HIS、260 組のハワイ挙式ツアー中止 式場完成せず

旅行大手エイチ・アイ・エス (HIS) が、ハワイでの挙式を含むツアーについて、結婚式場の開業が間に合わないとして急きょ中止していたことがわかった。 同社は 260 組の参加予定者に対し、挙式とツアー代金全額を払い戻して代わりのツアーを案内するほか、挙式予定日に応じて見舞金を支払うとしている。 HIS によると、ツアーは昨年 12 月に募集を始め、式場はハワイのオアフ島で 9 月 1 日に開業予定としていた。 260 組は今年 9 月 - 来年 9 月に挙式予定だった。 今年 8 月 15 日に式場の運営会社から、式場の工事が遅れており、開業が間に合わない可能性があると連絡があったという。

HIS は「工事の状況を定期的に聞き取っていたが、15 日に初めて開業が困難であることを把握した」としている。 8 月 17 日に今年 9 月挙式のツアー中止を決め、担当者を通じて参加予定者に別の会場での挙式などを案内したという。 9 月 3 日に、10 月以降の全てのツアーの中止を決めた。 HIS は「お客様をはじめとするご関係の皆様方に、多大なるご心配とご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます」とのコメントを出した。

運営会社はホームページで、式場について「祭壇の奥にはエメラルドグリーンの海が 180 度広がり、ハワイの自然と調和したアロハナチュラルな内観が魅力のチャペル」とうたい、「2018 年近日グランドオープン」としている。 同社のインスタグラムには、「悲しみと怒りしかありません」などのコメントが寄せられている。 観光庁は 28 日、HIS から事実関係の聞き取りを実施。 契約内容や、式場の開業が間に合わないことを知り得た時期などについて確認したという。 ツアーの約款やパンフレットなどの資料提出も受けており、旅行業法に反する事実などがないかどうか調べるという。 (asahi = 9-28-18)


トヨタ、4 車種 6.4 万台リコール 排ガス関連で不具合

トヨタ自動車は 26 日、ハイエースなど 4 車種計 6 万 4,656 台(2010 年 7 月 - 13 年 1 月製造)のリコールを国土交通省に届け出た。 国交省によると、ディーゼル車の排ガスを冷やす装置に不具合があり、排ガスが漏れたり、基準値を超える排ガスが出たりする恐れがあるという。 ほかの対象車種はレジアスエース、ダイナ、トヨエース。問い合わせはお客様相談センター (0800・700・7700)。 (asahi = 9-26-18)


イケア、照明器具を自主回収へ シェードが落下する恐れ

イケア・ジャパンは 26 日、家庭用照明器具「カリプソ シーリングランプ」 1,584 個を自主回収すると発表した。 天井に設置する照明で、ガラス製シェードが落下する恐れがあるという。 海外でけがの報告が 3 件あった。 対象は 2016 年 8 月から 18 年 9 月 4 日までの販売分で、製造時期を示すスタンプが「1625」 - 「1744」までのもの。 問い合わせは同社カスタマーサポートセンター (0120・151・870)。 (asahi = 9-26-18)


日テレ系 5 局で放送事故「上沼・高田のクギズケ!」中断

日本テレビ系の広島テレビ(広島市)、ミヤギテレビ(仙台市)、長崎国際テレビ(長崎市)など全国 5 局で 23 日、午前 11 時 40 分から放送の「上沼・高田のクギズケ!」が一時中断する放送事故が相次いで起きた。 発信元の読売テレビ(大阪市、YTV)は同日、原因について、NTT コミュニケーションズの回線の不具合だったと発表した。

YTV の調べでは、このほかに事故が確認されたのは日本海テレビ(鳥取市)とくまもと県民テレビ(熊本市)。 YTV から番組を受信する計 8 局のうち、3 局では事故は確認されなかった。 広島テレビでは約 20 分間中断したため、27 日に再放送するという。 番組は YTV と中京テレビの共同制作。 上沼恵美子さんと高田純次さんが司会を務める情報バラエティー番組で、全国 20 局で放送されている。 (中塚久美子、asahi = 9-23-18)


ソフトバンク、約 1,030 万通のメールを消失 436 万人に影響

原因は迷惑メールと誤判定したため

ソフトバンクは 9 月 21 日、同社のメールサービスで約 1,030 万通のメールが消失したと発表しました。 発表によると、ソフトバンクの S! メール (MMS)・E メール (i)、ワイモバイルの MMS・EM メール-S (MMS)、ケータイ (PHS) 用 E メールにおいて、迷惑メールフィルターを利用している一部のユーザーに送信された「.co.jp」を含むドメインからのメール約 1,030 万通が消失したとのこと。

期間は 9 月 17 日午前 10 時 48 分 - 9 月 18 日午前 9 時 16 分で、影響を受けるユーザーは 436 万人にのぼります。 原因は通常のメールを迷惑メールと誤判定し、ユーザーに届かないようにブロックしたため。 ソフトバンクは、上記時間帯に「.co.jp」を含むメールアドレスから、対象となるお客さまにメールを送信した場合、送信先にメールが届いているか確認するよう呼びかけています。 (engadget = 9-21-18)


旅客機の脱出スライドで負傷者多数、重傷者も

緊急時に旅客機から外に滑り降りる脱出スライドで負傷した乗客乗員が過去 30 年間に計約 370 人に上ることが運輸安全委員会の調べでわかった。 スライドが使われた 12 件のうち 11 件で負傷者が出ており、重傷者も 31 人に及んでいた。 同委員会や航空各社は被害防止のため、適切な脱出行動を取るよう求めている。

同委員会によると、エンジン火災などで脱出スライドによる緊急避難が行われたのは 1988 年以降、12 件。 2007 年 8 月に那覇空港で中華航空機が着陸後に炎上した事故以外はスライド使用時にけが人が出ていた。 負傷者の統計数が明らかになるのは初めて。 93 年 5 月、羽田空港で全日空機が着陸後、機内に白煙が充満した事故では、乗客乗員計 490 人中 121 人が負傷。 60 歳代の女性客がスライドから飛び出すように着地した衝撃で胸椎や右手を骨折するなど、うち 9 人が重傷を負った。 (yomiuri = 9-19-18)


スバルと三菱自がリコール レガシィ 12.6 万台など

スバルは 13 日、駐車ブレーキに不具合が起こる恐れがあるとして、レガシィ 12 万 6,230 台(2009 年 4 月 - 14 年 9 月製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。 また三菱自動車は同日、自動ブレーキシステムなどの不具合が見つかったとして、アウトランダーなど 4 車種計 2 万 1,502 台(17 年 2 月 - 18 年 6 月製造)のリコールや改善対策を届け出た。 (asahi = 9-13-18)


回転寿司で食中毒 11 人症状 腸炎ビブリオ

外食チェーン大手の「すかいらーくグループ」が展開する回転寿司店「魚屋路」で食中毒が相次いで発生し、東京や埼玉などにある 24 の全店舗で営業自粛を決めました。 埼玉県によりますと、先月 31 日から今月 2 日にかけて、三郷市と所沢市にある回転寿司チェーン「魚屋路」の店舗で、持ち帰り用の寿司を購入した 10 代から 70 代の男女 11 人が、下痢やおう吐などの症状を訴えました。 症状を訴えた 11 人は、いずれも快方に向かっているということです。

保健所が検査したところ、症状を訴えた 3 人と店舗にあった商品から、感染すると下痢や嘔吐を引き起こす「腸炎ビブリオ」が検出され、保健所は食中毒と判断したということです。 埼玉県は食中毒が発生した 2 つの店舗を、10 日から 12 日までの 3 日間、営業停止処分としました。

横浜市内の「魚屋路」 2 店舗でも腸炎ビブリオによる食中毒が起きていて、店舗を運営する「すかいらーく」は東京や神奈川、埼玉などで展開する「魚屋路」の全ての店舗となる 24 店舗で、10 日から営業を自粛すると発表しました。 「すかいらーく」は、「衛生管理を徹底し、食品の安全・安心に取り組んでまいります」とコメントしています。 (TBS = 9-11-18)


京葉線、一部終日で見合わせ 「夢の国から出た途端 …」

9 日午後 3 時半ごろ、JR 京葉線の新木場駅と葛西臨海公園駅の間の線路内から煙が出ているのを、JR 東日本の乗務員が見つけた。 JR 東日本によると、乗務員や東京消防庁が消火にあたり、復旧作業をしているが、東京 - 南船橋駅間と西船橋 - 市川塩浜駅間の上下線で終日、運転を見合わせるという。 けが人はいなかった。 JR によると、レール脇にあるケーブルなどの設備が損傷しているといい、設備トラブルの可能性もあるという。

JR は、東京ディズニーランドなどの施設を運営するオリエンタルランドに対し、京葉線の運転見合わせを施設内で案内するよう、要請したという。 ツイッターには、ディズニーランド近くの舞浜駅周辺が混雑する様子が投稿されている。 京葉線舞浜駅の改札周辺は、ディズニーランドなどからの帰宅客であふれ返った。 バスやタクシーを待つ長蛇の列ができ、買い物袋を抱えて離れた駅まで歩く人の姿もあった。

親子 3 人で兵庫県から来た会社員の幸岡(こうおか)祐太朗さん (22) は、帰りの新幹線に間に合わなくなった。 娘の愛奈(まな)ちゃん (1) を抱っこしながら、チケットの払戻窓口に並んだ。 「もう最悪っすよ。 1 時間並んで 20 メートルしか進みません。」 ディズニーランドが大好きな妻の悠さん (23) は「夢の国から出た途端、こんなことになるとは」と語った。 (asahi = 9-9-18)


キャラバンなど 16 車種、3.8 万台リコール 日産

日産自動車は 6 日、NV350 キャラバンやマツダに OEM (相手先ブランドによる生産)供給しているファミリアバンなど 16 車種 3 万 8,533 台(2016 年 12 月 - 18 年 2 月製造)のリコールを国土交通省に届け出た。 国交省によると、エンジンを始動させるイグニッションキーにキーホルダーをつけた時に、重みでキーが回転しエンジンが止まる恐れがあるという。 三菱自動車のランサーカーゴやいすゞ自動車のコモなどの OEM 供給車も対象になっている。 (asahi = 9-6-18)


プリウスなど 3 車種、計 55 万台をリコール トヨタ

トヨタ自動車は 5 日、エンジンルームの電気配線に不具合が見つかり、車両火災につながる恐れがあるとして、プリウス、プリウス PHV、C-HR の 3 車種、計 55 万 3,870 台(2015 年 10 月 - 18 年 5 月製造)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。

今年 5 月までに製造した 4 代目プリウスはすべて対象となる。 国交省によると、運転中にエンジンルーム内の電気配線がほかの部品にあたり、摩擦で周辺が焼け焦げた例が 1 件あったが、けが人はなかった。 問い合わせはお客様相談センター (0800・700・7700)。 プリウスをめぐっては 16 年 10 月、駐車ブレーキが利かなくなる恐れがあるとして約 21 万台のリコールがあった。 (贄川俊、asahi = 9-5-18)


台風で倒壊の風車、鉄筋すべて破断 … 経産省調査

近畿を縦断した台風 20 号の強風を受けて北淡震災記念公園(兵庫県淡路市小倉)の風力発電用風車(重さ 101 トン、支柱の高さ 37 メートル)が倒れた事故で、経済産業省は 31 日、有識者とともに現地調査を行った。 事故調査は設置者である淡路市が基本的に行うが、風車倒壊という大事故に対する社会的影響などを考慮し、国として速やかに事故状況を把握する必要があるとして実施した。

調査は経産省から依頼された東京大の石原孟教授(工学博士)と日本大学の安達俊夫名誉教授(同)が中心となって行われた。 石原教授と安達名誉教授は、この日正午過ぎに記念公園に到着。 記念公園のセミナーハウスで淡路市職員らから約 1 時間、事故概要や風車の構造などの説明を受け、その後に倒壊現場へ向かった。

石原教授と安達名誉教授らは市に説明を求めながら約 1 時間半、倒れた支柱の根元と、支柱が固定されていたコンクリートの基礎部分を丹念に調べた。支柱と基礎部分をつないでいた鉄筋は倒壊した際にすべて破断していて、切れた鉄筋の断面を詳細に調べていた。 経産省の説明によると、この日は事故現場を確認して写真を撮ったり、市などから話を聞いたりして基礎データを収集した。

今後は根元部分のコンクリートを東京へ持ち帰るなどして、石原教授、安達名誉教授らと協議しながら事故原因の分析をしていくとしている。 少なくともこの日の調査では設計構造上の欠陥は見つからなかった。 経産省電力安全課の榎本宏・新エネルギー設備担当課長補佐は「強風が吹いていたとはいえ、風車が倒れるなんてあってはならないことだ。 地元にも大変なご心配をおかけしていることを重く受けとめている。 国としても何が起きたのかを正確に知る必要がある。」と話した。 (清水裕、yomiuri = 9-1-18)


青函トンネルで緊急工事へ レール変形、ダイヤ影響も

北海道新幹線と貨物列車が線路を共用する北海道と青森間の青函トンネル(約 54 キロ)で、車輪の間隔が異なる新幹線と貨物がいずれも通れるようにするため計 3 本あるレールに「波状摩耗」と呼ばれる変形ができていたことが 24 日、関係者への取材で分かった。

JR 北海道などが近く、緊急工事に着手する。 安全性に直結するとはみていないが、列車通過の衝撃で振動や騒音が増し、今後トラブルを招く可能性があると判断した。 関係者によると、青函トンネルを含む 82 キロの区間では新幹線用の「標準軌」のレール 2 本の内側に、在来線用の「狭軌」のレールがある「三線軌」という構造となっている。 (kyodo = 8-25-18)


ハーレー 1 万 3 千台リコール ブレーキ利かなくなる恐れ

「ハーレーダビッドソン ジャパン」は 21 日、オートバイ「ロードキング」など 21 1車種 1 万 3,704 台(輸入期間 2007 年 7 月 - 11 年 8 月)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届けた。 これまで事故は確認されていないが、最悪の場合、ブレーキが利かなくなる恐れがあるという。 (asahi = 8-21-18)


駅売店の一部のサンドイッチ、使用禁止の添加物を使用 … 直接摂取すると危険な添加物

新幹線の駅のホームにある売店で、出来たてサンドイッチを購入したときの出来事です。

私「なぜ普通のポテトサンドに亜硝酸が入っているのですか?」
店員「…。」
私「ハム以外には亜硝酸は使用できないはずですが?」
店員「…。」
私「このサンドイッチの販売を続けるのですか?」

店頭で、食品の裏にある一括表示(四角い枠で囲まれている表示)をよく見ると、使用してはいけない添加物が表示されていたり、アレルゲンの表示漏れなどが散見されます。 発色剤(亜硝酸ナトリウム)と表示される亜硝酸は、塩のような白く細かい添加物で、ごく少量でも直接食べてしまうと、死に至る可能性のある添加物です。 食品工場で取り扱うときには、取扱量を毎日記録し、保存場所は施錠するなどの管理が必要な危険物です。

亜硝酸を肉に使用すると発がん性物質が生成されるといわれ、使用されているハムなどの畜肉加工品(ハム、ソーセージなど)を避けている方もいます。  そんな亜硝酸は、使用量および使用できる食材が法律で決められています。 畜肉加工品は、最終的な残存量が 70ppm 以下(ppm とは 100 万分の 1)であることが定められています。 畜肉加工品が多く販売される 11 月、12 月には、保健所で収去し、残存亜硝酸量が検査されています。

一般的な添加物には使用量の制限はなく、調味料や着色料の添加量を増やせば、味、色をいくらでも濃くすることができます。  亜硝酸の使用が認められている食材は、畜肉加工品、魚肉ソーセージ、魚肉ハム、いくら、すじこ、たらこで、これら以外には認められていません。 もちろん、ポテトサラダにも認められていません。  亜硝酸を使用することで、肉のくすんだ色から、ハム、ソーセージの独特の綺麗な色に肉食が変化し、ハム独特の香りがします。

また、最強の食中毒菌のであるボツリヌス菌を抑制する効果があり、畜肉加工品には欠かせない添加物です。  食品は、安全に保存でき、見た目、風味が大切です。 色が綺麗に見えない、風味も無い、発色剤無添加のハム加工品と、発色剤を使用しているハム加工品を食べ比べてみると、見た目も風味も段違いです。

使用量が定められている添加物を避けるのであれば、ハム加工品をはじめ、いくらなども食べるべきではないでしょう。  食品添加物は、適正に使用することで、使用した食品の安全性を増すことができ、風味、色、味などがおいしくなるので、販売する側、消費者とも正しい知識を身につけてほしいものです。 (河岸宏和・食品安全教育研究所代表、Business Jornal = 8-19-18)


高架橋崩落に伊首相「先進国とは思えない惨事」

【ジェノバ(イタリア北部) = 佐藤友紀】 イタリア北部ジェノバで 14 日に発生した高速道路高架橋の崩落事故で、ジェノバ市当局は同日、橋の別の部分も崩落する危険があるとして、橋付近に住む約 450 人に避難勧告を出した。 同市があるリグーリア州によると、14 日深夜までに 26 人の死亡が確認されたほか、15 人が負傷、うち 9 人が重体という。 現場では救助作業が続いている。

伊 ANSA 通信は消防当局の話として、死者数は 35 人に上ると報じた。 コンテ伊首相は同日に事故現場に入り、「このような惨事が発生するとは、先進国と思えない」と話し、道路の構造的な欠陥の有無などを調査する方針を示した。 トニネッリ運輸相は「保守点検作業が行われていなかった可能性がある」と述べ、事故に人為的な要因がある可能性を示唆した。 (yomiuri = 8-15-18)


小中学校給食に期限切れ鶏肉 東京の業者、最大 4 カ月超

学校給食向けの食材会社「由起食品(東京都品川区)」が、冷蔵保存用に設定された賞味期限が切れた冷凍保存の鶏肉を、3 年以上前から都内の小中学校に格安で出荷していたことがわかった。 賞味期限は最大 4 カ月を超えていた疑いもある。 消費者庁は、保存方法が変わるなどした場合は改めて期限を設定するよう求めるが、今回は未設定で、「取り扱いが不適切」とする。

由起食品によると、川崎市の食品会社から、冷蔵用で販売予定だったが余って冷凍した鶏肉を購入。 その時点で冷蔵用に設定した賞味期限を過ぎた肉もあり、仕入れ価格は 1 キロ 300 円と通常の半分以下だった。 学校には解凍して出荷し、通常販売する鶏肉より 4 割ほど安い 1 キロ 700 円で売っていたという。

消費者庁によると、賞味期限とは、指定された保存方法を守って保存していた場合に品質が変わらずにおいしく食べられる期限。 超過してもすぐに食べられなくなるわけではない。 一方、消費者庁は 2015 年 3 月、食品表示法に関連し、冷蔵から冷凍など食品の保存状況が変われば、改めて賞味期限を科学的・合理的に設定するよう求める趣旨の通知を出している。 今回の鶏肉は未設定だった。

朝日新聞が入手した同社の冷凍庫内を今年 1 月 9 日以降に撮影した写真には、賞味期限が 4 カ月前の「17・09・09」と記された鶏モモ肉が入った段ボールが写されていた。 同社関係者は「冷蔵用の賞味期限を 3 - 4 カ月過ぎた鶏肉を出荷することもあった」と証言。 消費者庁の担当者は「賞味期限切れの疑いが強く、不適切。 把握すればやめるように指導する。」と話す。

朝日新聞の取材に対し、食品の管理を統括する同社の担当者は、学校側からより安い商品を求められ、それに応えようと販売したと説明し、「密閉されている状態の肉を凍らせているので、品質的には問題ないと思い、(消費者庁の通知については)認識不足だった」と述べた。 (asahi = 8-8-18)


連日の高温でレール曲がる? JR 福北ゆたか線が運休

4 日午後 3 時 10 分ごろ、福岡県篠栗町の JR 福北ゆたか線筑前山手 - 篠栗間で、レールが約 10 メートルにわたって曲がり、最大 4 センチほどずれているのを巡回中の社員が見つけた。 JR 九州は連日の高温が原因とみている。 この日の最高気温は、近くの飯塚市で 35.2 度だった。 この影響で福北ゆたか線は午後 6 時半まで運転を見あわせ、普通列車 24 本が運休し、8 本が最大 3 時間 20 分遅れ、約 4 千人に影響が出た。 (asahi = 8-4-18)


出火相次ぐ BMW 韓国政府が対象車両の運転自粛呼びかけ

【ソウル】 韓国国土交通部は 3 日、走行中の車両が出火する事故が相次ぎ、リコール(無料の回収・修理)を実施している BMW の対象車両の所有者に対し、運転自粛を勧告した。 同部の孫ビョンソク第 1 次官はこの日、会見を開き、金賢美(キム・ヒョンミ)長官名義で BMW の車両火災事故に関する政府の立場を発表した。

発表文で国土交通部は「近ごろの BMW の車両事故で国民を驚かせ、申し訳ない」とし、政府として事故原因を徹底的に調査すると表明した。 また、該当する車両の所有者は早急に点検を受け、安全が確保できるまで運転を控えるよう呼びかけた。 BMW は、現在リコール対象に指定された 42 車種、10 万 6,000 台について緊急安全診断を行っている。

BMW は、火災の原因とされる排ガス再循環装置 (EGR) について、2016 年 11 月以前に生産された同装置を装着した車両を対象に内視鏡点検を行い、火災の危険があるかどうかを判別している。 国土交通部は事故原因に関して「関連機関と民間の専門家を参加させて最大限早期に究明したい」とし、「一点の疑いもなく詳細に(原因を)明らかにし、迅速に発表する」と強調した。

この前日、同部が正確な火災原因の把握に 10 カ月かかると見通したことについて、会見に同席した同部の金チェギュ自動車管理官は「調査期間を最大限前倒しする」と述べた。 このほか、国土交通部は調査過程で発見される問題について「法的手続きに従って厳正な措置を取る」とし、これまでに政府機関と BMW の対応過程が適切だったかも、あわせて点検すると伝えた。

国土交通部は BMW に対し「現状に警戒心を持ち、さらに責任ある姿勢で臨むことを要求する」とし、「国民の不便がないように代車を提供し、調査に必要な部品や技術資料を全て迅速に提供するよう願う」と述べた。 BMW は今年に入って約 30 件の車両火災が発生しても特段の措置を取らず、先月 26 日に国土交通部の要請を受けてようやくリコールを発表し、批判を浴びた。 また国土交通部に対しても、正確な事故原因の把握や準備などに時間がかかるとしてリコールなどの措置が遅れたことに非難が集まった。 (韓国・聯合ニュース = 8-3-18)


新幹線トンネル、6 キロのコンクリ片剥離し落下

29 日午前 9 時 50 分頃、青森県今別町の北海道新幹線第 2 浜名トンネル(全長 280 メートル)内で、天井付近からコンクリート片 2 個(計約 6 キロ・グラム)が剥がれ落ちているのを、巡回中の作業員が見つけた。 JR 北海道によると、植物が架線に触れ、電流がトンネル外壁に流れた衝撃で剥がれた可能性が高いという。 同社は発見後、検査を行い、安全を確認。運行への影響はないという。 (yomiuri = 7-29-18)


国交省、検査マニュアルを改正へ 新幹線の台車亀裂受け

新幹線の台車亀裂や停電による在来線の大規模運休などを受け、国土交通省は 27 日、専門家や鉄道事業者を交えて検討してきた対策方針を公表した。 台車については、昨年 12 月に新幹線で亀裂が生じた箇所を重点検査箇所に加えるなど、現行の検査マニュアルの改正を進める。 見えにくい部位の超音波検査も新たにルール化する。

大規模停電の対策では、センサーを列車に搭載して、営業しながら架線の保守検査なども同時に行って早く異常を見つける仕組みを検討。 地震や大雪などによる長時間運休の際、復旧作業の進み具合を細かく発信するなど、利用者への情報提供を充実させる仕組みもつくる。訪日客の増加や東京五輪・パラリンピックを念頭に、外国人向けの発信も充実させる。 また、保守点検の分野では、技術の知見を事業者間で共有する枠組みをつくり、業界全体で担い手を育てていく方針も盛り込んだ。 (伊藤嘉孝、asahi = 7-27-18)

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川重の新幹線台車交換へ JR 東海は他社製に、西は継続

新幹線のぞみ 34 号(N700 系、16 両編成)の台車に破断寸前の亀裂が見つかった問題で、JR 東海はこの台車と同じように鋼材が薄く削られたり、傷がついていたりした川崎重工業製の台車を年内に JR 東海子会社の日本車両製造製に取り換える方針を決めた。 不具合のない台車も交換時期に川重から他社の製品に切り替え、今後、新たに川重から台車を購入する予定はないという。 一方、同様に台車の交換を進めている JR 西日本は川重を「信頼できるパートナー」として、これまで通り購入する予定。 取引がある他の 4 社からも買い入れる。 今回の問題に伴う交換費用は川重が負担する。 (波多野大介、asahi = 3-9-18)

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精度ばらつきすき間 調整のため台車削る 川重が説明

新幹線「のぞみ 34 号(N700 系、16 両編成)」の台車で昨年 12 月に破断寸前の亀裂が見つかった問題で、台車を製造した川崎重工業は 28 日、亀裂のあった「側バリ」と呼ばれる台車の外枠について、設計上の寸法よりも底面を薄く削っていたことを認め、「品質管理が不十分だった」と説明した。 側バリは鋼鉄製で、台車の両側にある。 この日、川重に先立って会見した JR 西日本によると、この底面の厚さは設計上の寸法は 8 ミリ(加工後は 7 ミリ以上)とされていたが、最も薄い所は 4.7 ミリだった。

川重によると、製造する際、側バリと「軸バネ座」と呼ぶ部分を溶接する工程があったが、双方のすき間を調整するため、側バリの下側を削ったという。 また、川重の品質管理が不十分だったことにより、外注していた側バリ部材(8 ミリの鋼材)の加工精度にばらつきが生じ、側バリと軸バネ座との調整作業が必要だったとしている。 台車に亀裂が見つかったのは、博多発東京行きの新幹線「のぞみ 34 号」。 昨年 12 月 11 日に博多駅を出た後に異常がわかった。 その後、異音や異臭に気付きながら約 3 時間にわたって走行を続けたため、亀裂が一気に広がったとみられる。 (asahi = 2-28-18)

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運行停止判断、なぜ遅れた? 「のぞみ 34 号」トラブル

最高時速 300 キロの「のぞみ 34 号」の台車は破断寸前だった。 乗務員は異音などの兆候を察知していたのに、途中駅で「異常なし」と引き継いでいた。 運行停止の判断が遅れた疑いがある。 年末の帰省ラッシュを前に、交通機関の安全性が問われる事態となった。 のぞみ 34 号は最初の停車駅の小倉駅を出発した後、焦げた臭いなどの異常があったため、保守担当者 3 人が岡山駅から乗車した。 その後、亀裂が生じた13号車付近でうなり音が確認され、異臭もあったという。

JR 西日本によると、この保守担当者は輸送指令とのやりとりで「次の駅で止めて点検したらどうか」と進言していた。 ところが、異臭はしたりしなかったりしていたこともあり、「運行に支障はない」と輸送指令が判断。運転を継続したという。 JR 西では、新幹線の運行では異音が生じた場合は直ちに停車や次の駅で点検するなどの対応マニュアルはあるが、異臭に関しては特に対応は決められていない。 JR 西は判断した時の状況について「真意や背景について慎重に調査する」とし、今後、公表するという。 (波多野大介 岡戸佑樹、伊藤嘉孝、asahi = 12-20-17)

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新幹線で初「重大インシデント」 JR 西、台車に亀裂

東海道・山陽新幹線で博多発東京行きののぞみ 34 号(16 両編成)が 11 日に走行中、車両から異臭や異常音がして、名古屋駅で運休となるトラブルがあった。 台車に亀裂があるのが見つかり、運輸安全委員会は 12 日、深刻な事故につながる可能性がある重大インシデントと認定。 事故調査官 3 人を現地に派遣し、原因を調べる。 安全委の前身の事故調査委員会が 2001 年に発足して以来、新幹線のトラブルが重大インシデントと認定されたのは初めて。

車両を保有する JR 西日本などによると、のぞみ 34 号は 11 日午後 1 時 33 分に博多駅を出発。 先頭を 16 号車、最後部を 1 号車として東京駅に向かった。 同 1 時 50 分ごろ、小倉駅を発車した際、乗員が焦げたような臭いがすることに気付いた。 岡山駅から車両の保守担当の社員が乗車し、うなるような音を耳にしたが、走行に支障はないとして、運行を続けたという。

同 4 時 20 分ごろに京都駅付近で車掌が異臭を確認。 同 5 時すぎに名古屋駅で車両の床下を点検したところ、油漏れが見つかったため、運行を取りやめた。 約 1,000 人の乗客は後続の列車に乗り換えた。 11 日夜に 13 号車の台車の側面に亀裂が入っているのが発見されたほか、モーターの回転を車輪に伝える「継手」が変色しているのが見つかった。

JR 西から報告を受けた運輸安全委員会は列車の運転の安全に支障を及ぼす故障や損傷が生じた「車両障害」に当たるとして、重大インシデントに認定した。 同社は亀裂と異臭、異常音との関係などを詳しく調べる。 (nikkei = 12-12-17)


軍艦の影響? 車の電子キー不具合、長崎で多発 原因不明

自動車の電子キーが作動せず、ドアの開閉やエンジンの始動ができない - -。 そんな「事件」が長崎県佐世保市で相次いだ。 その数百台以上。 何が起きたのか。 トラブルは土日の 5 月 26、27 日を中心に発生した。 市内の自動車販売店には、苦情や問い合わせが殺到。港に近い店には 30 件ほどの電話があった。

総務省九州総合通信局は翌 28 日に情報を把握。 販売店への聞き取り調査で、不具合は少なくとも 140 件以上とわかった。 担当者は「一つの街でこれだけ集中的に電子キーの不具合が起きるのは、ちょっと記憶にない」と話す。 (福岡泰雄、上遠野郷、asahi = 7-23-18)


いすゞ、大型トラック ギガ 7,000 台をリコール 燃料漏れのおそれ

いすゞ自動車は 7 月 19 日、大型トラック『ギガ』の燃料ホースに不具合があるとして、国土交通省にリコール(回収・無償修理)を届け出た。 対象となるのは 2017 年 5 月 25 日 - 2018 年 5 月 24 日に製造された 7,413 台。

燃料パイプと燃料ホースの取付け構造が不適切なため、組付け時のばらつき等により燃料ホースに過大な応力が発生し、亀裂が生じることがある。 そのため、そのまま使用を続けると亀裂が進展して燃料ホースが破損、燃料が漏れるおそれがある。 改善措置として、全車両、燃料パイプおよび燃料パイプの取付けブラケットを対策品に交換する。 不具合は 5 件発生、事故は起きていない。 市場からの情報により発見した。 (Response = 7-20-18)


日本ハム、ウインナー自主回収 樹脂片混入か

日本ハムは 8 日、ウインナーソーセージ「小さなシャウエッセン 85g (2 個束)」の製造過程で黒い樹脂片が混入した可能性があるとして、6,520 束に当たる 1 万 3,040 パックを自主回収すると発表した。 今のところ健康被害は確認されていないという。

対象となるのは、山形県酒田市の工場で 6 月 25 日に製造され、賞味期限欄に「18・7・24・NH」と記載された商品。 2 パックを 1 束にまとめて 6,520 束が出荷され、関東を中心に販売された。 ウインナーの原料などを置く台の樹脂片が混入したとみられる。 7 月以降、購入した客から「異物が混入していた」との問い合わせが 3 件あり、発覚した。 (kyodo = 7-8-18)


白菜キムチに栃木県が回収命令 該当製品の返品呼び掛け

県保健福祉部は 7 日、白菜キムチから腸管出血性大腸菌 O26 (VT+) が検出されたとして、真岡市内の製造者に回収命令の処分を行った。 手元に該当製品がある場合は、食べずに販売店に返品するよう呼びかけている。 同部によると製造者は真岡市の寿寿蘭(すずらん)食品で、販売者は道の駅ましこ。 袋入りの白菜キムチ 15 袋が回収の対象になった。 8 袋が販売済みだという。 (下野新聞 = 7-7-18)


バルサルタン錠に発がん性物質 あすか製薬が自主回収

あすか製薬(東京)は 6 日、2017 年まで製造していた高血圧症治療剤、バルサルタン錠「AA」の 4 製品を自主回収すると発表した。 薬の原材料に、発がん性があるとされる物質「N-ニトロソジメチルアミン」が混入しているとして、欧州で 7月 上旬から自主回収が始まったため。 服用した場合、重い健康被害が出る可能性があるが、現時点で被害の情報はないという。 薬の原材料となる「原薬」をつくる他社の中国工場の製造過程で、問題の物質が発生したとみられる。

バルサルタン錠「AA」は、国内では 14 - 17 年、あすか製薬と外資系製薬のアクタビスの合弁会社が製造し、病院や薬局約 1,300 カ所に計 1,300 万錠を発売した。 あすか製薬は、アクタビスが他社に買収されたのを機に国内販売を中止したが、まだ市中に残っている可能性があるという。 厚生労働省によると、問題の中国の工場の原薬が使われた薬は、国内ではほかにはないという。 同省の担当者は「健康への影響は発がん性物質の混入量によって違う。 なぜ混入したかやどれだけの量が混入したか調査結果を報告してもらい、必要があれば対応していく。」としている。 (野口陽、asahi = 7-6-18)


エンジン停止や火災の恐れ マツダ「ロードスター」など 1.5 万台リコール

マツダは 5 日、エンジンが止まったり火災が起きたりする恐れがあるとして、オープンカー「ロードスター」など 3 車種計 1 万 5,105 台(平成 26 年 8 月 - 29 年 4 月生産)をリコールすると国土交通省に届け出た。 ボンネット付近から白煙が上がる部分焼損 5 件が確認されている。 けが人はなかった。

国交省によると、減速時のエネルギーを再利用するシステムを搭載した車で、コンバーターの制御プログラムに問題があるため、電気回路が故障すると、いったん点灯した警告灯が消えることがある。 そのまま使い続けると回路がショートし、エンジン停止や火災に至る可能性がある。 他の 2 車種は、スポーツタイプ多目的車 (SUV) 「CX-3」とコンパクトカー「デミオ」。 (sankei = 7-5-18)


雪印種苗の不祥事報告書 弁護士らが絶賛する理由は?

企業が不祥事を起こしたときに作る「第三者委員会」の報告書を客観的に検証している弁護士らが、品種偽装問題を起こした「雪印種苗(札幌市)」の報告書に過去最高の評価を与えた。 過去に検証した神戸製鋼や日産の報告書には厳しい評価が下されたが、今回の報告書は何が違うのか。

弁護士らでつくる「第三者委員会報告書格付け委員会(格付け委)」は 3 日に記者会見し、雪印種苗への評価結果を明らかにした。 評価した 9 人のうち、1 人は 5 段階で最高の「A」、残り 8 人は 2 番目に高い「B」をつけた。 久保利英明委員長は「第三者委報告書の歴史の中でまれに見る成果」とたたえた。

雪印種苗は、乳業大手・雪印メグミルクの子会社。 今年 4 月、牧草種子の品種を偽装して販売していたと発表し、赤石真人社長が引責辞任した。 偽装問題は内部告発がきっかけ。 同社や独立行政法人・家畜改良センターによる調査で、種子の表示などで違反があったことが判明。 同社が依頼した第三者委員会が 2 月から本格的な実態調査に乗り出した。

その調査は徹底していた。 報告書によると、雪印種苗や親会社の雪印メグミルクの役員ら 45 人に延べ 61 回のヒアリングを行い、関係する役員らのパソコンやメールサーバーから、計約 61 万件に及ぶ過去のメールや添付ファイルを抽出。 削除されていたものは復元させた。 現役の役員や社員計約 600 人を対象にアンケートも行い、254 ページの報告書にまとめた。

一連の調査では、社内では過去にも偽装行為が問題になっていたのに、きちんと事実を解明しようとしてこなかった社の姿勢も浮き彫りにした。 報告書によると、同社では 2014 年と 17 年の 2 度にわたって偽装行為などに関する社内調査を行い、報告書もつくっていた。 14 年の報告書は「02 年 1 月ころまで不適切な行為が行われていた」と指摘したものの、当時のデータはすでに存在せず、その後については「過去 10 年分には不適切な処理の実態や疑わしいものは見当たらなかった」としていた。

しかし、今年に入っての第三者委の調査では、02 年以前のデータが見つかったうえに 02 年以降も品種偽装が行われていたことが判明。 当時の社内調査の際、事実の隠蔽があった可能性をあぶり出した。 02 年は、同社のグループ会社だった「雪印食品(後に解散)」が国の BSE (牛海綿状脳症)対策制度を悪用し、輸入牛肉を「国産」と偽って助成金を詐取した事件が発覚した年。 それ以降は不祥事は起きていないという「ストーリー」に沿って社内調査の報告書がつくられたと、格付け委員の一人はみる。

14 年の報告書作成時に専務(第三者委報告書では「A 専務」と記述)だった赤石元社長が当時、「新聞記者からの取材を受けた場合、腹を決めて事実を正直に言う」というメールを部下に送っていたことも、今回の第三者委の調査で明らかになった。 赤石氏は 98 年以降、品種の表示を担当する種苗課の課長を務めていた。 今回の第三者委の聴取に対して赤石氏は、品種偽装を部下に指示したり、自ら実行したりしていたことを認めた。

こうした事実を次々と明らかにした今回の報告書に、格付け委では「ファクトに対する肉薄度。 迫力が違う。」、「真犯人を見つけたかのようだ」などと評価する声が相次いだ。 それでも多くの委員の評価が 2 番目の「B」にとどまったのは、親会社の責任に対する「突っ込み不足」が減点材料になったためだ。 14 年の社内調査では、親会社の雪印メグミルクの監査役が調査委員長を務めていた。 しかし今回の第三者委の報告書では、雪印メグミルクの責任の所在があいまいで、内部統制の機能不全に触れる記述も少なかった。 (asahi = 7-4-18)

神戸製鋼や三菱マテリアルなど名だたる大企業でデータ改ざんなどの不正が相次ぎ、不祥事が明るみに出るたびに企業は第三者委など外部の調査に事実解明を委ねるパターンが繰り返されてきた。 しかし、多くの調査報告書について格付け委は「調査があいまい」、「事実の羅列にすぎない」などとして厳しい評価を下している。

久保利委員長は「雪印種苗の報告書と比べると、昨年、不祥事があった 5 社(神鋼、日産、東レ、三菱マテリアル、スバル)の報告書には『お茶濁し感』がある。 これらの企業に『とりあえず第三者委に調査を丸投げすればマスコミは黙る』という発想があっただろうことは否定できない」と批判する。 企業にとって「不都合な真実」を第三者の目で徹底的にあぶり出そうとした雪印種苗のケースは、今後の企業の不祥事対応の一つのモデルになる可能性がある。