外国人技能実習生が働く事業所 7 割超で違反 厚労省まとめ

外国人技能実習生などから相談や通報を受けて、労働基準監督署が実習生が働く全国の事業所に去年、立ち入り調査を行った結果、7 割を超える事業所で違法な時間外労働や残業代の未払いなどの違反が確認されたことが厚生労働省のまとめで分かりました。

企業などで日本の技術を学びながら働く外国人技能実習生は、去年 12 月の時点で全国でおよそ 41 万人に上っています。 実習生などから相談や通報を受け、労働基準監督署が去年 1 年間に実習生が働く全国の 9,455 の事業所に立ち入り調査を行った結果、労働基準法などの違反が確認されたのは 6,796 の事業所で、率にして 71.9% に上ったことが分かりました。 違反があった事業所の数は統計を取り始めた 2003 年以降、最も多くなっています。

このうち、
▽ 労使で決めた上限を超えて違法に時間外労働をさせるなど、労働時間に関する違反が 21.5%、
▽ 職場の安全管理などに関する違反が 20.9%、
▽ 残業代の未払いが 16.3% などとなっています。

厚生労働省によりますと、1 か月の残業時間が 100 時間以上に上ったり、最低賃金を大幅に下回る時給 400 円ほどで残業させられていたケースもありました。 厚生労働省は「違法な働き方をなくすために労働基準監督署による立ち入り調査や是正指導を引き続き進めたい」と話しています。 (NHK = 10-24-20)


カンボジアからの技能実習生、入国制限緩和で来日し作業 香川

新型コロナウイルスに伴う外国からの入国制限が緩和されたことを受けて今月、入国したカンボジアからの技能実習生が、香川県内で農作業や講習を始めています。 政府は今月から、全世界を対象に入国制限を緩和し、中長期の在留資格を持つ外国人の入国を認めるようになりました。 香川県善通寺市にある近藤剛司さんのレタス畑では、今月入国したカンボジアからの技能実習生が 21 日から農作業を始めました。

この実習生は、すでに来日していましたが、ことし 3 月に一時帰国し、その後、5 月に日本に戻る予定でしたが入国できずにいたということです。 入国制限の緩和を受けて、PCR 検査で陰性を確認したうえで、今月 5 日に入国し、2 週間ホテルで待機したということです。 一方、実習生を受け入れる、善通寺市にある監理団体の研修施設では、同じ日に、初めて来日したカンボジアからの実習生 21 人が実習に先立って行われる講習を受けています。

当初の予定より 2 か月から半年遅れているということで、部屋が過密にならないよう、一部の実習生はテレビ会議システムを使って受講していました。 監理団体の近藤隆理事長は「実習生がいなくなって、作付面積を減らそうかと悩む農家もいたので、これで安心できると思う。 ほかの国からの受け入れも、できるだけ早く実現したい。」と話していました。 (NHK = 10-21-20)


在日中国人狙う特殊詐欺横行 「強制送還」ちらつかせ …

特殊詐欺の被害が各地で相次ぐなか、日本で暮らす中国人を狙う新たな手口が目立ってきた。 スマートフォンにかかってくる電話は中国語。 大使館員などを装い、「強制送還」をちらつかせて不安をあおり、金を要求している。 「あなた宛ての荷物の中に違反物がある。 罰金を支払わないと強制送還だ。」 外国人が多く暮らす大阪・ミナミの島之内地区。 その一角の中国料理店で働く中国人女性 (28) は、ルームメートと交際相手のスマホに今夏、このような心当たりのない電話がかかってきた、と明かした。

電話口の人物は中国の警察官を名乗り、中国語で現金を要求。 不審電話のことは日本在住者の間で話題になっていたため、2 人は応じずに電話を切ったが、「強制送還」の言葉に不安になったという。 女性は「何でうちらが中国人って知ってるんか。 電話番号が漏れているとしか思えない。 日本で契約したスマホなのに。」と憤る。 別の中国料理店の女性 (22) も昨年から「+1」で始まる番号の不審な電話を何度も受けた。 国際電話をかける際の米国やカナダの国番号とみられるが、本当の発信源がどこなのか、詳しいことはわからない。

毎回決まって「中国大使館です。 あなた宛ての大切な書類が届いています。」という中国語の音声が流れ、連絡先の電話番号を伝えてくる。 9 月は特に多く、週に 3 回かかってきた。 当初は驚いたが「今は慣れっこ」で無視を決めている。 女性は中国の SNS 「微信」(ウィーチャット)などを通じ、日本に住む中国人同士で不審電話の情報を共有するようにしている。

中国政府機関や大使館名乗る

電話やメールなどで言葉巧みに相手をだまし、現金を振り込ませたり、持ち去ったりする特殊詐欺。 大阪府警によると、府内では毎月、100 件ほどの被害を確認しているが、これまで狙われてきたのは主に高齢者だった。 在日中国人を狙ったとみられる事件は今年 3 月に初めて把握。 その後、10 月中旬までに 18 件(約 3,500 万円)の被害があった。 うち 8 月に 8 件(約 1,200 万円)が集中した。 電話の主は、いずれも中国の政府機関や大使館の職員を名乗り、「あなたの名義のクレジットカードが犯罪に使われている。 逮捕されたくなければ現金を振り込め」などと、日本でもよくあるだまし文句を使っていた。

ただ、口頭でサイトのアドレスを伝え、その場で開かせて偽物の逮捕状の画像を見せたり、自動音声の指示に従って番号を押すと中国の警察をかたる男につながったり、これまでにない手口も確認されている。 府警は 9 月、注意を促す中国語のチラシを作り、空港のほか、留学生の多い大学などに配った。 捜査幹部は「日本語がうまく話せず、警察に相談できない人もいるだろう。 被害が水面下で広がっているかもしれない。」と警戒する。 特殊詐欺に限らず、外国人が日本で犯罪被害に遭えば、原則的に日本の警察が捜査する。 中国語が話せる警察官や職員もいるため、府警は「気軽に相談してほしい」と呼びかけている。

刑が軽い日本でターゲット探し?

中国の刑法や犯罪に詳しい一橋大学大学院の王雲海教授(比較刑事法)によると、特殊詐欺は中国で「電信詐欺」と呼ばれ、日本と同様に社会問題になっている。 ただ、高齢者が狙われがちな日本と違い、若者が SNS などでうその投資話を持ちかけられ、だまされるケースが多いという。 中国は現金を使わないキャッシュレス決済が浸透するなど、生活上のネット依存度が日本より高い。 意図せずネット上に流れてしまった個人情報が詐欺グループに悪用されている可能性が指摘されているという。

電信詐欺の容疑者は、中国では無期懲役などの重い罪に問われる可能性があり、王教授は「犯人グループが、比較的刑の軽い日本でターゲットを探すようになったのではないか」とみる。 「永住権など安定した在留資格がない人は特に『強制送還』をちらつかされると金を払ってしまう恐れがある」と心配している。 (国方萌乃、茶井祐輝、asahi = 10-17-20)


ベトナム人実習生グエンさんに優良賞 日本語作文コンクール

(長野県)松本市並柳 2 のパン専門店・スイート並柳店で働くベトナム人技能実習生、グエン・ティ・タイン・チャンさん (25) の作文がこのほど、国際人材協力機構 (JITCO) 主催の「第 28 回外国人技能実習生・研修生日本語作文コンクール」で優良賞に選ばれた。仕事のやりがいや日本で出会った人たちとの思い出を、自筆の日本語で原稿用紙 3 枚にしたためた。

グエンさんは平成 30 (2018) 年に来日し、スイートでパン製造の技術を学んでいる。 手先が器用で、スイート総務部の森啓太朗さん (44) は「チャンさんのサンドイッチや三日月形のパンは仕上がりがきれい」と仕事ぶりに太鼓判を押す。 「私が 24 歳の時」と題した作文では、日本の友人の支えで昨年祖父を亡くした悲しみを乗り越えた経験を振り返り「周りの人たちと手を取り合い希望をもって一生懸命生きていくことが大切」とつづった。 雪を生まれて初めて見た感動や、自分で作ったパンが人に食べてもらえる喜びも書いている。

グエンさんは受賞の知らせに「たくさんの人に『おめでとう』とお祝いをもらえてうれしかった」とほほ笑む。 日本での実習はあと 1 年といい「3 年間はあっという間。 日本に来て良かった。 仕事をもっと頑張りたい。」と力を込める。 コンクールは技能実習生・研修生の日本語能力向上を支援する目的で開かれており、本年度は 2,971 通の応募作があり、最優秀賞、優秀賞、優良賞、佳作に計 50 作が選ばれた。 受賞作は JITCO のサイトに掲載されている。 (市民タイムズ = 10-14-20)


実習生家族思い募金活動 県ベトナム人交流会代表 椎葉・土砂崩れ

9 月 6 日に椎葉村で起きた土砂崩れに巻き込まれ、1 人が亡くなり、もう 1 人は行方不明となったベトナム人技能実習生の男性 2 人の家族に届けようと、「県ベトナム人交流会」代表のホァン・ティ・ジャンさん (36) が募金活動を行っている。 ジャンさんは「ベトナムから遠い地で災害に巻き込まれ、心が痛む。 悲しみを分かち合い、家族を少しでも援助したい。」と話す。

ジャンさんはベトナム出身。 2006 年に技能実習生として来日し、18 年 12 月から県内で暮らし、介護人材を育てる「宮崎中村学園(宮崎市)」の事務職として、ベトナム人学生らを支援している。 昨年 8 月には県ベトナム人交流会を設立。 県内にいるベトナム人ら向けに交流会を開いたり、宮崎の生活情報などをフェイスブックで紹介したりしている。 自身も来日直後は日本語がうまく話せず、コミュニケーションで苦労したという。

土砂崩れでは、ともに椎葉村の建設会社「相生組」で業務に従事するグエン・ヒュー・トアンさん (22) と、チャン・コン・ロンさん (23) が、同社関係の日本人男女 2 人とともに土砂にのみ込まれた。 トアンさんは遺体で発見されたが、ロンさんは残る日本人 2 人とともに行方不明となっている。 ジャンさんは実習生 2 人と面識はなかったが、ニュースを見て 9 月 20 日に友人らと現場を訪れ、花やベトナム料理を供えた。 2 人の寄宿先近くの庭では 2 人が手がけていたとみられる空心菜が育っていた。 ベトナムでよく食べられる野菜だ。 「2 人が一生懸命努力して、生きていた」と感じ、悲しみがこみ上げた。

募金は 9 月 22 日に始め、フェイスブックで協力を呼びかけている。 15 日まで続け、集まった浄財は在福岡ベトナム総領事館を通じ家族に届けることにしている。 ジャンさんは「お金よりも生きて戻ってくる方がいいとは思うが、悲しい思いをしている家族を支えたい」と話している。 募金は振り込みで受け付けている。 振込先は口座名義が「宮崎県ベトナム人交流会」、口座番号は宮崎銀行本店営業部(普通 411061)。 (yomiuri = 10-11-20)

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台風 10 号 宮崎県椎葉村 4 人安否不明 8 日朝から捜索を再開

台風 10 号による大雨が降った宮崎県椎葉村で、山の斜面が崩れて住宅と建設会社の事務所が押し流され、男女 4 人の安否がわからなくなっています。 4 人はいずれも建設会社の関係者で、警察などは 7 日の捜索をいったん終えたものの 8 日朝から再開することにしています。 宮崎県椎葉村下福良で山の斜面が崩れ、近くの住宅などが土砂とともにすぐそばを流れる川に押し流されたと、7 日朝 6 時ごろ、地元の消防団から村に連絡がありました。

村によりますと、押し流されたのは建設会社の 70 代の社長の自宅と事務所で、この場所にいた社長を含む 5 人のうち、社長の 60 代の妻と 30 代の息子、それにベトナム人の技能実習生の男性 2 人の合わせて 4 人の安否がわからなくなっているということです。 社長の男性は、7 日朝、自力で脱出したところを救助され、病院で手当てを受けていて、ろっ骨を折るけがをしているということです。

社長の話から、斜面が崩れたのは 6 日夜 8 時ごろで、当時、妻は自宅に、息子とベトナム人の男性 2 人は、事務所にいたとみられるということです。 警察などが 4 人の捜索を行っていますが、7 日の現場での作業を午後 6 時にいったん打ち切り、8 日朝から再開することにしています。 椎葉村は宮崎県北西部の山間部にあり、台風 10 号の影響による大雨で、今月 4 日の降り始めからの雨量が 500 ミリを超えていました。 (NHK = 9-7-20)


技能実習計画 16 社を取消し 入管庁・厚労省

出入国在留管理庁と厚生労働省は 16 社の技能実習計画の認定を取り消した。 取消しとなったのは、(株)トラバース(千葉県市川市)、藤徳物産(株) (岡山県倉敷市)など。 トラバースは労働安全衛生法違反、藤徳物産は認定計画に従って賃金を支払わず、外国人技能実習機構の職員に対し虚偽の帳簿書類を提示したため、取消し処分となっている。 (労働新聞 = 10-7-20)


入国制限緩和 実習生戻らず

新型コロナウイルスの影響で続いてきた全世界からの入国制限が 1 日、緩和されました。 日本に入国できるのは、ビジネス関係者のほか、技能実習生や留学生など、中長期の在留資格を持つ外国人です。 しかし、制限が緩和されても、外国人が貴重な働き手となってきた現場にその姿がすぐに戻るのは難しいようです。

実習生がいない農家では

農林水産省によりますと去年 10 月の時点で日本にいる技能実習生のうち、およそ 3 万 2 千人が農業の現場で受け入れられています。 担い手が不足している農業を技能実習生が支える現状があるなか、新型コロナウイルスの影響で実習生が入国しにくくなり、これまで実習生を受け入れてきた農家に深刻な影響がでています。 滋賀県草津市に住む横江與四夫さん (75) が個人で経営している「よっちゃん農園」では 15 年前から毎年、技能実習生を受け入れ、農業の技術を学んでもらいながら水菜やメロン、トマトなどの手入れや、出荷するための箱詰めを任せていました。 しかし、ことし働いていたベトナムからの実習生は 8 月に契約が終了し、いまは横江さんが 1 人で野菜を育てています。

例年はおよそ 1 ヘクタールある農園の大部分で野菜を育てていますが、いまは人手が足りず、10 分の 1 の規模で水菜や大根などを育てています。 出荷量は例年と比べて 90% 以上減少し、収入はほぼゼロになったということです。 横江さんは、実習生の入国や企業へのサポートを行う監理団体を通して、あらたに実習生の受け入れを打診していますが、いまのところ、入国するめどが立っていません。 横江さんは「実習生に任せていた作業を 1 人でやるのはしんどい。 こんな状況になるのは初めてです。 生活が本当に苦しいので、一刻も早く来てほしいですし、生活ができるよう、行政にも補助を検討してほしい。」と話していました。

受け入れ担う監理団体では

技能実習生の受け入れを担う監理団体も、新型コロナウイルスの感染拡大で実習生の受け入れが難しくなり、大きな影響を受けています。 滋賀県守山市にある「滋賀国際事業支援協同組合」では、16 年前から建設業や食品業、農業などの分野で働く実習生を受け入れてきました。 ことし 4 月以降、インドネシアや中国、それにベトナムから、あわせて 200 人余りが日本に入国する予定でしたが、入国制限措置のため、受け入れができない状態が続いてきました。 1 日から、入国制限措置が緩和されましたが、監理団体では受け入れがすぐに始まるのは難しいとみています。

監理団体によりますと、航空券が例年よりも 10 倍近く値上がりしているうえ、入国した実習生が 14 日間、待機する宿泊先や、日本語研修などの人材をあらたに雇うための費用を工面する必要があるということです。 こうした壁の影響で、一足先の 7 月末に入国制限が緩和されたベトナムからの実習生もいまだに 1 人も受け入れることができていません。 滋賀国際事業支援協同組合の福田真樹専務理事は「実習生が母国に帰ると、代わりの人材が入国することが当たり前だったが、受け入れられなくなり、実習生も企業も頭を悩ませている。 技能実習制度は人と人のかけはしになるものです。 日本に行けなくて不安を感じている実習生を受け入れられるよう力を尽くしたい。」と話していました。

外国人技能実習生の実態

法務省出入国在留管理庁によりますと、去年 12 月の時点で日本で受け入れている技能実習生の数はおよそ 41 万 1,000 人にのぼり過去最高になりました。 しかし、新型コロナウイルスの水際対策の一環として、入国制限をした結果、技能実習生は、入国が困難な状況が続いてきました。 1 日、全世界からの入国制限が緩和されたことを受けて外国人技能実習生の受け入れが拡大することが期待されていますが、すぐに増えるのは難しいとみられています。 一足先の 7 月末以降、ベトナムやミャンマーなど、一部の国や地域との間で、入国制限が緩和され、技能実習生の受け入れを再開しています。

しかし、先月(9 月)末までの 2 か月間にこれらの国や地域から、新たに日本に入国した技能実習生は 1,793 人と、去年の同じ時期と比べて、およそ 95% 減少しています。 技能実習生の実態に詳しい大和総研の矢澤朋子研究員は「入国が緩和されたものの、人数の制限が敷かれ、国際便の多くが欠航する状態が続いている。 さらに、実習生の入国にかかるさまざまな費用は受け入れる団体や企業などが負担しなければならないというコストの問題もある。 実習生が入国したくてもすぐにはできないケースが出てくると思うので、対策を練る必要がある。」と話していました。 (NHK = 10-2-20)


帰国できない技能実習生、転職も 富田林

新型コロナの影響で、実習期間を終えたものの帰国できない外国人技能実習生の「転職」が今月から認められ、大阪ではベトナム人の実習生が 29 日から新たな職場で働き始めました。

出入国在留管理庁は、新型コロナウイルスの影響で、実習を終えても帰国できない外国人技能実習生を支援するため、今月 7 日から、別の職種への再就職を認めました。 帰国できない実習生はことし 7 月末の時点でおよそ 2 万 7,000 人に上っているということです。 このうち、ベトナム人の実習生、ディン・ミン・ホアンさん (22) は、大阪市の鉄筋加工会社での実習がことし 4 月に終わったものの新型コロナの影響で帰国できず、「転職」の制度を使って、29 日から、大阪・富田林市の農園で働き始めました。

鉄筋加工会社は経営難で受け入れの継続が困難だったということで、ホアンさんは 29 日、農園に移動すると早速、ハウスできゅうりの収穫の方法を教わり、作業に当たっていました。 ホアンさんは、「これから農業のやり方をいろいろとみんなに教わりながら、勉強していきたいです」と話していました。 新型コロナの影響で新たな実習生の入国も困難となっている中、ホアンさんを受け入れた農園の乾裕佳さんは、「新たな実習生も入ってこない中、転職してくれてありがたいです。 仕事以外でも他の人とふれあってもらい、来てよかったと思ってもらいたい。」と話していました。 (NHK = 9-29-20)


外国人実習生の介護仲介組合 全国初の破綻 コロナで 68 人入国できず 大分・中津

ベトナムやインドネシアから来日する外国人技能実習生に介護の仕事を紹介する「九州介護支援事業協同組合(大分県中津市/中川正宗代表理事)」が近く、大分地裁中津支部に自己破産を申請する。 新型コロナウイルスの感染拡大による入国制限のため、実習生が来日できず、事業継続の見通しが立たなくなった。 新型コロナの影響により、外国人実習生を受け入れる団体が経営破綻するのは、全国で初めてとみられる。 【辻本知大】

「これから利益が出るはずだった。 こんなことになるとは。」 破産準備に追われる男性職員 (59) は肩を落とした。 組合の設立は 2017 年。 外国人技能実習生の介護職種への受け入れが解禁された年だった。 慢性的な人手不に悩む介護業界に、実習生の需要があるとにらんで組合を立ち上げた。 東南アジアから実習生を受け入れ、介護施設に紹介し、1 人あたり月 2、3 万円の監理費を得ることで事業への参入を狙った。

「初めの 1、2 年はひたすら投資だった。 慣れない中、トラブルもあった。」と男性職員は振り返る。 ベトナムの送り出し機関と契約を結んだが、悪徳業者にだまされ、実習生が来日しないこともあった。 介護分野という業界にも壁があった。 工場であれば 1 事業所で 10 - 20 人程度のまとまった人数の実習生を受け入れられるが、介護施設では 1 施設で数人が上限の場合がほとんど。 大勢の実習生を紹介することが困難だった。

それでも設立から 1 年後、ようやく実習生が定期的に来日するめどが立った。 外国人の介護職員は実績も少ないため、足しげく介護施設に通って事業者を説得した。 努力が実り、今年に入ってからは、同組合を通して 28 人の実習生が大分、福岡、山口県の 10 施設で働くようになった。 それでも採算は厳しく、収入を倍増させるためにベトナム、インドネシアから 68 人の実習生を来日させる準備をしていた。

しかし、その矢先、新型コロナの感染が拡大したため、外国からの入国制限がかかった。 実習生 68 人はいまだに入国できないままだ。 来年 5 月までに債務超過を解消しなければ、手続きの更新ができないため、団体は事業停止を決めた。 組合の代理人弁護士は「外国人材の受け入れ拡大をきっかけに、ここ数年、同様の団体が全国各地で設立されている。 コロナ禍で事業が行き詰まるケースが相次いでいる可能性がある。」と話す。 (mainichi = 9-27-20)


インド初、特定技能人材(介護)が来日

株式会社 NAVIS

インド人看護師、特定技能試験 3 名が合格

NAVIS Human Resources Private Limited (インド・代表 鴛渕 貴子) が 9 月 23 日、インド・バンガロールで運営する人材育成会社「NAVIS Human Resources Pvt. Ltd.」より、特定技能人材(介護) 3 名が 10 月に来日する予定であることを発表した。 同社はインド政府認定技能実習生送り出し機関として、2019 年 3 月より合計 25 名の技能実習生を送り出した。 今回、特定技能としてはインド初の送り出しとなる。

2002 年より日本語研修会社、人材派遣会社としてスタート。 インド人の看護師の採用、人材育成としての日本語研修、技能実習制度・特定技能による日本の施設へ介護人材の紹介まで、ワンストップで提供する。 現在日本で働いている 25 名の実習生、インドで研修中の 49 名を合わせて合計 74 名の実習生が同社の実習生合計数。 今後は 2021 年 4 月までに合計 172 名を送り出す予定。

インドの豊富な人材を、独自の採用プロセスや研修を経て日本へ送り出す。 アジア諸国から、次なる人材供給国となるインドは、インド政府が提唱する「Skill India」を受け、人材育成が焦点となる。 慢性的な人手不足の日本へ、日本語研修を半年で N3 レベルに仕上げ、インド人看護師のスキル育成につながるキャリア開発を支援していく。 (PR Times = 9-23-20)

受け入れ機関 : 社会福祉法人かなえ福祉会/特別養護老人ホーム すないの家 桂
特定技能注文数 : 20 名、内 3 名が内定 現在同機関で、2019 年 5 月より 7 名の弊社技能実習生が実習中
派遣機関 : NAVIS Human Resources Private Limited、鴛渕貴子 CEO


待望、実習生が来県 盛岡の専門学校、ベトナムから 6 人

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い入国が制限されていたベトナム人技能実習生 6 人が来県し 18 日、盛岡市の盛岡情報ビジネス & デザイン専門学校日本語学科(工藤昌雄校長、学生 39 人)に入校した。 1 カ月間生活ルールや言語を学び、県内の受け入れ先企業で自動車整備や養鶏の実習に励む。 コロナ禍で 5 カ月遅れの来県となり、待ち望んでいた企業側と実習生は互いに喜びを広げた。 入校式は同校で行われ、工藤校長が「明るく元気に職場で活躍してほしい」とエールを送った。 実習生のチャン・ティ・アンさん (27) は「少し不安もあるが、日本人は熱心で親切な人が多い。 仕事を頑張りたい。」と意気込んだ。 (岩手日報 = 9-19-20)


外国人実習生、茨城で転職支援広がる

労働力の外国人依存度が高い茨城県で、技能実習生の転職を後押しする動きが広がっている。 コロナ禍で雇用環境が悪化し、海外との往来が難しいなか、在留資格や職種を切り替えて県内で働き続けてもらう狙いだ。 受け入れに取り組む現場を探った。 社会福祉法人二十一世紀会(水戸市)は今夏、福祉施設「水戸友舞の郷」でベトナム人実習生 4 人を受け入れた。 ズオン・ミー・リンさん (22) は「今の仕事は掃除や洗濯。 介護を学び、2021 年 5 月までに資格を取りたい。」と意欲的だ。

17 年から実習生として働いていた県内の電子部品企業の経営が悪化し、3 年の期間中に職を失った。 出入国在留管理庁が最長 1 年の在留資格として認めた「特定活動」に切り替え、長野県の農家で働いたが、慣れない長時間労働に疲弊。 国際交流団体の仲介で茨城に戻り、「水戸友舞の郷」で働き始めた。 茨城労働局によると、県内の技能実習生は 19 年 10 月末時点で約 1 万 4 千人。 国籍別ではベトナム人が中国を上回り最も多い。 二十一世紀会の樋口宗治理事長は「日本人の働き手が減る中、外国人を受け入れたい。 ベトナム人は勤勉で家族を大事にするので、介護に向いていると思う。」と語る。

日本ベトナム友好協会茨城県連合会(水戸市)の村田みのり事務局長は「新型コロナの影響で仕事を失い、お金や住む家がない実習生は多い。 帰国したくても飛行機の便数が少なくて難しい。」と訴える。 同連合会は 8 月下旬、実習生らを対象に水戸市の料理店で無料相談会を開いた。 茨城県ベトナム人協会(つくば市)や外国人労働に詳しい杉田昌平弁護士の協力を得て、仕事や生活の相談に応じた。 農業で期限満了を控えた実習生に「特定技能」への切り替えを助言する場面もあった。

メロンの産地として知られる鉾田市では、コロナ禍で仕事を失った県外の実習生らに農業などの基礎知識を教えることで、県内農家などへの転職を後押しする動きもある。 手掛けるのは、中国人やインドネシア人向けに研修や通訳・翻訳を手掛ける地元企業、交流中心(同市)だ。 冬場の雪が少ない茨城は多様な農産物が生産され、農業の現場でも通年で働きやすい。 同社の馬興栄専務は「群馬や栃木、埼玉から外国人を受け入れ、十数人を農家にマッチングした」と語る。 農業の人手不足感は強く、転職希望者をさらに募る考えだ。

出入国在留管理庁は 9 月から、技能実習を修了した外国人が在留資格「特定活動」で異業種に転職することを特例として認めた。 4 月からは実習中に解雇された場合に限って転職を認めていたが、規制を緩和した。 JA 茨城県中央会が主導して設けた監理団体、協同組合エコ・リード(水戸市)はベトナム人や中国人など約 400 人弱を受け入れ、うち 40 人強が特定活動に切り替わったという。 農業現場では外国人労働力の不足が和らぐ傾向もみられる。

もっとも特定活動はあくまで特例措置。 今後は 2019 年 4 月に新設された在留資格「特定技能」の拡大が期待されるが、課題は山積みだ。 ある監理団体の関係者は「特定技能は労働条件の説明や生活の支援の計画書が必要で、手続きはかなり煩雑」と漏らす。 転職の可能性や人件費の高さを敬遠する事業者が多いほか、送り出す国でも日本語教育の体制整備が遅れている。 コロナ禍で出入国が長く制約されれば、短期的な外国人活用はいずれ壁に当たる。 意欲と技能のある外国人が長く働ける環境づくりが急務だ。 全国ワースト級の不法就労の改善も欠かせない。 (竹蓋幸広・水戸支局長、nikkei = 9-14-20)


橋から女性転落 技能実習生、とっさに川へ飛び込み救助

川で溺れていた女性を救助したとして、春日・大野城・那珂川消防組合消防本部は 26 日、福岡県宇美町在住の技能実習生でベトナム国籍のヴー・ドゥック・フインさん (22) に感謝状と記念の盾を手渡した。 同本部によると、フインさんは今年 6 月 9 日午後、大野城市御笠川 2 丁目の御笠川のほとりで休憩中、50 代の女性が橋から川に転落したのを見てすぐに飛び込み、女性を引き上げた。 女性は無事だった。

フインさんによると、川底に足が届かないほどの深さだったが、背後から女性に近づいて腕をつかみ、岸まで引っ張って泳いだという。 「助けることができてうれしかった」と話した。 フインさんはベトナム・ハノイ出身で、幼い頃から近くの川や池で泳いで遊んでいたといい、ベトナムでも溺れていた人を救助したことが 4 回あるという。 現在は大野城市内の会社で左官業の技能実習中で、来年 1 月に帰国予定。 (岩田誠司、asahi = 9-1-20)


来日できぬ実習生、地方の介護に崩壊の危機 競争も激化

新型コロナウイルス対策の入国制限が続いている影響などで、外国人技能実習生が来日できず、各地の介護施設で人手不足が深刻化している。 急速な高齢化により介護需要が増す中で、実習生に頼る地方の施設では、「長期化すれば地域の介護が崩壊する」と危機感を募らせる。 国は他業種で働く実習生の活用を図るが、効果は出ていない。

中国人 8 人を採用、1 人も来日できず

琵琶湖の北端にある滋賀県長浜市。 社会福祉法人「まんてん」が 5 月に開所した介護施設を訪ねると、デイサービスなどに使う 1 階部分はがらんとし、2 階のグループホームの数部屋も使われないままだった。 担当者は「希望者は多いのに介護スタッフがおらず、受け入れられない」と嘆く。 「介護は大変とのイメージが先行し、人気がない」と山田一之理事長 (65)。 正規職員の確保が進まず、外国人技能実習生に期待し、中国人 8 人を採用。 今年 1 月から働く予定だったが、新型コロナの影響で 1 人も来日できていない。 長浜市によると、特別養護老人ホームの入居待ちは昨年 4 月時点で市内では数百人にのぼるという。

青森県を中心に特別養護老人ホームやデイサービスなどを運営する社会福祉法人「楽晴会」も、4 月から働く予定だった 10 人のバングラデシュ人実習生について来日のめどが立たない。 施設がある同県三沢市では高齢化が急速に進む。 国内の 15 - 64 歳の生産年齢人口は 25 年後に約 25% 減る見込みだが、同市では 4 割近く落ち込み、働き手は減る一方だ。 400 人弱いる同会の介護職員には 70 代の高齢者もおり、毎年 10 人ほどが定年退職する。 斉藤淳理事長 (60) は「実習生を安定して確保しないと持続的な運営はできない。 コロナ禍が長期化すれば、地方の介護はやっていけない。」と話す。

厚生労働省の試算では、2016 年度に 190 万人だった介護従事者は、高齢化で 25 年度には 245 万人が必要になる。 そのため、国は 17 年に技能実習制度を介護分野にも拡大。 制度を監督する外国人技能実習機構によると、現在は延べ約 1 万 2 千人が働くと推計されるが、コロナ禍で介護分野の人手不足はさらに深刻化している。 社会福祉法人などの経営支援をしている国際介護人材育成事業団(東京)によると、首都圏や九州の 6 法人が運営する施設でも実習生約 40 人のうち半数が来日していない。 小沼正昭専務理事 (70) は「この状況が続けば介護現場が回らなくなる」と懸念する。

「都会で働くのを望む実習生は多い」

技能実習生の獲得競争は年々、激しさを増している。 調理や清掃、建設などの各業種が現地で求人を出す中で、介護施設も待遇を日本人並みにするなどして人材確保を図る。 だが、介護に携わる実習生は高い日本語能力や介護の基礎知識が必要だ。 また、給与水準の高い都市部に比べ、地方には実習生が集まりにくいという。 大津市の介護施設で働く中国人実習生、米欣(べいきん)さん (24) は「東京や大阪は給与が高いという情報が広まり、都会で働くのを望む実習生は多い」と打ち明ける。 (山中由睦、asahi = 8-28-20)


日本の思い出、浴衣姿で撮影 インドネシア実習生へプレゼント

今月、開催される予定だった「小野まつり」が中止になり、浴衣を着て参加するのを楽しみにしていたインドネシア技能実習生の着物姿を、兵庫県小野市の住民有志が撮影し、「日本の思い出になるように」とプレゼントする。 中止を残念がっていた実習生がカメラに笑顔を向け、地元住民との距離が縮まっている。 同市の大部地区では、食品会社に勤めるインドネシアの技能実習生 31 人が暮らす。 地元の住民と実習生は 2 年前から、浴衣を着て小野まつりの舞台で踊り、親交を深めてきた。

ところが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で中止に。 このため、コミセンおおべ(敷地町)の職員が、「おおべ写真クラブ」に撮影を依頼。 住民から寄贈された浴衣約 20 着を使って、7 月下旬から計 4 回、撮影会を開いた。 実習生は全員が参加。 同クラブの神内(じんない)信夫代表 (70) = 小野市 = らが浴衣姿の実習生に扇子や和傘を持たせ、笑顔を引き出して多彩なカットを撮った。

実習生 (23) = 同市 = は来年のまつりを待たずに帰国する。 工場の同僚が 3 年前にプレゼントしてくれた紅色の浴衣に身を包み、照れながら写真に納まった。 「久しぶりに浴衣を着られてうれしい。 写真も楽しみ。」と喜んだ。 写真の印刷代には、区長会が負担している人権啓発活動費を充てる。 大部地区の代表区長を務める大島育雄さん (66) = 同市 = は「実習生は最近、顔を見るとあいさつしてくれるようになった。 親しくなったインドネシアの人たちの笑顔が見られてうれしい。」と話している。 (笠原次郎、神戸新聞 = 8-27-20)


仕事失い宿泊業 → 農業に 実習生の支援、転業に辞退も

コロナ禍で経済活動が停滞する中、従来の実習先で仕事を失った外国人技能実習生が在留資格を切り替えて他業種で働くケースが増えている。 茨城県鉾田市では、外国人労働者の就労を後押しする民間企業が、手続きを支援している。 外国人労働者の雇用は、従来「雇用の調整弁」と指摘され、リーマン・ショック後も突然の解雇が問題になった。 コロナ禍で働き口を失った技能実習生や新在留資格「特定技能」の外国人を支えるため、出入国在留管理庁は 4 月、特例措置を打ち出した。

実習生は失業した場合、同じ分野の職種でしか再就職が認められていなかった。 だが、宿泊業など業界全体で需要が落ち込む職種もあり、「特定活動」の資格に切り替えれば一定の範囲の職種で最長 1 年働けるようにした。 この特例に基づいて実習生から特定活動への資格変更が認められたのは、8 月 3 日の時点で 455 件にのぼった。 鉾田市で外国人労働者向けの講習などを手がける企業「交流中心」は 7 月、複数の監理団体と連携して仕事を失った実習生と人手不足の事業者のマッチングを始めた。

各地の監理団体から求職者と求人のニーズを聞きとり、これまでに、静岡や栃木など県外の宿泊施設で働いていた実習生 16 人の在留資格の切り替えを支援。 県内の農家で働けるように紹介した。 鉾田市内では、実習生が来日できなくなった農家を中心に、なお 15 人ほどの働き手を求める動きがあるという。 ただ、実習生にとっては従来の仕事と内容が大きく変わるため、混乱も予想される。 同社の馬興栄(マーコウエイ)専務は「無理に農業に従事させてミスマッチにならないよう、仕事内容の十分な説明が必要だ」と話す。 実際、当初は宿泊関係から 46 人の求職があったが、業務内容を伝えたり、事前に研修をしたりする中で、30 人は辞退したという。

7 月下旬から市内の農家で働き始めた中国籍の女性 (27) は、群馬のホテルのレストランで実習をしていたが、4 月中旬から仕事がなくなった。 自室で過ごす日が多くなり、農家で働くことを決めたという。 現在は葉物の収穫期。 「とにかく暑い。 でも、早く作業を覚えたい。」 馬専務は、本人の希望に応じて、特定活動の期限終了後に昨年新設された外国人向けの在留資格「特定技能」の資格に切り替えられるように支援したいとしている。 (久保田一道、asahi = 8-24-20)


コロナで困窮の外国人らに「支援強化を」 国に申し入れ

貧困や雇用などの問題に取り組む支援団体の「新型コロナ災害緊急アクション」が 19 日、コロナ禍の中で公的支援を受けられなかったり受けづらかったりする人たちへの支援を強めるよう、関係省庁に申し入れをした。 新型コロナ災害緊急アクションには 30 以上の団体が参加。 感染が拡大していた 4 月に緊急基金を立ち上げ、生活に困る人々へ直接、お金を給付してきた。 今月 8 日までに 600 世帯の 1 千人以上に対し、計約 2 千万円を給付したという。

団体はこの日、総務省や厚生労働省、法務省などの担当者と面会し、コロナ禍で仕事や住まいを失った人への速やかな支援や、プライバシーの守られる住宅に暮らしながら生活保護を受けられる「居宅保護の原則」の徹底を求めた。 また、難民申請中や仮放免中といった理由で住民登録の対象から外れている在留外国人や、住民票がない路上生活者らに対しても 10 万円の特別定額給付金を支給することも求めた。

申し入れには生活に困っている当事者も加わった。 元技能実習生で帰国の準備をしているベトナム人女性は、「帰国準備やその間の生活のための就労を認めてほしい」と訴えた。 参加団体の一つ、一般社団法人「つくろい東京ファンド」は、新型コロナの影響で仕事や住まいを失った人々が公的支援を受けられるようにしたり、一時的に暮らすシェルターを提供したりしてきた。

稲葉剛・代表理事によると、相談件数は緊急事態宣言が解除された以降にいったん落ち着いた。 だが、東京や大阪で感染が再び拡大したのに合わせるように、7 月下旬ごろから再び増えているという。 「8 月に入ってからは毎日数件の相談が絶えない。 野戦病院のような状況が再び起きつつある。」と述べた。

また、労働や貧困問題に取り組む NPO 法人「POSSE (ポッセ)」には 2 月末以降、新型コロナの影響で「休業補償が支払われない」、「雇い止めにあった」、「3 密の職場で働かざるを得ない」といった相談が 4 千件近く寄せられた。 外国人労働者からの相談もあるという。 事務局長の渡辺寛人さんは「国や行政はもちろんだが、非正規雇用者を調整弁として使ってきた企業側の責任も強調したい」と訴えた。 (荒ちひろ、asahi = 8-20-20)