行楽の秋 "神々の国" 島根県で GO! 「石見神楽列車」新装

伝統芸能の神楽のカラフルな写真や絵をラッピングした JR 山陰線の「石見神楽列車」が 7 年ぶりにリニューアル。 主に米子(鳥取県) - 益田(島根県)間の快速列車として 31 日から運行を始める。 列車は 2 両 1 編成。 鮮やかな黄色を基調に、神楽に登場する「スサノオノミコト」などの神々や大蛇の姿が車体外側に大きく描かれ、神楽の躍動感を伝える。

31 日に益田駅で出発式を開き、列車の内覧や子ども神楽の上演で新装を祝う。 列車の改装費約 700 万円は島根県が全額負担した。 石見神楽は日本神話などを題材にした島根県石見地方に伝わる伝統芸能で、5 月には「日本遺産」に認定された。 島根県の担当者は「神楽の衣装が映えるきらびやかな車体に仕上がった。 列車をきっかけに石見神楽を知ってもらい、島根を訪れてほしい。」と期待を込めた。 (sankei = 8-30-19)


バンダイナムコ、B1 島根の筆頭株主に eスポーツ視野

バスケットボール B リーグ 1 部の島根は 27 日、ゲームソフトなどを手がけるバンダイナムコエンターテインメントがクラブの運営会社・山陰スポーツネットワークの株式 56.5% を新たに取得し、筆頭株主になったと発表した。 eスポーツと絡めた事業を展開する予定だという。 バンダイナムコエンターテインメントの宮河恭夫社長は 2016 年の B リーグ開幕戦をテレビ観戦して以来、デジタル重視のリーグ戦略などに興味を持っていたという。 今季 B1 に昇格した島根の経営に参入する理由は「チーム名に(神話の)『スサノオ』というデジタルとは対極の響きが入っているところにもひかれた」と話した。 (asahi = 8-27-19)


二十世紀梨の出荷開始 生産量県内一の安来市 島根

安来市で 23 日、県内一の生産量を誇る二十世紀梨の出荷が始まった。 やすぎ梨生産部会の岩田繁樹会長から梨を振る舞われた近藤宏樹市長は「赤梨にはない風味がいい。 甘みも十分。」と話した。 岩田会長らによると、今年は春先から続いた好天候で受粉が容易だったといい、梨の生育は順調で糖度も高め。 台風 10 号の被害も受けなかったという。

JA しまねの担当者によると、やすぎ梨生産部会に所属する生産者 26 軒で約 50 トンの出荷を見込む。 選果作業は 9 月 13 日までの予定で、県内や広島、山口方面などへ出荷される。 市内で二十世紀梨の生産が始まったのは約 100 年前の明治末期。 ピークの約 50 年前には 300 軒以上が生産していたが、高齢化が進んで生産者が減り、出荷量も最盛期の 10 分の 1 ほどに減ったという。 岩田会長は「若い人も喜んで食べてくれる梨。 100 年の歴史が途絶えないよう、後継者の育成にも取り組みたい。」と話していた。 進物用は 5 キロ 3,700 円から。 注文は 9 月 3 日までに JA しまね安来梨選果場 (0854・22・3755) へ。 (長田豊、asahi = 8-26-19)


LINE で気軽に悩み 「ツナガル SNS 相談」 島根

なかなか言い出せない悩みも、匿名で相談できる SNS でなら言えるかも - -。 県教育委員会は 29 日 - 9 月 12 日の午後 5 - 9 時、高校生らを対象に無料通信アプリ「LINE」で学校生活などについての悩み相談を受け付ける。 県教委子ども安全支援室の安部順子調整監は「どんな悩みでもいい。気軽に利用してほしい」と話している。 LINE 相談の名称は、「ツナガル SNS 相談」。 大学生から専門のカウンセラーまで、事前に研修を受けた相談員が対応する。 ユーザー名などの個人情報は相談員には見ることができない。 生命の危険が予測されるケースを含む、緊急の相談や通報を除いて、相談者に許可無く相談内容を家庭や学校、関係機関に知らせることはないという。

県教委によると、相談の対象者は公立の高校と特別支援学校高等部の生徒計約 1 万 6 千人。 LINE の相談窓口にアクセスするための QR コードは、事前に各校を通じて生徒に配布するといい、一般には公開していない。 QR コードを読み取って友だち登録すれば相談できるという。 SNS を利用して悩み相談を受け付けるのは県教委では初の取り組みで、国が実施する相談事業の調査研究に、奈良、香川両県とともに参加する格好で行う。 文部科学省児童生徒課の広石孝課長補佐は「若年層は SNS の利用率が非常に高い。 従来のスクールカウンセラーや電話相談より、SNS であれば相談するハードルが下がる。」と話す。

電話やチャットで相談も NPO など

LINE 以外にも、悩みを抱える児童・生徒への取り組みがある。 18 歳以下の子どもの悩みを電話やオンラインチャットで聞く NPO 法人「チャイルドライン支援センター(東京)」は、22 日 - 9 月 4 日は特別に、電話相談の受付時間(通常、毎日午後 4 - 9 時)を延長し、午後 2 - 11 時としている。 オンラインチャットによる相談も拡充。 通常は木、金曜日の午後 4 - 9 時だが、期間中は毎日同時間帯で受け付けている。

県内の相談を受け持つ NPO 法人「チャイルドラインしまね」によると、電話相談は研修を受けた 40 - 60 代の 6 人の女性相談員が対応。 高山幸子理事長 (66) は「携帯の普及で、(知らない人へ)電話をかけることに抵抗感がある子どもが増えているのでは」とみるが、「悩みがなくても、試しにかけてみるのも大歓迎。 一度電話してみれば、本当に苦しいときに電話しやすくなるはずだから。」と呼びかける。 「学校に行くのがつらかったら、無理に学校に行かなくていいし、逃げていい。 がんばらなくていい。 そうして、少し元気が出たら、チャイルドラインに電話してみて。」 2017 年度は県内で計 697 件の着信があったという。

手紙を書くことで、今まで気がつかなかったことが見えてくることもあるという。 県障がい福祉課は毎年、10 代の若者を対象にした「こころのうたキャンペーン」を開催。 暮らしの中で、自分を支えてくれる誰かへの感謝の気持ちを 100 文字以内でつづった手紙を募っている。 担当の深田大貴さんは「手紙を書くことで、身の回りの家族、友人の大切さ、感謝の気持ちを改めて考えてほしい。 それが自分自身や他人の命の尊さに気がつくきっかけになるはず。」と期待する。 今年は 9 月19 日 - 12 月 10 日の 3 カ月間、募集する。 同課は県内の中学、高校、専門学校に募集チラシを配布する。 ファクスや郵送で応募できるという。 昨年は 563 件の応募があったという。 (浪間新太、asahi = 8-23-19)

電話相談窓口一覧
・島根いのちの電話 (0852・26・7575) 平日 9 - 22 時、土曜 9 時 - 翌日曜 22 時
・自殺予防いのちの電話 (0120-783-556) 毎月 10 日 8 時 - 翌日 8 時
・いじめ相談テレフォン (0120-779-110) 24 時間・年中無休
・24 時間子供 SOS ダイヤル (0120-0-7831、24 4時間・年中無休
・チャイルドライン (0120-99-7777) 9 月 4 日までは 14 - 23 時、それ以外は 16 - 21 時、12 月 29 日 - 1 月 3 日は休み


ワイナリーと連携 美郷町がリゾートタウン構想 島根

島根県美郷町は、老朽化で建て替え予定の町有宿泊施設「潮温泉大和荘」の指定管理者にワイン製造販売の「石見ワイナリー(大田市)」を選んだと発表した。 今後、同社と連携し、旧 JR 三江線トンネル跡地や町を代表するレジャー施設「ゴールデンユートピアおおち」なども活用した新たな町おこしを進めたい考えだ。

石見ワイナリーは、大田市の三瓶山東の原に醸造施設を持ち、地元産ブドウを使ったワイン造りを手がける。 町と同社が 19 日発表した「ワイナリー・リゾート・タウン構想」によると、大和荘を建て替え、「石見ワイナリーホテル大和(仮称)」として、同構想の中核に据える。 鉄筋コンクリート 3 階建ての 26 室。 レストランや露天風呂を備える。 今秋に建設工事の入札を行い、2020 年秋に完成。 21 年始めにオープンの予定だ。

江の川の風景や星空を満喫しながら本格的なイタリア料理が味わえるほか、ワイナリー直営ホテルならではの収穫や醸造体験も楽しめる滞在型リゾートホテルとして再出発する。 また、ワイン製造のノウハウを生かし、三江線の旧粕淵駅近くの冷暗なトンネル内をワイン貯蔵庫に活用、ワインカフェを新設する。 トンネルの資産譲渡は町が JR 西日本と交渉するという。 石見ワイナリーは、ホテルだけでなくレジャー施設「ゴールデンユートピアおおち」や町内のカヌー遊具施設「カヌーの里おおち」などの指定管理も担うことで町と合意。 ホテルを核にして一帯を総合的なレジャータウンにすることをめざすという。

嘉戸隆町長は、指定管理者の公募時にこうした提案が同社側からあったことを明かし、「攻めの施設運営で観光客を取り込み、地域振興や定住促進にもつなげたい」と話した。 石見ワイナリーの浅田博昭社長は「(美郷町は)ロケーションがいいし、いい施設もある。 (ワイン造りと)一緒にやることで町を発展させたい。」と意気込んだ。 (杉山高志、asahi = 8-22-19)


山陰合銀がメインバンクのシェア圧倒 島根県内

民間調査会社の東京商工リサーチ (TSR) が都道府県別のメインバンクの取引企業数を調べた。 島根県は、山陰合同銀行(本店・松江市)が最も多くの企業のメインバンクになっており、シェアは 66.05% で全国で一番高かった。 調査対象は TSR の企業データベースに登録されている全国 152 万社。 県内に本社を置く企業は 1 万 93 社で、このうち山陰合銀をメインバンクにするのは 6,666 社だった。

山陰合銀に次ぐ県内シェア 2 位は島根中央信金(本店・出雲市)の 8.08%、3 位は島根銀(本店・松江市)の 7.95% だった。 山陰合銀と島根中央信金は前年からシェアを微増させたが、島根銀は社数、シェアともに減らした。 山陰合銀は鳥取県内でもシェア 47.95% (3,463 社)で 1 位だった。 都道府県別のシェア率は、和歌山県の紀陽銀(本店・和歌山市)の 62.9%、滋賀県の滋賀銀(本店・大津市)の 61.36% が続いた。 TSR 松江支店は「県内では山陰合銀が圧倒的シェアを有している状況が続いている。 同時に、信用金庫の健闘が示すように、金融機関はいかに地域に密着し、取引企業の成長を支援できるかが問われている」と分析している。 (長田豊、asahi = 8-19-19)


- プレスリリース -

牧場にもコミュニケーション革命を!
島根県・広島県に牧場を構える農事組合法人吉浦牧場がビジネスチャット「WowTalk」を導入

ワウテック株式会社

利用社数 5,000 社超を誇るサービス、ビジネスチャット・社内 SNS 「WowTalk (ワウトーク)」を提供するワウテック株式会社(東京都中央区、代表取締役 瀬沼悠、以下「ワウテック」)は、農事組合法人吉浦牧場(広島県 世羅郡 代表理事 田村雅登、以下「吉浦牧場」) WowTalk を導入したことを発表いたします。

島根県大田市に本場、広島県世羅郡に分場を構える吉浦牧場は、子牛から成牛に育てる「自家育成」を行い、子牛の頃からストレスのない環境で育てあげることにこだわりを持ち、高い品質の生乳を出荷しています。 同牧場は、年間 13,600 トンの生乳を出荷する酪農業を軸に、牛のフンから作った堆肥を利用した野菜づくりをする農業まで、40 名ほどのスタッフで手掛けています。

その吉浦牧場の分場、世羅つくし分場では、58ha の広大な土地で約 1,200 頭の牛を育成しており、その広大な土地ならではのコミュニケーション課題を抱えていました。 その解決策の 1 つとしてコミュニケーションを正確かつ素早く実現できるサービス(ソリューション)を検討し、ビジネスチャット・社内 SNS 「WowTalk」の導入にいたりました。

  • 抱えていた課題

    グループウェア利用時の操作性に課題があった
    口頭や付箋での情報共有で抜け漏れが発生することがあった
    外国人スタッフも在籍、言語や専門用語という点で意思疎通に課題があった

    牧場では、牛の体調管理から分娩介助まで、約 20 名のスタッフが持ち回りで対応しており、迅速なコミュニケーションを図りたいものの、グループウェアや口頭、付箋を使うものの最適な解が見出せず悩んでいたといいます。 そして、コミュニケーションの速度と正確さは時に牛の生命に直結する深刻な課題でもありました。 そこで、機能や使用感を検討した結果、ビジネスチャットの導入に至ります。

  • 導入時に決め手となったポイント

    操作性が良く、新しいスタッフの導入教育不要で利用できる点
    写真や動画で牧場の状況をスピーディかつ明確に共有できる点
    個人名も確認できる既読/未読の表示により「送った人が読んだか」を確認できる点

    今回のインタビューでは、上記内容について詳しく伺っておりますので、ぜひご覧ください。

    農事組合法人吉浦牧場様 WowTalk 導入事例 https://www.wowtalk.jp/case/yoshiurabokujo.html

  • サービス概要 : WowTalk (ワウトーク) https://www.wowtalk.jp/

    ワウテックが開発・提供する「WowTalk」は、『直感的な操作性』、『導入教育いらず』、『数万規模の導入実績を誇る安全性』という特徴を持つ、高いリピート率(満足度)を誇るビジネスチャット・社内 SNS です。

    WowTalk は、働く環境を選ばない、いつ・どこにいてもスマートフォンや PC から、メッセージやスタンプ、画像ファイル、ドキュメントファイルなどのやりとりが可能です。 これまでに 5,000 社以上の利用実績を持ち、「トーク」、「共有(タイムライン)」、「無料通話」、「タスク管理」という基本機能、そのほかにもメンバーリスト、ファイル送受信、外部サービス連携など機能が充実しております。

    また、WowTalk は管理機能が充実しており、管理者が全社員の ID とパスワードを発行し、社員アカウントを一括管理することが可能です。 必要に応じて各種機能の有効範囲を個人単位で指定でき、重要な機密を扱う業種や情報の統制が必要な中・大企業でも安心してお使いいただけます。 (PR Times = 8-15-19)


武道フェス「ロシアの翼」で、日露戦争時に島根県民が敵国兵を救助した史実を紹介

9 日、モスクワ郊外の町バラシハで、ロシア航空宇宙軍創設記念日にあわせた日本武道フェスティバル「ロシアの翼」が開催され、地元の武道家たちが日頃の鍛錬の成果を披露した。 日本から剣道指導に来た剣道家らも参加し、迫力あるパフォーマンスを見せた。

日露合同コンサートでは、日露戦争の最中だった 1905 年 5 月 28 日、島根県江津市の和木真島沖で遭難したロシアのバルティック艦隊「イルティッシュ号」の乗組員 265 人を、地元住民が救助したエピソードが歌と寸劇で紹介され、観客は日露の知られざる歴史に触れた。

会場には、ロシアにおける剣道普及に 20 年以上取り組んでいる武徳和心会の吉山満会長の姿があった。 吉山さんは、島根県に移住して地元紙で記事を目にしたことから、イルティッシュ号の救出劇について知った。 戦時中に敵国兵を命がけで救ったというエピソードは、これまでも地元で語り継がれてきたが、その史実を知る人は日本人でもごく限られた数にすぎなかった。 ましてロシアでは全く知られていなかった。

明治時代の日本人による外国船員救助といえば、1890 年 9 月に遭難したオスマン帝国(現在のトルコ)の軍艦エルトゥールル号の乗組員を、和歌山県串本町の住民が助けたエピソードが有名だ。 この話はトルコで語りつがれ、日本とトルコによる合作映画「海難 1890」まで撮影された。 しかしイルティッシュ号のロシア人乗組員は、トルコ人とは違って、戦時中の敵だ。 情報統制下にあったとはいえ、和木の住民はもちろん、日本がロシアと戦争していることは知っていた。 しかし、目の前で溺れそうになっている人を見捨てられず、助けるという決断をした。

2018 年 1 月にイルティッシュ号の史実が初めて絵本になってから、吉山さんは絵本を日本とロシアの友好に役立てようと働きかけてきた。 また、「祖国に戻ったイルティッシュ号の乗組員の子孫と一緒に、日本で剣道をやってみたい」との思いから、乗組員子孫の捜索を関係者に依頼した。 乗組員たちはいったん捕虜になったが、その後、本国に戻り、それぞれの生活に戻ることができたのである。

在ロシア日本国大使館の広報文化部長・山本敏生公使や、モスクワ・ジャパンクラブの岡田邦夫事務局長らの協力を得て、子孫が見つかった。 イルティッシュ号の乗組員、ウラジーミル・ロジャンコ中尉(検察官)の甥にあたる人物が、在ロシア米国商業会議所会頭のアレクシス・ロジャンコ氏だと判明したのである。 ロジャンコ氏は民族的にはロシア人だが、1917 年のロシア革命で両親が米国に逃れ、ニューヨークで生まれたため、米国籍をもっている。 現在、ロジャンコ氏はモスクワで働いている。

和木の人々に捧げる歌「いつまでも記憶に」

「ロシアの翼」では、フェスティバルのハイライトとして、日本側の作詞作曲による「イルティッシュ号の歌」が披露されたほか、ロシアからの「返歌」として作られた歌「ブージム・ポームニチ(いつまでも記憶に)」が披露された。 この歌は、イルティッシュ号の史実について知ったロシア功労芸術家のウラジーミル・ミハイロフ氏が作曲し、ミハイロフ氏の友人で詩人のウラジーミル・パスィンコフ氏が作詞したものだ。

この 2 曲の組み合わせは、今年に入ってから 4 月と 6 月にも別のコンサートで披露されており、会場の共感を得て、いずれも拍手が鳴り止まなかった。 「ロシアの翼」でも、日本とロシアの歴史に感銘を受けた人々から盛大な拍手が送られた。 (徳山あすか、Sputnik = 8-13-19)


「京アニ」 島根の書店で奇跡的に損傷を免れた原画展

35 人が犠牲になった京都アニメーション放火殺人事件から、まもなく 1 カ月。 島根・松江市の書店では、この火災を奇跡的に免れたアニメの原画が展示されている。 原画展の開催は、4 月に京都アニメーションからの提案で決まっていたもので、8 月末まで開かれている。 (山陰中央テレビ = 8-12-19)


映画「高津川」 11 月末から松江、出雲で公開 島根

島根出身(出雲市)の錦織(にしこおり)良成監督 (57) が手がける映画「高津川」が完成し、11 月 29 日から出雲市と松江市で公開されることになった。 8 日には、錦織監督と主役を務める俳優の甲本雅裕さん、ヒロイン役の戸田菜穂さんらが、撮影が行われた益田市で会見し、作品に寄せる思いを語った。

作品は「日本一の清流」といわれる高津川が流れる益田市と津和野、吉賀の両町を舞台に、人口流出に歯止めがかからない地方の現実、高齢者の介護など、人々の日常を描く。 5 月に日本遺産に認定された石見神楽の伝承を通して物語は進む。 撮影は昨夏から始まった。 岡山県出身の甲本さんは「見た人が感じたことがこの映画の意味だと思う」、広島県出身の戸田さんは「高津川のように清らかで自分の人生を振り返るきっかけになる作品」と感想を述べた。 錦織監督は「小学生にも70代、80代の人にも見ていただきたい」。島根県を舞台にした同監督の作品は7作目となる。

会見には映画制作を支援してきた県や市町、企業の関係者らも出席。 益田市の山本浩章市長は「益田圏域の人々の願いがかなった。 この映画は日本の地方のあり方、未来のあり方を示している。」と語った。 11 月 29 日から、出雲市のゆめタウン出雲内にある T・ジョイ出雲と松江市のイオン松江内にある松江東宝 5 での上映開始が決定。 中国各県でもこの日から先行上映できるよう調整中という。 全国公開は 200 年初旬ごろになる見通し。 (水田道雄、asahi = 8-11-19)


少子化とまらず 小中児童生徒数過去最少に 島根

島根県は 8 日、文部科学省の学校基本調査の島根分を速報値で発表した。 小学校の児童数は 36 年連続で、中学校の生徒数は 32 年連続で過去最少を記録した。 2 校ある義務教育学校を含めても、小中学生の減少が続いている。 1948 年度から 5 月 1 日現在の数字を毎年調査している。 県統計調査課によると、今年の小学生は 3 万 4,115 人、中学生は 1 万 7,188 人、小中一貫の義務教育学校(2018 年度に八束学園、19 年度に島根大教育学部付属が移行)の生徒が 1,018 人だった。 小中学校と義務教育学校の合計で 5 万 2,321 人で、昨年より 338 人減、一昨年より 819 人減少している。

小学生は 1958 年の 14 万 4,433 人がピークで、中学生も 62 年に最多の 7 万 7,385 人を記録。 18 年度から義務教育学校への移行があり、その分の小学生と中学生の数は差し引かれるが、それぞれ 4 分の 1 以下にまで減っている。 高校生は 1 万 8,120 人で 3 年連続の減少。 ピークの65 年の 4 万 5,451 人の約 4 割にまで減っている。 卒業後の状況では、中卒者の高校進学率は 99.0% だった。 高卒者の大学進学率は 46.0% で、2010 年の 49.6% 以降、ほぼ横ばいか若干の下落となっている。 (奥平真也、asahi = 8-9-19)


"動くアート" を満喫! 島根県浜田市で「クルクルパラパラ動くアートの秘密展」開催中

島根県浜田市の浜田市世界こども美術館創作活動館で、9 月 23 日(月)まで「クルクルパラパラ動くアートの秘密展」が開催されている。 「動く作品」にスポットをあて、その作品がどのような仕組みで構成されているのか、動くアートの秘密と歴史を紐解いていく体験型展覧会。 人は昔から「動く映像」を求めていた。 その代表格として浮かぶのが「パラパラ漫画」。 また、円盤やカードの両面に絵を描きクルクルと素早く回転させることによって、2 つの絵が重なり 1 つに見える「ソーマトロープ」は 1820 年代に発表されたと言われている。

同展では、このような「動くアート」 に着目し、現在の映像やアニメーションの中に脈々と生き続けている古くからの原理や最新式のアートの不思議を楽しみながら体験できる。 大人から子どもまで誰もが楽しめる展覧会だ。

担当者は「子どもの頃に教科書やノートの端に絵を描いて、めくって遊んだことがあるのではないでしょうか? 『パラパラ漫画』はよく知られている動くアートのひとつです。 本展では、作家たちが描いたパラパラ漫画を手に取って見たり、自分でスタンプを押してパラパラ漫画を作ることもできます。 その他、ゾートロープと呼ばれるアニメーションの原理を体験する作品、実際にコマドリアニメをつくることのできる作品など不思議とワクワクがたくさん詰まった展覧会です。」と展覧会の魅力を話す。 作品を見るだけでなく、自分で作る楽しさもある「クルクルパラパラ動くアートの秘密展」。 ぜひ親子で足を運ぼう。 (Walker+ = 8-5-19)


島根初出店! ドコモ回線の格安 SIM 会社「X-mobile」が、ゆめタウン出雲に 8/30 オープン予定

ドコモ回線の格安 SIM・格安スマホの販売店「X-mobile (エックスモバイル)」が、出雲市姫原のゆめタウン出雲にオープン予定です。 オープン予定日は 2019 年 8 月 30 日で、島根県初出店となります! 格安 SIM 会社といえば、ソフトバンク回線のワイモバイルや、au 回線の UQ モバイルなどは既に出雲にショップがあります。 他にも LINE モバイルやマイネオ等、格安 SIM 会社はたくさん存在しますが、ショップ(スタッフがいる店舗)を構えている会社は少ないのが現状です。

ショップが無い場合は、ネット申し込みをして自分で契約・設定などをする必要があり、操作に自信がない方はなかなか踏み出せないかもしれません。 今回「X-mobile」が出店するということで、今ドコモをお使いの方で格安 SIM への乗り換えを検討している方はオープン直後に訪れてみると良いと思います。 オープン記念割引などの特典が受けられるかもしれません! (号外 Net = 8-4-19)


親善大使に人気高校生起用 島根、若者目線で魅力発信

島根県は 31 日、同県海士町の隠岐島前高 2 年で、男性スターを輩出してきた「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で昨年入賞した井手上漠(いでがみばく)さん (16) と、大阪府出身のユーチューバー、めがねさん (20) に、ふるさと親善大使の島根県版「遣島使」を委嘱した。 地域活性化の一環として、若い目線で見た島根県の魅力を広く発信してもらう狙い。

井手上さんは「16 年間、島根で暮らしているので PR する機会をもらえて光栄。 全力で務めたい。」 めがねさんは「関西人の目線で島根の面白いところを発信していきたい」と抱負を語った。 井手上さんは、中性的な魅力で人気があり、写真共有アプリ「インスタグラム」で 37 万人のフォロワーを抱える。 めがねさんは動画共有サイト「ユーチューブ」のチャンネル登録者が 36 万人を超え、2 人とも大きな影響力を持つ。

県の観光ポスターやパンフレット、公式ウェブサイトや SNS (交流サイト)への起用を予定している。 「遣島使」制度は 7 - 9 世紀に活躍した「遣唐使」にちなみ、1989 年度から始まった。 俳優の中井貴一さんや声優の日高のり子さんらも委嘱されている。 (kyodo = 7-31-19)


透析患者も食べられる低カリウムメロン アイスで手軽に

島根大が開発した、食事制限がある人工透析患者などでも食べられる特殊なメロンがアイスになった。 作ったのは、同大と協力して低カリウムメロンの栽培や商品化を担うさんわファクトリー(松江市)。 26 日から注文販売を始めた。 低カリウムメロンは、島根大生物資源科学部の浅尾俊樹教授 (61) = 園芸学 = が 2014 年に栽培法の特許を取得した、含有カリウム量が通常の約半分のメロンだ。 腎臓の機能が低下して体内にカリウムがたまりやすく、摂取しすぎると手足のしびれや不整脈を起こす恐れのある透析患者でも安心して食べられる。 改良を繰り返し、18 年から本格販売を開始している。

今回のアイスは、低カリウムメロンの果汁や果肉を使用。 1 カップ(67 グラム)あたり果肉が約 13 グラム入り、含有カリウム量は 130 ミリグラム。 同社によると、メロンを使わない一般的なアイスクリームとほぼ同程度という。 牛乳が多めのものと、シャーベットの計 3 種類を作った。 低カリウムメロンは 1 玉 3 千 - 5 千円と高価で、日持ちもしない。 そこで手軽に味わえ、保存できるアイス化を検討。 2 月に大田市のアイス製造会社に依頼した。 カリウムは牛乳にも含まれることから、島根大医学部の腎臓研究の専門家にもアドバイスを受け、低カリウムメロンや牛乳の量を調整しながら味を安定させることに成功した。

全国腎臓病協議会が 6 月に発行した情報誌のプレゼントにもなり、既に医療業界から注目が集まっているという。 さんわファクトリー栽培チームの野田明男代表は「暑さで食欲が低下している時の栄養摂取にもなる。 普段は食べられない果肉を感じながら、味わってほしい。」 浅尾教授は「低カリウムメロンだからこそできる味。 患者と家族が一緒に食べて楽しんでもらえるものになれば。」と期待する。 注文販売のみで、1 個 410 円(税込み)。 さんわファクトリー(0852・20・5250、平日午前 10 時 - 午後 5 時)で受け付けている。 (市野塊、asahi = 7-28-19)


- プレスリリース -

【JAF 島根】 「JAF デー in 道の駅奥出雲おろちループ」を開催します!

一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF)

JAF 島根支部(一般社団法人日本自動車連盟島根支部 支部長・野々村健造)は、8 月 25 日(日)仁多郡奥出雲町にある道の駅「奥出雲おろちループ」にて、「JAF デー in n道の駅奥出雲おろちループ」を開催します。

JAF では「JAF デー」と題し、毎月全国でさまざまなイベントを開催しております。 島根支部で開催する 8 月の「JAF デー」は、道の駅奥出雲おろちループにブースを出展し、地域の特産品などが当たる抽選会や、交通安全のクイズに答えてもらえる運転免許証そっくりなカード「子ども安全免許証」を出展します。 また、会員限定でトミカオリジナルミニカー「トヨタダイナレッカー車」などの販売もしております。

当日駐車場では「はたらく車大集合!」と題して、JAF のシートベルト衝撃体験車をはじめ、消防車やパトカー、自衛隊車などの展示や記念撮影会も同時開催しています。 そのほか隣接するロッジの見学会などもあり、ご家族でお楽しみいただけるイベントです。 詳細は、https://jafevent.jp/event/1906_32_005_0.html。 (PR Times = 7-26-19)


ノドグロなど、島根・浜田市の美味を販売 広島市の特産店

飲食店経営の A.C.E. (広島市)は 23 日、島根県浜田市の特産品を販売する店舗を広島市に開いた。 浜田港で水揚げされたノドグロやアジの一夜干しに加え、有機野菜など 300 点を超える商品を取りそろえる。 同社の井出祐之代表取締役は「山陰の食文化を広島県民や観光客にアピールしたい」と話した。 1 階の店舗の延べ床面積は約 116 平方メートル。 2 階と 3 階は飲食店となっており、島根県と広島県の食材を使った料理や日本酒が味わえる。 同日のオープニングセレモニーに出席した浜田市の久保田章市市長は「海の幸など多岐にわたる特産品が広まるきっかけになれば」と期待を込めた。 (nikkei = 7-23-19)


参議院議員選挙 島根県の投票率も過去最低に 54.04%

島根県選挙管理委員会は 21 日、参院選で前回 2016 年に続き鳥取県との合区となった島根県の投票率が 54.04% だったと発表した。 前回の 62.20% を 8.16 ポイント下回り、過去最低となった。 (佐賀新聞 = 7-21-19)


木次線の駅カード誕生、20 日から配布へ 島根

JR 木次線の駅舎を紹介した駅カード「もっとつながる木次線カード」を、木次線利活用推進協議会(事務局・島根県奥出雲町)が初めて作った。 20 日から県内 5 駅で先着 300 人に配布し、木次線の利用促進を目指す。 公共施設を紹介したカードとしては、国土交通省が 2007 年から作成するダムカードの人気が高い。 利用促進に悩むローカル鉄道の沿線自治体も人気にあやかろうと、山口県の JR 岩徳線が昨年から発行するなど各地に広がりつつある。

木次線の駅カードは、宍道駅(松江市)と備後落合駅(広島県庄原市)を除く木次線の 16 駅を紹介。 加茂中駅、出雲大東駅、木次駅(いずれも雲南市)、出雲三成駅、出雲横田駅(いずれも奥出雲町)で乗車または降車した人に配布する。 一時停車中の乗降は危険を伴うため配布しない。 各駅で配布するカードは 1 - 5 種類で、5 駅を回れば全 16 種類が手に入る。 ただ 5 駅で乗降するには最短 2 日かかり、駅ごとに営業日や営業時間も異なるため、協議会のホームページ (http://kisuki-line.jp/3120) でお勧めの乗降ルートも紹介されている。

奥出雲町の担当者は「夏休みを使って、普段は木次線を使う機会が少ない沿線の親子に乗ってほしい」と期待。 沿線自治体の小学校や幼稚園などに駅カード配布のチラシを配り、利用を呼びかけている。 配布期間は 8 月末までだが、各駅 300 セットがなくなり次第終了。 配布初日の 20 日午前 9 時半から、木次駅で先着 30 人にオリジナル缶バッジを配るセレモニーもある。 問い合わせは奥出雲町地域づくり推進課 (0854・54・2524) へ。 (長田豊、asahi = 7-18-19)


「最古の石の町」固い友情 岐阜・七宗町と島根・津和野町

2 種類、博物館で展示へ

(岐阜県)加茂郡七宗町は、「日本最古の石」を縁に島根県津和野町と交流を深める。 今年 3 月に津和野町で見つかった日本最古とされる石の一部の寄贈を受ける方向になったことが 17 日、分かった。 それまで最古だった七宗町で発見された石を展示している「日本最古の石博物館(同町中麻生)」で展示する方針。 将来の姉妹都市提携も視野に友好関係を築いていく。

七宗町では、1970 年に飛騨川の川底から 20 億 5 千万年前の岩石が発見された。 上麻生礫岩(れきがん)の中に含まれる片麻岩で、これまで日本最古の石だった。 同博物館は町が 96 年に開設し、内外の古代岩石を展示している。 津和野町では、3 月に広島大の研究チームが、年代測定で確認されたものとして日本最古となる 25 億年前の「花こう片麻岩」が見つかったと発表。 チームが 2017 年に岩の一部を採取し、年代を特定した。

七宗町は 13 年に発生した島根・山口豪雨災害の復旧支援で、町職員を津和野町に派遣するなど、両町は以前から友好関係がある。 町長同士の親交も深い。 今回、七宗町に日本最古の石博物館があることから、津和野町側から一部の寄贈の申し出があったという。 相互の信頼と理解を深めるため、七宗町幹部が今月、津和野町を訪れ、現地視察や今後の交流促進を確認した。 津和野町側からも今夏にも七宗町に来訪してもらい、同博物館などを視察してもらう方向で調整している。

七宗町は本年度、同博物館の改修を行う予定で、これに合わせて館内に津和野町の石の展示コーナー設置を検討する。 早ければ、七宗町での石発見 50 年の節目となる来年度にも、新旧の日本最古の石が同博物館で見られるようになる。 (岐阜新聞 = 7-18-19)


地元産のアムスメロン出荷「甘さと香り負けない」 島根

島根県大田市でアムスメロンの出荷が本格化するのに合わせ、JA しまね温泉津町施設園芸組合の岩倉勝政組合長らが 11 日、楫野弘和市長に大玉のメロンをプレゼントした。 同組合管内には 2 ヘクタール弱のメロン栽培地があり、7 月から 8 月にかけて十数戸の生産農家が年間 50 - 55 トンを松江市など県東部や関西方面に出荷している。 今年は 5 月以降に好天が多く、日照時間に恵まれたことで例年より糖度が高めという。 岩倉組合長は「甘くて香りがあって質のよさはどこにも負けない。 たくさんの人に食べてほしい。」 試食した楫野市長も「うん、甘くてうまい」と笑みを浮かべていた。 (杉山高志、asahi = 7-15-19)


韓国チャーター便、日韓の関係悪化で中止

島根・出雲空港で 12 便

日韓関係の悪化によって韓国でツアーのキャンセルが相次いでいるとして、島根県出雲市の「出雲空港」と、韓国の「金浦(キンポ)空港」間のチャーター便が一時運航中止となることが分かったと、共同通信、FNN プライムオンライン、産経新聞などが報じた。 韓国の航空会社から連絡を受けた島根県が 12 日までに明らかにしたという。 (まぐまぐ = 7-12-19)


木次駅「"き" と "ハートマーク"」看板が七夕デザインに 島根

JR 木次駅(島根県雲南市木次町里方)駅構内にある「"き" と "ハートマーク(= すき)"」の看板が、七夕デザインにリニューアルされた。 ハートを挟んで織姫とひこ星が向かい合う新しい看板は、8 月 7 日まで設置される。 リニューアル初日の 7 月 5 日は、奥出雲町の幼児園に通う園児 14 人が七夕飾りを駅舎内に飾った後、カッティングシートを貼り付けた新しい看板を除幕。 看板を見上げて喜んだ。

「"き" と "ハートマーク(= すき)"」の看板は、雲南市や奥出雲町などでつくる木次線利活用推進協議会が昨年 4 月に設置した。 その約 2 カ月前に JR 臼杵駅(大分県臼杵市)で「"う" と "ハートマーク(= すき)"」看板が取り付けられたのをならった。 今春は臼杵駅と同時にバレンタインデーとホワイトデーのデザインに変更し、地元の利用者らから好評だったという。 七夕デザインについて雲南市うんなん暮らし推進課の高田浩二課長は「SNS などで話題になれば」とし、「冬にはクリスマスのデザインにも変更したい」と話した。 (長田豊、asahi = 7-9-19)


トウモロコシ受粉に工夫 農業女子の石橋智子さん 島根

3 月に種をまいたトウモロコシが収穫できるようになりました。 シンプルに塩ゆでしてかじりつくのが最高においしく、今年も夏が来たなぁと感じます。 トウモロコシといえば思い出す出来事があります。 大学の授業で、各自好きな作物を一つ栽培するという機会がありました。 私の友人がトウモロコシの苗を一株だけ植えました。 雄花と雌花が出て順調と喜んでいたのにちっとも実が膨らみませんでした。

当時野菜作りに何の知識も無かったので、植えて水やりをすれば勝手に育ち、それなりのものが収穫できると思っていました。 なぜ実が膨らまなかったのだろうとその時に調べて初めてトウモロコシの実ができる仕組みを知りました。 トウモロコシは雄花と雌花が同じ株の離れた場所につく「雌雄異花同株」です。 雄花は株のてっぺんに、雌花は真ん中あたりにそれぞれつくのです。

雄花の花粉が風に乗って雌花にあるひげにつくことで実がなりますが、同じ株の雄花と雌花はできるタイミングが少しずれているため、自分の花粉を自分の雌花に受粉させる「自家受粉」には向いていません。 他の株の花粉で受粉する「他家受粉」の性質があるといえます。 また、ひげの一本一本が実の一粒一粒になるため、粒がそろった充実した実にするためにはまんべんなく受粉する必要があります。 そのため一株だけ植えても受粉が不十分になり、充実した実ができにくくなるのです。

この「他家受粉」という性質は、同じ個体の遺伝子だけでなく他個体の遺伝子を得ることで遺伝的多様性を生み、あらゆる環境の変化に対応できるようにしているようです。 とうもろこしの雄花と雌花が異なるタイミングで出来るのも、自家受粉を避け他家受粉を促す植物自身の工夫といえます。 つくづく植物は賢いですね。 あの失敗を経験して以来、トウモロコシを植えるときは複数本を 2 列以上にして植えるようにしています。 受粉の仕組みは作物によって様々で、実のなる作物を植えるときには注意が必要ですがとても興味深いところでもあります。 (asahi = 7-7-19)

いしばし・ともこ 津和野町出身。 島根大学生物資源科学部で生産技術管理を研究。 卒業後はお茶農家に嫁ぎ、現在は育児に奮闘中。 農業や地域の魅力を発信していくことが目標。