狙われる米国籍 中国の富裕層、出産目的で続々渡米

米西海岸のロサンゼルスから南へ車を走らせること 1 時間。 アーバイン市に入ると、中国語で書かれた看板が目立ってきた。 この十数年、市内で家を買う中国出身の富裕層が増えており、「ニューチャイナタウン」とも呼ばれている。 街の中心部には 2 階建ての高級住宅が 10 棟立ち並ぶ一角がある。 敷地内はヤシの木に覆われ、プールもあり、老夫婦がプールサイドで本を読んでいた。

この地を記者が 6 年前に訪れた時には違った光景が広がっていた。 おなかが大きなアジア系の女性が行き交っていたからだ。 女性たちは産後ケアセンター「月子(ユエツー)中心」と呼ばれる施設に暮らし、赤ちゃん用の商品を抱えながら中国語で談笑する姿が見られた。 月子とは中国語で産後 1 カ月を意味し、この間母親が十分な休養をとる習慣がある。 米国は「出生地主義」を採っており、生まれた赤ちゃんは両親が外国人でも米国籍を得られるため、中国の富裕層や軍人の妻が渡米していたのだ。

ところが 2015 年 3 月、この施設に米連邦捜査局 (FBI) が強制捜査に入る事態となった。 民家に宿泊させる行為を「違法経営」とみなしたからだ。 特に「出生地主義」の廃止を訴えてきたトランプ米大統領が就任して以降は取り締まりを強め、ロス周辺だけで数百件あった「月子中心」は「ほぼ壊滅状態に追い込まれた(地元当局者)」という。 「起訴内容に間違いありません。」 ロサンゼルスの裁判所で今年 9 月、中国人女性がうつむきながら証言した。 「月子中心」の経営者、李冬媛(リートンユワン)被告だ。

起訴状によると、20 カ所の施設を経営し、500 人以上の中国人女性を米国で出産させていた。 客の中には中国政府当局者もいた。 1 人当たりの費用は 4 万 - 8 万ドル(約 440 万 - 880 万円)で、13 - 15 年で計 300 万ドル(約 3 億 3 千万円)の収入を得ていた。 被告は出産目的の渡米であることが入管で発覚しないように、顧客には中国からハワイ経由で入国するよう助言していたという。

6 月、アーバイン市郊外にある白壁の 2 階建ての一軒家を訪ねると、年配の中国人女性が迎え入れてくれた。 民家を改修して外観からは施設と特定されにくくなった「月子中心」のリビングに入ると、3 人の女性が料理をつくったり洗濯物をたたんだりしていた。 月嫂(ユエサオ)と呼ばれる、母子の世話をする中国出身のお手伝いさんだ。 経営者の中国人男性は「施設は小さいがサービスは充実している。 中国からの客は後を絶たない。」と語る。 当局の摘発を逃れるため、妊婦は十数カ所の民家に分散させて住まわせているという。

対立を深める米中関係の行方に心配はないのだろうか。 そう尋ねると、夫と一緒に中国南部から来た女性は突き出た下腹をゆっくりとさすりながら思いを語った。 「だからこそ急いで米国に産みに来たのです。 私たちには政治は関係ない。 世界最高の教育や医療を優先的に受けられる米国籍は何といっても魅力的だから。」 = 敬称略 (アーバイン = 峯村健司、asahi = 12-18-19)


中国人の「モラル向上」がすごい、偽物売りも駆逐される上海の今

中国最大の都市・上海であっても、マナーは悪く、ニセモノ商品がそこら中で売られている - - そんな印象はもう昔の話だ。 今の上海は公共マナーが中間層にも浸透し、ニセモノ商品には他ならぬ中国人自身が厳しい目を向けるようになった。

一昔前の上海は「危険地手当」がついた

「駐在していた上海では毎日が戦闘でした。」 こう語るのは、2000 年代初頭に、勤務する会社が展開するキャラクターのライセンス事業で中国に派遣された大内真奈美さん(仮名)だ。 1 日の仕事が終わって帰宅すると、ドサッとベッドに倒れ込む。 会社では従業員の効率の悪い業務に辟易し、買い物に行けば不良品をつかまされ、食事に行けば衛生管理のひどさに眉をしかめる …。 「玄関を出てカギを閉めた瞬間、私は "緊張" という鎧を着せられたものでした」と、大内さんは振り返る。 先進都市・上海といえども、ひとたび外界に出れば、ありとあらゆるところにストレスの発生源が潜在した時代だった。

東京都在住の永田由紀夫さん(仮名)にも、過酷な上海の駐在経験がある。 1990 年代といえば、公共交通も未発達で、移動するにもバスかタクシーしかなかったが、そのタクシーを利用する日本人には常に緊張感が伴った。 「運転手の中には気のいいおじさんもいましたが、金稼ぎのためにわざと遠回りする連中が少なくなかったですね。 そもそも、サービスなんていう概念がない時代でした。 口論になって警察に通報しようとすると、飛びかかってきてつかみ合い … そんなことも経験しました。」

永田さんの会社は、上海駐在の社員の給与に「危険地手当」を上乗せしていた。 東京からわずか 3 時間の上海でも、一部の企業は「危険地」とみなす時代だった。 そんな上海の生活は近年大きく変貌し、生活そのものを楽しむ日本人駐在員が増えてきた。 天野舞子さん(仮名)は「上海は日本語が使える場所が多いので、たとえ中国語ができなくても不自由しませんよ」と、駐在生活を高く評価する。

スマートに進化する "上海の営業スタイル"

上海は、20 年前に比べたら各段にストレスフリー社会に近づいたようだ。 テクノロジーの進歩も勿論だが、大きく変わったのはやはり "人" だろう。 日本語が通じる商業施設が増えたのも、日本語を勉強した中国人材が増えたからにほかならない。 日本人が上海生活を快適だと思えるのも、多くの上海の人々が日本に渡航し、「日本的価値」を共有してくれるようになったからでもある。

筆者自身も、日本人と中国人の間で「共通の認識」が持てることが増えたように感じている。 たとえば、こんなことがあった。 2 カ月前の上海で、アジアの不動産投資に関心を持つ日本人の友人に付き添って、マンションの内覧をしたときのことである。 地元の不動産業者ともなれば "強引なセールス" が予想されたので、友人はトラブル回避に通訳を頼んできたのだが、案内をしてくれた営業マンの姿勢は、意外にもマイルドなものだった。

その営業マンは 3 物件を案内してくれたのだが、そこからは「成約」を急ぐという、かつての「ガツガツ営業」は消えていた。 不動産営業マンの給与は個人の売上成績次第で、コミッション制を基本にした熾烈な競争があるはずなのに、接客のアプローチは洗練されていて、非常に紳士的なものだった。 むしろ、彼にあるのは "顧客目線" で、「慌てなくて大丈夫」、「時間をかけて判断してください」など、ある意味日本人好みの低姿勢なトークだ。 ハングリーな営業から、スマートな営業への転身ぶりに、すっかり拍子抜けしてしまった。

"ひんしゅく" という概念が若者世代に浸透?

人々の公共のマナーも大きく変わった。 それを感じたのが、上海ディズニーランドだ。 2016 年の開園から 3 年を経て、筆者は 2 度目の訪問を試みた。 3 年前は、割り込みのチャンスをうかがう人がいたり、だらしなくベンチで寝そべる人がいるなど、"興ざめシーン" がたびたびあった。 しかし今回は、こうした「その場の雰囲気にふさわしくない行為や行動」をする入場者を当時ほど目にすることがなかった。 むしろ、若い世代を中心に「マナーを大事にしている」ことが見て取れた。

修学旅行先にもなっているディズニーランドは、5 - 6 人で集団行動をする中国の学生をよく見かける。 長蛇の列で順番待ちをしている最中のことだった。 筆者の前方に男女 6 人の学生が並んでいたのだが、うち 3 人が荷物を置き忘れたらしく、後方に落伍してしまうハプニングがあった。 前方にいる友人らに早く追いつきたいともがくのだが、3 人は途中でそれを諦めた。 仲間のひとりが「周りの人に迷惑がかかるよ」と、"追い越し行為" を制したのである。 1 時間待ちの長蛇の列では、"割り込み" のみならず "追い越し" もひんしゅくとなることを敏感に察知したようだった。 逆にそれを観ていた周囲の人は彼らに理解を示し、「大丈夫だから仲間たちのところに行きな」と、後方の 3 人の背中を押して仲間の元に送り出したのだった。

誰もが自分のことしか考えなかった一昔前、前出の大内さんのように、「外出」は精神的疲労を伴った。 けれども今は、こうした微笑ましいシーンすら目にすることが増えた。 とはいえ、上海ディズニーランドについて言えば、まだまだ残念に思うこともあった。 中国語で「演職員」とも訳されるキャストは、来園者を "ディズニーマジックにかけるため" の高いプロ意識が求められる。 ここならではの非日常性を楽しんでもらうためには、キャストによる演出が欠かせない。

しかし、「あくびをする」、「ほおづえをつく」など、この仕事はもう飽きたといわんばかりのやる気のないキャストがあちこちで散見された。 安全管理を怠ってはならない仕事でも、「意識はここにあらず」が見て取れて、少々不安になった。 客をもてなし喜ばせようというホスピタリティに到達するには、まだまだ長い道のりがあるようだ。 もちろん、頑張っているキャストもいた。 健気にも、一生懸命手を振って客の気持ちを盛り上げようとしているのだが、多くの客はそれに反応しようともせず素通りしていく。 "ディズニーマジック" にかけようとしても、なかなかそれにはかかってくれない …。 キャスト業の虚しさの一端も垣間見えた。

お父さん世代が "ニセモノ" を駆逐する

上海ディズニーランドから地下鉄 11 号線に乗って帰路につくと、車内に今どき珍しい "物売り" が現れた。 大きなズタ袋には、ミッキーの耳のついたカチューシャが詰め込まれている。 先頭車両から後部車両まで、それを担いで売り歩くわけだが、上海ディズニーランドを訪れる中間層以上の人々は、いまどきそんなものには目もくれない。 車両に座っている筆者の前にも、荷物を突き出すようにして営業をかける "担ぎ屋" が現れた。 「いらない」と手を振るとその場を立ち去り、今度は 3 人連れの中国人ファミリーの前に立ちはだかった。 そこで「安くするよ」、「いらない」などのやり取りがしばらく続いていた。

ところが、だんだん口論に発展し、互いの声が荒っぽくなってきたと思った瞬間、車両に男性の怒号が響き渡った。 「お前たち! こんなニセモノをいつまで売っているんだ! 警察に通報してやる!」と、小さな子どものお父さんが立ち上がり、スマホを取り出して「110 番」しようとした。 すると、担ぎ屋もカッとなり、これを阻止しようとお父さんに手をかけようとする。 あわや取っ組み合いというところで、担ぎ屋仲間が仲裁に割って入り、事態はことなきを得た。

しかし、これはすごい光景である。 上海では、体を張って "ニセモノと闘うお父さん" まで出現するようになったのである。 長らく続いたニセモノ社会だった中国も、その時代がそろそろ終わりに差し掛かっているような気がした。 地下鉄 2 号線の「上海科技館」駅には相変わらずニセモノ市場があるが、「こんなに精巧にできているのに、買う人が減った」と店員がぼやいていた。 近年、訪日中国人が日本での買い物を好むのも「ニセモノをつかまされないため」でもある。

上海では、"人" も日に日に進化している。 もとよりエリート層や富裕層を中心に「高い意識」や「国際感覚」は垣間見られたが、今では中間層も大きく底上げされている。 日本人と中国人、これまで「話がかみ合わない」と歯がゆい思いをすることも多かったが、少なくとも上海ではそれを感じることが減った。 国籍の違いがもたらすギャップ、それが解消に向かうのも遠い将来のことではないかもしれない。 (姫田小夏、Diamond = 12-13-19)


中国、地方で預金取りつけ騒ぎ ネットの噂に過剰反応
高齢者ら小規模銀から引き出し

中国で地域金融機関の預金取りつけが起きている。 10 月末に河南伊川農村商業銀行、11 月上旬には遼寧省の営口沿海銀行で大量の預金が引き出された。 包商銀行が実質国有化されたことを契機に、インターネットを中心に広がる経営不安の噂やデマに高齢者らが過剰に反応している。 景気が減速していることもあり、地域金融への不安が広がりやすくなってきた。

渤海を望む港町、遼寧省営口市。 11 月 6 日、会社員の石さんは職場からの帰り道に営口沿海銀行の支店で行列を目にした。 帰宅すると夫人から「ネット上で沿海銀の経営不安の噂がある」と聞いた。 前日に「沿海銀の大株主の会社が経営難」と中国紙が報じたのが噂のきっかけになった。 当日は人が多すぎて預金を下ろせず、石さんは 8 日に 30 万元(約 500 万円)分の定期預金を解約した。 「満期 5 年で 3 年過ぎていた。 利息は惜しいが妻の母が『どうしても』と言うので仕方ない。」と話した。

別の支店の向かいの商店主は取りつけの一部始終を見ていた。 6 日午前に預金者が並び始め、どんどん列が長くなった。 商店主も並んだが、整理番号は 1 千番台だった。 同行はその日、24 時間態勢で営業し、この商店主によると、「最後の支払いは翌 7 日午前 3 時だった。」 預金者が殺到するなかで現金が足りなくなり、預金者をさらに不安に陥れた面もあるようだ。 商店主は「最後には銀行窓口の後ろの壁沿いに高さ 1 メートルくらいで現金を積み上げていた」と話す。 行列したのは高齢者が大半だった。

中国の預金保険制度では 1 人 1 行あたり 50 万元までの預金は全額保護されるが、そうした基本的な知識がない預金者も多かった。 副市長が記者会見し、120 人の警察官が出動し、デマを流布した人を拘束するなどして取りつけはようやく収まった。 10 月 29 日には河南省の伊川農商銀でも取りつけが起きた。 前 28 日に董事長が当局に拘束されたことで経営不安の噂が広がった。 わずか 10 日間に 2 件も取りつけが起きたことになる。 経済の下押し圧力が強かった 15 - 16 年にも農村を中心に取りつけがあったが、今回は営口のような都市部にも広がってきた。

2 つの銀行は日本でいえば下位の地銀や上位の信金の資産規模。 ともに財務の健全性を示す自己資本比率は規制水準を上回り、経営不安の噂には根拠がない。 ただ、両行とも経営が盤石とまではいえない事情もある。 沿海銀は同じ市内に営口銀行というライバルを抱え、沿海銀は資産規模や店舗網で劣る。 筆頭株主は経営再建中の海航集団で海航向け融資も急拡大し、この 1 年で総資産が約 4 割も増えた。 国有化された包商銀行は大株主の明天集団が資金を流用していた。 大株主向け融資が膨らむ沿海銀は包商銀を想起させるところがある。

伊川農商銀は 7 月末、財務格付けが「AA マイナス」から「A プラス」に下がった。 貸し出しに占める不良債権の比率が 16 年末の 0.54% から 18 年末に 2.95% に急上昇したのが主な原因だ。 地域金融全体の経営環境が厳しくなっているのは確かだ。 包商銀にとどまらず遼寧省の錦州銀行、山東省の恒豊銀行、吉林省の吉林銀行などで政府系基金や大手銀行による経営支援が相次いだ。 いずれも底流には地域経済の長期停滞があり、今後も経営難になる地域金融機関は増える公算が大きい。

中国人民銀行(中央銀行)が 11 月にまとめた「中国金融安定報告」では、大手から中小まで全国 1,171 の銀行を対象にストレステストを実施した。 「国内総生産の成長率 4.15%、人民元が対ドルで 4.23% 下落」など銀行経営に重い負担がかかる場合、全体の 13% にあたる 159 行が資金不足に陥ると試算した。 国債など保有する優良資産を売っても、資金不足を解消できないという。 流動性が銀行経営のアキレスけんに浮上した格好だ。 預金取りつけは資金不足に直結するため、金融当局は今後も警戒を続けるとみられる。 (原田逸策 = 営口、nikkei = 12-4-19)


中国本土・広東省で住民と警察衝突 香港混乱飛び火か 関連書き込み次々削除

【北京 = 西見由章】 中国広東省茂名市で、火葬場の建設に反対する地元住民と警官隊が衝突、負傷者が出た。 米政府系のラジオ自由アジア (RFA) などが 1 日までに伝えた。 抗議活動に参加した住民らは、広東省に隣接する香港での反政府デモのスローガン「時代革命(革命の時代だ)」を叫んでいたという。

中国当局は香港の混乱が本土に飛び火することを厳戒している。 茂名での衝突は本土で一切報じられておらず、関連の書き込みなども次々と削除されている。 茂名の公園予定地に火葬場が建設されることを知った住民ら数百人が 28、29 日の 2 日間にわたって街頭で抗議活動を展開。 警官隊は催涙ガスを発射したり、警棒で住民を殴打したりして押さえ込み、約 50 人が逮捕された。 高齢者や小学生も負傷したという。 インターネット上には横倒しにされて破壊された警察車両や、催涙ガスを浴びてせき込む住民らを映した映像が拡散した。 (sankei = 12-1-19)


中国で最も危険な峠道、ドリフトで攻めるピックアップのケン・ブロック

中国で最も危険な山道と言われている、天門山のつづら折の峠道、「通天大道」。 モンスターエナジーがサポートするラリードライバー、ケン・ブロックが、命の危険と隣り合わせの限界ドリフトを見せる。 ケン・ブロックは競技だけでなく、ビデオシリーズ『Gymkhana (ジムカーナ)』で走りを披露して人気だ。 このほどシリーズスピンオフの『Climbkhana_TWO (クライムカーナ 2)』がフーニガン・レーシングの公式 YouTube 内で公開された。

今回の舞台は通天大道。 全長およそ 11kmにわたって 99 のカーブが続く。 断崖絶壁の道路の端には小さなコンクリートブロックがあるのみ。その道をケン・ブロックはトップスピードで駆け上がっていく。 本作でケン・ブロックが乗っているのは、昨 2018 年公開の『ジムカーナ 10』でお披露目されて話題となった『Hoonitruck (フーニトラック)』。 1977 年型フォード『F-150』ピックアップを改造した、914hp のドリフトマシンだ。 (Response = 11-30-19)

公開動画 (https://youtu.be/ZX2uXBMkO8U)


長沙のマンションに「樹脂でできた人工湖」、ネットで物議

中国・湖南省長沙市の北辰中央公園の一角で 18 日、「樹脂の人工湖」ができ上がり、インターネットで物議を醸している。 「人工湖」は青色の樹脂を敷き詰め、「湖面」の上には「湖の美景」を展望できる橋がかけられている。 デベロッパーの係員は投げかけられた疑問に対し、「これはいわば一つの美観効果です」と述べた。 (CNS/AFP = 11-24-19)


中国でまた腺ペストの感染者、28 人隔離 野ウサギが原因か

香港 : 中国北部の内モンゴルで、ハンター 1 人が腺ペストと診断され、28 人が隔離された。 地元衛生当局が明らかにした。 国営新華社通信によると、ハンターは 16 日に腺ペストと診断された。 野ウサギを食べたことが原因だったと思われる。 腺ペストは最も症例数の多いペストだが、人から人への感染は極めて稀とされる。

これに先立ち中国政府は今月 12 日に、首都北京で 2 人が肺ペストの治療を受けていると発表した。 肺ペストはせきやくしゃみを通じて人から人へ感染することがあるのに対し、腺ペストはノミにさされたり、感染した動物の組織を扱ったりすることによって感染する。 新華社通信は 16 日の時点で、北京でペストの感染が広がっている痕跡はなく、内モンゴルの症例とも関係はないと伝えていた。 ただ、内モンゴルでは今年 5 月にも、現地で療法食とされるマーモットの腎臓を生で食べたモンゴル人の夫婦が腺ペストのため死亡している。 (CNN = 11-19-19)

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北京で 2 人肺ペストと診断 感染力強く致死性も

【北京】 中国・北京市の病院で、患者 2 人が肺ペストと診断された。 病院のある区の当局が 12 日、ウェブサイトで明らかにした。 肺ペストは発生こそまれなものの感染力が強く、治療を怠れば死に至る。 当局によれば、患者らは同国北部の内モンゴル自治区の出身で、現在は北京市内の病院で治療を受けている。 当局はまた、すでに「予防・管理措置が取られている」と説明した。

北京市の人口は 2,100 万人を超える。 AFP は市当局にコメントを求めたが、回答はなかった。 ただし世界保健機関 (WHO) は、中国の当局から肺ペスト発生の報告があったことを確認している。 肺ペストは一般的な腺ペストよりも危険性が高い。 WHO によると、「ペストの中で最も悪性の形態」で、患者は 24 - 72 時間で死に至る可能性がある。 また、極めて感染力が強く、「人から人へ飛沫(ひまつ)感染し、深刻な流行を引き起こす可能性がある」という。 症状としては、発熱、悪寒、嘔吐、吐き気などが見られる。 (AFP = 11-14-19)


中国、炭鉱でガス爆発、15 人死亡 9 人負傷

【北京】 中国北部山西省の炭鉱で 18 日午後、ガス爆発が起き、15 人が死亡、9 人が負傷した。 国営新華社通信が 19 日に報じた。 報道によると、爆発が起きたのは「山西平遥峰岩煤焦集団」が所有する炭鉱で、爆発時には 35 人が地下で作業をしていた。 うち 11 人は避難できたという。 負傷した作業員らの容体は安定しており、当局が爆発原因について捜査している。 (AFP = 11-19-19)


中国の 2 大モバイル決済アプリ、本土への外国人観光客も利用可能に

アリペイは銀行のプリペイドカードを通じてアプリを利用可能にする
ウィーチャットペイは JCB など海外カードとアプリの連携を計画

中国の巨大モバイル決済アプリ「アリペイ(支付宝)」と「ウィーチャットペイ(微信支付)」は、当局の規制緩和の動きを受け、中国本土を訪れる外国人も両アプリを利用できるようにする方針だ。 中国モバイル決済市場で合計 94% のシェアを占め、一部で現金に取って代わる存在になったアリペイとウィーチャットペイは、今回の計画を相次いで発表。 これまではユーザーに中国国内での口座開設を義務づけていた。

中国人民銀行(中央銀行)は最近、一部の決済業者に対し、外国のカードを決済業者のアプリと連携させて中国国内で利用することを近く認める方針を示したと、状況を知る関係者 2 人が明らかにした。 人民銀にファクスで問い合わせを送信したが、これまでコメントは得られていない。 ただ、クレジットカードとの連携は未決定の段階だ。 ●(= 虫偏に馬)蟻金融服務集団(アント・ファイナンシャル)のアリペイは、上海銀行が提供するプリペイドカードのサービスを観光客が利用できるようにすると表明。 これは顧客が定期的に口座に現金をチャージする必要があることを意味する。

一方、テンセント・ホールディングス(騰訊)のウィーチャットペイは、ユーザーの手持ちのカードをより直接的に同アプリに連携できるようにする方針だ。 テンセントは海外のクレジットカードとウィーチャットペイの連携を促進するため、米決済ネットワークのビザ、マスターカード、アメリカン・エキスプレス、ディスカバーや、日本の JCB と協力について協議を進めている。 (Bloomberg = 11-7-19)


中国の国産ジェット機 ARJ21 が国際線に初就航、日本の「ライバル」はいまだテスト飛行中

中国が開発した地域路線用の双発ジェット旅客機「ARJ21」が 10 月末、国際線に初めて就航した。 ARJ21 は日本の国産初のジェット旅客機「スペースジェット(旧 MRJ)」のライバルと目されていた。 スペースジェットは開発の遅れで納期の延期を 5 度も繰り返し、いまだにテスト飛行中だ。 中国新聞網などによると、成都航空の「太陽神鳥」マークと中国の国宝であるジャイアントパンダがデザインされた ARJ21 は 10 月 26 日午後、黒竜江省の哈爾浜(ハルビン)太平国際空港を離陸。 1 時間 3 分の飛行時間を経て、ロシアのウラジオストク国際空港に無事着陸した。

ARJ21 は成都航空に 15 機納入されている。 2016 年 6 月、成都 - 上海間の商業路線に就航。 旅客輸送量は延べ 54 万人以上で、中国内の 28 都市を結ぶ。 成都をメイン運航基地とし、長沙およびハルビンをオーバーナイト基地とし、全国主要都市とつながるネットワークを形成。 特に東北地区では地域に広がるネットワークを実現している。

成都航空公司党委書記の湯勁董事長は「ARJ21 の初の国際線の開通は成都航空による航空便商業運航モデルの模索の新たな進展だ。 開通成功は ARJ21 の商業運航の新たな飛躍を意味する」と強調。 「ARJ21 は 3 年以上飛行しているが、一度もクレームを受けたことがない。 人気は予想以上だ。 国際線の運航の需要は複雑で、厳しい条件があるが、ARJ21 にとっては新たな扉が開かれた。」などと話した。

一方、スペースジェットは三菱重工業の 100% 子会社である三菱航空機が開発を進めている。 乗客数は ARJ121 とほぼ同じで、当初計画の 90 席級のほか、米国市場をにらんで一回り小さい 70 席級も最近になってラインアップに加えられた。 名称は納入遅れが続いた MRJ のイメージ刷新のため、今年 6 月に変更となった。

YS11 以来となる国産民間旅客機として 2008 年に全日空から受注を受けて生産を開始したが、胴体と主翼の設計変更などが重なり、15 年 11 月、ようやく初飛行にこぎ着けた。 その後も飛行中の空調システムの不具合、機体を制御する電子機器の配置見直しなどが相次ぎ、13 年の予定だった量産機の納入は大幅に遅れている。 90 席級は 20 年半ば、70 席級は 23 年の納入を目指している段階だ。

スペースジェットはこれまでに約 400 機を受注しているが、三菱航空機は 10 月 31 日、米地域航空会社を傘下に持つ「トランス・ステーツ・ホールディングス」から最大 100 機を受注していた契約が解消されたと発表。 先行きがさらに不安視されている。 (RecordChina = 11-3-19)

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中国大手航空 3 社、国産ジェット旅客機を一斉調達

【広州 = 比奈田悠佑】 中国南方航空と中国国際航空、中国東方航空の中国大手航空 3 社は 30 日、中国国産リージョナルジェット「ARJ21」を調達すると一斉に発表した。 各社は 2020 年以降に、国内の地方都市間を結ぶ路線などに投入する。 国産機を買い支え、航空機産業の発展を後押しする狙いがある。 3 社は中国商用飛機 (COMAC) の ARJ21 を 35 機ずつ購入する。 1 機あたりのカタログ価格は 3,800 万ドル(約 40 億円)で、20 年から 24 年にかけて順次納入される。

ARJ21 は座席数は 78 - 90 席で、三菱重工業が開発する旅客機「スペースジェット(旧 MRJ)」と同程度の大きさ。16 年に商用飛行を始めたが、納入は地方航空などへの合計 10 機強にとどまる。 大手 3 社からの大量受注で量産体制に入る。 中国民用航空局は 19 年春、航空各社と一体で航空機産業を振興する方針を表明しており、3 社の一斉調達はこれに呼応した動きだ。 中国東方航空は既に ARJ21 を専門的に運航する子会社の営業準備を進めている。 (nikkei = 8-30-19)

初 報 (11-30-15)


ウイグル族 150 人が「再教育施設」で死亡か 中国新疆

中国新疆ウイグル自治区で、多数のウイグル族が「再教育施設」に収容されていると国際社会が批判している問題で、米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア (RFA) は 29 日、警察当局者の話として、2018 年 6 月から 12 月までの半年間に、同自治区西部にある施設で少なくとも 150 人が死亡したと伝えた。

再教育施設での中国当局による拷問や虐待は、これまで国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチや米国務省が指摘してきたが、施設での死亡者数が報道されたのは初めて。 RFA によると、同自治区西部アクス地区クチャに 4 つある再教育施設のうちの一つで、少なくとも収容者 150 人が死亡したという。 死亡時の具体的な状況は不明。 施設内は衛生状態が悪く、食事も不十分だとしている。 (上海 = 宮嶋加菜子、asahi = 10-30-19)

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中国はウイグル族の拘束停止を = 日米など 23 カ国が要求 - 国連

【ニューヨーク】 日本や米英独など 23 カ国は 29 日、中国新疆ウイグル自治区でイスラム教徒の少数派ウイグル族らに対する「恣意的拘束」をやめるよう中国に求める共同声明を発表した。 ピアース英国連大使が国連総会第 3 委員会(人権)で声明を読み上げた。 中国は強く反発した。 一方、ピアース氏によると、決議案などの具体的措置は計画していない。

声明は「信教の自由を含め人権を尊重するために国内法や国際義務を守るよう中国政府に求める」と強調。 また国連関連機関が制限なく現地に入ることを中国に認めるよう求めた。 クラフト米国連大使は新疆で 100 万人を超えるウイグル族や他のイスラム教徒が恣意的に拘束されていると主張し、中国政府を「非難する」と述べた。 (jiji = 10-30-19)


ミスタートイレは中国を磨く 「紙すらない」世界に挑戦

社会を良くしたい。 そんな志を抱き、ビジネスから転じて公益活動に飛び込む中国人が増えている。 豊かになったが、多くの社会問題は置き去りのまま。 その解決にやりがいを感じているようだ。 (昆山 = 冨名腰隆)

甲状腺に腫瘍「この人生に価値はあるのか」

上海にほど近い江蘇省昆山市。 小学校の運動場わきに真新しい小屋がある。 「昆山c庭公益基金会」の発起人、銭軍さん (42) が誇らしげに言う。 「我々が開発したトイレです。 においが全くないでしょう?」 追求したのは清潔さだけではない。 し尿は下水に流さず浄化槽で無害化処理し、できた肥料で児童が園芸に取り組む。 くさい、汚いと嫌われてきた学校トイレの環境改善と、循環型社会を学ぶ機能を兼ね備えたシステムだ。 清華大学と共同で取り組んだ銭さんは、普及を目指し複数の学校で試験を重ねる。

昆山の農村育ちの銭さんは 2001 年に大学を卒業後、起業した物流会社やベンチャーキャピタルで財をなした。 ところが 11 年、甲状腺に腫瘍が見つかる。 幸い良性だったが、心に変化をもたらした。 「この人生に価値はあるのか。 社会のためにやれることがまだあるはずだ。」 ビジネスの一線を退き、大学で公益活動を学ぶうち、トイレの世界に出会った。 「ロケットが宇宙へ飛び、潜水艇が海底に潜る時代。 我が国の多くのトイレには紙すらない。」 指導教授の言葉にヒントを得て 14 年、基金会(財団法人に相当)を設立した。 衛生改善に熱心な習近平(シーチンピン)国家主席が「トイレ革命」を提唱する 8 カ月前のことだ。

銭さんはトイレットペーパーの無償配布に着手した。 だが何も解決しないことに気づいた。 「一度配ったらそれで終わり。 財力にも限りがある。 変えるべきは人々の意識だった。」 そこで目をつけたのは、学校で使う教科書やノートだ。 古紙として回収し、その資金をトイレットペーパー購入に充てる。 児童・生徒の参加意識が芽生えた。 昆山の 21 校で始めた事業は 4 年ほどで 21 省に拡大、参加者数は 100 万人を超えた。

国連児童基金 (UNICEF) によると、衛生的なトイレを利用できない人は世界に約 20 億人いる。 米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏もこの問題に取り組んでいる。 銭さんは 17 年、米シアトルにあるゲイツ氏の財団に招かれて議論を重ねた。 「ビルは科学技術に投資してトイレの世界を変えようとしている。 私は、文化を育てたい。」 中国で「ミスタートイレ」と呼ばれるようになった銭さんは「私が生きているうちにトイレ問題が片付くことはない」とも言う。 だからこそ活動の持続可能性にこだわっている。

貧困対策や教育支援、増える基金会

ビジネス成功者による公益活動への参入は近年、とみに活発化している。 社会活動を行う基金会が登場したのは改革開放が本格化した 1980 年代以降。 当初は政府系機関にしか設立が認められなかったが、2004 年、個人や企業に解禁された。 毎年数百の基金会が生まれ、現在は 7 千を上回る。 16 年には慈善法の制定で資金調達などの環境も整った。 もちろん共産党や政府が無条件に市民の活動を認めているわけではない。 13 年ごろ活発になった「新公民運動」は憲法に基づく市民の権利実現を求めたものだが、公共の秩序を乱すとしてメンバーが次々と拘束された。 公益活動を制度化する半面、管理を厳格にする狙いも見え隠れする。

活動が目立つのは貧困対策や教育支援だ。 IT 大手アリババ集団の創業者・馬雲(ジャック・マー)氏は 14 年に個人の基金会を設立し、農村部での教師育成などを打ち出した。 会長を退いた馬氏は公益活動を本格化させるとみられる。 北京師範大学中国公益研究院の王振耀院長はこう指摘する。 「急速な経済成長は社会問題の影をかえって濃くした。 公益活動を支えるのは、こうしたギャップが生じた時代に多感な時期を過ごした若者たちだ。」

技術革新が公益の裾野を広げた面もある。 中国で普及したスマホ決済は、公益活動への寄付も簡単だ。 中国公益研究院によると、18 年にネットを通じて集まった寄付は前年比 26.8% 増の 31 億 7 千万元(約 485 億円)に上る。 王院長は 08 年の四川大地震の時に民政省の災害救援救済局長を務めていた。 当時多くの若者が支援活動に参加したことも現在につながっていると感じている。 「彼らは自らの行動で社会問題が解決に向かうことを知った。 そんな経験と意欲が公益活動に革新を起こしている。」 (asahi = 10-26-19)


中国のフリー女性記者拘束か 香港の抗議活動発信

香港の抗議活動についてネット上で発信した中国のフリーの女性記者が今月中旬、警察に拘束されたとみられると、香港メディアが伝えました。 中国大陸では香港の抗議活動については公式報道以外は厳しく制限されているため、記者の情報発信が拘束の要因ではないかという見方も出ています。 香港メディアや関係者によりますと、中国南部、広東省広州で活動するフリーの 30 歳の女性記者黄雪琴さんが今月 17 日に連絡がつかなくなり、地元警察に騒ぎを引き起こした疑いで拘束されたとみられるということです。

黄さんは 6 月、香港で大規模なデモ行進に参加し SNS 上で写真や動画を発信したり、ネット上で「警察の粗暴さが激しくなり、香港が中国大陸のようになってしまう」などとする文章を発表したりしていました。 その後、黄さんの家には警察が深夜に訪ねてきたほか、本人証明書を警察に没収されたため 9 月から香港の大学で研究するはずだったものの入学できなかったということです。

黄さんはもともと中国で発行されている新聞や雑誌の記者で、セクハラや性暴力を告発する中国版の「#MeToo」運動で調査報道をてがけて反響を呼んできました。 中国大陸では香港の抗議活動について公式報道以外は厳しく制限されているため、黄さんの情報発信が拘束の要因ではないかという見方も出ています。 (NHK = 10-25-19)


ディオールが中国に謝罪、台湾抜きの地図使用で

ニューヨーク : フランスの高級ファッションブランド「クリスチャン・ディオール」は事業発表の催しで台湾が明示されていなかった中国の地図を使用したとして同国政府への謝罪をこのほど表明した。 謝罪は中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」の同社アカウントで示された。 台湾が描かれていなかったのは従業員の不手際とし、中国の「主権と領土的な一体性」を支持していると指摘。 この地図は中国の大学での事業発表で使われたもので、問題が起きた経緯などを今後調べるともした。

米国の大手コンサルティング企業「マッキンゼー」によると、中国は高級ブランド品では最大規模の市場の 1 つ。 昨年のディオールの総収益を見た場合、日本を除くアジア地域の顧客の購入が約 3 分の 1 を占めた。 ディオールは、「ルイ・ヴィトン」や「ヘネシー」などと同様、LVMH グループの傘下にある。 中国は台湾の自国領土の一部とする「一つの中国」政策を主張。 近年はこの原則をより浸透させるため欧米企業に圧力をかける動きも目立つ。

米系の航空会社 3 社は中国の要求に応じ、地図上で「台湾」との表記を「台湾、中国」に変更。 米国の衣料品小売り大手「ギャップ」は昨年、台湾を含めない中国の地図がほどこされた T シャツの問題で謝罪を示した。 最近では地元政府や中国政府への抗議デモが続く香港情勢に絡み中国と米プロバスケットボール協会 (NBA) やアップル、グーグルとのあつれきも生まれた。 (CNN = 10-20-19)

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右目隠しただけ … ティファニーに「香港デモ支持」批判

米宝飾品大手のティファニーが 7 日に公式ツイッター上に指輪の広告を載せたところ、中国人から「香港デモへの支持を想起させる」、「中国への挑戦だ」などと批判が相次ぎ、広告を削除する事態になった。 同社は「なんの政治的意図もなかったが、そう受け止められたのは残念だ」としている。

広告では、モデルの中国人女性が右目を隠すポーズをしていることが問題視された。 香港で 8 月にあった政府への抗議デモで、デモ隊の女性が警察と衝突して右目を負傷したことを機に、警察への抗議のシンボルとして右目を眼帯で覆ったり、手で隠したりする若者が香港などで増えたためだ。 ティファニー側は、広告に使われた女性の写真は 5 月に撮影されたと説明している。 広告は特定の地域に向けたものではなかったが、ツイッター上に掲載されると間もなく、中国の人たちが反応した。 (香港 = 宮嶋加菜子、asahi = 10-9-19)

〈編者注〉 これでは、もう全くの「魔女狩り」行為! 香港問題の本質を議論しない(できない)こと自体が、今の中国の問題であることをしっかりと認識すべきでしょう。

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中国、ネットから人気アニメ「サウスパーク」を削除 作者が「謝罪」

過激な描写や痛烈な社会風刺で知られる米国の人気アニメ「サウスパーク」のコンテンツがこのほど中国のインターネットから削除された件について、同作品の作者がツイッターに声明を投稿し、公的に「謝罪」した。

削除のきっかけとなったエピソードのタイトルは「Band in China」。 ハリウッド映画を批判の対象とし、映画制作の過程でどれだけ中国の検閲に抵触しないための工夫が施されているかを描いた。 歯に衣着せぬ批判や風刺をいとわないその内容から、サウスパークはもはや中国ではほとんど存在しない作品となっている。 米芸能誌ハリウッド・リポーターによると、中国政府は国内の配信サービスやソーシャルメディアなどから、サウスパークに関するコンテンツやコメントをすべて削除したという。

中国側の措置を受け、サウスパークの作者であるマット・ストーン、トレイ・パーカー両氏は、8 日までにツイッターで「公式な謝罪」を表明した。 その中で両氏は「米プロバスケットボール協会 (NBA) と同様、ぼくらは中国による検閲を歓迎する。 よその国に入り込み、その国民の心情に目を光らせる行為を喜んで受け入れる。 ぼくらだって、自由と民主主義よりもお金の方を愛しているからね。」と述べた。 さらに「偉大なる中国共産党万歳! 今年の秋が豊作になりますように! ほら、ぼくらっていい子でしょ、中国さん?」とつづった。

NBA のヒューストン・ロケッツのゼネラルマネジャー (GM)、ダリル・モリー氏は 6 日、ツイッターで香港の民主化要求デモへの支持を表明した。 これに対し、中国バスケットボール協会はロケッツとのあらゆる提携を打ち切る意向を発表。 中国の国営テレビもロケッツの試合を放送しない方針を示した。 NBA は 7 日、モリー氏の見解について、中国の NBA ファンの多くを深く傷つけるものだったとして、遺憾の意を表明していた。 (CNN = 10-8-19)