感触を確かめながら笑顔を見せ「もっと広い範囲で田植えをしたい。」 試験栽培では、水田ごとに耕す深さを変えるなどし、除染の効果を調べる。 (kyodo = 5-15-12)


福島の仮設住宅に花描こう 福島の高校生 20 人

仮設住宅の灰色の壁を華やかに彩ろう - -。 福島県立保原高校(伊達市)の美術部員 20 人が 12 日、福島市宮代の仮設住宅の壁に、暖かな色づかいでチューリップや桜の絵を描いた。

この仮設住宅には、同県浪江町の住民約 90 人が暮らす。 部員らは横 8 メートル、縦 3 メートルの住宅の壁に、水色で「NAMIE」の文字を書き、若葉の絵などを描きこんだ。 デザインは住民らと話し合って決めたという。

部長の津田実沙紀さん (17) は「明るい気持ちになってもらえたらうれしい。」 制作の様子を見守った住民の一人、斉藤恵一さん (57) は「外を歩くのが楽しくなりそう」と話していた。 (藤原慎一、asahi = 5-13-12)


「森の防波堤」福島で復活作戦 7 県がマツの種子支援

東日本大震災の津波で壊滅状態となった海岸防災林の再生に向け、福島県が動き出した。 津波の勢いを弱め、がれきを止めた「森の防波堤」。 海岸線の松林整備に向け 9 年かけて苗木を植える計画だ。 マツの種子が大量に必要で、足りない分をほかの 7 県が提供、支援する。

福島県いわき市の新舞子(しんまいこ)浜。 約 10 キロにわたり幅 200 - 300 メートルの松林が広がる。 津波は海岸から約 100 メートルに位置する病院の 1 階部分を突き抜けた。 内陸側には水田が広がり、集落までは 500 メートル。 津波は松林で弱まり、水田で止まった。 近くの農家の女性 (70) は「松林がなかったら集落もやられていたに違いない。 ご先祖さまに感謝している。」 松林は地区の財産として、住民がごみ拾いなどをしながら大切に守ってきた。

福島県の担当者も「漂流した車やがれきが防災林で止まり、住宅地や農地への流入を防いだ」と話す。 (asahi = 4-30-12)


原発の避難区域、市街地では初の再編 南相馬

東京電力福島第一原発事故に伴う避難指示区域のうち、福島県南相馬市の警戒区域と計画的避難区域が 16 日午前 0 時に解除され、新たに三つの区域に再編された。 約 4 千世帯、約 1 万 3 千人が対象。 1 日の同県田村市、川内村に続く解除で、市街地では初の区域再編。 住民の帰還の実現には除染など課題も多い。

年間の被曝(ひばく)放射線量に応じ、(1) 早期の帰還を目指す「避難指示解除準備区域(3,846 世帯、1 万 2,740 人)」、(2) 帰還まで数年程度かかる「居住制限区域(132 世帯、514 人)」、(3) 5 年以上は戻れない「帰還困難区域(1 世帯、2 人)」 - - に分けられた。 (1)、(2) では宿泊できないが立ち入りは自由で、製造業などの事業も再開できる。 (ashii = 4-16-12)


浪江町の仮の町、14 年までに整備開始 復興検討委案

東京電力福島第一原発事故で全住民が避難している福島県浪江町の「復興検討委員会」は 14 日、ほかの自治体の中に町民が集まって暮らす「町外コミュニティ」を整備する案をまとめた。 災害公営住宅(復興住宅)を造り、行政、商業、医療、教育などのサービスを集約。 2014 年 3 月までに整備を開始することを目指すとしている。 長期の生活を想定した「仮の町」と位置づけられる。

昨年末に町が行った町民アンケートの結果をふまえ、候補地として同県の南相馬市やいわき市、現在役場機能を置いている二本松市を挙げた。 復興委はこの案をもとに今月下旬にも馬場有(たもつ)町長に提言を出す。 町は提言をふまえ、12 年度中にも、除染計画や住民の帰還時期、町外コミュニティの設置場所などを明示した復興計画をつくる。 (asahi = 3-15-12)


放射線研究、双葉郡に拠点 政権方針、除染や廃炉など

野田政権は、福島県双葉郡内に放射性物質の除染や原発の廃炉などの研究開発拠点を設ける方針を固めた。 双葉郡内には、除染で出る汚染土を保管する中間貯蔵施設を数カ所設置することも計画。 研究開発拠点と併せて提案し、地元自治体が受け入れやすくするねらいがある。

中間貯蔵施設は 1 カ所の方針だったが、分散させて用地を確保しやすくする。 汚染土のほか家屋などの大量のがれきの処理も検討している。 細野豪志環境相は 10 日の双葉郡との協議会で双葉町など 4 自治体に設けることを提案する。 その場で、研究開発拠点の構想にも触れる見通しだ。 放射線研究施設などの国家プロジェクトを地元で展開するよう求める双葉郡内の自治体の意向を踏まえた。

細野氏は研究開発拠点の構想を関係省庁の検討会で具体化するよう指示しており、4 月末までに決定する。 構想の概要には「双葉郡を中心に整備し、福島の復興及び再生の推進を図る」と明記。 「中間貯蔵施設も活用しつつ拠点整備を進める」とし、中間貯蔵施設と一体で整備する姿勢を明確にしている。 8 日に衆院通過した福島復興再生特別措置法案で策定を求められている「重点推進計画」の中核に位置づける。 (asahi = 3-10-12)


中間貯蔵施設、双葉郡3町への設置を提案 環境相

細野豪志環境相は 10 日、福島県郡山市で開かれた同県双葉郡町村会との意見交換会で、除染で出る汚染土などを保管する中間貯蔵施設を同郡大熊町、双葉町、楢葉町の 3 町に、関連施設である管理型処分場を富岡町に設置することを提案した。 施設の予定地は国が買い上げる方針も示した。

当初1カ所の予定だった中間貯蔵施設を複数にするのは、地元から分散を求める意見があるほか、用地を確保しやすいとの判断もある。 政権がこの日公表した工程表によると、6 月末までに設置場所など構想を固め、地元との調整を経て来年 3 月末までに設置場所を正式に決定。 受け入れ自治体には電源立地交付金による財政支援を検討する。

富岡町への設置を提案した管理型処分場は、除染で出た草木や震災で出たがれきなどを埋める。 また、除染で出る廃棄物やがれきを燃やす焼却施設は郡内に2カ所設置する。 楢葉町の南部衛生センターを活用するほか、仮設の施設を新設する。 約 26.6 万トンの廃棄物を 2 年間かけて処理する計画だ。 (asahi = 3-10-12)


「フクシマを忘れないで」 被災 2 親子が NY で訴え

東京電力福島第一原発事故が生活に与えた影響を海外でも知ってもらおうと、事故発生時に福島県郡山市に住んでいた親子 2 組が 7 日、ニューヨークで演説した。 ともに事故後、家族が離ればなれになり、元の生活を取り戻せない窮状を説明。 「福島を忘れないで支援してほしい」と呼びかけた。

演説したのは深川美子(よしこ)さん (42) と凱聖(かいせい)君 (7)、富塚千秋さん (40) と悠吏(ゆうり)君 (10) の親子。 4 人はこの日、国連本部近くで開かれた、災害被災地の女性の権利についての国連の関連イベントに参加した。

凱聖君は 1986 年のチェルノブイリ原発事故を挙げて、「なんで前にこういう事故が他の国であった時、大人は自分の国でも原発が危なくなると思わなかったのだろう」と語った。 悠吏君は事故後、横浜市の祖母宅へ千秋さんと避難。 仕事のために福島に残る父親と離れて暮らし、「お父さんと時々しか会えないのは寂しい」と訴えた。 (ニューヨーク = 春日芳晃、asahi = 3-8-12)


原発周辺自治体、仮の町へ 町外に生活拠点計画

東京電力福島第一原発周辺にある福島県双葉郡の複数の自治体が、原発事故で避難する住民のための生活拠点を別の自治体の中につくる計画を進めていることがわかった。 数年以上の長期の生活を見越し、「仮の町」として住宅や商業施設、医療機関などを集約し整備する案もあり、今後、国や県と協議していく。

各町は生活拠点の設置先に、同じ沿岸部のいわき市などを想定。 住民の当面の定住先となる。 災害での集団移転で、こうした拠点の例は過去にない。 既に検討に入っているのは、福島第一原発がある大熊町と双葉町のほか、富岡町。 浪江町も早い時期に検討を始めるという。 大熊、双葉、富岡各町は全域が警戒区域、浪江町は警戒区域と計画的避難区域に指定され、ほぼすべての住民が避難している。 (asahi = 3-7-12)


福島の人口、30 年後に半減の予測も 政策大准教授試算

東日本大震災の被災 3 県のうち、福島県の人口だけが減少を加速するとの予測を政策研究大学院大学の出口恭子准教授がまとめた。 震災前からの 30 年間で半減すると試算。 東京電力福島第一原発の事故による避難で、子どもの世代と母親の世代が大量に県外へ転出。 この傾向が続く場合、少子化が著しく進むためだ。

震災後の死者数や都道府県間の転出・転入者数など、震災の影響を織り込んだ場合と、仮に震災がなかった場合の 2 通りについて 30 年間の人口を試算した。 3 県とも震災前から人口が減っているため、2010 年の人口を 100 とした場合、震災がなくても 2040 年には福島が 63.8 (36.2% 減少)、宮城が 75.0、岩手が 59.4 になると試算。 (asahi = 3-6-12)


「福島在住はストレス」 8 割 福島、共同世論調査

「原発事故のあと、福島に住んでいることでストレスを感じている - -。」 こう答えた人が、朝日新聞社と福島放送の共同世論調査で 80% に上った。 「大いに感じている」が 34%、「ある程度感じている」は 46%。 なかでも福島第一原発がある浜通り地方では、「大いに感じている」が 41% と高めだ。

「放射性物質への不安を感じている」層ではストレスを感じているという人が「大いに」と「ある程度」を合わせて 88% という高い割合に上るが、「放射性物質への不安を感じていない」層でも、計 50% がストレスを感じていると答えた。 県民の多くが放射能への不安とは別に、何らかのストレスを抱えている様子がうかがえる。

一方、「放射性物質による被害を避けるため、県外や放射線の量の少ない地域へ、できれば移り住みたいと思うか」と聞くと、32% が「移り住みたい」と回答。 半年調査の 34% とあまり変わらなかった。 特に放射性物質への不安を「大いに感じている」層では 50% が「移り住みたい」と答えており、事故から 1 年たっても不安感は解消されていないようだ。

福島では今、放射線の影響を調べる県民健康調査が実施されている。 この調査をどう見るか尋ねると、「どちらかといえば役に立たない」の 51% が「どちらかといえば役に立つ」の 40% を上回った。 「福島産」という理由で福島の農産物が売れなかったり値段が下がったりすることについては、「おかしい」 25%、「やむを得ない」 70% だった。 (asahi = 3-6-12)


復興「道筋ついてない」 92% 福島、共同世論調査

東日本大震災の発生と原発事故から 1 年となる今、福島県民は現状をどう見ているのか。 朝日新聞社が福島放送と共同世論調査(電話)を行ったところ、復興への道筋が「ついていない」という人が 92% に達した。 事故から 1 年たってもなお、今後の展望を持てないでいる県民の意識が浮き彫りになった。 調査は昨年 9 月の事故半年時に続いて 2 回目。

「福島の復興への道筋がどの程度ついたと思うか」と 4 択で尋ねると、「あまりついていない」が 54%、「まったくついていない」が 38%。 「県全体で、もとのような暮らしができるのはいつごろか」について四つの選択肢から選んでもらうと、「3 年以内」 1%、「5 年以内」 4%、「10 年以内」 13% となり、「10 年より先」が半年調査の 68% から 78% に増えた。 (asahi = 3-6-12)


「までいの心が日本救う」 飯舘村長が NY 講演

福島第一原発事故の影響で全村避難が続く福島県飯舘村の菅野典雄村長 (65) が 18 日、米ニューヨークで講演し、「次の世代のために、前を向いてふるさとを取り戻さなければいけない」などと復興への思いを語った。 講演は、日本の伝統音楽などを海外に紹介してきた「ミュージック・フロム・ジャパン (MFJ)」のコンサートの一環として行われた。 菅野村長といとこの関係にある MFJ の三浦尚之代表が「村のためにできることを」と持ちかけた。

講演のタイトルは「までいの心が日本を救う」。 「までい」は「丁寧に」、「心を込めて」などを意味する方言で、菅野村長は通訳を通しながら、村が進める「までいライフ」を説明。 「高度経済成長の終わりに起きた原発事故は、快適さを求めて物を充足させるのではなく、命や心を大切にする機会を、天が日本に与えてくれたとも思う」と述べた。 (asahi = 2-19-12)


福島、医師の流出止まらず 大学、原発事故で派遣も敬遠

福島県で医師流出に歯止めがかからない。 138 病院の常勤医は昨年 12 月 1 日時点で 1,942 人と、原発事故直前から 71 人減少。 放射線への不安から首都圏などの大学も医師派遣に二の足を踏んでおり、医療機能の停滞が復興の遅れにつながる恐れも。

県によると、原発に近い沿岸部の相双地域では震災前の 120 人から 61 人に半減。 県全体では 4 月以降さらに 7 人が減る見通しだ。 研修医も当てにできない。 研修先を自由に選べる制度ができ、条件の良い都市部の民間病院に集中。 地方の病院は敬遠されがちで、福島県では原発事故が追い打ちをかけた。 (kyodo = 2-16-12)


踊る自信、被災者がくれた フラガールの舞台、全面再開

東日本大震災で被災した福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズが 8 日、復旧工事を終え全面再開した。 5 カ月に及ぶ全国キャラバン、その後 4 カ月間は仮設舞台で踊ってきたフラガールたちも、ようやくメーンのステージに戻った。 震災後の経験は、彼女たちをひと回り大きく成長させた。

午前 10 時。 震災以来初めて、メーン施設の正面玄関から続々と客が入ってくるのを、フラガールたちが並んで出迎えた。 髪に花飾りを付けた 45 期生の大河原綾華さん (21) も手を振ったり、握手に応じたり。 うれしさいっぱいの笑顔で時折、指先で目尻を拭った。 ステージの舞台開きに仲間たちと登場し、びっしり埋まった 2 階席を見渡した。

「こんな時になんだ、と怒られないかしら ・・・。」 昨年 5 月、いわき市内の避難所の慰問でキャラバンを始めたとき、大河原さんは不安でたまらなかったという。 (asahi = 2-8-12)


来たぞ我らの「ウルトラ警察隊」 全国から福島のために

全国から福島県警に集まった警察官が、「ウルトラ警察隊」として活動を始めた。 ウルトラマンのシルエットが描かれたバッジを胸に、ウルトラマンカラーの銀と赤の腕章を着け、「地球の平和」ならぬ「福島の治安」を守る。

円谷プロダクションの全面協力で実現した。 円谷プロの前身をつくった故・円谷英二氏は福島県須賀川市出身。 昨年 8 月、円谷プロが集めた寄付金を同県に渡したことが縁となり、県警が依頼した。 バッジは円谷プロが無償でデザインし、腕章は県警が独自に作った。

震災と原発事故に見舞われた福島県警には、今月 1 日から来年 3 月末の予定で、全国 22 都道府県警から 350 0人の警察官が出向している。 県警の小笠原和美警務部長は 6 日の発足式で、「地球の平和を守るためやってきたウルトラマンと、福島の治安を守るためにやってきたみなさんのイメージを重ねた。 私たちと心を一つにして頑張っていきましょう」と呼びかけた。 (asahi = 2-7-12)


JA 福島が米作付け方針 100 ベクレル超地域には条件

福島県産米の約 4 割を集荷する同県の JA グループは 26 日、県内での今年のコメの作付けについて、昨年の収穫で 1 キロあたり 100 ベクレルを超える放射性セシウムが含まれたコメが見つかった地域でも条件付きで作付けを進める方針を示した。 100 ベクレルを超えるコメが見つかった農家の戸数が少なく、この秋の収穫では超過する可能性が低いと判断できる地域で作付けするとしている。

農林水産省は昨年 12 月、1 キロあたり 500 ベクレルを超えるセシウムが検出された地域での作付け禁止を明確に打ち出す一方、国が 4 月から適用する予定の食品の新基準値である 100 ベクレルを超えた地域については「禁止を検討」とあいまいな線引きにとどめていた。

記者会見を開いて方針を表明したグループの庄條徳一会長によると、同 100 ベクレルを超えるコメがとれた地域に関しては、まとまった戸数で 100 ベクレル超が検出されているなど今年産米でも超過する可能性が高い場合に限り、作付けを制限するとした。 庄條会長は「農業者として少しでも作物をつくりたいという意欲、生きがいを尊重したい」と話した。 500 ベクレルを超えるコメがとれた地域では作付けを制限するという。 (asahi = 1-26-12)


原発事故・震災影響で人口 3 万人減 福島県推計

福島県は 20 日、東京電力福島第一原発事故や大震災の影響で昨年 1 年間に人口が約 3 万人減少したとする推計人口統計を発表した。 住民票異動をもとに推計した人口は今年 1 月 1 日現在 198 万 2,991 人で、昨年 1 年間で 4万 4,147 人減少した。 一昨年を上回った分の約 3 万 900 人が原発事故と大震災の影響によるものと判断している。

死亡増や出生減による自然減少が約 4,400 人、転出増と転入減による社会的減少が 2 万 6,500 人。 社会的減少は 0 - 14 歳、20 - 34 歳などが目立ち、県は「原発事故が子どもと子育て世代の県外流出につながった」とみる。 昨年 10 月以降も 1 カ月 2 千人前後の人口減が続いており、流出に歯止めがかかっていない。 (asahi = 1-20-12)

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福島から県外への避難 6 万人突破 3 カ月で約 9 千人増

東日本大震災と東京電力福島第一原発事故の影響で福島県から県外に避難している人の数が、6 万人を突破した。 8 月中旬に 5 万人を超えており、それから約 3 カ月で約 9 千人増えた。 福島県によると、今月 16 日時点の県外への避難者は、住民票を移している人と移していない人を合計して 6 万 251 人。 県外避難者は、子どものいる家庭を中心に夏休み期間に急増したが、その後も増え続けているという。 県内避難者は約 9 万 3 千人。

福島県からはすべての都道府県に避難しており、山形県の 1 万 2,734 人、東京都の 7,318 人、新潟県の 6,569 人、埼玉県の 4,705 人の順に多い。 この 3 カ月間の伸び方をみると、埼玉県がほぼ倍増しており、神奈川県が約 44% 増。 大阪府約 31% 増、宮崎県約 34% 増、沖縄県約 33% 増など、遠い地域への避難者も増えている。 (asahi = 11-29-11)


帰還望む住民の半数「待つのは 3 年まで」 福島・浪江

東京電力福島第一原発の事故で全住民が避難を強いられている福島県浪江町が、住民に行ったアンケートで、3 人に 1 人が町に「戻らない」と答えた。 「戻りたい」とする人も、帰還まで待てる期間は「3 年以内」が半数以上を占め、つなぎ留められる時間は長くないことがわかる。

アンケートは、町の復興計画策定に役立てるのを目的に昨年 11 - 12 月に実施。 高校生以上の 1 万 8,448 人に調査票を送り、約 6 割の 1 万 1,001 人から回答を得た。 町に「戻りたい」と答えたのは 64%。 そのうち約 7 割は「放射線量低減と生活基盤の整備、他の町民がある程度戻る」ことがそろうのを条件にした。 (asahi = 1-13-12)


福島の 18 歳以下医療費無料化、首相が検討の意向

野田佳彦首相は 8 日、東京電力福島第一原発事故の「収束宣言」をしてから初めて福島県を訪れた。 首相は、県内の 18 歳以下の医療費無料化について「大変重要な課題と受け止めさせていただいた」と、検討する考えを記者団に表明。 政権内で調整していく方針だ。

18 歳以下の医療費無料化は、福島県が求めている。 放射線被曝(ひばく)への懸念から子どもが県外に避難しているため、人口の流出を防ぐねらいがある。 この日、野田首相と会談した佐藤雄平県知事が改めて要請した。

経費は年間 100 億円弱と試算。 だが、政府の復興対策本部は「線引きが難しく、風邪なども含めれば財政負担も多額になる(幹部)」と否定的だ。 8 日の福島復興再生協議会で、首相は「政府内にもいろいろな意見がある。 難しい問題だ。」」とも述べたという。 (asahi = 1-9-12)


コメの暫定基準超え 0.3% 福島県の線量高い地区

福島県産のコメから国の暫定基準値(1 キロあたり 500 ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、県は 28 日、放射線量が比較的高い地区を対象にした全戸調査を終えたと発表した。 暫定基準値を超えたのは福島、伊達、二本松の 3 市 7 地区の 14 戸 14 サンプルで、全体の 0.3%。 新たな基準値案の同 100 ベクレルを超えたのはサンプル全体の 5.5% だった。

調査は、「特定避難勧奨地点」に指定されるなどした 6 市 22 地区の 4,840 戸を対象に 11 月下旬から実施してきた。 県は、収穫時の検査でわずかでもセシウムが検出されたコメがとれた 29 市町村 128 地区の計約 2 万戸を対象に、1 月末をめどに調査を終える。 結果は来年の作付けの参考になる。 (asahi = 12-28-11)

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汚染米、カリウム濃度影響か 福島県と農水省が中間報告

福島県産のコメから国の暫定基準値(1 キロあたり 500 ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、県と農林水産省は 25 日、原因分析の中間報告をまとめた。 基準超えのコメがとれた水田は、土のカリウム濃度が低かったり、浅い層にセシウムが多かったりといった傾向があった。 カリウム肥料の少なさや深く耕せなかったことがコメのセシウム吸収につながった可能性が原因として考えられるとしている。

県などは、土質や栽培方法、水や周辺環境などが複合的にかかわったのが原因とみて、引き続き調べる。 また、農水省はこれらの分析結果も参考に、来年度の作付けの基準を検討する。 県などは、基準超えのコメがとれた 22 カ所と、その周辺の基準以下のコメがとれた 9 カ所で田の土を採取。 農家から与えた肥料の量を聞き取るなどした。 (asahi = 12-25-11)


福島復興へ国が再生計画 避難解除地域や帰宅困難者支援

東京電力福島第一原発事故で、大きな被害を受けた福島の復興再生を進める特別措置法案の全体像が明らかになった。 住民避難を解除した区域の復興や、放射線量が高く長期間帰宅できない人の支援などを国の責任で行うとし、地元自治体の首長や有識者を交えた協議会も立ち上げる。

平野達男復興相は 10 日、福島県の佐藤雄平知事と会談し、特措法案の概要を伝えた。 野田政権は来年の通常国会に法案を提出し、4 月の施行をめざす。 新設される復興庁が所管する。 特措法案は、原発事故の被害が多大な福島を特別に支援する目的で作成。 復興や再生の基本方針を閣議決定するよう求めている。

基本方針には、避難解除区域の復興策や長期帰宅困難者の支援策、放射線被害の解消策、新しい産業をつくり出す方策などの考え方を盛り込む。 この方針に基づき、それぞれの分野で実施期間や具体的な内容などを定めた計画をつくる。 (asahi = 12-12-11)


福島全域で税制優遇措置 政権方針、産業の再生支援へ

野田政権は原発事故が起きた福島県向けの税制上の特例措置を設ける方針を固めた。 警戒区域などの指定を解除した後に企業が被災者を雇った場合、復興特区を上回る税額控除が受けられることが柱だ。

「福島復興再生特別措置法案(仮称)」に盛り込み、年明けの通常国会に提出する。 「原子力災害により深刻かつ多大な影響を受けた福島の復興は、その特殊な諸事情を踏まえて行われるべきだ」と明記。 他の被災県よりも手厚い対策を取る必要性を強調する。

参院で審議中の復興特区法案では、国の審査を受け特区に認定された地域に税制優遇を認めている。 特措法では福島県全域で一定の税制優遇を認める。 復興特区内の企業が被災者を雇用した場合、法人税額全体の 2 割を上限に人件費の 10% を税額から控除する特例があるが、福島県内の警戒区域や計画的避難区域などでは区域指定が解除された後、復興特区の倍となる 20% を税額から控除する。 (asahi = 12-7-11)


観光施設に 8 カ月半ぶり笑い声 津波被害から再開 福島

津波で大きな被害を受けた福島県いわき市小名浜の観光物産施設「いわき・ら・ら・ミュウ」が 25 日、大震災以来 8 カ月半ぶりに営業を再開し、朝から大勢の客でにぎわった。

午前 9 時の開店と同時に、施設のメーンの魚介類直売所には売り手たちの威勢の良い声が響き、震災前の活気が戻った。 一番乗りは、市内の借り上げ住宅に避難している同県南相馬市の杉本妙子さん (54) 親子。 「毎年のように来ていたので、再開が楽しみでした。 好きな魚を買って、家族で味わいたい。」と話した。

ただ、原発事故の影響で地元の漁協は漁の自粛が続く。 魚介類直売所などを営む太(ふと)勇喜さん (65) は再開を喜びつつ、「店頭に並べるのは、どうしても県外の魚が中心。 我々は福島、いわきのセールスマンでもあるので、早く地元でとれた魚を売ることができれば。」と語った。

大型遊具をそろえた広さ約 500 平方メートルの屋内型遊び場も新設され、子どもたちが楽しんだ。 1 歳の長男を連れて来たいわき市内の母親 (31) は「原発事故後、外で遊ぶ機会が減ったので、ありがたい」と喜んだ。 (asahi = 11-27-11)


福島のインフラ整備、国が代行措置 特別法の骨格判明

東京電力福島第一原発事故をめぐり、野田政権が福島県に限定した特別措置法として検討している福島特別法(仮称)の原案が 14 日、明らかになった。 原発周辺の警戒区域などが解除された後、必要なインフラ整備を国が直轄事業として行う代行措置を規定。 他の被災県を上回る税制優遇や規制緩和を盛り込む。

政権は来年の通常国会に法案を提出する。 今後、国と福島県による「原子力災害からの福島復興再生協議会(座長・平野達男復興相)」で詳細を話し合う。 原案では「復興特区法案の枠組みを生かしつつ、福島に特化した税・財政措置の充実を図り、産業振興を図るべく規制緩和措置を盛り込む」と規定。 被災した 11 道県の 222 市町村が対象の特区法を上回る措置を盛り込む方向だ。 (asahi = 11-15-11)


福島から新品種米「天のつぶ」 復興の願い込め発売

福島県が 15 年かけて開発した新品種米「天のつぶ」が 8 日、県内の大手スーパーで初めて発売された。 震災と原発事故の年のデビュー。 県の担当者は「福島といえば『天のつぶ』と言われるよう育てたい」と期待を寄せている。

福島市のコープマート方木田店の特設コーナーに 75 袋が並べられた。 試食した野地正吉さん (83) は 1 袋を購入。 「甘みがあった。 福島のコメだもの、風評なんて吹き飛ばさないと。」 福島は全国 4 位の米どころだが、東北で唯一、主力のオリジナル品種がなかった。 県農業総合センターが 1995 年から開発に取り組み、昨年完成させた。 未熟な粒の発生が少なく、草丈が短いため倒れにくい。 いもち病にも強いという。 (asahi = 11-8-11)


「フラガール」に助っ人 メガ銀行など 100 億円出融資

映画「フラガール」の舞台となった「スパリゾートハワイアンズ(福島県いわき市)」の復興を助けるため、みずほコーポレート銀行や日本政策投資銀行(政投銀)は 2 日、およそ 100 億円を融資や出資する方針を固めた。

ハワイアンズは東日本大震災で屋内プールなどの施設が壊れた。 10 月 1 日に一部営業を再開したが、震災による損失額はおよそ 100 億円になる見通しだ。 来年初めに、みずほなど 3 メガ銀行がつくったファンド、政投銀と福島県が地盤の東邦銀行がつくったファンドなどが、運営会社の「常磐興産」に 30 億円を出資。 残り 70 億円を融資する。 (asahi = 11-3-11)


名人のコメ、福島から 高島屋、お歳暮商戦の目玉に

百貨店の高島屋は、福島県の稲作名人が育てたコメの販売に乗り出す。 お歳暮用ギフトの目玉とし、店頭でも通年で販売する。 放射能汚染の風評被害と戦いながら米を作る人と、買いたい人とをつなぐ試みだ。

郡山市の古川勝幸さん (54) が育てた「特別栽培コシヒカリ」を、5 キロ 5,565 円で販売する。 古川さんは農薬や化学肥料を使わず漢方などを配合した肥料を用いる栽培法で、コメの味を競う国内最大規模の大会「米・食味分析鑑定コンクール」の金賞を 5 年続けてとっている。 しかし、東京電力福島第一原発の事故後は、直売していた客のほとんどから注文を断られ、米屋との取引も半分ほどになった。

高島屋が今年 9 月の東北物産展で古川さんの育てた 2010 年度産米を売ったところ完売し、約 50 人が新米を予約。 「福島の米を買いたい、贈りたいというお客はいる」と見込み、お歳暮カタログの「東北応援ギフト」の一つに入れた。 東京・日本橋の東京店でも 11 月中旬から店頭販売する。 古川さんは検査機関で独自の放射線検査をし、結果の証明書をつけて売ることにしている。 「買ってくれる人には感謝の一言です」と話す。 (高重治香、asahi = 11-2-11)


福島の秋、ロマンチック 避難所のあった公園に夜間照明

東日本大震災で体育館が避難所として使われていた福島市のあづま総合運動公園で 29 日、イチョウ並木のライトアップが始まった。 午後 5 時の点灯とともに、黄色く色づいたイチョウの葉が夕空に浮かび上がり、訪れた人たちは写真を撮ったり、見上げながら散策したりして楽しんでいた。 4 年前から始まり、例年約 8 千人が訪れるという。 ライトアップは午後 5 時から午後 8 時、休園日の火曜日を除く 11 月 13 日まで。 (asahi = 10-29-11)


「リメーク」復興へ開花 福島の農家、思い込め新品種

桜色の、甘い香りの新しい花がこの秋、福島県で誕生した。名前は「Remake (リメーク)」。 東京電力福島第一原発事故の影響で休業を強いられる花農家もいる中、再生・復活のきっかけになれば、との思いを込めた。 ニオイザクラの新たな品種。 福島県矢祭町の農家グループ「矢祭鉢物研究会」が約 10 年かけて交配や選別を繰り返し、濃いピンク色にこだわって開発した。

当初は来秋、1 万鉢を売り出す予定だった。 そこに起きた震災と原発事故。 「今こそ福島から新しいものを発信したい」と、急きょ 2 千鉢を用意。 敬老の日の贈答用に 9 月上旬、東京へ出荷したところ、あっという間に完売した。 研究会のメンバー、金沢美浩さん (56) は「手応えを感じた。 復活への足がかりはできた。」と話す。 (asahi = 10-29-11)


トヨタ、12 年にも福島に野菜工場 太陽光発電所も

トヨタ自動車が 2012 年にも福島県に、土を使わない水耕栽培の野菜工場をつくることがわかった。 国内有数の規模となる 12 メガワットの太陽光発電所(メガソーラー)も、あわせて設ける。

被災した福島県国見町のゴルフ場で計画している。 投資によって被災地の復興に一役買う。 風評被害や、深刻な電力不足の影響を受けずに野菜をつくることができる。 年内に、ゴルフコースに太陽光パネルをとりつける工事に入り、来年夏に発電を始める。 この電力を利用する野菜工場は、来年中にもつくる予定だ。 (asahi = 10-27-11)


カボチャに託す福島愛 二本松・岳温泉

ハロウィーンを間近に控えた 26 日、福島県二本松市の岳(だけ)温泉で巨大カボチャに顔を描くイベントがあった。 土産物屋の店先などに置かれた約 70 個に地元の小学生たちが絵の具で顔を付けたり、「がんばろう東北」や「I love フクシマ」などのメッセージを描いたりした。

イベントには安達太良(あだたら)小学校 3 年生から 6 年生までの 40 人が参加した。 同校には南相馬市や富岡町などから避難している児童も在籍している。 浪江町から避難している原中美穂さん (11) は「大きなカボチャに好きなように描けて楽しい。 にぎやかな岳温泉になってほしい。」と話していた。 同温泉では原発事故の影響などで宿泊客が例年の 3 分の 1 以下になっているという。 (asahi = 10-27-11)


福島の復興策に「放射線医療拠点」 政府、会合で示す

原子力災害からの再建を図るための政府と福島県による「福島復興再生協議会」の第 2 回会合が 17 日、福島市で開かれた。 政府側は、世界最先端の放射線医療や、再生可能エネルギーの研究・開発拠点づくりなどの復興策を示した。

医療拠点では県立医大(福島市)を中心に、原発事故で出た放射性物質の人体への影響を研究。 放射線などを使った最先端の医療態勢も築く。 製薬会社や医療機器メーカーを誘致。 地元中小企業の医療分野への参入も促す。 世界をリードするがん治療の拠点として国内外からがん患者を受け入れる計画だ。 (asahi = 10-17-11)


復興基金 3,500 億円予算化 復興相、福島知事に説明

平野達男復興相は 2 日、福島県庁で佐藤雄平知事と会い、東京電力福島第一原発の事故対応などで同県が要望していた復興基金をつくり、約 3,500 億円を第 3 次補正予算案に計上すると説明した。

また、風評被害対策などのため約 1,500 億円を 3 次補正案に盛り込むことや、第 2 次補正予算からの除染費用 2,200 億円のうち、約 2 千億円を福島県に充てることも説明した。 7 日にも国と福島県内の被災自治体が参加する「福島復興再生協議会」を開き、基金の具体的な活用方法について意見交換する。 (asahi = 10-2-11)


おいしさも安全も PR 福島産早場米、都内でも販売

東京都江戸川区にある福島県のアンテナショップ「ふくしま市場」で 3 日、同県産の早場米の販売が始まった。 東京電力福島第一原発事故による消費者の不安を拭おうと、生産農家も店頭で安全を PR した。

イトーヨーカドー葛西店にある同ショップで販売されたのは「五百川」と「瑞穂黄金」の 2 品種。 5 キロ入りの袋が平積みにされた脇に、放射性物質が検出されなかった県の検査結果を示す紙を張り出した。 炊きたてのご飯も試食用に準備し、買い物客らに勧めた。

販売されたコメの生産農家の一人、本宮市の後藤正人さん (31) は、県の検査に加えて独自に民間の機関に依頼し、安全を確かめたという。 「できる手は尽くして安全でおいしいお米を作った。 なんとか理解して買ってほしい。」と話した。 (asahi = 9-3-11)


福島産牛、出荷停止直前より下落 解除後初の競り

出荷停止解除後、初めてとなる福島県産牛の枝肉の競りが 1 日、東京食肉市場(東京都港区)であった。 34 頭分の 1 キロあたりの平均価格は 1,100 円と、7 月 19 日の出荷停止の直前と比べ 160 円近く下落した。

1 頭あたりの平均価格は 52 万 3,730 円で、約 7 万円の下落。 出荷した JA 全農福島の担当者は「覚悟はしていたが、予想以上に厳しい評価だった」と話している。 同 JA によると、同市場に出荷した福島県産の和牛の平均価格は、震災前の 2 月が 1 キロあたり 1,702 円。 原発事故後、下落が続き、出荷停止直前は 1,258 円だった。 (asahi = 9-1-11)


「DASH 村」の土、ヒマワリで浄化実験 山口さん参加

人気グループ「TOKIO」が日本テレビ系の番組「ザ! 鉄腕! DASH!!」の企画として、農作業などを体験してきた福島県浪江町の「DASH 村」で、ヒマワリを使った土壌の浄化実験が始まった。 25 日、日本テレビが発表した。 「村」は福島第一原発から約 25 キロの計画的避難区域内にあり、震災以来閉鎖されていたが、復興に向けた取り組みが動き出した。

JAXA (宇宙航空研究開発機構)に所属する研究者が番組に声をかけたのがきっかけ。 浪江町の許可を得て先月 16 日、TOKIO の山口達也さんが研究者らと村へ。 草だらけの水田や牧草地を耕して、土の中の放射性物質を吸収するとされるヒマワリの種をまいた。 今月 22 日にも再度赴き、ひざ丈まで育ったヒマワリや周辺の土壌を採取して持ち帰り、放射性物質の量などを調べたという。

実験の模様や分析結果は、来月 11 日の同番組で放送する予定。 「どんな方法で放射性物質の数値が低くなるのかを調べ、少しでも農業をしている人たちの力になりたい」と山口さんは話している。 (田玉恵美、asahi = 8-26-11)


福島に自然エネや農業の研究拠点 東芝など 20 社が構想

東芝やパナソニックなど約 20 社が福島県南部の西郷(にしごう)村と下郷(しもごう)町に自然エネルギーや農業、福祉などの研究開発拠点をつくる構想が明らかになった。 新産業を育てて働く場所を増やし、東京電力の原発事故に悩む福島県の経済復興を目指す。

両町村が、西郷村にある国有地など 50 - 100 ヘクタールに主な拠点をつくる計画を進めている。 国に土地の無償貸与を求めており、承諾されれば年内にも敷地整備に着手する。 また、両町村は年内にも政府の「復興特区」に申請する。

特区になれば、税軽減や規制緩和などの優遇を受けられる。 現地は東北道・白河インターチェンジや東北新幹線・新白河駅に近く、首都圏とのアクセスも良い。 両町村と計画を進めているコンサルティング会社の A.T. カーニーによると、約 20 社が進出の意向を示しているという。 (asahi = 8-24-11)


公共工事、福島は出遅れ 原発事故の影響で

東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、福島県の公共工事が大幅に減少していることがわかった。 2011 年度の公共工事は復興需要で東北を中心に大幅増の見通しだが、福島県の出遅れは災害対策や雇用の面でも影響が出そうだ。 公共工事の保証業務を請け負っている東日本建設業保証などが 4 - 7 月の公共工事をまとめた。

福島県は前年同期比 39.6% 減の 468 億円。 国、県、市町村が発注するすべての工事が減っている。 原発から 20 キロ圏内が立ち入り禁止で、復旧や通常工事が出来ない。 県は工事計画の見直しを進めているが、めどは立っていない。 震災被害の大きかった宮城県は同 20.2% 増の 791 億円、岩手県は同 6.3% 増の 734 億円。 宮城は国と県、岩手は県、市町村の復旧工事が増えている。 (asahi = 8-8-11)


福島の特産支えよう … 地銀主催の PR イベント

福島県内の物産を展示、販売するイベントが 21 日、東京・日本橋の「にいがた館 NICO プラザ」で始まった。 原発事故の風評被害に苦しむ食品業者を支えるため、東邦銀行(福島県)などの地銀が主催した。

福島県内の約 20 社が、洋菓子、日本酒、旬を迎えたサクランボなど約 40 点を出している。 24 日まで。 出品企業は、22、23 日に首都圏のバイヤーとの商談にものぞみ、販路拡大をめざす。 東邦銀のほか、第四銀行(新潟県)、山形銀行がバイヤー紹介などで協力しあった。 (asahi = 6-21-11)