中国製だけかと思ったら … 韓国製バッテリー搭載のベンツ EV も火災 = ネット「時期尚早だった」 2024 年 11 月 15 日、韓国メディア・毎日経済は「8 月にベンツ EQE が炎上し大きな被害を出したのに続き、今度はベンツ EQC400 が炎上した」と伝えた。 記事によると、14 日午前 7 時 14 分頃、忠清南(チュンチョンナム)道・牙山(アサン)市の 790 世帯が居住するマンション団地の地下駐車場で、充電中だった電気自動車 (EV)、ベンツ EQC400 4 マチックから火が上がった。 住民の通報で消防当局が出動し、装備車 27 台、消防官 85 人を投入し 2 時間ほどで鎮火した。 地下駐車場には約 900 台の車両が駐車されていたが、他の車両や建物への延焼はなかった。 マンション住民数十人が緊急退避したが、人命被害もなかったという。 8 月には仁川市内のマンション団地の地下駐車場で、駐車されていたベンツ EQE が炎上。 800 台余りの車両が延焼やすすけるなどの被害を受け、住民 22 人が煙を吸い病院に搬送された。 ベンツ EQE には孚能科技(Farasis Energy)製のバッテリーが搭載されていた。 今回もベンツの火災とあり中国製バッテリーが搭載されているのではとの臆測が広がったが、ベンツ EQC400 は国産バッテリー(LG エナジーソリューション製)搭載だと分かった。 記事は「また中国製バッテリーだと悪態をついていたのに韓国製だった」と強調している。 この記事に、韓国のネットユーザーからは「EV 充電施設の地下設置に反対する」、「そもそも充電ステーションみたいに危険な施設を地下に作るべきではない」、「ベンツのバッテリー制御技術に問題があるのでは?」、「中国製バッテリーが悪いと非難してたのに、国産バッテリーだと分かったら技術のせいにするのか(笑)」、「結局、下部への衝撃によるバッテリー損傷が最大の原因なのでは。 今のような形では同じ問題が出続けるのでは? (現代自動車の EV)アイオニックだって炎上してるし」、「EV は時期尚早だった」などのコメントが寄せられている。 (麻江、Record China = 11-17-24) 韓国でまた EV 火災事故、運転者は脱出できず = 韓国ネット「走る棺桶」、「怖くて乗れない」 2024 年 10 月 11 日、韓国・MBCニュースによると、京畿(キョンギ)道安城(アンソン)市の国道で 10 日午後 5 時 40 分ごろ、電気自動車 (EV) テスラが燃える事故が発生し、運転者が死亡した。 目撃者の話と動画によると、火は車体の下部から上がっており、車内には白い煙が充満。 消防隊が駆けつけてから 10 分ほどで鎮火されたが、後部座席から男性とみられる遺体が見つかった。 カメラの映像などを分析した結果、事故車両に乗っていたのは運転者のみ。 壁に衝突した後、車両前方から出火している。 運転者は後部座席から脱出しようと移動したが車の外には出られなかったとみられる。 警察は雨で車両がスリップした可能性を念頭に、詳しい事故原因を調べている。 記事によると、2020 年にもソウル市龍山(ヨンサン)区の駐車場でテスラが壁に衝突して出火し、助手席に乗っていた所有者が車外に出られず死亡する事故が発生している。 当時、助手席側のドアは人の力で開けられる状況ではなかったという。 米国でもテスラの火災により車内に閉じ込められた人が命を落とす事故が相次ぎ発生しており、ニュージャージー州では最近、死亡した韓国人男性の遺族が「車両に欠陥がある」としてテスラを相手取り損害賠償を求める訴訟を起こした。 この記事に、韓国のネットユーザーからは、 離陸準備中に飛行機で補助バッテリーが爆発 … 乗客の避難騒ぎ = ギリシャ 離陸を準備していた旅客機の内部で補助バッテリーが爆発し、乗客 236 人が避難する騒ぎが起きた。 23 日(現地時間)、ベトナムメディアによると、事故は 17 日、ギリシャのクレタ島から英国ロンドンに向かっていた英国の格安航空会社であるイージージェット航空機で発生した。 目撃者が撮影した映像には、座席から炎が広がると、驚いた乗客たちが席から立ち上がって右往左往する姿が映っていた。 炎とともに立ち上った煙は機内に広がった。 これに対し、一部の乗客は混乱に陥り悲鳴を上げた。 その後、乗客たちは乗務員の指示に従って非常口で広げた緊急脱出スライダーに乗って旅客機を抜け出した。 幸いに爆発事故でけがした乗客はいなかったが、何人かの乗客が非常口の滑り台で移動中に摩擦で火傷を負った。 旅客機に搭乗していた乗客たちは、空港で待機しなければならず、当初の日程より 9 時間ほど遅れた後、旅客機に搭乗した。 航空会社によると、当時離陸準備中だった旅客機で乗客の手荷物にあった補助バッテリーが爆発し、火災が発生した。 航空会社関係者は「わが航空会社は常に乗客の安全を最優先にしている」として「幸いに旅客機に消防隊員が搭乗していたし、乗務員も素早く対処して乗客を安全に避難させることができた」と話した。 (韓国・中央日報 = 9-26-24) 歩道の縁石に激突して発火 … 中国でも EV 火災 「深藍」SL03 中国で、電気自動車 (EV) が道路の縁石に衝突して出火するという事故があった。 中国の現地メディアによると、18 日午後 7 時 28 分ごろ、中国・長安汽車(自動車)の EV 専門ブランド「深藍」のSL03モデルから出火した。 走行中に歩道の縁石に激突して大きく跳ね上がり、その衝撃でバッテリーから火が出たとみられる。 公開された動画にも、車が突然空中に舞い上がって落下し、車の下部から火が出て運転手と同乗者が逃げる様子が映っている。 火は徐々に消えていった。 メーカー側は「歩道の縁石にぶつかって車の下部が破損し、バッテリーセル 2 個に穴が開いたため火が出た」として「自動的に冷却する設計になっているため 25 秒で火が消え、人体と財産を保護した」と説明した。 さらに「EV を発売して以降、20 万台以上が売れたが、バッテリーによる火災は一度もなかった」として EV のバッテリーの安全性を強調した。 動画を見た中国のネットユーザーらは「消火システムが搭載されているのは分かるが、火が出たという事実が問題だ」と指摘した。 (ファン・ジヒョン、韓国・朝鮮日報 = 8-27-24) 韓国で「EV 恐怖症」がまん延、中国製電池が注目集める - 独メディア 2024 年 8 月 17 日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、韓国で電気自動車 (EV) 恐怖症がまん延しており、中国製電池が注目を集めていると報じた。 記事は、韓国仁川市のマンション地下駐車場でメルセデス・ベンツの EV から出火して火災が発生し、鎮火に 8 時間がかかったほか車両 140 台が被害を受け 23 人が負傷、住民 1,600 世帯が 1 週間停電と断水にさいなまれたと紹介。 また、6 日にも忠清南道の駐車場で起亜の EV が火災を引き起こしたとした。 そして、2 件の火災とも原因は EV に搭載されていた電池とされており、現地メディアからは「EV 恐怖症」という言葉も飛び出し、韓国市民の間で EV に対する信頼が揺らいでいると指摘。 一部メーカーは EV の無料点検や値下げによって「EV 恐怖症」を克服しようとしているものの、1 - 7 月の EV 新車登録台数が前年同期比 13.4% 減という状況を早々に挽回することは難しいとの見方を示している。 また、「EV 恐怖症」のまん延と同時に、多くの自動車メーカーが使用している中国製電池に注目が集まっているとし、仁川のベンツ EV 火災も中国企業の孚能科技(ファラシスエナジー)が生産したものだったと指摘。 環境工学の専門家が「これは単発の事故ではない。 EV を買うことへの疑念が市民の間でますます募っている。」と述べたほか、ある非政府組織職員が「環境にいいからと EV を買いたがっている姉を止め続けている。 なんとか説得して諦めさせたい。」と語ったことを伝えた。 記事は、韓国政府関係者が先日自動車の安全問題に関する会議を開き、すべてのメーカーに対して情報の透明性を高め、電池サプライヤーを公表するよう求めたと紹介。 この要求に応じてメーカー側もネット上で詳細な情報を出し始めていると伝える一方で「この新しい措置は、実は欧州を含めた場所ではとっくに義務化されているものだ」とし、この点において韓国の制度化が遅れていることを指摘した。 (川尻、Record China = 8-21-24) ポルトガルの駐車場で 200 台全焼の火災 … 燃え広がる赤い炎と上空を覆う黒煙 ポルトガルの首都リスボンの空港周辺で電気自動車 (EV) が火元とみられる火災が発生し、200 台以上の車が全焼した。 現地メディアによると、レンタカー会社の駐車場で大規模火災が発生し、200 台以上の車が全焼した。 ポルトガルのある日刊紙は「火元はテスラで、ここから多くの車に燃え移った」と伝えている。 SNS に掲載された動画を見ると、黒い煙と赤い炎が上空に燃え上がる様子が映っている。 (韓国・朝鮮日報 = 8-19-24) 「消火器でも無駄」 消防隊員 49 人投入されたテスラ電気自動車火災 = 韓国 最近、韓国仁川・青羅のあるマンションで電気自動車火災事故が起き、電気自動車への関心が傾く中、京畿道龍仁市のある駐車場に駐車されていたテスラの電気自動車から火災が発生した当時の状況が伝えられた。 17 日、京畿消防災難本部などによると、前日午後 7 時 40 分ごろ、京畿道龍仁市器興区の道路に停められていたテスラ電気自動車下部から煙が出て火炎が発生した。 該当車両は充電中ではなかったが、バッテリーの過熱により火災が発生したと見ている。 社会関係網サービス (SNS) やオンラインなどには、煙が出てから火災が発生する状況が捉えられた映像と目撃談が共有された。 車の持ち主が先に消火器で消そうとするが、火種は減らずむしろ燃え広がる姿だった。 これを視聴したという A 氏は「テスラに煙が出るところから最後までみたが、あっという間に(火が)ついた」とし「車の持ち主が、煙が出た時から消火器を使用していたが役に立たなかったようだった」と伝えた。 あっという間に車両は炎に包まれ、消防当局には関連する通報がさらに 20 件余り寄せられた。 消防当局は現場に出動し、消防隊員 49 人とポンプ車など 40 台余りを投入、窒息消火蓋と移動式消火水槽を設置し消火活動を行った。 火災発生から 4 時間後の午後 11 時 53 分ごろ鎮火に成功し、人命被害は発生しなかった。 現在、消防当局は正確な火災原因を調査している。 一方、韓国政府は仁川のマンションでの電気自動車火災事故後、メーカーに電気自動車バッテリー情報を公開するよう勧告した。 テスラがこの日、国土交通部に提出したバッテリー製造会社の公開資料によると、テスラのモデル 3 とモデル Y には、LG エナジーソリューション、日本のパナソニック、中国の CATL のバッテリーが搭載されている。 モデル X とモデル S には、パナソニックのバッテリーが使用されていることが明らかになった。 テスラ側はこれについて、世界最高水準のバッテリー管理システム (BMS) を通じて電気自動車の火災リスクを最小限に抑えており、2012 年から 2022 年までの間に 1 億 3,000 万マイル(約 2 億km)ごとに約 1 件の車両火災事故が発生したと付け加えた。 (wowKorea = 8-19-24) EV 火災のバッテリーは「中国製」 ベンツ韓国法人が全モデル公開 韓国・仁川市内のマンション地下駐車場で今月 1 日に発生したメルセデス・ベンツの電気自動車 (EV) の火災を巡り、韓国法人のメルセデス・ベンツコリアは 13 日、EV の全 8 モデルについてバッテリーの製造会社を公表した。 火災が発生したのはセダンの「EQE」で、仕様によって中国メーカーの寧徳時代新能源科技 (CATL) か同じく中国の孚能科技(ファラシス・エナジー)のバッテリーが使われているが、該当の車両にはファラシスのバッテリーが搭載されていたという。 別のセダンの「EQC」には韓国のLG エナジーソリューションのバッテリーが、「EQA」には CATL と韓国の SK オンのバッテリーが、「EQB」には SK オンのバッテリーが搭載された。 多目的スポーツ車 (SUV) の「EQE SUV」にはファラシスまたは CATL のバッテリーが使われている。 「EQS SUV」と「マイバッハEQS SUV」にも CATL のバッテリーが搭載されている。 メルセデス・ベンツコリアは「消費者および市場の要求に応じて関連情報を公開することに決めた」とし「本社、関連機関、国土交通部などとの議論が完了したことに伴うもの」と説明した。 また「すべてのベンツの電気自動車バッテリー(バッテリーパック)はベンツが 100% 株式を保有する子会社で生産される」とし、「バッテリーセルは様々なメーカーから供給を受けている」と説明した。 EV 火災に対する立場も公式に発表した。 同社は「当局の調査に協力して正確な事故原因を究明するために努力している」とし「(火災事故の)根本原因を確認し、それに伴う適切な後続措置が取られるよう最善を尽くして支援している」と明らかにした。 また 14 日から全国 75 か所の公式サービスセンターを通じてベンツ EV に対する無償点検を実施する計画だ。 こうした中、国土交通部は 13 日午後、国内主要完成車メーカー・輸入販売会社と共に点検会議を開き、バッテリーメーカーの事前公開をはじめ、EVの安全に関する立場を聴取する。 これに先立ち、国土交通部はファラシスのバッテリーが搭載されたとベンツの EQE に対する点検をメルセデス・ベンツコリアに勧告した。 同社は会議の場で勧告を受け入れる意向を示すという。 またメルセデス・ベンツコリアは 9 日、同 EV 火災と関連し、人道的立場から 45 億ウォン(約 4 億 8,500 万円)を寄付すると発表した。 事故による被害の復旧などに使われる予定だ。 火災は 1 日午前に仁川市にあるマンションの地下駐車場に止まっていた「EQE」で発生した。 数日前から駐車中だった車両が突然発火。 駐車場内の車 87 台が全焼し、783 台が損傷した。 (韓国・聯合ニュース = 8-13-24) 走行中の車が自然発火、メーカー作業員は現場で発火対応より先にロゴ外し - 浙江省杭州市 中国浙江省杭州市で 24 日、走行中の車が自然発火する事故が起きた。 この事故ではメーカーの作業員が現場到着後に車のロゴを取り外すなどし、これについてメーカー側は 25 日に謝罪した。 中国メディアの毎日経済新聞が伝えた。 記事によると、走行中に火が上がったのはレンタカー会社が今年 5 月に購入した電気自動車 (EV) メーカー・北汽新能源汽車の「極狐(アークフォックス)アルファ S」で、車は配車サービス用として貸し出されていた。 事故を受けて現場に駆け付けた作業員は発火への対応より先に無断でロゴを外し、車にカバーもかけた。 その後の交渉では「せいぜい賠償ぐらい」と発言したという。 メーカー側は 25 日に出した事故に関する文書でけが人が出なかったことやバッテリーに異常はなく、燃えた形跡がなかったことを説明し、「具体的な原因は消防当局が現在調査を行っている。 結果が出たら直ちに公表する。」とした。 さらに「事故処理の過程で作業員の不適切な行為があったことで所有者や極狐に関心を寄せる人々に非常に不快な思いをさせてしまった」と謝罪するとともに、同様の問題の再発防止に向けて内部管理を強化する方針を示した。 (野谷、Record China = 7-26-24) 韓国・起亜自動車の EV が衝突後に炎上、運転手が死亡 = 韓国ネット「この程度の衝突で死ぬの? 2024 年 7 月 10 日、韓国・毎日新聞は「道路の構造物に衝突した電気自動車 (EV) で火災が発生し、1 人が死亡する事故があった」と伝えた。 記事によると、韓国・京畿道平沢市内の道路で 9 日午後 7 時 40 分ごろ、起亜自動車の EV6 が道路境界ブロックに衝突した。 警察は、事故直後に当該車両から出火したとみられると発表した。 火はおよそ 3 時間 50 分後に、通報を受けた消防当局により消し止められた。 車内からは運転手とみられる男性の遺体が見つかったという。 警察関係者は「遺体の身元を調べると同時に、詳しい事故の経緯を調査する方針」と明かした。 記事は「リチウムバッテリーは化学的反応性が高いため火災に脆弱で、連続爆発により鎮圧が難しい」、「水と接触した場合は発熱・爆発などを起こすため、乾いた砂などで消さなければならない」と説明している。 事故の映像を見た韓国のネットユーザーからは「雨でスリップしたようだ」、「EV は出火したら最後、どうすることもできない」、「この程度の衝突で火が出て死ぬの? 恐ろしい」、「大事故ではなかったのに …」、「EV は充電速度やインフラよりも、事故時の火災が一番問題だった」、「ドアが開かなくて脱出に失敗したのだろうか」、「EV のマンション内の駐車を禁止してほしい。 大規模火災が起きてからでは遅い。」、「EV はまだ駄目だ」、「タクシーに乗るときも EV は避けてしまう」などの声が上がっている。 (堂本、Record China = 7-11-24) 世界的には EV のバッテリー火災が報じられるが「日本の EV」が「燃えない」ワケ
日産リーフは火災事故ゼロ! 電気自動車 (EV) で懸念される問題として、事故などによるバッテリー火災がある。 しかし、エンジン車でもエンジン本体や燃料系統に限らず、熱の作用で排出ガスの浄化機能を果たす触媒マフラーの過熱により火災になる事例があるなど、クルマの火災は EV のバッテリーに限った話ではない。 だが、まだ普及がはじまろうとする初期段階の EV では、ことさらに事件や事故が大きく取り上げられがちだ。 そうしたなか、たとえば日産リーフで使われているバッテリーは、2010 年の発売以来、バッテリーに起因する火災は起こしていない。 いまだ、火災事故ゼロを続けている。それはなぜか? 2009 年に三菱自動車工業から i-MiEV が、続いて翌 10 年に初代日産リーフが発売されたとき、両社が使ったリチウムイオンバッテリーの正極に採用されたのは、マンガン酸リチウムという金属だった。 これは、先に実用化されてきたノート型パーソナルコンピュータ (PC) や、携帯電話/スマートフォンで使われたコバルト酸リチウムとは結晶構造が違う。 マンガン酸リチウムの結晶構造はスピネル構造といって、万が一過充電になった場合でも結晶構造が崩れにくく、短絡(ショート)しにくいので、過熱したり火災に至ったりしにくい根本的安全性に優れている。 一方、コバルト酸リチウムは、万一の過充電で結晶構造が崩れやすく、それによってショートし、過熱し、最悪の場合は火災に至る懸念が残る。 以上のように、そもそも安全性に優れた電極材を使うことで、EV の実用化と市販化を世界に先駆け実現させたのだ。 そして市販することにより、多くの EV が広く消費者の手によって使われ、充放電を繰り返し、バッテリー制御の安全基準と有効活用の限界が検証されていった。 急速充電器にもバッテリー火災を防ぐ技術が備わっている そのうえで、2 代目リーフでは一般に三元系とよばれるコバルト/ニッケル/マンガンの 3 元素を使った電極材料が使われるようになり、充電量をより多く実現し、安全と大電力の貯蔵というふたつの目的を果たした。 それができたのも、充放電の安全な制御を、マンガン酸リチウムを使いながら手の内にしたからである。 加えて、日産が採用したラミネート型のバッテリー形式は、表面積が広いため冷却性能に優れ、加熱を予防する基本性能で一歩リードする。 韓国の LG や、それを基にしたゼネラルモーターズ (GM) のアルティウムバッテリー、あるいはメルセデス・ベンツが採用したラミネート型リチウムイオンバッテリーなど、いずれも安全性が高いはずだ。 一方で、テスラは、PC などで使われた汎用のリチウムイオンバッテリーで、モデル S を成り立たせた。 路面で床下を打つなど、事故による火災の事例がなくはないが、汎用リチウムイオンバッテリーで市販 EV を成り立たせた背景には、日産などがマンガン酸リチウムを採用しながら慎重に充放電制御を検証したことに通じる知見を、1990 年代からベンチャー企業などが積み上げてきたという歴史的背景がある。 バッテリーの安全管理は、バッテリー技術はもちろんながら、制御技術が大きなカギを握る。 また、国内においては、急速充電の CHAdeMO が、充電用接点のほかに充電器と EV とで交信するための通信専用接点を備え、充電中も安全を確認していることも見逃せない。 急速充電と普通充電をひとつのコネクターで済ませる欧米の CCS (コンバインド・チャージング・システム)方式は、通信専用の接点をもたないので、充電中は充電状況を車両とやり取りしにくいため、充電中によるショートや火災などが発生した事例がある。 (御堀直嗣、Web Cartop = 7-6-24) |