ジル・サンダーとユニクロの協作「+J」復活の意味

ユニクロと世界的デザイナー、ジル・サンダーとのコラボレーションライン「+J (プラスジェイ)」が 9 年ぶりに復活し、11 月13 日から発売された新作が大きな評判になっている。 東京・銀座や名古屋、札幌、福岡などの主要旗艦店では行列ができたり、即日でほぼ完売の状態となったりしたほどだ。 自宅近くの東京・仙川の大型店に当日午後から出かけてみたが、T シャツなどがかろうじて少し残っていただけだった。 この人気ぶりはなぜなのか?

+J が最初に登場したのは、2009 年 10 月。 ユニクロの大型旗艦店「パリ オペラ店」が 1 日にオープンし、オペラ座近くの高級カフェでも +J のマークが入った大きな買い物袋を置いた富裕層と思われる女性たちの姿を数多く見かけてビックリした。そんなクラスのマダムたちはヒートテックのインナー類はともかくとしても、アウター用のコートやジャケットなどは買わないと思っていたからだ。

ジル・サンダー(本名、ハイデマリー・イリーネ・ザンダー)は 1943 年、ドイツ生まれ。 学校ではテキスタイルを学び、続いて交換留学生としてアメリカのロサンゼルス大学で 2 年間過ごし、その後は女性誌のファッションジャーナリストとして活躍。 しかし、やがてファッションを伝える側から作る側を志すようになり、フリーのファッションデザイナーとしての活動を開始。 68 年、ドイツ・ハンブルクにブティックを開き、自身のブランド「ジル・サンダー」を設立した。

パリで作品を発表したもののあまり理解されなかったが、87 年にミラノ・コレクションに参加した頃から人気が急上昇。 世界的なトップデザイナーと見なされるようになった。 ジルの作風は、余計な装飾や色使いを徹底して省き、それを超高級素材とイタリアの高い縫製技術、シャープなカッティングで表現するのが特徴だった。 結果的に服は超高価になったが、そのシンプルな表現は、80 年代の好景気を背景にした装飾的で豪華なスタイルから世界的な不景気に転換し始めた 90 年代のミラノを中心に広がった、ミニマルな表現を先取りしたものだった。

しかし価格にこだわらずにあくまで自身のスタイルを追求したため、ジル・サンダーは経営不振に陥って 99 年にプラダグループに買収され、2000 年秋冬コレクションを最後に、ジルはジル・サンダー社の社長とデザイナー職を辞任することになり、ジル・サンダーのブランド名も使えなくなった。 その後、再びデザイナーとして呼び戻されたが、プラダグループに限らず投資家の利益を優先してコスト削減を進める方針とはやはり相容れず、間もなく職から離れて、いったんはデザイナー引退を表明した。

そんな強い抵抗精神から「鉄の女」とも呼ばれた。 だが、プラダグループにカムバックした時にパリで開かれた記念パーティーで見たジルのとろけるような笑顔を見て、この人は服を作ることが本当に好きなんだなと感じたことを思い出す。 彼女の服作りの根底には、シンプルな形は着る人によって多様な個性を引き出すとの考え方があるのだと思う。 +J はその姿勢が、時代の大きな曲がり角を迎えた今、新たな展開のチャンスになったに違いない。

今回の新作はレディース 32、メンズ 25、グッズ 4 の計 61 アイテム。 アウターは、男女ともに展開するハイブリッドダウン、メンズのリブブルゾン、ウィメンズのカシミヤブレンドチェスターコートなど、どれもほどよいボリュームで美しいシルエットが特徴だ。 セットアップにもなるテーラードジャケットとパンツは、一見では紙のようなウールの素材感がある。 オーバーサイズシャツは白、アイボリー、黒に遊び心のある差し色が効果的に使われている。

価格帯は、たとえばアウターが 7,900 円から 24,900 円、カットソーが約 1,990 円から 4,990 円(いずれも税別)といったところだ。 今回のラインについて、ジルは「衣服とは、長く着ることができ永続的なものであるべきだとして、「現代のグローバルユニフォームとなり得るコレクションを創りました。 衣服は身に着ける人のためにあり、着る人誰しもにエネルギーと自信をもたらすものです。 それこそが、現代において求められる服の役割だと信じています。」とコメントしている。

彼女の作風は、「装飾を省いた機能美こそ美しい」と言ったドイツ工作連盟や、ウイーンの分離派、1920 - 30 年代に一世を風靡したバウハウスなどのデザインの影響があることは否定できないだろう。 そうしたデザイン運動の考え方の基は、現代では行き詰まってしまった合理性や画一性とは全く違うものだった。

前回の +J は 2011 年まで 5 シーズン続いたが、今回は、今後の展開は未定だという。 グローバリズムが広がり経済的な二極分化が進み、特に先進国でも若い世代の服への出費が少なくなっている。 そんな中で、今回の +J の新作が若者たちにファッションの楽しさやときめき感を少しでも呼び起こさせたとすれば、それだけでも歓迎するべき大きな出来事と言える。 その先に、未来の服のあり方への示唆が潜んでいると思えるからだ。 (上間常正、asahi = 11-27-20)

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宮沢りえ、ユニクロ 「+J」 でシックな冬のパンツコーデ 丸みショートで大人可愛く

女優の宮沢りえさんが 11 月 12 日にオンラインで開催された「+J 2020 年秋冬コレクション」記者発表会に出席。 「+J」はユニクロと世界的なファッションデザイナーのジル・サンダーさんによるコレクションで、宮沢さんは同コレクションのアイテムを使ったシックな冬の着こなしで登場した。

宮沢さんは、同ブランドの「シルクギャザーブラウス」に「ウールスリムパンツ」を合わせたブラックコーデに、ネービーの「カシミヤブレンドチェスターコート」を羽織った、シックなワントーンコーデ。 ショートヘアは丸みのあるシルエットに仕上げ、落ち着いたコーデに大人可愛い雰囲気をプラスしていた。

「+J」は 2009 年に初めてコラボし、2011 年に惜しまれつつ終了したコレクション。 9 年ぶりに復活した今回はウイメンズ 32 アイテム、メンズ 25 アイテム、グッズ 4 アイテムの展開で、価格は 1,990 円 - 2 万 4,900 円。

宮沢さん着用アイテムの価格は、「シルクギャザーブラウス」が 8,990 円、「ウールスリムパンツ」が 9,990 円、「カシミヤブレンドチェスターコート」が 2 万 2,900 円(い ずれも税抜き)。 11 月 13 日発売で、フルラインアップはユニクロ 48 店舗とユニクロオンラインストアで販売予定。 (毎日キレイ = 11-12-20)

ユニクロ (UNIQLO) とデザイナーのジル・サンダー (Jil Sander) 氏によるコラボコレクション「+J」が 13 日、世界各国の店舗とオンラインストアで発売された。 両者は 2009 - 11 年の間にも 5 シーズン継続してコラボコレクションを発表していたが、今回 9 年ぶりの販売となった。

アイテムは、ウィメンズに袖の短いパファーダウンやメリノウールを使用したカーディガン、スタンドカラーのストライプシャツなどをそろえた。 メンズのルックには、オーバーサイズのワークジャケットやダウンブルゾン、チノパンなど。

サンダー氏はドイツ出身のファッションデザイナーで、1968 年に自身のブランドをスタート。 ミニマリズムなデザインが人気を獲得した。 その後同ブランドを 13 年に去り、ファッション業界での活動を休止していた。 17 年にはフランクフルトの応用美術博物館で回覧展が開催された。 (WWD = 11-13-20)


鶴岡産シルク、すてきでしょ? 高校生、ファッションショーなど展開

鶴岡市内の高校生が地元の伝統産業のシルクをテーマにした活動を発表する「シルクノチカラ 2020」が 22 日、同市の荘銀タクト鶴岡(市文化会館)で開かれ、自作のドレスを披露するファッションショーなどが繰り広げられた。

ショーを行ったのは鶴岡中央高総合学科家政科学系列被服系の 2、3 年生 29 人。 「シルクガールズコレクション」として自らモデルとなり、鶴岡産シルクを素材としたウエディングドレスなど多彩な衣装でステージを彩った。

プロジェクトリーダーの 3 年、斎藤琳(りん)さん (17) は「新型コロナウイルスによる休校で短い準備期間になったが、団結して良いステージにできた」と充実感をにじませた。

鶴岡工業、鶴岡南、鶴岡中央の各高校の生徒もシルクチーフの製造、養蚕の自動化と効率化、絹タンパク質の抽出、蚕の絵本・紙芝居作りの研究発表を行った。

同市の日本遺産「サムライゆかりのシルク」とシルクの魅力・可能性に触れ、新たなまちづくりを考えようと、鶴岡「サムライゆかりのシルク」推進協議会(会長・皆川治市長)が第 1 回の昨年に続いて開き、約 400 人が来場した。 (山形新聞 = 11-22-20)



18 世紀からメラニア夫人まで! 歴代米ファーストレディのファッション変遷

ファッションアイコンのジャクリーン・ケネディと物議を醸すメラニア夫人、あなたの好みはどちら?

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ファッションの影響力は絶大。 特に、日常的に注目を集めるファーストレディにとっては最重要項目の一つ。 長い歴史の中で、ファーストレディたちはレースのドレスやローカットのトップス、またはパンツスーツを着用してアメリカの人々とコミュニケーションをとってきた。 うまくいけば、ファーストレディは自身のファッションにメッセージを込めることもできるが、一歩間違えれば大炎上につながることも …。 そんな彼女たちのファッション史をおさらいしよう。 (Bianca Rodriguez、Bazaar = 11-6-20)


コロナ、川久保玲が語ったこと

この秋、パリや東京など世界中で開かれたファッションショー。 これまでのランウェイで見せるショーに代わって、多くのブランドがオンラインで作品を発表するなど、新型コロナウイルスの影響で様変わりしました。 未曽有の厄災の中で作品作りにあたった日本のデザイナーたちは、どう試行錯誤し、何に挑戦したのか。 そして、作品にはどんな思いを込めたのか。 世界のファッション界をリードしてきた日本のブランド「コム デ ギャルソン」のデザイナーの川久保玲さん、そして日本の若きデザイナーたちに思いを聞きました。 (科学文化部記者 富田良/チーフ・プロデューサー 小川徹)

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コロナ禍で開かれたファッションショー

10 月 19 日、都内のビルの一角でひっそりと開かれたファッションショー。 新型コロナウイルスの感染防止のため、会場に入れるのは招待された 20 人ほどの関係者のみ。 従来のファッションショーとは全く違う光景ながらも、会場には期待と緊張が入り交じった雰囲気が漂っていました。 ショーを主催したのは、日本を代表するファッションブランド「コム デ ギャルソン」。 世界のファッション界をリードする存在として、およそ 40 年にわたって毎年パリコレクションで新作を発表してきましたが、ことしは新型コロナウイルスの影響で参加を断念。 その代わりに東京で開いたのが今回のショーでした。

赤く照らされたライトの下、ノイズ音とともにランウェイにモデルたちが姿を現しました。 身にまとっていたのは、目のモチーフがランダムにプリントされたドレスや、透明な素材をベースに使った独特のかたちのドレス。 15 分間のショーで発表された 20 点の新作に見られたのは、伝統的なスタイルやテクニックに、ディズニーやベアブリックといったキャラクターを組み合わせるなど、アンバランスとも言えるデザインでした。 ショーのあとに明らかにされた、今回の作品のテーマ、それは「不協和音」でした。

拍手とともにショーが終わると、ステージ袖に 1 人の女性が姿を現しました。 作品のデザイナーであり、「コム デ ギャルソン」の社長を務める、川久保玲さん (78) です。 1969 年にブランドを立ち上げ、1981 年には世界で最も有名なファッションの祭典、パリコレクションに初めて参加。 当時のファッション界ではタブーとされていた黒色を基調とし、穴があいてぼろぼろにも見える服を発表して世界を驚かせ、「黒の衝撃」と呼ばれました。 その後も、腰や肩にこぶのようなものがついたデザインのドレスなど、これまでの美の概念を超え、新たな価値観を提示する川久保さんのデザインは、その革新性が世界から高く評価されてきました。

「不協和音」をテーマに選んだ理由

常に新しいものを生み出してきた川久保さんが、コロナ禍の今、作品を通じて何を伝えようとしたのか。 テレビメディアの取材にほとんど応じることのなかった川久保さんに、今回、ショーの合間の 10 分間、取材に応じてもらうことができました。

Q. テーマに「不協和音」を選んだ理由は?

「シルエットなりデザインの方向としてはクラシックなんですね。 シルクとか刺しゅう、レースとかきれいなものに対して、コミックやディズニーなど相反するものを材料としてぶつけることで、不協和音を生むことをねらいました。 不協和音が生じる時は普通ネガティブに考えますが、今回はそれとは逆で、ぶつかった時にパワーやエネルギーが生まれる、それをテーマとしました。」

川久保さんが語った "不協和音" で生み出すパワー。 新型コロナウイルスの感染拡大で不安や混乱が広がる現代社会に投げかける強いメッセージがありました。

「問題提起というか、こういう状況の中で、萎縮したり何もしなかったり諦めたりするのではなくて、こういう時だからこそ新しいものづくりをしたいと思うし、見ていただきたいと思います。 やはりクリエーションは大事だと思います。 それが前へ一歩進むためのエネルギーになって、状況をいい方向にもっていけるんじゃないかと思います。 ハングリー精神とよく言いますよね。 今、厳しい立場におかれているのはハングリーなんですが、思うようにできないことを乗り越えることが、パワーや力を生むと思います。」

世界をリードし続けるために

川久保さんはデザイナーとしてだけでなく、およそ 1,000 人の従業員を抱えるブランドの社長として、経営面にも力を入れています。 各店舗のレイアウトや商品の配置などにも川久保さんの意見が反映されているといいます。 店舗を訪れた客に話を聞くと、誰もが、川久保さんの作品からさまざまな力を受け取っていると話しました。

「ファッションの力を感じとれるというか、川久保さんのデザインってすごいなって心から思います。(30 代男性)」
「私にとっては、よろいじゃないけど、着させてもらって自分が強くなる。 仕事の時の戦闘服のような時もあった。(50 代女性)」
「このクリエーションをまとうことによって新しい自分になるというか、すべてのクリエーションの源みたいなものです。(ファッション誌編集長)」

川久保玲さん 仕事への原動力は

78 歳になった川久保さん。 新型コロナウイルスの感染拡大で外出の自粛が言われた中でも、1 日も手を休めず、毎日、早朝から夜まで創作に取り組んでいます。

「自分の日々毎日を、新しいことを探すことで、それだけですね。 何もできない。 ただ、自分の毎日を一生懸命新しいことを探すことで結果につながるといいなと思っています。 満足することはないです。 だから前へ行くことになると思います。」

新型コロナウイルスの影響で厳しい状況に置かれる人も多くいる中、前向きに生きるためにはどうすればいいのか聞くと。

「自分自身で前を向くこと。 それが結果、いいほうに向かうことになると思う。 1 人 1 人がそういう気持ちになればね。 皆さんがそれぞれ希望を持てば、それが大きな希望になるんではないでしょうか。」

どんな状況でも決して立ち止まらない、諦めてはいけない。 妥協を許さず、常に前へ進み続けてきた川久保さんのメッセージです。

若い世代のデザイナー 試行錯誤と挑戦

ことし、川久保さんとともに長年世界で活躍してきた、山本寛斎さんや高田賢三さんという日本のトップデザイナーが相次いで亡くなりました。 川久保さんのショーが行われた 10 月中旬、次の世代を担う日本の若手デザイナーが「ファッションウィーク東京」で作品を発表していました。 多くの作品の制作期間は、ちょうど 4、5 月の緊急事態宣言下。 若手デザイナーたちは、ファッションという自分たちの仕事の意味を見つめ直しながら挑戦を続けていました。

デジタルとリアルの融合

目立ったのが、オンラインでの作品発表の特徴を生かしたものでした。 「ダブレット」は、ごく少人数の観客を招いたショー会場から、事前に撮影したゾンビの短編映像を配信、映像終了後に特殊メイクでゾンビにふんしたモデルが会場に現れ、新作の服を披露しました。 「デジタル」と「リアル」を融合するコンセプトです。

新たなシーズン感

新たなシーズンの考え方を提案したのは、「タクタク」のデザイナーの島瀬敬章さん (35) です。 これまでショーでは、秋には翌年の春夏の服を発表することが前提でしたが、今回のテーマは、ウィンターとサマーの両方。 春夏の服なのに、コートやマフラーなど秋冬に多く見られるアイテムも発表され、それをショートパンツやタンクトップと合わせる提案を行いました。 春夏物の服が店頭に並ぶ 1 月には、まだその服が着られないという現状に対して違和感を感じていた島瀬さん。

「服を着たくても着られないという気持ちが、外に出たくても出られない。 人と会いたくても会えないという緊急事態宣言下での気持ちと重なり合い、今回の発想につながった。」

持続可能なファッション

また、「サステイナブル」という言葉を使って表現するデザイナーも数多くいました。

服を大量生産、大量販売し、大量に廃棄するという現在の服作りの常識を変えようという試みで、コロナ禍で大量の売れ残った服を前に、これまで当たり前とされてきた業界の慣習を問い直す動きが加速しています。 「リト」は、服を 1 シーズンで終わらせるのではなく、前のシーズンや次のシーズンのアイテムとつなげて着られるシリーズを発表。 ボタンとひもを使って、シャツにキャミソールを重ね着したり、自由にポケットを付けたりするなど、流行やシーズンに合わせるのではなく、過去の服を着ても色あせることなく、長く着てもらうためのデザインと素材開発に取り組みました。 背景には、デザイナーの嶋川美也子さんの緊急事態宣言下での思いがありました。

「洋服は常に新しいデザインばかりを生み出し、流行の波に乗っていないといけないのだろうか … そもそも、コロナがずっと続けば、流行の定義がなくなるのではないか …。」

嶋川さんはこうした取り組みをさらに進め、今後は、衣類に使った繊維を土として再利用するなど、循環型のものづくりを目指したいとしています。

人間の手作業を見直す

「ドレスドアンドレスド」のデザイナーの北澤武志さん (38) は、緊急事態宣言下で仕事がストップし、「自分たちの仕事は不要不急なのか」という不安にさいなまれながら、「今できることは何か」を必死に考えたといいます。 彼がスタッフとともに始めたのは、みずからの手を動かし、前シーズンに発表した服に糸やボタンで装飾することでした。 1 着のジャケットを仕上げるのに 240 時間。 1 点 1 点、憑かれたように装飾を施していきました。 できあがった服はオンラインで発表され、好評を得ました。 ブランド設立から 11 年間、これまでシンプルな服を中心に発表してきた北澤さんですが、そこに緻密な手仕事が加わることで、自分たちの作り出す服の新たな魅力が見つかったと言います。

取材を通して

半年ごとに大量のコレクションを作り出すという、ものすごいスピードで動いてきたファッションの世界。 近年はそれぞれのシーズンの前にプレコレクションを発表するブランドも増え、そのスピードはさらに加速していました。 そこに冷や水を浴びせたのが、新型コロナでした。 ちょうど社会が消費社会へと大きな転換を遂げようとしていた 1980 年代に、日本からファッションの革命をもたらし、その後も世界の一線を走り続けている川久保さんがコロナ禍で発した「もの作りのパワー」という言葉。 そして、コロナ後という大きな転換期に向かってさまざまな模索を続ける若いデザイナーたちの言葉。 その中に日本のファッションの未来への手がかりがあるように感じました。 (NHK = 10-29-20)


昭憲皇太后のドレス、進む修復 「謎を解き明かす作業」

明治天皇の皇后だった昭憲皇太后が身につけていたロングドレス「大礼服」の修復作業が進んでいる。 海外で作られたと考えられてきたが、修復の過程で、日本人の手が加えられたことをうかがわせる発見も。 修復途中のドレスは 17 日から明治神宮ミュージアム(東京都渋谷区)の「明治神宮鎮座百年祭記念展 明治神宮の鎮座」で展示される。

昭憲皇太后のドレスは、皇族や公家などの女性が出家して暮らした尼門跡寺院の大聖寺(京都市)で保管されてきたが、ドレスの裏地には、明治 44 (1911) 年に昭憲皇太后から同寺に寄付されたことを示す墨書が残っている。 同寺の乾亮文(りょうぶん)尼僧によると、当時の門主が昭憲皇太后と交流があったという。

ドレスはこれまでも展覧会で一般公開されたことはあったが、近年傷みが激しくなり、2018 年から修復作業が始まった。中世日本研究所(京都市)のモニカ・ベーテ所長が研究修復復元プロジェクトの実行委員長を務め、明治神宮国際神道文化研究所などが協力機関として名を連ねる。 関係者によると、上皇后美智子さまも文化の保護の観点からプロジェクトに関心を寄せているという。

ベーテ所長によると、ドレスは、袖のスタイルなどから、明治 21 - 23 (1888 -90) 年ごろの仕立てとみられる。 文献などから、ドレスはドイツで作られたと考えられていたが、修復でドレスの裏地をはがした時、トレーン(引き裾)に施された刺繍の裏側から漢字が記された補強材の和紙が見つかり、刺繍は日本で施されたことがわかったという。

ドレスの生地についても「謎」があるという。 昭憲皇太后は絹産業を奨励したこともあり、生地は日本製と考えられている。 だが、専門家からは、ドレスの生地はジャカード織機を使ったような複雑さがあるが、当時の日本で使われていたジャカード織機で織るのは難しいという見解が示された。 ベーテ所長は「ドレスの修復は、ドレスが作られた時代背景を理解することにつながる。 謎を一つひとつ解き明かしていく作業」と語る。 米国や英国などの染織研究者らもドレスに興味を示し、その知見が修復作業にいかされているという。

修復作業は、桃山時代の着物など、国の重要文化財の修復を多く扱う染技連(京都市)が担う。 刺繍の修復では、外れた糸を補強すると、続けて別の糸が外れることがあり、慎重に作業を進めている。 矢野俊昭社長は「しみも含めて今のまま悪くならないように、いかに次の世代に伝えられるかが使命」と語る。 記念展の問い合わせは明治神宮ミュージアム (03・3379・5875) へ。 (asahi = 10-14-20)


バレンシアガ、暗いパリの街をサングラスで闊歩

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バレンシアガは 2021 年夏プレコレクションを映像で配信した。 主にユニセックスのアイテムを着た男女のモデルが、暗いパリの街をサングラスをかけて闊歩するという設定。 通常であれば、ファッションウィークで大勢のファッション関係者が急ぎ足で歩き回るパリのリボリ通りやコンコルド広場、セーヌ川沿いなどでロケされた。

新作は、部屋着やストリートウェアをバレンシアガらしいボリューム感や意外性のある素材使いで再構築したものが多い。 ぶかぶかのライン入りのトラックスーツやシルクのパジャマスーツ、半身を光沢のあるフォーマルな生地で仕立てたスウェットパンツなど。 T シャツの胸には、地球が「アイ・ラブ・ユー」と言っている、子供が描いたような絵や、溶けかかったような表情のスマイルマークなどユニークなモチーフがのせられた。

ブランドによると、このコレクションに使用された無地の素材の 9 割以上がサステイナブル(持続可能)の承認を得たか、アップサイクル(廃材を単に再利用するリサイクルではなく、新たな価値を加えて生まれ変わらせること)されたものだという。

背景に流れる音楽は、カナダ出身のロック歌手コリー・ハートの「Sunglasses at Night」のカバー曲。 サングラス姿で夜の街をひたすら歩くモデルの姿とあいまって、コミカルで軽快なイメージを作っている。 デザイナーはジョージア出身のデムナ・ヴァザリア。 (編集委員・高橋牧子、asahi = 10-12-20)


くつろげる日常をめざして 21 年春夏ミラノ・コレクション

2021 年春夏ミラノ・コレクションが 9 月下旬に開催された。 映像や無観客での発表が多い中で、参加ブランドの 3 分の 1 の約 20 ブランドが観客を入れた従来のショーを行った。 多くのブランドが実用的でゆったりめのシルエットや明るい差し色を用い、コロナ後の未来への希望を感じさせた。

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自国の文化をみつめ、温かみ

イタリアでもコロナ禍により、大量消費やスピード社会から、質の重視やスローライフ的な方向に移行している。 人々の関心が身近な世界に向いている現状を反映し、自国の職人技や文化に重きを置くブランドが目立った。

これまでパリで発表していたヴァレンティノは今回、創業者の母国イタリアでショーを行った。 同ブランドが持つオートクチュールの職人技を生かしたデザインを披露。 切り紙細工風の技を用いたジャケットやフリルのシャツ、花柄のドレス …。 自由な視点で組み合わせて自分らしさを表現しては、という提案が見られた。

ドルチェ & ガッバーナは、デザイナーの 1 人の出身地、伊シチリア島に多くの文化が混在するイメージをパッチワークで表現し、手仕事をたたえた。 古い生地も活用し、島にゆかりのあるカラフルなモチーフが全身に使われている。 マックスマーラはイタリアを起源とするルネサンスをテーマに、当時の絵画に描かれた衣装風のディテールや色を多用した。

快適さやリラックス感を求める実用的なデザインも増えた。 フェンディはテーブルクロスなど家庭用リネンにみられる刺繍などの職人技をふんだんに使った。 白を基調として軽く、全体的に肩の力を抜いた雰囲気や温かみが漂う。 観客を招いて展示会を開いたブルネロ・クチネリも、家で過ごすような、くつろぎを重視した作品を展開。 上質な自然素材で着心地の良さを追求した。

サルヴァトーレ・フェラガモは、シンプルなデザインの洋服に黄や赤など刺激的な色が映える。 映画監督アルフレッド・ヒチコックの作品から大胆な色使いを取り入れたという。 一方、自粛生活の反動からか、旅への憧れをうたうブランドも。エトロはイタリア人が愛してやまない海にちなんだ色やディテールの上品なマリンスタイルを提案した。

そして、日本人デザイナーの健闘も。 エミリオ・プッチでは、トモ・コイズミ(小泉智貴)が一部の作品群で協業した。 得意とするフリルを重ねた立体感のあるドレスなどが好評だった。 アツシ・ナカシマ(中島篤)は、袴や着物風など和のイメージを生かした作品を東京・増上寺で撮影し、デジタルで披露した。 (ファッションジャーナリスト・田中美貴)

デジタル模索、操り人形ショーも

無観客のショーや映像の配信など、デジタルの可能性を探る動きもあった。 ミウッチャ・プラダが手がけるプラダはかつてジル・サンダーなどを手掛けた人気デザイナーのラフ・シモンズが加入し、共同でデザインした初のショー。 ユニホームから着想を得た服を着たモデルが歩いた。 装飾は少ないが、絶妙な量感や澄んだ明るい色が爽やかなフェミニンさを際立たせた。 テーマは「対話。」 ショー後、2 人のデザイナーが、世界中から募った質問に答える模様も配信した。

モスキーノは操り人形にミニチュアの新作を着せて歩かせ、観客席にもいつもショーで最前列に座る常連そっくりの人形を並べた。 作品は、一見エレガントだが、裏と表を逆にしたようなドレスなど。 「世界が一瞬のうちに反転したコロナ禍の世界」がテーマだ。 ジョルジオ・アルマーニは無観客でのレディースとメンズのショーを配信。 いずれも淡い色や柔らかい生地をゆったりと仕立てた。 デビュー当時からの作風を現代的に再解釈したという。 (編集委員・高橋牧子、asahi = 10-8-20)


アルマーニ、時代を超越 新しいモダニティとエレガンス

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「モードの帝王」と呼ばれるミラノファッション界の大御所ジョルジオ・アルマーニ。 今回は、「Timeless Thoughts (時代を超越する想(おも)い)」をテーマに、レディースとメンズの 2021 年春夏作品を無観客でのランウェーショーで発表した。 アルマーニは 2 月のレディースのミラノ・コレクションで、新型コロナの急激な感染拡大を受けて急きょ、ショーを無観客での開催に変更。 7 月のミラノ・デジタルファッションウィークには参加していなかった。

新作のレディースは短め丈のジャケットと太めのストレートパンツなどアルマーニらしいスタイルが主流。 メンズもゆったりとしたシルエットのスーツや幾何柄プリントのシャツなど。パンツはローウエストで股上が深く太め。 いずれもベージュやグレーなど優しい中間色や、柔らかく心地よさそうな生地、体を動かすと揺れる流動的なラインなどデビュー当時から続くアルマーニの作風を現代的に解釈したデザインだった。

ショーに先駆けてアルマーニは「私は新しいモダニティ、新しいエレガンスの概念を作りたかった」とコメントした。 加えて、「状況が刻々と変化し、何が起こるか誰にもわからない中でそれに取り組むのは、決して簡単なことではなかった。 ただ、私が言えることは、大きな変化を起こすことから始め、自分のスタイルの核心は大事にしながらもいくつかの要素に手を加え、エレガンスを表現する新しい方法を見つけたということ。」と述べた。 今回のショーは初の試みとして、現地イタリアのテレビ番組でも同時放映されたという。 (編集委員・高橋牧子、asahi = 9-28-20)


イタリアの夏、エレガントなマリンスタイル エトロ

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エトロは、2021 年春夏のレディースコレクションをショーで発表した。 海に行きたくなるような、開放的で陽気なスタイルを披露した。 テーマはまさに「イタリアの夏」。 青、白、赤の 3 色やロープ模様を用いた、エレガントなマリンスタイルを見せた。 ショートパンツや、足首にアクセントをつけたフラットサンダル、つばの大きな帽子など、リゾート気分を誘うアイテムがたくさん。

シャツとベストというトラッドな組み合わせも、おなかが見えるほど短い丈にすることで新鮮だ。 ブランドを象徴するペイズリー柄のシャツや、スカーフのような柄のドレスも。 黄色や緑、オレンジなど鮮やかな色を基調に、様々な柄を使いながらも優美にまとまっていた。 (神宮桃子、asahi = 9-25-20)


パッチワーク満載、ドルチェ & ガッバーナらしい華やかさ

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ドルチェ & ガッバーナは 2021 年春夏レディースのコレクションを披露した。 会場は、ミラノ市内にあるブランド自前のシアター「メトロポール」。 いつもはむせ返るほど満員になる観客席は、新型コロナの感染対策のための収容人数制限で、空席が目立った。 しかし、パッチワークという一つの手法を様々に駆使して、ドルチェ & ガッバーナらしい華やかさがさく裂したコレクションをみせた。

会場のランウェーやステージの壁、観客席も花柄や水玉、建物のタイルのような模様などのパッチワークの柄で覆われた。 新作もパッチワークのオンパレード。 かっちりとしたサルトリア・テーラリング(イタリアの伝統的な仕立て技術)のパンツスーツや、肩から胸にフリルを盛ったフェミニンなドレス、パジャマスーツ、ダメージデニムやモノクロの市松状のアイテム、ほっそりと足に沿うロングブーツまで生地をつぎはぎしたパッチワークが施された。 ひまわりやバラなどドルチェ & ガッバーナが得意とする花柄もパッチワークでミックスされた。

フィナーレには、デザイナーのドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナもパッチワークのようなマスクをつけて登場し、ほほ笑みを誘った。 (編集委員・高橋牧子、asahi = 9-24-20)


ルイ・ヴィトン、モスキーノなど多くのファッションブランドはなぜアニメに夢中なのか
日本発のアート、アニメは今シーズンの隠れたトレンドのひとつ

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マリー・アントワネットはフリルで死後 200 年以上経っても多くのランウェイに足跡を残してきたが、2020 - 21 年秋冬コレクションでモスキーノのジェレミー・スコットがロココ王朝風のコレクションを発表したとき、そのアントワネットはどこか違って見えた。 お約束のリボンやラッフルと並んでいたのは、漫画と呼ばれる日本のコミックと劇画世界の聖典『ベルサイユのバラ』にインスパイアされたモチーフだった。

「僕は子供の頃、日本語を学んでいて、16 歳のひと夏、日本で暮らしたんだ」と、『Town & Country』に語ったジェレミー。 「日本語スキルを上達させる方法のひとつとして漫画を読んでいたから、自然にアニメが僕のインスピレーション源になった。」 それで、「アニメ・アントワネットが誕生した」というわけだ。

ファッションの 1 年が終わりに近づこうとしている今、ヴァージル・アブローやラッパーのメーガン・ザ・スタリオンといった現在活躍中のもっとも冒険好きなインフルエンサーが支持していることで、日本のアニメというハイアートが、秘かなテーマ(裏テーマ)のひとつになるかもしれない。 崇拝されるスタジオ・ジブリの作品が HBO Max でストリーム配信されることもあり、この豊かな伝統を持つクリエーションがすぐにメインストリームから消えてしまうことはなさそうだ。

なぜスタジオジブリは、いつだって最強のフェミニスト映画となりえるのか

「漫画の未来は明るい」と、昨年、日本国外では最大となる漫画展のキュレーションをしたニコール・クーリッジ・ルマニエールは言う。 同展は 2019 年に行われた大英博物館の展覧会の中でもっともビジター数が多かった。 「漫画がなければ、ファッションが発明していなければならなかったでしょう。」

豊かなビジュアルと文章に定義づけられる漫画のストーリーテリングの手法は、12 世紀に遡る古い日本のアート、物語絵巻から派生したもの。 1920 年代には新聞や雑誌に連載されて人気が本格化した。 それから 100 年後、漫画は美術品やゲーム、そしてもっとも顕著には漫画の動くバージョンであるアニメにわたって、10 億ドル規模のビジネスになっている。

ジブリの創設者たち(2003 年に『千と千尋の神隠し』でアカデミー賞を受賞したプロデューサーの鈴木敏夫や監督の宮崎駿など)は、日本のアニメ界にとって、フランスのロココ時代にとってのヴァトーやブーシェ、フラゴナールと同じだ。 が、今年になるまで、彼らは豪華な作品を配信するのを拒否していた。

プラダやグッチなど、ファッションピープルがアニメを支持してきたのは偶然ではない。 2016 年春コレクションのショーで、ルイ・ヴィトンのニコラ・ジェスキエールはクラシックなカルト作品『新世紀エヴァンゲリオン』を多くの人々に紹介した。 後に彼は、キャンペーンにビデオゲーム『ファイナルファタジー』のキャラクターを起用。

その 1 年半後には、ショーのオープニングに長年にわたるディストピアアニメの人気作品『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』のテーマソングを使用した。 今年、NY のデザイナー、サンディー・リアンは秋コレクションのルックをアニメの目で覆い、メーガン・ザ・スタリオンはアニメ配給会社 Crunchroll とのコラボで商品発売を開始した。

ルイ・ヴィトンでは、メンズのアーティスティックディレクター、ヴァージル・アブローが 2021 年春コレクションの一部として多彩な活動をするアーティスト、レジー・ノウの協力を得て、短編映画用の一連のキャラクターとアニメを作り出した。 レジー・ノウは自分を「アニメ教」の伝道者と呼んでいる。 「しばらくずっと追求してきたことなんだ。 世界がやっと追いついてきたと言っていいと思う。」

そんな情熱ははっきりと主張するべきだから、当然、デザイナーたちはそのために必要不可欠なワードローブを提供しているというわけだ。 (Chloe Foussianes、Bazaar = 9-19-20)

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2020 北京ファッションウィーク開幕

2020 北京ファッションウィークが 15 日から、「光を追う」をテーマに、王府井歩行者天国、隆福寺文化会館、首都鉄鋼工場旧跡パークなど、首都北京のランドマークで開催されています。 北京ファッションウィークは今年で 5 年目となり、国内外から 200 以上のファッションブランドによる 80 以上のショーが、実際の会場とオンラインとの両方の形で行われます。 また、今年から北京ファッションウィークは正式に全国の文化センター構築を目指す 15 ヵ年計画」に盛り込まれました。 期間中、2020 北京ファッションサミットフォーラムも開かれ、「ファッションブランドのデジタル革新」について議論されます。 今回のファッションウィークは 9 月 22 日まで続きます。 (Lin、謙、CRI = 9-17-20)


【TGC2020AW】 福原遥、70年代テーマのファッションで登場
画面越しの声援に感謝

女優の福原遥が 5 日、さいたまスーパーアリーナで開催された『第 31 回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2020 Autumn/Winter』に出演した。 1970 年代をテーマにしたファッションで登場した福原。 茶色のワンピースに帽子もかぶり、等身大の 22 歳を表現した。 福原は「携帯で見ていたんですが、コメントも見て温かい気持ちになりました」と画面越しにいるファンの声援に感謝していた。

(画像は左右にスライドしてください。)

『日本のガールズカルチャーを世界へ』をキャッチコピーに 2005 年 8 月から年 2 回で開催された TGC は、今回で 31 回目。 白石麻衣(乃木坂 46)、池田エライザ、中条あやみらモデルがランウェイ競演、人気グループ・JO1、OWV、Novelbright らのパフォーマンスも行われた。 なお、新型コロナウイルス感染症による感染拡大につき、第 30 回に続き 2 度目の無観客開催となった。 (Oricon = 9-5-20)