「医師少数」 16 県を公表 = 偏在是正を促進 - 厚労省

厚生労働省は 18 日、都道府県や各地域の医師数の偏りの度合いを示す「医師偏在指標」について、現時点の推計を公表した。 都道府県別では下位の岩手や新潟など 16 県を「医師少数 3 次医療圏(都道府県)」として、重点的に医師不足解消を促進する方針。 同日開いた医師需給に関する有識者検討会の分科会で示した。

推計によると、16 県は岩手、新潟、青森、福島、埼玉、茨城、秋田、山形、静岡、長野、千葉、岐阜、群馬、三重、山口、宮崎。 厚労省は 2036 年度の医師偏在解消を目指している。 19 年 4 月施行の改正医療法では、都道府県が複数の市区町村などで設定する「2 次医療圏」ごとに、医師数や人口などを基に算出する医師偏在指標に応じ、医師少数区域・多数区域を指定。 少数区域の医師確保のため重点的に対策を進める。 (jiji = 2-18-19)


過疎進む集落が「教室」 実習 600 時間、奮闘した学生

地域社会を支える新しい人材を育てようと、高知大学が地域協働学部を創設して 4 年。 1 期生 56 人がこの春、社会に巣立つ。 人口減と高齢化が急速に進む集落を主な「教室」に、600 時間の実習を終えた学生たち。 手探りの毎日から何を学び、どう考えたのか。 カツオの一本釣りで知られる高知県黒潮町。 4 年の川上千裕さん (22) と下村海登さん (22) ら 5 人は 2 年半、この漁師町にある小さな水産加工会社「土佐佐賀産直出荷組合」に毎週のように通った。 大学から車で 2 時間。 地域資源を活用し商品化まで目指す、地域協働学部の「実習」だ。

香川県出身の川上さんが 4 年前、新設された地域協働学部に進学したのは「現場に出ることが多く、大勢の人に出会えて楽しそう」と思ったから。 実際、その通りだったという。 1 年のとき、中山間地など六つの実習地を回った。 祭りを手伝い廃校に泊まり込み、地域の人々とじっくり話し合う。 そんなとき黒潮町で出会ったのが、浜町明恵さん (55)。 勤め先の水産加工会社が倒産し、3 人の子を抱えて困っていた 15 年前、奮起してこの会社を立ち上げた人だ。

忙しい共働き家庭に、手軽で安心な食品を提供したい。 地元の魚を使い、県外にも売って漁師を元気づけたい - -。 地元愛あふれる姿に刺激を受け、助言を得ながら、川上さんも新商品開発に挑んだ。 それが沖でとれたシイラを使った「白身魚のつみれ」だ。 「生協のチラシにも載り、実際に 50 個ほど売れたのがうれしかった。 でも、早く結果を出そうと急ぎすぎた。 もっと地域を知り、深掘りすべきでした。」

下村さんは黒潮町出身。 実習で戻るたび、故郷を「再発見」する思いだったという。 「地域資源をビジネスに生かし、地元を何とかしたいと頑張っている会社が、あんなにたくさんあるなんて。」 たとえば、天日塩。 粒が大きくミネラルも豊富で、なめると一瞬辛い。 それがうまみに変わり、甘みも感じる。 こだわりを持って作る会社がいくつもあった。 その製品と新鮮な魚でつくる「きびなごフィレ」が、浜町さんの会社の看板商品になっていた。 「物の見方が変わりました。 材料に目が行くようになり、働く人の姿も目に浮かぶようになった。」

カフェ開設で販路拡大

株式会社・里人の「取締役」。 これが三重県出身の 4 年、大道健太さん (22) が持ち歩いた名刺の肩書だ。 2 年前、教員や仲間と一緒に立ち上げ、大学近くにカフェを開いた。 実習地に選んだ先は、山深い大豊町。 65 歳以上の高齢化率は 56% に達する。 なんとか活性化しようと「ブルーベリーの里」構想が動き始め、協力農家による果実の収穫も増えていたが、販路に苦労していた。

その「課題解決」としてカフェで始めたのが、大豊町のブルーベリーを使ったアイスやワインの販売だ。 思ったほど売れ行きは伸びなかったが、「世界を広げ、新しい経験を積む楽しさを覚えた。」 一方で、実習が多い分、他学部の学生から「ブラック学部」と呼ばれるほど時間をとられたのも事実。 「しんどくて、まず自分に能力をつけたいと思った」と漏らす学生も。 「活性化で人が大勢来ることがいいことか」と地元で問われ、衝撃を受けた学生もいる。

受け入れ側「ガチンコ」

受け入れた側は、学生をどう見ていたのか。 「正直、大変でした。」 黒潮町の浜町さんは苦笑する。 経営に追われながら準備し、作業用の白衣まで学生に用意した。 昼ご飯のゴミを教員が集めて回る姿を見たときは、学生たちを一喝。 「何をしたいかが、わからん」と本音をぶつけると泣き出す学生もいたという。 「うちはガチンコでやりましたから。」 実は大相撲の千代の海関のお母さんでもある。

ただ、受け身だった学生たちも自ら動き始める。 漁師たちと交流し、地元中学には食の話をしに出向いた。 人々とつながり始める姿を見て印象が変わったという。 「地域のために一生懸命だった。 やってよかった。」 「地域」を掲げる学部新設は、高知大の翌年にも相次いだ。 そのうち宇都宮大(地域デザイン科学部)と宮崎大(地域資源創成学部)との合同で昨年 2 月、シンポジウムを開催。 引率した松本明准教授 (45) は、高知大の学生が「企画でどういう成果をあげるかより、自分たちが現場で育てられ、地域の成長に結びつけられるかが大事」と話す姿に成長を感じたという。

卒業予定の 56 人のうち、県外就職 39 人に対し県内は 13 人にとどまった。 川上さんは地元・香川の住宅メーカー、大道さんは東京の電機会社に就職。 下村さんは「地域づくりは人づくりだ」と考えるようになり、社会科教員を目指して大学院に進む。 上田健作学部長 (63) は「地元に残る人は予想より少なかったが、多様な人々との出会いを通じて高いコミュニケーション能力を身につけた。 どこに行っても将来、きっと役立つと思う。」と話している。 (萩一晶、asahi = 2-17-19)

〈高知大学地域協働学部〉 2015 年開設。 地域との「協働」によるコミュニティー再生、商店街の活性化、地場産品を生かした商品開発など、課題解決を目指す。 1 年生では県内各地を回って地域への理解を深め、2、3 年生では選んだ実習先で企画の立案、実践に挑む。 4 年生では卒論に打ち込む。 学校内外での実習は 3 年間で 600 時間。


大坂選手の雪像が人気 … さっぽろ雪まつり最終日

北海道の冬を彩る「第 70 回さっぽろ雪まつり」が 11 日、最終日を迎え、メイン会場の札幌市中央区の大通公園では約 110 基の雪像を見ようと、国内外の観光客が詰めかけて大にぎわいとなった。 人気を呼んでいるのは市民の制作による女子テニスの大坂なおみ選手の雪像で、一緒に写真を撮ろうとする人々で行列となった。 友人と訪れたという千葉市の女子大学生 (22) は「晴天の太陽の光を受けて雪像の細かい部分までキラキラしていて、とてもきれいです」と話した。 (yomiuri = 2-11-19)


うすきのふぐ CM、大賞に輝く 冬季五輪競技とコラボ

大分県臼杵市が名産の「ふぐ」と冬季五輪の人気競技をコラボさせて制作した CM が、優れたローカル CM や地方 PR 動画に贈られる「ぐろ〜かる CM 大賞 2018」で、最高賞の大賞に輝いた。 2017 年 12 月 - 18 年 11 月に放映された計 128 本がノミネート。 CM の戦略立案などを行うテムズ(東京、鷹野義昭社長)が運営する「ぐろ〜かる CM 研究所」が選考した。

大賞の CM は、市が昨年度から取り組む観光プロモーション「う●(= ハートマーク、すき)プロジェクト」の一環で、特に若い女性への PR に力を入れるために制作した。 費用は約 400 万円。 内容は、CG のふぐがコミカルな動きで氷上をストーンになって滑る「カーリング編」、華麗なペア演技を見せる「アイススケート編」、見事な K 点越えをする「スキージャンプ編」、空を舞う「スノーボード編」の 4 本がある。

それぞれの最後には「世界よ、これが臼杵のふぐだ。」、「あなたのほっぺたを落としたい。」、「うまさ、K 点越え!」、「今年も活きのいいふぐ、揃ってます。」の決めゼリフとともに、盛り付けられた肉厚のふぐ刺しの映像が現れ、食欲をそそる仕掛けだ。 福岡市の広告会社「西広」が約 2 カ月がかりで制作した。 ふぐのリアルさを追求する一方で、グロテスクとも言われる模様を左右対称にして見た目を良くしたり、親しみやすいようコミカルな動きにしたりしたという。 昨年の平昌冬季五輪の開幕に合わせ、県内 3 社、福岡県 2 社、宮崎県 1 社、愛媛県 1 社のテレビ局で約 1 カ月間、放映された。

鷹野社長は「アイデアが良くすばらしい。 自治体の PR 動画は多いが、テレビ CM は新しい。 秀逸な広告展開を高く評価する。」 中野五郎市長は「若い人たちにも市に来てもらおうと制作した。 いろんな人に来てもらって、臼杵を味わってほしい。」と話した。 CM は YouTube 「うすきプロジェクト公式」のページで視聴できる。 (佐藤幸徳、asahi = 1-28-19)


JR 東 3 月ダイヤ改正、特急停車減に反発 長野の沿線自治体

JR 東日本が発表した 3 月のダイヤ改正が波紋を広げている。 茅野を除く長野県諏訪地域各駅と塩尻駅の特急停車本数が減るため、経済団体は改正見送りを強く求めている。 「住民の生活や経済活動、観光へ重大な影響を及ぼす」と JR への反発を強めている。 削減本数がとくに多いのが下諏訪駅(長野県下諏訪町)。 上りは午前 6 時 45 分と午後 5 時 42 分、下りは午前 10 時 1 分と午後 11 時 24 分しか特急が止まらず、昼間の停車はなくなる。 下諏訪から新宿方面へ早く行くには普通列車で上諏訪駅か茅野駅まで行き、特急に乗り換えるしかない。

周辺には諏訪大社や温泉、御柱祭を紹介する資料館などの観光地があり、製造業を中心とした企業も多い。 諏訪大社下社秋宮近くのそば店の女性店員 (64) は「特急が下諏訪駅に止まらなくなると、首都圏からの観光客は、上諏訪駅などからバスやタクシーで下諏訪に回ることになる。 でも、そこまでして来てくれるだろうか。」と不安を口にする。

成人式のため信州に帰省し、15 日昼過ぎ、下諏訪駅から新宿行きの特急で東京へ戻るという女子大学生 (20) は「特急が減ると帰省で不便になる。 (割安の)回数券が使えなくなるのも困る。」 下諏訪観光案内所の小松直人所長 (68) は「観光客は諏訪のいろいろな名所を回るので、下諏訪に来る人が極端に減ることはないと思う。 ただ、普段、特急をよく利用する出張のサラリーマンや住民は困るだろう。」と危惧する。

諏訪、木曽地域や塩尻市など沿線の自治体や議会、商工会議所・商工会は 7 日、ダイヤ改正を見送るよう、JR 東日本長野支社(長野市)に要請書を提出した。 文面には「地方の活力や気力をそぎかねない」、「一方的にダイヤ改正を行うのは横暴」と厳しい言葉が並んだ。 阿部守一・長野県知事も 11 日の定例記者会見で「私どもは特急の停車駅数を減らして高速化をしてくれと要請したことはない」とし、地域の声を聞いて対応するよう JR に求めた。

沿線の自治体はこれまで、駅周辺の公衆トイレやバス乗り場の整備など JR と連携して進めてきた。 塩尻市によると、今回のダイヤ改正に際し、JR から発表直前に内容の説明はあったが、市側が意見を挟む余地はなかった。 そのため首長らは「寝耳に水」、「信頼関係が損なわれた」と反発を強めた。

沿線自治体は JR 東日本本社への改正見送り要請も検討している。 ただ、鉄道会社にとって、ダイヤ改正とそれに伴う新サービス導入は、重要な営業戦略といえる。 今回の中央線のダイヤ改正はすでに発表され、長野や山梨県民だけでなく、首都圏の大勢の利用者が関係する。 JR 東日本本社の広報担当は「基本的に既に発表した 3 月のダイヤ改正は実施する。 営業をしてみて、利用状況や実績を確認し検討することはある。」とし、現時点で改正の見送りはないと言い切る。 (小川直樹、mainichi = 1-19-19)

【メモ】 昨年 12 月 14 日に発表され、改正実施は 3 月 16 日。 中央線の特急「あずさ」については「速達ニーズに応える」とし、松本 - 新宿間の平均所要時間の短縮を図った。 上りが 4 分短縮され、平均 2 時間 37 分に、下りが 6 分短縮され平均 2 時間 38 分になる。 それに伴い諏訪地域などの特急停車が減り、上下線合計本数は、▽ 塩尻 28 (5 減)、▽ 岡谷 28 (4 減)、▽ 下諏訪 4 (12 減)、▽ 上諏訪 34 (2 減)、▽ 富士見 4 (7 減)となる。 ほか、新たな着席サービスを導入し、特急は全席が指定席となり、自由席はなくなる。 「あずさ回数券」の販売・利用も終了する。


減反廃止 2 年目のコメ作付面積、14 道府県で前年割れ

減反が廃止され 2 年目になる今年の主食用コメの生産を巡り、14 道府県が昨年の作付面積より少ない「目安」を設けたことが、朝日新聞の 17 日までのまとめでわかった。 農林水産省は今年のコメ需要が前年より 1.2% ほど落ち込むとみており、価格維持を意識した減産傾向と言えそうだ。 国が生産量を配分する減反政策は 2017 年限りで終わったが、昨年以降も 45 道府県で、行政や JA が参加する協議会などが生産数量や作付面積の「目安」や「目標」を設けている。

作付面積の目安(幅がある場合は最大値)を前年の作付け実績と比べると、秋田、茨城、千葉、奈良の 4 県が 5% 以上減らす。 北海道や宮城、福島といったコメどころや愛知、京都なども減らす。 東日本では昨年、目安を上回る作付けがあった産地も多く、「価格維持には生産量を抑える必要がある(関東の行政担当者)」との判断からだ。 (山村哲史、asahi = 1-18-19)


「野菜摂取ワースト県」に本社のカゴメ 健康研修を強化

カゴメ(名古屋市)が、食と健康にまつわる研修や講演会を開く事業を強化する。 自社調査では、1 人あたりの 1 日の野菜平均摂取量が愛知県は全都道府県で最下位の約 99.5 グラム。 商機があるとみて、今年からは対応する社員を従来の 3 倍、計 60 人に増強する。 企業や自治体向けで 2017 年に始めた。 セミナーや研修は 1 回 20 万円から。 管理栄養士の資格を持つ社員を講師として派遣。 昨年の開催実績は 61 回だった。

社員の健康を重視する企業が増えていることから、昨秋、健康プログラムを開発し販売する社長直轄の部署を立ち上げた。 今後、研修プログラムも増やす。 稲垣慶一・名古屋支店長は「法人向けセミナーの需要が増えている。 物販ではない新たな提案で、野菜の摂取量を増やしたい。」 野菜は 1 日に 350 グラムとることが望ましいという。 (斉藤明美、asahi = 1-17-19)


追い込まれる地場百貨店 井筒屋社長「分かれ目」の戦略

福岡県北九州市を地盤とする百貨店の井筒屋が、昨年 7 月に北九州市と山口県にある 5 店舗のうち 3 店舗の閉店を発表した。 そのうち黒崎店は自治体などからの要望もあり、再出店に向けた協議をすることに。 今後 1 - 2 カ月で決断したい。 売り場は今より小さくなるので、サテライトショップの拡大版という店作りになるだろう。 とはいえ、経営資源を本店である小倉店に集中させる基本戦略は変わらない。

最近は商業施設やネット通販など競合が増えた。 2021 年には北九州市のスペースワールド跡地にイオンモールが出店する。 井筒屋の小倉店も売上高は厳しく見積もって 5% は落ちるだろう。 経営資源を集中させるのは、それでも利益が出る態勢にもっていくためだ。 20 年春までに 20 億円以上をかけて改装をする。

小倉店では設備面や接客サービスを磨くほか、外商を中心とした富裕層向けに VIP サロンを作って「らしさ」を出す。 楽しい生活がしたい、いい物に囲まれて生きたいという要望に応えるのが百貨店だ。 井筒屋は今、百貨店のよさを維持できるか、店が存続できるかどうかの分かれ目にあるといえる。 (聞き手・田幸香純、asahi = 1-13-19)


一票の格差、地方議会で拡大 7 割 是正より優先するもの

地方の首長や議員を選ぶ今年 4 月の統一地方選で、選挙がある 41 道府県議選のうち、7 割の 29 道府県で 4 年前の統一選より「一票の格差」が拡大する。 前回拡大したのは 13 県だった。 議員定数を減らすのは 9 道県で、前回の 15 道府県を下回る。 人口減少を背景に続いてきた定数削減の流れに変化が起きている。

総務省や都道府県議会の事務局などへの取材をもとに、朝日新聞が集計した。 47 都道府県議会の議員定数は、日本の人口減少が本格的に始まる前の 2007 年統一選時点の 2,784 と比べると、今年 4 月は 2,679 で 105 減となる。 都市と地方の人口の二極化で広がる一票の格差の是正や、財政難による経費削減などが理由に挙げられる。

ただ、二極化が引き続き進む中で、4 月の統一選で定数を減らすのは 9 道県にとどまる。 人口が減る地方の選挙区よりも、人口の多い都市部などで一票あたりの価値が下がり、15 年の統一選と比べて 29 道府県議選で一票の格差が拡大する。 三重県では定数の「6 減」を決めていたが、対象選挙区の議員らが「一票の格差だけで定数を削減すべきではない」と反発。 6 減を撤回する条例案を 18 年 3 月に可決した。 一票の格差は前回の最大 2.64 倍から 1.66 倍に縮む予定だったが、2.93 倍に広がる。

定数を増やす議会もある。 福岡県では 24 年ぶり、熊本県では 60 年ぶりに増やす。福岡は県全体の人口が増えているが、熊本は人口が減っているのに議員数は増える。 選挙区ごとの比較で、有権者は多いのに定数が少ない逆転現象があり、これを解消するためだ。 県議からは「先進的に減らす努力をしてきたので、県民にも理解してもらえる」との意見があったという。 前回の統一選では、定数を増やした議会はなかった。

4 月の 41 道府県議選で、一票の格差が最も大きいのは兵庫の 3.16 倍、最も小さいのは佐賀の 1.48 倍。 兵庫は公職選挙法で認められた「特例選挙区」を抱えるために差が大きい。 選挙区内の人口が規定を下回っても、地域事情などを勘案して隣の選挙区と合区をしなくてもいい選挙区だ。 公選法では、都道府県議の選挙区の人口は、全体の人口を定数で割った「議員 1 人あたりの人口」の半数以上になるよう定めている。

地方議員選挙の一票の格差をめぐる訴訟では、最高裁が 1999 年、最大 3.95 倍だった 97 年東京都議選を適法と判断。 00 年には 3.73 倍の 99 年千葉県議選についても適法と判断した。 最高裁は理由の中で「法の規定などからすれば、議員 1 人あたりの人口の較差は 1 対 3 を超えることがあり得る」と指摘している。 (asahi = 1-12-19)


熊本新駅舎 3 月 16 日完成、安藤忠雄氏が設計

熊本県は 9 日、JR 熊本駅の東側の新駅舎が 3 月 16 日に完成すると発表した。 旧駅舎を解体して高さ 17 メートル、幅 240 メートルの外壁を設ける。熊本城の石垣の「武者返し」という反りなどをイメージした外観で風格と熊本らしさを表現した。 外観デザインコンセプトは建築家の安藤忠雄氏が設計した。 外観は強くて美しい威風を表現した。 新駅舎は JR 鹿児島本線等の連続立体交差事業の一環。

鉄道の高架化と在来線の上屋の構築は 2018 年 3 月に終えている。 総事業費 626 億円のうち駅舎関連の事業費は 24 億円。 熊本駅では、JR 九州が延べ床面積 10 万 7,000 平方メートルで地上 12 階建ての複合ビルの建設工事を今春に始め、21 年春に開業する予定だ。 その北側に延べ床面積 1 万 7,000 平方メートルのオフィスビルも建設する。 熊本市は駅前広場の整備を進める。 (nikkei = 1-9-19)


新千歳空港、2 千人一夜明かす U ターンラッシュ直撃

北海道の新千歳空港は 5 日、大雪の影響で 105 便が欠航し、6 日も U ターンラッシュのさなかに出発できなかった帰省客たちで混雑が続いた。 足止めされて一夜を明かした人は約 2 千人に上り、航空各社のカウンターには朝から帰りの便を求める人が並んだ。 便を確保できず、空港で 2 日目の夜を過ごす人もいた。

保安検査場入り口近くのスペースには、泊まった人に支給された毛布や寝袋が山積みになった。 ごった返したカウンター前では「ちゃんと説明して」といら立った様子で航空会社の担当者に声を上げる人もいた。 家族ら 8 人でスキーなどのために道内を訪れていた千葉県市原市の建設業前田倫夫さん (71) は 5 日夜の羽田行きの便に乗る予定だった。 床に毛布を敷いて寝たといい、前田さんは「床が固くて熟睡できなかった。 風呂にも入れていないし、キャンセル待ちもいつ乗れるか分からない。 楽しい思い出が台無しだ。」とうなだれた。

夫の実家がある北海道新十津川町に、横浜市から家族 3 人で帰省していた主婦 (60) も空港で一夜を明かした。 6 日も航空券が取れず、空港内でもう 1 泊して鉄道で帰るという。 「30 時間近くここにいる。 ダウン症の娘も一緒だし、体調を考えて早く帰りたい。 平成最後の正月だったのにがっかりした。」と苦笑いしていた。

航空各社によると、7 日までは満席の便が多く、5 日の便に乗れなかった人の振り替えは 8 日以降になるケースが多くなる見通しという。 同空港では 5 日夕方以降、急な降雪で 2 本の滑走路のうち 1 本ずつを一時閉鎖して除雪作業をした。 6 日は天候が回復したが、機材繰りの影響で一部の便に欠航が出た。 (kyodo = 1-6-19)


名駅が栄を初めて上回る 名古屋百貨店、地区別の売上高

名古屋市内にある主要な百貨店 4 社の 2018 年の売上高(速報値)は、名古屋駅地区の合計額が初めて栄地区を上回った。 交通の利便性が高い名駅地区が、集客力を高めている。 各百貨店が 4 日発表した年間売上高によると、名駅地区(JR名古屋高島屋 = タカシマヤ ゲートタワーモールを含む、名鉄百貨店本店)は 2,058 億円で、栄地区(松坂屋名古屋店、名古屋三越栄店 = ラシック含む)は 1,915 億円となった。 (asahi = 1-5-19)


総事業費 1 兆円の工場を誘致、みちのくの街に活況と憂い

夕暮れ。勤務を終えた作業員が次々とプレハブの事務所に引き揚げていく。 広大な敷地に、高さ約 50 メートル、鉄骨 5 階建て延べ 20 万平方メートルの巨大な工場が姿を現している。 クレーン群や重機が投光器に照らし出され、まるで夜間照明に彩られたアミューズメントパークのようだ。 岩手県北上市の北上工業団地で 7 月に着工した半導体大手、東芝メモリの岩手新製造棟。 建設現場では、連日 1,500 人の作業員が 2019 年度中のライン立ち上げをめざして工事を進めている。

東芝メモリは NAND (ナンド)型フラッシュメモリーで世界第 2 位の半導体メーカーで、総売上高 1.2 兆円を誇る。 親会社だった東芝の経営危機にからみ、米大手も巻き込んだ売却騒動に揺れたが、ここ北上を三重県四日市市に続く第 2 の拠点として整備を急ぐ。 総事業費 1 兆円。 従業員数は 1 千人に達する。

巨大企業の進出を、北上市は「地域振興の起爆剤」と位置づける。 既にジャパンマテリアル、東京エレクトロン FE など半導体関連 5 社(従業員計約 500 人)が進出を決め、十数社が立地を打診中。 不動産開発やホテル進出の動きも活発化し、地方縮小の懸念はどこ吹く風といわんばかりの活況ぶりだ。 道路など関連インフラ整備に市が投じる総額は約 50 億円に及ぶ見込みだが、市企業立地課の高橋剛課長は「需要の拡大や人口増、税収増なども含めれば、投資を上回る波及効果が見込まれる。 市の総合戦略の核になる。」と期待を寄せる。

だが、光があれば影もある。 北上地区の人材難は深刻だ。 290 人の高卒求人を出した東芝メモリも、9 月の締め切りまでに 190 人しか集まらず、二次募集しても結局 220 人しか採用出来なかった。 関連進出企業などの求人増もあり、地元企業からは人材確保にあえぐ声も漏れ始めた。 7 月 24 日の起工式で、東芝メモリの成毛康雄社長は高まる半導体需要を見越して「2 棟目、3 棟目もありうる」と増設に言及した。

東芝メモリの求めに応じて、市は工業団地拡張にも動く。 東芝メモリ用地に隣接する同市成田地区では、5 軒の民家が移転対象だ。 市は現地の公民館で住民説明会も開き「既に 9 割の理解を得た」として 20 年度までの拡張完了をめざす。 移転対象地で、長男夫婦が昨年新築したばかりの家に同居中の女性 (54) は「寝耳に水。 市は発展するだろうけど、私たちは知らない土地でどんな暮らしになるのか不安。」 別の地権者は「今は拡張と言うけど、本当に計画通りに進むだろうか」と話した。

人の暮らしも巻き込み、地域を大きく変えていく巨大企業の誘致。 恩恵は計り知れないが、地域が企業と「運命共同体」になるということでもある。 経済という大きなうねりの行方が、少し気になっている。 (溝口太郎、asahi = 12-31-18)


「誰も来ない日も」町営の温泉施設 10 カ所、赤字で苦境

温泉郷で知られる岩手県西和賀町で、町営の温泉施設が苦境にあえいでいる。 町内 10 カ所の施設は赤字続きで、ここ 5 年間の町予算からの持ち出しは総額 6 億 6 千万円に上る。 利用者の減少に老朽化が追い打ちをかけている格好で、町は施設の一部の売却も含めて運用方法の検討を始めている。 1990 年に東北初の砂風呂としてオープンした同町槻沢の町営施設「砂ゆっこ」。 温泉で約 45 度に温めた砂場に埋まる快適さが評判で、黄金週間や紅葉シーズンは「順番待ち」が出来るが、晩秋から豪雪の冬場は極端に客足が落ちるのが悩みだ。 「誰も来ない日もある」と職員の女性はぽつり。

「東北有数の温泉郷」が枕ことばの同町は湯本、湯川、巣郷など 10 カ所ほどの温泉地がある。 町営の温泉施設は、多くが合併前の旧湯田町が進めた「お湯〜とぴあ」構想などで、80 年代後半から 2000 年代初めごろに建てられた。 JR ほっとゆだ駅構内の温泉、錦秋湖近くの洞窟風呂など内容も多彩で、当時は観光の目玉になっていた。 だが、近年は赤字が続く。 町営 10 施設を合わせた 13 - 17 年の運営費は年間平均 2 億 1,430 万円。 入湯客からの使用料収入は平均約 8,300 万円に対し、維持費や指定管理・委託料などの町の持ち出しは毎年平均 1 億 3,130 万円になっている。

町観光商工課によると、00 年ごろまでは公営の温泉を中心に 50 万人近くが日帰りで訪れていたが、県内外で温泉施設が出来た影響で来訪客が減り、最近 5 年間の年間平均利用者は 28 万 9 千人に落ち込んだ。 深刻なのが施設の維持費だ。 1 基 300 万 - 600 万円する源泉くみ上げ用ポンプは 2 - 5 年おきに交換が必要な上、最近は施設の壁や屋根の老朽化が進み、交換や修繕を余儀なくされている。 今年 9 月の定例町議会では、細井洋行町長が「すべての施設を維持するのが難しいというのが共通の認識」と述べた。

町観光商工課の佐藤太郎課長は「売却も含めて検討せざるを得ない時期に来ている。 早急に方針をまとめていきたい。」としている。 (溝口太郎、asahi = 12-15-18)


青森でリンゴ泥棒急増、ある疫病が背景に … 被害 1 万個超

リンゴ生産量日本一の青森県で今年、リンゴの大量盗難が相次いだ。 警察が把握しているだけで、被害は約 1 万 3 千個。 約 1 千個だった昨年と比べると、約 13 倍にも上っている。 なぜか。 青森県弘前市のリンゴ農家、石郷岡友子さん (53) が被害に気がついたのは、10 月 26 日の早朝。 大きく育った実を収穫しようと家族と畑へ行くと、リンゴの木の隙間が妙に多く感じられた。 1 本ずつ確認していくと、「ふじ」の木約 20 本から、実だけがきれいになくなっていた。

盗まれたリンゴは約 4,300 個(50 万円相当)。 石郷岡さんが今年育てていたリンゴの、約 4 分の 1 に及んでいた。 畑には、車のタイヤ跡が木のそばまでくっきり残されていた。 「台風や(リンゴの)病気を乗り越えて、苦労してここまで育ててきたのに。 怒らないから、返してほしい。」 石郷岡さんはやるせなさをにじませる。 青森県警によると、今年県警が把握したリンゴの大量盗難は、10 月から 11 月にかけての 5 件。 品種は「ふじ」、「紅玉」、「レッドゴールド」などさまざまだ。 被害額は合計約 140 万円に上るが、犯人は逮捕されていない。 (仲川明里、asahi = 12-9-18)


名前よりも量、「多収米」で稼ぐ ブランド競争に逆張り

味以上に収穫量を重視する「多収米」が、静かに広がっている。 減反が終わった今年、多くの産地が高級なブランド米に生き残りをかける中、安さをアピールする「逆張り」の作戦だ。 コメどころ、新潟県北部に位置する村上市の蒲萄(ぶどう)集落は 10 月下旬、実りの秋を迎えていた。 棚田を彩る稲の茎は太く、心なしか垂れる穂も重そう。 コシヒカリより粒が一回り大きく、重さは 3 割増しの品種「大粒ダイヤ」だ。

約 50 ヘクタールで稲作を手がけるコメ生産会社社長の貝沼純さん (43) も以前は、コシヒカリを中心にしていた。 3 年前から大粒ダイヤを作り始めると、飲食店やコメ卸会社からの注文が急増した。 売値はコシヒカリより2割安いが、一つの穂から取れる量が多いため、全体の稼ぎは増えた。 病気や台風にも強く、少ない人手で効率よく作れるという。 安さ以外のセールスポイントもある。 粘りと甘さが特徴のコシヒカリに対し、大粒ダイヤは粒がしっかりしていてあっさりした味わい。 昨年から大粒ダイヤを使い始めた東京・銀座の天ぷら店「一宝」の関勝さん (52) は「天つゆを吸ってもべたつかない、求めていたコメだ」と話す。

「作り手にも買い手にもうれしい。 未来の新潟のコメ作りを支えるのはコシヒカリではなくなる。」と言い切る貝沼さんの会社は今、「ちほみのり」なども含め、多収米が全体の 6 割を占める。 (高木真也、山村哲史、asahi = 12-8-18)


道の駅にマリオットホテル 20 年秋から京都など 5 府県 15 カ所

世界ホテル最大手の米マリオット・インターナショナルと積水ハウスは 28 日、京都府など 5 府県の「道の駅」に併設する宿泊特化型ホテルを 2020 年秋から順次開業すると発表した。 京都では宮津市、京丹波町、南山城村の 3 カ所に建設。 都市部から離れた郊外や農山村に進出、地域の食や文化を生かした集客を図る。 京都府のほかに栃木、岐阜、三重、和歌山 4 県にある道の駅 15 カ所に隣接した場所で積水ハウスがホテルを新築し、運営する。 ホテルブランドは、日本初進出となる「フェアフィールド」。 計約 1 千室を予定し、マリオット側が接客サービスのノウハウなどを積水ハウスに提供する。

京都府の道の駅は、「海の京都宮津(宮津市)」に 90 室、「京丹波味夢の里(京丹波町)」に 71 室、「お茶の京都みなみやましろ村(南山城村)」に 50 室を計画。 農村部に足を延ばす訪日外国人らが増える中、拡大する宿泊需要を取り込む。 ホテル内にはレストランや土産物販売のスペースを設けず、道の駅をはじめとした地元消費を促すことで、地域活性化にもつなげる。 (京都新聞 = 11-28-18)


タンチョウは「村の宝」だけど … 地域に弊害、共生探る

「鶴の恩返し」につながるか - -。 国の特別天然記念物タンチョウとの共生に、北海道東部の生息地、鶴居(つるい)村が頭を悩ませている。 保護により絶滅の危機を乗り越えたが、問題も生じてきたからだ。 何が起きているのか。 釧路市の東隣、釧路湿原を抱える鶴居村は、その名の通りタンチョウの飛来地だ。 人口約 2,500 人の村には、環境省委託の大規模給餌(きゅうじ)場が 2 カ所あり、約 600 羽が越冬するとみられる。 11 月は本格的な積雪を前に、牛の飼料用トウモロコシ「デントコーン」の収穫が終わり、こぼれた実を求めて畑にタンチョウが集まってくる。

タンチョウは、乱獲や湿原の開発で減少し、一時は絶滅したと考えられていた。 だが 1924 (大正 13)年、鶴居村で十数羽を確認。 50 年代初頭に現在の釧路市阿寒町と同村で人工給餌に成功して徐々に増え、84 年からは環境庁(当時)が給餌事業を始めた。 NPO 法人「タンチョウ保護研究グループ」の調査では、2017 年度、釧路湿原を中心に 1,600 羽が確認されている。

村では日本野鳥の会を中心に水辺の周辺のやぶをはらったり、全小中学校で環境省の越冬分布調査に参加したり、と保護活動に取り組む。 観察所や案内板を設置するなど、観光にも力を入れてきた。 だが、数が増えるに従い、弊害も出てきた。 民間団体が一昨年実施した調査では、村内の農家 80 戸のうち 68 戸で「農場敷地内に飛来する」と回答。 目の前に舞い降りたタンチョウに驚いた牛が、鉄条網にぶつかるなどの被害も報告されている。 (高田誠、asahi = 11-28-18)


「ゾンビランドサガ」 1 日限定の "聖地巡礼"

唐津の洋館を 25 日、特別公開

現在放送中のテレビアニメ「ゾンビランドサガ」で、佐賀県を舞台にトップアイドルを目指すゾンビの少女たちの住まいとなっている唐津市海岸通の「旧三菱合資会社唐津支店本館(唐津市歴史民俗資料館)」が 25 日、特別公開される。 老朽化が進み、現在は休館中の明治の洋館で、1 日限定の "聖地巡礼" ができる。 1908 (明治 41)年に建築された県重要文化財で、近代化遺産全国一斉公開に合わせて市が公開する。 放送開始をきっかけに建物を見に来る人もいて、市教育委員会生涯学習文化財課によると「公開は 1 日だけですか」などの問い合わせがあるという。

かつて石炭の積み出し港として繁栄した唐津港のシンボル的な木造建築で、その優美な姿から地元で「三菱御殿」と呼ばれていた。 市は「耐恒寮(藩英学校)」、「石炭産業」、「建築」をキーワードに唐津の明治維新 150 年を顕彰しており、そのすべてが交わるスポットでもある。 9 時から 17 時まで。 入館無料。 事前申し込みは不要。 JR 西唐津駅から徒歩約 20 分。 館内では唐津の石炭産業が分かる展示、明治から昭和にかけての風景写真も紹介する。 (佐賀新聞 = 11-23-18)


県またぎ広域行政推進 福島、宮城、山形隣接 11 市町村

福島、宮城、山形の 3 県で隣接する 11 市町村が 19 日、広域連携を推進する「福島圏域連携推進協議会」を発足させた。 人口減少が続く中、各自治体が県域を超えて医療や福祉、教育などの分野でより効果的な行政サービスを提供する環境を整える。 国の財政支援を受けられる「連携中枢都市圏」の形成も視野に入れ、地方創生を目指す。

協議会を構成する 11 市町村は【図】の通り。 山形県米沢市はオブザーバーで参画する。 圏域内の人口は合わせて約 60 万人。 各市町村とも少子高齢化の進展などで人口の流出や産業の担い手不足の課題を抱えている。 解決には近隣市町村の連携を強めることが不可欠とし、県の枠組みを超えた広域行政を構築する。

現段階で実施予定の主な事業は【表】の通り。 2017 (平成 29 )年 11 月の東北中央自動車道福島大笹生インターチェンジ(ICC、福島市) - 米沢北 IC (山形県米沢市)間の開通などハード面の整備進捗を踏まえ、各地の道の駅を巡るスタンプラリーなどの広域イベントで交流人口を創出する。 地域の産業や観光、人口などのデータをまとめた地域経済分析システム RESAS (リーサス)の活用、移住・定住の促進、2020 年東京五輪・パラリンピックを契機とした共同事業にも取り組む計画だ。

「連携中枢都市圏」は市町村間で連携協約を結ぶなど一定要件を満たせば国の認定を受けられる。 設立総会は福島市で開かれ、各市町村の首長や関係者約 40 人が出席した。 会長に木幡浩福島市長が就き、副会長に三保恵一二本松市長、高橋宣博桑折町長を選んだ。

木幡市長は「相互の結びつき強め、より広範囲で連携したい」と意欲を示した。 山田裕一白石市長は「白石市は年間約 500 人のペースで人口が減っている」とした上で、「参加市町村が協力して魅力を発信すれば、交流人口の拡大につながるはずだ」と期待を寄せた。 県内ではこれまでに郡山市と近隣 14 市町村が「こおりやま広域連携中枢都市圏」の形成を進めている。 (福島民報 = 11-20-18)


ゆるキャラ頂点は「組織票の『そ』の字もない弱小団体」

全国のゆるキャラの頂点を決める「ゆるキャラグランプリ (GP)」が 17、18 両日、大阪府東大阪市で開かれた。 各自治体による「組織票」が話題となった今大会だが、ご当地部門(自治体など)では事前のネット投票で上位を占めた 3 体がグランプリを逃した。 GP には企業部門も含めて 909 体がエントリー。 事前のネット投票と会場での直接投票で順位が決まった。 グランプリは、ネット投票で暫定 4 位だった埼玉県志木市文化スポーツ振興公社の「カパル」。 約 89 万票を獲得した。

ネット投票では、フリーアドレスによって大量の投票用 ID を取得している自治体があるとの報道が続出。 暫定 1 - 3 位になった「こにゅうどうくん(三重県四日市市)」、「ジャー坊(福岡県大牟田市)」、「一生犬鳴! イヌナキン! (大阪府泉佐野市)」をめぐり、自治体側が投票用メールアドレスを取得していたことが明らかになり、「組織票」との指摘も出ていた。

GP 実行委員会は使用頻度の低い「捨てアカウント」による投票は認めないとして、実行委からのメールに返信のないアドレスを「不正 ID」と認め、得票数を削除。 結果的に暫定 1 - 3 位だった 3 体はそれぞれ数十万票減らした。 実行委によると、同様の措置は数年前から実施しているという。 こうした状況に対し、3 位に後退したこにゅうどうくんを送り込んだ四日市市の森智広市長は「投票した人は『自発的に応援しよう』という思いだと信じている。 組織票は一票も入っていなかった。」と強調。 ただ、「記録より記憶という部分もあり、記憶という意味ではこにゅうどうくんは全国区になったので、良かった」とも語った。

ジャー坊が 2 位に終わった大牟田市の中尾昌弘市長は記者会見を開いて「今大会の当初は明記されていなかった。 投票した人の善意を踏みにじる行為ではないか。」と実行委を批判した。 イヌナキンが 4 位に落ちた泉佐野市の担当者は結果発表前、「自分のところのキャラクターを応援したいのはどこの自治体も同じ」と話していた。 一方、組織票が指摘された強敵を破ってグランプリを獲得した志木市文化スポーツ振興公社の担当者は「うちは職員が 5 人ほどしかいなくて組織票の『そ』の字も出せない弱小団体。 その中でがんばってきて、てっぺんが取れてうれしい。」と喜んだ。 (大野正智、大津正一、森川愛彦、asahi = 11-18-18)